JP6454557B2 - 給湯システム - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯槽と、貯湯槽内の水を加熱する発電装置等の貯湯水加熱手段と、貯湯槽から導出される湯水をさらに加熱する機能を有する補助熱源装置とを備えた給湯システムに関するものである。
タンク内に湯水を収容する貯湯槽(貯湯タンク)を備えた貯湯ユニットが様々に提案されており、図3には、貯湯タンクを備えた貯湯ユニットを備えた給湯システムの一例が示されている。この貯湯ユニット3は、貯湯タンク120と、貯湯タンク120内に貯留されている水を加熱する貯湯水加熱手段としての発熱体2とを有しており、発熱体2は例えば発電装置等により形成されている。
発電装置は、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)等の燃料電池(FC)や、ガスエンジン等により形成されるものであり、燃料電池は、水の電気分解の逆反応で、都市ガス等の燃料から取り出された水素と空気中の酸素とを反応させて発電する発電装置である。このような発電装置の他に、発熱体2としては、例えば太陽熱を集熱する集熱器を備えた太陽熱温水ユニットやヒートポンプユニット等が適用される。
また、この貯湯ユニット3は、給水供給源からの水を貯湯タンク120の下部側から貯湯タンク120に供給する給水通路61と、貯湯タンク120の下部側から発熱体2に水を供給するための水供給通路121と、発熱体2により加熱された湯を貯湯タンク120側に送って該貯湯タンク120の上部側から該貯湯タンク120に導入する熱回収用通路122と、貯湯タンク120の上部側から給湯先に湯を供給するための湯の通路63とを有している。
湯の通路63は、接続ユニット64を介し、前記給水供給源から分岐した分岐通路62と接続されており、接続ユニット64には電磁弁65等が設けられている。また、接続ユニット64には通路66が接続されており、この通路66を通して給湯先への給湯が行われる。
貯湯タンク120には上下方向に温度の層が形成されるものであり、貯湯タンク120の上部側の層(高温層)に、発熱体2である発電装置の発電時に生じる排熱によって加熱された高温Ta(例えば80℃)の湯が貯湯され、貯湯タンク120の下部側の層(低温層)には貯湯タンク120内に給水される給水温度と同じ温度Tc(例えば15℃)の水が貯水され、その間に、温度Taから温度Tcまでの急な温度勾配を持つ層(温度中間層)が形成される。図3の破線Bは、高温層と温度中間層との境界を示しており、破線Bの上側の水(湯)が実質的に給湯に利用される温度層である。
なお、図3の図中、符号124は、貯湯タンク120内の圧力が許容圧力を超えたときに該圧力を外部に逃がすための過圧逃がし弁を備えた過圧逃がし用通路を示し、符号128は排水弁を備えた排水通路をそれぞれ示している。
この種の貯湯ユニット3を備えた給湯システムにおいては、例えば、発熱体2を発電装置により形成した場合は、貯湯タンク120から水供給通路121を通して冷却用の例えば50℃以下(好ましくは45℃以下)の水を発熱体2(発電装置)に供給し、発電装置の排熱により水を加熱して熱回収用通路122から貯湯タンク120に導入して貯湯タンク120に貯湯する。そして、その湯を、湯の通路63を通して導出し、この湯と給水供給源から分岐通路62を通して導出される水とを必要に応じて接続ユニット64により混合し、前記の如く通路66を通して給湯先に供給することにより給湯設定温度の湯を供給することができる。
また、貯湯タンク120内の湯水の温度が給湯設定温度よりも低いときに、その湯水を加熱して給湯設定温度の湯を供給できるようにするために、接続ユニット64に接続された通路66には、バーナ等を備えた給湯器等の補助熱源装置(図示せず)が接続されているものが多い。つまり、補助熱源装置を接続することにより、通路66を通った湯を必要に応じて補助熱源装置によって加熱(追い加熱)して給湯先に給湯し、加熱が不要なときには非加熱で給湯することができる。
この補助熱源装置としては、従来、一般家庭用給湯器の給湯能力として高めの給湯能力を有する24号の給湯器が一般的に用いられている。24号給湯器は、給水温度より25℃高い温度の湯を1分間に24リットル給湯可能な能力を有しており、この給湯能力を備えた給湯装置(給湯器)は、貯湯タンク120の補助熱源装置として利用されずに単独で利用されることも多い。この24号給湯器は、冬等の給水温が低いときでも、その低温の水を加熱して、40℃前後に設定されることが多い給湯設定温度の湯を一度に多く提供することができる(単位時間当たりの給湯流量を多くできる)ので、利用者が快適に利用できる装置である。
このような給湯能力の高い装置を補助熱源装置として適用することにより、例えば発電装置により形成されている発熱体2がメンテナンス等による停止状態となって貯湯タンク120内が低温の水で満たされてしまい、貯湯タンク120内の湯を利用することができない場合でも、利用者に不便な思いをすることなく給湯システムの利用を行うことができるようになっている。
なお、補助熱源装置として適用される給湯装置(給湯器)は、給湯機能を備えた給湯回路を有していることはもちろんであるが、さらに、暖房用の熱媒体を暖房装置に供給可能な暖房回路を有する給湯装置等、様々な給湯装置があり、このような給湯装置は、補助熱源装置として利用されるのみならず、単独で給湯等を行える熱源装置としても広く用いられている。
特開2014−142140号公報
ところで、前記のような例えば24号の高い給湯能力を有する給湯装置(給湯器)は、その分だけ大型であり、大型の給湯装置を例えば図3に示したような給湯システムの補助熱源装置として設けると給湯システムが大型化してしまうため、補助熱源装置を小型化したいといった要望があった。しかしながら、小型で給湯能力が低い給湯器を補助熱源装置として適用すると、前記の如く、例えば発電装置等のメンテナンス時等に給水温度が低かった場合等には十分な量の給湯を行うことができずに使い勝手が悪くなってしまう。
つまり、従来、図3に示したような構成の通路66に補助熱源装置を接続して形成される給湯システムにおいて、小型化と良好な使い勝手とを両立できる給湯システムは提案されていなかった。
一方、給湯装置(給湯器)において、暖房用の熱媒体を暖房装置に供給可能な暖房装置を設ける場合に、暖房回路に設けられる暖房用熱交換器を、熱交換器を通る熱媒体により暖房用のバーナの燃焼ガスの顕熱を回収するメインの熱交換器と熱交換器を通る熱媒体により前記燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器とを設けて形成することにより、暖房用熱交換器の熱効率を向上させることが行われているが、潜熱回収用熱交換器を通る熱媒体の温度が例えば40℃以下の低い温度でなければ潜熱回収用熱交換器によって燃焼ガスの潜熱を十分に回収することができないため、潜熱回収用熱交換器に導入される熱媒体の温度を低くすることが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、貯湯槽と、該貯湯槽から導出される水を加熱して又は非加熱のまま給湯する機能を備えた補助熱源装置とを有する給湯システムにおいて、小型化と使い勝手の両立が可能で、望ましくは補助熱源装置の熱効率も向上させることができる給湯システムを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、貯湯槽と、該貯湯槽に貯留されている水を加熱する貯湯水加熱手段と、前記貯湯槽の上部側から湯を導出する湯の通路と、該湯の通路に接続された補助熱源装置とを有し、該補助熱源装置は、給湯用バーナと、該給湯用バーナにより加熱される給湯熱交換器を備えた給湯回路と、暖房用バーナと、該暖房用バーナにより加熱される暖房用熱交換器と該暖房用熱交換器を通して熱媒体を循環させる循環ポンプとを備えて暖房装置に接続される暖房回路とを有し、前記給湯回路に前記湯の通路から導入される湯を前記給湯熱交換器により加熱して又は該給湯熱交換器による加熱を行わずに給湯先に給湯する機能を有し、前記貯湯槽には該貯湯槽と熱的に接続される貯湯槽加熱用熱交換器が設けられ、前記暖房熱交換器から前記暖房装置に導入される前記熱媒体を該暖房装置からの導出後に前記貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に通して循環させる貯湯槽側経由経路と前記貯湯槽加熱用熱交換器に通さずに直接的に前記暖房用熱交換器側に通して循環させるメイン循環通路とを切り替える経路切り替え制御手段が設けられており、該経路切り替え制御手段は予め定められる暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときに前記暖房回路を循環する前記熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させて前記暖房回路を循環する熱媒体で前記貯湯槽内の湯水を加温する構成と成し、前記暖房利用貯湯槽加熱設定条件には、前記暖房装置からの戻り温度が貯湯槽内湯水温よりも予め定められる設定温度以上高い、という条件が含まれる構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明は、貯湯槽と、該貯湯槽に貯留されている水を加熱する貯湯水加熱手段と、前記貯湯槽の上部側から湯を導出する湯の通路と、該湯の通路に接続された補助熱源装置とを有し、該補助熱源装置は、給湯用バーナと、該給湯用バーナにより加熱される給湯熱交換器を備えた給湯回路と、暖房用バーナと、該暖房用バーナにより加熱される暖房用熱交換器と該暖房用熱交換器を通して熱媒体を循環させる循環ポンプとを備えて暖房装置に接続される暖房回路とを有し、前記給湯回路に前記湯の通路から導入される湯を前記給湯熱交換器により加熱して又は該給湯熱交換器による加熱を行わずに給湯先に給湯する機能を有し、前記貯湯槽の側壁外面下部には該貯湯槽と熱的に接続される貯湯槽加熱用熱交換器が設けられ、前記暖房用熱交換器から導出される前記熱媒体を前記暖房回路に接続される前記貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に通して循環させる貯湯槽側経由経路と前記貯湯槽加熱用熱交換器に通さずに直接的に前記暖房用熱交換器側に通して循環させるメイン循環通路とを切り替える経路切り替え制御手段が設けられており、前記暖房回路を循環する熱媒体の温度が前記貯湯槽内の湯水温度よりも予め定められる設定温度以上高い状態で前記暖房回路を循環する熱媒体で前記貯湯槽内の湯水を加温する運転動作モードを有し、該運転動作モード時には前記経路切り替え制御手段の経路切り替えにより前記暖房回路を循環する前記熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させる構成と成す構成をもって課題を解決する手段としている。第3の発明は前記第1または第2の発明の構成に加え、前記暖房用熱交換器は、熱交換器を通る熱媒体により暖房用バーナの燃焼ガスの顕熱を回収するメインの熱交換器と熱交換器を通る熱媒体により前記燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器とを有し、前記熱媒体は該潜熱回収用熱交換器を通った後に前記メインの熱交換器を通って循環することを有していることを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記暖房回路には暖房用熱交換器により加熱された熱媒体を暖房装置に通さずに前記暖房用熱交換器の入側に戻すバイパス通路が設けられ、経路切り替え制御手段は、前記暖房回路を循環する熱媒体を前記貯湯槽加熱用熱交換器に通して前記貯湯槽内の湯水を加温する運転動作を行う際に、前記暖房装置の運転が行われていないときには前記熱媒体を前記暖房装置には通さずに前記バイパス通路を通して貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に戻すを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第の発明の構成に加え、前記暖房装置により利用する熱媒体の熱量が予め定められる設定熱量より少ないときには前記熱媒体の一部をバイパス通路を通して貯湯槽加熱用熱交換器に通してから暖房用熱交換器側に戻すことを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第1乃至第のいずれか一つの発明の構成に加え、前記貯湯水加熱手段は発電装置により形成され、該発電装置のメンテナンス情報を取り込んで該発電装置がメンテナンス中であると判断する発電装置メンテナンス中判断手段を有し、経路切り替え制御手段は前記発電装置メンテナンス中判断手段により前記発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに前記暖房回路を循環する熱媒体を前記貯湯槽加熱用熱交換器に通して前記貯湯槽内の湯水を加温する動作時と判断して前記暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させることを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第1乃至第のいずれか一つの発明の構成に加え、前記貯湯水加熱手段は発電装置により形成され、貯湯槽内の湯水温を検出する貯湯槽内湯水温検出手段を有し、該貯湯槽内湯水温検出手段により検出される検出温度に基づき前記発電装置がメンテナンス中であると判断する発電装置メンテナンス中判断手段を有し、経路切り替え制御手段は前記発電装置メンテナンス中判断手段により前記発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに前記暖房回路を循環する熱媒体を前記貯湯槽加熱用熱交換器に通して前記貯湯槽内の湯水を加温する動作時と判断して暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させる構成と成し、前記発電装置メンテナンス中判断手段が、前記発電装置がメンテナンス中である、と判断する条件には前記貯湯槽からの出湯の無い時間が予め定めた時間以上経過し、かつ、前記貯湯槽の最上位に位置する湯水温検出手段の検出温度が予め定められる判定基準温度以下という条件が含まれることを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第1乃至第のいずれか一つの発明の構成に加え、前記貯湯槽内の湯水の温度を検出する貯湯槽内湯水温検出手段を有し、該貯湯槽内湯水温検出手段により検出される貯湯槽の下部側の水の温度が予め定められる加熱不適貯湯槽水温度より高いときには、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させることを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第1乃至第のいずれか一つの発明の構成に加え、前記給湯システムの配設領域の温度を検出する装置配設領域温度検出手段を有し、該装置配設領域温度検出手段により検出される検出温度が予め定められる加熱不適配設領域温度より高いときには、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させることを特徴とする。
本発明によれば、貯湯水加熱手段により貯湯槽内の水を加熱し、貯湯槽の上部側から湯を導出して補助熱源装置の給湯熱交換器により加熱して又は該給湯熱交換器による加熱を行わずに給湯先に給湯する機能を有しているが、さらに、補助熱源装置には、暖房用バーナにより加熱される暖房用熱交換器と該暖房用熱交換器を通して熱媒体を循環させる循環ポンプとを備えた暖房回路が設けられており、この暖房回路を循環する熱媒体の熱を利用して、以下に述べるように、必要に応じて貯湯槽内の水を加熱することができる。
つまり、本発明においては、前記貯湯槽には該貯湯槽と熱的に接続される貯湯槽加熱用熱交換器が設けられており、前記暖房回路に接続される暖房装置に前記暖房熱交換器から熱媒体を導入した後、その熱媒体を暖房装置からの導出後に前記貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に通して循環させる貯湯槽側経由経路と、前記貯湯槽加熱用熱交換器に通さずに直接的に前記暖房用熱交換器側に通して循環させるメイン循環通路とを切り替える経路切り替え制御手段が設けられている。
そして、経路切り替え制御手段が、予め定められる暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときに、前記暖房回路を循環する前記熱媒体を、前記貯湯槽側経由経路で貯湯槽加熱用熱交換器に通して循環させることにより、貯湯槽内の湯水を加熱することができる。そのため、例えば、貯湯水加熱手段がメンテナンスや故障等により使用できないとき等、貯湯槽内の湯水温が低くて加熱が必要なときを暖房利用貯湯槽加熱設定条件として予め定めておけば、その条件が満たされたときに、暖房回路を循環する熱媒体の熱を利用して貯湯槽内の湯水を加熱することができる。
このようにして加熱された湯水を貯湯槽の上部側から導出して補助熱源装置の給湯回路に導入すれば、その湯水を給湯回路の給湯熱交換器により加熱するのに必要な給湯能力は、冷たい水を給湯熱交換器により加熱する場合に比べて低くてすむ(小さくてすむ)ので、給湯回路の給湯能力が低い補助熱源装置を設けて給湯システムを形成しても給湯設定温度の湯を十分な流量で給湯することができるため、使い勝手を良好にできる。つまり、本発明は、装置の小型化と使い勝手の良さとを両立できる給湯システムを実現できる。
なお、前記特許文献1に記載されている発明においては、暖房の戻り温水の熱を蓄熱材に蓄熱する蓄熱ユニットを設け、この蓄熱ユニット内を通る管路に給水の水を通し、この水と蓄熱材とを熱交換することにより給水の水を予備加熱する構成が示されているが、給湯用の水は流速が速く、その流速が速い水に蓄熱材の熱を移動させるためには蓄熱材と水との熱的な接触面積(熱的接続に要する蓄熱材と水との接触面積)を広くする必要があり、その結果、大型の蓄熱ユニットが必要となる。
そのため、特許文献1に記載された発明においては熱源機(熱源装置)が大型化してしまうといった問題が生じるのに対し、本発明は、暖房回路を循環する熱媒体を貯湯槽加熱用熱交換器に通すことにより加熱した貯湯槽内の湯水を、直接、給湯用として利用するので、貯湯槽加熱用熱交換器を小型で簡単な構成の熱交換器とすることができ、給湯システムの小型化を図ることができる。
つまり、本発明においては、暖房用の戻り熱(戻り温水等の、暖房用熱交換器側に戻ってくる熱媒体の熱)を貯湯槽に蓄熱して直接利用できることから、例えば暖房用の熱媒体によって貯湯槽加熱用熱交換器を介して5時間かけて貯湯槽に蓄熱した熱を例えば1時間で貯湯槽から出湯する場合には、暖房用の熱媒体によって蓄熱する単位時間当たりの熱量の略5倍の熱を貯湯槽から直接利用できる、といったように、貯湯槽加熱用熱交換器に必要な熱交換能力が小さくても、その熱を補助熱源装置によって効率的に利用できる。そのため、貯湯槽加熱用熱交換器を小型で簡単な構成の熱交換器とすることができ、給湯システムを簡単な構成で小型のものとすることができる。
また、暖房用熱交換器は、熱交換器を通る熱媒体により暖房用バーナの燃焼ガスの顕熱を回収するメインの熱交換器と熱交換器を通る熱媒体により前記燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器とを有し、前記熱媒体は該潜熱回収用熱交換器を通った後に前記メインの熱交換器を通って循環するものとすると、潜熱回収用熱交換器を設けることにより暖房用熱交換器の熱効率を向上させることができる。
なお、暖房回路に接続される暖房装置としては、例えば温水マット等の床暖房装置等が適用されることがあるが、このような暖房装置において暖房装置の配置空間を暖める場合に、その空間が冷えている状態のときに暖房回路から暖房装置に熱媒体を供給すると、冷えていた空間が暖房装置を通る熱媒体からの放熱により暖められる分、暖房装置を通って暖房用熱交換器に戻ってくる熱媒体の温度は急激に低下するが、その空間が、ある程度暖められている状態のときに暖房装置に熱媒体を供給する場合は、暖房装置を通る熱媒体からの放熱量は小さくなり、暖房装置から導出されて暖房用熱交換器に戻ってくる熱媒体の温度低下量は小さい(熱媒体の温度は高めとなる)。
周知の如く、潜熱回収用熱交換器は、潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が40℃以下の場合には潜熱回収も効率良く行われる(40℃を超えると十分には行えない)ので、潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が40℃以下の低い温度となるようにすると、さらに給湯システムの熱効率を向上できるものであるため、本発明において、前記の如く暖房装置に導入した熱媒体を暖房装置からの導出後に前記貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に通して循環させて暖房用の潜熱回収用熱交換器に導入するようにすると、潜熱回収用熱交換器の熱効率を十分に高めることができる。
したがって、潜熱回収用熱交換器を設けて暖房用熱交換器を形成し、前記のように暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときに貯湯槽内の湯水を加熱することによって、前記の如く給湯側の使い勝手を良好にできて装置の小型化も実現できることに加えて暖房回路側の熱効率も向上でき、使い勝手と小型化と省エネ化とを兼ね備えた非常に優れた給湯システムを実現できる。
さらに、暖房回路には暖房用熱交換器により加熱された熱媒体を暖房装置に通さずに前記暖房用熱交換器の入側に戻すバイパス通路を設けて、経路切り替え制御手段は、暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときに、前記暖房装置の運転が行われていないときには前記熱媒体を前記暖房装置には通さずに前記バイパス通路を通して貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に戻すようにすると、以下の効果を発揮できる。
つまり、暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときに、暖房回路に接続される暖房装置が利用者によって利用されていない(つまり暖房装置の運転が行われていない)場合には、暖房装置への熱媒体の供給が行われないので、暖房装置の出側から熱媒体が導出されないが、その場合でも、バイパス通路を通して熱媒体を貯湯槽加熱用熱交換器に通してから暖房用熱交換器側に戻すことにより、前記のように貯湯槽内の湯水を加熱することができる。
また、暖房装置の運転が行われていてもその運転により利用されている熱媒体の熱量が少ないときに、熱媒体の一部を前記バイパス通路を通して貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に戻すようにすると、暖房装置の運転を行いながら貯湯槽内の湯水を効率的に加熱することができるので、熱媒体の熱を効率的に利用できる。
さらに、貯湯水加熱手段を発電装置により形成することにより、発電装置の排熱を利用して貯湯槽内の湯水を効率的に加熱することができるし、排熱利用による貯湯槽内湯水の加熱によって省エネ化も図ることができる。
また、発電装置は、例えば1ヶ月に1度といったように定期的にメンテナンスが行われるが、このときには発電装置の排熱による貯湯槽内の湯水の加熱が行われないため、貯湯槽内の湯が給湯により使用されると貯湯槽内が低温の水により満たされてしまうことがある。
そこで、発電装置のメンテナンス情報を取り込んで該発電装置がメンテナンス中であると判断する発電装置メンテナンス中判断手段を設け、経路切り替え制御手段は、前記発電装置メンテナンス中判断手段により前記発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたと判断して暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させるようにすると、発電装置のメンテナンスによって貯湯槽内が低温の水で満たされてしまっても、貯湯槽加熱用熱交換器による加熱によって貯湯槽内の湯水温を高めることができ、その湯水を補助熱源装置によって加熱することにより給湯設定温度の湯を十分に給湯できるようにすることができる。
また、貯湯槽内の湯水温を検出する貯湯槽内湯水温検出手段を設け、該貯湯槽内湯水温検出手段により検出される検出温度に基づき前記発電装置がメンテナンス中であると判断する発電装置メンテナンス中判断手段を設けることにより、発電装置のメンテナンス情報を発電装置側から直接的に受信しなくても、貯湯槽内湯水温検出手段の検出温度に基づいて発電装置のメンテナンス情報を把握することができる。
そして、経路切り替え制御手段が、前記発電装置メンテナンス中判断手段により前記発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたと判断して暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させるようにすることで、前記と同様に、発電装置のメンテナンスによって貯湯槽内が低温の水で満たされてしまっても、貯湯槽加熱用熱交換器による加熱によって貯湯槽内の湯水温を高めることができ、その湯水を補助熱源装置によって加熱することにより給湯設定温度の湯を十分に給湯できるようにすることができる。
さらに、貯湯槽内の湯水の温度を検出する貯湯槽内湯水温検出手段を設け、該貯湯槽内湯水温検出手段により検出される貯湯槽の下部側の水の温度が予め定められる加熱不適貯湯槽水温度より高いときには、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させるようにすることで、以下の効果を奏することができる。
つまり、給湯能力が低めの補助熱源装置であっても、貯湯槽内の湯水温が高めのときには、その高めの湯水を補助熱源装置によって加熱すれば給湯設定温度の十分な量の湯を給湯できるため、貯湯槽加熱用熱交換器による加熱を行わなくてもよく、また、貯湯槽内の湯水温が例えば30℃程度から60℃未満の状態で長く貯留された場合には衛生上の懸念も生じる。特に、約30℃〜約40℃という温度は菌の培養に用いられるような温度であるため、このような温度で長く貯留されることは非常によくない。さらに、貯湯水加熱手段を発電装置等、貯湯槽側からの冷却水を加熱するタイプのものにより形成した場合には、貯湯槽側から発電装置等側に送る水は冷却水となるため、その水温が低い方が好ましい。
そこで、これらのことを考慮して加熱不適貯湯槽水温度を例えば29℃といった適宜の値に予め設定し、貯湯槽の下部側の水の温度が加熱不適貯湯槽水温度より高いときには、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させるようにすることにより、暖房回路側の熱利用の無駄を省き、貯湯槽内の湯水を衛生的に保ち、さらに貯湯水加熱手段を発電装置により形成した場合には、その発電効率を適切に保つこともできる。
なお、貯湯槽内湯水温検出手段により検出される貯湯槽の下部側の水の温度を時系列的に検出するなどして、その温度が前記加熱不適貯湯槽水温度より高くなりそうなときには、貯湯槽内湯水温検出手段の検出温度が加熱不適貯湯槽水温度より高くなる前に(高くならないように)、暖房回路の熱媒体をメイン循環経路で循環させるように切り替えてもよく、この場合も同様の効果を奏することができる。
また、例えば24号の給湯能力を有する給湯システムであれば、冬等の気温が低いときにも例えば15リットル/分程度の流量でシャワーを浴びることができるが、給湯能力が16号であれば、流量は、24号の場合の3分の2となり、例えば10リットル/分程度になってしまうことから非常に不快に感じる。それに対し、夏等の気温が高いときであれば、たとえ16号の給湯能力を有する給湯システムでも例えば16リットル/分程度の流量のシャワーを浴びることができるので(24号の給湯能力があれば、それより多い例えば24リットル/分程度の流量を得られるとはいっても)、それほど不快には感じないものである。
つまり、気温が高めのときには給水温度(貯湯槽への入水温度)も高めであるため、貯湯槽内に貯留される水の温度も高めとなり、したがって、貯湯槽加熱用熱交換器による加熱を行わなくてもよいことが殆どとなる(つまり、給湯能力が低めの補助熱源装置を用いているにもかかわらず、あたかも給湯能力が高めの補助熱源装置を用いているかような給湯が行われなくてもよいことになる)。
そこで、給湯システムの配設領域の温度を検出する装置配設領域温度検出手段により検出される検出温度が予め定められる加熱不適配設領域温度より高いときには、給湯システムの配設領域の気温の検出や給水温も高いと推定して、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させるようにすると、暖房回路側の熱利用の無駄を省くことができる。また、前記と同様に、貯湯槽内の湯水を衛生的に保ち、さらに貯湯水加熱手段を発電装置により形成した場合には、その発電効率を適切に保つこともできる。
本発明に係る給湯システムの一実施例の模式的なシステム構成図である。 実施例の給湯システムに設けられている要部制御構成を模式的に示すブロック図である。 貯湯槽を備えた給湯システムのシステム構成例を模式的に示す説明図である。 床暖房装置の運転時の室内温度の違いによる温水の戻り温度の違いを説明するための模式図である。 水を潜熱回収用熱交換器に通してから顕熱回収用熱交換器に通して各熱交換器で加熱する場合の、暖房用の潜熱回収用熱交換器の入水温度(戻り温度)と熱交換器全体での熱効率(暖房効率)との関係を示すグラフである。 顕熱回収用熱交換器(一次熱交換器)と潜熱回収用熱交換器(二次熱交換器)を通る水の流れと、各熱交換器周辺を流れる燃焼ガスの流れに伴う各熱交換器の熱回収動作を説明するための模式的な説明図である。 本発明に係る給湯システムの他の実施例におけるシステム構成の一部を示す模式的な説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明の例と同一構成要素には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
図1には、本発明に係る給湯システムの一実施例のシステム構成が模式的に示されている。同図に示されている給湯システム1は、貯湯ユニット3と熱源器130(補助熱源装置)を有しており、熱源器130は、給湯用バーナ17と、給湯用バーナ17により加熱される給湯熱交換器29(29a,29b)を備えた給湯回路とを有している。また、熱源器130は、暖房用バーナ16と、暖房装置に接続される暖房回路とを有しており、この暖房回路は、液体循環通路5を有し、液体循環通路5には、暖房用バーナ16により加熱される暖房用熱交換器28(28a,28b)と、該暖房用熱交換器28(28a,28b)を通して液体の熱媒体(例えば温水)を循環させる液体循環ポンプ6とが設けられている。
熱源器130は器具ケース42を有しており、器具ケース42内に設けられた燃焼室24に暖房用バーナ16と暖房用熱交換器28(28a,28b)とが設けられ、燃焼室25に給湯用バーナ17と給湯熱交換器29(29a,29b)が設けられている。暖房用バーナ16の下部側には暖房用バーナ16の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン18が設けられ、給湯バーナ17の下部側には給湯バーナ17の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン19が設けられている。
暖房用熱交換器28bと給湯熱交換器29bは、これらの熱交換器28b、29bを通る熱媒体(例えば水)によって排気ガス中の顕熱を回収するメインの熱交換器(一次熱交換器)であり、暖房用熱交換器28aと給湯熱交換器29aは、これらの熱交換器28a、29aを通る熱媒体(例えば水)によって燃焼ガス中の潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器(二次熱交換器)である。暖房用熱交換器28aを通った熱媒体(例えば湯水)が暖房用熱交換器28bに導入され、給湯熱交換器29aを通った湯水が給湯熱交換器29bに導入される。
例えば図6には、これらの一次熱交換器と二次熱交換器の接続状態を簡略化した模式図が示されており、これらの熱交換器を通る熱媒体(ここでは水および湯)の流れの方向が矢印Wで示され、バーナ装置からの燃焼ガスの流れが破線矢印により示されている。バーナ装置からは例えば平均1000〜1500℃の燃焼ガス(燃焼排ガス)が発生し(図のA、B部、参照)、この熱い燃焼ガスによって一次熱交換器が加熱される。なお、同図に示されるように、これらの熱交換器の管路周辺を流れる燃焼ガスの流れ方向と熱交換器内を通る水が流れる方向とは逆方向になる。
熱交換器が結露するかどうかは、例えば給湯システムが配置されている環境にも左右され、例えば雨の日等の湿度が高いときには結露が生じやすいが、そのような結露が生じやすい環境下でも顕熱回収用の熱交換器(一次熱交換器・メインの熱交換器)には結露が生じないように、顕熱回収用の熱交換器の熱効率が設定される。
つまり、顕熱回収用の熱交換器は通常、銅製であるため、結露すると腐食してしまうので潜熱を回収しないように設計されており、一次熱交換器の管路周辺を流れる燃焼ガスの温度が低くても例えば平均210℃以上となるように(例えば一次熱交換器の出側に至るまで、つまり、図のCの部分でも170℃〜250℃程度になるように)、熱源装置の構成が設計される。なお、一次熱交換器の管路周辺を流れる燃焼ガスには温度分布があり、周知の如く、一次熱交換器の管路の周りには、一般に、管路と略直交する方向に互いに間隔を介してフィンが設けられるが、そのフィンの近傍を通る燃焼ガスの温度は低めとなる。
それに対し、二次熱交換器は例えばステンレス製であって結露による腐食が生じないので、燃焼ガスの顕熱を回収すると共に、例えば平均210℃以上の燃焼ガスの温度を平均50℃程度に下げ(図のDの部分の燃焼ガス温度が平均50℃程度)、二次熱交換器の管路近傍においては、その温度よりも低い例えば45℃以下に燃焼ガスの温度を下げて燃焼ガスの潜熱も回収する。つまり、二次熱交換器は燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器であるが、当然、燃焼ガスの顕熱も回収する。
また、燃焼ガスの温度と熱交換器に導入される水の温度との温度差が大きいほど熱交換器の熱効率が高くなる傾向があり、例えば図5には、暖房設定温度を60℃としたときの暖房側の入水温度の違いによる熱効率(暖房効率)の推定データ(実験に基づく推定データ)が示されているが、図5の特性線aに示されるように、顕熱回収の熱効率は、入水温度が高くなるにつれて低くなり、入水温度が低くなるにつれて高くなると推定される。
また、前記の如く、潜熱回収用熱交換器は燃焼ガスの顕熱(顕熱回収用の熱交換器によって回収できなかった顕熱)と潜熱の両方を回収し、潜熱回収用熱交換器による顕熱回収は、例えば潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が高めでも(例えば40℃を超えても)支障なく行われる。そのため、潜熱回収用熱交換器を設けると、たとえ給湯システムの配置環境によって顕熱熱交換器の顕熱回収率が低いときでも顕熱熱交換器によって回収しきれなかった顕熱を潜熱回収用熱交換器により回収できる。そのため、潜熱回収用熱交換器を設けると、潜熱回収用熱交換器を設けない場合に比べて熱交換器全体としての熱効率を向上でき、給湯システムの熱効率を向上できる。
さらに、潜熱回収用熱交換器による燃焼ガス中の潜熱の回収は、導入される水の温度が40℃以下の場合には効率良く行われるので、潜熱回収用熱交換器に導入される水の温度が40℃以下の低い温度となるようにすると、さらに給湯システムの熱効率を向上できる。なお、潜熱回収用熱交換器によって燃焼ガス(例えば温度が1000℃を超えるガス)中の潜熱回収を行うことによりもたらされる熱効率の向上作用も、燃焼ガスの温度と熱交換器に導入される水の温度との温度差が大きいほど熱効率が高くなる傾向があると考えられ、潜熱回収も含めた熱効率の推定値は図5の特性線bに示されるようになる。
なお、潜熱回収用熱交換器においてはドレンが発生するので、図1に示されるように、暖房用熱交換器28aと給湯熱交換器29aの下側にドレン回収手段(ドレン受け部)72が設けられ、このドレン回収手段72によって回収されるドレンは、ドレン排出通路75を通してドレン中和器76に導入され、ドレン中和器76で中和された後に、ドレン排出通路77を通って給湯システム1の外部(ドレン排出通路77の先端部が接続されている排水口等)に導かれる。
暖房用バーナ16および給湯バーナ17には、それぞれのバーナ16,17に燃料を供給するガス管31,32が接続されている。ガス管31,32は、ガス管30から分岐形成されており、ガス管30には、元電磁弁80が設けられている。また、本実施例において、給湯バーナ17および暖房用バーナ16は、それぞれ複数段の燃焼面を持ち、暖房用バーナ16の各燃焼面に供給される燃料の量が、ガス管31に介設された比例弁86の開弁量と電磁弁81,82の開閉制御(燃料の供給や停止)により調節され、給湯バーナ17の各燃焼面に供給される燃料の量が、ガス管32に介設された比例弁87の開弁量と電磁弁83,84,85の開閉制御(燃料の供給や停止)により調節される。
前記液体循環通路5には、シスターンタンク100が設けられており、シスターンタンク100の一部は大気開放と成している。また、シスターンタンク100には、例えば液体の体積膨張等によってシスターンタンク100から溢れた液体のオーバーフロー通路53が接続されて、オーバーフロー通路53の先端部は給湯システム1の外部(排水口等)に導かれている。
液体循環通路5は、器具ケース42内に設けられた管路89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99と、器具ケース42の外部に設けられた外部通路の管路40,41,44,45,59とを有し、管路98には低温能力切り替え熱動弁47が設けられている。管路98に接続されている管路92は暖房用熱交換器28bの出側に設けられており、管路92には暖房用熱交換器28bを通って導出される液体の温度を検出する暖房高温サーミスタ33が設けられている。また、管路95には暖房戻り温検出サーミスタ145が設けられており、暖房用熱交換器28bの入側の管路91には、暖房用熱交換器28bに導入される液体の温度を検出する暖房低温サーミスタ36が設けられている。
前記給湯熱交換器29aの入口側には給水通路88が設けられており、給水通路88には、給水通路88を流れる湯水の量を検出することにより給湯の水量を検出する流量検出手段73と入水温度を検出する入水温度センサ74と、給湯流量を可変するため水量サーボ78が設けられている。また、給水通路88には、接続通路57と補給水電磁弁46を介し、シスターン100が設けられた前記液体循環通路5が接続されている。給湯熱交換器29bの出口側には給湯通路26が設けられており、給湯通路26の先端側は、適宜の給湯先に導かれている。
また、給湯通路26と給水通路88とを、給湯交換器29を介さずに接続するバイパス通路70が設けられ、バイパス通路70の給水通路88との接続部には、バイパス流量弁としてのバイパスサーボ58が設けられている。給湯通路26には、バイパス通路70の形成部よりも下流側に出湯湯温検出センサ113が設けられ、給湯熱交換器29側に出湯湯温検出センサ114が設けられている。
また、この給湯システム1には、往管14と戻り管15を有する追い焚き循環路13を介して浴槽27が接続されており、この追い焚き循環路13は、熱交換器7を介して前記液体循環通路5と熱的に接続されている。熱交換器7は追い焚き循環路13と液体循環通路5の管路89との液―液熱交換器により形成された浴槽湯水追い焚き用の熱交換器であり、管路89の熱交換器7への入口側には流量制御弁38が設けられている。追い焚き循環路13には、浴槽湯水を循環させる浴槽湯水循環ポンプ20が設けられ、熱交換器7は、浴槽湯水循環ポンプ20の駆動によって追い焚き循環路13を循環する湯水を、液体循環通路5を通る(循環する)液体との熱交換によって加熱する構成と成している。
また、追い焚き循環路13には、浴槽湯水の温度を検出する風呂温度センサ21と、浴槽湯水の水位を検出する水位センサ22と、追い焚き循環路13の水流を検知する風呂水流スイッチ34とが設けられている。浴槽湯水循環ポンプ20の吸入口側に、戻り管15の一端側が接続され、戻り管15の他端側が循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。浴槽湯水循環ポンプ20の吐出口側には、往管14の一端側が接続され、往管14の他端側は循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。
前記給湯通路26には、分岐通路70の形成部および出湯湯温検出センサ113の配設部よりも下流側に、管路54を介して注湯水ユニット55が接続されており、注湯水ユニット55には風呂用注湯導入通路23の一端側が接続され、風呂用注湯導入通路23の他端側は、前記浴槽湯水循環ポンプ20に接続されている。注湯水ユニット55には、湯張り電磁弁48、湯張り水量センサ49、逆止弁50a,50bが設けられている。なお、給湯熱交換器29から給湯通路26と管路54、注湯水ユニット55、風呂用注湯導入通路23、浴槽湯水循環ポンプ20、熱交換器7、往管14を順に通って浴槽27に至るまでの通路によって、湯張りや注水を行うための湯張り注水通路が構成されている。
前記貯湯ユニット3は、図3に示した構成と同様の構成を有しており、図1の矢印Xに示されるように、給水通路61が熱源器130の給水通路88を介して給水供給源に接続されている。貯湯タンク120には、貯湯タンク120内の湯水温を検出する貯湯槽内湯水温検出手段67が、貯湯タンク120内または貯湯タンク120の側壁に、互いに上下方向に間隔を介して複数設けられている。
また、貯湯ユニット3の接続ユニット64が熱源器130の給水通路88に図の矢印Yの位置で接続されており、貯湯タンク120から湯の通路63と通路66とを通して熱源器130の前記給湯回路に湯が導入される構成を有している。なお、図1においては、図の簡略化のために、図3に示した接続ユニット64を三方弁の記号により示しているが、接続ユニット64は図3に示したような構成としてもよいし、三方弁により形成してもよい。熱源器130は、導入される湯を給湯熱交換器29(29a,29b)により加熱して又は該給湯熱交換器29(29a,29b)による加熱を行わずに給湯先に給湯する機能を有している。
熱源器130に導入される湯(水)の加熱および非加熱の選択や加熱時における給湯バーナ17の燃焼制御等の制御による給湯運転制御は、熱源器130に設けられている制御装置(図1には図示せず)により行われるものであり、その制御方法については周知であるのでその詳細は省略するが、制御装置には,台所や浴室、居間等の適宜の場所に設けられたリモコン装置(図示せず)が信号接続されており、そのリモコン装置の操作によって定められる給湯設定温度の湯が給湯可能なように適宜の制御が行われる。
また、本実施例において、貯湯ユニット3の貯湯タンク120の側壁には、貯湯タンク120と熱的に接続される貯湯槽加熱用熱交換器125が設けられており、貯湯槽加熱用熱交換器125は,通路126、127と三方弁141とを介して熱源器130内の通路95に接続され、通路95を介して前記暖房回路に接続されている。なお、暖房回路を形成する前記液体循環通路5内の液体の熱媒体(例えば温水)は、必要に応じ、液体循環ポンプ6の駆動によって循環され、液体循環通路5に接続されている暖房装置の一つまたは複数に供給されるものであり、図1では、液体循環通路5には、例えば浴室暖房機等の高温暖房装置106と温水マット10(10a,10b)が接続されている。
暖房装置への熱媒体の供給等の暖房運転制御も、熱源器130に設けられている前記制御装置によって行われるものである。高温暖房装置106には、図1の矢印Aに示されるように、暖房用熱交換器28bで加熱された熱媒体(例えば80℃の湯)が、管路92,97,40を順に通して供給され、供給された熱媒体は、高温暖房装置106の内部通路51を通り、管路41を通って熱媒体合流手段115に導入される。なお、高温暖房装置106には、熱動弁12が設けられており、この熱動弁12が、例えば高温暖房装置106に信号接続されているリモコン装置の運転オンの操作に応じて開かれると、前記のように、熱媒体が高温暖房装置106に通される。
また、この状態で、浴槽湯水の追い焚き運転も行うときには、管路92を通った液体(熱媒体)を、前記の如く図の矢印Bに示すように管路97に通すと共に、流量制御弁38を開くことにより、矢印B’に示すように管路89側にも通し、管路89側(熱交換器7側)に流れた液体を、管路96を通して管路95に戻るようにしながら、浴槽湯水循環ポンプ20を駆動させて、浴槽湯水を図の矢印Hに示すように循環させ、熱交換器7(液−液熱交換器)を介しての、液体循環通路5を通る液体と追い焚き循環路13を通る浴槽湯水との熱交換によって、浴槽27内の湯水の温度(風呂温度センサ21の検出温度)が風呂設定温度となるまで、浴槽湯水の追い焚き運転を行う。
一方、高温暖房装置106の暖房運転を行わずに浴槽湯水の追い焚き運転のみを行うときには、高温暖房装置106の熱動弁12が閉じられているので、暖房用熱交換器28bで加熱した高温設定温度の液体(例えば80℃の液体)を、矢印Aに示すように管路92に通した後、管路97には通さずに、図の矢印B’に示すように管路89側に通す。そして、前記と同様に、この液体と浴槽湯水とを液―液熱交換器7を介して熱交換することにより浴槽27内の湯水の追い焚き運転を行う。
温水マット10には、暖房用熱交換器28aで加熱された熱媒体を、図1の矢印Dに示されるように管路94に通した後に、シスターンタンク100に通し、図の矢印Eに示されるように管路93に通して液体循環ポンプ6から吐出し、管路90,44に順に通して供給される。なお、管路94には、暖房用熱交換器28b側から導出された熱媒体が管路92側から管路99を介して導入され、合流した熱媒体がシスターン100内に導入される。また、必要に応じて低温能力切替熱動弁47を開くことによって、管路98を介しての管路92側から管路94側への熱媒体の導入も行われ、シスターン100内に導入される。
その結果、シスターン100内の温度が例えば60℃程度となるようにされるものであり、低温能力切替熱動弁47は温水マット10等の低温暖房装置の稼働時に必要に応じて開かれるので、低温能力切替熱動弁47が閉じているときは管路98を介しての管路92側から管路94側への熱媒体の導入は行われないが、管路99を介しての管路92側から管路94側への熱媒体の導入は行われ、この熱媒体の流量が検出されれば暖房用バーナ16の燃焼開始を行うことができる。
温水マット10への熱媒体の供給は、器具ケース42内の液体分岐手段37に設けられている熱動弁2のうち、稼働する(運転する)温水マット10(10a,10b)に対応する熱動弁2(2a,2b)が、例えば温水マット10に信号接続されているリモコン装置の運転オンの操作に応じて開かれることにより行われる。高温暖房装置106の加熱や浴槽湯水の追い焚きを行わずに温水マット10を加熱するときには、例えば管路内が温められるまでの間に行われるホットダッシュ運転時には例えば80℃、それ以外は例えば60℃とされる。
なお、液体循環ポンプ6の吐出側の通路は、以上のように温水マット10側に熱媒体を供給する管路90に加え、暖房用熱交換器28b側に通じる管路91に分岐接続されており、管路91を通った熱媒体は、図の矢印Fに示されるように暖房用熱交換器28b側に導入される。
温水マット10に供給された熱媒体は、温水マット10の内部通路52を通り、管路44を通って熱媒体合流手段115に導入される。また、高温暖房装置106に導入されて高温暖房装置106を通った熱媒体は、管路41を通って熱媒体合流手段115に導入される。熱媒体合流手段115は、管路59を介して器具ケース42内の管路95に接続されており、熱媒体合流手段115に導入された熱媒体は、管路95を通って暖房用熱交換器28a側に戻る。
ところで、本実施例の給湯システム1において、前記の如く、給湯運転制御や暖房運転制御は、熱源器130に設けられた制御装置によって行われるものであるが、この制御装置は、これらの運転制御に加え、以下に述べるような特徴的な構成を有している。つまり、図2に示されるように、制御装置101は、経路切り替え制御手段68と発電装置メンテナンス中判断手段69とを備えており、必要に応じ、暖房回路内を循環する熱媒体の熱を利用して貯湯タンク120内の湯水を加温して給湯運転を効率的に行える機能を有している。以下に、その詳細について述べる。
前記の如く、本実施例において発熱体2は発電装置により形成されており、発電装置メンテナンス中判断手段69は、発電装置(図2では発熱体2と記載)のメンテナンス情報を取り込んで該発電装置がメンテナンス中であると判断する。なお、発電装置メンテナンス中判断手段69は、貯湯槽内湯水温検出手段67により検出される検出温度に基づいて発電装置がメンテナンス中であると判断するようにしてもよい。例えば、発電装置メンテナンス中判断手段69は、貯湯タンク120からの出湯の無い時間が予め定められるメンテナンス判断時間(例えば4時間)以上経過し、かつ、例えば最上位置にある貯湯槽内湯水温検出手段67による検出温度が予め定められるメンテナンス判断基準温度(例えば35℃)以下のときには発電装置がメンテナンス中であると判断することができる。
経路切り替え制御手段68は、三方弁141を切り替え制御し、暖房用熱交換器28から暖房装置(高温暖房装置106や温水マット10)に導入される熱媒体(ここでは温水)の前記暖房装置からの導出後の熱媒体を、貯湯槽加熱用熱交換器125に通してから暖房用熱交換器28側に通して循環させる貯湯槽側経由経路と、貯湯槽加熱用熱交換器125に通さずに直接的に暖房用熱交換器28側に通して循環させるメイン循環通路とを切り替える手段である。経路切り替え制御手段68は、予め定められる暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときには、暖房回路を循環する前記熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させる。
例えば経路切り替え制御手段68は、発電装置メンテナンス中判断手段69により発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたと判断する。そして、このとき、温水マット10等の暖房装置からの戻り温度を暖房戻り温検出サーミスタ145により検出し、その検出温度が高い場合(暖房戻り温検出サーミスタ145で検出される温度が貯湯槽内湯水温検出手段67により検出される温度よりも予め定められる例えば10℃といった設定余剰温度以上高い場合)には、原則として、三方弁141を貯湯タンク120側に切り替え、暖房回路の熱媒体を前記貯湯槽側経由経路で循環させる。
そして、暖房回路の熱媒体によって貯湯タンク120内の湯水を加温すると共に、この加温によって熱媒体の熱を放熱してから潜熱回収用の暖房用熱交換器28aに送り込む。このようにすると、暖房用熱交換器28aに戻る熱媒体の温度が、例えば40℃以下の温度に低くなるため、暖房用熱交換器28aの潜熱回収効率を高くすることができる。
つまり、例えば図4に示されるように、温水マット10によって、その配置空間(部屋)を暖める場合に、図の左側に示す部屋Aが冷えている状態のときに温水マット10に熱媒体を供給すると、冷えていた空間が温水マット10を通る熱媒体からの放熱により暖められる分、暖房用熱交換器28に戻ってくる熱媒体の温度は急激に低下するのに対し、図の右側の部屋Bを温める場合には、部屋B内の空間がある程度暖められている状態であることから、温水マット10を通る熱媒体からの放熱量は小さくなり、暖房用熱交換器28に戻ってくる熱媒体の温度低下は小さい。
例えば、同図に示されるように、部屋Aの室温が3℃、熱媒体である温水の流量が3.5リットル/分、温水マット10に供給される温水の往き温度が60℃の場合、1時間に6300kcalの放熱が行われ、暖房用熱交換器28に戻ってくる戻り温度は30℃となり、40℃以下となる。一方、部屋Bの室温が25℃、温水の流量が3.5リットル/分、温水マット10に供給される温水の往き温度が60℃の場合、1時間に2100kcalの放熱が行われ、暖房用熱交換器28に戻ってくる戻り温度は50℃となり、40℃より高くなる。
なお、経路切り替え制御手段68は、床暖房等の戻り温度が低い場合(暖房戻り温検出サーミスタ145で検出される温度が貯湯槽内湯水温検出手段67により検出される温度よりも低い場合、または同じ場合、あるいは高くても前記設定余剰温度未満の場合)には、三方弁141の貯湯タンク120側への切り替えは行わずに、前記メイン循環通路を通して熱媒体を循環させて潜熱回収用の暖房用熱交換器28aに戻すようにする。この場合は、暖房回路を通る熱媒体によって貯湯槽加熱用熱交換器125を介しての貯湯タンク120の湯水加温はできないが、暖房用の熱媒体の戻り温度が低く、暖房用熱交換器28aに導入される熱媒体の温度が低いので、暖房用熱交換器28aの潜熱回収効率は高い。
また、経路切り替え制御手段68は、温水マット10等の暖房装置が運転(稼働)されていない場合には、以下のようにして、暖房回路を通る熱媒体によって貯湯槽加熱用熱交換器125を介しての貯湯タンク120の湯水加温ができるようにする。つまり、本実施例において、暖房回路を形成する通路89,96,104は、暖房用熱交換器28(28a,28b)により加熱された熱媒体を暖房装置に通さずに暖房用熱交換器28aの入側に戻すバイパス通路として機能することができ、通路104に設けられているバイパス弁103を開いたり、通路89,96に熱媒体を通すための風呂流量制御弁38を開いたりすることによって、通路89,96,104をバイパス通路として機能させることができる。
つまり、温水マット10等の暖房装置の運転が行われていないことにより、通路40を通しての高温暖房装置106への熱媒体供給や通路45を通しての温水マット10への熱媒体供給が行われなくても、風呂流量調節弁38を開いて熱媒体を通路89,96に通したり、バイパス弁103を開いて熱媒体を通路104に通したりすることにより(液体循環ポンプ6が駆動していなかった場合には駆動させ)、熱媒体を暖房回路に循環させることができる。なお、風呂流量調節弁38を開いて熱媒体を通路89,96に通す際に、浴槽湯水の追い焚きが不要であれば、浴槽湯水循環ポンプ20を駆動せずに熱媒体を暖房回路に循環させる。
そして、暖房用熱交換器28bから導出される高めの温度の熱媒体(温水)を通路95から通路126を介して貯湯槽加熱用熱交換器125に通し、通路127を通して通路95に戻してから暖房用熱交換器28a側に戻す(貯湯槽側経由経路で循環させる)。
また、暖房装置(温水マット10や高温暖房装置106)が運転(稼動)していても、利用する熱媒体の熱量が予め定められる設定熱量より少ないときには、暖房装置を駆動させながら、熱媒体の一部を同様に、前記バイパス通路(通路89,96や通路104)を通して貯湯槽加熱用熱交換器125に通してから暖房用熱交換器28a側に戻す。
以上のようにして、本実施例では、暖房回路における貯湯槽側経由経路での熱媒体循環によって、熱源器130の号数が小さくても(給湯能力が小さくても)十分な量の給湯を行うことができるものである。以下に、熱源器130の給湯能力が16号の場合と13.7号の場合における貯湯タンク120内湯水の好ましい加熱例について、24号給湯器の特性と比較しながら述べる。
表1には、24号給湯器の1分間毎の出湯量(給湯流量)の特性データ(出湯可能量)が、L(リットル)/min(分)の単位で示されている。24号給湯器は、前記のように、給水温度より25℃高い温度の湯を1分間に24リットル給湯可能な能力を有していることから、表1にも示されているように、例えば入水温度が25℃で給湯設定温度が50℃(給湯設定温度と入水温度との差が25℃)の場合に、24L/minの出湯量を得ることができ、入水温度が0℃で給湯設定温度が50℃の場合には、12L/minの出湯量を得ることができる。
Figure 0006454557
つまり、24号給湯器は、1時間に24×1500kcal=36000kcalの熱を水に与えることができ、1分間に600kcalの熱を水に与えることができるので、例えば前記の如く給湯設定温度が50℃の場合に、入水温度が25℃の場合は、(50℃−25℃)×24リットル/分=600kcal/分(24号)となり、入水温度が0℃の場合は、(50℃−0℃)×12リットル/分=600kcal/分(24号)となる。
なお、表1において、数値に取り消し線が記されているものは、出湯量が24L/minよりも大きいものであり、このように出湯量が大きいと給湯回路を通る湯の流速が速くなり、エロ−ジョンコロージョンが発生しやすくなる。そのため、このような場合は、例えば銅により形成されている管路に損傷を与える可能性がある。そのため、このような大きな出湯量が得られるような態様での使用は避ける必要がある。
また、表2には、16号給湯器において24号給湯器と同等の出湯特性を得るために必要な上乗せ温度が、入水温度と設定温度とに対応させて示されている。この表2を参照すると、例えば、上乗せ温度は、入水温度が0℃で給湯設定温度が50℃の場合は、16.67℃、入水温度が25℃で給湯設定温度が50℃の場合は、8.33℃となる。
Figure 0006454557
表2における上乗せ温度の求め方は、以下の式によるものである。つまり、16号給湯器は、1時間に16×1500kcal=24000kcalの熱を水に与えることができ、1分間に400kcalの熱を水に与えることができるので、入水温度0℃、給湯設定温度50℃の場合に、この条件における24号給湯器と同じ給湯流量である12リットル/分の給湯流量を得るためには、次式(1)を満たす上乗せ温度Uを上乗せすることが必要となる。
(50℃−0℃−U)×12リットル/分=400kcal/分(16号)・・・(1)
この式(1)を満たすU=16.67℃となり、表2に示される上乗せ温度が算出される。同様に、入水温度25℃、給湯設定温度50℃の場合は、次式(2)を満たす上乗せ温度Uを上乗せすることが必要となり、このUは8.3℃と算出される。
(50℃−25℃−U)×24リットル/分=400kcal/分(16号)・・・(2)
同様に、表3には、13.7号給湯器において24号給湯器と同等の出湯特性を得るために必要な上乗せ温度が、入水温度と設定温度とに対応させて示されている。例えば、上乗せ温度は、入水温度が0℃で給湯設定温度が50℃の場合は、21.46℃、入水温度が25℃で給湯設定温度が50℃の場合は、10.73℃となる。
Figure 0006454557
また、この表3における上乗せ温度の求め方は、表2における上乗せ温度の求め方とほぼ同様であり、13.7号給湯器は、1時間に13.7×1500kcal=20550kcalの熱を水に与えることができ、1分間に342.5kcalの熱を水に与えることができるので、入水温度0℃、給湯設定温度50℃の場合は、(50℃−0℃−U)×12リットル/分=342.5kcal/分(13.7号)となるU=21.46℃が上乗せ温度である。また、入水温度25℃、給湯設定温度50℃の場合は、(50℃−25℃−U)×24リットル/分=342.5kcal/分(13.7号)となるU=10.73℃が上乗せ温度となる。
なお、上乗せ温度は、前記式(1)、(2)等によりU、U、U、Uを求めて算出できるものであるが、次式(3)を用いると、より簡単に求めることができる。
上乗せ温度=(給湯設定温度−入水温度)×A/24・・・(3)
ここで、式(3)におけるAは、A=24−熱源器130の号数(給湯能力)の値とする。例えば熱源器130の号数が16号ならばA=8となり、熱源器130の号数が13.7号ならばA=10.3となる。
また、表4、表5には、それぞれ、表2、表3で示した上乗せ温度を給水温度(つまり、貯湯タンク120内に導入される水の温度)に上乗せした場合の温度が示されている。
Figure 0006454557
Figure 0006454557
例えば、表4に示されている16号給湯器における値は、入水温度0℃、設定温度50℃の場合はUと同じで16.67℃となり、入水温度が25℃なら設定温度50℃の場合はU+25℃=33.33℃となる。13.7号給湯器における値を示す表5においても、同様に算出されている。
これらの表4、表5に示されている上乗せ後入水温(上乗せ後入水温度)(単位:℃)の水が貯湯タンク120からに導出されて熱源器130に導入されると、16号給湯器や13.7号給湯器においても24号給湯器と同様の出湯特性が得られることになる。
つまり、熱源器130を16号給湯器により形成する場合には、暖房回路を循環させる熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させて、貯湯槽加熱用熱交換器125によって貯湯タンク120内の湯水温を表2に示されるような上乗せ温度だけ上乗せできるように加熱し、貯湯タンク120から導出されて熱源器130に導入される水の温度を表4に示される温度とすることにより、熱源器130として24号給湯器を適用する場合と同様の給湯特性を得ることができる。
同様に、熱源器130を13.7号給湯器により形成する場合には、貯湯タンク120内の湯水温を表3に示されるような上乗せ温度だけ上乗せできるように加熱し、貯湯タンク120から導出される水の温度を表5に示される温度とすることにより、熱源器130として24号給湯器を適用する場合と同様の給湯特性を得ることができる。なお、表2〜表5においても、表1と対応する部分には取消線が記されている。
また、表1において、給湯設定温度(37℃、40℃、45℃、50℃、60℃)の湯の出湯可能量が24L/minとなるようにするための入水温度は、それぞれ、12℃、15℃、20℃、25℃、35℃である。そこで、表2、表3において、この給湯設定温度と入水温度との組み合わせに対応する組み合わせにおける上乗せ温度だけ、貯湯槽加熱用熱交換器125によって貯湯タンク120内の湯水温を上乗せすれば、各給湯設定温度の湯を24L/minの出湯量で出湯することができることになる。
つまり、16号給湯器においては、原則として上乗せ温度を8.33℃とすれば、各給湯設定温度の湯を24L/minの出湯量で出湯することができ、16号給湯器においては、原則として上乗せ温度を10.73℃とすれば、各給湯設定温度の湯を24L/minの出湯量で出湯することができることになる。そして、これらの上乗せ温度を給水源からの入水温度(表4、5における実入水温度)に加えた値(表4、表5に示す各値)となるように、貯湯タンク120の下部側に貯留される水の温度をすることによって各給湯設定温度の湯を24L/minの出湯量で出湯することができる。
そこで、本実施例では、暖房回路を循環させる熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させて、貯湯槽加熱用熱交換器125によって貯湯タンク120内の湯水温を上昇させる際に、原則として、貯湯槽内湯水温検出手段67の検出温度がこれらの上乗せ温度の上乗せによって表4、表5に示される温度になるように、あるいは,その温度に近い値となるように、暖房回路に貯湯槽側経由経路で熱媒体を循環させるようにしている。ただし、表2〜表5において取り消し線を記した部分においては、前記の如く、水の流速が速すぎて支障が生じる部分であるために貯湯タンク120の下部側に貯留される水の加熱は行わず、表4、表5における太線枠内については加熱後の水の温度が衛生上好ましくないために、貯湯タンク120の下部側に貯留される水の加熱は行わない。
なお、暖房装置を通って貯湯槽加熱用熱交換器125に導入される熱媒体の温度は暖房装置による放熱後であるために、例えば80℃といったような熱源器130から暖房装置に供給される熱媒体の温度よりも低く、貯湯槽加熱用熱交換器125による貯湯タンク120の加熱はじっくりと行われる。また、この加熱は、暖房装置によって放熱した後の熱媒体の熱を利用するものであり、この利用が無ければもともと無駄にしてしまう熱であるので、この熱利用により省エネ化を行うことができるし、前記の如く、放熱後の低い温度の熱媒体を潜熱回収用の暖房用熱交換器28aに導入することにより潜熱回収効率を向上させて熱効率を向上させることができる。
ところで、貯湯タンク120に貯留する水が高めのときには、貯湯槽加熱用熱交換器125による加熱を行わなくとも給湯設定温度の湯を十分に給湯できるため、貯湯槽加熱用熱交換器125による加熱を行わなくてもよく、また、貯湯タンク120内の湯水温が高めの状態で長く貯留された場合には衛生上の懸念も生じる。さらに、本実施例では発熱体2が発電装置により形成されて、貯湯タンク120からの冷却水を加熱するタイプであるので、貯湯タンク120側から発電体2側に送る水は冷却水となるため、その水温が低い方が好ましい。
以上のようなことを考慮し、本実施例では、暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときでも、以下のように、場合によっては暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させるようにしている。
例えば、経路切り替え制御手段68は、貯湯槽内湯水温検出手段67により検出される貯湯槽の下部側の水の温度が予め定められる加熱不適貯湯槽水温度より高いときには、暖房回路の熱媒体を、貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させる。また、経路切り替え制御手段68は、貯湯槽内湯水温検出手段67により検出される貯湯槽の下部側の水の温度を時系列的に検出し、その温度が前記加熱不適貯湯槽水温度より高くなりそうなときには、貯湯槽内湯水温検出手段の検出温度が加熱不適貯湯槽水温度より高くなる前に(高くならないように)、暖房回路の熱媒体をメイン循環経路で循環させるように切り替える。
例えば、表4、表5を参照すると明らかなように、16号給湯器において給湯設定温度が50℃のときと60℃のときや13.7号給湯器において給湯設定温度が45℃〜60℃のときには、各給湯設定温度の湯を24L/minで出湯可能とするためには、上乗せ後の入水温度が29℃以上となるようにしなければならないことになるが、このように貯湯タンク120の下部側に貯留される水の温度を29℃以上とすると衛生上好ましくないといった問題が生じることになる。
そのため、給湯設定温度が50℃や60℃の場合(13.7号給湯器の場合には45℃以上の場合)には、出湯量が24L/minとなるような上乗せ温度の上乗せは行わずに、上乗せ温度上乗せ後の温度が28℃以下となるようにする(貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させる、あるいは、貯湯槽側経由経路で循環させても、途中でメイン循環経路に切り替えて循環させて貯湯タンク120の下部側に貯留される水の温度が28℃を超えないように抑える)。そうすると、出湯量は24L/minよりも小さくなってしまうが、一般に、前記のような高温での出湯を大流量で行うケースはまれであるため、利用者にそれほど不具合を感じさせることはない。
さらに、本実施例においては、給湯システム1の配設領域の温度を検出する装置配設領域温度検出手段としての外気温センサ146を有しており(図1には図示せず、図2を参照)、外気温センサ146により検出される検出温度が予め定められる加熱不適配設領域温度より高いときには、経路切り替え制御手段68は、暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させる。つまり、気温が高めのときに、大流量でシャワーを浴びる人は殆どいないし、気温が高めのときには給水温度(貯湯槽への入水温度)も高めであるため、貯湯槽加熱用熱交換器125による加熱を行わなくてもよいことが殆どとなるため、このような制御を行うようにしている。
なお、このような外気温センサ146の配設や、外気温センサ146の検出温度に基づく経路切り替え制御手段68による経路切り替え動作制御は行わないようにしてもよい。
また、例えば、湯の流量が少なくて使い勝手が良くないと利用者が感じるのは主にシャワーを浴びるときのことであり、台所や洗面所における洗い物(食器洗い等)においては大流量でなくともそれほど使い勝手が悪いとは感じにくいものである。
また、前記の如く、例えば24号の給湯能力を有する給湯システムであれば、冬等の気温が低いときにも15リットル/分程度の流量でシャワーを浴びることができるが、給湯能力が16号であれば、流量は、24号の場合の3分の2の10リットル/分程度になってしまうことから非常に不快に感じるのに対し、夏等の気温が高いときであれば、たとえ16号の給湯能力を有する給湯システムでも16リットル/分程度の流量のシャワーを浴びることができ、それほど不快には感じないものである。それに対し、前記式(3)によれば、入水温度が高いほど上乗せ温度(基本給水予熱温度)が高くなってしまうことになるため、このようなことを考慮して、式(3)により求めた値を入水温度が高くなるにつれて小さくなるように補正してもよい。
さらに、式(3)によれば、給湯設定温度が高いほど上乗せ温度が高くなることになるが、給湯設定温度が高い状態で大流量の湯を使用する機会は少ないと考えられるので、式(3)により求めた値を給湯設定温度が高くなるにつれて小さくなるように補正してもよい。
さらに、貯湯タンク120内に貯留されている湯(図3のBで示されている境界線の上に貯留されている湯であり例えば60℃程度の高めの湯)の量が少ないと、Bの境界線の上に貯湯されている湯が出た後に、その下部側に貯留されていて暖房側の熱により予熱された水が貯湯タンク120から導出されるまでの時間が短くなるため、例えば貯湯槽内湯水温検出手段67の検出温度に基づいて貯湯タンク120の上部側(例えば図3に示した線Bよりも上側)の湯の量を推定し、その量が多くなるにつれて式(3)により求めた値を小さくなるように補正してもよい。
さらに、式(3)で求める上乗せ温度が高くなるにつれて小さくなる係数を上乗せ温度にかけた温度だけ実際には上乗せするように補正してもよい。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な態様を採り得る。例えば、暖房利用貯湯槽加熱設定条件は前記実施例において定めた条件に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。ただし、前記実施例のような条件を定めると、給湯システム1の小型化と良好な使い勝手と、貯湯タンク120内の良好な衛生状態と、発熱体2を発電装置等により形成する際における発熱体2の発熱効率の向上とを実現することができるために好ましい。
また、発熱体2は必ずしも発電装置とするとは限らず、従来例で述べたように、例えば太陽熱を集熱する集熱器を備えた太陽熱温水ユニットやヒートポンプユニット等を発熱体2として適用することもできる。ただし、発熱体2を発電装置により形成すると、発電装置により発電した電力を利用者の電力負荷装置に供給することにより、電力利用もできるため、より一層利便性と省エネ性とを備えた給湯システムを実現することができる。
さらに、前記実施例では、熱源器130の暖房用熱交換器28と給湯熱交換器29は共に、潜熱回収用熱交換器とメインの熱交換器とを有する構成としたが、少なくとも一方の潜熱回収用熱交換器を省略することもできる。ただし、潜熱回収用熱交換器を設ける方が熱交換器の熱効率を向上させることができるので好ましい。
さらに、前記実施例では、熱源器130において、暖房用熱交換器28と給湯熱交換器29とが個別に形成されて配置され、暖房用バーナ16と給湯バーナ17もそれぞれ個別に形成されていたが、暖房用バーナ16と給湯バーナ17とを共通のバーナとし(この共通のバーナが暖房用としても給湯用としても給湯と暖房の同時燃焼用としても用いられるようにし)、暖房用熱交換器28と給湯熱交換器29は、それぞれの熱交換器を形成する管路は別だが一体化配置されている構成(通称、一缶二水式)を有する熱源器130としてもよい。
さらに、本実施例において、貯湯槽加熱用熱交換器125は、貯湯ユニット3の貯湯タンク120の側壁に設けていたが、例えば図7に示すように、貯湯タンク120内に管路132を持つ熱媒体循環経路133と循環ポンプ134と液−液熱交換器135とを備えた貯湯槽加熱用のユニットを貯湯槽加熱用熱交換器125とし、液−液熱交換器135を介して熱源器130側からの熱を貯湯タンク120が間接的に受熱することにより加熱される態様であってもかまわない。なお、図7において、符号129,131はサーミスタを示す。
さらに、前記実施例では、熱源器130の暖房回路に2つの温水マット10と1つの高温暖房装置106を接続したが、暖房回路には適宜の暖房装置が接続されて本発明の給湯システムが用いられるものである。
本発明の給湯システムは、貯湯槽(貯湯タンク)と補助熱源装置とを設けて、小型であっても給湯能力が高く、かつ、暖房利用もできるので、使い勝手が良好であり、例えば家庭用の給湯システムとして利用できる。
1 給湯システム
2 発熱体
3 貯湯ユニット
5 液体循環通路
6 液体循環ポンプ
10 温水マット
16 暖房用バーナ
17 給湯バーナ
28 暖房用熱交換器
29 給湯熱交換器
67 貯湯槽内湯水温検出手段
68 経路切り替え制御手段
69 発電装置メンテナンス判断手段
74 入水温度センサ
101 制御装置
103 バイパス弁
104 通路
130 熱源器
141 三方弁

Claims (9)

  1. 貯湯槽と、該貯湯槽に貯留されている水を加熱する貯湯水加熱手段と、前記貯湯槽の上部側から湯を導出する湯の通路と、該湯の通路に接続された補助熱源装置とを有し、該補助熱源装置は、給湯用バーナと、該給湯用バーナにより加熱される給湯熱交換器を備えた給湯回路と、暖房用バーナと、該暖房用バーナにより加熱される暖房用熱交換器と該暖房用熱交換器を通して熱媒体を循環させる循環ポンプとを備えて暖房装置に接続される暖房回路とを有し、前記給湯回路に前記湯の通路から導入される湯を前記給湯熱交換器により加熱して又は該給湯熱交換器による加熱を行わずに給湯先に給湯する機能を有し、前記貯湯槽には該貯湯槽と熱的に接続される貯湯槽加熱用熱交換器が設けられ、前記暖房熱交換器から前記暖房装置に導入される前記熱媒体を該暖房装置からの導出後に前記貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に通して循環させる貯湯槽側経由経路と前記貯湯槽加熱用熱交換器に通さずに直接的に前記暖房用熱交換器側に通して循環させるメイン循環通路とを切り替える経路切り替え制御手段が設けられており、該経路切り替え制御手段は予め定められる暖房利用貯湯槽加熱設定条件が満たされたときに前記暖房回路を循環する前記熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させて前記暖房回路を循環する熱媒体で前記貯湯槽内の湯水を加温する構成と成し、前記暖房利用貯湯槽加熱設定条件には、前記暖房装置からの戻り温度が貯湯槽内湯水温よりも予め定められる設定温度以上高い、という条件が含まれることを特徴とする給湯システム。
  2. 貯湯槽と、該貯湯槽に貯留されている水を加熱する貯湯水加熱手段と、前記貯湯槽の上部側から湯を導出する湯の通路と、該湯の通路に接続された補助熱源装置とを有し、該補助熱源装置は、給湯用バーナと、該給湯用バーナにより加熱される給湯熱交換器を備えた給湯回路と、暖房用バーナと、該暖房用バーナにより加熱される暖房用熱交換器と該暖房用熱交換器を通して熱媒体を循環させる循環ポンプとを備えて暖房装置に接続される暖房回路とを有し、前記給湯回路に前記湯の通路から導入される湯を前記給湯熱交換器により加熱して又は該給湯熱交換器による加熱を行わずに給湯先に給湯する機能を有し、前記貯湯槽の側壁外面下部には該貯湯槽と熱的に接続される貯湯槽加熱用熱交換器が設けられ、前記暖房用熱交換器から導出される前記熱媒体を前記暖房回路に接続される前記貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に通して循環させる貯湯槽側経由経路と前記貯湯槽加熱用熱交換器に通さずに直接的に前記暖房用熱交換器側に通して循環させるメイン循環通路とを切り替える経路切り替え制御手段が設けられており、前記暖房回路を循環する熱媒体の温度が前記貯湯槽内の湯水温度よりも予め定められる設定温度以上高い状態で前記暖房回路を循環する熱媒体で前記貯湯槽内の湯水を加温する運転動作モードを有し、該運転動作モード時には前記経路切り替え制御手段の経路切り替えにより前記暖房回路を循環する前記熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させる構成と成すことを特徴とする給湯システム。
  3. 暖房用熱交換器は、熱交換器を通る熱媒体により暖房用バーナの燃焼ガスの顕熱を回収するメインの熱交換器と熱交換器を通る熱媒体により前記燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器とを有し、前記熱媒体は該潜熱回収用熱交換器を通った後に前記メインの熱交換器を通って循環することを有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の給湯システム。
  4. 暖房回路には暖房用熱交換器により加熱された熱媒体を暖房装置に通さずに前記暖房用熱交換器の入側に戻すバイパス通路が設けられ、経路切り替え制御手段は、前記暖房回路を循環する熱媒体を前記貯湯槽加熱用熱交換器に通して前記貯湯槽内の湯水を加温する運転動作を行う際に、前記暖房装置の運転が行われていないときには前記熱媒体を前記暖房装置には通さずに前記バイパス通路を通して貯湯槽加熱用熱交換器に通してから前記暖房用熱交換器側に戻すことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の給湯システム。
  5. 暖房装置により利用する熱媒体の熱量が予め定められる設定熱量より少ないときには前記熱媒体の一部をバイパス通路を通して貯湯槽加熱用熱交換器に通してから暖房用熱交換器側に戻すことを特徴とする請求項記載の給湯システム。
  6. 貯湯水加熱手段は発電装置により形成され、該発電装置のメンテナンス情報を取り込んで該発電装置がメンテナンス中であると判断する発電装置メンテナンス中判断手段を有し、経路切り替え制御手段は前記発電装置メンテナンス中判断手段により前記発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに前記暖房回路を循環する熱媒体を前記貯湯槽加熱用熱交換器に通して前記貯湯槽内の湯水を加温する動作時と判断して前記暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の給湯システム。
  7. 貯湯水加熱手段は発電装置により形成され、貯湯槽内の湯水温を検出する貯湯槽内湯水温検出手段を有し、該貯湯槽内湯水温検出手段により検出される検出温度に基づき前記発電装置がメンテナンス中であると判断する発電装置メンテナンス中判断手段を有し、経路切り替え制御手段は前記発電装置メンテナンス中判断手段により前記発電装置がメンテナンス中であると判断されたときに前記暖房回路を循環する熱媒体を前記貯湯槽加熱用熱交換器に通して前記貯湯槽内の湯水を加温する動作時と判断して暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させる構成と成し、前記発電装置メンテナンス中判断手段が、前記発電装置がメンテナンス中である、と判断する条件には前記貯湯槽からの出湯の無い時間が予め定めた時間以上経過し、かつ、前記貯湯槽の最上位に位置する湯水温検出手段の検出温度が予め定められる判定基準温度以下という条件が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の給湯システム。
  8. 貯湯槽内の湯水の温度を検出する貯湯槽内湯水温検出手段を有し、該貯湯槽内湯水温検出手段により検出される貯湯槽の下部側の水の温度が予め定められる加熱不適貯湯槽水温度より高いときには、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の給湯システム。
  9. 給湯システムの配設領域の温度を検出する装置配設領域温度検出手段を有し、該装置配設領域温度検出手段により検出される検出温度が予め定められる加熱不適配設領域温度より高いときには、経路切り替え制御手段は暖房回路の熱媒体を貯湯槽側経由経路で循環させずにメイン循環経路で循環させることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の給湯システム。
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