JP2004108173A - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電機の熱媒循環経路や給水経路を直接加熱することなく、配管内の温水が凍結するのを防止するコージェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】改質器30のバーナ32が燃焼中であれば、その燃焼ガスを燃焼ガス吹出口33から発電ユニットハウジング21内に放出する。給湯暖房機50のバーナ38が燃焼中であれば、その燃焼ガスを燃焼ガス吹出口47から蓄熱ユニットハウジング16内に放出する。高温の燃焼ガスを放出することよってハウジング21,16内を加熱する。また、ハウジング21,16内の温度が低下し、配管等の凍結防止が必要なときに改質器30のバーナ32や給湯暖房機50のバーナ38が停止していれば、これらを強制的に駆動して燃焼ガスを放出させる。補助熱源機の燃焼で生じる燃焼ガスによって凍結防止が必要な箇所の雰囲気温度を上昇させ、熱媒循環経路24や給水管64等の配管の凍結を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コージェネレーションシステム(電気と熱の併給システム)に関する。即ち、発電に伴って発生する熱を利用して温水を得、その温水を利用して生活を快適にするシステムに関する。さらに詳しくは、コージェネレーションシステムで用いられる水の凍結を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路を備えており、発電に伴って発生する発電熱を利用して水を加熱し、加熱された温水を貯湯槽に貯湯し、貯湯槽内の温水を適温に調温して温水利用箇所(例えば、床暖房システムや風呂やシャワーや温水栓)に給湯する。温水利用箇所で必要とされる湯温よりも高温の温水が貯湯槽に貯湯されていれば、貯湯槽内の温水に水道水を混合させることで必要湯温に調整できる。温水利用箇所で必要とされる湯温よりも低温の温水が貯湯槽に貯湯されていれば、貯湯槽内の温水を加熱する調温用燃焼装置でさらに加熱する必要があるが、発電熱で加熱された温水を加熱すればよいことから、加熱に要する熱量を少なくすることができる。コージェネレーションシステムは、総合的なエネルギー効率が高い。
【0003】
ところで、貯湯槽に貯められた温水は温水利用箇所に給湯されて減少するため、貯湯槽には水道水を補給する給水管が配管されている。また、先に述べたように貯湯槽内の温水を適温に調温するために用いられる水道水の給水管も配管されている。さらに、燃料電池の発電熱を回収する熱媒には純水が使用されるために、その純水を補給するための給水管も必要とされる。詳しくは、熱媒循環経路に水道水の給水路が接続されており、この給水路にイオン交換樹脂製のフィルタ(以下、イオン交換フィルタと記す)が取付けられている。
上述のように、コージェネレーションシステムには水道水の給水管が配管されている。水道水は外気温を反映しやすく、外気温が低下すると水道水の水温も低下し、給水管内で水道水が凍結してしまう場合がある。このため、多くの場合、凍結防止を目的としたヒータ等が給水管自体に付加されている。給湯器においては、例えば、セラミックヒータ等の電気ヒータを通水回路の複数箇所に配設して通電作動させ、通水回路を加熱する技術が公開されている(特許文献1参照)。
また、給水管に併設された給湯管の熱を利用して給水管の凍結防止を行なう技術も公開されている(特許文献2参照)。この技術は、給水管と給湯管を連結する伝熱性の部材を所定の間隔で複数箇所に配設して給湯管側の熱を給水管側へ伝達させて給水管を加熱するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−229477
【特許文献2】
特開平11−336142
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コージェネレーションシステムでは、システムの容積が大きく給水経路が長い。このため、特許文献1に示したようなヒータを付加する方法では、大きな容量のヒータが必要となり、ヒータの配設箇所も多くなるため、コストが増大化してしまう。凍結防止のために必要な電力量が大きいと、コージェネレーションシステムの利点が失われてしまう。コージェネレーションシステムで発電した電力の多くを凍結防止のために使用すると、熱電併給システムのメリットが生かされない。
また、水道水の純水化に用いるイオン交換フィルタはカートリッジ式であり、交換のために着脱しなければならない。このため、イオン交換フィルタにはヒータ等を付加することができず、ヒータ等を付加して凍結防止を行なうことができない。
コージェネレーションシステムでは、給水管が凍結する他、非発電時には、発電熱を回収する熱媒(燃料電池の場合には純水が利用される)や、発電機と貯湯槽間の水循環路が凍結する可能性があり、その凍結防止対策も必要とされる。特許文献2に示した方法では、凍結防止を行なうために配管経路の随所に伝熱性部材を配設しなければならない。多くの配管経路を備えているコージェネレーションシステムでは、多くの伝熱性部材を配設する必要があり、全体重量が増大するほか、配管が複雑化してしまう等の不具合が発生する。
【0006】
本発明は、発電機の熱媒循環経路や給水管や水循環路を直接加熱するのではなく、熱電併給システムの熱を利用して配管内の水が凍結するのを防止する技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明の一つのコージェネレーションシステムは、発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、発電機に水素を供給する改質器と、改質器を加熱する改質器用燃焼装置と、発電機と改質器と改質器用燃焼装置を収納する発電ユニットハウジングと、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電ユニットハウジングに送って発電機と改質器用燃焼装置で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記改質器用燃焼装置を強制的に運転させる制御装置を有している。
【0008】
発電機の運転中は、発電機や改質器用燃焼装置から発生する発電熱によって発電ユニットハウジング内が加熱されているため、外気温が低下しても発電ユニットハウジング内に配設された配管等が凍結することはない。しかし発電機の運転停止中は発電熱が得られないため、外気温が低下すると発電ユニットハウジング内の温度も低下して発電ユニットハウジング内の配管等が凍結する恐れがある。
本発明のコージェネレーションシステムでは、外気温、発電ユニットハウジング内の温度、あるいは配管内の水温が低下したときに改質器用燃焼装置を強制的に運転させる。このことによって、発電中と同様に発電ユニットハウジング内の温度を上昇させることができ、配管等の凍結を防止することができる。
この発明のシステムでは、燃焼装置の熱で凍結防止するために安価に凍結を防止することができ、熱を得るという意味では効率が悪い電力を用いない。また、燃焼装置で発生した熱は凍結防止に利用される他、貯湯槽の温水を加熱して蓄熱するためにも用いられ、総合的な熱効率を合格レベルに維持する。
雰囲気温度を上昇させて凍結防止するために、ヒータ等を取付け難いイオン交換フィルタのカートリッジの凍結防止にも有効である。発電機の運転停止時に、既存の燃焼装置を流用して強制的に駆動することによって、発電ユニットハウジング内の温度を上昇させて熱媒循環経路やイオン交換フィルタや給水管や水循環路内の水の凍結を防止することができる。
【0009】
このコージェネレーションシステムでは、改質器用燃焼装置が強制運転されるときの燃焼ガスが発電ユニットハウジング内に放出されることが好ましい。
改質器用燃焼装置が燃焼することによって放出される燃焼ガスは高温であり、凍結の恐れのある配管等内の水の凍結を防止するのに十分な熱量を有している。
この燃焼ガスを発電ユニットハウジング内に放出することによって発電ユニットハウジング内の温度を効率よく上昇させることができ、配管等の凍結を防止することができる。
【0010】
本発明の別のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、貯湯槽内の温水を設定温度にまで加熱して温水利用箇所に供給する調温用燃焼装置と、貯湯槽に水を給水する給水管と、少なくとも給水管と調温用燃焼装置を収納する蓄熱ユニットハウジングと、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記調温用燃焼装置を強制的に運転させる制御装置を有している。
【0011】
コージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の温水を温水利用箇所に供給するとき、貯湯槽の温水の温度が低い場合に備え、通常、調温用燃焼装置(給湯暖房機等)を備えている。本発明のコージェネレーションシステムでは、外気温、蓄熱ユニットハウジング内の温度、あるいは給水管内の水温が低下したときにこの調温用燃焼装置を強制的に運転させる。このことによって、蓄熱ユニットハウジング内の雰囲気温度を上昇させることができ、配管等の凍結を防止することができる。即ち、発電機の運転停止時であっても、既存の燃焼装置を流用して強制的に駆動することによって蓄熱ユニットハウジング内の温度を上昇させて給水管の凍結を防止することができる。
発電機内の熱媒循環経路に接続される給水管に配設されるイオン交換フィルタが、スペース上の制約から蓄熱ユニットハウジング内に配設される場合がある。
このような場合であっても、調温用燃焼装置が燃焼することによってイオン交換フィルタの周辺の雰囲気温度が上昇するため、イオン交換フィルタの凍結防止も可能である。
【0012】
このコージェネレーションシステムでは、調温用燃焼装置が強制運転されるときの燃焼ガスが蓄熱ユニットハウジング内に放出されることが好ましい。
調温用燃焼装置が燃焼することによって発生する燃焼ガスは、凍結する可能性のある給水管(貯湯槽へ水道水を給水する給水管や、給湯する温水の温度を調温するために用いる水道水を給水するための給水管)の凍結を防止するのに十分な熱量を有している。この燃焼ガスを蓄熱ユニットハウジング内に放出することによって温度を上昇させることができ、給水管周辺の雰囲気温度を上昇させて凍結を防止することができる。
調温用燃焼装置の燃焼によって発生する燃焼ガスの持つ熱量をさらに効率的に利用するために、蓄熱用ユニットハウジングに断熱性を持たせることが望ましい。ただし、その場合には、不完全燃焼を防止するために調温用燃焼装置に吸気用ダクトを設けることが好ましい。また蓄熱ユニットハウジング内の温度が過度に上昇した場合に備え、直接排気することができるように調温用燃焼装置の排気経路にダンパを設けることが好ましい。
【0013】
また、このコージェネレーションシステムでは、調温用燃焼装置を通過した温水を貯湯槽に戻す温水循環路と、この温水循環路内の温水を循環させる温水循環ポンプと、調温用燃焼装置を強制運転している間前記温水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有していてもよい。
このようにすれば、調温用燃焼装置が燃焼しているときに温水循環路内の温水を循環させることによって、温水がさらに加熱される。加熱された温水は貯湯槽に戻り、貯湯槽内の温水温度をさらに上げる。即ち、調温用燃焼装置が燃焼しているときに温水循環ポンプを駆動させることによって、給水管等の凍結を防止するとともに、調温用燃焼装置から発生する熱を回収することができ、さらにエネルギー効率が向上する。
【0014】
本発明のさらに別のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、発電機と貯湯槽と水循環路の少なくとも1つを収納するハウジングと、そのハウジング内に収納されている凍結防止用燃焼装置と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記凍結防止用燃焼装置を強制的に運転させる制御装置を有している。
【0015】
このコージェネレーションシステムでは、配管等の凍結を防止するために、凍結防止専用の燃焼装置を備えている。外気温、ハウジング内の温度あるいは配管内の水温が低下して配管等が凍結する恐れがあるときに、この凍結防止用燃焼装置を強制的に運転させる。この結果、ハウジング内の温度を上昇させることができる。
【0016】
この凍結防止用燃焼装置の燃焼によって発生する燃焼ガスをハウジング内に放出するようにすれば、さらに効率的にハウジング内の温度を上昇させることができる。
【0017】
本発明の別のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、発電機を収納する発電ユニットハウジングと、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、水循環路内の温水を循環させる水循環ポンプと、水循環路に配設されて水循環路内の熱を発電ユニットハウジング内に放熱する放熱手段と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有している。
【0018】
このコージェネレーションシステムは、発電熱を貯湯槽に回収するための水循環路を備えている。この水循環路内には発電熱によって加熱された温水が循環している。一方、発電ユニットハウジング内の水循環路に放熱手段が配設されており、水循環路内の温水の持つ熱が放熱される。このことによって発電ユニットハウジング内の温度を上昇させることができ、発電機に接続されている熱媒循環経路や給水管やイオン交換フィルタ等の凍結を防止することができる。
通常、発電機の運転停止中はこの水循環路内の温水の循環も停止する。このコージェネレーションシステムでは、外気温、発電ユニットハウジング内の温度、あるいは配管内の温水の温度が低下したときに、水循環ポンプが強制的に駆動する。これによって、貯湯槽の温水が水循環路を循環して発電ユニットハウジング内に放熱される。即ち、熱媒循環経路や給水管やイオン交換フィルタ内の水が凍結する可能性のある温度に達したときには、貯湯槽に蓄熱された熱が放熱され、発電ユニットハウジング内の温度を上昇させ、凍結防止を行なうことができる。
【0019】
このコージェネレーションシステムでは、水循環路内の温水を発電機から貯湯槽へ戻す経路が、放熱手段を経由する経路と放熱手段を経由しない経路に分岐しており、温度が所定温度以下のときに放熱手段を経由する経路が選択されることが好ましい。
このようにすると、発電ユニットハウジング内の熱媒循環経路や給水管等が凍結する可能性がないときには、水循環路内の温水は発電ユニットハウジング内の放熱手段を経由しないために無駄に放熱されることはなく、発電熱を効率よく回収して貯湯槽に蓄熱することができる。発電ユニットハウジング内の熱媒循環経路や給水管が凍結する可能性があるときにのみ発電ユニットハウジング内の放熱手段から放熱され、雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
【0020】
本発明のさらに別のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽に給水する給水管と、少なくとも給水管を収納する蓄熱ユニットハウジングと、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、水循環路内の温水を循環させる水循環ポンプと、水循環路に配設されて水循環路内の熱を蓄熱ユニットハウジング内に放熱する放熱手段と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有している。
【0021】
このコージェネレーションシステムは、発電熱を貯湯槽に回収するための水循環路を備えている。この水循環路内には発電熱によって加熱された温水が循環している。一方、蓄熱ユニットハウジング内の水循環路に放熱手段が配設されており、水循環路内の温水の持つ熱が放熱される。このことによって蓄熱ユニットハウジング内の温度を上昇させることができ、貯湯槽に接続されている給水管や出湯管等の凍結を防止することができる。
通常、発電機の運転停止中は水循環路内の温水の循環も停止する。このコージェネレーションシステムでは、外気温、蓄熱ユニットハウジング内の温度、あるいは配管内の温水の温度が低下したときに、水循環ポンプが強制的に駆動する。
これによって、貯湯槽の温水が水循環路を循環して蓄熱ユニットハウジング内に放熱される。即ち、給水管等内の水が凍結する可能性のある温度に達したときには、貯湯槽に蓄熱された熱が放熱され、蓄熱ユニットハウジング内の温度を上昇させ、凍結防止を行なうことができる。
イオン交換フィルタが蓄熱ユニットハウジング内に配設されている場合、蓄熱ユニットハウジング内の放熱手段から放熱されて雰囲気温度が上昇するため、イオン交換フィルタの凍結防止も可能となる。
【0022】
このコージェネレーションシステムでは、水循環路の温水を発電機から貯湯槽へ戻す経路が、放熱手段を経由する経路と放熱手段を経由しない経路に分岐しており、温度が所定温度以下のときに放熱手段を経由する経路が選択されることが好ましい。
このようにすると、蓄熱ユニットハウジング内の給水管が凍結する可能性がないとき、水循環路内の温水は蓄熱ユニットハウジング内の放熱手段を経由しないために無駄に放熱されることはなく、発電熱を効率よく回収することができる。
蓄熱ユニットハウジング内の給水管が凍結する可能性があるときにのみ蓄熱ユニットハウジング内の放熱手段から放熱され、雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
【0023】
また、水循環路の発電機から貯湯槽への戻り経路は貯湯槽の上部と接続されており、水循環路の貯湯槽から発電機への送り経路は、貯湯槽の下部と接続されている経路と、貯湯槽の上部と接続されている経路とを有し、発電機の運転中又は水循環路内の温度が所定温度以上のときは貯湯槽の下部と接続されている経路が選択され、発電機の運転停止時又は水循環路内の温度が所定温度を下回るときは貯湯槽の上部と接続されている経路が選択されるようにしてもよい。
このようにすると、発電機の運転中は、発電熱によって加熱された温水が貯湯槽の上部から投入されるため、貯湯槽内の温水は貯湯槽の上部が高温となり、下方になるに従って低温となる温度勾配が形成される。なお、発電機の運転が継続されれば貯湯槽の下方の水温が徐々に上昇し、やがて貯湯槽内の温水の温度勾配は解消され、下方の温水の温度は上方の温水の温度と等しくなる。
発電機の運転中は、発電熱によって水循環路内の温水が加熱されるため、貯湯槽の下方の比較的低温な温水を利用しても凍結を防止するのに充分な温度を得ることができる。発電機の運転停止時であっても、貯湯槽の下方の温水が給水管等の凍結を防止するのに充分な温度であるときには、貯湯槽の下方の温水を凍結防止に利用することができる。
発電機の運転停止時は、水循環路内の温水は加熱されないため、貯湯槽内の温水の温度は徐々に低下していく。発電機の運転が停止して貯湯槽内の温水の温度が低下し、貯湯槽の下方の温水が給水管等の凍結を防止するのに不充分な温度になると、経路が切替えられて貯湯槽の上方の高温な温水を凍結防止に利用することができる。
【0024】
本発明のさらに別のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽に給水する給水管と、少なくとも給水管を収納する蓄熱ユニットハウジングと、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、貯湯槽の湯を貯湯槽に戻す第2の水循環路と、第2の水循環路内の温水を循環させる第2の水循環ポンプと、第2水循環路に配設されて第2水循環路内の熱を蓄熱ユニットハウジング内に放熱する放熱手段と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記第2水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有している。
【0025】
このコージェネレーションシステムには第2の水循環路が配設されている。この第2水循環路の、凍結防止が必要となる給水管等の近傍には放熱手段が配設されている。貯湯槽に貯湯されている温水が第2の水循環路内を循環することによって、この温水の熱が放熱手段から放熱されてその箇所の雰囲気温度を上昇させることができ、凍結を防止することができる。
【0026】
このコージェネレーションシステムの第2の水循環路が、暖房装置を通過するようにしてもよいし、あるいは、浴槽水の追い焚き用熱交換器を通過するようにしてもよい。この場合、第2の水循環路を凍結防止のために付加する必要がなく、既存の水循環路を凍結防止のための第2の水循環路に流用することができる。
【0027】
なお、発電ユニットハウジングと蓄熱ユニットハウジングは別体であっても一体であってもよい。即ち、発電機と貯湯槽が同一のハウジング内に収納されていてもよいし、別のハウジングに収納されていてもよい。一体のハウジングに収納する場合、例えば改質器用燃焼装置の燃焼によって発生する燃焼ガスを、貯湯槽に水道水を給水する給水管近傍に放出して凍結を防止することができる。あるいは、調温用燃焼装置の燃焼によって発生する燃焼ガスを、熱媒循環経路近傍に放出して凍結を防止することもできる。あるいは、水循環路に配設された1つの放熱手段によって、熱媒循環経路近傍の雰囲気温度を上昇させて凍結を防止すると同時に貯湯槽に給水する給水管近傍の雰囲気温度をも上昇させて凍結を防止することもできる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1) 発電機を収納する発電ユニットハウジング内には改質器を加熱するバーナから発生する燃焼ガスを放出する燃焼ガス吹出口が配設されている。燃焼ガス吹出口は熱媒循環経路と熱媒を補給するための水道水の給水管の近傍に配設されている。熱媒循環経路内の水や給水管内の水が凍結する可能性のあるときに、燃焼ガス吹出口から燃焼ガスが放出されて雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
(形態2) 給湯暖房機や貯湯槽を収納する蓄熱ユニットハウジング内には温水を加熱するバーナから発生する燃焼ガスを放出する燃焼ガス吹出口が配設されている。燃焼ガス吹出口は貯湯槽に水道水を給水する給水管と貯湯槽内の温水と混合して湯温を調温するための水道水の給水管の近傍に配設されている。給水管内の水が凍結する可能性のあるときに、燃焼ガス吹出口から燃焼ガスが放出されて雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
(形態3) 給水管の凍結防止を目的としたファンヒータがハウジング内に配設されている。このファンヒータから燃焼ガスが放出されて雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
(形態4) 発電ユニットハウジング内の水循環路には、水循環路内の温水の持つ熱を放熱する放熱機が配設されている。放熱機は熱媒循環経路と熱媒を補給するための水道水の給水管の近傍に配設されている。熱媒循環経路内の水や給水管内の水が凍結する可能性のあるときに、放熱機が放熱して雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
(形態5) 蓄熱ユニットハウジング内の水循環路には、水循環路内の温水の持つ熱を放熱する放熱機が配設されている。放熱機は貯湯槽に水道水を給水する給水管と貯湯槽内の温水と混合して湯温を調温するための水道水の給水管の近傍に配設されている。給水管内の水が凍結する可能性のあるときに、放熱機が放熱して雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
(形態6) 蓄熱ユニットハウジング内の風呂の追い焚き用の第2の水循環路には、第2水循環路内の温水の持つ熱を放熱する放熱機が配設されている。放熱機は貯湯槽に水道水を給水する給水管と貯湯槽内の温水と混合して湯温を調温するための水道水の給水管の近傍に配設されている。給水管内の水が凍結する可能性のあるときに、放熱機が放熱して雰囲気温度を上昇させて凍結を防止する。
(形態7) 凍結する可能性のある箇所の周辺を加熱して雰囲気温度を上昇させることによって凍結を防止する。
【0029】
【実施例】本発明を具現化した第1実施例を図1,2,3を用いて説明する。
図1は本実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図であり、図2は制御ユニットとその周辺のブロック図であり、図3は制御ユニットで実施される処理のフローチャートである。
コージェネレーションシステムの構成について説明する。図1に示すように、コージェネレーションシステム10は、電力と発電熱を発生する発電ユニット20と、発電ユニット20の発電熱を蓄熱し、この発電熱によって加熱される温水を利用する蓄熱ユニット15等から構成される。発電ユニット20は、燃料電池22と、改質器30等から構成され、これらは発電ユニットハウジング21に収納されている。改質器30は、炭化水素系の原燃料ガスから水素ガスを生成する。水素を効率よく生成するためには高温度が必要とされることから、改質器30にはバーナ32が内蔵されている。また、改質器30には燃焼ガス管34が接続されており、この燃焼ガス管34は熱交換器70を通過するように配置されている。燃焼ガス管34の端部には燃焼ガス吹出口33が接続されている。この構成により、バーナ32の燃焼ガスは燃焼ガス管34を介して熱交換器70に入力されて熱を回収された後、燃焼ガス吹出口33から発電ユニットハウジング21内に放出される(図中矢印)。発電ユニットハウジング21内には温度センサT1が配設されている。なお、改質器30は、制御ユニット60によって駆動制御される。図示25はシスターンである。
【0030】
燃料電池22は、複数のセルから構成される。燃料電池22には改質器30と連通する図示しない配管が接続されている。その配管を介して改質器30で生成された水素ガスが燃料電池22に供給される。燃料電池22は、空気中の酸素を取込み、取込まれた酸素と改質器30から供給される水素ガスを反応させて発電を行なう。燃料電池22は、発電の際に発熱する。燃料電池22には熱媒循環経路24が接続されており、その熱媒循環経路24の熱媒が発電の際に生じる発電熱を回収するようになっている。本実施例では熱媒として純水を用いている。純水は図示しない純水装置に水道水を通過させることによって得る。詳しくは、熱媒循環経路に水道水の給水管が接続されており、この給水管にイオン交換樹脂製のフィルタ(以下、イオン交換フィルタを記す)が取付けられている。イオン交換フィルタはカートリッジ式であり、機能が低下した際に交換する。熱媒循環経路24には熱媒循環ポンプ8が配設されている。この熱媒循環ポンプ8は、制御ユニット60によって駆動制御される。
【0031】
熱媒循環経路24は、熱交換器74を通過するように配置されている。この構成により、熱媒によって回収された燃料電池22の発電熱が熱交換器74に入力されることになる。
また、熱媒循環経路24には三方弁36が配設されている。三方弁36は、1つの入力口と2つの出力口を備える。三方弁36によって熱媒循環経路24が二手に分岐している。三方弁36の一方の出力口と接続されている熱媒循環経路24は放熱機28を介するように配置されており、他方の出力口と接続されている熱媒循環経路24は放熱機28を介さないように配置されている。この三方弁36は、制御ユニット60によってどちらの出力口を開口するかが制御される。この制御により熱媒が放熱機28を経由して循環するか、放熱機28を経由せずに循環するかが切替えられる。具体的には、図示しない温度センサで測定される熱媒温度が異常に高いときには、熱媒が放熱機28を経由して循環するように三方弁36の出力口が切替えられる。放熱機28は、例えば送風を行なうことで熱媒を冷却する。
【0032】
蓄熱ユニット15は、貯湯槽44と給湯暖房機50と制御ユニット60等から構成され、これらは蓄熱ユニットハウジング16に収納されている。この蓄熱ユニットハウジング16は断熱材によって被覆されている。発電ユニット20と貯湯槽44の間には、水循環路4が配設されている。水循環路4は、貯湯槽44の下部から温水を引出して、貯湯槽44の上部に温水を戻す。水循環路4は、発電ユニット20内の2つの熱交換器70,74を通過するように配設されている。
水循環路4には水循環ポンプ6が配設されている。この水循環ポンプ6が駆動することで貯湯槽44の温水が水循環路4内を循環する(図中矢印方向に循環する)。水循環路4を循環する温水は熱交換器70,74で加熱されて昇温し、再び貯湯槽44で貯湯される。なお、水循環ポンプ6は、制御ユニット60によって駆動制御される。具体的には、水循環ポンプ6は、燃料電池22の発電運転中に駆動するように制御される。
【0033】
蓄熱ユニット15には水道水を給水するための給水管64が配されている。給水管64は第1分岐点65で二手に分岐している。給水管64の途中には減圧弁42が備えられており、貯湯槽44内の水圧を貯湯槽44の耐圧以下に維持する。第1給水管64aは貯湯槽44の下部に接続しており、貯湯槽44に水道水を供給する。第2給水管64bは後述するミキシングユニット72の一方の入力口と接続している。第2給水管64bには図示しない温度センサが配設されている。
【0034】
貯湯槽44の上部には2つの配管が接続されている。一方は第1出湯管52であり、他方は圧力逃し弁58を介した排水管54である。第1出湯管52の他端はミキシングユニット72(後述する)の一方の入力口に接続されている。貯湯槽44の温水は第1出湯管52を介してミキシングユニット72へ送られる。第1出湯管52には図示しない温度センサが配設されている。
貯湯槽44が耐圧以上になった場合には圧力逃し弁58が作用し、貯湯槽44の温水が圧力逃し弁58を介して排水管54へと誘導されて排水される。
【0035】
ミキシングユニット72は、2つの入力口72a,72bと1つの出力口72cを有している。このミキシングユニット72には、一方の入力口72aには第1出湯管52を介して貯湯槽44の温水が入力され、他方の入力口72bには第2給水管64bを介して水道水が入力される。ミキシングユニット72の2つの入力口72a,72bは、それぞれの開口度が可変である。即ち、温水と水道水の入力比率が可変である。2つの入力口72a,72bの開口度は制御ユニット60によって制御される。開口度が制御されることで、例えば水道水を遮断して(入力口72bを閉じて)第1出湯管52からの温水のみをミキシングユニット72に入力する(入力口72aを開く)ことが可能であり、逆に温水を遮断して(入力口72aを閉じて)第2給水管64からの水道水のみを入力する(入力口72bを開く)ことも可能である。また、入力比率を例えば温水70%、水道水30%とすることも可能である。ミキシングユニット72では、入力された温水と水道水が混合される。ミキシングユニット72の出力口72cには、第2出湯管76が接続されている。第2出湯管76は給湯暖房機50に接続されている。
ミキシングユニット72で混合された温水は第2出湯管76を経て給湯暖房機50へ供給される。
【0036】
なお、第1出湯管52や第2出湯管76にはポンプが配設されていないが、貯湯槽44の温水は次のようにして給湯暖房機50に誘導される。貯湯槽44は常に温水によって満たされている状態にある。水道水の供給圧力は減圧弁42によって減圧されてはいるものの、貯湯槽44の温水には減圧された水道水の供給圧力が常に加えられている。この直圧作用により、給湯暖房機50に備えられる弁(図示省略)、あるいは給湯管94aの端部に接続された蛇口(図示省略)を開放すると、貯湯槽44の温水が第1出湯管52、ミキシングユニット72、第2出湯管76を介して給湯暖房機50へと誘導される。
【0037】
給湯暖房機50にはバーナ38が備えられている。給湯暖房機50のバーナ38はガスを燃料として燃焼する。ガスは給湯暖房機50に接続されているガス管49から導入される。バーナ38は加熱能力可変に燃焼することができる。給湯暖房機50にはバーナ38の燃焼のための吸気ダクト51が設けられている。また、給湯暖房機50にはバーナ38の燃焼ガスを回収する燃焼ガス管48が接続されている。燃焼ガスはこの燃焼ガス管48を介して燃焼ガス吹出口47から蓄熱ユニットハウジング16内に放出される(図中矢印)。また、この燃焼ガス管48にはアクチュエータを備えたダンパ46が形成されており、蓄熱ユニットハウジング16の内部の温度が過度に上昇したときには蓄熱ユニットハウジング16の外部に燃焼ガスを排出する。蓄熱ユニットハウジング16内には温度センサT2が配設されている。なお、バーナ38は、制御ユニット60によって駆動制御される。
給湯暖房機50には給湯管94が接続されており、この給湯管94には図示しない温度センサが配設されている。給湯管94は途中で二手に分岐しており、給湯管94の一方94aは、例えば洗面所や台所の蛇口と接続されている。洗面所や台所での給湯温度は、図示しないリモコン(85:図2参照)が予め操作されて設定されている。また、給湯管94の他方94bは水循環路4の戻り経路(発電ユニット20から貯湯槽44への経路)に接続されており、この給湯管94bには温水循環ポンプ93が配されている。この温水循環ポンプ93が駆動することによって、貯湯槽44の温水がミキシングユニット72を経て給湯暖房機50へ送られ、給湯管94bを経て水循環路4の戻り経路に混合されて貯湯槽44へ戻る循環路が形成される。なお、温水循環ポンプ93は制御ユニット60によって制御される。具体的には、温水循環ポンプ93は給湯暖房機50のバーナ38の燃焼中に駆動するように制御されている。即ち、温水循環ポンプ93は、バーナ38の燃焼で加熱された温水の一部を水循環路4に誘導して貯湯槽44へ戻し、熱を回収するように駆動する。
なお、給湯暖房機50には、給湯管94の他、図示はしないが高温水用循環路や低温水用循環路や風呂追焚き用循環路が接続されている。
【0038】
次に、図2を用いて制御ユニット60とそれに接続される各種装置の構成を説明する。図2は制御ユニット60に各種装置が接続される様子を示したブロック図である。なお、図2には本発明を特徴付けるセンサと装置のみを示している。
制御ユニット60は、発電ユニット20と蓄熱ユニット15の双方を構成する機器を統括的に制御する。
図2に示すように、制御ユニット60は、CPU102とROM103とRAM105と出力ポート108と入力ポート107から構成される。これらCPU102、ROM103およびRAM105はバス109によって出力ポート108および入力ポート107と相互に接続されている。
CPU102は、ROM103に格納された制御プログラムに従ってコージェネレーションシステム10を構成する各種装置を統括的に制御する。ROM103に格納されている制御プログラムには、各温度センサが検出する温度に基づいて三方弁36の切替えや所定のポンプの駆動を行なう処理等を実現するためのプログラムが含まれている。RAM105は、ワークメモリとして使用されるメイン記憶素子であって、温度等の各種データや出入力信号等が各種プログラムの実行に応じて格納される。
【0039】
入力ポート107には、温度センサT1,T2が接続されている。また、入力ポート107は、給湯暖房機50を介してリモコン85から信号を受信することができる。
温度センサT1,T2は、各ハウジング16,21内の温度を所定のデータ信号に変換して出力する。これらの各温度センサは温度を常時測定し、その測定結果を常時出力している。
給湯暖房機50は、リモコン85を用いて使用者が設定した給湯設定温度を所定のデータ信号に変換にして出力する。各温度センサT1,T2や給湯暖房機50から出力された信号は入力ポート107で受信され、入力ポート107で受信された信号はバス109を介してCPU102、ROM103,RAM105に取込まれる。RAM105では、各温度センサT1,T2で測定された温度データが常時更新される(書換えられる)。
【0040】
出力ポート108には、三方弁36、熱媒循環ポンプ8、水循環ポンプ6、温水循環ポンプ93、燃料電池22、改質器30、ミキシングユニット72、給湯暖房機50が接続されている。
三方弁36は制御ユニット60からの信号に基づいて出力口を切替える。各ポンプ6,8,93は制御ユニット60からの信号に基づいて駆動する。
改質器30は、制御ユニット60からの信号に基づいてその起動と停止を行なう。改質器30が駆動しているときにはバーナ32で加熱が行われる。燃料電池22は、制御ユニット60からの信号に基づいて発電運転を行なう。
給湯暖房機50は、制御ユニット60からの信号に基づいて第2出湯管76から温水を誘導するように弁を開放する。この場合、供給される温水が設定温度よりも低い場合にはバーナ38を用いて加熱を行なう。
ミキシングユニット72は、制御ユニット60からの信号に基づいて2つの入力口72a,72bの開口比率を変更する。
【0041】
次に、図3を用いて制御ユニット60が行なう処理について説明する。なお、以下で説明する処理は、本発明を特徴付ける処理、即ち熱媒循環経路24や給水管64等の配管の凍結防止処理についてのみ説明する。従って、ミキシングユニット72での入力口72a,72bの開口比率の決定処理、決定された開口比率に従ってミキシングユニット72を駆動する処理、給湯処理等については公知の処理が実施されればよく、本明細書での説明は省略するものとする。
なお、制御ユニット60は、発電ユニットハウジング21内の凍結防止処理と、蓄熱ユニットハウジング16内の凍結防止処理を双方とも行なう。図中で示した「補助熱源機」とは、発電ユニットハウジング21内の改質器30を加熱するバーナ32、又は蓄熱ユニットハウジング16内の給湯暖房機50のバーナ38を示す。「補助熱源機」が改質器30のバーナ32であるときは「ハウジング」は発電ユニットハウジング21を示し、「補助熱源機」が給湯暖房機50のバーナ38であるときは「ハウジング」は蓄熱ユニットハウジング16を示す。
【0042】
図3に示す凍結防止処理では、まずハウジング21,16内の温度が3℃以下であるか否かを判別する(ステップS10)。温度センサT1,T2から受信しているハウジング21,16内の温度データが3℃以下になった場合(YESの場合)、ハウジング21,16内の配管等が凍結する可能性があるため、ステップS20に進んで補助熱源機32,38が運転中あるか否かを判別する。補助熱源機32,38が運転中であれば(ステップS20でYES)、既に燃焼によって生じた高温の燃焼ガスが、燃焼ガス管35,48を経て燃焼ガス吹出口33,47からハウジング21,16内に放出されているはずである。補助熱源機32,38が停止中であれば(ステップS20でNO)ステップS30に進み、強制的に補助熱源機32,38を起動して燃焼させる。これによって、高温の燃焼ガスが、燃焼ガス吹出口33,47からハウジング21,16内に放出され、配管等の周辺の雰囲気温度を上昇させる。補助熱源機32,38の運転中は、ステップS40に進み、ハウジング21,16内の温度が20℃以上になったか否かを監視する。温度センサT1,T2から受信している温度データが20℃以上になった場合(YESの場合)、配管等の凍結の可能性はなくなるため、ステップS50に進んで補助熱源機32,38を停止させて凍結防止処理を終了する。
なお、図3では補助熱源機32,38を一緒に説明しているが、実際には独立で制御される。発電ユニットハウジング21内の温度センサT1から受信している温度データが3℃以下になれば、蓄熱ユニットハウジング16内の温度センサT2から受信している温度データとは無関係に改質器30のバーナ32が起動する。また、蓄熱ユニットハウジング16内の温度センサT2から受信している温度データが3℃以下になれば、発電ユニットハウジング21内の温度センサT1から受信している温度データとは無関係に給湯暖房機50のバーナ38が起動する。
【0043】
本実施例のコージェネレーションシステム10では、発電ユニットハウジング21内の熱媒循環経路24やこれに接続されている給水管(図示省略)や蓄熱ユニットハウジング16内の給水管64等の配管の凍結防止は、補助熱源機32,38の燃焼によって発生する燃焼ガスを利用して行なわれる。即ち、改質器30のバーナ32が燃焼中であれば、その燃焼ガスを燃焼ガス吹出口33から発電ユニットハウジング21内に放出する。給湯暖房機50のバーナ38が燃焼中であれば、その燃焼ガスを燃焼ガス吹出口47から蓄熱ユニットハウジング16内に放出する。高温の燃焼ガスを放出することよって発電ユニットハウジング21内や蓄熱ユニットハウジング16内を加熱する。また、ハウジング21,16内の温度が低下し、配管等の凍結防止が必要なときに改質器30のバーナ32や給湯暖房機50のバーナ38が停止していれば、これらを強制的に駆動して燃焼ガスを放出させる。補助熱源機32,38の燃焼で生じる高温の燃焼ガスによって凍結防止が必要な箇所の雰囲気温度を上昇させ、凍結を防止する。
【0044】
なお、本実施例では、ハウジング内の温度によって補助熱源機を強制的に駆動したが、外気温や給水管等の配管内の水温によって補助熱源機を駆動するようにしてもよい。
また、本実施例では、発電機の改質器を加熱するバーナや給湯暖房機のバーナといった補助熱源機の燃焼で生じる燃焼ガスを利用している。本発明を実施するために、これらの補助熱源機ではなく、配管の凍結防止のためのファンヒータを利用してもよい。燃料ガスによって燃焼する小型のファンヒータを発電ユニットハウジング内や蓄熱ユニットハウジング内に配設し、発生する燃焼ガスを凍結防止を必要とする箇所に放出させる。ハウジング内の温度が所定の温度以下(例えば3℃以下)となったときにこのファンヒータを駆動し、ハウジング内の温度が別の所定の温度以上(例えば20℃以上)となったときには凍結防止の必要がないとみなしてファンヒータを停止する。このようにすることによっても、凍結防止が必要な箇所の雰囲気温度を上昇させ、凍結を防止することができる。
【0045】
次に、本発明を具現化した第2実施例を図4,5を用いて説明する。図4は本実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図であり、図5は制御ユニットで実施される処理のフローチャートである。
コージェネレーションシステムの構成について説明する。図4に示すコージェネレーションシステム110は、第1実施例で述べたコージェネレーションシステム10とは、配管等の凍結防止方法が異なっている。したがって、以下では第1実施例と同一の部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0046】
図4に示すように、コージェネレーションシステム110は、第1実施例のコージェネレーションシステム10と同様に、電力と発電熱を発生する発電ユニット120と、発電ユニット120の発電熱を蓄熱し、この発電熱によって加熱される温水を利用する蓄熱ユニット115等から構成される。発電ユニット120は、燃料電池122と、改質器130等から構成され、これらは発電ユニットハウジング121に収納されている。燃料電池122の構成と、発電熱の回収方法と、改質器130の構成等は第1実施例と同様である。本実施例が第1実施例と異なるのは、燃焼ガスの熱を熱交換器70で回収した後、第1実施例では、この燃焼ガスを発電ユニットハウジング21内に放出して発電ユニットハウジング21内を加熱したが、本実施例では、燃焼ガスが発電ユニットハウジング121の外部に放出される点である。また、本実施例では発電ユニットハウジング121内を通る水循環路104に後述する放熱機180が配設されている点も第1実施例とは異なる。
【0047】
蓄熱ユニット115は、第1実施例と同様に、貯湯槽144と給湯暖房機150と制御ユニット160等から構成され、これらは蓄熱ユニットハウジング116に収納されている。水道水を給水する経路や、貯湯槽144内の温水を加熱する調温用燃焼装置である給湯暖房機150へ貯湯槽144内の温水を供給する経路や、その際のミキシングユニット172での温水の温度調整方法等は第1実施例と同様である。本実施例では、給湯暖房機150のバーナ138の燃焼ガスは蓄熱ユニットハウジング116の外部に排出される点において第1実施例とは異なっている。また、蓄熱ユニットハウジング116内を通る水循環路104には後述する放熱機184が配設されており、この点についても第1実施例とは異なっている。なお、給湯暖房機150に接続された給湯管194は、第1実施例とは異なり、分岐することなく洗面所や台所の蛇口と接続されている。
【0048】
蓄熱ユニット115内の貯湯槽144と発電ユニット120の間には水循環路104が配設されている。水循環路104には水循環ポンプ106が配設されている。水循環ポンプ106が駆動することで貯湯槽144の温水が水循環路104内を循環する(図中矢印方向)。水循環ポンプ106は制御ユニット160によって制御駆動される。この制御については後述する。
水循環路の発電ユニット120から貯湯槽144への戻り経路は、貯湯槽144の上部に接続されている。また、水道水の給水管164は配管上に減圧弁142を有し、貯湯槽144の下部に接続されている。即ち、発電ユニット120で加熱された温水は貯湯槽144の上部から給水され、水道水は貯湯槽144の下部から給水される。このことから、貯湯槽144内の温水は上部が高温となり、下方になるに従って低温となる傾向がある。
【0049】
水循環路104の貯湯槽144から発電ユニット120への送り経路には、第2三方弁114が配されており、この第2三方弁114は2つの入力口114a,114bと1つの出力口114cを持つ。水循環路104の送り経路と貯湯槽144は2箇所で接続されている。一方の送り経路104aは貯湯槽144の下部と第2三方弁114の入力口114aを接続している。他方の送り経路104bは貯湯槽144の上部と第2三方弁114の入力口114bを接続している。
第2三方弁114の入力口114a,114bの何れかの入力口から入力された温水は、出力口114cから出力される。第2三方弁114は、制御ユニット160によって何れの入力口を開口するかが制御される。入力口114a,114bが切替えられることで、貯湯槽144の下方に貯湯されている低温の温水が誘導されるか(入力口114aから出力口114c)、上方に貯湯されている高温の温水が誘導されるか(入力口114bから出力口114c)が切替えられる。
【0050】
水循環路104の発電ユニット120から貯湯槽144への戻り経路には2つの放熱機180,184が配設されている。放熱機180は発電ユニットハウジング121内に配設され、放熱機184は蓄熱ユニットハウジング116内に配設されている。放熱機180,184にはそれぞれ熱動弁182,186が配設されており、これらの熱動弁182,186が開いたときに水循環路104内の温水が放熱機180,184内に誘導され、温水の持つ熱が放熱される。放熱機180には温度センサT3が配設され、放熱機184には温度センサT4が配設されており、それぞれ放熱機180,184内の温水の温度を監視している。なお、発電ユニットハウジング121内には温度センサT1が配設され、蓄熱ユニットハウジング116内には温度センサT2が配設されており、それぞれハウジング121,116内の温度を監視している。
【0051】
次に、制御ユニット160が行なう処理について説明する。なお、第1実施例のときと同様に、以下で説明する処理は、本発明を特徴付ける処理、即ち配管等の凍結防止処理についてのみ説明する。なお、制御ユニット160は、発電ユニットハウジング121内の凍結防止処理と、蓄熱ユニットハウジング116内の凍結防止処理を双方とも行なう。図中で示した「ハウジング」は発電ユニットハウジング121又は蓄熱ユニットハウジング116を示す。
制御ユニット160が行なう凍結防止処理を図5を用いて説明する。凍結防止処理では、まず発電ユニット120が運転中であるか否かを判別する(ステップS110)。発電ユニット120が運転中であれば(YESであれば)、水循環路104内を循環する温水はバーナ132によって加熱されるため、この熱を回収するべく処理される。即ち、ステップS120に進み、水循環路104に配された第2三方弁114の入力口を入力口114aとし、水循環ポンプ106を起動させる(ステップS130)。これによって、貯湯槽144の下方の比較的低温の温水が発電ユニット120へ送られ、この温水がバーナ132で加熱され、加熱された温水が貯湯槽144へ戻るという、発電熱を回収する水循環が起こる。続いてステップS140に進み、ハウジング121,116内の温度が3℃以下であるか否かを判別する。外気温が0℃に達すると配管等が凍結してしまう可能性があるので、温度センサT1,T2から受信している温度データが3℃以下になった場合(YESの場合)、ステップS150に進み、放熱機180,184に配された熱動弁182,186を開く。これによって、水循環路104内の温水の持つ熱が、放熱機182,186からハウジング121,116内に放熱されてハウジング121,116内の温度を上昇させる。
【0052】
水循環路104内の温水の温度が低いと、放熱機180,184から放熱を行なってもハウジング121,116内を加温することができず、凍結防止効果が得られない場合がある。また、継続的に放熱機180,184からの放熱を行なうことによって水温が低下し、凍結防止効果が得られなくなる場合がある。このため、本実施例では、凍結防止効果が得られる水温を40℃以上とし、ステップS160で放熱機180,184内の水温が40℃以下であるか否かを判別する。温度センサT3,T4から受信している温度データが40℃以下である場合(YESの場合)、第2三方弁114の入力口を入力口114aから入力口114bに切替える(ステップS170)。これによって、より高温と思われる貯湯槽144の上方の温水が水循環路104に誘導される。なお、温度センサT3,T4から受信している温度データが40℃を上回る場合(ステップS160でNOの場合)は第2三方弁114の入力口は切替えない。放熱機180,184からの放熱は、ハウジング121,116内の配管が凍結する可能性のない温度(本実施例では20℃以上)に達するまで継続される。温度センサT1,T2から受信している温度データが20℃以上になった場合(ステップS180でYESの場合)、ステップS190に進んで熱動弁182,186を閉じて放熱機180,184からの放熱を停止し、凍結防止処理を終了する。
【0053】
ステップS110で、発電ユニット120が運転停止中であれば(NOであれば)、ハウジング121,116内の温度が3℃以下であるか否かを判別する(ステップS200)。温度センサT1,T2から受信している温度データが3℃以下になった場合(YESの場合)、ステップS210に進み、水循環路104に配された第2三方弁114の入力口を入力口114bとする。この状態で水循環ポンプ106を起動させ(ステップS220)、熱動弁182,186を開くことによって(ステップS230)、水循環路104に貯湯槽144の上方の高温水が誘導されて循環し、放熱機180,184から放熱される。放熱機180,184からの放熱は、ハウジング121,116内の配管が凍結する可能性のない温度(本実施例では20℃以上)に達するまで継続される。温度センサT1,T2から受信している温度データが20℃以上になった場合(ステップS240でYESの場合)、ステップS250に進んで水循環ポンプ106を停止させる。ステップS190に進んで熱動弁182,186を閉じて放熱機180,184からの放熱を停止し、凍結防止処理を終了する。
なお、図5では熱動弁182,186を一緒に説明しているが、実際には独立で制御される。発電ユニットハウジング121内の温度センサT1から受信している温度データが3℃以下になれば、蓄熱ユニットハウジング116内の温度センサT2から受信している温度データとは無関係に熱動弁182を開く。また、蓄熱ユニットハウジング116内の温度センサT2から受信している温度データが3℃以下になれば、発電ユニットハウジング121内の温度センサT1から受信している温度データとは無関係に熱動弁186を開く。
【0054】
本実施例のコージェネレーションシステム110では、発電ユニットハウジング121内の熱媒循環経路124やこれに接続されている給水管(図示省略)や蓄熱ユニットハウジング116内の給水管164等の配管の凍結防止は、水循環路104内(つまり貯湯槽144内)の温水を循環させて、この温水の持つ熱を放熱機180,184から放熱することによって行なう。貯湯槽144内の下方の湯温が、凍結防止効果を得られる温度である場合は下方の温水を利用する。貯湯槽144内の下方の湯温が、凍結防止効果を得られる温度より低温であれば、貯湯槽144の上方の温水を利用する。また、改質器130のバーナ132が燃焼中であるときには、貯湯槽144の下方の低温の温水を利用してもこの温水はバーナ132によって加熱されて高温水となる。加熱された温水がハウジング121,116内の温度を効率よく上昇させ、配管等の凍結を防止することができる。このように、本実施例のコージェネレーションシステム110は、補助熱源機(改質器130のバーナ132)が運転中であれば利用し、停止中であれば貯湯槽144に貯湯されている温水の保持する熱量を有効利用することで、配管等の凍結防止効果を効率よく得ることができる。
【0055】
次に、本発明を具現化した第3実施例を図6に示す。本実施例のコージェネレーションシステム210と第2実施例のコージェネレーションシステム110は、放熱機の配設箇所が異なっている。したがって、以下では第2実施例と同一の部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施例のコージェネレーションシステム210では、風呂の追い焚きを行なうための第2の水循環路288が配設されている。第2水循環路288には熱動弁287と第2水循環路288内の湯水を循環させる第2水循環ポンプ291が配設されている。熱動弁287が開いて第2水循環ポンプ291が駆動すると、第2の水循環路288内の湯水は、図6に示すように貯湯槽244から給湯暖房機250に送られ、必要に応じてバーナ238で加熱され、熱交換器289を通過して浴槽290内の湯水と熱交換した後、貯湯槽244に戻される。この第2水循環路288は、発電ユニット220から貯湯槽244へ湯水を戻す水循環路204の戻り経路に接続されており、この戻り経路との接続箇所と貯湯槽244との間に放熱機284が配設されている。この放熱機284は蓄熱ユニットハウジング216内に配設されている。放熱機284には熱動弁286が配設されており、この熱動弁286が開いたときに第2水循環路288内の湯水が放熱機284に誘導され、湯水の持つ熱が放熱される。放熱機284には温度センサT5が配設されており、放熱機284内の温水の温度を監視している。なお、蓄熱ユニットハウジング216内には温度センサT2が配設されており、ハウジング216内の温度を監視している。
【0056】
熱動弁286,287の開閉や第2水循環ポンプ291の駆動等は制御ユニット260によって制御される。具体的には第2実施例で行なった処理(図5参照)とほぼ同様である。第2実施例では初めに発電ユニット120が運転中であるかを判別した(図5のステップS110)が、本実施例では貯湯槽244内の湯水を追い焚き用に加熱するバーナ238が運転中であるかを判別する。運転中でなければ、熱動弁287は閉じているため、熱動弁287を開いて第2水循環路288内に湯水を誘導する。また、第2実施例では水循環ポンプ106を起動させることで水循環路104内の湯水を循環させて放熱機180,184から放熱させた(図5のステップS130とステップS220)が、本実施例では第2水循環ポンプ291を起動させることで第2水循環路288内の湯水を循環させて放熱機284から放熱させる。ハウジング216内の温度が3℃以下になると第2水循環ポンプ291を起動して第2水循環路288内の湯水を循環させ、熱動弁286を開いて放熱機284に湯水を誘導し、ハウジング216内が20℃以上に加熱されるまで放熱させるように制御される。
【0057】
本実施例のコージェネレーションシステム210では、蓄熱ユニットハウジング216内の配管の凍結防止は、浴槽290内の湯水を追い焚きするための第2水循環路288内(つまり貯湯槽244内)の湯水を循環させて、この湯水の持つ熱を放熱機284から放熱することによって行なう。なお、追い焚き運転が行なわれていないときに凍結防止のみを目的として第2水循環路288内の湯水を循環させる場合には熱交換器289に熱を入力することなく循環させる。第2実施例と同様に、貯湯槽244内の下方の湯温が、凍結防止効果を得られる温度である場合は下方の温水を利用する。貯湯槽244内の下方の湯温が、凍結防止効果を得られる温度より低温であれば、貯湯槽244の上方の温水を利用する。また、追い焚き用バーナ238が燃焼中であるときには、この熱を利用できるために貯湯槽244の下方の低温の温水を利用する。第2水循環路288内の湯水の持つ熱を放熱することによってハウジング216内の温度を効率よく上昇させ、配管等の凍結を防止することができる。このように、本実施例のコージェネレーションシステム210は、補助熱源機(追い焚き用バーナ238)が運転中であれば利用し、停止中であれば貯湯槽244に貯湯されている温水の保持する熱量を有効利用することで、ハウジング216内の温度を上昇させて配管等の凍結防止効果を効率よく得ることができる。
【0058】
本実施例のコージェネレーションシステム210では放熱機284が浴槽290内の湯水を追い焚きする経路(第2水循環路288)に配設されている。配管が凍結する時間帯は主に深夜であり、通常入浴する時間帯に配管が凍結する可能性は極めて低い。実際には、浴槽290内の湯水を追い焚きしているときに配管等の凍結防止のために第2水循環路288内に湯水を循環させることはまずない。
なお、貯湯槽内の湯水が循環する暖房経路が配設されている場合には放熱機をその暖房経路に配設することによっても同様の効果を得ることができる。
【0059】
コージェネレーションシステムに配される給水管等は、外気温の低下に伴って凍結する恐れがある。配管自体にヒータを取付ける方法はエネルギーの消費が多く、コスト高をも招く。また、イオン交換フィルタのカートリッジのように交換する部品であるために直接ヒータを取付けられないものもある。本発明のコージェネレーションシステムでは、給水管等の周辺の雰囲気温度を上昇させることによって凍結を防止する。これによって、凍結防止が必要な部材を広範囲に亘って凍結防止することができ、交換する部品の凍結をも防止することが可能となる。
【0060】
なお、本明細書中に示した実施例では、発電機を収納する発電ユニットハウジングと貯湯槽や給湯暖房機等を収納する蓄熱ユニットハウジングとが別であったが、これらを同一のハウジングに収納してもよい。このようにすれば、発電ユニットの熱媒循環経路や貯湯槽への給水管の周辺を1つの加熱手段(燃焼ガス吹出口や放熱機)で加熱することが可能であり、より効率的である。
【0061】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図。
【図2】制御ユニットとその周辺のブロック図。
【図3】制御ユニットで実施される処理のフローチャート。
【図4】第2実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図。
【図5】制御ユニットで実施される処理のフローチャート。
【図6】第3実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図。
【符号の説明】
4:水循環路
6:水循環ポンプ
10:コージェネレーションシステム
15:蓄熱ユニット
16:発電ユニットハウジング
20:発電ユニット
21:蓄熱ユニットハウジング
22:燃料電池
30:改質器
32:バーナ
33:燃焼ガス吹出口
34:燃焼ガス管
35:燃焼ガス管
38:バーナ
44:貯湯槽
46:ダンパ
47:燃焼ガス吹出口
48:燃焼ガス管
49:ガス管
50:給湯暖房機
51:吸気ダクト
52:第1出湯管
60:制御ユニット
64:給水管
72:ミキシングユニット
76:第2出湯管
93:温水循環ポンプ
94:給湯管
104:水循環路
106:水循環ポンプ
110:コージェネレーションシステム
114:第2三方弁、114a:入力口、114b:入力口、114c:出力口115:蓄熱ユニット
116:発電ユニットハウジング
120:発電ユニット
121:蓄熱ユニットハウジング
122:燃料電池
130:改質器
132:バーナ
138:バーナ
144:貯湯槽
150:給湯暖房機
160:制御ユニット
164:給水管
172:ミキシングユニット
180:放熱機
182:熱動弁
184:放熱機
186:熱動弁
194:給湯管
204:水循環路
210:コージェネレーションシステム
215:蓄熱ユニット
216:蓄熱ユニットハウジング
220:発電ユニット
238:バーナ
244:貯湯槽
250:給湯暖房機
260:制御ユニット
284:放熱機
286:熱動弁
287:熱動弁
288:第2水循環路
289:熱交換器
290:浴槽
291:第2水循環ポンプ
T1,T2,T3,T4,T5:温度センサ

Claims (14)

  1. 発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、発電機に水素を供給する改質器と、改質器を加熱する改質器用燃焼装置と、発電機と改質器と改質器用燃焼装置を収納する発電ユニットハウジングと、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電ユニットハウジングに送って発電機と改質器用燃焼装置で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記改質器用燃焼装置を強制的に運転させる制御装置を有するコージェネレーションシステム。
  2. 前記改質器用燃焼装置が強制運転されるときの燃焼ガスが発電ユニットハウジング内に放出されることを特徴とする請求項1のコージェネレーションシステム。
  3. 発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、貯湯槽内の温水を設定温度にまで加熱して温水利用箇所に供給する調温用燃焼装置と、貯湯槽に水を給水する給水管と、少なくとも給水管と調温用燃焼装置を収納する蓄熱ユニットハウジングと、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記調温用燃焼装置を強制的に運転させる制御装置を有するコージェネレーションシステム。
  4. 前記調温用燃焼装置が強制運転されるときの燃焼ガスが蓄熱ユニットハウジング内に放出されることを特徴とする請求項3のコージェネレーションシステム。
  5. 調温用燃焼装置を通過した温水を貯湯槽に戻す温水循環路と、この温水循環路内の温水を循環させる温水循環ポンプと、調温用燃焼装置を強制運転している間前記温水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有する請求項3または4のコージェネレーションシステム。
  6. 発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、発電機と貯湯槽と水循環路の少なくとも1つを収納するハウジングと、そのハウジング内に収納されている凍結防止用燃焼装置と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記凍結防止用燃焼装置を強制的に運転させる制御装置を有するコージェネレーションシステム。
  7. 発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、発電機を収納する発電ユニットハウジングと、貯湯槽と、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、水循環路内の温水を循環させる水循環ポンプと、水循環路に配設されて水循環路内の熱を発電ユニットハウジング内に放熱する放熱手段と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有するコージェネレーションシステム。
  8. 水循環路内の温水を発電機から貯湯槽へ戻す経路は、放熱手段を経由する経路と放熱手段を経由しない経路を有しており、温度が所定温度以下のときに放熱手段を経由する経路が選択されることを特徴とする請求項7のコージェネレーションシステム。
  9. 発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽に給水する給水管と、少なくとも給水管を収納する蓄熱ユニットハウジングと、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、水循環路内の温水を循環させる水循環ポンプと、水循環路に配設されて水循環路内の熱を蓄熱ユニットハウジング内に放熱する放熱手段と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有するコージェネレーションシステム。
  10. 水循環路の温水を発電機から貯湯槽へ戻す経路は、放熱手段を経由する経路と放熱手段を経由しない経路を有しており、温度が所定温度以下のときに放熱手段を経由する経路が選択されることを特徴とする請求項9のコージェネレーションシステム。
  11. 水循環路の発電機から貯湯槽への戻り経路は貯湯槽の上部と接続されており、水循環路の貯湯槽から発電機への送り経路は、貯湯槽の下部と接続されている経路と、貯湯槽の上部と接続されている経路とを有し、発電機の運転中又は水循環路内の温度が所定温度以上のときは貯湯槽の下部と接続されている経路が選択され、その他のときは貯湯槽の上部と接続されている経路が選択されることを特徴とする請求項7から10のいずれかのコージェネレーションシステム。
  12. 発電に伴って発生する発電熱を利用するとともに凍結防止対策が施されたシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽に給水する給水管と、少なくとも給水管を収納する蓄熱ユニットハウジングと、貯湯槽内の温水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、貯湯槽の湯を貯湯槽に戻す第2の水循環路と、第2の水循環路内の温水を循環させる第2の水循環ポンプと、第2水循環路に配設されて第2水循環路内の熱を蓄熱ユニットハウジング内に放熱する放熱手段と、非発電中で温度が所定温度以下のときに前記第2水循環ポンプを強制的に運転させる制御装置を有するコージェネレーションシステム。
  13. 第2の水循環路が暖房装置を通過することを特徴とする請求項12のコージェネレーションシステム。
  14. 第2の水循環路が浴槽水の追い焚き用熱交換器を通過することを特徴とする請求項12のコージェネレーションシステム。
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