JP2004111514A - 窒化物系半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Masayuki Hata
畑 雅幸
Takashi Kano
狩野 隆司
Yasuhiko Nomura
野村 康彦
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Abstract

【課題】活性層の結晶性を向上させることにより活性層の発光強度を向上させることが可能な窒化物系半導体発光素子を提供する。
【解決手段】この窒化物系半導体発光素子は、n型クラッド層2と、MQW活性層12と、n型クラッド層2とMQW活性層12との間に形成され、n型クラッド層2よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層2とMQW活性層12との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層11と、p型クラッド層4とMQW活性層12との間に形成され、p型クラッド層4よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層4とMQW活性層12との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層13とを備えている。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、窒化物系半導体発光素子およびその製造方法に関し、より特定的には、キャリアのオーバフローを防止するための窒化物系半導体層を含む窒化物系半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化物系半導体発光素子の開発が盛んに行われている。一般的に、半導体発光素子の重要な特性として、しきい値電流などがある。このしきい値電流が増加するのを抑制するためには、活性層からキャリアが漏れる(オーバフローする)のを抑制する必要がある。このため、従来では、活性層からクラッド層または光ガイド層へのキャリア(電子や正孔)のオーバフローを防止するために、オーバフロー防止層が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、InGaN多重量子井戸(MQW)活性層と、n型GaN導波層(光ガイド層)と、p型GaN導波層(光ガイド層)とを備え、InGaN多重量子井戸(MQW)活性層とn型導波層およびp型導波層との間に、それぞれ、n型GaAlNオーバフロー防止層およびp型GaAlNオーバフロー防止層が設けられた構造が開示されている。この場合、n型GaAlNオーバフロー防止層およびp型GaAlNオーバフロー防止層は、それぞれ、n型GaN導波層(光ガイド層)およびp型GaN導波層(光ガイド層)よりもバンドギャップが大きいので、MQW活性層からn型GaN導波層(光ガイド層)およびp型GaN導波層(光ガイド層)へのキャリア(電子や正孔)のオーバフローを防止することが可能となる。これにより、しきい値電流が増加するのを抑制することが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−294529号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の例では、GaAlNオーバフロー防止層は、GaN導波層(光ガイド層)よりもバンドギャップが大きい一方、GaN光ガイド層およびGaInNからなるMQW活性層よりも格子定数が小さい。すなわち、GaAlNオーバフロー防止層は、GaInNからなるMQW活性層よりも格子定数の小さいGaN導波層(光ガイド層)よりもさらに格子定数が小さい。このため、GaAlNオーバフロー防止層とGaInNからなるMQW活性層との間の格子定数の差が大きくなるという不都合があった。このように活性層とオーバフロー防止層との格子定数差が大きくなると、活性層に歪みが印加されるので、活性層の結晶性が劣化する。その結果、活性層の発光強度が低下するという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、活性層の結晶性を向上させることにより活性層の発光強度を向上させることが可能な窒化物系半導体発光素子を提供することである。
【0006】
この発明のもう1つの目的は、上記の窒化物系半導体発光素子において活性層とオーバフローを防止するための窒化物系半導体層との格子定数差を小さくすることである。
【0007】
この発明のさらにもう1つの目的は、活性層の結晶性を向上させることにより活性層の発光強度を向上させることが可能な窒化物系半導体発光素子を容易に製造し得る窒化物系半導体発光素子の製造方法を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、上記の窒化物系半導体発光素子の製造方法において、活性層の結晶性をより向上させることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の局面による窒化物系半導体発光素子は、第1窒化物系半導体層と、窒化物系半導体からなる活性層と、第1窒化物系半導体層と活性層との間に形成され、第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層とを備えている。
【0010】
この第1の局面による窒化物系半導体発光素子では、上記のように、第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を設けることによって、第2窒化物系半導体層が第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有することによりキャリアのオーバフローを有効に防止することができるとともに、第2窒化物系半導体層が第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有することにより第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子不整合を小さくすることができるので、活性層に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、活性層の結晶性を向上させることができるので、活性層の発光強度を向上させることができる。
【0011】
上記第1の局面による窒化物系半導体発光素子において、第1窒化物系半導体層は、第2窒化物系半導体層の活性層とは反対側に位置するクラッド層を含んでいてもよい。なお、本発明のクラッド層は、第2窒化物系半導体層の活性層とは反対側に位置する、光を活性層あるいは光ガイド層に閉じ込める機能を有するクラッド層のみならず、第2窒化物系半導体層の活性層とは反対側に位置する、キャリアを活性層に閉じ込める機能を有する光ガイド層なども含む。
【0012】
上記の場合、好ましくは、第2窒化物系半導体層の格子定数は、第1窒化物系半導体層の格子定数よりも大きく、かつ、活性層の格子定数よりも小さい。このように構成すれば、容易に、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子定数差を小さくすることができるので、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子不整合を小さくすることができる。
【0013】
この場合、第1窒化物系半導体層は、複数の窒化物系半導体層を含み、活性層は、複数の窒化物系半導体層を含み、第2窒化物系半導体層の格子定数は、少なくとも第1窒化物系半導体層を構成する窒化物系半導体層のうちの最も格子定数の小さい窒化物系半導体層の格子定数よりも大きく、かつ、少なくとも活性層を構成する窒化物系半導体層のうちの最も格子定数の大きい窒化物系半導体層の格子定数よりも小さくなるようにしてもよい。このように構成すれば、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子定数差を小さくすることができるので、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子不整合を小さくすることができる。
【0014】
上記の場合、好ましくは、第1窒化物系半導体層は、複数の窒化物系半導体層を含み、活性層は、複数の窒化物系半導体層を含み、第2窒化物系半導体層のバンドギャップは、少なくとも第1窒化物系半導体層を構成する窒化物系半導体層のうちの最もバンドギャップの小さい窒化物系半導体層のバンドギャップよりも大きく、かつ、少なくとも活性層を構成する窒化物系半導体層のうちの最もバンドギャップの小さい窒化物系半導体層のバンドギャップよりも大きい。このように構成すれば、キャリアのオーバフローを防止することができる。
【0015】
上記の場合、第2窒化物系半導体層は、(Al1−XGa1−Y−ZInN(0≦X≦1、0<Y<1、0<Z<1、0<Y+Z≦1)からなり、活性層は、AlGa1−U−V−WInN(0≦U<1、0≦V<1、0<W≦1、0<U+V+W≦1)からなり、第1窒化物系半導体層は、(Al1−RGa1−S−TInN(0≦R≦1、0≦S≦1、0≦T<1、0≦S+T≦1)からなっていてもよい。また、第2窒化物系半導体層は、(Al1−XGa1−Y−ZInN(0≦X≦1、0<Y<1、0<Z<1、0<Y+Z≦1)からなり、活性層は、Ga1−WInN(0<W≦1)からなり、第1窒化物系半導体層は、(Al1−RGa1−S−TInN(0≦R≦1、0≦S≦1、0≦T<1、0≦S+T≦1)からなっていてもよい。これらのように構成すれば、容易に、第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を得ることができる。
【0016】
上記の場合、好ましくは、第2窒化物系半導体層と活性層とは接触している。このように第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有する第2窒化物系半導体層を活性層に接触するように設けることによって、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子不整合を小さくすることによる活性層に加わる歪みを低減する効果を大きくすることができる。これにより、活性層の結晶性をより向上させることができるので、活性層の発光強度をより向上させることができる。この場合、好ましくは、活性層は、量子井戸層を含み、量子井戸層と第2窒化物系半導体層とは接触している。このように構成すれば、第2窒化物系半導体層と量子井戸層との間の格子不整合を小さくすることによる量子井戸層に加わる歪みの低減効果を大きくすることができる。これにより、量子井戸層に加わる歪みをより小さくすることができるので、量子井戸層の結晶性をより向上させることができる。その結果、量子井戸層を含む活性層の発光強度をより向上させることができる。
【0017】
この発明の第2の局面による窒化物系半導体発光素子の製造方法は、第1窒化物系半導体層を成長させる工程と、窒化物系半導体からなる活性層を成長させる工程と、第1窒化物系半導体層と活性層との間に、第1窒化物系半導体層の成長温度よりも低い温度で、第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えている。
【0018】
この第2の局面による窒化物系半導体発光素子の製造方法では、上記のように、第1窒化物系半導体層と活性層との間に、第1窒化物系半導体層の成長温度よりも低い温度で、キャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を成長させることによって、第2窒化物系半導体層の成長温度と活性層の成長温度との差が小さくなるので、第2窒化物系半導体層の成長工程と活性層の成長工程との間で成長温度を制御するために成長を中断する時間を短くすることができる。これにより、成長を中断している期間に雰囲気ガス中の不純物が第2窒化物系半導体層と活性層との界面に混入するのを防止することができるので、活性層の結晶性を向上させることができる。その結果、活性層の発光強度を向上させることができる。また、第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を設けることによって、第2窒化物系半導体層が第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有することによりキャリアのオーバフローを有効に防止することができるとともに、第2窒化物系半導体層が第1窒化物系半導体層と活性層との中間の格子定数を有することにより第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、第2窒化物系半導体層と活性層との間の格子不整合を小さくすることができるので、活性層に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、活性層の結晶性をより向上させることができるので、活性層の発光強度をより向上させることができる。
【0019】
この発明の第3の局面による窒化物系半導体発光素子の製造方法は、第1窒化物系半導体層を成長させる工程と、第1窒化物系半導体層の上に、第1窒化物系半導体層の成長温度よりも低い温度で、キャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を成長させる工程と、第2窒化物系半導体層上に、窒化物系半導体からなる活性層を成長させる工程とを備えている。
【0020】
この第3の局面による窒化物系半導体発光素子の製造方法では、上記のように、第1窒化物系半導体層上に、第1窒化物系半導体層の成長温度よりも低い温度で、キャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を成長させることによって、第2窒化物系半導体層の成長温度と、その第2窒化物系半導体層上に成長される活性層の成長温度との差が小さくなるので、第2窒化物系半導体層の成長工程と活性層の成長工程との間で成長温度を制御するために成長を中断する時間を短くすることができる。これにより、成長を中断している期間に雰囲気ガス中の不純物が第2窒化物系半導体層と活性層との界面に混入するのを防止することができるので、活性層の結晶性をより向上させることができる。その結果、活性層の発光強度をより向上させることができる。
【0021】
なお、上記の活性層および第1窒化物系半導体層が複数ある場合に、オーバフローを防止するための第2の窒化物系半導体層の格子定数は、第1窒化物系半導体層を構成する全ての窒化物系半導体層の格子定数よりも大きく、かつ、活性層を構成する全ての窒化物系半導体層の格子定数よりも小さくなるのが好ましい。また、オーバフローを防止するための第2の窒化物系半導体層のバンドギャップは、第1の窒化物系半導体層を構成する全ての窒化物系半導体層のバンドギャップよりも大きく、かつ、活性層を構成する全ての窒化物系半導体層のバンドギャップよりも大きいのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子(LEDチップ)を示した断面図である。また、図2は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。
【0024】
図1および図2を参照して、まず、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造について説明する。この第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子は、(1−100)M面から[0001]方向へ0.5度オフした表面を有する。n型のGaN基板1上に、約5μmの厚みを有するとともに、約1×1019cm−3のドーピング量および7×1018cm−3のキャリア濃度を有するGeがドープされたGaNからなるn型クラッド層2が形成されている。なお、n型クラッド層2は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。
【0025】
また、n型クラッド層2の上面上のほぼ全面と接触するように、発光層3が形成されている。発光層3は、図2に示すように、オーバフロー防止層11と、多重量子井戸(MQW)活性層12と、オーバフロー防止層(キャップ層)13とから構成されている。なお、オーバフロー防止層11および13は、本発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
【0026】
n型クラッド層2上に形成されるオーバフロー防止層11は、MQW活性層12からn型クラッド層2への正孔のオーバフローを防止するために設けられている。このオーバフロー防止層11は、約10nmの厚みを有するとともに、約1×1019cm−3のドーピング量および約6×1018cm−3のキャリア濃度を有するGeがドープされたAl0.1Ga0.8In0.1Nからなる。また、オーバフロー防止層11上に形成されるMQW活性層12は、約5nmの厚みを有する5つのアンドープGa0.65In0.35Nからなる井戸層12aと、約5nmの厚みを有する4つのアンドープGa0.85In0.15Nからなる障壁層12bとが交互に積層された構造を有する。また、MQW活性層12の井戸層12aは、オーバフロー防止層11と接触するように形成されている。
【0027】
ここで、第1実施形態では、GeがドープされたAl0.1Ga0.8In0.1Nからなるオーバフロー防止層11は、GaNからなるn型クラッド層2よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層2と、Ga0.65In0.35NまたはGa0.85In0.15NからなるMQW活性層12との中間の格子定数を有する。
【0028】
また、MQW活性層12上に形成されるオーバフロー防止層13は、約10nmの厚みを有する約5×1019cm−3のドーピング量および約1×1018cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.2Ga0.7In0.1Nからなる。このオーバフロー防止層13は、MQW活性層12から後述するp型クラッド層4への電子のオーバフローを防止する機能に加えて、MQW活性層12のInが脱離するのを防止することによりMQW活性層5の結晶の劣化を防止するキャップ層としての機能も有する。また、オーバフロー防止層13は、MQW活性層12の井戸層12aに接触するように形成されている。オーバフロー防止層13上には、図1に示すように、約0.15μmの厚みを有するとともに、約5×1019cm−3のドーピング量および約2×1018cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層4が形成されている。なお、p型クラッド層4は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。
【0029】
ここで、第1実施形態では、Al0.2Ga0.7In0.1Nからなるオーバフロー防止層13は、Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層4よりも大きなバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層4と、Ga0.65In0.35NまたはGa0.85In0.15NからなるMQW活性層12との中間の格子定数を有する。
【0030】
p型クラッド層4上には、約0.3μmの厚みを有するとともに、約5×1019cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたGaNからなるp型中間コンタクト層5が形成されている。p型中間コンタクト層5上には、約0.3μmの厚みを有するとともに、約5×1019cm−3のドーピング量および約8×1018cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたGa0.85In0.15Nからなるp型コンタクト層6が形成されている。なお、GaNからなるp型中間コンタクト層5は、Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層4のバンドギャップと、Ga0.85In0.15Nからなるp型コンタクト層6のバンドギャップとの中間のバンドギャップを有する。
【0031】
また、p型コンタクト層6の上面上には、p型コンタクト層6側から、約100nmの厚みを有するPd膜と、約300nmの厚みを有するAu膜とから構成されるp側電極7が形成されている。p側電極7の上面上には、p側電極7側から、約30nmの厚みを有するTi膜と、約500nmの厚みを有するAu膜とから構成されるp側パッド電極8が形成されている。
【0032】
また、n型のGaN基板1の裏面上の一部には、GaN基板1の裏面に近い側から、約500nmの厚みを有するAl膜と、約2nmの厚みを有するSi膜と、約10nmの厚みを有するNi膜と、約300nmの厚みを有するAuとから構成されるn側電極9が形成されている。
【0033】
第1実施形態では、上記のように、GaNからなるn型クラッド層2よりも大きなバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層2とGa0.65In0.35NまたはGa0.85In0.15NからなるMQW活性層12との中間の格子定数を有するAl0.1Ga0.8In0.1Nからなるオーバフロー防止層11を設けることによって、オーバフロー防止層11がn型クラッド層2よりも大きいバンドギャップを有することにより正孔のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層11がn型クラッド層2とMQW活性層12との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層11とMQW活性層12との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層11とMQW活性層12との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層12に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層12の結晶性を向上させることができるので、MQW活性層12の発光強度を向上させることができる。
【0034】
また、第1実施形態では、Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層4よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層4とGa0.65In0.35NまたはGa0.85In0.15NからなるMQW活性層12との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層13を設けることによって、オーバフロー防止層13がp型クラッド層4よりも大きいバンドギャップを有することによりMQW活性層12からp型クラッド層4への電子のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層13がp型クラッド層4とMQW活性層12との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層13とMQW活性層12との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層13とMQW活性層12との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層12に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層12の結晶性をより向上させることができるので、MQW活性層12の発光強度をより向上させることができる。
【0035】
また、第1実施形態では、オーバフロー防止層11および13を、MQW活性層12の両側に接触するように設けることによって、MQW活性層12とn型オーバフロー防止層11および13との間の格子不整合を小さくすることによるMQW活性層12に加わる歪みを低減する効果を大きくすることができる。これにより、MQW活性層12の結晶性をさらに向上させることができるので、MQW活性層12の発光強度をさらに向上させることができる。
【0036】
図3は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1〜図3を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
【0037】
まず、図3に示すように、MOVPE法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy;有機金属気相成長法)を用いて、n型のGaN基板1の(1−100)M面から[0001]方向へ0.5度オフした表面上に、n型クラッド層2、発光層3、p型クラッド層4、p型中間コンタクト層5およびp型コンタクト層6を順次成長させる。なお、このGaN基板1は、LiGaO基板上にHVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy;ハライド気相成長法)でGaNを成長した後、LiGaO基板を除去することにより作製される。
【0038】
具体的には、n型のGaN基板1を、たとえば、約1150℃の単結晶成長温度に保持した状態で、HおよびNからなるキャリアガス(H:約50%)と、NHおよびトリメチルガリウム(TMGa)からなる原料ガスと、GeHからなるドーパントガスとを用いて、約3μm/hの成長速度で、GaN基板1上に、単結晶のGeがドープされたGaNからなるn型クラッド層2を成長させる。
【0039】
次に、基板温度を約950℃の単結晶成長温度に保持した状態で、HおよびNからなるキャリアガス(H:約1%〜約5%)と、NH、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルガリウム(TEGa)およびトリメチルインジウム(TMIn)からなる原料ガスと、GeHからなるドーパントガスとを用いて、約0.4nm/sの成長速度で、n型クラッド層2上に、単結晶のGeがドープされたAl0.1Ga0.8In0.1Nからなるオーバフロー防止層11(図2参照)を成長させる。
【0040】
ここで、オーバフロー防止層11を成長する温度(約950℃)は、n型クラッド層2を成長する温度(約1150℃)よりも低い。これにより、オーバフロー防止層11の成長温度(約950℃)と後述するMQW活性層12の成長温度(約850℃)との差が少なくなるため、オーバフロー防止層11の成長温度からMQW活性層12の成長温度へ設定温度を変更する際のオーバフロー防止層11とMQW活性層12との間の成長中断の時間を短くすることができる。このため、成長を中断している期間に、雰囲気ガス中の不純物(たとえば炭素)がオーバフロー防止層11の表面に混入するのを防止することができるので、MQW活性層12の結晶性をより向上させることができる。その結果、MQW活性層12の発光強度をより向上させることができる。
【0041】
次に、基板温度を約850℃の単結晶成長温度に保持した状態で、MQW活性層12を形成する。具体的には、HおよびNからなるキャリアガス(H:約1%〜約5%)と、NH、TEGaおよびTMInからなる原料ガスとを用いて、約0.4nm/sの成長速度で、オーバフロー防止層11上に、約5nmの厚みを有する5つの単結晶のアンドープGa0.65In0.35Nからなる井戸層12aと、約5nmの厚みを有する4つの単結晶のアンドープGa0.85In0.15Nからなる障壁層12bとを交互に成長させることにより、MQW活性層12を形成する。
【0042】
続いて、基板温度を約950℃のオーバフロー防止層13の成長温度に設定する。ここで、オーバフロー防止層13を成長する温度(約950℃)は、後述するp型クラッド層4を成長する温度(約1150℃)よりも低い。これにより、オーバフロー防止層13の成長温度(約950℃)とMQW活性層12の成長温度(約850℃)との差を小さくすることができるので、MQW活性層12の成長温度(約850℃)からオーバフロー防止層13の成長温度(950℃)へ設定温度を変更する際に、MQW活性層12とオーバフロー防止層13との間の成長中断の時間を短くすることができる。これにより、成長を中断している期間に雰囲気ガス中の不純物がMQW活性層12の表面に混入するのを防止することができるので、MQW活性層12の結晶性をより向上させることができる。その結果、MQW活性層12の発光強度をより向上させることができる。
【0043】
上記のように、基板温度を約950℃の単結晶成長温度に保持した状態で、HおよびNからなるキャリアガス(H:約1%〜約5%)と、NH、TMAl、TEGaおよびTMInからなる原料ガスと、シクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)からなるドーパントガスを用いて、約0.4nm/sの成長速度で、MQW活性層12上に、単結晶のAl0.2Ga0.7In0.1Nからなるオーバフロー防止層13を成長させる。
【0044】
この後、基板温度を約1150℃の単結晶成長温度に保持した状態で、HおよびNからなるキャリアガス(H:約1%〜約3%)と、NH、TMGaおよびTMAlからなる原料ガスと、CpMgからなるドーパントガスとを用いて、約3nm/hの成長速度で、オーバフロー防止層13上に、単結晶のMgドープAl0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層4を形成する。そのp型クラッド層4上に、原料ガスをNHおよびTMGaからなる原料ガスに変えた後、約3μm/hの成長速度で、単結晶のMgがドープされたGaNからなるp型中間コンタクト層5を成長させる。
【0045】
次に、基板温度を約850℃の単結晶成長温度に保持した状態で、HおよびNからなるキャリアガス(H:約1%〜約5%)と、NH、TEGaおよびTMInからなる原料ガスと、CpMgからなるドーパントガスとを用いて、約3nm/hの成長速度で、p型中間コンタクト層5上に、MgがドープされたGa0.85In0.15Nからなるp型コンタクト層6を形成する。
【0046】
ここで、第1実施形態では、p型コンタクト層6の形成時に、成長温度を約1150℃から約850℃に降温する際に、Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層4上に、Al組成を含まないGaNからなるp型中間コンタクト層5が形成されているので、p型クラッド層4の上層がAlを含んでいる場合に発生するp型クラッド層4の表面が変質するという不都合を防止することができる。これにより、p型コンタクト層6からp型クラッド層4へ流れる電流に対する抵抗をより低減することができる。また、p型クラッド層4の変質に起因する面内の抵抗のばらつきを低減することができるので、発光むらを低減することができる。これにより、均一な発光を得ることができる。
【0047】
また、第1実施形態による製造プロセスでは、上記のように、p型クラッド層4からp型コンタクト層6を結晶成長させる際に、キャリアガスの水素組成を約1%〜約5%と低くしている。これにより、Mgドーパントを活性化させることができるので、高キャリア濃度のp型窒化物系半導体からなる各層(4〜6)を得ることができる。
【0048】
図3に示したp型コンタクト層6を形成した後、真空蒸着法などを用いて、図1に示すように、p型コンタクト層6の上面上に、p型コンタクト層6側から、約100nmの厚みを有するPd膜と約300nmの厚みを有するAu膜とからなるp側電極7を形成する。そのp側電極7上に、p側電極7側から、約30nmの厚みを有するTi膜および約500nmの厚みを有するAu膜からなるp側パッド電極8を形成する。また、n型のGaN基板1の裏面に、GaN基板1の裏面側から、約500nmの厚みを有するAl膜、約2nmの厚みを有するSi膜、約10nmの厚みを有するNi膜、および、約300nmの厚みを有するAu膜からなるn側電極9を形成する。
【0049】
その後、約600℃の温度で熱処理することによって、p側電極7およびn側電極9を、それぞれ、p型コンタクト層6およびn型のGaN基板1にオーミック接触させる。
【0050】
最後に、スクライブ、ダイシングおよびブレーキングなどの方法を用いて、たとえば、一辺の長さが約100μmから約400μmのほぼ正方形のチップ形状になるように素子分離を行う。このようにして、図1に示されるような第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子が形成される。
【0051】
さらに、上記のように形成された第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子(LEDチップ)のp型コンタクト層6側をフレーム(図示せず)に、AuとSnからなる半田を用いて固定した後、それらを覆うように、樹脂を200℃前後の温度で硬化させることによって、第1実施形態のLEDチップを含むLEDランプを作製してもよい。
【0052】
上記第1実施形態では、GaN基板1の(1−100)M面から[0001]方向へ0.5度オフした表面上に、n型クラッド層2、発光層3、p型クラッド層4、p型中間コンタクト層5およびp型コンタクト層6を順次成長させることによって、(1−100)面にほぼ近い表面を有する各層2〜6を形成することができる。これにより、MQW活性層12にピエゾ電場が発生しないので、MQW活性層12を構成する井戸層12aのバンドが傾いて正孔と電子との再結合確率が低下するのを抑制することができる。その結果、発光効率を向上させることができる。
【0053】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LDチップ)を示した断面図である。また、図5は、図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。図4および図5を参照して、この第2実施形態では、窒化物系半導体発光ダイオード素子に本発明を適用した第1実施形態と異なり、窒化物系半導体レーザ素子に本発明を適用した例について説明する。
【0054】
この第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図4に示すように、サファイア(0001)C面基板21上に、約10nm〜約1000nmの厚みを有するSiNからなる逆メサ形状(逆台形形状)のマスク層22が、約7μmの周期でストライプ状(細長状)に形成されている。このマスク層22は、隣接するマスク層22間の最短距離が、マスク層22の露出したサファイア基板21の幅より小さくなるように形成されている。
【0055】
そのマスク層22間に露出したサファイア基板21上には、約10nm〜約50nmの厚みを有するAlGaNまたはGaNからなる低温バッファ層23が形成されている。そして、低温バッファ層23およびマスク層22上には、マスク層22を埋め込むように、約2μmの厚みを有する低転位のアンドープGaN層24が形成されている。
【0056】
そして、アンドープGaN層24上には、約1μmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.01Ga0.99Nからなるn型コンタクト層25が形成されている。このn型コンタクト層25は、凸部を有するように形成されている。そして、そのn型コンタクト層25の凸部上には、約1μmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.08Ga0.92Nからなるn型クラッド層26が形成されている。なお、n型クラッド層26は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。
【0057】
n型クラッド層26上には、発光層27が形成されている。この発光層27は、図5に示すように、オーバフロー防止層41と、光ガイド層45と、MQW活性層42と、光ガイド層44と、オーバフロー防止層(キャップ層)43とを含んでいる。なお、オーバフロー防止層41および43は、本発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
【0058】
n型クラッド層26上に形成されるオーバフロー防止層41は、約20nmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.25Ga0.66In0.09Nからなる。このオーバフロー防止層41は、MQW活性層42からn型クラッド層26へ正孔がオーバフローするのを防止するために設けられている。また、オーバフロー防止層41上に形成される光ガイド層45は、約100nmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたGa0.99In0.01Nからなる。
【0059】
また、光ガイド層45上に形成されるMQW活性層42は、約15nmの厚みを有する4つのアンドープのGa0.95In0.05Nからなる障壁層42aと、約4nmの厚みを有する3つのアンドープのGa0.90In0.10Nからなる井戸層42bとから構成されている。
【0060】
MQW活性層42上に形成される光ガイド層44は、約100nmの厚みを有するとともに、約3×1019cm−3のドーピング量および約2×1017cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたGa0.99In0.01Nからなる。
【0061】
また、光ガイド層44上に形成されるオーバフロー防止層(キャップ層)43は、約20nmの厚みを有するとともに、アンドープのAl0.15Ga0.8In0.05Nからなる。また、オーバフロー防止層(キャップ層)43は、MQW活性層42からの電子のオーバフローを防止する機能に加えて、光ガイド層44のInが脱離するのを防止するキャップ層としての機能を有する。
【0062】
発光層27を構成するオーバフロー防止層(キャップ層)43上には、図4に示すように、約280nmの厚みを有するとともに、約4×1019cm−3のドーピング量および約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.08Ga0.92Nからなるp型クラッド層28が形成されている。なお、 p型クラッド層28は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。p型クラッド層28上には、約5nmの厚みを有するとともに、約4×1019cm−3のドーピング量および約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.01Ga0.99Nからなるp型コンタクト層29が形成されている。
【0063】
ここで、第2実施形態では、Al0.25Ga0.66In0.09Nからなるオーバフロー防止層41は、Al0.08Ga0.92Nからなるn型クラッド層26よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層26と、Ga0.95In0.05NまたはGa0.90In0.10NからなるMQW活性層42との中間の格子定数を有する。また、Al0.15Ga0.8In0.05Nからなるオーバフロー防止層(キャップ層)43は、Al0.08Ga0.92Nからなるp型クラッド層28よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層28と、Ga0.95In0.05NまたはGa0.90In0.10NからなるMQW活性層42との中間の格子定数を有する。
【0064】
また、p型コンタクト層29の上面上には、p型コンタクト層29側から、約1nmの厚みを有するPt膜、約100nmの厚みを有するPd膜および約3μmの厚みを有するAu膜からなるp側電極31が形成されている。またp型コンタクト層29からn型コンタクト層26までの一部領域が除去されることによって、n型コンタクト層26の一部が露出されている。そのn型コンタクト層26の露出された表面上には、n型コンタクト層26側から、約6nmの厚みを有するAl膜と、約2nmの厚みを有するSi膜と、約10nmの厚みを有するNi膜と、約300nmの厚みを有するAu膜とからなるn側電極30が形成されている。
【0065】
第2実施形態では、上記のように、MQW活性層42とn型コンタクト層25との間に、Al0.08Ga0.92Nからなるn型クラッド層26よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層26とGa0.95In0.05NまたはGa0.90In0.10NからなるMQW活性層42との中間の格子定数を有するAl0.25Ga0.66In0.09Nからなるオーバフロー防止層41を設けることによって、オーバフロー防止層41がn型クラッド層26よりも大きいバンドギャップを有することにより正孔のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層41がn型クラッド層26とMQW活性層42との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層41とMQW活性層42との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層41とMQW活性層42との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層42に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層42の結晶性を向上させることができるので、MQW活性層42の発光強度を向上させることができる。
【0066】
また、第2実施形態では、p型クラッド層28とMQW活性層42との間に、Al0.08Ga0.92Nからなるp型クラッド層28よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層28とGa0.95In0.05NまたはGa0.90In0.10NからなるMQW活性層42との中間の格子定数を有するAl0.15Ga0.8In0.05Nからなるオーバフロー防止層(キャップ層)43を設けることによって、オーバフロー防止層43がp型クラッド層28よりも大きいバンドギャップを有することにより電子のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層43がp型クラッド層28とMQW活性層42との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層43とMQW活性層42との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層43とMQW活性層42との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層42に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層42の結晶性をより向上させることができるので、MQW活性層42の発光強度をより向上させることができる。
【0067】
図6および図7は、図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図4〜図7を参照して、第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0068】
まず、図6に示すように、サファイア(0001)C面基板21の上面上の全面にSiN膜(図示せず)を形成した後、そのSiN膜の所定領域上にレジスト(図示せず)を形成する。そして、そのレジストをマスクとして、SiN膜をウェットエッチングすることによって、ストライプ状のマスク層22を形成する。このマスク層22は、マスク層22の斜めに形成された側面とサファイア(0001)C面基板21との間にオーバーハング部を有するように、逆メサ形状(逆台形形状)に形成されている。また、マスク層22間の開口部は、たとえば、サファイア(0001)C面基板21の[11−20]方向またはサファイア(0001)C面基板21の[1−100]方向に形成するのが好ましい。
【0069】
この後、マスク層22間に露出したサファイア(0001)C面基板21上に、約500℃〜約700℃の成長温度で、AlGaNまたはGaNからなる低温バッファ層23を成長させる。そして、MOVPE法またはHVPE法などを用いて、マスク層22を選択成長マスクとして、低温バッファ層23上に、約950℃〜約1200℃の成長温度で、アンドープGaN層24を選択横方向成長させる。この場合、露出された低温バッファ層23の上面上において、アンドープGaN層24は、まず、上方向に成長する。これにより、低温バッファ層23の上面上の中央部付近に、断面が三角形状のファセット構造のアンドープGaN層(図示せず)が成長される。さらに、アンドープGaN層からなるファセットの成長が進むと、各ファセットは横方向に成長して合体するとともに、マスク層22上にも成長される。それにより、上面が平坦な連続膜からなるアンドープGaN層24が形成される。その結果、より多くの転位が横方向に曲げられるので、より薄い厚みで、転位密度が約7×10cm−2に低減されたアンドープGaN層24を形成することができる。
【0070】
次に、図7に示すように、アンドープGaN層上に、MOVPE法を用いて、上記した組成、厚み、ドーピング量およびキャリア濃度を有するn型コンタクト層25、n型クラッド層26、発光層27、p型クラッド層28およびp型コンタクト層29を順次成長させる。なお、n型コンタクト層25と、n型クラッド層26と、オーバフロー防止層41および43と、p型クラッド層28およびp型コンタクト層29との成長温度は、約1150℃である。また、光ガイド層45と、MQW活性層42と、光ガイド層44との成長温度は、約850℃である。
【0071】
この後、p型コンタクト層29からn型コンタクト層25の一部領域をRIE法などを用いてエッチングすることにより、図4に示したように、n型コンタクト層25の表面の一部を露出させる。また、p型コンタクト層29およびp型クラッド層28の一部をエッチングすることにより、リッジ部を形成する。そして、p型コンタクト層29の上面上に、上記の組成および厚みを有するp側電極31を形成するとともに、エッチングにより露出されたn型コンタクト層25の表面上に、上記の組成および厚みを有するn側電極30を形成する。
【0072】
第2実施形態の製造プロセスでは、上記のように、逆メサ形状のマスク層22を設けることによって、低転位のアンドープGaN層24をより薄い厚みで形成することができる。
【0073】
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LDチップ)を示した断面図である。図9は、図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。図8および図9を参照して、この第3実施形態では、上記第2実施形態と異なり、導電性のn型GaN基板を用いた窒化物系半導体レーザ素子について説明する。
【0074】
この第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図8に示すように、(0001)Ga面を表面とする酸素ドープのn型のGaN基板51上に、約1μmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約4×1018cm−3のキャリア濃度を有するGeがドープされたAl0.01Ga0.99Nからなるn型層52が形成されている。n型層52上には、約1μmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約3×1018cm−3のキャリア濃度を有するGeがドープされたAl0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層53が形成されている。なお、n型クラッド層53は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。
【0075】
n型クラッド層53上には、発光層54が形成されている。発光層54は、図9に示すように、オーバフロー防止層71と、MQW活性層72と、光ガイド層74と、オーバフロー防止層(キャップ層)73とを含んでいる。なお、オーバフロー防止層71および73は、本発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
【0076】
オーバフロー防止層71は、MQW活性層72からn型クラッド層53への正孔のオーバフローを防止するために設けられている。このオーバフロー防止層71は、n型コンタクト層53上に形成され、約20nmの厚みを有するとともに、アンドープのAl0.25Ga0.66In0.09Nからなる。また、オーバフロー防止層71上に形成されるMQW活性層72は、約3.5nmの厚みを有するアンドープのGa0.85In0.15Nからなる3つの井戸層72aと、約20nmの厚みを有するアンドープのGa0.95In0.05Nからなる3つの障壁層72bとから構成される。
【0077】
MQW活性層72上に形成される光ガイド層74は、約100nmの厚みを有するとともに、アンドープのIn0.01Ga0.99Nからなる。また、光ガイド層74上に形成されるオーバフロー防止層(キャップ層)73は、約20nmの厚みを有するとともに、アンドープのAl0.25Ga0.66In0.09Nからなる。このオーバフロー防止層73は、MQW活性層72からの電子のオーバフローを防止する機能に加えて、光ガイド層74のInが脱離するのを防止するキャップ層としての機能も有する。
【0078】
また、オーバフロー防止層(キャップ層)73上には、図8に示すように、約280nmの厚みを有するとともに、約4×1019cm−3のドーピング量および約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層55が形成されている。なお、p型クラッド層55は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。p型クラッド層55上には、約3nmの厚みを有するアンドープのIn0.07Ga0.93Nからなるコンタクト層56が形成されている。
【0079】
また、p型クラッド層55およびコンタクト層56の電流通路となる領域以外の領域に、イオン注入層57が形成されている。また、コンタクト層56上の所定領域には、約100nmの厚みを有するTiO膜からなる絶縁膜58が開口部58aを有するように形成されている。絶縁膜58の開口部58aを介してコンタクト層56に接触するとともに絶縁膜58の上面上に沿って延びるように、コンタクト層56側から、約1nmの厚みを有するPt膜と、約5nmの厚みを有するPd膜とからなるp側電極59が形成されている。p側電極59上には、p側電極59側から、約100nmの厚みを有するPd膜と、約3μmの厚みを有するAuとからなるp側パッド電極60が形成されている。また、GaN基板51の裏面上には、GaN基板51側から、約6nmの厚みを有するAl膜と、約2nmの厚みを有するSi膜と、約10nmの厚みを有するNi膜と、約300nmの厚みを有するAu膜とからなるn側電極61が形成されている。
【0080】
ここで、第3実施形態では、Al0.25Ga0.66In0.09Nからなるオーバフロー防止層71は、Al0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層53よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層53と、Ga0.85In0.15NまたはGa0.95In0.05NからなるMQW活性層72との中間の格子定数を有する。また、Al0.25Ga0.66In0.09Nからなるオーバフロー防止層73は、Al0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層55よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層55と、Ga0.85In0.15NまたはGa0.95In0.05NからなるMQW活性層72との中間の格子定数を有する。
【0081】
第3実施形態では、上記のように、n型クラッド層53とMQW活性層72との間に、n型クラッド層53よりもバンドギャップが大きいとともに、n型クラッド層53とMQW活性層72との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層71を設けることによって、オーバフロー防止層71がn型クラッド層53よりも大きいバンドギャップを有することによりMQW活性層72からの正孔のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層71がn型クラッド層53とMQW活性層72との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層71とMQW活性層72との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層71とMQW活性層72との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層72に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層72の結晶性を向上させることができるので、MQW活性層72の発光強度を向上させることができる。
【0082】
また、第3実施形態では、上記のように、p型クラッド層55とMQW活性層72との間に、p型クラッド層55よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層55とMQW活性層72との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層73を設けることによって、オーバフロー防止層73がp型クラッド層55よりも大きいバンドギャップを有することによりMQW活性層72からの電子のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層73がp型クラッド層55とMQW活性層72との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層73とMQW活性層72との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層73とMQW活性層72との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層72に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層72の結晶性をより向上させることができるので、MQW活性層72の発光強度をより向上させることができる。
【0083】
図10〜図15は、図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図8〜図15を参照して、第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0084】
まず、図10に示すように、(0001)Ga面を表面とするn型GaN基板51上に、MOVPE法を用いて、上記した組成、厚み、ドーピング量およびキャリア濃度を有するn型層52、n型クラッド層53、発光層54、p型クラッド層55およびコンタクト層56を順次成長させる。なお、n型層52、n型クラッド層53、p型クラッド層55およびコンタクト層56の成長は、約1150℃で行う。また、オーバフロー防止層71、MQW活性層72、光ガイド層74およびオーバフロー防止層73の成長は、約850℃で行う。
【0085】
ここで、第3実施形態による製造プロセスでは、オーバフロー防止層71の成長温度(約850℃)を、n型クラッド層53の成長温度(約1150℃)よりも低くするとともに、MQW活性層72の成長温度(約850℃)と同じにすることによって、オーバフロー防止層71の成長温度とMQW活性層72の成長温度との差がなくなる。これにより、オーバフロー防止層71とMQW活性層72との成長工程を、成長を中断することなく連続的に行うことができる。このため、成長の中断に起因して雰囲気ガス中の不純物がオーバフロー防止層71とMQW活性層72との界面に混入するのを防止することができるので、MQW活性層72の結晶性をより向上させることができる。その結果、MQW活性層72の発光強度をより向上させることができる。
【0086】
図10に示した形状を形成した後、図11に示すように、プラズマCVD法を用いて、基板温度を約200℃に保持した状態で、約1μmの厚みを有するSiO膜(図示せず)を全面に形成した後、そのSiO膜をフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術とを用いてパターンニングする。これにより、図11に示されるような形状を有するSiO膜75が形成される。その後、プラズマCVD法を用いて、基板温度を約200℃に保持した状態で、約50nmの厚みを有するSiO膜76を全面を覆うように形成する。
【0087】
次に、図12に示すように、SiO膜75と、SiO膜76のSiO膜75の側面に形成された部分とをマスクにして、コンタクト層56およびp型クラッド層55に、炭素(C)をイオン注入することによって、イオン注入層57を形成する。このイオン注入層57は、約1019〜1020cm−3の不純物濃度と、約300nm〜約350nmの注入深さとを有するように形成する。
【0088】
この後、CFガスによるドライエッチングを用いて、SiO膜76を除去するとともに、SiO膜75の側面を等方的にドライエッチングする。これにより、図13に示されるような、幅の小さいSiO膜75aが形成される。その後、電子ビーム蒸着法を用いて、基板温度を約100℃に保持した状態で、約50nmの厚みを有するTiO膜からなる絶縁膜58を全面を覆うように形成する。そして、SiO膜75aをウェットエッチングすることによって、図14に示すように、絶縁膜58に開口部58aを形成する。
【0089】
次に、図15に示すように、開口部58aを介してコンタクト層56の上面に接触するとともに、絶縁膜58の上面上に沿って延びるように、コンタクト層56側から、約1nmの厚みを有するPt膜と、約5nmの厚みを有するPd膜とからなるp側電極59を形成する。
【0090】
この後、第3実施形態による製造プロセスでは、窒素中で約360℃でアニール処理を行うことによって、p型クラッド層55をp型化する。その後、リフトオフ用のレジストパターン(図示せず)を形成した後、真空蒸着法を用いて、基板温度を約100℃に保持した状態で、下から上に向かって、約100nmの厚みを有するPd膜(図示せず)と約3μmの厚みを有するAu膜(図示せず)とを形成する。その後、レジストを除去することによって、Pd膜およびAu膜からなるp側パッド電極60が形成される。
【0091】
最後に、図8に示したように、GaN基板51の裏面を、約140μmの厚みになるまで研磨する。そして、基板温度を約200℃に保持した状態で、GaN基板51の裏面をCl系のガスでドライエッチングする。また、基板温度を約100℃に保持した状態で、GaN基板51の裏面に、GaN基板51側から、約6nmの厚みを有するAl膜と、約2nmの厚みを有するSi膜と、約10nmの厚みを有するNi膜と、約300nmの厚みを有するAu膜とからなるn側電極61を形成する。
【0092】
このようにして、第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0093】
(第4実施形態)
図16は、本発明の第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LDチップ)を示した断面図である。図17は、図16に示した第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層部分の拡大断面図である。図16および図17を参照して、この第4実施形態では、サファイア(1−102)R面基板上に窒化物系半導体層を成長させる場合について説明する。
【0094】
すなわち、この第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図16に示すように、サファイア(1−102)R面基板81上に、約10nm〜約50nmの厚みを有するAlGaNまたはGaNからなる低温バッファ層83が形成されている。低温バッファ層83上には、約2μmの厚みを有するアンドープGaN層84が形成されている。
【0095】
そして、アンドープGaN層84上には、約1μmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.01Ga0.99Nからなるn型コンタクト層85が形成されている。このn型コンタクト層85は、凸部を有するように形成されている。そのn型コンタクト層85の凸部の上面のほぼ全面と接触するように、超格子構造を有するn型クラッド層86が形成されている。この超格子構造のn型クラッド層86は、約10nmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.15Ga0.85Nからなる層と、約10nmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.05Ga0.95Nからなる層とが50周期積層されている。なお、n型クラッド層86は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。
【0096】
この超格子構造のn型クラッド層86上には、発光層87が形成されている。発光層87は、図17に示すように、オーバフロー防止層101と、光ガイド層105と、MQW活性層102と、オーバフロー防止層(キャップ層)103と、光ガイド層104とから構成されている。なお、オーバフロー防止層101および103は、本発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
【0097】
n型クラッド層86上に形成されるオーバフロー防止層101は、約20nmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたAl0.25Ga0.65In0.1Nからなる。
【0098】
また、オーバフロー防止層101上に形成される光ガイド層105は、約100nmの厚みを有するとともに、約5×1018cm−3のドーピング量および約5×1018cm−3のキャリア濃度を有するSiがドープされたGa0.99In0.01Nからなる。また、光ガイド層105上に形成されるMQW活性層102は、約15mの厚みを有するとともに、アンドープのGa0.95In0.05Nからなる4つの障壁層102aと、約4nmの厚みを有するアンドープのGa0.90In0.10Nからなる3つの井戸層102bとから構成されている。MQW活性層102上に形成されるオーバフロー防止層(キャップ層)103は、約20nmの厚みを有するとともに、アンドープのAl0.25Ga0.58In0.17Nからなる。このオーバフロー防止層103は、MQW活性層102からの電子のオーバフローを防止する機能に加えて、MQW活性層102のInが脱離するのを防止するキャップ層としての機能も有する。
【0099】
また、オーバフロー防止層103上に形成される光ガイド層104は、約100nmの厚みを有するとともに、約3×1019cm−3のドーピング量および約2×1017cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.01Ga0.99Nからなる。この光ガイド層104は、キャリアを活性層に閉じ込める機能を有しており、この光ガイド層104は、本発明の「クラッド層」および「第1窒化物系半導体層」の一例である。
【0100】
光ガイド層104上には、図16に示すように、約280nmの厚みを有するとともに、約4×1019cm−3のドーピング量および約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するMgがドープされたAl0.08Ga0.92Nからなるp型クラッド層88が形成されている。p型クラッド層88は、凸部を有するように形成されている。なお、このp型クラッド層88は、本発明の「第1窒化物系半導体層」および「クラッド層」の一例である。
【0101】
ここで、この第4実施形態では、n型クラッド層86とMQW活性層102との間に形成されるAl0.25Ga0.65In0.1Nからなるオーバフロー防止層101は、Al0.15Ga0.85NとAl0.05Ga0.95Nとの超格子構造からなるn型クラッド層86を構成するすべての層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層86を構成するすべての層と、Ga0.95In0.05NまたはGa0.90In0.10NからなるMQW活性層102との中間の格子定数を有する。また、p型クラッド層88とMQW活性層102との間に形成されるAl0.25Ga0.42In0.17Nからなるオーバフロー防止層(キャップ層)103は、Al0.08Ga0.92Nからなるp型クラッド層88およびAl0.01Ga0.99Nからなる光ガイド層104よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層88および光ガイド層104と、Ga0.95In0.05NまたはGa0.90In0.10NからなるMQW活性層102との中間の格子定数を有する。
【0102】
また、p型クラッド層88の凸部上には、約5nmの厚みを有するとともに、約4×1019cm−3のドーピング量および約5×1017cm−3のキャリア濃度を有するGaNからなるp型コンタクト層89が形成されている。p型コンタクト層89上には、p型コンタクト層89側から、約1nmの厚みを有するPt膜、約100nmの厚みを有するPd膜および約3μmの厚みを有するAu膜からなるp側電極91が形成されている。
【0103】
また、p型コンタクト層89からn型コンタクト層85までの一部領域が除去されることによって、n型コンタクト層85の一部領域が露出されている、そのn型コンタクト層85の露出された表面上には、n型コンタクト層85側から、約6nmの厚みを有するAl膜、約2nmの厚みを有するSi膜、約10nmの厚みを有するZn膜および約300nmの厚みを有するAu膜からなるn側電極90が形成されている。
【0104】
ここで、第4実施形態では、サファイア(1−102)R面基板81上に形成される窒化物系半導体からなる各層83〜89、101〜105の表面は、(11−20)面となる。また、サファイアの[−1101]方向がGaNの[0001]方向と平行になり、サファイアの[11−20]方向がGaNの[−1100]方向と平行になるように、窒化物系半導体からなる各層83〜89および101〜105が結晶成長されている。
【0105】
第4実施形態では、上記のように、窒化物系半導体からなる各層83〜89および101〜105を、(11−20)面を有するように積層することによって、MQW活性層102にピエゾ電場が発生しないので、井戸層102bのエネルギバンドに傾きが発生するのを抑制することができる。これにより、電子と正孔との再結合確率が低下するのを抑制することができるので、MQW活性層102の発光効率を向上させることができる。
【0106】
また、第4実施形態では、上記のように、複数の層からなる超格子構造のn型クラッド層86とMQW活性層102との間に、n型クラッド層86を構成するすべての層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、n型クラッド層86を構成するすべての層とMQW活性層102との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層101を設けることによって、オーバフロー防止層101がn型クラッド層86よりも大きいバンドギャップを有することによりMQW活性層102からの正孔のオーバフローを有効に防止することができるとともに、オーバフロー防止層101がn型クラッド層86とMQW活性層102との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層101とMQW活性層102との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層101とMQW活性層102との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層102に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層102の結晶性を向上させることができるので、MQW活性層102の発光強度を向上させることができる。
【0107】
また、この第4実施形態では、上記のように、p型クラッド層88および光ガイド層104と、MQW活性層102との間に、p型クラッド層88および光ガイド層104よりも大きいバンドギャップを有するとともに、p型クラッド層88および光ガイド層104と、MQW活性層102との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層(キャップ層)103を設けることによって、オーバフロー防止層103がp型クラッド層88および光ガイド層104よりも大きいバンドギャップを有することによりMQW活性層102からの電子のオーバフローを防止することができるとともに、オーバフロー防止層103がp型クラッド層88および光ガイド層104とMQW活性層102との中間の格子定数を有することによりオーバフロー防止層103とMQW活性層102との間の格子定数差を小さくすることができる。これにより、オーバフロー防止層103とMQW活性層102との間の格子不整合を小さくすることができるので、MQW活性層102に加わる歪みを小さくすることができる。その結果、MQW活性層102の結晶性をより向上させることができるので、MQW活性層102の発光強度をより向上させることができる。
【0108】
図18は、図16に示した第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図16〜図18を参照して、第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0109】
まず、図18に示すように、サファイア(1−102)R面基板81上に、約500℃〜約800℃の成長温度で、AlGaNまたはGaNからなる低温バッファ層83を約10nm〜約50nmの厚みで成長させる。そして、MOVPE法またはHVPE法などを用いて、低温バッファ層83上に、約950℃〜約1200℃の成長温度で、アンドープGaN層84を約2μmの厚みで成長させる。この後、アンドープGaN層84上に、上記した組成、厚み、ドーピング量およびキャリア濃度を有する窒化物系半導体からなる各層85〜89および101〜105を成長させる。この場合、n型コンタクト層85と、n型クラッド層86と、光ガイド層104と、p型クラッド層88と、p型コンタクト層89との成長温度は、約1150℃であり、オーバフロー防止層101と、光ガイド層105と、MQW活性層102と、オーバフロー防止層103との成長温度は、約850℃である。
【0110】
ここで、第4実施形態による製造プロセスでは、オーバフロー防止層101の成長温度(約850℃)を、n型クラッド層86の成長温度(約1150℃)よりも低くするとともに、MQW活性層102の成長温度(約850℃)と同じにすることによって、オーバフロー防止層101の成長温度とMQW活性層102の成長温度との差がなくなる。これにより、オーバフロー防止層101とMQW活性層102との成長工程を、成長を中断することなく連続的に行うことができる。このため、成長の中断に起因して雰囲気ガス中の不純物がオーバフロー防止層101とMQW活性層102との界面に混入するのを防止することができるので、MQW活性層102の結晶性をより向上させることができる。その結果、MQW活性層102の発光強度をより向上させることができる。
【0111】
図18に示した形状を形成した後、p型コンタクト層89およびp型クラッド層88の一部をエッチングすることによって、図16に示すようなリッジ部を形成する。また、p型コンタクト層89からn型コンタクト層85までの一部領域をRIE法によるエッチングにより除去することによって、n型コンタクト層85の一部領域を露出させる。p型コンタクト層89の上面上に、p型コンタクト層89側から、約1nmの厚みを有するPt膜と、約100nmの厚みを有するPd膜と、約3μmの厚みを有するAu膜とからなるp側電極91を形成する。また、n型コンタクト層85の露出された表面上には、n型コンタクト層85側から、約6nmの厚みを有するAl膜と、約2nmの厚みを有するSi膜と、約10nmの厚みを有するZn膜と、約300nmの厚みを有するAu膜とからなるn側電極90を形成する。
【0112】
最後に、へき開やドライエッチングなどを用いて、窒化物系半導体の(0001)面または(1−100)面からなる共振器面を形成する。このようにして、第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0113】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0114】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、MQW活性層を挟むようにMQW活性層の両側にオーバフロー防止層を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、MQW活性層のp側またはn側のみにオーバフロー防止層を形成してもよい。この場合にも、同様の効果を得ることができる。
【0115】
また、上記第1〜第4実施形態において、オーバフロー防止層とMQW活性層との間、または、オーバフロー防止層と光ガイド層との間に、中間層を設けるようにしてもよい。この中間層としては、オーバフロー防止層とMQW活性層との中間のバンドギャップを有し、オーバフロー防止層とMQW活性層との中間の格子定数を有する層を用いるのが好ましい。また、中間層として、オーバフロー防止層と光ガイド層との中間のバンドギャップを有し、かつ、オーバフロー防止層と光ガイド層との中間の格子定数を有する層を形成してもよい。
【0116】
また、上記第1〜第4実施形態では、AlGaInNからなるオーバフロー防止層と、GaInNからなるMQW活性層と、AlGaNからなるクラッド層とを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、オーバフロー防止層を、(Al1−XGa1−Y−ZInN(0≦X≦1、0<Y<1、0<Z<1、0<Y+Z≦1)によって形成するとともに、MQW活性層を、AlGa1−U−V−WInN(0≦U<1、0≦V<1、0<W≦1、0<U+V+W≦1)によって形成し、かつ、クラッド層を(Al1−RGa1−S−TInN(0≦R≦1、0≦S≦1、0≦T<1、0≦S+T≦1)によって形成するようにしてもよい。また、オーバフロー防止層を、(Al1−XGa1−Y−ZInN(0≦X≦1、0<Y<1、0<Z<1、0<Y+Z≦1)によって形成するとともに、MQW活性層を、Ga1−WInN(0<W≦1)によって形成し、かつ、クラッド層を(Al1−RGa1−S−TInN(0≦R≦1、0≦S≦1、0≦T<1、0≦S+T≦1)によって形成するようにしてもよい。
【0117】
また、上記第4実施形態では、超格子構造のn型クラッド層86を構成するすべての層よりも大きいバンドギャップを有するオーバフロー防止層101と、p型クラッド層88およびクラッド層としての機能を有する光ガイド層104よりも大きいバンドギャップを有するオーバフロー防止層(キャップ層)103とを設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、オーバフロー防止層は、少なくとも複数の層からなるクラッド層の最もバンドギャップの小さい層よりもバンドギャップが大きく、かつ、少なくともMQW活性層を構成する層のうちの最もバンドギャップの小さい層よりもバンドギャップが大きければよい。たとえば、オーバフロー防止層103のバンドギャップは、p型クラッド層88のバンドギャップと光ガイド層104のバンドギャップとの中間にあってもよい。
【0118】
また、上記第4実施形態では、超格子構造のn型クラッド層86を構成するすべての層とMQW活性層72を構成するすべての層との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層101と、p型クラッド層88およびクラッド層としての機能を有する光ガイド層104とMQW活性層102を構成するすべての層との中間の格子定数を有するオーバフロー防止層103とを設けたが、本発明はこれに限らず、オーバフロー防止層は、少なくとも複数の層からなるクラッド層の最も格子定数の小さい層よりも格子定数が大きく、かつ、少なくともMQW活性層を構成する層のうちの最も格子定数の大きい層よりも格子定数が小さければよい。たとえば、オーバフロー防止層103の格子定数は、p型クラッド層88の格子定数と光ガイド層104の格子定数との中間にあってもよい。
【0119】
また、上記第1〜第4実施形態では、MQW活性層を挟む両側のオーバフロー防止層のバンドギャップをクラッド層のバンドギャップより大きくするとともに、両側のオーバフロー防止層の格子定数をクラッド層とMQW活性層との間の格子定数になるようにしたが、本発明はこれに限らず、MQW活性層の一方側に設けられるオーバフロー防止層を、クラッド層のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有するとともに、クラッド層とMQW活性層との間の格子定数を有するように形成し、MQW活性層の他方側に設けられるオーバフロー防止層を、クラッド層のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有するとともに、MQW活性層の格子定数より小さいクラッド層の格子定数よりさらに小さい格子定数を有するように形成してもよい。この場合にも、同様の効果を得ることができる。
【0120】
また、上記第1〜第4実施形態では、基板として、サファイア基板またはGaN基板を用いたが、本発明はこれに限らず、スピネル基板、Si基板、SiC基板、GaAs基板、GaP基板、InP基板、水晶基板、ZrB基板などの基板を用いてもよい。
【0121】
また、上記第1〜第4実施形態では、Pd膜およびAu膜からなるp側電極を、Pd膜とp型コンタクト層とが接触するように形成したが、本発明はこれに限らず、Pd膜の代わりに、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)およびイリジウム(Ir)のうち、少なくとも1種を含む金属またはこれらの金属からなる合金を用いてもよい。この場合、特に、Ni、Pdまたは白金からなる金属膜をp型コンタクト層またはコンタクト層と接触するようにp側電極を形成すれば、より好ましいオーミック接触を得ることができる。
【0122】
また、上記第1〜第4実施形態では、Pd膜およびAu膜からなるp側電極を、Pd膜とp型コンタクト層またはコンタクト層とが接触するように形成したが、本発明はこれに限らず、Pd膜の代わりに、水素吸蔵合金を用いてもよい。水素吸蔵合金としては、Mg、MgNi(x≠2)、MgCa、MgCu(x≠2)、LMg(x≠17)、CaNi(x≠5)、Lni(x≠5)、LCo(x≠5)、LNi1−xMN(x≠0.5)、LNi1−xAl(x≠0.5)、TiFe、TiFe1−xMn(x≠0.15)、TiCo、TiCo1−xMn(x≠0.5)、TiCoNi(x≠0.25)、TiMn(x≠1.5)、Ti1−xZrMn2−yMo(x≠0.2、y≠0.2)、Ti1−xZrMn2−y−zCr(x≠0.1、y≠0.2、z≠0.4)、Ti1−xZrCr1−yMn(x≠0.2、y≠1.2)、TiCr(x≠1.8)、TiCrMn(x≠1.2)、Ti1−xAl(x≠1.25)などが好ましい。
【0123】
ここで、「L」は、希土類元素の混合物であるミッシュメタルまたはランタノイド元素である。また、水素吸蔵合金を形成した後、Au膜を形成する前に、約300℃〜約500℃の温度条件下でアニールするのが好ましい。これにより、p型コンタクト層またはコンタクト層から水素を脱離する効果が大きくなるので、コンタクト層の正孔の濃度を高くすることができる。したがって、さらに好ましいオーミック接触を得ることができる。
【0124】
また、上記第1〜第4実施形態において、窒化物系半導体の結晶構造は、ウルツ鉱型構造であってもよいし、閃亜鉛鉱型構造であってもよい。
【0125】
また、上記第1〜第4実施形態では、窒化物系半導体各層の結晶成長を、MOVPE法などを用いて行ったが、本発明はこれに限らず、HVPE法、または、TMAl、TMGa、TMIn、NH、SiH、GeHおよびCpMgなどを原料ガスとして用いるガスソースMBE法などを用いて結晶成長を行ってもよい。
【0126】
また、上記第1実施形態では、p型クラッド層からp型コンタクト層を結晶成長する際に、キャリアガスの水素組成を約1%〜約5%と低くすることにより、Mgドーパントを活性化させて、高キャリア濃度のp型半導体各層を形成したが、本発明はこれに限らず、p型半導体各層をN雰囲気中で、約600℃〜約800℃の温度範囲で熱処理することにより高キャリア濃度のp型半導体各層を形成してもよい。
【0127】
また、上記第1〜第4実施形態では、AlGaNまたはGaInNからなるp型コンタクト層またはコンタクト層を用いたが、本発明はこれに限らず、たとえば、GaNや、GaTlNおよびGaInTlなどのTlを含む窒化物系半導体や、GaAsN、GaInAsN、GaNPおよびGaInNPなどのAsやPを含む窒化物系半導体を用いて、p型コンタクト層またはコンタクト層を形成してもよい。
【0128】
また、上記第1〜第4実施形態では、窒化物系半導体の各層を、窒化物系半導体の(0001)面、(1−100)M面から[0001]方向へ0.5度オフした面、または、(11−20)面になるように積層したが、本発明はこれに限らず、窒化物系半導体の他の方向の面になるように、窒化物系半導体の各層を積層してもよい。たとえば、窒化物系半導体の(1−100)面などの(H、K、−H−K、0)面になるように、窒化物系半導体の各層を積層してもよい。この場合、MQW活性層にピエゾ電場が発生しないので、井戸層のバンドギャップの傾きに起因する正孔と電子との再結合効率の低下を抑制することができる。その結果、MQW活性層の発光効率を向上させることができる。
【0129】
なお、上記第1実施形態では、n型のGaN基板として、(1−100)M面から[0001]方向へ0.5度オフした面を表面とする基板を用いたが、本発明はこれに限らず、オフの方向は、[11−20]方向、[000−1]方向であってもよく、オフの角度は10度以下であってもよい。また、オフしていない基板を用いてもよい。
【0130】
また、上記第1〜第4実施形態では、活性層として多重量子井戸(MQW)構造を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、量子効果を有しない厚膜の単層または単一量子井戸構造であっても同様の効果を得ることができる。
【0131】
また、上記第1〜第4実施形態では、活性層としてGaInNからなるMQW構造を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、AlGaNとGaInNからなる量子井戸構造、GaNとGaInNからなる量子井戸構造、AlGaNとGaNからなる量子井戸構造、AlGaNとAlGaInNからなる量子井戸構造、等であってもよい。ただし、活性層としてGaInNからなるMQW構造を用い、AlBGaNからなるクラッド層を用いる場合において、活性層とクラッド層の格子定数の差が大きくなるので、本発明の効果は大きくなる。
【0132】
また、上記第2〜第4実施形態では、ストライプ型の導波路構造を有する窒化物系半導体レーザについて説明したが、本発明はこれに限らず、面発光レーザについても同様に適用可能である。
【0133】
また、上記第1実施形態において、p側電極またはn側電極を透光性電極とするようにしてもよい。透光性電極にする場合には、第1実施形態と同一材料で厚みを薄くするかまたはメッシュ状(網目状)の電極構造を用いればよい。
【0134】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、活性層の結晶性を向上させることにより活性層の発光強度を向上させることが可能な窒化物系半導体発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子(LED素子)を示した断面図である。
【図2】
図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。
【図3】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD素子)を示した断面図である。
【図5】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。
【図6】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図7】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD素子)を示した断面図である。
【図9】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。
【図10】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図11】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図12】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図13】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図14】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図15】図8に示した第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD素子)を示した断面図である。
【図17】図16に示した第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層部分の詳細を示した拡大断面図である。
【図18】図16に示した第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【符号の説明】
11、13、41、43、71、73、101、103 オーバフロー防止層(第2窒化物系半導体層)
12、42、72、102 MQW活性層(活性層)
2、26、53、86 n型クラッド層(第1窒化物系半導体層、クラッド層)
4、28、55、88 p型クラッド層(第1窒化物系半導体層、クラッド層)
104 光ガイド層(第1窒化物系半導体層、クラッド層)

Claims (11)

  1. 第1窒化物系半導体層と、
    窒化物系半導体からなる活性層と、
    前記第1窒化物系半導体層と前記活性層との間に形成され、前記第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、前記第1窒化物系半導体層と前記活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層とを備えた、窒化物系半導体発光素子。
  2. 前記第1窒化物系半導体層は、前記第2窒化物系半導体層の前記活性層とは反対側に位置するクラッド層を含む、請求項1に記載の窒化物系半導体発光素子。
  3. 前記第2窒化物系半導体層の格子定数は、前記第1窒化物系半導体層の格子定数よりも大きく、かつ、前記活性層の格子定数よりも小さい、請求項1または2に記載の窒化物系半導体発光素子。
  4. 前記第1窒化物系半導体層は、複数の窒化物系半導体層を含み、
    前記活性層は、複数の窒化物系半導体層を含み、
    前記第2窒化物系半導体層の格子定数は、少なくとも前記第1窒化物系半導体層を構成する窒化物系半導体層のうちの最も格子定数の小さい窒化物系半導体層の格子定数よりも大きく、かつ、少なくとも前記活性層を構成する窒化物系半導体層のうちの最も格子定数の大きい窒化物系半導体層の格子定数よりも小さい、請求項3に記載の窒化物系半導体発光素子。
  5. 前記第1窒化物系半導体層は、複数の窒化物系半導体層を含み、
    前記活性層は、複数の窒化物系半導体層を含み、
    前記第2窒化物系半導体層のバンドギャップは、少なくとも前記第1窒化物系半導体層を構成する窒化物系半導体層のうちの最もバンドギャップの小さい窒化物系半導体層のバンドギャップよりも大きく、かつ、少なくとも前記活性層を構成する窒化物系半導体層のうちの最もバンドギャップの小さい窒化物系半導体層のバンドギャップよりも大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
  6. 前記第2窒化物系半導体層は、(Al1−XGa1−Y−ZInN(0≦X≦1、0<Y<1、0<Z<1、0<Y+Z≦1)からなり、
    前記活性層は、AlGa1−U−V−WInN(0≦U<1、0≦V<1、0<W≦1、0<U+V+W≦1)からなり、
    前記第1窒化物系半導体層は、(Al1−RGa1−S−TInN(0≦R≦1、0≦S≦1、0≦T<1、0≦S+T≦1)からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
  7. 前記第2窒化物系半導体層は、(Al1−XGa1−Y−ZInN(0≦X≦1、0<Y<1、0<Z<1、0<Y+Z≦1)からなり、
    前記活性層は、Ga1−WInN(0<W≦1)からなり、
    前記第1窒化物系半導体層は、(Al1−RGa1−S−TInN(0≦R≦1、0≦S≦1、0≦T<1、0≦S+T≦1)からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
  8. 前記第2窒化物系半導体層と前記活性層とは接触している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の窒化物系半導体発光素子。
  9. 前記活性層は、量子井戸層を含み、
    前記量子井戸層と前記第2窒化物系半導体層とは接触している、請求項8に記載の窒化物系半導体発光素子。
  10. 第1窒化物系半導体層を成長させる工程と、
    窒化物系半導体からなる活性層を成長させる工程と、
    前記第1窒化物系半導体層と前記活性層との間に、前記第1窒化物系半導体層の成長温度よりも低い温度で、前記第1窒化物系半導体層よりも大きいバンドギャップを有するとともに、前記第1窒化物系半導体層と前記活性層との中間の格子定数を有するキャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えた、窒化物系半導体発光素子の製造方法。
  11. 第1窒化物系半導体層を成長させる工程と、
    前記第1窒化物系半導体層の上に、前記第1窒化物系半導体層の成長温度よりも低い温度で、キャリアのオーバフローを防止するための第2窒化物系半導体層を成長させる工程と、
    前記第2窒化物系半導体層上に、窒化物系半導体からなる活性層を成長させる工程とを備えた、窒化物系半導体発光素子の製造方法。
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