以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明による熱源システムの一実施形態を示すシステム全体図である。
熱源システム1は、床暖房や浴室乾燥機などに供給する暖房用熱媒体(温水等)や浴槽・蛇口等に供給する温水を加熱する熱源装置と、燃料電池等を備えるコジェネレーション装置とを組み合わせたシステムである。
燃料電池は、発電時に発熱するので、冷却する必要がある。熱源システム1は、燃料電池を冷却する液水と暖房用熱媒体との熱交換を行うことで、燃料電池を冷却しつつ暖房用熱媒体を加熱して、システム全体の熱効率を向上させている。
実施形態の理解を容易にするために、はじめに熱源装置について説明する。
熱源装置は、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能とを備える。給湯機能は、主として給湯用熱交換器20で実現され、風呂の追い焚き機能及び暖房機能は、主として暖房用熱交換器10で実現される。
給湯用熱交換器20は、潜熱熱交換器21と、顕熱熱交換器22とを備える。給水導入管路71を介して外部から供給された水は、まず給湯用熱交換器20の潜熱熱交換器21で加熱され、続いて顕熱熱交換器22で加熱されて、給湯管路72を介して適宜の給湯先に導かれる。なお潜熱熱交換器21及び顕熱熱交換器22で利用する熱は、バーナー23で発生する。
給湯用熱交換器20に関連する構成についてさらに説明を加える。給水導入管路71は、接続管路74と補給水電磁弁741とを介して、シスターンタンク53に接続される。シスターンタンク53のタンク容量は、たとえば約1〜1.8リットルである。シスターンタンク53は、大気導入管路531を介して大気開放と成している。給水導入管路71の入口側には、流量センサー711と入水温度センサー712とが設けられる。流量センサー711は、給水導入管路71を流れる湯水の量を検出する流量検出手段である。入水温度センサー712は、給水導入管路71を流れる湯水の入水温度を検出する温度検出手段である。また給水導入管路71から分岐管路73が分岐する。分岐管路73の分岐箇所には、湯水経路切替弁731が設けられている。分岐管路73は、顕熱熱交換器22の出口側に接続される給湯管路72に合流する。給湯管路72の先端は、適宜の給湯先に導かれる。
また給湯管路72には、分岐管路73の合流箇所よりも上流側に出湯湯温検出センサー721が設けられるとともに、下流側に出湯湯温検出センサー722が設けられる。さらに分岐管路73の合流箇所及び出湯湯温検出センサー722の配設箇所よりも下流側の給湯管路72は、管路75を介して注湯水ユニット750に接続される。注湯水ユニット750には、風呂用注湯導入管路76の一端が接続され、風呂用注湯導入管路76の他端は、浴槽湯水循環ポンプ77に接続される。注湯水ユニット750には、湯張り電磁弁751、湯張り水量センサー752、逆止弁753,754が設けられる。また浴槽湯水循環ポンプ77の吐出口には、管路78が接続され、この管路78が追い焚き熱交換器55の入口に接続される。追い焚き熱交換器55の出口には、管路791が接続され、この管路791が浴槽79の循環金具790に接続される。また浴槽79の循環金具790には、管路792が接続され、この管路792が浴槽湯水循環ポンプ77の吸入口に接続される。
なお管路78には、風呂温度センサー781と、水位センサー782と、風呂水流スイッチ783とが設けられている。風呂温度センサー781は、浴槽湯水の温度を検出する浴槽湯水温検出手段である。水位センサー782は、浴槽湯水の水位を検出する水位検出手段である。風呂水流スイッチ783は、上述のように循環する浴槽湯水の水流を検知する水流検知手段である。
このように構成されることで、給湯用熱交換器20から給湯管路72に流れた湯は、給湯管路72→管路75→注湯水ユニット750→風呂用注湯導入管路76→浴槽湯水循環ポンプ77を順に通った後、浴槽湯水循環ポンプ77→管路78→追い焚き熱交換器55→管路791という経路と、浴槽湯水循環ポンプ77→管路792という経路とで浴槽79に至る。このような経路によって、湯張りや注水を行うための湯張り注水管路が構成される。このように管路791と管路792の両方を用いて注湯するのがダブル搬送と呼ばれるタイプである。このタイプによれば、注湯時の抵抗が小さいというメリットがあり、注湯流量の多い給湯器(たとえば24号給湯器)を用いる場合に、早く注湯することができる。なお、管路791のみを用いるシングル搬送と呼ばれるタイプもある。このタイプでは、管路792と風呂用注湯導入管路76接続部との間に2方弁が必要でコストを要するものの、管路792の水位センサーを使用することで、注湯中に水位を測定することが可能である。図1では、ダブル搬送タイプを例示したが、シングル搬送タイプにも、発明を適用することができる。
また、浴槽79の浴槽湯水は、浴槽湯水循環ポンプ77によって吸引されて、循環金具790(浴槽79)→管路792→浴槽湯水循環ポンプ77→管路78→追い焚き熱交換器55→管路791→循環金具790(浴槽79)、と循環する。以上の管路によって、追い焚き循環管路が構成される。
また図中、符号41は、後述のように発生する凝縮水(ドレン)を受けるための受け皿を示す。符号42,44は、ドレン排出管路を示す。符号43は、ドレンを中和する中和手段を示す。
バーナー23は、燃料(ガス)を燃焼することで、高温の燃焼ガスを生成する。バーナー23の下方には、燃焼ファン24が設けられる。この燃焼ファン24によって、バーナー23の燃焼の給排気が行なわれる。燃料(ガス)は、ガス管30から分岐形成された一方のガス管32を流れて、バーナー23に供給される。ガス管30には、ガス開閉弁301が介設される。また、ガス管32には、ガス比例弁321とガス開閉弁322とが介設される。ガス比例弁321は、バーナー23への供給燃料量を弁開度で制御する。ガス開閉弁322は、バーナー23への燃料供給・停止を制御する。
バーナー13についても、バーナー23と同様である。すなわち、バーナー13の下方には、バーナー13の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン14が設けられる。燃料(ガス)は、ガス管30から分岐形成された他方のガス管31を流れて、バーナー13に供給される。ガス管31には、ガス比例弁311とガス開閉弁312とが介設される。ガス比例弁311は、バーナー13への供給燃料量を弁開度で制御する。ガス開閉弁312は、バーナー13への燃料供給・停止を制御する。
なお上述のガス開閉弁301,312,322及びガス比例弁311,321は、いずれも電磁弁によって形成される。バーナー13,23の燃焼制御は、図3に示されるコントローラー9によって適宜の制御方法により制御される。
バーナー13,23によって生成された燃焼ガスは、温度が千数百度である。顕熱熱交換器22は、この燃焼ガスを利用して液水(温水)を加熱する。また潜熱熱交換器21は、顕熱熱交換器22を通過する際に熱交換することで温度が低下した燃焼ガスを利用して、液水(温水)を加熱する。給湯用熱交換器20は、このようにして顕熱熱交換器22及び潜熱熱交換器21で液水を加熱するので、熱効率が良い。
図2は、水(水蒸気)に含まれる熱量と温度との相関を示す図である。
これについて、図2を参照してさらに詳しく説明する。燃料ガスに含まれる成分(たとえばメタンCH4)がバーナー23で燃焼(酸化)すると、二酸化炭素CO2及び水蒸気H2Oを含んだ燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、温度が千数百度である。この燃焼ガスが顕熱熱交換器22を通過する際に、顕熱熱交換器22を流れる水と熱交換する。これによって、顕熱熱交換器22を流れる水が加熱されるとともに、燃焼ガスは、温度が200℃程度まで低下する。温度が200℃程度まで低下したといっても、この燃焼ガスには、まだまだ多くの熱量が残っている。
水(水蒸気)に含まれる熱量は、温度との間に、図2に示される周知の相関があり、100℃を前後して、熱量が大きく変化する。潜熱熱交換器21は、この気体から液体に状態変化するときの潜熱(凝縮熱)を回収して利用するので、非常に良好な熱効率が得られるのである。潜熱熱交換器21を通過すると、燃焼ガスは、200℃程度から50℃程度に温度低下し、水蒸気が液水に凝縮する。そこで、潜熱熱交換器21の下方には、凝縮水(ドレン)を受けるための受け皿41が設けられている。
暖房用熱交換器10も、給湯用熱交換器20と同様に、潜熱熱交換器11と、顕熱熱交換器12とを含み、これらによって液水を加熱する。したがって、暖房用熱交換器10も、給湯用熱交換器20と同様に、熱効率が良好である。
再び図1に戻って、暖房用熱交換器10を中心とした暖房用熱媒体の流れについて説明する。暖房用熱交換器10には、熱媒体循環ポンプ51から送られた暖房用熱媒体が循環する。この循環流路について説明する。
熱媒体循環ポンプ51の吐出口には、管路511が接続され、この管路511が顕熱熱交換器12の入口に接続される。顕熱熱交換器12の出口には、管路512が接続され、この管路512が低温作動弁52の入口に接続される。低温作動弁52の出口には、管路513が接続され、この管路513がシスターンタンク53の入口に接続される。シスターンタンク53の出口には、管路514が接続され、この管路514が熱媒体循環ポンプ51の吸入口に接続される。さらに低温作動弁52をバイパスする作動弁バイパス管路515が設けられる。
また管路511から管路516が分岐する。この管路516は液液熱交換器54の入口に接続される。液液熱交換器54の出口には、管路517が接続され、この管路517が管路513に合流する。
このような構成であるので、熱媒体循環ポンプ51とシスターンタンク53との間で、顕熱熱交換器12及び液液熱交換器54が並列接続されているといえる。
熱媒体循環ポンプ51が駆動すると、暖房用熱媒体は、熱媒体循環ポンプ51→管路511と流れて、途中で一部が管路516に分流する。
管路511を流れ続ける暖房用熱媒体は、管路511→顕熱熱交換器12→管路512→低温作動弁52(作動弁バイパス管路515)→管路513→シスターンタンク53→管路514→熱媒体循環ポンプ51、と流れる。以上の管路によって、暖房用熱媒体循環管路が構成される。
一方、管路511から分流して管路516を流れる暖房用熱媒体は、管路516→液液熱交換器54→管路517、と流れて、管路513に合流する。以上の管路によって、熱交換管路が構成される。
そして、暖房用熱媒体循環管路及び熱交換管路を流れる流れが基本循環通流である。
次に、暖房用熱交換器10の機能のひとつである暖房機能を実現するための構成について説明する。
はじめに高温暖房端末を使用する暖房機能に関して説明する。
暖房用熱媒体が流れる管路512から管路520が分岐し、さらにこの管路520が管路521及び管路523に分岐する。
管路520が分岐する一方の管路523は、管路612を介して高温暖房端末61の入口に接続される。ここで高温暖房端末とは、たとえば浴室暖房機・浴室乾燥機などである。高温暖房端末61の入口付近には、高温端末弁611が設けられている。この高温端末弁611は、高温暖房端末61へ暖房用熱媒体を流す場合に開弁する。高温端末弁611は、たとえば熱動弁である。高温暖房運転スイッチがオンされると、熱動弁への通電が行われてPTCサーミスターを発熱させてサーモアクチュエーターを動作させる。このような処理によって、所定時間(たとえば1分)経過後に熱動弁が開く。高温暖房運転スイッチがオフされると、熱動弁への通電が停止して所定時間(たとえば20秒)経過後に熱動弁が閉じる。高温端末弁611が開弁することで、高温暖房端末61には、予め定められる高温暖房設定温度(たとえば80℃)の暖房用熱媒体が供給されて、浴室暖房機・浴室乾燥機などのような暖房機能が実現される。高温暖房端末61の出口には、管路613が接続され、この管路613が熱媒体合流器63及び管路631を介して管路524に接続される。管路524は、潜熱熱交換器11の入口に接続される。潜熱熱交換器11の出口には、管路525が接続され、この管路525が管路513に合流する。
なお管路512には、暖房高温サーミスター5122が設けられている。この暖房高温サーミスター5122が、顕熱熱交換器12から出る暖房用熱媒体の温度を検出する。この検出信号に基づいてバーナー13の燃焼制御が行われることで、高温暖房端末61に供給される暖房用熱媒体の温度が調整される。
このような構成であるので、高温端末弁611が開弁していれば、上述した基本循環通流に加えて、管路512→管路520→管路523→管路612→高温暖房端末61→管路613→熱媒体合流器63→管路631→管路524→潜熱熱交換器11→管路525→管路513、という暖房用熱媒体の分岐通流が生じる。これによって、高温暖房端末61が加熱されて暖房機能が実現される。
次に低温暖房端末を使用する暖房機能に関して説明する。
管路511から管路526が分岐する。この管路526は、熱媒体分岐器56に接続される。熱媒体分岐器56の内部では、管路が複数に分岐されており、各管路の出口には低温端末弁561が内蔵されている。これらの出口には管路621が接続され、この管路621が低温暖房端末62の入口に接続される。ここで低温暖房端末とは、たとえば床暖房に用いられる温水マットである。低温端末弁561は、低温暖房端末62へ暖房用熱媒体を流す場合に開弁する。低温端末弁561は、たとえば熱動弁である。低温暖房運転スイッチがオンされると、熱動弁への通電が行われてPTCサーミスターを発熱させてサーモアクチュエーターを動作させる。このような処理によって、所定時間(たとえば1分)経過後に熱動弁が開く。低温暖房運転スイッチがオフされると、熱動弁への通電が停止して所定時間(たとえば20秒)経過後に熱動弁が閉じる。低温暖房端末62の出口には、管路622が接続され、この管路622が熱媒体合流器63に合流する。低温端末弁561が開弁することで、低温暖房端末62には、予め定められる低温暖房設定温度(たとえば60℃)の暖房用熱媒体が供給されて、暖房機能(床暖房)が実現される。なお管路511には、暖房低温サーミスター5121が設けられている。この暖房低温サーミスター5121は、熱媒体循環ポンプ51から吐出された暖房用熱媒体の温度を検出する。この検出信号に基づいてバーナー13の燃焼制御が行われることで、低温暖房端末62に供給される暖房用熱媒体の温度が調整される。
このような構成であるので、低温端末弁561が開弁していれば、上述した基本循環通流に加えて、管路511→管路526→熱媒体分岐器56→低温端末弁561→管路621→低温暖房端末62→管路622→熱媒体合流器63→管路631→管路524→潜熱熱交換器11→管路525→管路513、という暖房用熱媒体の分岐通流が生じる。これによって、低温暖房端末62が加熱され暖房機能が実現される。
また暖房用熱交換器10の機能のひとつに風呂の追い焚き機能がある。この追い焚き機能は、追い焚き熱交換器55において、暖房用熱交換器10で加熱された暖房用熱媒体と、浴槽湯水との間で熱交換を行うことで実現される。この追い焚き機能を実現するための構成について説明する。
まず、追い焚き熱交換器55に巡回する暖房用熱媒体に関して説明する。
上述のように、暖房用熱媒体が流れる管路512から管路520が分岐し、さらにこの管路520が管路521及び管路523に分岐しているが、分岐する他方の管路521は、追い焚き熱交換器55の入口に接続される。追い焚き熱交換器55には、顕熱熱交換器12で加熱されて、予め定められる設定温度(たとえば80℃)の暖房用熱媒体が流入する。追い焚き熱交換器55の出口には、管路522が接続され、この管路522が管路524に合流する。
追い焚き熱交換器55の入口には、流量制御弁551が設けられている。この流量制御弁551の開度によって追い焚き熱交換器55に流入する暖房用熱媒体の流量を調整できる。
このような構成であるので、流量制御弁551が開弁していれば、上述した基本循環通流に加えて、管路512→管路520→管路521→追い焚き熱交換器55→管路522→管路524→潜熱熱交換器11→管路525→管路513、という暖房用熱媒体の分岐通流が生じる。
一方、浴槽湯水は、追い焚き時に、上述のように、循環金具790(浴槽79)→管路792→浴槽湯水循環ポンプ77→管路78→追い焚き熱交換器55→管路791→循環金具790(浴槽79)、と循環する。浴槽湯水は、このように循環し、追い焚き熱交換器55を通過するときに暖房用熱媒体によって加熱されて追い焚きされる。このようにして、浴槽湯水が加熱され追い焚き機能が実現される。
この追い焚き動作中には、高温暖房サーミスター5122の温度が設定温度(たとえば80℃)となるようにバーナー13を燃焼させながら、風呂温度センサー781の検出温度が風呂設定温度となるまで、暖房用熱媒体及び浴槽湯水を循環させる。なお、風呂温度センサー781の検出温度が風呂設定温度となったら、バーナー13の燃焼を停止する。熱媒体循環ポンプ51及び浴槽湯水循環ポンプ77は、予め定められたポストポンプ時間経過後に停止する。
さらに、浴槽79への湯張り(自動湯張り動作)を行うときには、バーナー23の燃焼によって給湯用熱交換器20を通る水を加熱し、湯張り注水管路を通して湯を浴槽79に注ぐ。そして、この自動湯張り後、たとえば4時間といった保温動作時間中には、風呂温度センサー781の検出温度を取り込み、その検出温度が予め設定される風呂設定温度よりも予め定められている許容範囲を超えて低下したときには、追い焚き動作をたとえば3分間行い、風呂温度センサー781の検出温度が風呂設定温度となるようにする保温モードの機能の動作が行われる。
続いて、風呂の追い焚き機能及び暖房機能を実現するための基本的な制御について、図3を参照して説明する。
風呂リモコン装置81は、風呂の給湯,追い焚きなどを指令するための操作部である。風呂リモコン装置81には、風呂設定温度入力操作部811と追い焚きスイッチ812と風呂自動スイッチ813とが設けられている。
風呂設定温度入力操作部811は、浴槽湯水の温度を設定する操作部である。浴槽湯水温度は、たとえば40℃前後の適宜の値に設定される。設定された温度の情報は、コントローラー9と利用可熱量算出部91に加えられる。
追い焚きスイッチ812は、浴槽湯水の追い焚き単独動作のオンスイッチである。追い焚きスイッチ812のオン信号は、コントローラー9に加えられる。なお、コントローラー9により追い焚き動作が終了すると、追い焚きスイッチ812は自動的にオフとなる。
風呂自動スイッチ813は、浴槽79への自動湯張り,保温,保水動作のオンオフスイッチである。風呂自動スイッチ813のオン信号は、コントローラー9に加えられ、自動湯張り後、4時間程度保温及び保水を行った後、自動的にオフとなる。
風呂自動スイッチ813のオン信号が加えられると、コントローラー9は、バーナー23の燃焼によって熱交換器29を通る水を加熱し、湯張り注水管路を通じて湯を浴槽79に注ぐ。この際、たとえば図4に示されるような、予めメモリ部94に与えられている浴槽の水位(P)と水量(Q)との関係データ(P−Qデータ)と、水位センサー782により検出される検出水位とに基づき、浴槽の設定水位まで注湯する。また、浴槽湯水循環ポンプ77を駆動して得られる風呂温度センサー781により検出される浴槽湯水温が風呂設定温度よりも低いときには、風呂設定温度となるように、流量制御弁551を開,浴槽湯水循環ポンプ77をオンして、浴槽湯水の追い焚き動作を行う。なお、コントローラー9は、追い焚きスイッチ812のオン信号が加えられたときも、風呂温度センサー781により検出される浴槽湯水温が風呂設定温度となるように、浴槽湯水の追い焚き動作を行う。
高温暖房リモコン装置82は、高温暖房端末61の作動を指令するための操作部である。高温暖房リモコン装置82には、高温暖房スイッチ821が設けられている。高温暖房スイッチ821は、高温暖房端末61の運転のオンオフ動作指令を行うスイッチである。高温暖房スイッチ821のオン・オフの信号は、コントローラー9に加えられる。高温暖房スイッチ821がオンされると、高温端末弁(熱動弁)12への通電が行われてPTCサーミスターを発熱させてサーモアクチュエーターを動作させる。このような処理によって、所定時間(たとえば1分)経過後に熱動弁611が開く。高温高温暖房スイッチ821がオフされると、熱動弁611への通電が停止して所定時間(たとえば20秒)経過後に熱動弁611が閉じる。
低温暖房リモコン装置83は、低温暖房端末62の作動を指令するための操作部である。低温暖房リモコン装置83には、低温暖房スイッチ831が設けられている。低温暖房スイッチ831は、低温暖房端末62の運転のオンオフ動作指令を行うスイッチである。低温暖房スイッチ831のオン・オフの信号は、コントローラー9に加えられる。低温暖房スイッチ831がオンされると、低温端末弁(熱動弁)561への通電が行われてPTCサーミスターを発熱させてサーモアクチュエーターを動作させる。このような処理によって、所定時間(たとえば1分)経過後に熱動弁561が開く。低温低温暖房スイッチ831がオフされると、熱動弁561への通電が停止して所定時間(たとえば20秒)経過後に熱動弁561が閉じる。
コントローラー9は、上述の各リモコン装置の指令信号を受けて、バーナー13の燃焼制御(燃焼量制御を含む)及び燃焼ファン14の回転制御を行うとともに、熱媒体循環ポンプ51を駆動させる。コントローラー9は、高温暖房端末61の運転を行うときには80℃の液体を供給できるように、暖房高温サーミスター5122の検出温度をフィードバックして、バーナー13の燃焼制御及び燃焼ファン14の回転制御等を行って、潜熱熱交換器11及び顕熱熱交換器12を加熱し、暖房用熱媒体を加熱することで、暖房高温サーミスター5122の検出温度が80℃となるようにする。
加熱された暖房用熱媒体は、顕熱熱交換器12から約80℃で導出されて、管路512を流れる。そして高温端末弁611が開かれていれば、管路512→管路520→管路523→管路612→高温端末弁611→高温暖房端末61と流れる。高温暖房端末61に供給された暖房用熱媒体は、高温暖房端末61を通過するときに放熱する。これよって暖房用熱媒体の温度がたとえば60℃程度に下がった状態で、管路613→熱媒体合流器63→管路631→管路524→潜熱熱交換器11と流れて、潜熱熱交換器11によって加温される。この加温された暖房用熱媒体は、管路525→シスターンタンク53→管路514→熱媒体循環ポンプ51、と流れる。その後、暖房用熱媒体は、管路511を流れて顕熱熱交換器12で加熱される。
また、高温暖房端末61の運転時に低温暖房端末62の運転も行うときには、コントローラー9は、最初の30分程度は80℃とするホットダッシュを行い、その後は、60℃の暖房用熱媒体を供給できるようにする。なお、このときも、バーナー13の燃焼制御及び燃焼ファン14の回転制御等は、高温暖房端末61の運転時と同様であり、顕熱熱交換器12からは、暖房高温サーミスター5122を用いて適宜の温度(たとえば約80℃)の液体が導出される。
熱動弁561が開状態では、暖房用熱媒体が、熱媒体循環ポンプ51→管路511→管路526→熱媒体分岐器56→低温端末弁561→管路621→低温暖房端末62、と流れる。高温暖房端末61の動作時には熱媒体循環ポンプ51から吐出された暖房用熱媒体は、たとえば60℃程度であり、低温暖房端末62を通って放熱し、たとえば40℃よりも低温となる。そしてその暖房用熱媒体は、管路622→熱媒体合流器63→管路631→管路524→潜熱熱交換器11、と流れる。
なお、高温暖房端末61が作動していない場合は、低温暖房端末62に導入される暖房用熱媒体の温度調節は、暖房低温サーミスター5121の検出温度に基づいて、コントローラー9が制御する。つまり、低温暖房端末62の通常運転時には、暖房低温サーミスター5121の検出温度がたとえば60℃になるように、低温能力切替熱動弁47を開弁してバーナー13の燃焼量を調節して、暖房用熱媒体を管路621に送る。
また、低温暖房端末62の運転開始直後は、低温暖房端末62の内部管路や管路622内の暖房用熱媒体が冷えている状態である。このような状態の暖房用熱媒体を加熱する場合のホットダッシュ運転(コールドスタート)では、例えば30分といった予め定められたホットダッシュ設定時間だけ、暖房高温サーミスター5122の検出温度がたとえば80℃になるように低温能力切替熱動弁47を開弁してバーナー13の燃焼量を調節して、暖房用熱媒体を管路621に送る。
なお、流量制御弁551が開いている追い焚き時には、暖房用熱媒体は、管路512→管路520→管路521→追い焚き熱交換器55→管路522、と流れてから管路524に流れ、以下は管路524→潜熱熱交換器11と流れて、潜熱熱交換器11によって加温される。
以上が、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能とを実現する熱源装置の基本的な作動である。さらに、本実施形態の熱源システム1は、熱源装置と、燃料電池を備えるコジェネレーション装置とが組み合わされている。燃料電池は、発電時に発熱するので、冷却する必要がある。熱源システム1は、この熱で暖房用熱媒体を加熱することで、システム全体の熱効率を向上させている。そこで以下では、これの具体的な内容について説明する。
再び図1に戻って、燃料電池を備えるコジェネレーション装置の具体的な構成について説明する。
コジェネレーション装置200は、燃料電池210と、貯湯タンク220と、ラジエーター230と、循環ポンプ240とを含む。
燃料電池210は、複数のセルから構成される。燃料電池210は、不図示の改質器で生成された水素ガス及び空気中の酸素を反応させて発電する。燃料電池210は、発電時に発熱する。そこで液水と熱交換させることで、液水を加熱しつつ、この液水によって燃料電池210を冷却する。このため、燃料電池210には液水管路が接続されている。燃料電池210の冷却水出口に管路205が接続される。この管路205が三方弁250の入口に接続される。三方弁250の一方の出口には管路206が接続され、他方の出口には管路207が接続される。
管路206は、貯湯タンク220の温水入口に接続される。貯湯タンク220の温水出口には管路209が接続される。この管路209が三方弁260の温水入口に接続される。また給水管路201が貯湯タンク220の冷水入口に接続されるとともに、給水管路201から分岐した管路2011が三方弁260の冷水入口に接続される。また貯湯タンク220の冷水出口には管路202が接続される。この管路202がラジエーター230の入口に接続される。なおラジエーター230は、図示されているようにラジエーターファンを備える。ラジエーター230の出口には管路203が接続される。この管路203が循環ポンプ240の吸入口に接続される。循環ポンプ240の吐出口には管路204が接続される。この管路204が燃料電池210の冷却水入口に接続される。
管路207は、液液熱交換器54の入口に接続される。液液熱交換器54の出口には管路208が接続される。この管路208が管路203に合流するように接続される。上述したように、液液熱交換器54には、管路516及び管路517が接続されており、暖房用熱媒体が流れる。液液熱交換器54は、この暖房用熱媒体と燃料電池210の冷却水とが流れることで、冷却水を冷却しつつ、この冷却水によって暖房用熱媒体を加熱する。
このような構成であるので、三方弁250が管路206側に開いている場合は、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、管路205→三方弁250→管路206→貯湯タンク220→管路202→ラジエーター230→管路203→循環ポンプ240、と循環する。また三方弁250が管路207側に開いている場合は、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、管路205→三方弁250→管路207→液液熱交換器54→管路208→管路203→循環ポンプ240、と循環する。
貯湯タンク220の表面にはサーミスター(温度センサー)が取り付けられている。図1では、5つのサーミスター270が取り付けられている。貯湯タンク220の内部は、下部に貯留する冷水と上部に貯留する温水(湯)とで充満している。この冷水と湯との境界の位置がサーミスター270によって検出される。
燃料電池210の運転中、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、通常、燃料電池210で温度が上昇して、管路205→三方弁250→管路206、と流れて、貯湯タンク220に貯留される。貯湯タンク220の下部からは、冷水が流れ出して循環ポンプ240に吸入される。このような作動によって、貯湯タンク220の内部の冷水と湯との境界が下降する。
給湯する場合は、管路201から貯湯タンク220に給水される。貯湯タンク220の上部からは、温水(湯)が流れ出して、管路209→三方弁260、と流れて、矢印Yから給水導入管路71を経由して給湯用熱交換器20に流れ、貯湯タンク220から流出した温水(湯)の温度が低ければ、給湯用熱交換器20で加熱される。このような作動によって、貯湯タンク220の内部の冷水と湯との境界が上昇する。
なお給湯用熱交換器20を運転するためにバーナー23を作動させるには、所定の時間(一例を挙げれば10秒程度)を要する。そこで、サーミスター270で検出した冷水と湯との境界が上方にあれば(すなわち、貯湯タンク内の湯量が少なければ)、バーナー23に着火するようにしておくとよい。このようにすれば、貯湯タンク220から流出するのが湯から水に切り替わっても、その水を給湯用熱交換器20で十分加熱することができる。もしこのようにしなければ、給湯先に、貯湯タンク220から流出した湯を供給しているときに、貯湯タンク220から水が流出した場合に、その水の加熱が間に合わず、給湯先に水を供給してしまう事態が生じうる。しかしながら、予めバーナー23に着火しておくことで、そのような事態を防止できる。
燃料電池210は、運転を停止したのち再び運転を開始するには、複雑な処理が必要になる。また冷蔵庫などは、電気を24時間消費しているので、燃料電池210に対する発電要求が常にある。そこで、燃料電池210は、通常、停止することなく常に運転を継続している。そのため、湯を使用しない深夜帯でも、発電とともに発熱し続けている。本実施形態の液液熱交換器54が無い従来のタイプでは、その発熱で水を加熱して湯にして貯湯タンクに貯留するのみであった。この場合、貯湯タンクに湯が充満したら、ラジエーター230のファンを回して廃熱しなければならず、熱効率を悪化させる原因のひとつとなっていた。
そこで本実施形態では、ラジエーター230のファンを回して廃熱するのではなく、液液熱交換器54によって暖房用熱媒体と熱交換させるようにしたのである。このようにすることで、熱を有効的に利用でき、熱効率が向上する。
液液熱交換器54によって暖房用熱媒体と熱交換させるシーンとしては、ひとつに低温暖房端末(たとえば床暖房)の使用に先立ってプレヒートするシーンが考えられる。そこで、このようなシーンにおける具体的な制御内容について説明する。
図5は、コントローラーが実行するプレヒート制御のフローチャートである。この制御は、所定時間サイクルで繰り返し実行される。
次に図5を参照して、コントローラーの動作を中心としてプレヒート制御について説明する。
ステップS110において、コントローラーは、低温暖房端末(たとえば床暖房)の使用開始時刻が予約されているか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であれば処理を抜け、判定結果が肯であればステップS120へ処理を移行する。
ステップS120において、コントローラーは、低温暖房端末の使用を開始する前のプレヒート開始時期になったか否かを判定する。このプレヒート開始時期は、たとえば使用開始時刻が朝6時であった場合に、その30分前というように一定時間前のタイミングを設定してもよいし、気温に応じて変化させ、たとえば気温が低いほど早いタイミングとなるように設定してもよい。コントローラーは、判定結果が否であれば処理を抜け、判定結果が肯になったらステップS130へ処理を移行する。
ステップS130において、コントローラーは、熱媒体循環ポンプ51を作動させるとともに、三方弁250を管路207側とする。また低温作動弁52を閉、低温端末弁561を閉、高温端末弁611を閉、とする。なおバーナー13については、不作動状態を継続する。
なお以上の処理は、上述のように所定時間サイクルで繰り返し実行されているので、プレヒート開始時期になるまでは、S100→S110→S120→RETURN、が繰り返し実行され、プレヒート開始時期になったら、S100→S110→S120→S130→RETURN、が実行される。
図6は、図5のプレヒート制御を実行してプレヒート開始時期になったときの冷却水及び暖房用熱媒体の流れを説明する図である。なお冷却水・暖房用熱媒体が流れている管路が網掛けされており、冷却水・暖房用熱媒体の流れ方向が矢印で示されている。
プレヒート開始時期になったら、コントローラーは、上述のように、S100→S110→S120→S130→RETURN、を実行する。すると、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、図6に網掛け及び矢印で示されるように、管路205→三方弁250→管路207→液液熱交換器54→管路208→管路203→循環ポンプ240、と循環する。また熱媒体循環ポンプ51から吐出された暖房用熱媒体は、管路511に流れて、途中で一部が管路516に分流する。管路511を流れ続ける暖房用熱媒体は、管路511→顕熱熱交換器12→管路512→低温作動弁52(作動弁バイパス管路515)→管路513→シスターンタンク53→管路514→熱媒体循環ポンプ51、と流れる。一方、管路511から分流して管路516を流れる暖房用熱媒体は、管路516→液液熱交換器54→管路517、と流れて、管路513に合流する。暖房用熱媒体が液液熱交換器54を流れるときに、冷却水と熱交換するので、冷却水が冷却されつつ、この冷却水によって暖房用熱媒体が加熱される。そのため、熱を有効的に利用でき、熱効率が向上する。
なお本実施形態の構成によれば、暖房用熱媒体は、潜熱熱交換器11に流れることなく、顕熱熱交換器12に流れる。潜熱熱交換器11は、上述した受け皿41の上方にある。この場合、外部の風が暖房用熱交換器10の排気口100から逆流して、この風によって潜熱熱交換器11の暖房用熱媒体が冷やされてしまう可能性がある。これに対して、本実施形態の構成によれば、暖房用熱媒体が、潜熱熱交換器11に流れることなく、顕熱熱交換器12に流れる。顕熱熱交換器12は、受け皿41の下方にあるので、この受け皿41が風除けとなって風が顕熱熱交換器12に当たりにくくなり、顕熱熱交換器12が冷やされにくい。したがって無用に廃熱することがなく、優れて熱効率を呈するのである。
図7は、コントローラーが実行する暖房用熱交換器作動制御のフローチャートである。
低温暖房端末の使用開始時刻になったり、または高温暖房スイッチ821・低温暖房スイッチ831・追い焚きスイッチ812が操作されて、暖房用熱交換器が作動するときには、コントローラーは以下のように処理する。
ステップS210において、コントローラーは、暖房用熱交換器を作動させるか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であれば処理に入らず、判定結果が肯であればステップS220へ処理を移行する。
ステップS220において、コントローラーは、熱媒体循環ポンプ51を作動させるとともに、バーナー13を作動させる。
ステップS230において、コントローラーは、使用する端末に応じた弁の開閉処理を実行する。処理の具体的な内容については後述する。
ステップS240において、コントローラーは、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えるか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であれば、すなわち40℃を超えないうちは、ステップS250へ処理を移行し、判定結果が肯になったら、すなわち40℃を超えたら、ステップS260へ処理を移行する。
ステップS250において、コントローラーは、三方弁250を管路207側とする。
ステップS260において、コントローラーは、三方弁250を管路206側とする。
図8は、コントローラーが実行する弁の開閉処理のフローチャートである。
ステップS231において、コントローラーは、低温暖房端末を使用するか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS232へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS233へ処理を移行する。
ステップS232において、コントローラーは、低温端末弁561を閉弁する。
ステップS233において、コントローラーは、低温作動弁52を開弁するとともに、低温端末弁561を開弁する。
ステップS234において、コントローラーは、高温暖房端末を使用するか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS235へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS236へ処理を移行する。
ステップS235において、コントローラーは、高温端末弁611を閉弁する。
ステップS236において、コントローラーは、低温作動弁52を閉弁するとともに、高温端末弁611を開弁する。
ステップS237において、コントローラーは、追い焚きするか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS238へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS239へ処理を移行する。
ステップS238において、コントローラーは、流量制御弁551を閉弁する。
ステップS236において、コントローラーは、低温作動弁52を閉弁するとともに、流量制御弁551を開弁する。
続いて以上の処理を実行した場合の暖房用熱媒体の流れについて説明する。
図9は、低温暖房端末のみを使用する場合であってサーミスター5241の検出温度が40℃を超えていないときの暖房用熱媒体の流れについて説明する図である。
最初に図9を参照して、低温暖房端末のみを使用する場合(高温暖房端末を使用せず追い焚きも行わない)について説明する。これはたとえば、予約されていた時刻になって低温暖房端末の使用を開始する場合や、低温暖房スイッチ831のみが操作された場合などである。
この場合、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えないうちは、コントローラーは、S200→S210→S220→S230→S231→S233→S234→S235→S237→S238→S240→S250→RETURN、を実行する。すると、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、図9に示されるように、管路205→三方弁250→管路207→液液熱交換器54→管路208→管路203→循環ポンプ240、と循環する。これは、プレヒート制御時と同様である。
また熱媒体循環ポンプ51から吐出された暖房用熱媒体は、管路511に流れて、途中で一部が管路526に分流する。管路511を流れ続ける暖房用熱媒体は、さらに途中で一部が管路516に分流する。管路511を流れ続ける暖房用熱媒体、及び、管路511から分流して管路516を流れる暖房用熱媒体は、プレヒート制御時と同様に流れる。
管路511から管路526に分流した暖房用熱媒体は、管路526→熱媒体分岐器56(低温端末弁561)→管路621→低温暖房端末62→管路622→熱媒体合流器63→管路631→管路524→潜熱熱交換器11→管路525、と流れて、管路513に合流する。
低温暖房端末62を流れて温度が低下した暖房用熱媒体が、潜熱熱交換器11を流れることで、バーナー13の燃焼ガスに含まれる水蒸気の潜熱(凝縮熱)によって加熱されることとなり、良好な熱効率が得られる。
また暖房用熱交換器10だけでなく、液液熱交換器54も用いることで燃料電池210の廃熱をも利用して、暖房用熱媒体を加熱できるので、熱効率が非常に良好である。
図10は、低温暖房端末のみを使用する場合であってサーミスター5241の検出温度が40℃を超えているときの暖房用熱媒体の流れについて説明する図である。
そして、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えたら、コントローラーは、S200→S210→S220→S230→S231→S233→S234→S235→S237→S238→S240→S260→RETURN、を実行して、三方弁250を切り替える。この結果、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、図10に示されるように、管路205→三方弁250→管路206→貯湯タンク220と流れて、貯湯タンク220に貯留されるとともに、貯湯タンク220の下部の冷却水が、貯湯タンク220→管路202→ラジエーター230→管路203、と流れて、循環ポンプ240に吸入される。
潜熱熱交換器11では、燃焼ガスの温度が100℃よりも高い温度から、100℃よりも低い温度まで低下することで、燃焼ガスに含まれる水蒸気(水)が状態変化するときの潜熱(凝縮熱)を十分に利用することができる。しかしながら、潜熱熱交換器11に導入される暖房用熱媒体の温度が高い場合は、熱交換量が少なくなり、潜熱(凝縮熱)を十分には利用できない可能性がある。
これに対して、本実施形態では、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えたら、三方弁250が切り替えることで、燃料電池の冷却水による暖房用熱媒体の加熱を中止する。このようにすることで、潜熱熱交換器11に導入される暖房用熱媒体の温度が高くなってしまって、潜熱(凝縮熱)を十分に利用できないことを回避でき、良好な熱効率が得られるのである。
図11は、高温暖房端末のみを使用する場合であってサーミスター5241の検出温度が40℃を超えていないときの暖房用熱媒体の流れについて説明する図である。
続いて高温暖房端末のみを使用する場合(低温暖房端末を使用せず追い焚きも行わない)について説明する。これはたとえば、高温暖房スイッチ821のみが操作された場合などである。
この場合、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えないうちは、コントローラーは、S200→S210→S220→S230→S231→S232→S234→S236→S237→S238→S240→S250→RETURN、を実行する。すると、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、図11に示されるように、管路205→三方弁250→管路207→液液熱交換器54→管路208→管路203→循環ポンプ240、と循環する。
また熱媒体循環ポンプ51から吐出された暖房用熱媒体は、管路511に流れて、途中で一部が管路516に分流する。また管路511を流れ続ける暖房用熱媒体は、管路511→顕熱熱交換器12→管路512、と流れて、途中で一部が管路520に分流する。これらの流れ(管路512の流れ、及び、管路511から分流して管路516を流れる流れ)は、プレヒート制御時と同様であるので、説明を省略する。
管路512から管路520に分流した暖房用熱媒体は、管路520→管路523→管路612→高温暖房端末61(高温端末弁611)→管路613→熱媒体合流器63→管路631→管路524→潜熱熱交換器11→管路525、と流れて、管路513に合流する。
高温暖房端末61を流れて温度が低下した暖房用熱媒体が、潜熱熱交換器11を流れることで、バーナー13の燃焼ガスに含まれる水蒸気の潜熱(凝縮熱)によって加熱されることとなり、良好な熱効率が得られる。
また暖房用熱交換器10だけでなく、液液熱交換器54も用いることで燃料電池210の廃熱をも利用して、暖房用熱媒体を加熱できるので、熱効率が非常に良好である。
そして、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えたら、コントローラーは、S200→S210→S220→S230→S231→S232→S234→S236→S237→S238→S240→S260→RETURN、を実行して、三方弁250を切り替える。この結果、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、管路205→三方弁250→管路206→貯湯タンク220と流れて、貯湯タンク220に貯留されるとともに、貯湯タンク220の下部の冷却水が、貯湯タンク220→管路202→ラジエーター230→管路203、と流れて、循環ポンプ240に吸入される。
このようにすることで、燃料電池の冷却水による暖房用熱媒体の加熱が中止され、潜熱熱交換器11に導入される暖房用熱媒体の温度が高くなってしまって、潜熱(凝縮熱)を十分に利用できないことを回避でき、良好な熱効率が得られる。
図12は、低温暖房端末を使用しながら追い焚きするが高温暖房端末は使用しない場合であってサーミスター5241の検出温度が40℃を超えていないときの暖房用熱媒体の流れについて説明する図である。
次に低温暖房端末を使用しながら追い焚きするが高温暖房端末は使用しない場合について説明する。これはたとえば、低温暖房スイッチ831が操作されて低温暖房端末を使用中に、さらに追い焚きスイッチ812や風呂自動スイッチ813が操作されて追い焚きする場合などである。
この場合、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えないうちは、コントローラーは、S200→S210→S220→S230→S231→S233→S234→S235→S237→S239→S240→S250→RETURN、を実行する。
この場合は、基本的には、循環ポンプ240から吐出された冷却水、及び、熱媒体循環ポンプ51から吐出された暖房用熱媒体は、低温暖房端末のみを使用する場合と同様に流れる。これに加えて、管路512を流れる暖房用熱媒体の一部が、途中で管路520に分流する。管路520に分流した暖房用熱媒体は、管路520→管路521→追い焚き熱交換器55→管路522、と流れて、管路524に合流する。
低温暖房端末62/追い焚き熱交換器55を流れて温度が低下した暖房用熱媒体が、潜熱熱交換器11を流れることで、バーナー13の燃焼ガスに含まれる水蒸気の潜熱(凝縮熱)によって加熱されることとなり、良好な熱効率が得られる。
また暖房用熱交換器10だけでなく、液液熱交換器54も用いることで燃料電池210の廃熱をも利用して、暖房用熱媒体を加熱できるので、熱効率が非常に良好である。
そして、サーミスター5241の検出温度が40℃を超えたら、三方弁250が切り替えられる。この結果、循環ポンプ240から吐出された冷却水は、管路205→三方弁250→管路206→貯湯タンク220と流れて、貯湯タンク220に貯留されるとともに、貯湯タンク220の下部の冷却水が、貯湯タンク220→管路202→ラジエーター230→管路203、と流れて、循環ポンプ240に吸入される。
このようにすることで、燃料電池の冷却水による暖房用熱媒体の加熱が中止され、潜熱熱交換器11に導入される暖房用熱媒体の温度が高くなってしまって、潜熱(凝縮熱)を十分に利用できないことを回避でき、良好な熱効率が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
たとえば、熱媒体分岐器56,熱媒体合流器63には、図1に示されている暖房装置に限られず、必要に応じ、適宜他の暖房装置を接続してもよい。
また、上記説明においては、発熱体の一例として、燃料電池を挙げたが、ガスエンジン等を利用した発電装置などであってもよい。
上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。