JP2004107788A - シリコン酸化薄膜またはチタン酸化薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状回転電極または無端状ベルト電極と、当該電極の一部と対向して設けられる対向電極との狭隙間に、大気圧近傍の圧力下でグロー放電によるプラズマを発生させてシリコン系反応ガスを分解させ、前記対極電極上に載置された基材上にシリコン酸化薄膜を成膜するCVD装置を用い、前記シリコン系反応ガスとして、少なくとも不活性ガス、酸素およびシリコン系アルコキシドを含有する反応ガスを用いると共に、反応ガス中のシリコン系アルコキシドの分圧比を0.1〜3.0%として操業する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気圧近傍の圧力下で発生させたグロー放電プラズマを用いて、基材上にシリコン酸化薄膜やチタン酸化薄膜を製造するための有用な方法に関するものである。本発明で得られるシリコン酸化薄膜やチタン酸化薄膜は、フラットパネルディスプレイ(FPD)、建材ガラス、自動車ガラスへのコーティングや食品包装用フィルムへのコーティング等、様々な分野で応用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、表面硬度の向上、特定波長の吸収、ガス透過性の改善、光触媒機能の発揮などを目的として、種々の機能性薄膜(機能性堆積膜)の開発・実用化が進められている。このような機能性薄膜としては、シリコン酸化薄膜やチタン酸化薄膜が代表的なものとして知られている。
【0003】
上記シリコン酸化薄膜を製造する方法としては、10〜1000Pa程度の減圧条件下でグロー放電によるプラズマを発生させて基板上に薄膜を形成する減圧プラズマCVD法(減圧プラズマ気相蒸着法)が一般的に採用されている。またこの減圧プラズマCVD法でシリコン酸化薄膜を形成するに当たっては、その原料(シリコンソース)としてN2O−SiH4系やO2−Si(OC2H5)4系等が用いられている。またチタン酸化薄膜を製造するに当たっては、減圧スパッタリング法が一般に採用されており、その原料(チタンソース)として、O2−TiCl4系やO2−Ti(i−OC3H7)4系等が用いられている。
【0004】
しかしながら、上記各方法におけるような低圧条件下においては、真空容器や当該真空容器を真空にするためのポンプ等の真空排気設備等が必要になり、また基材を真空容器内に搬送し、成膜、搬出までのタクトタイムの増大や、装置自体のコストが高くなるという問題がある。また、基材の大型化に伴って装置も大型化し、装置コストが非常に高価になる。しかも、こうした従来の技術では、成膜速度をそれほど高くすることができず、生産性が悪いという欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、プラズマ発生によるシリコン酸化薄膜やチタン酸化薄膜の形成において、良質なシリコン酸化薄膜またはチタン酸化薄膜を生産性良くしかも安価に製造することのできる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく、様々な角度から検討した。そして、コスト的に低減するという観点から、大気圧付近の圧力下でグロー放電プラズマを形成する方法に着目した。こうした方法は、例えば特開平6−2149号に提案されており、本発明者からこうした方法を基本的に採用することによって、減圧装置を設けることによる設備やコスト面での不都合を回避できると考えた。
【0007】
一方、薄膜を生産性良く形成する方法として、例えば特開平9−104985号に開示されているような回転電極を用いて成膜する技術に着目した。こうした技術は、放電電極を回転電極とすると共に対向電極上に基材を載置し、回転電極と基材間(以下、「狭隙間」と呼ぶ)にグロー放電によるプラズマを発生させて、プラズマを狭隙間におけるライン状のプラズマとし、プラズマ空間を横切るように基材をスキャンさせることによって、装置の大型化を図ることなく大面積の成膜や表面処理を行うことができるものである。
【0008】
本発明者らは、これらの技術を応用すれば上記目的に適う技術が実現できると考えたのであるが、単純に組み合わせただけでは依然として解決すべき問題が生じることになり、更なる工夫が要求されたのである。即ち、シリコン酸化皮膜を形成する場合に、シリコン系アルコキシドを反応ガスとして用いると共に、大気圧プラズマCVDを適用したときには、シリコン系アルコキシド(Si−O−R、R:アルキル基)が含有するカーボン、或はアルキル有機成分がプラズマ気相反応過程でそのままシリコン酸化薄膜中に取り込まれてしまい、良質な膜が形成できないという問題が生じた。また、酸化・架橋反応を進行させることによってシリコン酸化薄膜の前駆体における分子量を大きくすれば、プラズマ気相反応において有機成分が残留しないことも考えられるが、そうすればパーティクル状のシリコン酸化薄膜が発生することになり、膜における基材への密着性低下や成膜速度の低下を引き起こすという新たな問題が生じることになる。
【0009】
一方、チタン酸化皮膜を形成する場合においても、チタン系アルコキシドを反応ガスとして用いると共に、大気圧プラズマCVDを適用したときには、チタン系アルコキシド(Ti−O−R、R:アルキル基)が含有するカーボン、或はアルキル有機成分がプラズマ気相反応過程でそのままチタン酸化薄膜中に取り込まれてしまい、良質な膜が形成できないという問題が生じた。また、有機成分を気相反応によって除去するために、O2/チタン系アルコキシド比を高くしてしまうと、シリコン酸化皮膜の場合と同様にパーティクル状のチタン酸化薄膜が発生することになり、膜における基材への密着性低下や成膜速度の低下を引き起こすことになる。
【0010】
そこで本発明者らは、回転電極を用いること、および大気圧近傍の圧力下においてシリコン系反応ガス或はチタン系反応ガスを分解させて基材上に薄膜を成膜するCVD装置を用いることを前提とし、しかも上記した不都合をも回避できる技術を実現するべく、更に検討を重ねた。
【0011】
その結果、シリコン系反応ガスとして、少なくとも不活性ガス、酸素およびシリコン系アルコキシドを含有する反応ガスを用いると共に、反応ガス中のシリコン系アルコキシドの分圧比を適切な範囲に制御してやれば、上記目的に適う最適なシリコン酸化膜が形成できることを見出した。また、チタン系反応ガスとして、少なくとも不活性ガスおよびチタン系アルコキシドを含有し、必要によって更に酸素を含有する反応ガスを用いると共に、反応ガス中のチタンアルコキシドの分圧比を適切は範囲に制御してやれば、上記目的に適う最適なチタン酸化膜が形成できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
ところで、本発明者らは、かねてより適切な機能性薄膜を形成するための装置構成についても研究を進めており、その研究の一環として、例えば特願平2001−394140号のような装置も提案している。この装置は、基本的に上記回転電極の代わりに無端状ベルト電極を用いるものであり、その詳細な構成は後述するが(後記図2参照)、こうした装置構成を採用して上記のような反応ガスを用いても本発明の目的が達成されることも分かった。
【0013】
即ち、上記目的を達成し得た本発明方法とは、円筒状回転電極または無端状ベルト電極と、当該電極の一部と対向して設けられる対向電極との狭隙間に、大気圧近傍の圧力下でグロー放電によるプラズマを発生させてシリコン系反応ガスを分解させ、前記対極電極上に載置された基材上にシリコン酸化薄膜を成膜するCVD装置を用い、前記シリコン系反応ガスとして、不活性ガス、酸素およびシリコン系アルコキシドを含む反応ガスを用いると共に、反応ガス中のシリコン系アルコキシドの分圧比を0.1〜3.0%として操業する点に要旨を有するものである。
【0014】
上記方法で用いるシリコンソースとしては、大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVDを適用するに際して、安全性の観点から、前記シリコン系アルコキシドが用いられるが、こうしたシリコン系アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランよりなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。また、この方法では、反応ガス中の酸素とシリコン系アルコキシドの体積比(酸素/シリコン系アルコキシド)が0.5〜5.0であることが好ましい。
【0015】
一方、チタン酸化薄膜を形成する場合には、上記のような構成のチタン酸化薄膜成膜用CVD装置を用い、チタン系反応ガスとして、不活性ガスおよびチタン系アルコキシドを含む反応ガスを用いると共に、反応ガス中のチタン系アルコキシドの分圧比を0.02〜5.0%、且つ基材の加熱温度を250℃以上として操業すれば、上記目的に適うチタン酸化薄膜が得られる。
【0016】
この方法で用いるチタンソースとしては、大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVDを適用するに際して、安全性の観点から、チタン系アルコキシドが用いられるが、こうしたチタン系アルコキシドとしては、Ti(i−OC3H7)4、Ti(t−OC4H9)4、Ti(OC2H5)4およびTi(n−OC4H9)4よりなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。また、この方法においては、反応ガス中に酸素を含有していなくても、良質なチタン酸化薄膜が形成できるのであるが、必要によって反応ガス中に酸素を含有させても良く、この場合には反応ガス中の酸素とチタン系アルコキシドの体積比(酸素/チタン系アルコキシド)が2.0以下であることが好ましい。
【0017】
いずれの方法においても、円筒状回転電極または無端状ベルト電極の周速度を3000cm/min以上として操業することが好ましい。
【0018】
本発明では、上記のように回転電極または無端状ベルト電極と、対向電極間との狭隙間にプラズマを発生させることによって、対極電極表面に載置した基材表面にシリコン酸化薄膜やチタン酸化薄膜を形成するものであるが、上記のように回転電極または無端状ベルト電極を用いることによる基本的な作用な次の通りである。即ち、回転電極または無端状ベルト電極を用いれば、これらの回転運動によって層流が生成し、この層流の作用で電極と基材間(狭隙間)に原料ガスを導入することが可能となり、また狭隙間のプラズマによって生成した反応生成物を狭隙間から排出することができる。こうした作用によって、強制的に狭隙間への原料供給が実行できるので、回転数を増加させることによって(即ち、周速度を増加させることによって)、高速成膜が実現できることになる。
【0019】
本発明では、上記のように大気圧近傍の圧力でプラズマCVDを適用するものであるが、「大気圧近傍の圧力」とは、0.01〜0.1MPa程度の圧力を意味し、この圧力範囲のうち、圧力調整が容易で装置構成機構が簡易になるという観点からして好ましい圧力範囲は0.08〜0.1MPa程度である。
【0020】
大気圧近傍の圧力でのグロー放電においては、ガス分子の電離後の再結合までの寿命が短く、また電子の平均自由工程も短いので、対向する狭隙電極間にグロー放電を安定に発生させるためには、狭隙間にて電子・イオンの荷電粒子を捕捉する必要がある。このために、回転電極または無端状ベルト電極に高周波電力を印加する際には、10MHz以上の高周波であることが好ましい。
【0021】
シリコン酸化薄膜を形成するときに用いるシリコン系アルコキシドとしては、特に限定されるものではないが、例えば上記のテトラエトキシシラン[TEOS;Si(OC2H5)4]、テトラメトキシシラン[TMOS;Si(OCH3)4]およびメチルトリエトキシシラン[MTEOS;SiH3(OC2H5)3]等が挙げられ、これらのうちから1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。またこれらは、大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVDを適用するに際して、プラズマOFF時において高圧下においてもO2との反応性が低いという理由で安全な物質である。
【0022】
チタン酸化薄膜を形成するときに用いるチタン系アルコキシドとしては、特に限定されるものではないが、例えば上記のTi(i−OC3H7)4、Ti(t−OC3H7)4Ti(OC2H5)4およびTi(OC2H5)3]等が挙げられ、これらのうちから1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。またこれらは、大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVDを適用するに際して、プラズマOFF時において高圧下においてもO2との反応性が低いという理由で安全な物質であると共に、蒸気圧が比較的高く、大気圧近傍圧力下の成膜条件において導入し易い物質である。
【0023】
シリコン酸化薄膜を形成するに当たり、反応ガス中におけるシリコン系アルコキシドの分圧の比(反応ガス全圧力に対する分圧の比)は、0.1〜3.0%とする必要がある。この分圧比が0.1%未満になると、シリコン酸化薄膜の成膜速度が0.05nm・m/sec(スキャン方向長さ1mを成膜する速度)にも満たない。こうしたことから、スキャン方式にて成膜を行う場合に、或る程度の膜厚を基材表面に形成するためには、基材のスキャン速度を落とさなければならず、実質的にタクトタイムが増大してしまうことになる。
【0024】
シリコン系アルコキシドの分圧比が3.0%を超えると、狭隙間で発生するプラズマへのシリコン系アルコキシド原料の過剰供給となって、処理ガスにおける不活性ガス比が相対的に低くなり、大気圧雰囲気下において狭隙間に発生するプラズマが不安定なものとなってしまい、良質な膜が形成できない。
【0025】
またチタン酸化膜を形成するに当たり、反応ガス中におけるチタン系アルコキシドの分圧の比(反応ガス全圧力に対する分圧の比)は、0.02〜5.0%とする必要がある。この分圧比が0.02%未満になると、チタン酸化膜の成膜速度が3nm・m/minにも満たない。一般的に従来のチタン酸化膜成膜技術であるスパッタリング法による成膜では、O2ガスを添加する反応性スパッタを用いるので、3nm/min程度と成膜速度が非常に遅い。またCVD装置においても蒸気圧が高いチタンソースがないために同様に成膜速度が遅い。チタン系アルコキシドの分圧比が5.0%を超えると、シリコン酸化膜を形成する場合と同様に、狭隙間で発生するプラズマへのチタン系アルコキシド原料の過剰供給となって、処理ガスにおける不活性ガス比が相対的に低くなり、大気圧雰囲気下において狭隙間に発生するプラズマが不安定なものとなってしまい、良質な膜が形成できない。
【0026】
本発明を実施するに際して、安定なグロー放電を発生するには、反応性のラジカルを発生しない雰囲気で行う必要があり、こうしたことから原料ガスは不活性ガスを主体としたものと用いることが好ましく、こうした不活性ガスとしては、He,Ar,Xe,Kr等の希ガスやN2等のガスが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。上記各種不活性ガスのうち、準安定励起状態の寿命が長いHeを用いることが好ましい。また、上記の観点から、不活性ガスの反応ガス中の割合は75〜99体積%程度であることが好ましい。
【0027】
シリコン酸化薄膜を形成する場合においては、上記のような不活性ガスに対して、シリコン酸化薄膜におけるシリコン源となるシリコン系アルコキシドと、当該シリコン系アルコキシドの酸化反応の為に、或は量体化の架橋剤としての酸素を混入させ、狭隙間にて同様に安定なグロー放電を発生させ、狭隙間に対して垂直方向にスキャン移動させて基材上にシリコン酸化薄膜を形成するものである。
【0028】
またチタン酸化薄膜を形成する場合においては、上記のような不活性ガスに対して、チタン酸化膜におけるチタン源となるチタン系アルコキシドと、当該チタン系アルコキシドの架橋・酸化反応の為に、狭隙間にて安定なグロー放電を発生させ、狭隙間に対して垂直方向にスキャン移動させて基材上にチタン酸化薄膜を形成するものである。
【0029】
本発明で希望する特性を発揮するシリコン酸化薄膜を形成するには、反応ガス中の酸素配合量は、シリコンアルコキシドとの体積比(酸素/シリコンアルコキシド)で0.5〜5.0程度であることが好ましい。この比が0.5未満になると、シリコン系アルコキシドの酸化・架橋反応が不十分になって、基材上に成膜したシリコン酸化薄膜中に、シリコン系アルコキシドの成分であるアルコキシド基(OR;Rはアルキル基)がそのまま残留し、吸湿性の高くなったり、軟弱になったりする。
【0030】
また、酸素におけるシリコン系アルコキシドとの体積比が5.0を超えると、シリコン系アルコキシドへの酸化・架橋反応が進行し過ぎて、基材表面に到達前の気相中にて、シリコン酸化薄膜の前駆体である量体の分子量が大きくなり過ぎ、パーティクルライクなシリコン酸化薄膜となり、プラズマ空間から排出されてチャンバー内を汚染したり、成膜中の基材表面に付着したりする等の事態が生じる。こうした事態が生じると、成膜レートの低下、成膜表面へのパーティクル付着によるピンホールの発生等の不都合を招くことになる。
【0031】
本発明で希望する特性を発揮するチタン酸化膜を形成するには、反応中の基材加熱温度を250℃以上とし、反応ガス中の酸素配合量は、チタンアルコキシドとの体積比(酸素/シリコンアルコキシド)で0〜2.0程度であることが好ましい。チタンアルコキシドの場合には、シリコンアルコキシドの場合と異なり、酸素が存在しない状態[即ち、前記体積比(酸素/シリコンアルコキシド)が0]であっても、基材の加熱温度を250℃以上(この点については後述する)とすることによって、気相中での架橋反応とこの量体の基材付着と表面反応によりチタン系アルコキシドの成分であるアルキル基がそのまま残留せず、良質な膜が得られることになる。
【0032】
但し、チタン酸化薄膜を形成する場合においても、必要によって反応ガス中に酸素を含有させても良く、この場合には反応ガス中の酸素とチタン系アルコキシドの体積比(酸素/チタン系アルコキシド)が2.0以下であることが好ましい。この体積比が2.0を超えると、チタン系アルコキシドへの架橋・酸化反応が進行し過ぎて基材表面到達前の気相中にて、チタン酸化薄膜の前駆体である量体の分子量が大きくなり過ぎ、パーティクルライクなチタン酸化薄膜となり、シリコン酸化薄膜の場合と同様に、成膜レートの低下、パーティクル付着によるピンホール発生等の不都合を招くことになる。
【0033】
本発明を実施するに際して、円筒状回転電極または無端状ベルト電極の周速度を3000cm/min以上として操業することが好ましい。周速度が3000cm/min未満になれば、成膜速度が減少することになる。この周速度は、好ましくは10000cm/min以上とするのが良いが、収率の向上ということを考慮すると15000cm/min以下であることが好ましい。
【0034】
本発明方法によって、より良質なシリコン酸化薄膜を形成するには、基材を加熱することも有効な手段であり、特に前駆体が基材付着後に表面と反応することによって、シリコン酸化薄膜中の水酸基や有機成分を減少させるのに有効に作用する。こうした観点から、シリコン酸化薄膜の成膜時における基材の加熱温度は150〜400℃程度であることが好ましい。
【0035】
一方、本発明方法によって、チタン酸化薄膜を形成するに際して、成膜速度が速くてアルキル基の残留のない、且つ光触媒効果を発現するようなアナターゼ型の多結晶チタン酸化薄膜を形成するには、基材の加熱が不可欠な要件となる。特に、前駆体の基材表面での表面反応を活性化し、有機成分を気相化させ、チタン酸化薄膜を多結晶化させるという点で基材の加熱は有効である。また有機成分が残留するアモルファスチタン酸化薄膜は、屈折率が1.8程度と低い。例えば、シリコン酸化薄膜とチタン酸化薄膜の積層による低反射膜コートの場合には、高屈折率のチタン酸化膜の屈折率が1.8程度では最適設計が難しくなる。しかもアモルファスチタン酸化薄膜の成膜速度は非常に低いため、タクトタイムが増加してしまい、生産性の点で問題となる。これら生産性、高屈折率や光触媒の機能特性の観点から、成膜時における基材の加熱温度は250℃とする必要があり、好ましくは300℃以上とするのが良い。
【0036】
本発明を実施するに際して、回転電極または無端状ベルト電極と、対向電極に載置された基材との距離(前記狭隙間の距離)は、回転電極または無端状ベルト電極に印加する電力、処理ガスの種類、組成比等によって決定されるが、1〜3mm程度とすることが好ましい。この距離が1mm未満になると、その狭隙間への反応ガスの安定供給が図れず、回転電極または無端状ベルト電極の幅方向における狭隙間バラツキが顕著になり、均一な成膜が困難になる。また、狭隙間の狭化に伴って、安定なプラズマ生成を実現するには、電子・イオンのプラズマ荷電粒子の捕捉が必要になり、100MHz以上の高周波が必要となってしまう。こうした100MHz以上の高周波電源は工業的にも高価なものとなって、コスト的にも不利になる。
【0037】
一方、狭隙間が3mmを超えると、電界の減少、プラズマ密度の減少による成膜速度の低下を招いたり、回転電極や無端状ベルト電極の回転にて発生する層流によって成膜の前駆体が基材上から排出されることによる成膜速度の低下およびチャンバー内の汚染等の問題が生じることになる。
【0038】
尚、本発明において、シリコン酸化薄膜を形成するための基材の素材については、当該薄膜が形成できるものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂系材料、白板ガラス、青板ガラス、無アルカリガラス等のガラス、石英、シリコン等を好適に用いることができる。また、チタン酸化薄膜を形成するために基材の素材については、250℃以上の耐熱性のあるものが好ましく、例えば白板ガラス、青板ガラス、無アルカリガラス等のガラス、石英、シリコン等を好適に用いることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明方法を実施するためのCVD装置の構成例を示す概略説明図であり、図中1は成膜チャンバー、2aは基材導入用ロードロック室、2bは基材搬出用ロードロック室、3a〜3dはゲートバルブ、4a〜4dはガス導入口、5a〜5cはリーク口、6は基材ホルダー、7は基材、8はベアリング、9は回転電極、10は架台、11a〜11cは回転電極支持用絶縁体、12は合成石英ガラス、13は近赤外線ランプ、14は覗き窓、15は放射温度計、16,19は高周波電源、17,20は整合器、18は基材ホルダーに内臓されたヒータ、21はグロー放電(プラズマ発生領域)を夫々示す。
【0040】
図1に示した装置構成において、成膜チャンバー1には、基材導入用ロードロック室2aおよび基材搬出用ロードロック室2bが、夫々ゲートバルブ3b,3cを介して接続されている。そして、ロードロック室2a,2bには、夫々ガス導入口4a,4bからHe等の不活性ガスが常時導入されており(V1,V2は流量調整バルブ)、ロードロック室2a,2bの夫々に設けられたリーク口5a,5bによって圧力調整がされ(V3,V4は流量調整バルブ)、ロードロック室2a,2bは常圧(0.1MPa程度)に保持されている。
【0041】
上記成膜チャンバー1内には、ガス導入口4cからHe等の不活性ガスと酸素(O2)の混合ガスがマスフロー(図示せず)を介して流量調整されつつ導入されている。また、ガス導入口4dからは、マスフロー(図示せず)を介して流量調整されたHe等の不活性ガスによるバプリングによって希釈されたシリコン系アルコキシドまたはチタン系アルコキシドが導入される。尚、チャンバー1内の圧力は、排気口5cからの流量が調整されることによって行われる。また、チタン酸化薄膜を形成する場合に、酸素を不要とするときにはガス導入口4cからはHe等の不活性ガスだけが導入される。
【0042】
基材ホルダー6の上には基材7が載置されており、この基材ホルダー6は、まずゲートバルブ3aを開状態としてロードロック室2aに移送・格納される。その後、ゲートバルブ3aを閉の状態とすると共に、ゲートバルブ3bを開の状態として、基材ホルダー7は矢印Aの方向にスキャン移動されて、チャンバー1内に格納され、その後ゲートバルブ3bは閉の状態になる。
【0043】
基材ホルダー6はチャンバー1内に格納された状態で、基材ホルダー6上に載置された基材7の表面に成膜処理(この処理については、後に詳述する)が行われる。基材7の表面にシリコン酸化薄膜またはチタン酸化薄膜が形成された後は、ゲートバルブ3cが開状態とされ、基材ホルダー7は、ロードロック室2bに格納される。引き続き、ゲートバルブ3cを閉状態とすると共に、ゲートバルブ3dを開の状態とし、基材ホルダー7およびその上に載置されている基材7は、ロードロック室2b外に搬出される。これら一連の動作は、連続的に行われ、基材ホルダー6の停止および進行が自由に制御することができる。
【0044】
常温では液体原料であるシリコン系アルコキシド、或はチタン系アルコキシドの成膜チャンバー1内壁等での液体吸収を防止する為に、成膜チャンバー1、ロードロック室2a,2b等の外壁にはヒータ(図示せず)を取り付け、各壁面温度が100℃程度の高温になるようにすることが好ましい。また、これと同じ理由で、成膜チャンバー1内の回転電極9を支える架台10および絶縁体11a〜11c等は内臓ヒータによって100℃程度に温度調整することが好ましい。更に、回転電極9については、合成石英ガラス12を介して近赤外線ランプ13から放射される赤外線によって加熱され、150℃程度に昇温されることが好ましい。尚、回転電極9の温度モニターは、例えばBaF2からなる覗き窓14を介して放射温度計15によって行われる。
【0045】
上記した装置において、回転電極9と基材7間の狭隙間にグロー放電21によるプラズマを形成することによって、基材7上にシリコン酸化薄膜、或はチタン酸化薄膜を形成するものであるが、この成膜の原理について説明する。回転電極9は、例えばアルミニウム製で構成されており、そのサイズは例えば幅:120mm、直径:100mm程度の円筒状であり、そのエッジ部は電界集中を防止するために、R5(mm)の曲率半径で丸く形成されている。また、回転電極9の表面は、アーキングを防止するために、誘電体コーティングがなされている。このときの誘電体コーティングとしては、例えばホワイトアルミナが溶射コート(厚み:150μm程度)されることによって構成される。
【0046】
回転電極9において、基材7との狭隙を形成する面は研磨仕様となっている。また、回転電極9はベアリング8と架台10とによって支持されている。回転電極9の一方の軸端はマグネットカップリングとなっており、成膜チャンバー1の外側に配置されているモータ端のマグネット(図示せず)とカップリングし、回転電極9を0〜1000rpmの範囲で回転させることができる。
【0047】
架台10は例えばステンレス鋼製で構成されており、この架台10に整合器17を介して、高周波電源16からの高周波電力が印加できるようにされている。基材ホルダー6のスキャン先端部が回転電極9の直下に到着したときに、上記高周波電力が印加され、まず回転電極9と基材ホルダー6(即ち、基材ホルダー6は対向電極に相当する)の狭隙間でグロー放電21が開始される。次いで、基材ホルダー6が順次スキャンされ、基材ホルダー6上に載置された基材7が回転電極9の直下に到着した後に、狭隙は回転電極9と基材7との間となる。
【0048】
基材ホルダー6の内部にはヒータ18が埋設されており、このヒータ18によって基材ホルダー6の温度を室温から300℃程度にまで加熱できるように構成されている。また、基材ホルダー6の表面にはホワイトアルミナが厚み:100μm程度で溶射コ―ティングされており、基本的には電気的にアース(接地)された状態でもよいが、図1に示すように整合器20を介して高周波電源19からの高周波電力を印加するように構成されていてもよい。このように基材ホルダー6にも高周波電力を印加することによって、プラズマ密度の増加やプラズマの封じ込め効果等が発揮されることになる。高周波電源19からの電力を基材ホルダー6に印加する時期については、回転電極9への高周波電源16からの電力を印加後、直ちに高周波電力を印加するようにすればよい。
【0049】
尚、整合器17は、高周波電源16側と整合器17を含めた負荷側をマッチングさせるため周波数の同調とインピーダンスの調整を行うこと、整合器17を含めた負荷回路全体での消費電力を最大にすること、および高周波電源16や高周波発振回路を保護すること等の役目を担うものである(整合器20と高周波電源19の関係についても同じ)。
【0050】
図2は、本発明を実施するためのCVD成膜装置の他の例を示す概略説明図であり、その基本的な構成は前記図1に示した装置構成に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付すことによって重複説明を回避する。また図2では、説明の便宜上図面では示していないが、この装置においても前記図1に示した装置と同様に、基材導入用ロードロック室2a、基材搬出用ロードロック室2bおよびそれに付随する部材が配置されるものである。
【0051】
そして、図2に示した装置構成においては、前記円筒状回転電極9の代わりに無端状ベルト電極22が設けられており、この無端状ベルト電極22は、例えば薄肉鋼製の導電性部材からなり、2つのローラ23,24に掛け回されて走行するように構成されている。ローラ23,24は、円筒状外周面を有しており、これらはプラズマ発生領域Pにおいて無端状ベルト電極22表面と水平に延びる基材7表面とが平行をなし、両者の狭隙間距離が一定となるように配置されている。無端状ベルト電極22は、その回転方向がプラズマ発生領域Pにおいて基材7の移動方向と同方向に走行するようになっている。
【0052】
前記2つのローラ23,24のうち、図2における右側に位置するものが金属性の駆動兼給電用ローラ24である。このローラ24をベルト駆動用モータ(図示せず)によって回転させることによって、ローラ24が回転するように構成されている。また、成膜チャンバー1内において、基材ホルダー6上に載置された基材7は、基材搬送機構25によって水平方向(矢印B方向)に移動されるようになされている。
【0053】
図2に示したプラズマCVD装置では、ガス導入口4eより成膜チャンバー1内にシリコン系反応ガスまたはチタン系反応ガスを導入すると共に、排気用ダクト26を介して排気し、成膜チャンバー1内を所定の雰囲気圧力に維持する。そして、ローラ23,24により無端状ベルト電極22を走行させ、該ベルト電極22と基材7との狭隙間にグロー放電により比較的広いライン状のプラズマを発生させ、基材7を移動させながらガスの化学反応により基材7上にシリコン酸薄膜、或はチタン酸化薄膜を形成するものである。
【0054】
次に、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することはいずれも本発明の技術範囲に含まれるものである。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
前記図1に示したCVD装置を用いて、シリコン酸化薄膜の形成を行った。このとき、基材ホルダー6としては、幅:170mm、長さ(スキャン方向長さ):170mmのものを使用し、この基材ホルダー6上に基材7を載置してチャンバー1内に収納した。また、基材7としては、幅:100mm、長さ(スキャン方向長さ):150mm、厚さ:2mmの青板ガラスを用いた。そして、基材ホルダー6の先端が回転電極9の直下に到達した後、回転電極9に高周波電源16から高周波電力(周波数:13.5MHz、300W)を印加した。その直後、基材ホルダー6側の電極にもプラズマ封じ込めのために、400KHz、3Wの電力を高周波電源19から印加した。
【0056】
このとき基材ホルダー6の設定温度を250℃、回転電極9の温度を150℃、成膜チャンバー1およびその部材は100℃に設定した。また回転電極9の回転数は500rpm(周速度:15000cm/min)とし、回転電極9と基材7との狭隙間は1mmに設定した。このとき基材7のスキャン速度は3.3mm/secとしたので、基材7のスキャン方向における端間での放電時間は約51secとなった。
【0057】
成膜チャンバー1の圧力は、排気口5cに設置されたオートプレシャーコントロール(図示せず)によって行い、この製造例では全圧0.093MPaに調整した。成膜チャンバー1に導入した反応ガスは、He,O2およびTEOSの混合ガスとし、夫々流量調整よって分圧を調整した。このとき、TEOS分圧は466Paの一定とし(分圧比換算で466Pa/93000Pa=0.5%)、O2/TEOS比を0〜12程度まで変化させて成膜実験を行った。
【0058】
上記製造方法でシリコン酸化膜を形成したときのO2/TEOS比と成膜速度の関係を図3に示す。まず、O2/TEOS比が3.0近傍を境に、成膜速度が飽和状態になるが、O2/TEOS比が5.0を超えると基材7上にパーティクルが発生し、これより低い側では発生していないことが分かった。O2/TEOS比が1.0のときの膜表面SEM写真(図面代用走査型電子顕微鏡写真)を図4に、O2/TEOS比が5.5のときの膜表面SEM写真を図5に夫々示す。
【0059】
これらのことから、パーティクルを発生させずに、効率良くシリコン酸化薄膜を形成するには、O2/TEOS比を5.0以下とすることが好ましいことが判明した。より好ましくは、O2/TEOS比を3.0以下とするのが良い。
【0060】
この結果から、成膜速度はパーティクル発生に影響があることが明らかであるが、これは次のように考えることができた。即ち、成膜速度が低下すると、成膜における気相中でのTEOSの酸化・架橋反応が進み過ぎて、基材表面に到達前の気相中にて、シリコン酸化膜の前駆体である量体の分子量が大きく成長し過ぎて、シリコン酸化薄膜にパーティクルが発生するものと考えられる。
【0061】
次に、上記で製造したシリコン酸化薄膜の膜中有機成分の残留量を測定するために、光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy;XPS法)によって、Si,OおよびCの組成分析を行った。その結果を図6に示すが、これから明らかなように、O2/TEOS比が1.5以下では、C1sから計算されたC含有量が徐々に増加し、O2/TEOS比が0.5未満になるとC含有量が10原子%を超えることが分かる。これらのことから、膜中に有機成分を残留させないためには、O2/TEOS比を0.5以上とすることが好ましく、より好ましくは1.0以上とするのが良いことが予測できた。
【0062】
本発明者らは、上記結果を裏付けるために、反射フーリエ変換赤外分光法(Attenuated Total Reflection−Fourier Infrared;ATR−FT−IR法)によって有機成分の評価を行った。その結果を図7に示すが、図7には波数1500〜400cm−1付近の拡大図を併記してある(矢印D)。
【0063】
図7において、周波数:3000〜3400cm−1付近のピークは、膜中の−OH基を、周波数:2800〜2900cm−1付近のピークはC−Hx基(x=1,2,3)を夫々示す。特に、シリコン系アルコキシドをシリコンソースとして使用した場合には、OR(R:一般式CmHnで示されるアルキル基)のアルキル成分が膜中に取り込まれる可能性があり、上記C−Hx基はTEOSのアルキル成分であるC2H5を見ているものと推定される。
【0064】
図7に示した結果は、TEOS分圧を466Paの一定で、O2分圧を0,46.6,652,1351,5312(Pa)と変化させたものである(即ち、O2/TEOS比で0,0.1,1.4,2.9,11.4)。そして、O2分圧が0MPa(即ち、O2/TEOS比が0)のときには、−OH基およびCHx基が認められており、O2分圧が652Paのときでは、CHx基は僅かしか認められない。この結果と前記図3の結果(XPS分析結果)からして、O2/TEOS比を1.0以上とすれば、膜中の有機成分を減少させることが可能であることが分かる。
【0065】
これらの結果から、O2/TEOS比を0.5〜5.0の範囲内とすることによって、基材上に形成するシリコン酸化膜中の有機成分を低減できると共に、経時変化の少ない良質なシリコン酸化膜が得られることが分かる。
【0066】
(実施例2)
前記図1に示したCVD装置を用いて、シリコン酸化薄膜の形成を行った。このとき、基材ホルダー6としては、幅:170mm、長さ(スキャン方向長さ):170mmのものを使用し、この基材ホルダー6上に基材7を載置して成膜チャンバー1内に格納した。また、基材7としては、幅:100mm、長さ(スキャン方向長さ):150mm、厚さ:2mmの青板ガラスを用いた。そして、基材ホルダー6の先端が回転電極9直下に到達した後、回転電極9に高周波電源16から高周波電力(周波数:13.5MHz、400W)を印加した。その後、基材ホルダー6にもプラズマ閉じ込めのための高周波電力(周波数:400kHz、4W)を印加した(高周波電源19)。
【0067】
基材ホルダー6の設定温度を250℃、回転電極9の温度を150℃、成膜チャンバー1およびその部材は100℃に設定した。また回転電極9の回転数は500rpm(周速度:15000cm/min)とし、回転電極9と基材7との狭隙間は1mmに設定した。このとき基材7のスキャン速度は3.3mm/secとしたので、基材7のスキャン方向における端間での放電時間は約51secとなった。
【0068】
成膜チャンバー1の圧力は、排気口5cに設置されたオートプレシャーコントロール(図示せず)によって行い、この製造例では全圧0.093MPaに調整した。成膜チャンバー1に導入した反応ガスは、He,O2およびTEOSの混合ガスとし、夫々流量調整よって分圧を調整した。このとき、TEOS分圧を133〜4000Paで変化させ[分圧比換算で(133/93000)×100=0.14〜4.3%]、O2/TEOS比を1.4の一定として成膜実験を行った。
【0069】
上記製造方法でシリコン酸化薄膜を形成したときのTEOS分圧(および分圧比)と成膜速度の関係を図8に示す。この結果から明らかなように、TEOS分圧が133Pa以下(分圧比換算で0.14%以下)では、シリコン酸化薄膜の成膜速度が非常に小さいことが分かる。この結果から明らかなように、上記分圧比は0.1%以上であることが好ましく、より好ましくは、より良好な成形膜速度(0.05nm・m/sec以上)が得られる分圧比:0.21%以上とするのがよい。また、図8から明らかなように、TEOS分圧を、今回使用したCVD装置(成膜チャンバー1)の蒸気圧限界に近い1330Pa(分圧比換算で1.4%)まで導入すると、成膜速度は0.9nm・m/secまで増加していることが分かる。尚、TEOS分圧が3000Pa(分圧比換算で3.0%)を超えると、プラズマが不安定になって、成膜速度が極端に低下することが確認できた。
【0070】
上記実施例1、2では、基材7として厚さ2mmの青板ガラス使用したが、同様のサイズの基材7として、厚さ:4mmの建材用青板ガラス、厚さ:0.7mmのFPD(Flat Panel Display)用無アルカリガラス(コーニング社製「#1737」)を用いて同様の実験を行った。その結果、基材誘電率の違いによる回転電極−基材の狭隙間でのプラズマ密度の変動はあるものの、実施例1および2における結果と同様の傾向が認められた。
【0071】
これらのことから、シリコンアルコキシドであるTEOSの分圧比、およびO2/TEOS比を適切に制御することは、シリコン酸化薄膜を気相反応によって形成する上で極めて有効であると判断できた。
【0072】
上記実施例1および2において成膜したシリコン酸化薄膜の硬さ評価を、ナノインデンテーション法によって行った。このナノインデンテーション法は、基材との密着性の影響を受けることなく、薄膜の硬さを評価できる方法である。その結果、実施例1におけるO2/TEOS比が0の場合には、0.7GPaであったが、O2/TEOS比が0.5を越えると1.0GPa以上の硬度が得られ、更にO2/TEOS比が2〜4近傍では2.5GPaの値が得られていた。これらのことから、O2/TEOS比を適切に選択すれば、有機成分の膜中への残留や成長中のパーティクル発生が少なく、しかも高硬度で緻密な膜が得られることが理解できる。
【0073】
(実施例3)
上記実施例2において、TEOS分圧を1351Pa、O2/TEOS比を1.4の一定とし、分圧の残りをHeとし、回転電極9の成膜時の回転数を0〜1500rpm(周速度:0〜45000cm/min以下)まで変化させて上記と同様の成膜実験を行った。このときの、回転数(周速度)と成膜速度の関係を図9に示す。
【0074】
この結果から明らかなように、回転電極9の回転数を増加させることによって、成膜速度が大幅に向上することが分かる。例えば、回転数値1500rpmでは1.6nm・m/secの高速成膜が実現できることになる。これは、今回使用した回転電極9における周速度で45000cm/minに相当する。一方、回転数が100rpm以下(周速度:3000cm/min以下)であれば、成膜速度が急速に低下し、0.2nm・m/secを下回るようになる。これは45000cm/minの周速度における成膜速度と比較して13%(即ち、反応ガスの収率比が13%)となり、急激に低下していることが分かる。
【0075】
これらの結果は、周速度を増加させることで、プラズマ部への反応ガス(原料ガス)の供給と、反応生成物の排気が効率良く達成されていることを示している。こうした効果は、回転電極や無端状ベルト電極を用いることによって得られたものと考えられる。そしてこの結果から、周速度が3000cm/min以上であれば、工業的に十分に対応できる成膜速度を実現できることが分かる。
【0076】
(実施例4)
前記図1に示したCVD装置を用いて、TEOSの代わりにTMOSを用いる以外は、上記実施例2と同様にして青板ガラス基材上にシリコン薄膜を形成した。このとき、TMOS分圧を133〜665Paで変化させ、O2/TMOS比を1.4の一定として成膜実験を行った。
【0077】
その結果、TMOS分圧が665Paのとき、成膜速度:0.52nm・m/secの高速成膜が実現できた。TMOSは、TEOSと比較して蒸気圧が高いので、TEOSと比べて高い分圧設定が可能である。また、シリコンアルコキシド系の原料を使用すると、プラズマ中の気相反応過程での酸素によるシリコンアルコキシドの酸化・架橋反応による前駆体の生成は、同様の反応機構によって行われるので、上記で示したTEOSやTMOS以外にも、MTEOSやその他のシリコンアルコキシド(例えば、トリエトキシシラン、トリメトキシシシラン、テトライソプロポキシシラン等)においても同様の効果が得られることが確認できた。
【0078】
(実施例5)
前記図1に示したCVD装置を用いて、チタン酸化薄膜の形成を行った。このとき、基材ホルダー6としては、幅:170mm、長さ(スキャン方向長さ):170mmのものを使用し、この基材ホルダー6上に基材7を載置してチャンバー1内に収納した。また、基材7としては、幅:100mm、長さ(スキャン方向長さ):150mm、厚さ:2mmの青板ガラスを用いた。そして、基材ホルダー6の先端が回転電極9の直下に到達した後、回転電極9に高周波電源16から高周波電力(周波数:13.5MHz、300W)を印加した。その直後、基材ホルダー6側の電極にもプラズマ封じ込めのために、400KHz、3Wの電力を高周波電源19から印加した。
【0079】
このとき基材ホルダー6の設定温度を300℃、回転電極9の温度を150℃、成膜チャンバー1およびその部材は100℃に設定した。また回転電極9の回転数は500rpm(周速度:15000cm/min)とし、回転電極9と基材7との狭隙間は1mmに設定した。このとき基材7のスキャン速度は3.3mm/secとしたので、基材7のスキャン方向における端間での放電時間は約51secとなった。
【0080】
成膜チャンバー1の圧力は、排気口5cに設置されたオートプレシャーコントロール(図示せず)によって行い、この製造例では全圧0.093MPaに調整した。成膜チャンバー1に導入した反応ガスは、He,O2およびTi(t−OC4H9)4の混合ガスとし、夫々流量調整よって分圧を調整した。このとき、Ti(t−OC4H9)4分圧は133Paの一定とし(分圧比換算で133Pa/93000Pa=0.14%)、O2/Ti(t−OC4H9)4比を0〜5程度まで変化させて成膜実験を行った。
【0081】
上記製造方法でチタン酸化膜を形成したときのO2/Ti(t−OC4H9)4比と成膜速度の関係を図10に示す。まず、O2/Ti(t−OC4H9)4比の増加に従い、単調に減少する。O2/Ti(t−OC4H9)4比が2.0を超えると、成膜速度が3nm・m/min以下となり、気相反応中でパーティクルとしてチタン原料が消費され、基材に到達していないと考えられる。
【0082】
これらのことから、パーティクルを発生させずに、効率良くチタン酸化薄膜を形成するには、O2/Ti(t−OC4H9)4比を2.0以下とすることが好ましいことが分かる。より好ましくは、O2/Ti(t−OC4H9)4比を1.0以下とするのが良い。
【0083】
この結果から、成膜速度はパーティクル発生に影響があることが明らかであるが、これはシリコン酸化膜の形成と同じように、酸化・架橋反応が過度に進み過ぎて発生する問題であり、シリコン系やチタン系などのアルコキシド原料に本質的な問題であると考えられる。
【0084】
図11は、O2/Ti(t−OC4H9)4比を0として成膜したチタン酸化薄膜のX線回折パターンを示したものである。回折パターンの半値幅から、良質なアナターゼ型の多結晶チタン薄膜であることが分かった。同様に回折パターンを評価した結果、O2/Ti(t−OC4H9)4比が0〜2.0ではアナターゼ型多結晶であることが分かった。また同膜のXPS分析を行った結果、膜中のCは0.1原子%以下であり、ほとんど有機成分は含まれていないことが分かった。
【0085】
アナターゼ型の多結晶チタン酸化薄膜は近紫外光照射によって、超親水性効果と有機物分解効果の2つの大きな効果を有することが知られている。今回、上記で得られたチタン酸化薄膜の光触媒効果を確認するために、太陽光下で3時間照射し、照射前後のチタン酸化薄膜表面の水接触角を測定した。その結果、照射前じゃ43°であったのに対して、照射後は3°であった。この結果から、良好な光触媒超親水性効果が発現していることが分かった。
【0086】
これらの結果から、O2/Ti(t−OC4H9)4比を0〜2.0の範囲内とし、基材温度を250℃以上とすることによって、基材上に形成するチタン酸化薄膜中の有機成分を除去できると共に、光触媒効果を発現する良質なチタン酸化薄膜が得られることが分かる。
【0087】
(実施例6)
前記図1に示したCVD装置を用いて、チタン酸化薄膜の形成を行った。このとき、基材ホルダー6としては、幅:170mm、長さ(スキャン方向長さ):170mmのものを使用し、この基材ホルダー6上に基材7を載置して成膜チャンバー1内に格納した。また、基材7としては、幅:100mm、長さ(スキャン方向長さ):150mm、厚さ:2mmの青板ガラスを用いた。そして、基材ホルダー6の先端が回転電極9直下に到達した後、回転電極9に高周波電源16から高周波電力(周波数:13.5MHz、400W)を印加した。その後、基材ホルダー6にもプラズマ閉じ込めのための高周波電力(周波数:400kHz、4W)を印加した(高周波電源19)。
【0088】
基材ホルダー6の設定温度を300℃、回転電極9の温度を150℃、成膜チャンバー1およびその部材は100℃に設定した。また回転電極9の回転数は500rpm(周速度:15000cm/min)とし、回転電極9と基材7との狭隙間は1mmに設定した。このとき基材7のスキャン速度は3.3mm/secとしたので、基材7のスキャン方向における端間での放電時間は約51secとなった。
【0089】
成膜チャンバー1の圧力は、排気口5cに設置されたオートプレシャーコントロール(図示せず)によって行い、この製造例では全圧0.093MPaに調整した。成膜チャンバー1に導入した反応ガスは、HeおよびTi(t−OC4H9)4の混合ガス(O2なし)とし、夫々流量調整よって分圧を調整した。このとき、Ti(t−OC4H9)4分圧を13〜5320Paで変化させ[分圧比換算で(13/93000)×100=0.014(%)、(5320/93000)×100=5.7(%)]、成膜実験を行った。
【0090】
上記製造方法でチタン酸化薄膜を形成したときのTi(t−OC4H9)4分圧(および分圧比)と成膜速度の関係を図12に示す。この結果から明らかなように、Ti(t−OC4H9)4分圧が18.6Pa以下(分圧比換算で0.02%以下)では、チタン酸化薄膜の成膜速度が非常に小さいことが分かる。この結果から明らかなように、上記分圧比は成膜速度3nm・m/min以上が得られる0.02%以上であることが好ましい。また、図12から明らかなように、Ti(t−OC4H9)4分圧が5320Pa(分圧比換算で5.7%)を超えると、プラズマの不安定或は気相反応でTi(t−OC4H9)4が消費され、成膜速度が低下することが確認できた。
【0091】
これらのことから、チタンアルコキシドであるTi(t−OC4H9)4の分圧比、およびO2/Ti(t−OC4H9)4比を適切に制御することは、チタン酸化薄膜を気相反応によって形成する上で極めて有効であると判断できた。
【0092】
(実施例7)
上記実施例6において、Ti(t−OC4H9)4分圧を133Pa、O2/Ti(t−OC4H9)4比を0とし、分圧の残りをHeとし、回転電極の回転数を0〜1500rpm(周速度:0〜45000cm/min)まで変化させて上記と同様の成膜実験を行った。このときの回転数と成膜速度の関係を図13に示す。
【0093】
この結果から明らかなように、回転電極9の回転数を増加させることによって、成膜速度が増加することが分かる。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、以上の様に構成されており、従来では低圧力下で行われていたシリコン酸化薄膜やチタン酸化薄膜の形成が、大気圧近傍下でも可能となり、しかも製造条件を適切に選定することによって、これらの酸化薄膜の形成が連続的若しくは高速に形成できるようになった。得られるシリコン酸化薄膜は、有機成分を殆ど含まず、且つシリコン膜表面へのパーティクル付着も少ない高品質の膜が形成でき、硬度も十分な膜である。またチタン酸化薄膜にあっては、有機成分を殆ど含まず、良質なアナターゼ型多結晶であり、光触媒効果を有するものである。これらの酸化薄膜の技術的応用は大きく広がるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのCVD成膜装置の一構成例を示す概略説明図である。
【図2】本発明方法を実施するためのCVD成膜装置の他の構成例を示す概略説明図である。
【図3】実施例1で得られたシリコン酸化薄膜における成膜速度とO2/TEOS比との関係を示すグラフである。
【図4】O2/TEOS比が1.0のときの膜表面を示す図面代用走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】O2/TEOS比が5.5のときの膜表面を示す図面代用走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例1で得られたシリコン酸化薄膜中における元素含有量とO2/TEOS比との関係を示すグラフである。
【図7】実施例1で得られたシリコン酸化薄膜のATR−FTIRによる反射スペクトルを示すグラフである。
【図8】実施例2で得られたシリコン酸化薄膜における成膜速度とTEOS分圧との関係を示したグラフである。
【図9】実施例3で得られたシリコン酸化薄膜における成膜速度と回転電極回転数(周速度)との関係を示すグラフである。
【図10】実施例5で得られたチタン酸化薄膜におけるO2/Ti(t−OC4H9)4比と成膜速度の関係を示すグラフである。
【図11】実施例5においてO2/Ti(t−OC4H9)4比を0として成膜したチタン酸化膜のX線回折パターンである。
【図12】実施例6で得られたチタン酸化薄膜におけるTi(t−OC4H9)4分圧と成膜速度の関係を示すグラフである。
【図13】実施例7で得られたチタン酸化薄膜における成膜速度と回転電極回転数(周速度)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 成膜チャンバー
2a 基材導入用ロードロック室
2b 基材搬出用ロードロック室
3a〜3d ゲートバルブ
4a〜4d ガス導入口
5a〜5c リーク口
6 基材ホルダー
7 基材
9 回転電極
11a〜11c 絶縁体
12 合成石英ガラス
13 近赤外線ランプ
14 覗き窓
15 放射温度計
16,19 高周波電源
17,20 整合器
Claims (8)
- 円筒状回転電極または無端状ベルト電極と、当該電極の一部と対向して設けられる対向電極との狭隙間に、大気圧近傍の圧力下でグロー放電によるプラズマを発生させてシリコン系反応ガスを分解させ、前記対極電極上に載置された基材上にシリコン酸化薄膜を成膜するCVD装置を用い、前記シリコン系反応ガスとして、不活性ガス、酸素およびシリコン系アルコキシドを含む反応ガスを用いると共に、反応ガス中のシリコン系アルコキシドの分圧比を0.1〜3.0%として操業することを特徴とするシリコン酸化薄膜の製造方法。
- 前記シリコン系アルコキシドは、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランよりなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の製造方法。
- 反応ガス中の酸素とシリコン系アルコキシドの体積比(酸素/シリコン系アルコキシド)が0.5〜5.0である請求項1または2に記載の製造方法。
- 円筒状回転電極または無端状ベルト電極と、当該電極の一部と対向して設けられる対向電極との狭隙間に、大気圧近傍の圧力下でグロー放電によるプラズマを発生させてチタン系反応ガスを分解させ、前記対極電極上に載置された基材上にチタン酸化薄膜を成膜するCVD装置を用い、前記チタン系反応ガスとして、不活性ガスおよびチタン系アルコキシドを含む反応ガスを用いると共に、反応ガス中のチタン系アルコキシドの分圧比を0.02〜5.0%、且つ基材の加熱温度を250℃以上として操業することを特徴とするチタン酸化薄膜の製造方法。
- 前記チタン系アルコキシドは、Ti(i−OC3H7)4、Ti(t−OC4H9)4、Ti(OC2H5)4およびTi(n−OC4H9)4よりなる群から選ばれる1種以上である請求項4に記載の製造方法。
- 前記反応ガスは、更に酸素を含むものである請求項4または5に記載の製造方法。
- 反応ガス中の酸素とチタン系アルコキシドの体積比(酸素/チタン系アルコキシド)が2.0以下である請求項6に記載の製造方法。
- 円筒状回転電極または無端状ベルト電極の周速度を3000cm/min以上として操業する請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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