JP2006183960A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 発電運転停止中であり、貯湯槽20内に利用可能な蓄熱がないとき、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱し、熱交換器53において、暖房経路内の高温水によって、第2共用経路42内の低温水を加熱することができる。従って、給湯経路にバーナとバーナ熱交換器を備えていなくても、暖房経路に配設したバーナ57とバーナ熱交換器60を利用して給湯経路内の温水を加熱することができる。給湯経路と暖房経路を備えていながら、システム内に配設する、バーナとバーナ熱交換器からなる加熱器を1組に減らすことができるため、システムを小型化することができる。
【選択図】 図9
Description
給湯経路と暖房経路を備えているコージェネレーションシステムでは、配管数が多く、配管の配設が複雑であり、システムが大型化する傾向がある。特許文献1のコージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の水を発電ユニットに送る往き管と、水道水を貯湯槽に給水する給水管から分岐させて給水管の一部を兼用させるなどして配管数を減らすことにより、貯湯槽を小型化することなく、システムの小型化を実現している。
本発明では、給湯経路と暖房経路を備えていながら、コージェネレーションシステム全体が小型化する技術を提供することを目的とする。
本発明のコージェネレーションシステムでは、発電運転中であれば、発電熱によって加熱された温水をミキシングユニットへ送り出して調温し、給湯することができる。給湯運転要求がないときであっても、貯湯槽内の温水を発電ユニットへ送り、発電熱で加熱し、貯湯槽へ戻すことによって貯湯槽内に蓄熱することができる。給湯運転要求があったとき、貯湯槽内に貯湯しておいた温水をミキシングユニットへ送り出して調温し、給湯することができる。発電運転停止中であり、貯湯槽内に給湯に利用可能な温水が貯湯されていないとき、加熱器によって第2循環経路内の熱媒体を加熱して昇温させ、第1熱交換器において、昇温した第2循環経路内の熱媒体によって第2水経路内の温水を加熱することができる。即ち、暖房経路に配設した加熱器を利用して暖房経路内の熱媒体を加熱し、加熱した暖房経路内の熱媒体によって給湯経路内の温水を加熱することができる。この構成によれば、従来のコージェネレーションシステムように、給湯経路を加熱するためのバーナとバーナ熱交換器等の加熱器を備える必要がなくなる。給湯経路と暖房経路を備えていながら、システム内に配設する加熱器を1組に減らすことができるため、システムを小型化することができる。
さらに、本発明のコージェネレーションシステムの第1循環手段は循環方向を切換え可能であり、第2循環手段も循環方向を切換え可能であることが好ましい。
例えば、第1循環経路が、貯湯槽の下部から発電ユニットに低温水を送り、発電熱で加熱した高温水を貯湯槽の上部に戻す循環経路であると、貯湯槽の上部から蓄熱が進むため、貯湯槽の低温層の上部に高温層が積層され、温度成層が形成される。もし、第1循環経路内の温水の循環方向が一方向であると、蓄熱が満杯となって貯湯槽の上部の温水と下部の温水の温度差がない蓄熱状態となるまでの間に貯湯槽から送り出される温水は、貯湯槽の下部の低温水である。従って、蓄熱が満杯となって貯湯槽の上部の温水と下部の温水の温度差がない蓄熱状態となるまでは、貯湯槽内に貯湯されている温水を利用して暖房経路内の熱媒体を加熱することができない。
本発明のコージェネレーションシステムでは、第1循環経路内の温水の循環方向を切換えることができる。このことによって、貯湯槽の上部に貯湯されている高温水が第1熱交換器を通過するようになるため、たとえ、貯湯槽の下部の温水温度が低温であるときであっても、上部の高温水によって暖房経路内の熱媒体を加熱し、暖房運転を行なうことができる。熱エネルギーを有効利用し、熱効率を向上させることができる。また、第1循環経路内の温水が逆方向に循環するとき、暖房経路内の熱媒体も逆方向に循環させることによって、熱交換器率をより高めることができる。
経路内の循環方向を切換える方法については、例えば、第1循環手段と第2循環手段として、正回転と逆回転が可能なポンプを配設してもよい。あるいは、循環経路の一部をパラレルとし、その箇所に循環方向を異ならせるポンプを1ずつ配設し、循環させたい方向に循環させることができる方のポンプを駆動させてもよい。
例えば、第2循環経路内の熱媒体を加熱器によって加熱しながら暖房運転を行っているとき、熱媒体が第1熱交換器を通過する経路内を循環すると、第2水経路内に滞留している低温水に熱が奪われてしまい、熱効率が悪い。このとき、第2循環経路内の暖房用の熱媒体と、第2水経路内の温水とを熱交換させないようにしたりすることができれば、第2循環経路内の熱エネルギーが、第2共用経路内に滞留している低温水に奪われてしまうことなく暖房運転に利用することができる。システムの運転状況に応じて、第1熱交換器を通過する経路とバイパスする経路とを切換えることができ、システムの熱効率がより向上する。
本発明のコージェネレーションシステムでも、発電運転中であれば、発電熱によって加熱された温水をミキシングユニットへ送り出して調温し、給湯することができる。給湯運転要求がないときであっても、貯湯槽内の温水を発電ユニットへ送り、発電熱で加熱し、貯湯槽へ戻すことによって貯湯槽内に蓄熱することができる。給湯運転要求があったとき、貯湯槽内に貯湯しておいた温水をミキシングユニットへ送り出して調温し、給湯することができる。発電運転停止中であり、貯湯槽内に給湯に利用可能な温水が貯湯されていないとき、加熱器によって第2循環経路内の熱媒体を加熱して昇温させ、第2熱交換器において、昇温した第2循環経路内の熱媒体によって貯湯槽内の温水を加熱することができる。即ち、暖房経路に配設した加熱器を利用して暖房経路内の熱媒体を加熱し、加熱した暖房経路内の熱媒体によって貯湯槽内の温水を加熱し、給湯に利用することができる。この構成によっても、従来のコージェネレーションシステムように、給湯経路を加熱するためのバーナとバーナ熱交換器等の加熱器を備える必要がなくなる。給湯経路と暖房経路を備えていながら、システム内に配設する加熱器を1組に減らすことができるため、システムを小型化することができる。
システムの運転状況に応じて、第2循環経路内の暖房用の熱媒体が、第1熱交換器を通過する経路とバイパスする経路とを切換えることができれば、第2循環経路内の暖房用の熱媒体と貯湯槽内の温水とを、熱交換させたり、熱交換させないようにしたりすることができ、システムの熱効率が向上する。
この構成によれば、第2循環経路内の高温の熱媒体によって、第3循環経路内の温水を加熱することができる。即ち、加熱した暖房経路内の熱媒体によって、浴槽からの温水を加熱し、追焚き運転を行なうことができる。システム内に配設する加熱器が1組であっても給湯運転と暖房運転と風呂の追焚き運転を行なうことができ、システムを小型化することができる。
第2循環経路内の熱媒体が逆方向に循環するとき、第3循環経路内の温水が逆方向に循環すれば、第2循環経路内の高温の熱媒体によって、第3循環経路内の温水を効果的に加熱することができ、熱効率が向上する。
(形態1) 暖房経路内の熱媒体は水である。
(形態2) 給湯経路内の温水や暖房経路内の温水の加熱には、発電熱と、貯湯槽内の蓄熱と、暖房経路に配設された加熱器のいずれかが利用される。
本発明のコージェネレーションシステムを具現化した第1実施例を図面を参照しながら説明する。
本実施例のコージェネレーションシステムは、図1に示すように、発電ユニット110と給湯システム10等を備えている。
発電ユニット110は、改質器112、燃料電池114、熱交換器116、118、熱媒放熱器120、熱媒三方弁122、それらを接続する経路等を備えている。
改質器112には、バーナ131が設けられている。バーナ131が作動して熱を発生すると、改質器112は炭化水素系のガスから水素ガスを生成する。バーナ131で燃焼した高温の燃焼ガスは燃焼ガス経路126に導かれる。燃焼ガス経路126は、改質器112から熱交換器116を通過して外部に開放されている。熱交換器116には、熱回収経路128も通過している。燃焼ガス経路126は、バーナ131で発生した高温の燃焼ガスを熱交換器116に導き、熱回収経路128を流れる水を加熱し、熱交換によって温度が低下した燃焼ガスを外部に排出する。
熱回収経路128は、熱回収往路128aと、熱回収復路128bから構成されており、給湯システム10と接続されている。熱回収経路128が給湯システム10にどのように接続されているのかについては、後で詳細に説明する。熱回収経路128は温水を流通させる。熱回収経路128を流れる温水は、熱交換器116を通過することによって燃焼ガス経路126を流れる燃焼ガスによって加熱され、温度が上昇する。
熱媒循環経路124は、燃料電池114、熱交換器118、リザーブタンク125、熱媒ポンプ127、熱媒三方弁122を通って燃料電池114に戻る循環経路を形成している。熱媒循環経路124の燃料電池114の下流側には、熱媒温度センサ117が装着されている。熱媒温度センサ117は、熱媒循環経路124を流れる熱媒の温度を検出する。熱媒温度センサ117の検出信号は、給湯システム10に装着されているコントローラ21に出力される。
熱媒三方弁122は、1つの入口122aと、2つの出口122b,122cを備えている。熱媒三方弁122は、入口122aと出口122bを連通させるか、入口122aと出口122cを連通させるかを切換える。
熱媒三方弁122の出口122bと、熱媒循環経路124の熱媒三方弁122の出口122cの下流側とを接続する冷却経路129が設けられている。熱媒循環経路124と冷却経路129は熱媒としての純水を循環させる。冷却経路129の途中には熱媒放熱器120が装着されている。熱媒放熱器120に隣接して熱媒冷却ファン119が設けられている。熱媒冷却ファン119を運転すると、空気が熱媒放熱器120に吹付けられ、冷却経路129を流れる熱媒が冷却される。
改質器112、燃料電池114、バーナ131、熱媒三方弁122、熱媒ポンプ127、熱媒冷却ファン119は、コントローラ21によって制御される。
熱媒温度センサ117が検出した熱媒温度が高くなりすぎると、発電熱の回収が不十分となってしまうため、発電熱の放熱を行なう。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通され、同時に熱媒冷却ファン119が運転される。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通されると、熱媒は冷却経路129に流入し、熱媒放熱器120を通過する。熱媒は、熱媒放熱器120を通過することによって冷却される。熱媒放熱器120は、熱媒冷却ファン119から空気が吹付けられることにより、高い効率で熱を放熱する。熱媒の温度が低下すると、熱媒三方弁122の入口122aと出口122cが再び連通される。このような熱媒三方弁122の切換えが繰返されることにより、熱媒の温度は、所定範囲内に維持される。
コントローラ21は、CPU、ROM、RAM等を備えており、CPUがROMに格納されている制御プログラムを処理することによって、発電ユニット110と給湯システム10を制御する。RAMには、コントローラ21に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。コントローラ21にはリモコン23が接続されている。リモコン23には、発電ユニット110と給湯システム10を操作するためのスイッチやボタン、発電ユニット110と給湯システム10の動作状態を表示するとともに後記する運用方法を表示する液晶表示器等が設けられている。
貯湯槽20には、調圧値に調圧された水が貯められる。貯湯槽20は、調圧値に耐えられる耐圧容器で形成されている。貯湯槽20の上部には出口部20aが設けられており、さらにその上にリリーフ弁31が装着されている。リリーフ弁31の開弁圧力は、減圧弁28の調圧値よりも僅かに大きく設定されている。減圧弁28の調圧が不能になった場合には、リリーフ弁31が開き、貯湯槽20内の圧力が耐圧圧力を超えるのを防止する。リリーフ弁31には、圧力開放経路32の一端32aが接続されている。圧力開放経路32の他端32bは貯湯槽20の外部に開放されている。
貯湯槽20の上部の出口部20aには、ミキシングユニット24の温水入口24cに貯湯槽20からの温水を送り出す第2共用経路42が接続されている。第2共用経路42は、熱交換器53を通過するように配設されている。
貯湯槽20の底部と、圧力開放経路32の他端32b近傍を接続する排水経路33が設
けられている。排水経路33の途中には排水弁34が装着されている。排水弁34は手動で開閉することができる。排水弁34を開くと、貯湯槽20内の水が排水経路33と開放経路32を通って外部に排水される。
循環ポンプ40が正回転で作動すると、第1共用経路26を介して貯湯槽20の底部から温水が吸出される。貯湯槽20から吸出された温水は、熱回収往路128aに入り、発電ユニット110の熱交換器118、116を通過することによって加熱されて温度が上昇する。温度が上昇した温水は、熱回収復路128bを流れて第2共用経路42に入り、貯湯槽20の上部に戻される。これによって、貯湯槽20の底部から順に、第1共用経路26、熱回収往路128a、熱回収復路128b、第2共用経路42を通って貯湯槽20の上部へ戻る熱回収用循環経路が形成される。即ち、第1共用経路26と第2共用経路42は発電ユニット110で発生する発電熱を貯湯槽20内に回収するための熱回収用循環経路としても利用される。このとき、第1共用経路26内の温水は、水道水を給水するときの水道水の流れと逆向きに流れ、第2共用経路42内の温水は、貯湯槽20からミキシングユニット24へ温水を送り出すときの温水の流れと逆向きに流れる。
コントローラ21とミキシングユニット24を組合せて用いることによって、混合水サーミスタ54で計測される混合水の温度は、コントローラ21が指令する温度に調整される。
コントローラ21は、ハイカットサーミスタ55によって温水が前記所定値を大きくオーバーしたことが検出された場合(すなわち、混合水サーミスタ54、あるいはミキシングユニット24が故障した可能性が高い場合)に、温水入口24cを閉じる。温水入口24cが閉じると、前記所定値を大きくオーバーした温度の温水が、給湯栓64から給湯されてしまうのが防止される。
熱源機22内の給湯経路51の途中から、シスターン入水経路62が分岐している。シスターン入水経路62の開放端はシスターン61の上部に差し込まれている。シスターン入水経路62の途中には補給水弁59が設けられている。補給水弁59はコントローラ21によって制御され、内蔵しているソレノイドが駆動されることによって開閉する。補給水弁59が開かれると、ミキシングユニット24からの温水がシスターン61に供給される。
シスターン61内には水位電極66が装着されている。水位電極66は、棒状のハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bを有している。ハイレベルスイッチ66aの下端はシスターン61のハイレベル水位に位置している。ローレベルスイッチ66bの下端はシスターン61のローレベル水位に位置している。ハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bは、水に触れていると検出信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、水位電極66からの検出信号によって、シスターン61の水位がハイレベル水位を超えているか、ハイレベル水位とローレベル水位の間にあるか、ローレベル水位よりも低いかを判別する。シスターン61として適正なのは、水位がハイレベルとローレベルの間に位置している状態である。コントローラ21は、水位電極66からの水位検出信号に基づいて補給水弁59を開閉制御し、シスターン61の水位を適正範囲に維持する。
バーナ熱交換器60はガス燃焼式のバーナ57によって加熱される。バーナ熱交換器60の下流には高温水経路73が接続されている。高温水経路73には、上流側から順に、暖房高温サーミスタ74、暖房端末熱動弁75、暖房端末機76が装着されており、下流端は三方弁86のAポート86aが接続されている。高温水経路73は、暖房端末機76の下流側において熱交換器53を通過するように配設されている。熱交換器53は、プレートフィンタイプの熱交換器であり、第2共用経路42と高温水経路73の間には空気層が形成されている。三方弁86のBポート86bにはシスターン戻り経路56の一端が接続されている。シスターン戻り経路56の他端はシスターン61の底部に接続されている。高温水経路73の暖房端末機76と熱交換器53の間からバイパス経路52が分岐している。バイパス経路52の下流端は三方弁86のCポート86cに接続されている。三方弁86のAポート86aとBポート86bが開いて連通しており、Cポート86cが閉じているとき、熱交換器53を通過する経路が形成される。三方弁86のCポート86cとBポート86bが開いて連通しており、Aポート86aが閉じているとき、熱交換器53をバイパスする経路が形成される。熱交換器53を通過する経路が形成されると、熱交換器53において、高温水経路73内の温水と、先述の第2共用経路42内の温水との熱交換がなされる。
暖房高温サーミスタ74は、高温水経路73を流れる温水の温度を検出する。暖房高温サーミスタ74の検出信号はコントローラ21に出力される。
暖房端末熱動弁75は、膨張エレメントと、膨張エレメントと機械的に連結された開閉弁を内蔵している。暖房端末機76の操作スイッチ76aがオンにされると、暖房端末熱動弁75の膨張エレメントに通電が行われる。通電された膨張エレメントは高温になって膨張する。膨張した膨張エレメントは開閉弁を駆動し、これによって暖房端末熱動弁75が開かれる。また、操作スイッチ76aがオンにされると、コントローラ21は、暖房ポンプ69を作動させる。暖房端末機76の運転には、約80℃の高温水が必要であるため、加熱手段としてバーナ57を利用して以下のように暖房運転を行なう。操作スイッチ76aがオンにされると、暖房端末熱動弁75が開かれ、三方弁86のCポート86cとBポート86bが連通し、暖房ポンプ69が正回転で作動する。これによって、シスターン61からシスターン往き経路68へ温水が吸出される。コントローラ21は、暖房低温サーミスタ72と暖房高温サーミスタ74が検出した温水温度に基づいて、バーナ57を制御し、バーナ熱交換器60から流出する温水の温度を所定範囲に維持する。暖房端末機76の電動ファンは、操作スイッチ76aがオンにされると回転し、熱交換器76bに空気を吹付ける。熱交換器76bに吹付けられた空気は、熱交換器76bを介して温水と熱交換を行って暖められる。暖められた空気は暖房端末機76から吹出し、部屋を暖房する。熱交換器76bで空気と熱交換を行なうことによって、温水の温度は低下する。温度が低下した温水は高温水経路73を流れ、バイパス経路52を経てシスターン戻り経路56に入り、シスターン61に戻る。
浴槽79には吸出口79aと供給口79bが設けられている。吸出口79aと供給口79bは風呂循環経路80によって接続されている。風呂循環経路80は追焚き熱交換器58を通過している。上述したように、追焚き経路77も追焚き熱交換器58を通過している。このため、追焚き熱交換器58では、風呂循環経路80と追焚き経路77との間で熱交換が行われる。風呂循環経路80の追焚き熱交換器58の上流側には、風呂水位センサ81、風呂循環ポンプ82、風呂水流スイッチ84が装着されている。風呂循環ポンプ82は正回転と逆回転が可能である。風呂循環ポンプ82はコントローラ21によって制御される。風呂水位センサ81、風呂水流スイッチ84は、コントローラ21に検出信号を出力する。風呂水位センサ81は水圧を検出する。コントローラ21は、風呂水位センサ81が検出した水圧から、浴槽79に張られている湯の水位を推定する。風呂水流スイッチ84は風呂循環経路80を水が流れるとオンになる。
風呂循環経路80の風呂水位センサ81の上流側には、浴槽79から吸出された温水の温度を検出する風呂サーミスタ85が装着されている。風呂サーミスタ85の検出信号はコントローラ21に出力される。
浴槽79に湯を張るときには、注湯弁27が開かれる。注湯弁27が開かれると、温水が給湯経路51から湯張り経路25を経て風呂循環経路80に流入する。風呂循環経路80に流入した温水は、吸出口79aと供給口79bから浴槽79に供給され、浴槽79に湯張りされる。このときには、風呂循環ポンプ82は駆動されず、湯張り経路25に加わっている水圧によって浴槽79への湯張り運転が行われる。
高温水経路73の暖房端末熱動弁75の上流側と、低温水経路70の床暖房機91の下流側とは、バイパス経路92によって接続されている。バイパス経路92にはバイパス経路92を開閉させるバイパス熱動弁93が設けられている。バイパス熱動弁93はコントローラ21によって制御される。
なお、暖房端末機76を運転させるときは、約80℃の高温水が必要であるため、先述のような、バーナ57を加熱手段として利用する経路のみが形成される。このため、以下では暖房端末機76の運転についての説明や図示は割愛する。また、以下で説明する各経路形態のいずれにおいても、暖房端末機76の運転時にのみに開かれる暖房端末熱動弁75は閉じた状態であるものとする。
処理Aでは、図3に示すように、ステップS110で発電ユニット110において発電運転中であるか否かが判別される。発電運転中であれば(ステップS110でYESであれば)、発電熱を利用して給湯することが可能である。従って、ステップS112に進み、図7に示す経路形態1が形成される。
図7に示すように、経路形態1では、給湯栓64が開かれて水道水が第1共用経路26を通って貯湯槽20の底部に導入され、貯湯槽20の上部の温水又は水が第2共用経路42を通ってミキシングユニット24に送り出される。また、循環ポンプ40が正回転で駆動するため、水道水が熱回収往路128aにも導入されて発電ユニット110で発生する発電熱によって加熱される。加熱された温水が、熱回収復路128bから第2共用経路に合流し、ミキシングユニット24に送り出される。このとき、貯湯槽20から送り出される温水の温度が給湯設定温度より低温であっても、発電ユニット110から送り出される高温水が合流することによって、給湯設定温度以上の温水を得ることができる。ミキシングユニット24に送り出された温水は給湯設定温度に調温され、給湯経路51を通って給湯栓64から給湯される。
なお、前記の所定温度は給湯経路の配管容量等により適宜設定することができる。給湯中に蓄熱を使い切ってしまうと、蓄熱を利用して給湯する経路形態2から、バーナ57を利用して給湯する経路形態3(図9を用いて後述する)に切換える必要がある。この切換えの最中にも貯湯槽20からは温水が送り出され、送り出される温水の温度は徐々に低下する。例えば、経路形態の切換え中に低下する温度分を所定温度として設定しておけば、給湯途中に経路形態が切換わっても、給湯される温水温度を安定化することができる。
図8に示すように、経路形態2では、給湯栓64が開かれて水道水が第1共用経路26を通って貯湯槽20の底部に導入され、貯湯槽20の上部の温水が第2共用経路42を通ってミキシングユニット24に送り出される。ミキシングユニット24に送り出された温水は給湯設定温度に調温され、給湯経路51を通って給湯栓64から給湯される。
図9に示すように、経路形態3では、給湯栓64が開かれて水道水が第1共用経路26を通って貯湯槽20の底部に導入され、貯湯槽20の上部の低温水が第2共用経路42を通ってミキシングユニット24に送り出される。また、バーナ57が点火し、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、バイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。この暖房経路内の温水は、バーナ57によって加熱され、熱交換器53を通るとき、第2共用経路42内の低温水を加熱する。第2共用経路42内の低温水は、この加熱によって給湯設定温度以上の温度まで温度上昇し、ミキシングユニット24に送り出される。ミキシングユニット24に送り出された温水は給湯設定温度に調温され、給湯経路51を通って給湯栓64から給湯される。
上記のように、本実施例では、発電運転中に給湯運転要求があったとき、図7の経路形態1を形成し、発電熱によって加熱された温水を、貯湯槽20内に回収せず、直接ミキシングユニット24へ送り出して給湯に利用することができる。このことによって、発電熱によって加熱された温水が、配管内を流通したり、貯湯槽20内に貯湯されていたりするときの放熱ロスを抑制し、発電熱を効率よく利用して給湯することができる。
また、本実施例では、発電運転停止中に給湯運転要求があったとき、貯湯槽20内の蓄熱量が充足していれば、図8の経路形態2を形成し、貯湯槽20内の温水を給湯に利用することができる。このことによって、熱効率よく給湯を行なうことができる。
さらに、本実施例では、給湯経路51内を通過する低温水を直接加熱するためのバーナとバーナ熱交換器を備えておらず、暖房経路内の温水と給湯経路内の温水との間で熱交換を行なうための熱交換器53を備えている。発電運転停止中であり、且つ貯湯槽20内の蓄熱が不足していれば、図9の経路形態3を形成し、バーナ57によって加熱された暖房経路内の温水によって、給湯経路51内を通過する低温水を加熱することができる。このことによって、熱源機22内に配設するバーナとバーナ熱交換器を1組に減らすことができ、熱源機22の小型化が実現する。
処理Bでは、図4に示すように、ステップS210で発電ユニット110において発電運転中であるか否かが判別される。発電運転中であれば(ステップS210でYESであれば)、発電熱を利用して床暖房運転することが可能である。従って、ステップS212に進み、図10に示す経路形態4が形成される。
図10に示すように、経路形態4では、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、発電熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収復路128bを通って第2共用経路42に入る。同時に、暖房ポンプ69が逆回転で駆動し、三方弁86のBポート86bとAポート86aが連通し、床暖房熱動弁(90:図1参照)が開かれ、バイパス熱動弁(93:図1参照)が閉じられる。このため、シスターン61から順に、シスターン戻り経路56、高温水経路73、低温水経路70、床暖房機91、低温水経路70、シスターン往き経路68を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、暖房経路内の温水は熱交換器53を通過する。このとき、熱交換器53において、第2共用経路42内の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。暖房経路内の温水は、この加熱によって床暖房運転に必要な温度(本実施例では約60℃)以上まで温度上昇し、床暖房機91を暖める。第2共用経路内の温水は、熱交換器53を通過して温度低下し、貯湯槽20の上部に導入される。
図11に示すように、経路形態5では、循環ポンプ40が逆回転で駆動し、貯湯槽20の上部から第2共用経路42へ吸出された高温水が、熱回収復路128bを通って発電ユニット110に送られ、熱回収往路128aを通って第1共用経路26に入り、貯湯槽20の底部に導入される。同時に、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、床暖房熱動弁(90:図1参照)が開かれ、バイパス熱動弁(93:図1参照)が閉じられる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、低温水経路70、床暖房機91、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、暖房経路内の温水は熱交換器53を通過する。このとき、熱交換器53において、第2共用経路42内の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。暖房経路内の温水は、この加熱によって床暖房運転に必要な温度(本実施例では約60℃)以上まで温度上昇し、床暖房機91を暖める。熱交換器53を通過して温度低下した第2共用経路42内の温水は、順に熱回収復路128b、熱回収往路128a、第1共用経路26を通過して貯湯槽20の底部に戻される。
図12に示すように、経路形態6では、バーナ57が点火し、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のCポート86cとBポート86bが連通し、床暖房熱動弁(90:図1参照)とバイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、バイパス経路52、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第1の暖房経路と、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、低温水経路70、床暖房機91、低温水経路70、高温水経路73、バイパス経路52、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第2の暖房経路が形成される。第1の暖房経路内の温水は、バーナ57によって加熱されて温度上昇し、シスターン61内の温水も温度上昇する。第1の暖房経路内で、床暖房運転に必要な温度(本実施例では約60℃)以上まで温度上昇した温水は、第2の暖房経路内にも送り出され、床暖房機91を暖める。
上記のように、本実施例では、発電運転中に床暖房運転要求があったとき、図10の経路形態4を形成し、発電熱によって加熱された温水と、暖房経路内の温水との間で熱交換を行ない、発電熱を床暖房運転に利用することができる。このことによって、発電熱によって加熱された温水が、配管内を流通したり、貯湯槽20内に貯湯されていたりするときの放熱ロスを抑制し、発電熱を効率よく利用して床暖房運転をすることができる。
また、本実施例では、発電運転停止中に床暖房運転要求があったとき、貯湯槽20内の蓄熱量が充足していれば、図11の経路形態5を形成し、貯湯槽20内の蓄熱を床暖房運転に利用することができる。このことによって、熱効率よく床暖房運転を行なうことができる。
さらに、本実施例では、発電運転停止中であり、貯湯槽20内の蓄熱が不足しているとき、図12の経路形態6を形成し、暖房経路内の温水をバーナ57によって加熱することができる。このバーナ57は、図3に示した給湯運転で利用したバーナ57と同一である。熱源機22内に配設するバーナとバーナ熱交換器を1組に減らすことができ、熱源機22の小型化が実現する。
処理Cでは、図5に示すように、ステップS310で発電ユニット110において発電運転中であるか否かが判別される。発電運転中であれば(ステップS310でYESであれば)、発電熱を利用して風呂の追焚き運転をすることが可能である。従って、ステップS312に進み、図13に示す経路形態7が形成される。
図13に示すように、経路形態7では、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、発電熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収復路128bを通って第2共用経路42に入る。同時に、暖房ポンプ69が逆回転で駆動し、風呂循環ポンプ82が逆回転で駆動し、三方弁86のBポート86bとAポート86aが連通し、追焚き熱動弁(78:図1参照)とバイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン戻り経路56、高温水経路73、低温水経路70、バイパス経路92、高温水経路73、バーナ熱交換器60、バーナ上流経路71、シスターン往き経路68を通過してシスターン61に戻る第1の暖房経路と、シスターン61から順に、シスターン戻り経路56、追焚き経路77、高温水経路73、バーナ熱交換器60、バーナ上流経路71、シスターン往き経路68を通過してシスターン61に戻る第2の暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、第1の暖房経路内の温水は熱交換器53を通過する。このとき、熱交換器53において、第1の暖房経路内の温水は、第2共用経路42内の高温水によって加熱される。この加熱によって、第1の暖房経路内の温水は風呂の追焚き運転に必要な温度(追焚き設定温度)以上まで温度上昇し、シスターン61内の温水も温度上昇する。温度上昇したシスターン61内の温水は、第2の暖房経路内にも送り出される。第2の暖房経路内の温水は追焚き熱交換器58を通過する。また、風呂循環ポンプ82が駆動しているため、浴槽79からの温水は風呂循環経路80内を循環している。風呂循環経路80内の温水も追焚き熱交換器58を通過する。従って、追焚き熱交換器58において、風呂循環経路80内の温水は、温度上昇したシスターン61からの温水によって加熱される。この加熱によって、浴槽79内の温水は追焚き設定温度まで温度上昇する。
図14に示すように、経路形態8では、循環ポンプ40が逆回転で駆動し、貯湯槽20の上部から第2共用経路42へ吸出された高温水が、熱回収復路128bを通って発電ユニット110に送られ、熱回収往路128aを通って第1共用経路26に入り、貯湯槽20の底部に導入される。同時に、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、追焚き熱動弁(78:図1参照)とバイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第1の暖房経路と、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、追焚き経路77、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第2の暖房経路が形成される。このとき、第1の暖房経路内の温水は、熱交換器53において、第2共用経路42内の高温水によって加熱されて温度上昇し、シスターン61内の温水の温度上昇する。温度上昇したシスターン61内の温水は、第2の暖房経路内にも送り出される。第2の暖房経路内の温水は追焚き熱交換器58を通過する。また、風呂循環ポンプ82が駆動しているため、浴槽79からの温水は風呂循環経路80内を循環している。風呂循環経路80内の温水も追焚き熱交換器58を通過する。従って、追焚き熱交換器58において、風呂循環経路80内の温水は、温度上昇したシスターン61からの温水によって加熱される。この加熱によって、浴槽79内の温水は追焚き設定温度まで温度上昇する。
図15に示すように、経路形態9では、バーナ57が点火し、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のCポート86cとBポート86bが連通し、追焚き熱動弁(78:図1参照)とバイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、バイパス経路52、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第1の暖房経路と、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、追焚き経路77、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第2の暖房経路が形成される。バーナ57によって加熱されて温度上昇した温水は、第1および第2の暖房経路内に送り出される。第2の暖房経路内の温水は追焚き熱交換器58を通過する。また、風呂循環ポンプ82が駆動しているため、浴槽79からの温水は風呂循環経路80内を循環している。風呂循環経路80内の温水も追焚き熱交換器58を通過する。従って、追焚き熱交換器58において、風呂循環経路80内の温水は、温度上昇した暖房経路内の温水によって加熱される。この加熱によって、浴槽79内の温水は追焚き設定温度まで温度上昇する。
上記のように、本実施例では、発電運転中に風呂の追焚きの運転要求があったとき、図13の経路形態7を形成し、発電熱によって加熱された温水と、暖房経路内の温水との間で熱交換を行ない、さらに、加熱された暖房経路内の温水と、浴槽79内の温水が循環する風呂循環経路80内の温水との間で熱交換を行ない、発電熱を追焚き運転に利用することができる。このことによって、発電熱によって加熱された温水が、配管内を流通したり、貯湯槽20内に貯湯されていたりするときの放熱ロスを抑制し、発電熱を効率よく利用して風呂の追焚き運転をすることができる。
また、本実施例では、発電運転停止中に風呂の追焚きの運転要求があったとき、貯湯槽20内の蓄熱量が充足していれば、図14の経路形態8を形成し、貯湯槽20内の蓄熱を追焚き運転に利用することができる。このことによって、熱効率よく追焚き運転を行なうことができる。
さらに、本実施例では、発電運転停止中であり、貯湯槽20内の蓄熱が不足しているとき、図15の経路形態9を形成し、暖房経路内の温水をバーナ57によって加熱し、加熱した暖房経路内の温水と、風呂循環経路80内の温水との間で熱交換を行ない、追焚き運転を行なうことができる。1組のバーナとバーナ熱交換器によって、給湯運転と、暖房運転と、風呂の追焚き運転を行なうことができ、熱源機22の小型化が実現する。
処理Dでは、図6に示すように、まずステップS400で、貯湯槽20内に蓄熱することができる状態であるか否かが判別される。貯湯槽20の下部に設けられた下部サーミスタ36が検出する温度が45℃以上であれば(ステップS400でNOであれば)、貯湯槽20内の蓄熱が満杯状態であり、貯湯槽20内に蓄熱をすることができない。従って、図2のステップS32に進む。一方、貯湯槽20の下部に設けられた下部サーミスタ36が検出する温度が45℃に満たなければ、貯湯槽20内に蓄熱をすることが可能である。貯湯槽20内に蓄熱することができる状態であると判別されると(ステップS400でYESであると)、ステップS410に進む。
ステップS410では、発電ユニット110において発電運転中であるか否かが判別される。発電運転中であれば(ステップS410でYESであれば)、発電熱を貯湯槽20内に蓄熱することが可能である。従って、ステップS412に進み、図16に示す経路形態10が形成される。
図16に示すように、経路形態10では、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、発電熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収復路128bを通って第2共用経路42に入り、貯湯槽20の上部に戻される。このように、貯湯槽20の下部の低温水が発電ユニット110へ送られて発電熱によって加熱され、高温水となって貯湯槽20の上部に戻されることによって、貯湯槽20内の温水温度が上昇し、蓄熱が進む。
貯湯槽内の温水が長期間利用されない状態が続くと、貯湯槽20内に雑菌が繁殖する可能性は皆無ではない。従って、貯湯槽20内の温水が長期間利用されなかったとき、次に貯湯槽20内の温水を利用する前に、加熱殺菌できることが好ましい。発電運転中であれば、先述の経路形態10を形成して蓄熱運転を行ない、貯湯槽20内の温水を発電熱によって加熱殺菌することができる。しかし、発電運転停止中であると、貯湯槽20内の温水を発電熱によって加熱することはできない。従って、本実施例では、発電運転停止中であるときに、バーナ57を利用して貯湯槽20内の温水を加熱することができる。これによって、発電運転停止中であっても、貯湯槽20内の温水を加熱殺菌することができる。加熱殺菌運転中に給湯運転要求があったとき、加熱殺菌運転が終了するまでは、貯湯槽20内の温水が給湯に利用されないように制御される。加熱殺菌運転については、使用者がコントローラ23に設けられたスイッチをオンすることによって始動させるようにしてもよいし、貯湯槽20内の温水が利用されなかった時間を計時し、タイマによって始動させるようにしてもよい。
貯湯槽20内の温水の加熱要求があったとき(ステップS414でYESとなったとき)、ステップS416に進み、図17に示す経路形態11が形成される。
図17に示すように、経路形態11では、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、加熱されることなく熱回収復路128bを通って第2共用経路42に送られる。第2共用経路42は熱交換器53を通過している。同時に、バーナ57が点火し、暖房ポンプ69が逆回転で駆動し、三方弁86のBポート86bとAポート86aが連通し、バイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン戻り経路56、高温水経路73、低温水経路70、バイパス経路92、高温水経路73、バーナ熱交換器60、バーナ上流経路71、シスターン往き経路68を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。暖房経路内の温水は、バーナ57によって加熱される。加熱された暖房経路内の温水が熱交換器53を通過するとき、熱交換器53において、暖房経路内の高温水が第2共用経路42内の温水を加熱する。第2共用経路42内の温水は、この加熱によって殺菌に必要な温度(約60℃)以上まで温度上昇し、貯湯槽20の上部に導入される。貯湯槽20の下部サーミスタ36が検出する温度が60℃に達してから所定時間(例えば1時間)経過した時、加熱運転を停止する。
上記のように、本実施例では、貯湯槽20内への蓄熱が可能であり、且つ発電運転中であるとき、図16の経路形態10を形成し、発電熱によって貯湯槽20内の温水を加熱して蓄熱する。このことによって、温水の需要がない間に発生した発電熱を需要があるときまで蓄熱しておき、給湯運転要求や、床暖房の運転要求や、風呂の追焚きの運転要求があったときに有効に利用することができる。発電熱を効率よく利用することができる。
また、本実施例では、貯湯槽20内への蓄熱の余地があり、且つ発電運転停止中であるとき、貯湯槽20内の温水の加熱殺菌するための加熱要求があると、図17の経路形態11を形成し、バーナ57を利用して貯湯槽20内の温水を加熱して殺菌することができる。
ステップS34で、コージェネレーションシステムの電源がオフされるまで(YESとなるまで)、ステップS12からステップS32までの処理が繰返される。
発電運転中であるとき、発電熱によって加熱された高温水を第2共用経路42内に流通させることができるとともに、熱交換器53において、発電熱によって加熱された高温水によって、暖房経路内の低温水を加熱することができる。即ち、発電熱によって加熱された高温水を利用して給湯運転することができるとともに、発電熱によって加熱された高温水によって暖房経路内の温水を加熱して暖房運転(床暖房運転)を行なうことができる。
発電運転停止中であっても、貯湯槽20内に利用可能な蓄熱があるとき、貯湯槽20からの高温水を第2共用経路42内に流通させることができるとともに、熱交換器53において、貯湯槽20からの高温水で暖房経路内の低温水を加熱することができる。即ち、貯湯槽20内に貯湯されていた高温水を利用して給湯運転を行なうことができるとともに、貯湯槽20内に貯湯されていた高温水によって暖房経路内の温水を加熱して暖房運転(床暖房運転)を行なうことができる。
発電運転停止中であり、貯湯槽20内に利用可能な蓄熱がないときであっても、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱することができるとともに、熱交換器53において、暖房経路内の高温水によって、第2共用経路42内の低温水を加熱することができる。即ち、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱して暖房運転を行なうことができるとともに、バーナ57によって加熱された暖房経路内の高温水で給湯経路内の温水を加熱して給湯運転することができる。
以上のことから、本実施例のコージェネレーションシステムによれば、給湯運転と、暖房運転と、風呂の追焚き運転のいずれかを行なうとき、システムの運転状況に合せて、発電熱と、貯湯槽内の蓄熱と、バーナ57のいずれかのうちで最適な加熱手段を選択して運転することができる。熱効率の優れた運転を実施することができる。
また、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱し、加熱された温水によって、蓄熱運転の経路内の温水を加熱することができるため、発電運転停止中であっても、貯湯槽20内の温水を加熱殺菌することができる。
熱回収用循環経路と、暖房経路と、風呂循環経路80内の温水が、それぞれ逆方向にも循環可能な構成であれば、これらの経路のすべてに、ポンプ40,69,82のような正回転と逆回転が可能なポンプを配設する必要はない。例えば、これらの循環経路の一部をパラレルとし、その箇所に循環方向を異ならせるポンプを1つずつ配設し、循環させたい方向に循環させることができる方のポンプを駆動させることによって、本実施例と同等の作用を得ることができる。
本発明のコージェネレーションシステムを具現化した第2実施例を図面を参照しながら説明する。本実施例のコージェネレーションシステムの構成は、第1実施例のコージェネレーションシステムの構成と類似している。以下では、本実施例のコージェネレーションシステムと第1実施例のコージェネレーションシステムが相違する点について主に説明し、同様である点については説明を省略する。また、共通の部材については第1実施例で用いた符号を用いて説明する。
図18に示すように、本実施例のコージェネレーションシステムは、第1実施例のコージェネレーションシステムが備えている熱交換器53を備えていない。本実施例のコージェネレーションシステムでは、この熱交換器53に換えて、貯湯槽20の外側の上部にプレートコイル型熱交換器153を備えている。プレートコイル型熱交換器153は、伝熱セメントを介して貯湯槽20に巻き付けられるように取り付けられている。暖房経路内の温水は、暖房端末機76の下流側においてプレートコイル型熱交換器153を通過する。三方弁86のAポート86aとBポート86bが開いて連通しており、Cポート86cが閉じているとき、プレートコイル型熱交換器153を通過する経路が形成される。三方弁86のCポート86cとBポート86bが開いて連通しており、Aポート86aが閉じているとき、プレートコイル型熱交換器153をバイパスする経路が形成される。プレートコイル型熱交換器153を通過する経路が形成されると、プレートコイル型熱交換器153において、暖房経路内の温水と、貯湯槽20内の上部の温水との熱交換がなされる。
本実施例のコージェネレーションシステムでも、熱回収用循環経路に配設されている循環ポンプ40と、暖房経路に配設されている暖房ポンプ69と、風呂循環経路80に配設された風呂循環ポンプ82は、いずれも正回転と逆回転が可能である。しかし、本実施例においては、これらのポンプ40,69,82は、逆回転できないものであってもよい。
図2で、コージェネレーションシステムの電源がオンされ(ステップS10でYESとなり)、給湯運転要求があれば(ステップS12でYESであれば)、ステップS14の処理Aに進む。
処理Aでは、図3に示すように、発電運転中であれば(ステップS110でYESであれば)、発電熱を利用して給湯することが可能である。従って、ステップS112に進み、図7に示す経路形態1と同一の経路形態が形成される。
図19に示すように、経路形態3pでは、給湯栓64が開かれて水道水が第1共用経路26を通って貯湯槽20の底部に導入され、貯湯槽20の上部の低温水が第2共用経路42を通ってミキシングユニット24に送り出される。また、バーナ57が点火し、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、バイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。この暖房経路内の温水は、バーナ57によって加熱され、プレートコイル型熱交換器153を通るとき、貯湯槽20内の上部の低温水を加熱する。貯湯槽20内の低温水は、この加熱によって給湯設定温度以上の温度まで温度上昇し、ミキシングユニット24に送り出される。ミキシングユニット24に送り出された温水は給湯設定温度に調温され、給湯経路51を通って給湯栓64から給湯される。
上記のように、本実施例では、発電運転中に給湯運転要求があったとき、図7の経路形態1と同一の経路形態を形成し、発電熱によって加熱された温水を、貯湯槽20内に回収せず、直接ミキシングユニット24へ送り出して給湯に利用することができる。このことによって、発電熱によって加熱された温水が、配管内を流通したり、貯湯槽20内に貯湯されていたりするときの放熱ロスを抑制し、発電熱を効率よく利用して給湯することができる。
また、本実施例では、発電運転停止中に給湯運転要求があったとき、貯湯槽20内の蓄熱量が充足していれば、図8の経路形態2と同一の経路形態を形成し、貯湯槽20内の温水を給湯に利用することができる。このことによって、熱効率よく給湯を行なうことができる。
さらに、本実施例では、給湯経路内を通過する温水又は水を直接加熱するためのバーナとバーナ熱交換器を備えておらず、暖房経路内の温水と貯湯槽20内の温水との間で熱交換を行なうためのプレートコイル型熱交換器153を備えている。発電運転停止中であり、且つ貯湯槽20内の蓄熱が不足していれば、図19の経路形態3pを形成し、バーナ57によって加熱された暖房経路内の温水によって、貯湯槽20内の低温水を加熱し、給湯に利用することができる。このことによって、熱源機22内に配設するバーナとバーナ熱交換器を1組に減らすことができ、熱源機22の小型化が実現する。
処理Bでは、図4に示すように、発電運転中であれば(ステップS210でYESであれば)、発電熱を利用して床暖房運転することが可能である。従って、ステップS212に進み、図20に示す経路形態4pが形成される。
図20に示すように、経路形態4pでは、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、発電熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収復路128bを通って第2共用経路42に入り、貯湯槽20の上部に戻る。発電運転が進むにつれて、貯湯槽20内の温水は上部から昇温していく。同時に、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、床暖房熱動弁(90:図1参照)が開かれ、バイパス熱動弁(93:図1参照)が閉じられる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、低温水経路70、床暖房機91、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、暖房経路内の温水はプレートコイル型熱交換器153を通過する。このとき、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の上部の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。暖房経路内の温水は、この加熱によって床暖房運転に必要な温度(本実施例では約60℃)以上まで温度上昇し、床暖房機91を暖める。貯湯槽20内の、プレートコイル型熱交換器153の取り付け位置近傍の温水は温度低下する。
図21に示すように、経路形態5pでは、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、床暖房熱動弁(90:図1参照)が開かれ、バイパス熱動弁(93:図1参照)が閉じられる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、低温水経路70、床暖房機91、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、暖房経路内の温水はプレートコイル型熱交換器153を通過する。このとき、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。暖房経路内の温水は、この加熱によって床暖房運転に必要な温度(本実施例では約60℃)以上まで温度上昇し、床暖房機91を暖める。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、暖房経路内の温水はプレートコイル型熱交換器153を通過する。このとき、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。暖房経路内の温水は、この加熱によって床暖房運転に必要な温度(本実施例では約60℃)以上まで温度上昇し、床暖房機91を暖める。貯湯槽20内の、プレートコイル型熱交換器153の取り付け位置近傍の温水は温度低下する。
上記のように、本実施例では、発電運転中に床暖房運転要求があったとき、図20の経路形態4pを形成し、発電熱によって加熱されて貯湯槽20内に貯湯されている温水と、暖房経路内の温水との間で熱交換を行ない、発電熱を床暖房運転に利用することができる。このことによって、貯湯槽20内の蓄熱を効率よく利用して床暖房運転をすることができる。
また、本実施例では、発電運転停止中に床暖房運転要求があったとき、貯湯槽20内の蓄熱量が充足していれば、図21の経路形態5pを形成し、貯湯槽20内の蓄熱を床暖房運転に利用することができる。このことによって、熱効率よく床暖房運転を行なうことができる。
さらに、本実施例では、発電運転停止中であり、貯湯槽20内の蓄熱が不足しているとき、図12の経路形態6と同一の経路形態を形成し、暖房経路内の温水をバーナ57によって加熱することができる。このバーナ57は、給湯経路内の温水を加熱するのにも利用することができる。熱源機22内に配設するバーナとバーナ熱交換器を1組に減らすことができ、熱源機22の小型化が実現する。
処理Cでは、図5に示すように、発電運転中であれば(ステップS310でYESであれば)、発電熱を利用して風呂の追焚き運転をすることが可能である。従って、ステップS312に進み、図22に示す経路形態7pが形成される。
図22に示すように、経路形態7pでは、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、発電熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収復路128bを通って第2共用経路42に入り、貯湯槽20の上部に戻る。発電運転が進むにつれて、貯湯槽20内の温水は上部から昇温していく。同時に、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、風呂循環ポンプ82が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、追焚き熱動弁(78:図1参照)とバイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第1の暖房経路と、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、追焚き経路77、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第2の暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、第1の暖房経路内の温水はプレートコイル型熱交換器153を通過する。このとき、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の上部の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。第1の暖房経路内の温水は、この加熱によって風呂の追焚き運転に必要な温度(追焚き設定温度)以上まで温度上昇し、シスターン61内の温水も温度上昇する。温度上昇したシスターン61内の温水は、第2の暖房経路内にも送り出される。第2の暖房経路内の温水は追焚き熱交換器58を通過する。また、風呂循環ポンプ82が駆動しているため、浴槽79からの温水は風呂循環経路80内を循環している。風呂循環経路80内の温水も追焚き熱交換器58を通過する。従って、追焚き熱交換器58において、風呂循環経路80内の温水は、温度上昇したシスターン61からの温水によって加熱される。この加熱によって、浴槽79内の温水は追焚き設定温度まで温度上昇する。
図23に示すように、経路形態8pでは、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、追焚き熱動弁(78:図1参照)とバイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第1の暖房経路と、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、追焚き経路77、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る第2の暖房経路が形成される。三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通しているため、第1の暖房経路内の温水はプレートコイル型熱交換器153を通過する。このとき、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の上部の高温水が暖房経路内の温水を加熱する。第1の暖房経路内の温水は、この加熱によって風呂の追焚き運転に必要な温度(追焚き設定温度)以上まで温度上昇し、シスターン61内の温水も温度上昇する。温度上昇したシスターン61内の温水は、第2の暖房経路内にも送り出される。第2の暖房経路内の温水は追焚き熱交換器58を通過する。また、風呂循環ポンプ82が駆動しているため、浴槽79からの温水は風呂循環経路80内を循環している。風呂循環経路80内の温水も追焚き熱交換器58を通過する。従って、追焚き熱交換器58において、風呂循環経路80内の温水は、温度上昇したシスターン61からの温水によって加熱される。この加熱によって、浴槽79内の温水は追焚き設定温度まで温度上昇する。
上記のように、本実施例では、発電運転中に風呂の追焚きの運転要求があったとき、図22の経路形態7pを形成し、発電熱によって加熱されて貯湯槽20内に貯湯されている温水と、暖房経路内の温水との間で熱交換を行ない、さらに、加熱された暖房経路内の温水と、浴槽79内の温水が循環する風呂循環経路80内の温水との間で熱交換を行ない、発電熱を追焚き運転に利用することができる。このことによって、貯湯槽20内の蓄熱を効率よく利用して風呂の追焚き運転をすることができる。
また、本実施例では、発電運転停止中に風呂の追焚きの運転要求があったとき、貯湯槽20内の蓄熱量が充足していれば、図23の経路形態8pを形成し、貯湯槽20内の蓄熱を追焚き運転に利用することができる。このことによって、熱効率よく追焚き運転を行なうことができる。
さらに、本実施例では、発電運転停止中であり、貯湯槽20内の蓄熱が不足しているとき、図15の経路形態9と同一の経路形態を形成し、暖房経路内の温水をバーナ57によって加熱し、加熱した暖房経路内の温水と、風呂循環経路80内の温水との間で熱交換を行ない、追焚き運転を行なうことができる。このバーナ57は、給湯経路内の温水を加熱するのにも利用することができる。熱源機22内に配設するバーナとバーナ熱交換器を1組に減らすことができ、熱源機22の小型化が実現する。
処理Dでは、図6に示すように、まずステップS400で、貯湯槽20内に蓄熱することができる状態であるか否かが判別される。貯湯槽20の下部に設けられた下部サーミスタ36が検出する温度が45℃以上であれば(ステップS400でNOであれば)、貯湯槽20内の蓄熱が満杯状態であり、貯湯槽20内に蓄熱をすることができない。従って、図2のステップS32に進む。一方、貯湯槽20の下部に設けられた下部サーミスタ36が検出する温度が45℃に満たなければ、貯湯槽20内に蓄熱をすることが可能である。貯湯槽20内に蓄熱することができる状態であると判別されると(ステップS400でYESであると)、ステップS410に進む。
ステップS410では、発電ユニット110において発電運転中であるか否かが判別される。発電運転中であれば(ステップS410でYESであれば)、発電熱を貯湯槽20内に蓄熱することが可能である。従って、ステップS412に進み、図16に示す経路形態10と同一の経路形態が形成される。
図24に示すように、経路形態11pでは、循環ポンプ40が正回転で駆動し、貯湯槽20の底部から第1共用経路26へ吸出された低温水が、熱回収往路128aを通って発電ユニット110に送られ、加熱されることなく熱回収復路128bを通って第2共用経路42に入り、貯湯槽20の上部に戻る。同時に、バーナ57が点火し、暖房ポンプ69が正回転で駆動し、三方弁86のAポート86aとBポート86bが連通し、バイパス熱動弁(93:図1参照)が開かれる。このため、シスターン61から順に、シスターン往き経路68、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73、シスターン戻り経路56を通過してシスターン61に戻る暖房経路が形成される。暖房経路内の温水は、バーナ57によって加熱される。加熱された暖房経路内の温水がプレートコイル型熱交換器153を通過するとき、プレートコイル型熱交換器153において、暖房経路内の高温水が貯湯槽20内の上部の温水を加熱する。貯湯槽20内の温水は、この加熱によって殺菌に必要な温度(約60℃)以上まで温度上昇する。貯湯槽20の下部サーミスタ36が検出する温度が60℃に達してから所定時間(例えば1時間)経過した時、加熱運転を停止する。
上記のように、本実施例では、貯湯槽20内への蓄熱が可能であり、且つ発電運転中であるとき、図16の経路形態10と同一の経路形態を形成し、発電熱によって貯湯槽20内の温水を加熱して蓄熱する。このことによって、温水の需要がない間に発生した発電熱を需要があるときまで蓄熱しておき、給湯運転要求や、床暖房の運転要求や、風呂の追焚きの運転要求があったときに有効に利用することができる。発電熱を効率よく利用することができる。
また、本実施例では、貯湯槽20内への蓄熱の余地があり、且つ発電運転停止中であるとき、貯湯槽20内の温水の加熱殺菌するための加熱要求があると、図24の経路形態11pを形成し、バーナ57を利用して貯湯槽20内の温水を加熱殺菌することができる。
ステップS34で、コージェネレーションシステムの電源がオフされるまで(YESとなるまで)、ステップS12からステップS32までの処理が繰返される。
発電運転中であるとき、発電熱によって加熱された高温水を貯湯槽20内に貯湯し、必要に応じて第2共用経路42内に流通させることができるとともに、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の上部の高温水によって、暖房経路内の低温水を加熱することができる。即ち、発電熱によって加熱された高温水を利用して給湯運転することができるとともに、貯湯槽20内の上部の高温水によって暖房経路内の温水を加熱して暖房運転(床暖房運転)を行なうことができる。
発電運転停止中であっても、貯湯槽20内に利用可能な蓄熱があるとき、貯湯槽20からの高温水を第2共用経路42内に流通させることができるとともに、プレートコイル型熱交換器153において、貯湯槽20内の上部の高温水で暖房経路内の低温水を加熱することができる。即ち、貯湯槽20内の上部に貯湯されていた高温水を利用して給湯運転を行なうことができるとともに、貯湯槽20内の上部に貯湯されていた高温水によって暖房経路内の温水を加熱して暖房運転(床暖房運転)を行なうことができる。
発電運転停止中であり、貯湯槽20内に利用可能な蓄熱がないときであっても、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱することができるとともに、プレートコイル型熱交換器153において、暖房経路内の高温水によって、貯湯槽20内の上部の低温水を加熱することができる。即ち、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱して暖房運転を行なうことができるとともに、バーナ57によって加熱された暖房経路内の高温水で貯湯槽20内の上部の温水を加熱して給湯運転に利用することができる。
以上のことから、本実施例のコージェネレーションシステムによれば、給湯運転と、暖房運転と、風呂の追焚き運転のいずれかを行なうとき、システムの運転状況に合せて、発電熱と、貯湯槽内の蓄熱と、バーナ57のいずれかのうちで最適な加熱手段を選択して運転することができる。熱効率の優れた運転を実施することができる。
また、バーナ57によって暖房経路内の温水を加熱し、加熱された温水によって、蓄熱運転の経路内の温水を加熱することができるため、発電運転停止中であっても、貯湯槽20内の温水を加熱殺菌することができる。
本実施例のコージェネレーションシステムでは、貯湯槽内の水と暖房経路内の水を熱交換させる手段として、プレートコイル型熱交換器153を備えていたが、貯湯槽の外側に配設されている熱交換器であれば、特にプレートコイル型熱交換器153に限られない。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:貯湯槽
22:熱源機
24:ミキシングユニット
26:第1共用経路
40:循環ポンプ
42:第2共用経路
51:給湯経路
52:バイパス経路
53:熱交換器
56:シスターン戻り経路
57:バーナ
58:追焚き熱交換器
60:バーナ熱交換器
61:シスターン
64:給湯栓
68:シスターン往き経路
69:暖房ポンプ
70:低温水経路
71:バーナ上流経路
73:高温水経路
77:追焚き経路
79:浴槽
80:風呂循環経路
82:風呂循環ポンプ
86:三方弁、86a:Aポート、86b:Bポート、86c:Cポート
92:バイパス経路
110:発電ユニット
128:熱回収経路、128a:熱回収往路、128b:熱回収復路
153:プレートコイル型熱交換器
Claims (7)
- 電力需要に応じて発電し、発電に伴って発生する発電熱を蓄熱し、蓄熱した熱エネルギーを必要時に供給するコージェネレーションシステムであり、
発電を行なう発電ユニットと、
温水を貯える貯湯槽と、
温水と水道水を混合するとともにその混合比が調整可能なミキシングユニットと、
暖房端末機と、
水道水を貯湯槽へ給水する第1水経路と、
貯湯槽とミキシングユニットを接続する第2水経路と、
ミキシングユニットで混合された混合水を給湯する第3水経路と、
発電ユニット内を通過しているとともに一端は第1水経路に接続されて他端は第2水経路に接続されている第4水経路と、
第1水経路と貯湯槽と第2水経路と第4水経路からなる第1循環経路内の水を循環させる第1循環手段と、
暖房端末機を加熱する熱媒体が循環する第2循環経路と、
第2循環経路内の熱媒体を循環させる第2循環手段と、
第2循環経路内の熱媒体を加熱する加熱器と、
第2水経路内の水と第2循環経路内の熱媒体との間で熱交換を行なう第1熱交換器とを備えたことを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 前記第1循環手段は循環方向を切換え可能であり、前記第2循環手段も循環方向を切換え可能であることを特徴とする請求項1のコージェネレーションシステム。
- 前記第2循環経路は、前記第1熱交換器をバイパスするバイパス経路を備えているとともに、第1熱交換器を通過する経路と前記バイパス経路とが切換え可能であることを特徴とする請求項1又は2のコージェネレーションシステム。
- 電力需要に応じて発電し、発電に伴って発生する発電熱を蓄熱し、蓄熱した熱エネルギーを必要時に供給するコージェネレーションシステムであり、
発電を行なう発電ユニットと、
温水を貯える貯湯槽と、
温水と水道水を混合するとともにその混合比が調整可能なミキシングユニットと、
暖房端末機と、
水道水を貯湯槽へ給水する第1水経路と、
貯湯槽とミキシングユニットを接続する第2水経路と、
ミキシングユニットで混合された混合水を給湯する第3水経路と、
発電ユニット内を通過しているとともに一端は第1水経路に接続されて他端は第2水経路に接続されている第4水経路と、
第1水経路と貯湯槽と第2水経路と第4水経路からなる第1循環経路内の水を循環させる第1循環手段と、
暖房端末機を加熱する熱媒体が循環する第2循環経路と、
第2循環経路内の熱媒体を循環させる第2循環手段と、
第2循環経路内の熱媒体を加熱する加熱器と、
貯湯槽の外側に取り付けられているとともに貯湯槽内の水と第2循環経路内の熱媒体との間で熱交換を行なう第2熱交換器とを備えたことを特徴とするコージェネレーションシステム。 - 前記第2循環経路は、前記第2熱交換器をバイパスするバイパス経路を備えているとともに、第2熱交換器を通過する経路と前記バイパス経路とが切換え可能であることを特徴とする請求項4のコージェネレーションシステム。
- 浴槽内の水が循環する第3循環経路と、第3循環経路内の水を循環させる第3循環手段と、前記第2循環経路を循環する熱媒体と第3循環経路内の温水との間で熱交換を行なう第3熱交換器とを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかのコージェネレーションシステム。
- 前記第3循環手段は、第3循環経路内の循環方向を切換え可能であることを特徴とする請求項6のコージェネレーションシステム。
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