JP2004111588A - コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、誘電体を交互に折り畳んで積層したコンデンサにおいては、構造が複雑であるという問題があった。
【解決手段】それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面22、23に外部電極を形成するようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面22、23に外部電極を形成するようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体であるフィルムを巻回して円筒状ケースに収納した通常のコンデンサ(以下、巻回方式と称す)に対し、誘電体を交互に折り畳んで積層したコンデンサが提案されている(以下、折り畳み方式と称す)。例えば特許文献1には、コンデンサ紙、プラスチックフィルムなどの誘電体の表面に長手方向の両端縁に絶縁溝部を残して亜鉛、アルミニウムなどの金属を真空蒸着して蒸着電極を形成した両面金属化誘電体を交互に折り畳んで積層してなるコンデンサにおいて、上記折り畳み過程で両面の蒸着電極に所定の間隔で交互に絶縁スリットを設けた両面金属化誘電体を用いた直列形コンデンサが開示されている。
【0003】
上記折り畳み方式のコンデンサにおいては、巻回方式のものと比べてインダクタンスの低減や高周波特性の改善が図れるが、絶縁スリットや絶縁体の挿入が必要であり、その構造が複雑であるという問題点を有していた。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−156516号公報(第2−4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来の折り畳み方式のコンデンサにおいては、構造が複雑であるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、比較的構造が簡単で且つ電気的性能も安定したコンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるコンデンサは、それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材と、前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面に形成された外部電極とを具備したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2にかかるコンデンサは、それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材と、前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面に形成された外部電極と、これら外部電極にそれぞれ取り付けられた端子とを具備し、前記外部電極及び前記端子を有する前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材の外表面を樹脂で被覆したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3にかかるコンデンサは、請求項1または2記載のコンデンサにおいて、前記外部電極は、電極材料の吹き付けにより形成されたものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4にかかるコンデンサの製造方法は、それぞれ片面に内部電極が形成された2つのフィルム状部材を内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わせ、かつ山折りと谷折りとを繰り返して折り畳む工程と、折り畳まれたそれぞれのフィルム状部材の山折り部により形成される面に電極材料を吹き付けて外部電極を形成する工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5にかかるコンデンサの製造方法は、請求項4記載のコンデンサの製造方法において、前記折り畳み工程は、前記2つのフィルム状部材に対して別々に山折りと谷折りとを繰り返して折り目をつける工程と、この工程で折り目を付けられた2つのフィルム状部材を重ね合わせる工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6にかかるコンデンサの製造方法は、請求項4または5記載のコンデンサの製造方法において、前記折り畳み工程は、折り畳まれた2つのフィルム状部材を加熱しながら加圧する工程を具備したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明になるコンデンサ及びその製造方法の実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、説明上の都合、最初に製造方法につき説明を行う。
【0014】
図1は、本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す図であり、一部欠載展開斜視図である。1乃至2はポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等からなるフィルム状部材であり、これらフィルム状部材1、2のそれぞれ片面側には、後述するように一部を除きほぼ全面に亘って内部電極が蒸着により形成されている。
【0015】
誘電体としてのフィルム状部材は、これら異極のフィルム状部材1及び2によって構成されている。コンデンサを形成する為には、一般に異極同士のフィルム状部材(内部電極付き)1、2を重ね合わせる必要がある。ここでは、フィルム状部材1、2の内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わせたものを巻回せず、山折り、谷折りを繰り返して折り畳む構造としている。すなわち、フィルム状部材1、2は内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、フィルム状部材1の内部電極形成面から見て、辺3、4にて山折り、辺5、6にて谷折りを行なう。一方、フィルム状部材2の内部電極形成面から見た場合は、辺7、8にて山折り、辺9、10にて谷折りが行なわれることになる。
【0016】
以上の山折り、谷折りの状態を分かり易く示すため、図2にて図1のフィルム状部材1及び2を正面から見た状態を模式的に示す。図中11、12はフィルム状部材1の山折り部であり、13、14はフィルム状部材2の山折り部である。ここで、矢印A乃至Cはフィルム状部材1及び2の折り畳みの方向である。なお、フィルム状部材1及び2における山折りあるいは谷折りの折り曲げ部における両者の一致状態(例えばフィルム状部材1の辺5とフィルム状部材2の辺7の一致、あるいはフィルム状部材1の辺12とフィルム状部材2の辺10との一致)については、コンデンサの容量の観点からは出来るだけ一致していた方が良いが、若干のずれは問題なく、例えば1mm程度ずれていても構わない。若干のずれは、後述する外部電極形成において電極材料が例えばフィルム状部材2の辺7(またはフィルム状部材1の辺12)のピンホールから内部に侵入したとしてもフィルム状部材1の辺5(またはフィルム状部材2の辺10)には到達せず、異極電極間でのショートの発生が極めて低くなるという効果をもたらす。
【0017】
次に、図1に示したフィルム状部材1及び2が最終的に折り畳まれる前の状態、及び最終的に折り畳まれた状態を図3及び図4に示す。なお、折り畳んだ後には、加熱しながら圧力をかけて(ヒートプレス)、フィルム状部材1及び2がしっかり圧着されるようにしている。図3及び図4中、21は折り畳まれつつある、もしくは折り畳まれた状態にあるフィルム状部材1及び2であり、22はフィルム状部材1の山折り部(例えば、図2の11、12、……)によって形成される面であり、面22の反対側の面23は、フィルム状部材2の山折り部(例えば、図2の13、14、……)によって形成される面である。ここで上記面22、23がコンデンサの外部電極形成面となる。すなわち、これら2面22、23にメタリコン等の錫合金を吹き付けて外部電極31、32を形成することになる(図5参照)。なお、折り畳んだ状態での高さH(図4参照)は、最低2乃至3mm程度は必要である。
【0018】
以上により、フィルム状部材1及び2に形成されている内部電極と、上記外部電極31、32が接続されることになる(フィルム状部材1の山折り部11、12、……によって形成される面22には内部電極が露出しており、同じくフィルム状部材2の山折り部13、14、……によって形成される面23には内部電極が露出している)。なお、図4において、上面24及び下面25となるフィルム状部材1あるいは2の箇所には内部電極が形成されていない。
【0019】
図5は本発明になるコンデンサの実施の形態の一例を示す斜視図であり、33はコンデンサであり、34、35は、外部電極31、32が形成された後に、はんだ付け等によって取り付けられた外部端子(リード線)である。これら外部端子34、35の取付場所は、例えば外部電極31、32の面の中央部で良い。なお、図示しないが、コンデンサ33の外表面は製品の劣化を防ぐためにエポキシ樹脂の被膜で覆われている。この被膜は、外部端子34、35の取付後に、コンデンサ33全体を加熱してエポキシ樹脂の粉体中に複数回浸すことで、外表面に形成したものである。
【0020】
次に、フィルム状部材1、2を重ね合わせ折り畳む方法の一実施の形態を説明する。図6は、上記実施の形態を説明するために示した模式的な図である。ここで、41乃至46は歯車であり(記載を簡単にするために歯部の記載を省略している)、歯車41及び42、歯車43及び44、歯車45及び46がそれぞれ歯合している。なお、図7に歯車41、42及びフィルム状部材1を抜き出して示した(歯車43乃至46も歯車41及び42と同様である)。
【0021】
フィルム状部材1は、矢印D及びE方向に回転する歯車41及び42の間を通過することで、山折り、谷折りの折り目が交互に付けられる。同様にしてフィルム状部材2は、矢印F及びG方向に回転する歯車43及び44の間を通過することで山折り、谷折りの折り目が交互に付けられる。最後にフィルム状部材1及び2はそれぞれの山折り位置及び谷折り位置を合わせるようにして重ねられ、矢印H及びI方向に回転する歯車45及び46の間を通過することで、折り畳まれた状態となる。なお、以上の動作がなされるためには、歯車41乃至46は同期を取って回転駆動される必要がある。
【0022】
上記実施の形態によれば、製造されたコンデンサの電気的性能(例えば、誘電正接、絶縁抵抗、耐圧等)のバラツキが改善され、歩留まりが向上する為、価格を安価に出来る。同じく電気的性能のバラツキが改善される為、高精度の要求仕様にも対応できる。またメタリコン等の錫合金の吹き付け工程を簡素化できるので、工程を厳密に管理することが不要となり、工程の所要時間も短縮可能である。さらに出来上がったコンデンサの外形が角形になる為、基板取り付け上、安定する。同じく角形のためにレーザ光線による製品型番等のマーキングも容易である。比較的高容量の場合、特に安価、高性能といった効果をより発揮することが出来る。
【0023】
なお、この発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、比較的構造が簡単で且つ電気的性能も安定したコンデンサ及びその製造方法を提供することが出来、有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す一部欠載展開斜視図。
【図2】図1のフィルム状部材を模式的に示す正面図。
【図3】本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す斜視図。
【図4】本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明になるコンデンサの一実施の形態を示す斜視図。
【図6】図1のフィルム状部材を重ね合わせ折り畳む方法の一実施の形態を説明するための平面図。
【図7】図6の一部を取り出して示す平面図。
【符号の説明】
1、2: フィルム状部材
11、12:フィルム状部材1による山折り部
13、14:フィルム状部材2による山折り部
22、23:外部電極形成面
31、32:外部電極
33:コンデンサ
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体であるフィルムを巻回して円筒状ケースに収納した通常のコンデンサ(以下、巻回方式と称す)に対し、誘電体を交互に折り畳んで積層したコンデンサが提案されている(以下、折り畳み方式と称す)。例えば特許文献1には、コンデンサ紙、プラスチックフィルムなどの誘電体の表面に長手方向の両端縁に絶縁溝部を残して亜鉛、アルミニウムなどの金属を真空蒸着して蒸着電極を形成した両面金属化誘電体を交互に折り畳んで積層してなるコンデンサにおいて、上記折り畳み過程で両面の蒸着電極に所定の間隔で交互に絶縁スリットを設けた両面金属化誘電体を用いた直列形コンデンサが開示されている。
【0003】
上記折り畳み方式のコンデンサにおいては、巻回方式のものと比べてインダクタンスの低減や高周波特性の改善が図れるが、絶縁スリットや絶縁体の挿入が必要であり、その構造が複雑であるという問題点を有していた。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−156516号公報(第2−4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来の折り畳み方式のコンデンサにおいては、構造が複雑であるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、比較的構造が簡単で且つ電気的性能も安定したコンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるコンデンサは、それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材と、前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面に形成された外部電極とを具備したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2にかかるコンデンサは、それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材と、前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面に形成された外部電極と、これら外部電極にそれぞれ取り付けられた端子とを具備し、前記外部電極及び前記端子を有する前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材の外表面を樹脂で被覆したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3にかかるコンデンサは、請求項1または2記載のコンデンサにおいて、前記外部電極は、電極材料の吹き付けにより形成されたものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4にかかるコンデンサの製造方法は、それぞれ片面に内部電極が形成された2つのフィルム状部材を内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わせ、かつ山折りと谷折りとを繰り返して折り畳む工程と、折り畳まれたそれぞれのフィルム状部材の山折り部により形成される面に電極材料を吹き付けて外部電極を形成する工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5にかかるコンデンサの製造方法は、請求項4記載のコンデンサの製造方法において、前記折り畳み工程は、前記2つのフィルム状部材に対して別々に山折りと谷折りとを繰り返して折り目をつける工程と、この工程で折り目を付けられた2つのフィルム状部材を重ね合わせる工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6にかかるコンデンサの製造方法は、請求項4または5記載のコンデンサの製造方法において、前記折り畳み工程は、折り畳まれた2つのフィルム状部材を加熱しながら加圧する工程を具備したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明になるコンデンサ及びその製造方法の実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、説明上の都合、最初に製造方法につき説明を行う。
【0014】
図1は、本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す図であり、一部欠載展開斜視図である。1乃至2はポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等からなるフィルム状部材であり、これらフィルム状部材1、2のそれぞれ片面側には、後述するように一部を除きほぼ全面に亘って内部電極が蒸着により形成されている。
【0015】
誘電体としてのフィルム状部材は、これら異極のフィルム状部材1及び2によって構成されている。コンデンサを形成する為には、一般に異極同士のフィルム状部材(内部電極付き)1、2を重ね合わせる必要がある。ここでは、フィルム状部材1、2の内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わせたものを巻回せず、山折り、谷折りを繰り返して折り畳む構造としている。すなわち、フィルム状部材1、2は内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、フィルム状部材1の内部電極形成面から見て、辺3、4にて山折り、辺5、6にて谷折りを行なう。一方、フィルム状部材2の内部電極形成面から見た場合は、辺7、8にて山折り、辺9、10にて谷折りが行なわれることになる。
【0016】
以上の山折り、谷折りの状態を分かり易く示すため、図2にて図1のフィルム状部材1及び2を正面から見た状態を模式的に示す。図中11、12はフィルム状部材1の山折り部であり、13、14はフィルム状部材2の山折り部である。ここで、矢印A乃至Cはフィルム状部材1及び2の折り畳みの方向である。なお、フィルム状部材1及び2における山折りあるいは谷折りの折り曲げ部における両者の一致状態(例えばフィルム状部材1の辺5とフィルム状部材2の辺7の一致、あるいはフィルム状部材1の辺12とフィルム状部材2の辺10との一致)については、コンデンサの容量の観点からは出来るだけ一致していた方が良いが、若干のずれは問題なく、例えば1mm程度ずれていても構わない。若干のずれは、後述する外部電極形成において電極材料が例えばフィルム状部材2の辺7(またはフィルム状部材1の辺12)のピンホールから内部に侵入したとしてもフィルム状部材1の辺5(またはフィルム状部材2の辺10)には到達せず、異極電極間でのショートの発生が極めて低くなるという効果をもたらす。
【0017】
次に、図1に示したフィルム状部材1及び2が最終的に折り畳まれる前の状態、及び最終的に折り畳まれた状態を図3及び図4に示す。なお、折り畳んだ後には、加熱しながら圧力をかけて(ヒートプレス)、フィルム状部材1及び2がしっかり圧着されるようにしている。図3及び図4中、21は折り畳まれつつある、もしくは折り畳まれた状態にあるフィルム状部材1及び2であり、22はフィルム状部材1の山折り部(例えば、図2の11、12、……)によって形成される面であり、面22の反対側の面23は、フィルム状部材2の山折り部(例えば、図2の13、14、……)によって形成される面である。ここで上記面22、23がコンデンサの外部電極形成面となる。すなわち、これら2面22、23にメタリコン等の錫合金を吹き付けて外部電極31、32を形成することになる(図5参照)。なお、折り畳んだ状態での高さH(図4参照)は、最低2乃至3mm程度は必要である。
【0018】
以上により、フィルム状部材1及び2に形成されている内部電極と、上記外部電極31、32が接続されることになる(フィルム状部材1の山折り部11、12、……によって形成される面22には内部電極が露出しており、同じくフィルム状部材2の山折り部13、14、……によって形成される面23には内部電極が露出している)。なお、図4において、上面24及び下面25となるフィルム状部材1あるいは2の箇所には内部電極が形成されていない。
【0019】
図5は本発明になるコンデンサの実施の形態の一例を示す斜視図であり、33はコンデンサであり、34、35は、外部電極31、32が形成された後に、はんだ付け等によって取り付けられた外部端子(リード線)である。これら外部端子34、35の取付場所は、例えば外部電極31、32の面の中央部で良い。なお、図示しないが、コンデンサ33の外表面は製品の劣化を防ぐためにエポキシ樹脂の被膜で覆われている。この被膜は、外部端子34、35の取付後に、コンデンサ33全体を加熱してエポキシ樹脂の粉体中に複数回浸すことで、外表面に形成したものである。
【0020】
次に、フィルム状部材1、2を重ね合わせ折り畳む方法の一実施の形態を説明する。図6は、上記実施の形態を説明するために示した模式的な図である。ここで、41乃至46は歯車であり(記載を簡単にするために歯部の記載を省略している)、歯車41及び42、歯車43及び44、歯車45及び46がそれぞれ歯合している。なお、図7に歯車41、42及びフィルム状部材1を抜き出して示した(歯車43乃至46も歯車41及び42と同様である)。
【0021】
フィルム状部材1は、矢印D及びE方向に回転する歯車41及び42の間を通過することで、山折り、谷折りの折り目が交互に付けられる。同様にしてフィルム状部材2は、矢印F及びG方向に回転する歯車43及び44の間を通過することで山折り、谷折りの折り目が交互に付けられる。最後にフィルム状部材1及び2はそれぞれの山折り位置及び谷折り位置を合わせるようにして重ねられ、矢印H及びI方向に回転する歯車45及び46の間を通過することで、折り畳まれた状態となる。なお、以上の動作がなされるためには、歯車41乃至46は同期を取って回転駆動される必要がある。
【0022】
上記実施の形態によれば、製造されたコンデンサの電気的性能(例えば、誘電正接、絶縁抵抗、耐圧等)のバラツキが改善され、歩留まりが向上する為、価格を安価に出来る。同じく電気的性能のバラツキが改善される為、高精度の要求仕様にも対応できる。またメタリコン等の錫合金の吹き付け工程を簡素化できるので、工程を厳密に管理することが不要となり、工程の所要時間も短縮可能である。さらに出来上がったコンデンサの外形が角形になる為、基板取り付け上、安定する。同じく角形のためにレーザ光線による製品型番等のマーキングも容易である。比較的高容量の場合、特に安価、高性能といった効果をより発揮することが出来る。
【0023】
なお、この発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、比較的構造が簡単で且つ電気的性能も安定したコンデンサ及びその製造方法を提供することが出来、有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す一部欠載展開斜視図。
【図2】図1のフィルム状部材を模式的に示す正面図。
【図3】本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す斜視図。
【図4】本発明になるコンデンサの製造方法の一実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明になるコンデンサの一実施の形態を示す斜視図。
【図6】図1のフィルム状部材を重ね合わせ折り畳む方法の一実施の形態を説明するための平面図。
【図7】図6の一部を取り出して示す平面図。
【符号の説明】
1、2: フィルム状部材
11、12:フィルム状部材1による山折り部
13、14:フィルム状部材2による山折り部
22、23:外部電極形成面
31、32:外部電極
33:コンデンサ
Claims (6)
- それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材と、前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面に形成された外部電極とを具備したことを特徴とするコンデンサ。
- それぞれ片面に内部電極が形成され、内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わされ、かつ山折りと谷折りとが繰り返されて折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材と、前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材のそれぞれの山折り部によって形成される面に形成された外部電極と、これら外部電極にそれぞれ取り付けられた端子とを具備し、前記外部電極及び前記端子を有する前記重ね合わされ、折り畳まれた状態の2つのフィルム状部材の外表面を樹脂で被覆したことを特徴とするコンデンサ。
- 請求項1または2記載のコンデンサにおいて、前記外部電極は、電極材料の吹き付けにより形成されたものであることを特徴とするコンデンサ。
- それぞれ片面に内部電極が形成された2つのフィルム状部材を内部電極が形成されていない面同士を対向させて重ね合わせ、かつ山折りと谷折りとを繰り返して折り畳む工程と、折り畳まれたそれぞれのフィルム状部材の山折り部により形成される面に電極材料を吹き付けて外部電極を形成する工程とを具備したことを特徴とするコンデンサの製造方法。
- 請求項4記載のコンデンサの製造方法において、前記折り畳み工程は、前記2つのフィルム状部材に対して別々に山折りと谷折りとを繰り返して折り目をつける工程と、この工程で折り目を付けられた2つのフィルム状部材を重ね合わせる工程とを具備したことを特徴とするコンデンサの製造方法。
- 請求項4または5記載のコンデンサの製造方法において、前記折り畳み工程は、折り畳まれた2つのフィルム状部材を加熱しながら加圧する工程を具備したことを特徴とするコンデンサの製造方法。
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JP2002270983A Pending JP2004111588A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | コンデンサ及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2004111588A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110002081A1 (en) * | 2009-07-06 | 2011-01-06 | Delphi Technologies, Inc. | Shapeable short-resistant capacitor |
US20160072336A1 (en) * | 2013-06-27 | 2016-03-10 | Showa Denko K.K. | Power transmitter, power supply device, power consumption device, power supply system and method for producing power transmitter |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002270983A patent/JP2004111588A/ja active Pending
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