JP2003193241A - プラズマcvd成膜装置 - Google Patents

プラズマcvd成膜装置

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JP2003193241A JP2001394140A JP2001394140A JP2003193241A JP 2003193241 A JP2003193241 A JP 2003193241A JP 2001394140 A JP2001394140 A JP 2001394140A JP 2001394140 A JP2001394140 A JP 2001394140A JP 2003193241 A JP2003193241 A JP 2003193241A
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明 小林
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佳之 細川
Kenichi Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材上に高速でかつ大きな面積で成膜を行え
るとともに、均質な堆積膜を形成することができるプラ
ズマCVD成膜装置を得ること。 【解決手段】 2以上のローラ22a〜22f,23
と、これらのローラ22a〜22f,23によって支持
され走行する導電性無端ベルト電極21と、前記ベルト
電極21の一部と対向する位置に成膜すべき基材4を保
持する基材保持手段5と、前記ベルト電極21と前記基
材4との間隙でプラズマPを発生させるプラズマ発生手
段とを備えており、前記2以上のローラ22a〜22
f,23は、プラズマ発生領域Pにおける前記ベルト電
極21の曲率が、その曲率半径が前記各ローラ22a〜
22f,23の半径よりも大きくなるように設けられて
いるプラズマCVD成膜装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD
(化学的気相成長)法により基材(被成膜基材)上に成
膜を行うプラズマCVD成膜装置に関し、高速でかつ大
きな面積で成膜を行えるとともに、均質な堆積膜を形成
することができるようにしたプラズマCVD成膜装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、表面硬度の向上、特定波長の吸
収、ガス透過性の改善、光触媒機能の発揮などを目的と
して、種々の機能性薄膜(機能性堆積膜)の開発・実用
化が進められている。このような機能性薄膜には、シリ
コン,アモルファスカーボン,ダイヤモンドライクカー
ボンなどの無機質薄膜、チタニア,ジルコンなどの金属
酸化物薄膜、アルミニウム,チタンなどの金属薄膜な
ど、種々のものがある。そして、このような機能性薄膜
を工業製品に用いるには、その製造コストの低減が最重
要課題であり、製造時における成膜コストの低減のた
め、成膜速度の高速化や、成膜面積の大面積化を図るこ
とが必要となる。
【0003】そこで、従来では困難とされていた1気圧
(≒0.1MPa)以上の高い圧力下でもグロー放電に
よるプラズマを発生させることができ、高速でかつ大面
積で成膜を行うことができるプラズマCVD成膜装置が
提案されている(特開平9−104985号公報)。こ
の従来のプラズマCVD成膜装置は、特徴的構成として
円筒状外周面を有する回転電極を備え、この回転電極と
成膜すべき基材としての平板状をなす基板との間にプラ
ズマを発生させ、該プラズマ中に反応ガスを供給して化
学反応により前記基板上に成膜を行うものである。図8
は円筒状外周面を有する回転電極を備えたこの従来のプ
ラズマ成膜装置の構成を模式的に示す側面図である。
【0004】図8において、反応容器(チャンバ)71
内には、図における左右方向及び上下方向に移動可能な
基材搬送台75が設けられ、その上に基板ホルダー(図
示せず)を介して成膜すべき基板74が載置されてい
る。基板74が載置される基板ホルダーは、接地されて
いる。そして、この基板74と例えば0.5mm程度の
わずかな間隙(ギャップ)を持って対向するように、円
筒状外周面を有する円柱状のローラ状(ドラム状)回転
電極76が設けられている。ローラ状回転電極76の回
転軸76aは、その両側に設けられた軸受(図示せず)
により電気的に絶縁された状態で軸支されるとともに、
該回転軸76aの一方側が反応容器71の外側面に取り
付けられた回転電極用モータ(図示せず)の駆動軸に電
気的に絶縁された状態で連結されている。また、反応容
器71の外側には高周波電源77が設けられており、ロ
ーラ状回転電極76の回転軸76aは、整合器(インピ
ーダンス・マッチングボックス)78を介して高周波電
源77に電気的に接続されている。また、72は反応容
器71内に反応ガスなどを導入するためのガス導入管、
73は排気管である。
【0005】このように構成されるプラズマCVD成膜
装置において、ガス導入管72より反応容器71内に反
応ガス(例えばSiH4 とH2 との混合ガス)及び希釈
ガス(例えばHe)を供給するとともに、排気管73を
介して排気し、反応容器71内71を所定の雰囲気圧力
(例えば0.1MPa)に維持する。そして、回転させ
ているローラ状回転電極76に高周波電力を供給して該
回転電極76と基板74との間にプラズマPを発生させ
る。そうすると、前記のガスはローラ状回転電極76の
回転によって該回転電極76と基板74間のギャップ
(間隙)に引き込まれてプラズマ発生領域Pに導かれ、
ここで反応ガスが化学反応を起こすことにより、基板7
4間上に成膜(例えばアモルファスシリコン膜)がなさ
れる。
【0006】このように、高速成膜を行うべく、雰囲気
圧力を高くし(反応ガス濃度を高くし)、該高い雰囲気
圧力下においても異常放電を生起することなくグロー放
電が行えるようにローラ状回転電極76と基板74間の
間隙を狭めている。そして、平行平板型電極式成膜装置
に比べて間隙を大幅に狭めても、ローラ状回転電極76
の回転により生じる流れによってプラズマ発生領域Pに
反応ガスを十分に供給できるので、高速度の成膜を行う
ことができる。また、前記プラズマはローラ状回転電極
76の軸方向に沿って発生するいわゆるライン状のプラ
ズマとなる。その結果、このようなライン状のプラズマ
により化学反応を起こさせながら、基板74が載置され
た基材搬送台75を図8における左右方向に移動させる
ことで、基板74上における回転電極対向面全体に高速
度の成膜を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来のプラズマCVD成膜装置では、円筒状外周面を有す
る回転電極と平板状の基板との間にプラズマを発生さ
せ、該基板上に成膜を行うようにしたものであるから、
均質性に優れた堆積膜を得るという点において改善の余
地があった。
【0008】この点について説明する。均質な堆積膜を
得るためには、プラズマを生起させるための電界強度分
布が均一(電界強度の値が一定)であることが必要であ
る。電極と基板間の電界強度は、電極と基板間の間隙寸
法によって定まる。回転電極の場合にはその外周面が曲
線をなしているので、幅を持つプラズマ発生領域におい
て回転電極と基板間の電界強度は、一定でなく、ギャッ
プが最も狭い電極直下位置を中心にしてそれから離れる
にしたがって小さくなる。このようにプラズマ領域にお
いて電界強度分布が均一になっておらず、膜厚方向に異
なる膜質のものが積み重なった堆積膜が形成されるよう
になってしまっている。
【0009】また、均質な堆積膜を得るためには、プラ
ズマ発生領域にガスを乱れなくスムーズに供給すること
が必要である。ところが、円筒状外周面を有する回転電
極の場合には、回転電極の回転により生じる流れによっ
てプラズマ発生領域にガスを量的には十分供給できるも
のの、狭いギャップへのガスの流れ易さという点で十分
でない。このため、ガスの一部が、狭いギャップに入ら
ずに基板表面に沿ってガス導入側の方へ戻って拡散して
しまうことがしばしば発生する。そして、このような十
分に解離していない反応種が基板上に到着することで均
質な膜の形成が阻害されている。
【0010】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消させて、基材上に高速でかつ大きな面積で成膜を行え
るとともに、均質な堆積膜を形成することができるプラ
ズマCVD成膜装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は次のような構成としている。請求項1の発
明は、2以上のローラと、前記ローラによって支持され
走行するベルトと、前記ベルトの一部と対向する位置に
成膜すべき基材を保持する基材保持手段と、前記ベルト
と前記基材との間隙でプラズマを発生させるプラズマ発
生手段とを備えていることを特徴とするプラズマCVD
成膜装置である。
【0012】請求項2の発明は、前記請求項1記載のプ
ラズマCVD成膜装置において、前記ベルトの前記プラ
ズマの発生領域における曲率は、その曲率半径が前記ロ
ーラの半径よりも大きいことを特徴とするものである。
【0013】請求項3の発明は、前記請求項1又は2記
載のプラズマCVD成膜装置において、前記ベルトは導
電性のベルト電極であり、前記プラズマ発生手段は、前
記ベルト電極と前記基材又は前記基材保持手段との間
に、高周波電力又は直流電力を印加するものであること
を特徴とするものである。
【0014】請求項4の発明は、前記請求項1又は2記
載のプラズマCVD成膜装置において、前記ベルトは絶
縁性のベルトであり、前記ベルトの前記基材に対してベ
ルト裏面に接して、又は近傍に配された電極体を備え、
前記プラズマ発生手段は、前記電極体と前記基材又は前
記基材保持手段との間に、高周波電力又は直流電力を印
加するものであることを特徴とするものである。
【0015】請求項5の発明は、前記請求項4記載のプ
ラズマCVD成膜装置において、前記電極体は、その軸
方向がベルト走行方向に対して垂直をなし、円筒形又は
回転可能なローラ形状であることを特徴とするものであ
る。
【0016】請求項6の発明は、前記請求項1〜5のい
ずれか1項に記載のプラズマCVD成膜装置において、
前記ベルトに付着した不要な堆積膜を除去するクリーニ
ング機構を備えたことを特徴とするものである。
【0017】請求項7の発明は、前記請求項6記載のプ
ラズマCVD成膜装置において、前記クリーニング機構
が、エッチング性ガスを導入してプラズマを発生させ、
エッチング作用により不要な堆積膜を除去する構成とさ
れていることを特徴とするものである。
【0018】請求項8の発明は、前記請求項1〜7のい
ずれか1項に記載のプラズマCVD成膜装置において、
前記ベルトと前記基材との間隙距離が最短部で0.1〜
5mmであることを特徴とするものである。
【0019】本発明によるプラズマCVD成膜装置は、
ベルトを支持する2以上のローラが、プラズマ発生領域
においてベルトと水平に延びる基材との間隙(ギャッ
プ)距離が一定になるように配設されている。あるい
は、ベルトを支持する2以上のローラが、プラズマ発生
領域におけるベルトの曲率が該ベルトを支持する各ロー
ラの外周面の曲率より小さく(プラズマ発生領域におけ
るベルトの曲率半径が、該ベルトを支持する各ローラの
半径より大きく)、従来の円筒状外周面を有する1つの
回転電極を備えたものに比べて、プラズマ発生領域にお
いてベルトと水平に延びる基材との間隙距離、特に最短
部付近の変動が極めて小さくなるように配設されてい
る。これにより、従来の回転電極を備えたものと比較し
てプラズマ発生領域における電界強度分布を均一にする
ことができる。
【0020】また、ベルトにより、ベルトと水平に延び
る基材との間において、ベルトの走行方向上流側からプ
ラズマ発生領域に至るまでに十分に長くてコンダクタン
ス(ガスの流れ易さの度合い)がほぼ一定のガス流路を
形成することができる。これによってプラズマ発生領域
にガスを乱れなくスムーズに供給することができる。こ
のように、本発明によるプラズマCVD成膜装置によれ
ば、基材上に高速でかつ大きな面積で成膜を行えること
に加え、従来の円筒状外周面を有する回転電極を備えた
ものに比べて、プラズマ発生領域における電界強度分布
を均一にすることができるとともに、プラズマ発生領域
にガスを乱れなくスムーズに十分に供給することができ
るので、均質な堆積膜を形成することができる。なお、
本発明によるプラズマCVD成膜装置では、基材上に成
膜を行うに際し、走行するベルトに対して基材を移動さ
せるようにしてもよいし、基材に対して走行するベルト
全体を移動させるようにしてもよい。
【0021】本発明によるプラズマCVD成膜装置は、
ベルトとして絶縁性ベルトを備えたものでは、該絶縁性
ベルトと基材との間隙距離が最短となる位置に、該ベル
ト裏面に接して該ベルトを支持するとともに、高周波電
源が接続される1つのローラ状の電極体が配設されてい
る(図6参照)。こうすることにより、電気的には絶縁
性ベルトの前記ローラ状電極体に接する部分のみが電極
の役割を果たすので、雰囲気圧力が高くても電界を集中
させて安定にプラズマを発生させることができる。ま
た、この絶縁性ベルトにより、ガスを乱れなくスムーズ
にプラズマ発生領域に供給するためのガス流路を基材と
の間に形成することができる。よって、ベルトとして導
電性ベルト電極を備えたもの(図1,図3〜図5参照)
に比べて雰囲気圧力を高くしても安定にプラズマを発生
させて、均質な堆積膜を形成することができる。
【0022】本発明によるプラズマCVD成膜装置で
は、反応容器内にベルトに付着した不要な堆積膜を除去
するクリーニング機構を備えることにより、装置のメン
テナンスにかかる手間を減らして装置稼働率を向上させ
ることができる。クリーニング機構としては、反応容器
内に反応ガス(原料ガス)に代えてエッチング性ガス
(四フッ化炭素、三フッ化窒素、三フッ化塩素、六フッ
化硫黄などのフッ素系ガス)を導入してプラズマを発生
させ、エッチング作用により不要な堆積膜を除去するよ
うにしたドライクリーニング機構があげられる。その他
として、ベルトに付着した不要な堆積膜を回転ブラシな
どによって除去する機械的除去機構を備えるようにして
もよい。なお、雰囲気圧力が大気圧にて成膜を行う場合
には、薬液による洗浄を行うことも可能である。
【0023】本発明によるプラズマCVD成膜装置で
は、プラズマ発生用電源としては、高周波電力、あるい
は直流電力を供給する電源があげられる。高周波電力を
供給するプラズマ発生用電源の周波数は、工業的に広く
用いられている13.56MHzが装置コストの点にお
いて有利である。また、150MHzというようなより
高い周波数は、堆積膜のより高品質化という点で好まし
いものである。成膜プロセスなどによって適宜使い分け
ることがよい。なお、高周波電力、あるいは直流電力を
パルス状に供給して、プラズマを発生させるようにする
ことも可能である。
【0024】本発明によるプラズマCVD成膜装置で
は、雰囲気圧力の範囲は、2.6kPa(≒20Tor
r)〜130kPa(≒1000Torr)が適切であ
る。雰囲気圧力が2.6kPaを下回ると、ベルトを走
行させてもベルト表面とガスとの間に滑りが発生し、プ
ラズマ発生領域に十分なガスを供給するためのガスの流
れが得られない。一方、130kPaを上回ると、ベル
トと基材とのギャップが狭くなり過ぎてしまい、プラズ
マ発生領域に対するガス供給が不均一になってしまう。
したがって、プラズマを発生させる際の雰囲気圧力は、
2.6kPa〜130kPaが適切である。そして、高
速成膜の点から、また、反応容器の排気装置が簡略化で
き、装置及び運転コストの低減が図れる点から、雰囲気
圧力が略大気圧にてプラズマを発生させて成膜を行うこ
とがより好ましい。
【0025】本発明によるプラズマCVD成膜装置で
は、プラズマを発生させるためのガス(プラズマ発生用
ガス)としては、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス
の他に、空気、酸素、窒素などが使用可能であり、金属
酸化物薄膜を形成する場合には、酸素、一酸化二窒素又
は空気を用いると、そのプラズマによって発生したオゾ
ンを酸化に利用できるので都合がよい。また、形成する
堆積膜(薄膜)の種類によっては、メタンやシランなど
の原料ガスを加える他、ジボランやフォスフィンなどの
添加ガスを加えることも可能である。
【0026】本発明によるプラズマCVD成膜装置で
は、成膜すべき基材の材質は、鋼,アルミニウムなどの
金属、プラスチック(有機樹脂)や、ガラスなとが挙げ
られる。また、形状が板状の基材について成膜を行うだ
けでなく、ローラ状(ロール状)に巻かれた基材につい
てプラズマ発生領域において水平をなすようにしてこれ
を順次巻き取りながら成膜を行うことも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態
によるプラズマCVD成膜装置の構成を模式的に示す側
面図、図2は図1のプラズマCVD成膜装置の構成を模
式的に示す平面図である。
【0028】図1及び図2において、1は箱型状をなす
ステンレス鋼製の反応容器(チャンバー)、4は成膜す
べき基材としての平板状をなす基板である。反応容器1
内において、基材保持手段としての基板ホルダー(基板
ステージ)5上に載置された基板4は、基板搬送機構6
によって真っ直ぐ水平に矢印A方向に移動されるように
なされている。基板ホルダー5には図示しない抵抗加熱
式ヒーターが内蔵されている。
【0029】また、反応容器1内には、2つのローラ
8,9と、これらに掛け回されて走行する薄肉鋼製の導
電性無端ベルト電極7とが配設されている。各ローラ
8,9は円筒状外周面を有している。2つのローラ8,
9は、プラズマ発生領域Pにおいて導電性無端ベルト電
極7表面と水平に延びる基板4表面とが平行をなし、両
者の間隙距離が一定になるように配設されている。導電
性無端ベルト電極7は、その回転方向がプラズマ発生領
域Pにおいて基板4移動方向と同方向に走行するように
なっている。
【0030】前記2つのローラ8,9のうち、図1にお
ける右側に位置するものが金属製の駆動兼給電用ローラ
9である。この駆動兼給電用ローラ9の回転軸は、電気
絶縁性支持部材(図示せず)に取付けられた各軸受14
により軸支されるとともに、該回転軸の一方側が反応容
器1の側壁面外部に取付けられたベルト駆動用モータ1
2の駆動軸にマグネットカップリング13a,13bを
介して連結されている。13aはベルト駆動用モータ1
2の駆動軸に連結された駆動側マグネットカップリング
であり、13bは駆動兼給電用ローラ9の回転軸に連結
された受動側マグネットカップリングである。ベルト駆
動用モータ12を回転させることにより、該モータ12
の駆動軸とは非接触、つまり電気的に絶縁された状態に
て駆動兼給電用ローラ9が回転するようになっている。
【0031】一方、図1における左側に位置する支持用
ローラ8は、そのローラ本体が電気絶縁性材料からな
り、その回転軸の両端部が電気絶縁性支持部材(図示せ
ず)に取付けられた各軸受15により回転自在に支持さ
れている。そして、各軸受15には圧縮ばね等によって
構成された張力付与機構16がそれぞれ取付けられてい
る。導電性無端ベルト電極7のたるみの発生をなくすべ
く、これらの張力付与機構16により、駆動兼給電用ロ
ーラ9に対しての支持用ローラ8が適度の力で引き離さ
れるようになされている。
【0032】10は反応容器1の外部に配された高周波
電源(本実施形態では周波数:13.56MHz)であ
る。前記駆動兼給電用ローラ9には、高電圧投入端子
(図示せず)と整合器11を介して高周波電源10が接
続されている。整合器11は反応容器1の壁面外部に取
付けられている。周知のように、整合器11は、高周波
電源10側と整合器11を含めた負荷側をマッチングさ
せるため周波数の同調とインピーダンスの調整を行うこ
と、整合器11を含めた負荷回路全体での消費電力を最
大にすること、高周波電源10や高周波発振回路を保護
すること、などの役目を担うものである。なお、基板4
が載置される基板ホルダー5は接地されている。前記駆
動兼給電用ローラ9、整合器11及び高周波電源10
は、前記導電性無端ベルト電極7と基板4との間にプラ
ズマを発生させるプラズマ発生手段を構成している。
【0033】2は反応容器1に成膜に必要なガスを導入
するためのガス導入管である。3は排気用ダクトであっ
て、導電性無端ベルト電極7の回転により該ベルト電極
7と基板4との間で形成されるガス流路の下流側に配設
されて、成膜に係わった使用済みガスや、未使用のガス
などを効率的に排出するためのものである。排気用ダク
ト3は、生起されるライン状のプラズマPの長手方向
(ローラ軸方向)の長さとほぼ等しい幅長さの矩形ガス
吸込み口を有している。なお、反応容器1の図1におけ
る左側には仕切り弁(図示せず)を介して仕込み室(図
示せず)が設けられ、反応容器1の図1における右側に
は仕切り弁(図示せず)を介して取出し室(図示せず)
が設けられている。
【0034】このように構成されたプラズマCVD成膜
装置では、ガス導入管2より反応容器1内に成膜のため
のガスを導入するとともに、排気用ダクト3を介して排
気し、反応容器1内を所定の雰囲気圧力に維持する。そ
して、ローラ8,9により導電性無端ベルト電極7を走
行させ、該ベルト電極7と基板4との間にグロー放電に
よる比較的広幅のライン状のプラズマPを発生させ、基
板4を移動させながら、ガスの化学反応により基板4上
に成膜を行う。
【0035】この場合、プラズマ発生領域Pにおいて導
電性無端ベルト電極7と水平に延びる基板4との間隙距
離が一定になるようになされているので、プラズマ発生
領域Pにおける電界強度分布を均一にすることができ
る。また、導電性無端ベルト電極7により、該ベルト電
極7と基板4との間において、該ベルト電極7の走行方
向上流側からプラズマ発生領域Pに至るまでに十分長く
てコンダクタンスがほぼ一定のガス流路を形成すること
ができる。これによってプラズマ発生領域Pにガスを乱
れなくスムーズに供給することができる。よって、本実
施形態のプラズマCVD成膜装置によれば、基板4に高
速でかつ大きな面積で成膜を行えることに加え、プラズ
マ発生領域Pにおける電界強度分布を均一にすることが
できるとともに、プラズマ発生領域Pにガスを乱れなく
スムーズに供給することができるので、従来の円筒状外
周面を有する1つの回転電極を備えたものに比べて均質
な堆積膜を形成することができる。
【0036】この図1に示すプラズマCVD成膜装置に
よりガラス基板上にアモルファスシリコン膜の成膜を行
った。基板4として、洗浄の後に乾燥させたガラス基板
を用いた。ガスとして、水素ガス(希釈用)とシランガ
ス(原料ガス)との混合ガス(含むヘリウムガス)を用
いた。成膜条件は、ベルト電極7と基板4間の間隙距
離:0.5mm、雰囲気圧力:1気圧(≒100kP
a)、水素ガス濃度:0〜10%、シランガス濃度:
0.01〜10%、基板温度:200〜350℃、投入
電力:300〜2500W、成膜時間:30s、ベルト
走行速度:8〜80m/s、とした。また、比較例とし
て、前述した図8に示すローラ状回転電極を有する装置
を用いて、ガラス基板上にアモルファスシリコン膜の成
膜を行った。ローラ状回転電極の直径は30cmであ
る。成膜条件は前記条件と同一にした。ただし、ベルト
走行速度とローラ状回転電極の周速度を一致させるた
め、ローラ状回転電極の回転数は、500〜1000回
転/分とした。
【0037】得られた各アモルファスシリコン膜につい
てその表面を目視観察したところ、両者とも面内にわた
っては(成膜域表面全体にわたっては)異質な分布は見
られず均質であった。次に、前記成膜がなされたガラス
基板を切断し、アモルファスシリコン膜の断面を電子顕
微鏡により観察した。その結果、本発明装置によるアモ
ルファスシリコン膜については、その膜厚方向において
密度変化が3%以内で十分に均質であった。これに対し
て、比較例によるアモルファスシリコン膜については、
ガラス基板との界面部位と膜最表面の部位とに疎な部分
が観察され、これらの部位における密度が膜厚中心部の
密度の73%であり、膜厚方向において均質でなかっ
た。
【0038】図3は本発明の別の実施形態によるプラズ
マCVD成膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図で
ある。ここで、前記図1及び図2に示す成膜装置と同一
又は相当部分には図1及び図2と同一の符号を付してあ
る。
【0039】図3に示すように、反応容器(図示省略)
内には、7つの小径なローラ22a〜22f,23と、
これらに掛け回されて走行する導電性無端ベルト電極2
1とが配設されている。各ローラ22a〜22f,23
は、円筒状外周面を有している。7つのローラ22a〜
22f,23は、プラズマ発生領域Pにおける導電性無
端ベルト電極21の曲率が各ローラ22a〜22f,2
3それぞれの円筒状外周面の曲率より相当に小さく(プ
ラズマ発生領域Pにおけるベルト電極21の曲率半径が
各ローラ22a〜22f,23の半径より相当に大き
く)、プラズマ発生領域Pにおいて導電性無端ベルト電
極21表面と基板4表面との間隙距離、特に最短部付近
の変動が極めて小さくなるように配設されている。導電
性無端ベルト電極21は、その回転方向がプラズマ発生
領域Pにおいて基板4移動方向と同方向に走行するよう
に設定されている。
【0040】これらのローラ22a〜22f,23のう
ち、図3における右端のものが金属性の駆動兼給電用ロ
ーラ23である。この駆動兼給電用ローラ23の回転軸
は、反応容器の外部に配された図示しないベルト駆動用
モータにマグネットカップリングを介して連結されてい
る。また、この駆動兼給電用ローラ23には、整合器1
1を介して高周波電源10が接続されている。基板4が
載置される基板ホルダー5は接地されている。この駆動
兼給電用ローラ23以外のものが、支持用ローラ22a
〜22fである。支持用ローラ22a〜22fは、その
ローラ本体が電気絶縁材料からなり、回転自在に支持さ
れている。前記駆動兼給電用ローラ23、整合器11及
び高周波電源10は、導電性無端ベルト電極21と基板
4との間にプラズマを発生させるプラズマ発生手段を構
成している。
【0041】このように本実施形態のプラズマCVD成
膜装置は、導電性無端ベルト電極21を支持し走行させ
るローラ22a〜22f,23が、従来の円筒状外周面
を有する1つの回転電極を備えたものに比べてプラズマ
発生領域Pにおいて導電性無端ベルト電極21表面と基
材4表面との間隙距離の変動が小さくなるように配設さ
れている。これにより、従来の回転電極を備えたものと
比較してプラズマ発生領域Pにおける電界強度分布を均
一にすることができる。また、導電性無端ベルト電極2
1により、該ベルト電極21と水平に延びる基板4との
間において、該ベルト電極21の走行方向上流側からプ
ラズマ発生領域Pに至るまでに十分に長くてコンダクタ
ンスがほぼ一定のガス流路を形成することができる。こ
れによってプラズマ発生領域Pにガスを乱れなくスムー
ズに供給することができる。よって、本実施形態のプラ
ズマCVD成膜装置によれば、基材4上に高速でかつ大
きな面積で成膜を行えることに加え、従来の円筒状外周
面を有する回転電極を備えたものに比べて、プラズマ発
生領域Pにおける電界強度分布を均一にすることができ
るとともに、プラズマ発生領域Pにガスを乱れなくスム
ーズに十分に供給することができるので、均質な堆積膜
を形成することができる。
【0042】図4は本発明の別の実施形態によるプラズ
マCVD成膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図で
ある。ここで、図3のものとの相違点は、導電性無端ベ
ルト電極31に対して駆動用のローラ33と高周波電力
を供給する給電用のローラ34とを別個に設けるととも
に、給電用のローラ34を最上部に位置させた点にあ
り、それ以外は図3のものと共通構成である。なお、前
記図1及び図2に示す成膜装置と同一又は相当部分には
図1及び図2と同一の符号を付してある。
【0043】すなわち、図4において、32a〜32f
は支持用ローラ、33は右端に位置する駆動用ローラ、
34は最上部に位置する給電用ローラである。導電性無
端ベルト電極31を支持し走行させるこれらのローラ3
2a〜32f,33,34は、円筒状外周面を有してい
る。基板4に臨む7つのローラ32a〜32f,33
は、プラズマ発生領域Pにおける導電性無端ベルト電極
31の曲率が各ローラ32a〜32f,33それぞれの
円筒状外周面の曲率より相当に小さく(プラズマ発生領
域Pにおけるベルト電極31の曲率半径が各ローラ32
a〜32f,33の半径より相当に大きく)、プラズマ
発生領域Pにおいて導電性無端ベルト電極31表面と基
板4表面との間隙距離の変動、特に最短部付近の変動が
極めて小さくなるように配設されている。導電性無端ベ
ルト電極31は、その回転方向がプラズマ発生領域Pに
おいて基板4移動方向と同方向に走行するように設定さ
れている。支持用ローラ32a〜32fは、そのローラ
本体が電気絶縁材料からなり、回転自在に支持されてい
る。金属製の駆動用ローラ33の回転軸は、反応容器の
外部に配された図示しないベルト駆動用モータにマグネ
ットカップリングを介して連結されている。給電用ロー
ラ34は、その回転軸が両端部が電気絶縁性支持部材
(図示せず)に取付けられた各軸受により回転自在に支
持されている。この給電用ローラ34には、整合器11
を介して高周波電源10が接続されている。基板4が載
置される基板ホルダー5は接地されている。前記給電用
ローラ34、整合器11及び高周波電源10は、導電性
無端ベルト電極31と基板4との間にプラズマを発生さ
せるプラズマ発生手段を構成している。
【0044】このように構成される本実施形態のプラズ
マCVD成膜装置によっても、前記図3の成膜装置と同
様に、基材4上に高速でかつ大きな面積で成膜を行える
ことに加え、従来の円筒状外周面を有する回転電極を備
えたものに比べて、プラズマ発生領域Pにおける電界強
度分布を均一にしうるとともに、プラズマ発生領域Pに
ガスを乱れなくスムーズに十分に供給することができる
ので、均質な堆積膜を形成することができる。
【0045】図5は本発明の別の実施形態によるプラズ
マCVD成膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図で
ある。ここで、図3のものとの相違点は、無端のベルト
電極に代えて長尺の帯状のベルト電極41を備え、この
導電性長尺ベルト電極41を巻き取りながら走行させる
ようにした点にある。なお、前記図1及び図2に示す成
膜装置と同一又は相当部分には図1及び図2と同一の符
号を付してある。
【0046】図5において、42a〜42fは支持用ロ
ーラ、43は右端に位置する給電用ローラ、44は送出
しローラ、45は巻取りローラである。薄肉鋼製の導電
性長尺ベルト電極41を支持して走行させるこれらのロ
ーラ42a〜42f,43〜45は、円筒状外周面を有
している。送出しローラ44に巻回されている導電性長
尺ベルト電極41は、巻取りローラ45が駆動モータ
(図示せず)により回転することにより、送出しローラ
44から走行して7つのローラ42a〜42f,43を
経由して巻取りローラ45に巻き取られるようになって
いる。この場合、基板4に臨む7つのローラ42a〜4
2f,43は、プラズマ発生領域Pにおける導電性長尺
ベルト電極41の曲率が各ローラ42a〜42f,43
それぞれの円筒状外周面の曲率より相当に小さく(プラ
ズマ発生領域Pにおけるベルト電極41の曲率半径が各
ローラ42a〜42f,43の半径より相当に大き
く)、プラズマ発生領域Pにおいて導電性長尺ベルト電
極41表面と基板4表面との間隙距離の変動、特に最短
部付近の変動が極めて小さくなるように配設されてい
る。
【0047】前記支持用ローラ42a〜42fは、その
ローラ本体が電気絶縁材料からなり、回転自在に支持さ
れている。給電用ローラ43は、その回転軸の両端部が
電気絶縁性支持部材(図示せず)に取付けられた各軸受
により回転自在に支持されている。この給電用ローラ4
3には、整合器11を介して高周波電源10が接続され
ている。基板4が載置される基板ホルダー5は接地され
ている。前記給電用ローラ43、整合器11及び高周波
電源10は、導電性長尺ベルト電極41と基板4との間
にプラズマを発生させるプラズマ発生手段を構成してい
る。
【0048】このように構成された本実施形態のプラズ
マCVD成膜装置によっても、前記図3,図4の成膜装
置と同様に、基材4上に高速でかつ大きな面積で成膜を
行えることに加え、従来の円筒状外周面を有する回転電
極を備えたものに比べて、プラズマ発生領域Pにおける
電界強度分布を均一にしうるとともに、プラズマ発生領
域Pにガスを乱れなくスムーズに十分に供給することが
できるので、均質な堆積膜を形成することができる。こ
の本実施形態の成膜装置では、成膜後に導電性長尺ベル
ト電極41を回収し、これを別の場所にてクリーニング
できるという利点もある。
【0049】図6は本発明の別の実施形態によるプラズ
マCVD成膜装置の構成を模式的に示す側面図である。
ここで、図1のものとの相違点は、ベルトとして絶縁性
無端ベルト51を備え、該絶縁性無端ベルト51と基板
4との間隙距離が最短となる位置に、該ベルト51裏面
に接して該ベルト51を支持するとともに、高周波電源
10が接続される1つのローラ状電極体54を配設して
いる点にある。なお、なお、前記図1及び図2に示す成
膜装置と同一又は相当部分には図1及び図2と同一の符
号を付してある。
【0050】図6において、反応容器1内には、3つの
ローラ52〜54と、これらに掛け回されて走行する絶
縁性無端ベルト51とが配設されている。各ローラ52
〜54は円筒状外周面を有している。3つのローラ52
〜54は、プラズマ発生領域Pにおける絶縁性無端ベル
ト51の曲率が各ローラ52〜54それぞれの円筒状外
周面の曲率より相当に小さく(プラズマ発生領域Pにお
けるベルト51の曲率半径が各ローラ52〜54の半径
より相当に大きく)、プラズマ発生領域Pにおいて絶縁
性無端ベルト51表面と基板4表面との間隙距離、特に
最短部付近の変動が極めて小さくなるように配設されて
いる。絶縁性無端ベルト51は、その回転方向がプラズ
マ発生領域Pにおいて基板4移動方向と同方向に走行す
るように設定されている。絶縁性無端ベルト51の材質
としては、テフロン(登録商標)、ポリイミド、ゴムな
どが挙げられる。
【0051】前記ローラ52〜54のうち、絶縁性無端
ベルト51と基板4との間隙距離が最短となる位置に配
設されたローラ状電極体54に、絶縁性無端ベルト51
と基板4との間にプラズマを発生させるべく、図示しな
い高電圧投入端子と整合器11を介して高周波電源10
が接続されている。金属製のローラ状電極体54は、そ
の回転軸の両端部が電気絶縁性支持部材(図示せず)に
取付けられた各軸受により回転自在に支持されている。
基板4が載置される基板ホルダー5は接地されている。
【0052】また、図6における左側に位置する金属製
の支持用ローラ52は、その回転軸の両端部が電気絶縁
性支持部材(図示せず)に取付けられた各軸受により回
転自在に支持されている。さらに、図6における右側に
位置する金属製の駆動用ローラ53の回転軸は、反応容
器1の外部に配された図示しないベルト駆動用モータに
マグネットカップリングを介して連結されている。前記
ローラ状電極体54、整合器11及び高周波電源10
は、絶縁性無端ベルト51と基板4との間にプラズマを
発生させるプラズマ発生手段を構成している。
【0053】このように構成される本実施形態のプラズ
マCVD成膜装置によると、電気的には絶縁性無端ベル
ト51のローラ状電極体54に接触する部分のみが電極
の役割を果たすので、雰囲気圧力が高くても電界を集中
させて安定にプラズマを発生させることができる。さら
に、絶縁性無端ベルト51により、プラズマ発生領域P
にガスを乱れなくスムーズに十分に供給するためのガス
流路を形成することができる。これにより、従来の回転
電極を備えたものに比べて均質な堆積膜を形成すること
ができる。また、プラズマ発生領域Pが広幅になり易い
導電性ベルト電極を備えたもの(図1,図3〜図5参
照)に比べて雰囲気圧力を高くしても安定にプラズマを
発生させることができる。
【0054】図7は本発明の別の実施形態によるプラズ
マCVD成膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図で
ある。ここで、前記図6の成膜装置との相違点は、絶縁
性無端ベルト51に付着した不要な堆積膜を除去するク
リーニング機構を備えた点にある。これ以外は図6に示
すものと同じであるから、図6と共通する部分には同一
の符号を付して説明を省略し、クリーニング機構につい
てのみ説明する。
【0055】図7に示すように、絶縁性無端ベルト51
における基板4に臨む側とは反対側の走行路位置に、該
絶縁性無端ベルト51を挟むようにしてクリーニング用
高周波電極61と、クリーニング用接地電極62とが配
設されている。クリーニング用高周波電極61には反応
容器の外部に配されたクリーニング用高周波電源63が
接続されている。クリーニング用の一対の電極61,6
2と高周波電源63によりドライクリーニング機構が構
成されている。
【0056】所定枚数の基板4を成膜処理した後、この
ようなドライクリーニング機構により、反応容器内にエ
ッチング性ガスを導入してプラズマを発生させ、絶縁性
無端ベルト51に付着した不要の堆積膜をガス化して除
去する。このように、クリーニング機構を備えることで
装置のメンテナンスにかかる手間を減らして装置稼働率
を向上させることができる。なお、クリーニング機構と
して、絶縁性無端ベルト51に付着した不要な堆積膜を
回転ブラシなどによって除去する機械的除去機構を備え
るようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるプラズ
マCVD成膜装置によれば、基材上に高速でかつ大きな
面積で成膜を行えることに加え、従来の円筒状外周面を
有する回転電極を備えたものに比べて、プラズマ発生領
域における電界強度分布を均一にすることができるとと
もに、プラズマ発生領域にガスを乱れなくスムーズに十
分に供給することができるので、均質な堆積膜を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるプラズマCVD成膜
装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図2】図1のプラズマCVD成膜装置の構成を模式的
に示す平面図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるプラズマCVD成
膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図である。
【図4】本発明の別の実施形態によるプラズマCVD成
膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるプラズマCVD成
膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図である。
【図6】本発明の別の実施形態によるプラズマCVD成
膜装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図7】本発明の別の実施形態によるプラズマCVD成
膜装置の構成の要部を模式的に示す側面図である。
【図8】円筒状外周面を有する回転電極を備えた従来の
プラズマCVD成膜装置の構成を模式的に示す側面図で
ある。
【符号の説明】
1…反応容器 2…ガス導入管 3…排気用ダクト 4
…基板 5…基板ホルダー 6…基板搬送機構 7…導
電性無端ベルト電極 8…支持用ローラ 9…駆動兼給
電用ローラ 10…高周波電源 11…整合器 12…
ベルト駆動用モータ 13a,13b…マグネットカッ
プリング 14,15…軸受 16…張力付与機構 2
1…導電性無端ベルト電極 22a〜22f…支持用ロ
ーラ 23…駆動兼給電用ローラ 31…導電性無端ベ
ルト電極 32a〜32f…支持用ローラ 33…駆動
用ローラ 34…給電用ローラ 41…導電性長尺ベル
ト電極 42a〜42f…支持用ローラ 43…給電用
ローラ 44…送出しローラ 45…巻取りローラ 5
1…絶縁性無端ベルト 52…支持用ローラ 53…駆
動用ローラ 54…ローラ状電極体 61…クリーニン
グ用高周波電極 62…クリーニング用接地電極 63
…クリーニング用高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釘宮 敏洋 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 後藤 裕史 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 小林 明 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 細川 佳之 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 井上 憲一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 森 勇藏 大阪府交野市私市8丁目16番19号 Fターム(参考) 4K030 DA06 FA03 JA03 KA15 KA16 KA30 KA46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上のローラと、前記ローラによって
    支持され走行するベルトと、前記ベルトの一部と対向す
    る位置に成膜すべき基材を保持する基材保持手段と、前
    記ベルトと前記基材との間隙でプラズマを発生させるプ
    ラズマ発生手段とを備えていることを特徴とするプラズ
    マCVD成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記ベルトの前記プラズマの発生領域に
    おける曲率は、その曲率半径が前記ローラの半径よりも
    大きいことを特徴とする請求項1記載のプラズマCVD
    成膜装置。
  3. 【請求項3】 前記ベルトは導電性のベルト電極であ
    り、前記プラズマ発生手段は、前記ベルト電極と前記基
    材又は前記基材保持手段との間に、高周波電力又は直流
    電力を印加するものであることを特徴とする請求項1又
    は2記載のプラズマCVD成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記ベルトは絶縁性のベルトであり、前
    記ベルトの前記基材に対してベルト裏面に接して、又は
    近傍に配された電極体を備え、前記プラズマ発生手段
    は、前記電極体と前記基材又は前記基材保持手段との間
    に、高周波電力又は直流電力を印加するものであること
    を特徴とする請求項1又は2記載のプラズマCVD成膜
    装置。
  5. 【請求項5】 前記電極体は、その軸方向がベルト走行
    方向に対して垂直をなし、円筒形又は回転可能なローラ
    形状であることを特徴とする請求項4記載のプラズマC
    VD成膜装置。
  6. 【請求項6】 前記ベルトに付着した不要な堆積膜を除
    去するクリーニング機構を備えたことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマCVD成膜装
    置。
  7. 【請求項7】 前記クリーニング機構が、エッチング性
    ガスを導入してプラズマを発生させ、エッチング作用に
    より不要な堆積膜を除去する構成とされていることを特
    徴とする請求項6記載のプラズマCVD成膜装置。
  8. 【請求項8】 前記ベルトと前記基材との間隙距離が最
    短部で0.1〜5mmであることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか1項に記載のプラズマCVD成膜装置。
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