JP3173445B2 - フィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents

フィルムコンデンサの製造方法

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JP3173445B2 JP33388197A JP33388197A JP3173445B2 JP 3173445 B2 JP3173445 B2 JP 3173445B2 JP 33388197 A JP33388197 A JP 33388197A JP 33388197 A JP33388197 A JP 33388197A JP 3173445 B2 JP3173445 B2 JP 3173445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数個のフィルムコ
ンデンサを巻回し、プレス成形後、これを切断すること
によって、コンデンサ素子を得るフィルムコンデンサの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に片面金属化フィルムコンデ
ンサは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、
PETフィルムという)などの誘電体の幅方向の端部
に、0.5〜5.0mm程度の絶縁マージン部が設けら
れるように、金属を誘電体フィルムの片面に真空蒸着等
により形成し、この片面金属化フィルムを2枚重ね合わ
せ、巻回することによりコンデンサ素子を得ていた。
【0003】図9はこの金属化フィルムを用いてコンデ
ンサを得る場合の代表的な従来例であり、図9(a)は
斜視図を示し、図9(b)はその断面図を示している。
図において片面金属化フィルム093を重ね合わせて巻
回し、これをコンデンサ素子単体091として複数個整
列させ、これらを熱板によるプレス等で図10に示すよ
うに偏平に成形する。次に図11に示すように、その巻
回、成形したコンデンサ素子111の両端面にZn、S
nなどの金属材料を溶射して電極引き出し部114にリ
ード線115を溶接などにより接続してコンデンサを得
ていた。また、図12及び図13は特開平2−2727
14号に示されたように、両面金属化フィルムを用いて
コンデンサを得る場合の従来例であり、図12(a)は
斜視図を示し、図12(b)は図12(a)のa−b間
の断面図を示す。図において両面金属化フィルム123
のマージン部125の位置と複数個の誘電体フィルム1
23の隙間の位置とを一致させ、重ね合わせて巻回し、
コンデンサ素子121を得る。このコンデンサ素子12
1を図13に示すように熱板によるプレス等で偏平に成
形し、マージン部125の中心付近(A〜C)を切断す
ることによって分離し、コンデンサ素子単体121を得
ている。尚、コンデンサ素子121の両端面への金属材
料溶射、リード線の溶接は前記従来例と同様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら片面金属
化フィルムの場合、上記の従来の方法ではコンデンサ素
子巻回時にすでにコンデンサ素子091を単体として製
造していくため、狭幅の片面金属化フィルム093を個
々に配設する必要があり、また、コンデンサ素子091
を整列させるために時間が掛かり、生産性が悪いという
欠点があった。さらに、コンデンサ素子111と電極突
き出し部114との接続を行うため、片面金属化フィル
ム113は幅方向に対し、約0.1〜1.0mm突き出
して配設するため、突き出し部を支える片面金属化フィ
ルム113が無く、プレス成形で上記突き出し部がプレ
スの温度、圧力等で曲がりやすく、電極引き出し部11
4との接続が不十分となり、充放電特性不良発生の原因
となりやすいという欠点があった。
【0005】一方、図12の両面金属化フィルムでの従
来例を片面金属化フィルムに用いた場合、電極引き出し
のための片面金属化フィルム突き出し形成が片方の電極
側が不可能なため、電極接続不良となる問題があった。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、片面金属化フィルムコンデンサ素子の生産性を高
め、片面金属化フィルムの突き出し部の曲がりを防止し
て充放電特性を安定させることのできるフィルムコンデ
ンサの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のフィルムコンデンサの製造方法は、2枚の
誘電体フィルムの片面の長さ方向に絶縁マージン部と電
極部とをそれぞれ複数個、並列に形成し、マージン中央
を0.2mm〜2.0mm除去する工程で得られた複
数の片面金属化フィルムの隙間の位置を誘電体を介した
電極の中央部に配置、重ね合わせて巻回することによ
り、一体となった複数個のコンデンサ素子が形成され、
この素子を成形後、隙間の中央部を切断することによっ
て、コンデンサ素子を得る方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について、図
面を参照しながら説明する。
【0009】
【実施例】(実施例1)図1は本発明の一実施例による
巻回形フィルムコンデンサの製造方法を示した斜視図で
ある。
【0010】この実施例において、片面金属化フィルム
はPETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカー
ボネートフィルム等の誘電体フィルム013の長さ方向
に幅0.4mm〜5.0mm程度の絶縁マージン部01
5、そして真空蒸着等により形成した電極となる金属化
部012をそれぞれ複数個、並列に形成することによ
り、片面金属化フィルムを得、マージン部015の中央
を除去する工程で得られた複数の片面金属化フィルム
の隙間の位置を誘電体を介した電極012の中央部に配
置、重ね合わせて巻回することにより、一体に形成され
たコンデンサ素子011を得ている。
【0011】図2は図1のa−b間の断面図を示す。除
去する幅024は0.2mm〜2.0mmの狭幅で構成
している。
【0012】次に上記一体に形成されたコンデンサ素子
を巻回したものを図3に示す通り、熱板によるプレス等
で偏平形に成形し、図4に示すごとく、マージンの除
部の中心付近(A〜C)を切断することによって分離
し、コンデンサ素子を得ている。
【0013】尚、コンデンサ素子の切断方法は切断刃を
用い、切断角度20゜〜40゜程度を設ければ容易に切
断が可能である。
【0014】(実施例2)図5は本発明の他の実施例に
よる積層形フィルムコンデンサの製造方法を示してい
る。
【0015】この実施例のコンデンサ素子の構成は前記
の実施例と同様であるが、平板056に巻回した積層フ
ィルムコンデンサ素子の例である。
【0016】これは、巻回後、図6に示す通り熱板によ
るプレス等でフィルム層間を密着、成形する。次に上記
一体に形成されたコンデンサ素子061をa−b間で切
断、平板から分離後、前記の実施例と同様、マージンの
スリット・除去部中心付近(A〜C)を切断することに
よって分離し、図7に示した短冊状の素子071を得ら
れる。
【0017】尚、コンデンサ素子の切断方法は前記の実
施例と同様、容易に切断が可能である。
【0018】図8に充放電試験500サイクル後の結果
を示している。図8からも明らかなように、本発明品の
誘電正接の初期値が0.95%〜0.99%に対し、5
00サイクル後も0.96%〜1.00%と安定してい
ることが分かる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、誘電体フィルムの片面の長さ方向に絶縁マー
ジン部及び電極部をそれぞれ複数個、並列に形成した片
面金属化フィルムのマージン中央部を0.2mm〜2.
0mm除去した複数の片面金属化フィルムの隙間の位置
を誘電体を介した電極の中央部に配置、重ね合わせ巻回
して、複数のコンデンサ素子を得るため、狭幅の誘電体
フィルムのみを配設する必要も無く、また、熱板による
プレス成形時、単体の素子を整列させることも無いの
で、生産性を高めることができる。また、複数のコンデ
ンサ素子が一体化されているため、プレス成形時にプレ
スの温度、圧力等により、誘電体フィルムの端部が折れ
曲がることも無く、充放電特性の安定した片面金属化フ
ィルムコンデンサが得られる。
【0020】尚、本発明は誘電体フィルムを限定する必
要は無く、実施例で記載した以外のポリフェニレンスル
フィード、ポリエチレンナフタレート等でも問題は無
い。また、実施例では1段構造の例を示したが、コンデ
ンサ内部で直列に接続した多段千鳥構造でも問題は無
い。さらに実施例2で平板に巻回した積層フィルムコン
デンサの例を示したが、丸く巻いた積層コンデンサにも
本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるフィルムコンデンサ
巻回時の斜視図
【図2】本発明の実施例1におけるフィルムコンデンサ
の断面図
【図3】本発明の実施例1におけるフィルムコンデンサ
成形後の斜視図
【図4】本発明の実施例1におけるフィルムコンデンサ
切断後の斜視図、断面図
【図5】本発明の実施例2におけるフィルムコンデンサ
積層時の斜視図
【図6】本発明の実施例2におけるフィルムコンデンサ
成形後の斜視図
【図7】本発明の実施例2におけるフィルムコンデンサ
切断後の斜視図
【図8】本発明により得られたコンデンサの特性図
【図9】従来の製造方法を説明するためのコンデンサ巻
回時の斜視図、断面図
【図10】従来の製造方法を説明するためのコンデンサ
成形後の斜視図
【図11】従来の製造方法を説明するための断面図
【図12】従来の製造方法を説明するための斜視図、断
面図
【図13】従来の製造方法を説明するための斜視図
【符号の説明】
011、031、051、061、071、091、1
21 コンデンサ素子 012、022、052、092、112、122 電
極 013、023、053、093、113、123 誘
電体フィルム 015、025、055、125 マージン部 024、124 スリット、除去部 114 電極引き出し部 115 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 引野 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−94653(JP,A) 特開 平2−272714(JP,A) 特開 昭63−76310(JP,A) 特開 平8−115850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 4/40 H01G 13/00 - 13/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の誘電体フィルムの片面の長さ方向
    に絶縁マージン部と電極部とをそれぞれ複数個、並列に
    形成する第1の工程と、前記第1の工程により得られた
    2枚の片面金属化フィルムのマージン中央部を0.2m
    m〜2.0mm除去する工程で得られた複数の片面金属
    化フィルムの隙間の位置を誘電体を介した電極の中央部
    に配置、重ね合わせて巻回する第2の工程と前記第2の
    工程で得られた巻回体をプレス成形後、第2の工程で得
    られた隙間の中央部を切断してコンデンサ素子を得る第
    3の工程とを有するフィルムコンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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