JP2004106962A - 用紙検出機構およびこれを備えた画像形成装置、並びに用紙検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーやソフトに負担を増加させず、用紙の先端通過等を精度良く検出する用紙検出機構および用紙検出方法並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙検出機構では、定形用紙A1の場合には端部を押し下げ、斜めに照射される検出光Lを端部近傍で遮ることによって、先端通過を検出すると共にサイドレジも精度良く検出する((A)、(B)参照)。一方、角に切欠54を有する規格外用紙A2が搬送された場合には、同様にすると検出光Lが切欠部分B1を通過して((C)参照)搬送されてくる先端通過タイミングを誤検出してしまうため、端部を持ち上げて検出光Lが規格外用紙A2を照射する位置を幅方向でセンタよりに変更することによって、先端62の通過タイミングを精度良く検出できる。
【選択図】 図7
【解決手段】用紙検出機構では、定形用紙A1の場合には端部を押し下げ、斜めに照射される検出光Lを端部近傍で遮ることによって、先端通過を検出すると共にサイドレジも精度良く検出する((A)、(B)参照)。一方、角に切欠54を有する規格外用紙A2が搬送された場合には、同様にすると検出光Lが切欠部分B1を通過して((C)参照)搬送されてくる先端通過タイミングを誤検出してしまうため、端部を持ち上げて検出光Lが規格外用紙A2を照射する位置を幅方向でセンタよりに変更することによって、先端62の通過タイミングを精度良く検出できる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送される用紙の搬送タイミング等を精度良く検出する用紙検出機構および画像形成装置、並びに用紙検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、高速プリンタなどでは、搬送されてくる用紙に精度良く画像を形成するために用紙の幅方向端部を側壁などに突き当てることによって幅方向位置を合わせると共に、用紙の搬送(先端検出)タイミングに基づいて画像形成する構成とされている。
【0003】
具体的には、用紙上に画像形成する位置よりも搬送方向上流側で、用紙の幅方向位置(サイドレジ)が精度良く調整されているかをセンサで検出すると共に、センサで検出した用紙(先端)の通過タイミングに基づいて画像形成タイミングを調整している。
【0004】
また、このサイドレジ検出と用紙搬送タイミング検出を1つのセンサで兼用するために搬送路の幅方向端部に当該センサを配置している。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−69480号
【特許文献2】
特開平10−315553号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなプリンタでは、近年、従来から使用されてきたA4,B4,A3などの定型サイズの用紙に加え、不定形サイズの用紙や切欠や孔が形成された用紙(以下、規格外用紙という)の使用が増えてきている。
【0007】
用紙に形成された切欠や孔は、主に印字後の用紙の折り曲げ加工のためや、ユーザーの利便性、各種法律などで特定の場所に孔をあける必要があるなどの理由によるもので、印字後に圧着処理をしてハガキサイズにするシーリング用紙と言われているもの等に多く存在する。
【0008】
このような用紙をプリンタ内を搬送させた場合、例えば図15に示すように、用紙の端(角)に切欠100が設けられている用紙Bは、切り欠かれた部分(以下、切欠部分という(ハッチング部分))102がセンサ104上を通過することにより、センサ104から出射された検出光が切欠部分102を通過してしまうため、用紙B(先端106)の通過タイミングを誤検出したり、孔があいている用紙などは検出光が孔を通過することによって、1枚の用紙を2枚と誤検出してしまう等の問題を発生することがあった。
【0009】
従来、このような問題に対しては、用紙の形状をプリンタの仕様に合わせて変更するか、センサの位置を移動させて孔や切欠の部分にかからないようにするか、またはソフト的にある程度の大きさの孔や切欠はキャンセルするなどの対応が取られていた。
【0010】
しかし、用紙の形状変更は用紙の仕様を変更するためにユーザーの負担が増加し、センサの移動は移動させる手間が大変だったり、ソフト的に対応する場合は、どの程度の大きさの孔まで無視するか等のパラメータ調整が必要で、かつソフトが複雑になるなどの問題があった。
【0011】
また、特許文献1や特許文献2のように、特定の用紙(バインダー用紙)等に対して予めソフト側で孔の部分をマスクすることで誤検出を回避する方法が提案されているが、予め用紙の形状を把握してソフトに組み込んでおく必要があるという不都合があった。
【0012】
そこで本発明は、ユーザーやソフトの負担を増加させることなく、切欠等が形成された用紙でも通過タイミング等を精度良く検出できる用紙検出機構および画像形成装置、並びに用紙検出方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光透過型センサを用いて用紙の有無を検出する用紙検出機構であって、光透過型センサを構成し、用紙の搬送路に対して検出光を出射する発光素子と、光透過型センサを構成し、用紙の搬送方向と直交する用紙の幅方向において前記発光素子と異なる位置に配設され、前記検出光の光路上に用紙がない場合に当該検出光が入射する受光素子と、前記搬送路において前記光透過型センサよりも搬送方向上流側に配設され、用紙の種類に応じて用紙の搬送位置を幅方向と直交する上下方向に変位させる変位手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明の作用について説明する。
【0015】
本発明では、光透過型センサを構成する発光素子と受光素子が用紙の搬送方向に直交する幅方向にオフセットして配設されているため、発光素子から受光素子に向けて照射される検出光は搬送方向視において幅方向に対して傾斜することになる。したがって、変位手段によってセンサ位置における用紙の搬送位置を上下方向に変位させると、検出光の用紙照射位置が幅方向に変化することになる。すなわち、孔部や切欠が形成されている規格外用紙を搬送する場合であっても、変位手段が用紙の搬送位置を上下に変位させることによって用紙に対する検出光照射位置を幅方向に変化させ、孔部や切欠部分を検出光が通過して用紙の通過タイミングを誤検出することを回避できる。
【0016】
例えば、幅方向中央よりから幅方向端部に向かって斜め下方に検出光を照射する構成とした場合には、以下のように用紙の検出を行なう。すなわち、定形用紙を搬送する場合には、変位手段によって用紙の搬送位置を下方向に移動させる。この結果、用紙の搬送位置と検出光の光路の交差位置(検出光の照射位置)は幅方向端部に移動する。したがって、光透過型センサによってサイドレジが調整されているか否かを精度良く検出できると共に、用紙の通過タイミングも精度良く検出することができる。
【0017】
一方、規格外の用紙を搬送する場合には、変位手段によって用紙の搬送位置を上方向に移動させる。この結果、用紙の搬送位置と検出光の光路の交差位置(検出光の照射位置)が幅方向端部から中央側に移動する。したがって、検出光が用紙の幅方向端部に設けてある切欠部等を透過して受光素子に入射することを回避でき、用紙の通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記搬送路には、前記発光素子から出射された検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んで当該発光素子と反対側で反射し、前記検出光を前記受光手段に導く反射手段を備えることを特徴する。
【0019】
請求項2記載の発明の作用について説明する。
【0020】
本発明では、搬送方向視において、発光素子から幅方向に対して斜めに照射された検出光が少なくとも用紙搬送位置を挟んだ反対側で反射手段に反射されて受光素子に入射する構成とされている。この結果、搬送方向視において検出光の光路と用紙搬送位置の交差位置が少なくとも2ヶ所ある構成とされる。したがって、いずれかの交差位置で用紙が検出光を遮れば用紙が検出されるため、精度良く用紙通過タイミングを検出することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、光透過型センサを用いて用紙の有無を検出する用紙検出機構であって、光透過型センサを構成し、用紙の搬送路に対して検出光を出射する発光素子と、光透過型センサを構成し、用紙の搬送方向と直交する用紙の幅方向において前記発光素子と異なる位置に配設され、前記検出光の光路上に用紙がない場合に当該検出光が入射する受光素子と、前記搬送路において、前記発光素子から出射された検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んで当該発光素子と反対側で反射し、前記検出光を前記受光手段に導く反射手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明の作用について説明する。
【0023】
本発明では、光透過型センサを構成する発光素子と受光素子が用紙の搬送方向に直交する幅方向にオフセットして配設されているため、発光素子から受光素子に向けて照射される検出光は搬送方向視において幅方向に対して傾斜することになる。また、発光素子から出射される検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んだ反対側で反射させる反射手段を搬送路に設けているため、用紙の搬送位置と検出光の光路が複数位置で交差する構成とすることができる。したがって、用紙の幅方向において複数ヶ所に孔部が形成されている場合においても、複数の交差位置のいずれか1ヶ所で用紙が検出光を遮断すれば受光素子に検出光が入射することはなく用紙(先端)の通過を検出できる。すなわち、用紙が通過中にも拘わらず、次の用紙が来たと判断して用紙の誤検出することが回避できる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、発光素子における検出光の出射方向を変更する調整手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項4記載の発明の作用について説明する。
【0026】
搬送方向視において、検出光の出射角度を変化させることによって搬送路内における検出光の反射角度が変化し、用紙搬送位置と検出光の光路との交差位置(用紙に対する検出光の照射位置)が幅方向で変化する。したがって、用紙に形成された切欠や孔部の幅方向位置に対応させて発光素子の検出光の出射角度を変化させることによって、用紙の誤検出を回避でき、用紙の通過タイミングを精度良く検出できる。
【0027】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1〜4のいずれか1項記載の用紙検出機構を備えることを特徴とする。
【0028】
請求項5記載の発明の作用について説明する。
【0029】
画像形成装置において、上記用紙検出機構を設けることによって切欠や孔部が設けられた用紙が搬送された場合でも、用紙の先端通過タイミングを精度良く検出することができ、この先端通過タイミングに基づいて用紙に画像を精度良く形成することができる。また、上記用紙検出機構がサイドレジ(用紙の幅方向位置合わせ)が確実にされたか否かを検出するために搬送路の幅方向端部に設けられた場合でも、角に切欠が設けられた規格外の用紙の通過タイミングを精度良く検出でき、画像形成を良好に行なうことができる。
【0030】
請求項6記載の発明は、発光素子から用紙の搬送路に検出光を出射し、当該検出光が受光素子に入射するか否かで用紙を有無を検出する用紙検出方法であって、用紙の搬送方向視において、用紙の幅方向に対して傾斜した方向に前記発光素子から用紙の検出光を出射すると共に、用紙の種類に応じて、前記検出光の照射位置における用紙の搬送位置を上下方向に変位させることを特徴とする。
【0031】
請求項6記載の発明の作用について説明する。
【0032】
本発明では、光透過型センサを構成する発光素子から出射される検出光が搬送方向視において幅方向に対して傾斜している。したがって、センサ位置における用紙の搬送位置を幅方向に直交する上下方向に変位させると、検出光の用紙照射位置が幅方向に変化する。すなわち、用紙の種類に対応して用紙の搬送位置を上下させることにより検出光の用紙照射位置を幅方向において変更させ、用紙上に形成された孔部や切欠部分を検出光が通過して用紙の通過タイミングを誤検出することを回避できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明に係る用紙に用紙検出機構およびプリンタ(画像形成装置)並びに用紙検出方法について説明する。先ず、用紙検出機構が適用されたプリンタについて概略説明をし、その後で要部である用紙検出機構および用紙検出方法について説明する。
(画像形成装置の概略説明)
プリンタ10は、図1に示すように、印刷前の用紙を積載する4つの給紙トレイ12A〜12Dと、画像を形成して用紙に印字する画像形成部14と、用紙に印字した画像を用紙に定着させる定着装置16と、両面に印字を行うために用紙を反転させる反転装置18と、印字された用紙を排出、積載するための3つの排出トレイ20A〜20Cと、各構成要素間をつなぎ、用紙を搬送するための複数の搬送ロール対を備えた搬送路22とを備える。
【0034】
給紙トレイ12A〜12Dは、用紙を一定量積載して1枚ずつ繰り出すためのトレイである。例えば、積層された用紙からフィードベルトにて最上部の用紙1枚を取り出し、搬送ロール対によって搬送路22に送り出すものである。
【0035】
画像形成部14は、既知の感光体を用いたゼログラフィー(電子写真)方式により、トナー画像を現像して搬送路22を搬送されてくる用紙に転写させるシステムである。
【0036】
定着装置16は、用紙に転写された未定着画像を、熱と圧力により用紙に定着させる装置である。
【0037】
反転装置18は、例えば既に知られているインバーター方式により、用紙を反転させ、印字していない面に画像を形成可能にするものである。インバーター方式の替りに中間トレイを設けても良い。
【0038】
排出トレイ20A〜20Cは、印字を終えた用紙を排出、積載しておくトレイである。
【0039】
なお、搬送路22に沿って画像転写位置Pよりも搬送方向上流側には、搬送されてくる用紙のサイドレジ(幅方向位置)を合せるために搬送方向に対して傾斜して配設された一対のスキューローラ24が配設されている(図3参照)。この一対のスキューローラ24によって搬送路22を構成する筐体36の側面36Cに突き当てられ、サイドレジが合せられる構成である。
(用紙検出機構)
このように構成されたプリンタ10の搬送路22において、転写位置Pよりも搬送方向上流側で一対のスキューローラ24の近傍に用紙検出機構30が形成されている(図1参照)。用紙検出機構30について詳細に説明する。
【0040】
用紙検出機構30は、図2〜図4に示すように、用紙の有無を検出する光透過型センサ32と、光透過型センサ32よりも搬送方向上流側に配設され用紙の幅方向端部を持ち上げ、あるいは押し下げる用紙変位機構34とから構成されている。
【0041】
搬送路22は、図3に示すように、搬送方向に直交する幅方向断面において上下左右を筐体36の壁面で囲われており、その内部を搬送ローラ対35(図7参照)にニップされた用紙が搬送されていく構成である。
【0042】
光透過型センサ32は、検出光Lを出射する発光素子32Aと、検出光Lが入射する受光素子32Bとから構成されている。
【0043】
発光素子32Aは、図2〜図4に示すように、搬送路22を構成する筐体36の上部に配設されており、検出光Lを幅方向に沿った光とするスリット38を備え、上面36Aに設けられた孔部40を介して搬送路22(筐体36の内部)に検出光Lを出射する構成とされている。一方、受光素子32Bは、筐体36の下部で発光素子32Aと幅方向においてオフセットした位置に配設されており、下面36Bに設けられた孔部42、スリット44を通過した検出光Lのみが入射する構成となっている。すなわち、発光素子32Aから出射された検出光Lは、図4に示すように、幅方向断面において筐体36の内部を幅方向に対して所定角度傾斜して(以下、単に「斜め」という場合がある)横切り、受光素子32Bに入射する構成である。
【0044】
一方、用紙変位機構34は、図3および図6(A)、(B)に示すように、光透過型センサ32よりも搬送方向上流側に配設されているものであり、筐体36の上下に配設された一対のガイドバー44A、44Bとから構成されている。筐体36の上側に配設されたガイドバー44Aは、図3および図6に示すように、幅方向に沿って延在する回転軸46Aと、回転軸46Aから搬送方向下流側に延在する支持板48Aと、支持板48Aの搬送方向先端に保持され所定の可撓性を有するニ軸延伸PETフィルムから形成された用紙押え部50Aとを備える。回転軸46Aの一端(側面36C側端部)には係合板52Aが搬送方向上流側に突出配置されており、他端には原位置復帰用のスプリング54Aが巻回されている。ガイドバー44Aは、スプリング54Aによって回転軸46Aを中心として図6において時計回りに付勢されている。したがって、係合板52Aが装置本体に設けられた係止棒59Aに当接して、ガイドバー44Aは通常、水平状態とされている。
【0045】
一方、側面36Cの外側には、図示しない駆動源によって上下動する棒56と、棒56から幅方向に突出形成された係合棒58が形成されており、棒56が上方向に移動すると、係合棒58が係合板52Aを押し上げ、ガイドバー44Aを反時計回りに回転させる構成である。
【0046】
また、ガイドバー44Aが配設された筐体36の上面36Aには、搬送方向に延在する孔部60Aが形成されており、ガイドバー44Aが反時計回りに回転することによって搬送路22の内部に支持板48Aが進入して先端の用紙押え部50Aが用紙の幅方向端部を筐体36の下面36Bに押えつける構成である(図6(B)→(A)参照)。
【0047】
一方、筐体36の下側に配設されたガイドバー44Bも同様の構成であり、回転軸46Bが回転されることによって用紙Aの幅方向端部を持ち上げる構成である(図6(A)→(B)参照)。ただし、ガイドバー44A、44Bおよびこれに対応する筐体36の孔部60A、60Bが幅方向にオフセットして配設されている(図3、図5参照)。したがって、ガイドバー44A、44Bの用紙押え部50A、50Bが孔部60B、60Aに進入することはない。
【0048】
このように構成されるプリンタ10における用紙検出機構30の作用(用紙検出方法)について説明する。
【0049】
通常の定形紙A1が搬送される場合、用紙変位機構34は予め棒56が上方向に移動し、係合棒58が係合板52Aを押し上げる。したがって、スプリング54Aの付勢力に抗してガイドバー44Aが反時計周りに回転して支持板48Aが孔部60Aから筐体36の内部に進入して用紙押え部50Aが下面36Bに当接した状態とされる(図6(A)参照)。一方、定形紙A1は給紙トレイ12Aから搬送路22に送り出され、スキューローラ24によって筐体36を構成する側面36Cに突き当てられると共に、側面36C側端部が用紙押え部50Aによって搬送ローラ対35によって支持された位置よりも下側に押えつけられ、センサ位置に搬送される(図7(A)参照)。この結果、発光素子32Aから出射された検出光Lを側面36C側端部近傍で定形紙A1が遮る。したがって、受光素子32Bに検出光Lが入射しなくなることによって定形紙A1(先端)の通過タイミングを検出すると共に、定形紙A1のサイドレジが調整されていることを精度良く検出するものである。
【0050】
この場合には、図7(B)の二点鎖線Qに示すように、検出光Lが定形紙A1の先端62から確実に照射して(定形紙A1で遮断され)、光透過型センサ32が定形紙A1(先端62)の通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0051】
特に、定形紙A1の場合には、先端62を幅方向のいずれの位置で検出しても問題ないため、センサ位置で定形紙A1の側面36C側端部を押し下げ搬送して検出光Lが定形紙A1の側面36C側端部近傍を照射する構成にでき、サイドレジを精度良く検出することができる。
【0052】
一方、規格外用紙(例えば、角に切欠が設けられた規格外用紙A2(図13(A)参照))が搬送される場合、用紙変位機構34の棒56が下方に移動することによって、係合棒58に押し上げられていた係合板52Aと共にガイドバー44Aがスプリング54Aの付勢力によって時計回りに回転して水平位置(原位置)に復帰する。一方、下側のガイドバー44Bは、係合棒58の下方移動に伴なって係合板52Bが押し下げられ、スプリング54Bの付勢力に抗して回転軸46Bを中心に反時計回りに回転する。この結果、支持板48Bの先端の可撓性の用紙押え部50Bが搬送路22の上板36Aに押しつけられた状態とされる(図6(A)→(B)参照)。この結果、給紙トレイ12Bから搬送路22に送り出され、スキューローラ24によって筐体36を構成する側面36Cに突き当てられた規格外用紙A2は、側面36C側端部が持ち上げられ、光透過型センサ32の位置まで搬送される。図8(A)に示すように、規格外用紙A2の側面36C側端部はセンサ位置で上面36Aに近い位置を搬送され、発光素子32Aから出射された検出光Lを遮り、受光素子32Bが受光しなくなることによって用紙の通過タイミングを検出すると共に、規格外用紙A2のサイドレジが調整されていることを確認する。
【0053】
この際、規格外用紙A2の搬送方向先端62には、切欠54が設けられているため、定形紙A1の場合と同様に搬送路22の低い位置を規格外用紙A2の側面36C側端部が搬送されてくると、発光素子32Aから出射された検出光Lが切欠部分B1(図7(C)、二点鎖線Q参照)を通過して受光素子32Bに入射されることにより、既にセンサ位置に到達している用紙A2の先端62の通過タイミングを誤って(遅れて)検出し、画像転写タイミングが狂って精度良く画像形成できないという問題を生ずる。ところが、本実施形態では、光透過型センサ位置において規格外用紙A2の側面36C側端部が上側に持ち上げられていることによって、用紙上における検出光Lの照射位置が幅方向センタ寄りに変化し、規格外用紙A2の先端62の通過タイミングを精度良く検出する(図8(B)、二点鎖線Q参照)。したがって、画像形成部14から用紙上に精度良く画像が転写され、定着装置16によって定着された後に収納トレイ20Bに収納される。すなわち、規格外用紙A2に精度良く画像形成することができる。
【0054】
このように、本実施形態では、孔部や切欠が設けられていない通常の定形用紙A1の場合には、搬送路22の下側を通過させることによって定形用紙A1がスキューローラ24で押し付けられる側面36C側の端部近傍に検出光Lを照射することによってサイドレジを精度良く検出すると共に、用紙通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0055】
また、センサ32を構成する発光素子32A、受光素子32Bを幅方向に移動させる構成と異なり、筐体36に形成する孔部40、42を小さくすることができる。
【0056】
なお、用紙変位機構34の構成は本実施形態に限定されるものではない。例えば、回転軸46A、46Bをローターリーアクチュエータで回転させる構成でも良い。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る用紙検出機構および用紙検出機構を用いた画像形成装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、光透過型センサによる検出方法のみなので該当部分のみ説明する。
【0057】
図9および図10に示すように、搬送路22を構成する筐体36の上部には、幅方向の異なる(オフセットされた)位置に発光素子32Aと受光素子32Bが配設されると共に、筐体36の下面36Bにはミラー70が配設されている。したがって、筐体の上面36Aに形成された孔部40を介して発光素子32Aから出射された検出光Lが筐体36内部を照射し、ミラー70で反射された検出光Lが孔部42から受光素子32Bに入射する構成とされている。
【0058】
このように構成された用紙検出機構および画像形成装置の作用について説明する。
【0059】
第1実施形態と同様に定形用紙A1が搬送される場合には、用紙変位機構34によって定形用紙A1の端部を下方に押し下げることによって、定形用紙A1(先端62)の通過タイミングを確実に検出する(図9(A)、(B)参照)。
【0060】
一方、角に切欠54などが形成された規格外用紙A2が搬送される場合には、用紙変位機構34によって規格外用紙A2の側面36C側端部を持ち上げることによって、発光素子32Aから照射された検出光Lが用紙の搬送位置と交差する位置(用紙照射位置)P1、P2を幅方向(矢印X方向)に移動させ、切欠部分Bを検出光Lが通過することを回避できる。したがって、用紙A2の先端通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0061】
特に、孔部72が形成された規格外用紙A3(図13(B)参照)が搬送された場合には、規格外用紙A3の側面36C側端部が下側に位置すると反射前後の検出光Lの光路と用紙搬送位置の交差位置P1、P2が幅方向おいて近接しているため、反射前、反射後のいずれの検出光Lも孔部72を通過するおそれがある(図9(C)、二点鎖線Q参照)が、幅方向端部が上部を通過することによって、検出光Lの光路と用紙搬送位置の交差位置P1、P2が幅方向に離間して(図10(A)参照)、いずれか一方の位置で用紙A3が検出光Lを遮ることができ、精度良く用紙の通過を検出することができる(2枚と誤検出することを回避できる)(図10(C)、二点鎖線Q参照)。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る用紙検出機構および用紙検出方法並びに用紙検出機構を用いた画像形成装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施形態に係る用紙検出機構は、第1、第2実施形態にあった用紙変位機構がなく、光透過型センサのみで構成されている。光透過型センサを構成する発光素子32Aと受光素子32Bは、図11に示すように、筐体36の上部に幅方向にオフセットされた形で配置されている。第2実施形態と異なるのは、筐体36の上面および下面には、複数のミラー70が配設されている点である。
【0063】
すなわち、発光素子32Aから出射された検出光は、筐体36の上面および下面に配設された複数のミラー70によって多重反射され、検出光L光路が用紙通過位置を何度も横切るような形とされている。
【0064】
このように構成される用紙検出機構および用紙検出方法並びに画像形成装置の作用について説明する。
【0065】
このように光透過型センサ32から出射された検出光Lが幅方向に沿って搬送路22を構成する筐体36の内部を多重反射することによって、センサ位置を通過する用紙を複数ヶ所で横切る構成とされている。したがって、用紙Aの一部に切欠や孔部があり、当該部分を検出光Lが通過しても、用紙Aの他の部分で検出光Lが遮断されて受光素子32Bに入射することはない。すなわち、孔部、切欠の有無に拘わらず用紙Aの先端通過を精度良く検出することができる。
【0066】
また、本実施形態では用紙変位機構34が不要となり、用紙検出機構の構成が簡略化されるというメリットもある。
【0067】
なお、本実施形態のバリエーションとして図12のように構成することもできる。すなわち、筐体36の上面36Aと下面36Bに幅方向に延在する一対のミラー70A、70Bを配設すると共に、発光素子32Aと受光素子32Bを幅方向に沿って回転可能に構成している。すなわち、図12(A)、(B)に示すように、発光素子32Aから出射する検出光Lの出射角度θを変更することによって、検出光Lの反射位置および反射角度を変更し、用紙Aの通過位置と交差する位置の変更可能に構成したものである。
【0068】
これにより、例えば、図13(B)に示すように幅方向に沿って複数ヶ所に孔部(切欠)72が形成されている規格外用紙A3であっても、孔部の幅方向間隔と検出光の照射位置(交差位置)の幅方向間隔を異なるように検出光Lの出射角度を変更することによって、用紙の誤検出(1枚目が終了した判断して、次の用紙検出を2枚目と誤検出すること)を回避できる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る用紙検出機構および用紙検出機構を用いた画像形成装置並びに用紙検出方法について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0069】
本実施形態は、光透過型センサ32を筐体36の上部に配設された2つの発光素子32A1、32A2と、筐体36の下部に配設された1つの受光素子32Bで構成したものである。各発光素子32A1、32A2は幅方向において相互にオフセットして配設されると共に、受光素子32Bを挟んで配設されるものである。
【0070】
したがって、各発光素子32A1、32A2から受光素子32Bにそれぞれ反対向きに傾斜した検出光L1、L2が入射する構成とされている。
【0071】
このように構成することにより、発光素子32A1、32A2から照射した各検出光が搬送されてくる用紙Aの異なる幅方向位置に照射され、切欠や孔部によっていずれか一方の検出光が入射しても閾値を双方入射の光量近傍としておけば誤検出を回避することができる。
【0072】
本実施形態では2つの発光素子としたが、複数の発光素子であれば、3個以上であっても良い。また、受光素子が複数であっても良い。
【0073】
【発明の効果】
本発明の用紙検出機構および用紙検出方法によれば、用紙に切欠や孔部が形成された規格外の用紙であっても精度良く用紙通過タイミングを検出することができる。また、本発明の画像形成装置では、この用紙検出機構を用いて精度良く用紙の先端通過タイミングを検出することによって、精度良く画像形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタを示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る用紙検出機構を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る用紙検出機構を示す要部斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る光透過型センサの配置を説明する正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る光透過型センサの配置を説明する平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る用紙変位機構の説明図であり、(A)は下側搬送状態、(B)は上側搬送状態を示す側面図である。
【図7】(A)は定形用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は定形用紙における検出光照射位置を示す平面図であり、(C)は規格外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図8】(A)は規定外用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は規定外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図9】(A)は本発明の第2実施形態における定形用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は定形用紙における検出光照射位置を示す平面図であり、(C)は規格外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図10】(A)は本発明の第2実施形態における規定外用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は切欠を有する規定外用紙における検出光照射位置を示す平面図であり、(C)は孔部を有する規定外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る用紙検出機構を示す正面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る用紙検出機構の他の例を示す図であり、(A)、(B)はそれぞれ検出光の出射角度を変更した状態を示す正面図である。
【図13】(A)は切欠を有する規格外用紙、(B)は孔部を有する規格外用紙を示す平面図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る用紙検出機構を示す正面図である。
【図15】従来例に係る用紙検出状態の説明図である。
【符号の説明】
10…プリンタ(画像形成装置)
22…搬送路
30…用紙検出機構
32…光透過型センサ
32A…発光素子
32B…受光素子
34…用紙変位機構(変位手段)
70、70A、70B…ミラー(反射手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送される用紙の搬送タイミング等を精度良く検出する用紙検出機構および画像形成装置、並びに用紙検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、高速プリンタなどでは、搬送されてくる用紙に精度良く画像を形成するために用紙の幅方向端部を側壁などに突き当てることによって幅方向位置を合わせると共に、用紙の搬送(先端検出)タイミングに基づいて画像形成する構成とされている。
【0003】
具体的には、用紙上に画像形成する位置よりも搬送方向上流側で、用紙の幅方向位置(サイドレジ)が精度良く調整されているかをセンサで検出すると共に、センサで検出した用紙(先端)の通過タイミングに基づいて画像形成タイミングを調整している。
【0004】
また、このサイドレジ検出と用紙搬送タイミング検出を1つのセンサで兼用するために搬送路の幅方向端部に当該センサを配置している。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−69480号
【特許文献2】
特開平10−315553号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなプリンタでは、近年、従来から使用されてきたA4,B4,A3などの定型サイズの用紙に加え、不定形サイズの用紙や切欠や孔が形成された用紙(以下、規格外用紙という)の使用が増えてきている。
【0007】
用紙に形成された切欠や孔は、主に印字後の用紙の折り曲げ加工のためや、ユーザーの利便性、各種法律などで特定の場所に孔をあける必要があるなどの理由によるもので、印字後に圧着処理をしてハガキサイズにするシーリング用紙と言われているもの等に多く存在する。
【0008】
このような用紙をプリンタ内を搬送させた場合、例えば図15に示すように、用紙の端(角)に切欠100が設けられている用紙Bは、切り欠かれた部分(以下、切欠部分という(ハッチング部分))102がセンサ104上を通過することにより、センサ104から出射された検出光が切欠部分102を通過してしまうため、用紙B(先端106)の通過タイミングを誤検出したり、孔があいている用紙などは検出光が孔を通過することによって、1枚の用紙を2枚と誤検出してしまう等の問題を発生することがあった。
【0009】
従来、このような問題に対しては、用紙の形状をプリンタの仕様に合わせて変更するか、センサの位置を移動させて孔や切欠の部分にかからないようにするか、またはソフト的にある程度の大きさの孔や切欠はキャンセルするなどの対応が取られていた。
【0010】
しかし、用紙の形状変更は用紙の仕様を変更するためにユーザーの負担が増加し、センサの移動は移動させる手間が大変だったり、ソフト的に対応する場合は、どの程度の大きさの孔まで無視するか等のパラメータ調整が必要で、かつソフトが複雑になるなどの問題があった。
【0011】
また、特許文献1や特許文献2のように、特定の用紙(バインダー用紙)等に対して予めソフト側で孔の部分をマスクすることで誤検出を回避する方法が提案されているが、予め用紙の形状を把握してソフトに組み込んでおく必要があるという不都合があった。
【0012】
そこで本発明は、ユーザーやソフトの負担を増加させることなく、切欠等が形成された用紙でも通過タイミング等を精度良く検出できる用紙検出機構および画像形成装置、並びに用紙検出方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光透過型センサを用いて用紙の有無を検出する用紙検出機構であって、光透過型センサを構成し、用紙の搬送路に対して検出光を出射する発光素子と、光透過型センサを構成し、用紙の搬送方向と直交する用紙の幅方向において前記発光素子と異なる位置に配設され、前記検出光の光路上に用紙がない場合に当該検出光が入射する受光素子と、前記搬送路において前記光透過型センサよりも搬送方向上流側に配設され、用紙の種類に応じて用紙の搬送位置を幅方向と直交する上下方向に変位させる変位手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明の作用について説明する。
【0015】
本発明では、光透過型センサを構成する発光素子と受光素子が用紙の搬送方向に直交する幅方向にオフセットして配設されているため、発光素子から受光素子に向けて照射される検出光は搬送方向視において幅方向に対して傾斜することになる。したがって、変位手段によってセンサ位置における用紙の搬送位置を上下方向に変位させると、検出光の用紙照射位置が幅方向に変化することになる。すなわち、孔部や切欠が形成されている規格外用紙を搬送する場合であっても、変位手段が用紙の搬送位置を上下に変位させることによって用紙に対する検出光照射位置を幅方向に変化させ、孔部や切欠部分を検出光が通過して用紙の通過タイミングを誤検出することを回避できる。
【0016】
例えば、幅方向中央よりから幅方向端部に向かって斜め下方に検出光を照射する構成とした場合には、以下のように用紙の検出を行なう。すなわち、定形用紙を搬送する場合には、変位手段によって用紙の搬送位置を下方向に移動させる。この結果、用紙の搬送位置と検出光の光路の交差位置(検出光の照射位置)は幅方向端部に移動する。したがって、光透過型センサによってサイドレジが調整されているか否かを精度良く検出できると共に、用紙の通過タイミングも精度良く検出することができる。
【0017】
一方、規格外の用紙を搬送する場合には、変位手段によって用紙の搬送位置を上方向に移動させる。この結果、用紙の搬送位置と検出光の光路の交差位置(検出光の照射位置)が幅方向端部から中央側に移動する。したがって、検出光が用紙の幅方向端部に設けてある切欠部等を透過して受光素子に入射することを回避でき、用紙の通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記搬送路には、前記発光素子から出射された検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んで当該発光素子と反対側で反射し、前記検出光を前記受光手段に導く反射手段を備えることを特徴する。
【0019】
請求項2記載の発明の作用について説明する。
【0020】
本発明では、搬送方向視において、発光素子から幅方向に対して斜めに照射された検出光が少なくとも用紙搬送位置を挟んだ反対側で反射手段に反射されて受光素子に入射する構成とされている。この結果、搬送方向視において検出光の光路と用紙搬送位置の交差位置が少なくとも2ヶ所ある構成とされる。したがって、いずれかの交差位置で用紙が検出光を遮れば用紙が検出されるため、精度良く用紙通過タイミングを検出することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、光透過型センサを用いて用紙の有無を検出する用紙検出機構であって、光透過型センサを構成し、用紙の搬送路に対して検出光を出射する発光素子と、光透過型センサを構成し、用紙の搬送方向と直交する用紙の幅方向において前記発光素子と異なる位置に配設され、前記検出光の光路上に用紙がない場合に当該検出光が入射する受光素子と、前記搬送路において、前記発光素子から出射された検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んで当該発光素子と反対側で反射し、前記検出光を前記受光手段に導く反射手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明の作用について説明する。
【0023】
本発明では、光透過型センサを構成する発光素子と受光素子が用紙の搬送方向に直交する幅方向にオフセットして配設されているため、発光素子から受光素子に向けて照射される検出光は搬送方向視において幅方向に対して傾斜することになる。また、発光素子から出射される検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んだ反対側で反射させる反射手段を搬送路に設けているため、用紙の搬送位置と検出光の光路が複数位置で交差する構成とすることができる。したがって、用紙の幅方向において複数ヶ所に孔部が形成されている場合においても、複数の交差位置のいずれか1ヶ所で用紙が検出光を遮断すれば受光素子に検出光が入射することはなく用紙(先端)の通過を検出できる。すなわち、用紙が通過中にも拘わらず、次の用紙が来たと判断して用紙の誤検出することが回避できる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、発光素子における検出光の出射方向を変更する調整手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項4記載の発明の作用について説明する。
【0026】
搬送方向視において、検出光の出射角度を変化させることによって搬送路内における検出光の反射角度が変化し、用紙搬送位置と検出光の光路との交差位置(用紙に対する検出光の照射位置)が幅方向で変化する。したがって、用紙に形成された切欠や孔部の幅方向位置に対応させて発光素子の検出光の出射角度を変化させることによって、用紙の誤検出を回避でき、用紙の通過タイミングを精度良く検出できる。
【0027】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1〜4のいずれか1項記載の用紙検出機構を備えることを特徴とする。
【0028】
請求項5記載の発明の作用について説明する。
【0029】
画像形成装置において、上記用紙検出機構を設けることによって切欠や孔部が設けられた用紙が搬送された場合でも、用紙の先端通過タイミングを精度良く検出することができ、この先端通過タイミングに基づいて用紙に画像を精度良く形成することができる。また、上記用紙検出機構がサイドレジ(用紙の幅方向位置合わせ)が確実にされたか否かを検出するために搬送路の幅方向端部に設けられた場合でも、角に切欠が設けられた規格外の用紙の通過タイミングを精度良く検出でき、画像形成を良好に行なうことができる。
【0030】
請求項6記載の発明は、発光素子から用紙の搬送路に検出光を出射し、当該検出光が受光素子に入射するか否かで用紙を有無を検出する用紙検出方法であって、用紙の搬送方向視において、用紙の幅方向に対して傾斜した方向に前記発光素子から用紙の検出光を出射すると共に、用紙の種類に応じて、前記検出光の照射位置における用紙の搬送位置を上下方向に変位させることを特徴とする。
【0031】
請求項6記載の発明の作用について説明する。
【0032】
本発明では、光透過型センサを構成する発光素子から出射される検出光が搬送方向視において幅方向に対して傾斜している。したがって、センサ位置における用紙の搬送位置を幅方向に直交する上下方向に変位させると、検出光の用紙照射位置が幅方向に変化する。すなわち、用紙の種類に対応して用紙の搬送位置を上下させることにより検出光の用紙照射位置を幅方向において変更させ、用紙上に形成された孔部や切欠部分を検出光が通過して用紙の通過タイミングを誤検出することを回避できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明に係る用紙に用紙検出機構およびプリンタ(画像形成装置)並びに用紙検出方法について説明する。先ず、用紙検出機構が適用されたプリンタについて概略説明をし、その後で要部である用紙検出機構および用紙検出方法について説明する。
(画像形成装置の概略説明)
プリンタ10は、図1に示すように、印刷前の用紙を積載する4つの給紙トレイ12A〜12Dと、画像を形成して用紙に印字する画像形成部14と、用紙に印字した画像を用紙に定着させる定着装置16と、両面に印字を行うために用紙を反転させる反転装置18と、印字された用紙を排出、積載するための3つの排出トレイ20A〜20Cと、各構成要素間をつなぎ、用紙を搬送するための複数の搬送ロール対を備えた搬送路22とを備える。
【0034】
給紙トレイ12A〜12Dは、用紙を一定量積載して1枚ずつ繰り出すためのトレイである。例えば、積層された用紙からフィードベルトにて最上部の用紙1枚を取り出し、搬送ロール対によって搬送路22に送り出すものである。
【0035】
画像形成部14は、既知の感光体を用いたゼログラフィー(電子写真)方式により、トナー画像を現像して搬送路22を搬送されてくる用紙に転写させるシステムである。
【0036】
定着装置16は、用紙に転写された未定着画像を、熱と圧力により用紙に定着させる装置である。
【0037】
反転装置18は、例えば既に知られているインバーター方式により、用紙を反転させ、印字していない面に画像を形成可能にするものである。インバーター方式の替りに中間トレイを設けても良い。
【0038】
排出トレイ20A〜20Cは、印字を終えた用紙を排出、積載しておくトレイである。
【0039】
なお、搬送路22に沿って画像転写位置Pよりも搬送方向上流側には、搬送されてくる用紙のサイドレジ(幅方向位置)を合せるために搬送方向に対して傾斜して配設された一対のスキューローラ24が配設されている(図3参照)。この一対のスキューローラ24によって搬送路22を構成する筐体36の側面36Cに突き当てられ、サイドレジが合せられる構成である。
(用紙検出機構)
このように構成されたプリンタ10の搬送路22において、転写位置Pよりも搬送方向上流側で一対のスキューローラ24の近傍に用紙検出機構30が形成されている(図1参照)。用紙検出機構30について詳細に説明する。
【0040】
用紙検出機構30は、図2〜図4に示すように、用紙の有無を検出する光透過型センサ32と、光透過型センサ32よりも搬送方向上流側に配設され用紙の幅方向端部を持ち上げ、あるいは押し下げる用紙変位機構34とから構成されている。
【0041】
搬送路22は、図3に示すように、搬送方向に直交する幅方向断面において上下左右を筐体36の壁面で囲われており、その内部を搬送ローラ対35(図7参照)にニップされた用紙が搬送されていく構成である。
【0042】
光透過型センサ32は、検出光Lを出射する発光素子32Aと、検出光Lが入射する受光素子32Bとから構成されている。
【0043】
発光素子32Aは、図2〜図4に示すように、搬送路22を構成する筐体36の上部に配設されており、検出光Lを幅方向に沿った光とするスリット38を備え、上面36Aに設けられた孔部40を介して搬送路22(筐体36の内部)に検出光Lを出射する構成とされている。一方、受光素子32Bは、筐体36の下部で発光素子32Aと幅方向においてオフセットした位置に配設されており、下面36Bに設けられた孔部42、スリット44を通過した検出光Lのみが入射する構成となっている。すなわち、発光素子32Aから出射された検出光Lは、図4に示すように、幅方向断面において筐体36の内部を幅方向に対して所定角度傾斜して(以下、単に「斜め」という場合がある)横切り、受光素子32Bに入射する構成である。
【0044】
一方、用紙変位機構34は、図3および図6(A)、(B)に示すように、光透過型センサ32よりも搬送方向上流側に配設されているものであり、筐体36の上下に配設された一対のガイドバー44A、44Bとから構成されている。筐体36の上側に配設されたガイドバー44Aは、図3および図6に示すように、幅方向に沿って延在する回転軸46Aと、回転軸46Aから搬送方向下流側に延在する支持板48Aと、支持板48Aの搬送方向先端に保持され所定の可撓性を有するニ軸延伸PETフィルムから形成された用紙押え部50Aとを備える。回転軸46Aの一端(側面36C側端部)には係合板52Aが搬送方向上流側に突出配置されており、他端には原位置復帰用のスプリング54Aが巻回されている。ガイドバー44Aは、スプリング54Aによって回転軸46Aを中心として図6において時計回りに付勢されている。したがって、係合板52Aが装置本体に設けられた係止棒59Aに当接して、ガイドバー44Aは通常、水平状態とされている。
【0045】
一方、側面36Cの外側には、図示しない駆動源によって上下動する棒56と、棒56から幅方向に突出形成された係合棒58が形成されており、棒56が上方向に移動すると、係合棒58が係合板52Aを押し上げ、ガイドバー44Aを反時計回りに回転させる構成である。
【0046】
また、ガイドバー44Aが配設された筐体36の上面36Aには、搬送方向に延在する孔部60Aが形成されており、ガイドバー44Aが反時計回りに回転することによって搬送路22の内部に支持板48Aが進入して先端の用紙押え部50Aが用紙の幅方向端部を筐体36の下面36Bに押えつける構成である(図6(B)→(A)参照)。
【0047】
一方、筐体36の下側に配設されたガイドバー44Bも同様の構成であり、回転軸46Bが回転されることによって用紙Aの幅方向端部を持ち上げる構成である(図6(A)→(B)参照)。ただし、ガイドバー44A、44Bおよびこれに対応する筐体36の孔部60A、60Bが幅方向にオフセットして配設されている(図3、図5参照)。したがって、ガイドバー44A、44Bの用紙押え部50A、50Bが孔部60B、60Aに進入することはない。
【0048】
このように構成されるプリンタ10における用紙検出機構30の作用(用紙検出方法)について説明する。
【0049】
通常の定形紙A1が搬送される場合、用紙変位機構34は予め棒56が上方向に移動し、係合棒58が係合板52Aを押し上げる。したがって、スプリング54Aの付勢力に抗してガイドバー44Aが反時計周りに回転して支持板48Aが孔部60Aから筐体36の内部に進入して用紙押え部50Aが下面36Bに当接した状態とされる(図6(A)参照)。一方、定形紙A1は給紙トレイ12Aから搬送路22に送り出され、スキューローラ24によって筐体36を構成する側面36Cに突き当てられると共に、側面36C側端部が用紙押え部50Aによって搬送ローラ対35によって支持された位置よりも下側に押えつけられ、センサ位置に搬送される(図7(A)参照)。この結果、発光素子32Aから出射された検出光Lを側面36C側端部近傍で定形紙A1が遮る。したがって、受光素子32Bに検出光Lが入射しなくなることによって定形紙A1(先端)の通過タイミングを検出すると共に、定形紙A1のサイドレジが調整されていることを精度良く検出するものである。
【0050】
この場合には、図7(B)の二点鎖線Qに示すように、検出光Lが定形紙A1の先端62から確実に照射して(定形紙A1で遮断され)、光透過型センサ32が定形紙A1(先端62)の通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0051】
特に、定形紙A1の場合には、先端62を幅方向のいずれの位置で検出しても問題ないため、センサ位置で定形紙A1の側面36C側端部を押し下げ搬送して検出光Lが定形紙A1の側面36C側端部近傍を照射する構成にでき、サイドレジを精度良く検出することができる。
【0052】
一方、規格外用紙(例えば、角に切欠が設けられた規格外用紙A2(図13(A)参照))が搬送される場合、用紙変位機構34の棒56が下方に移動することによって、係合棒58に押し上げられていた係合板52Aと共にガイドバー44Aがスプリング54Aの付勢力によって時計回りに回転して水平位置(原位置)に復帰する。一方、下側のガイドバー44Bは、係合棒58の下方移動に伴なって係合板52Bが押し下げられ、スプリング54Bの付勢力に抗して回転軸46Bを中心に反時計回りに回転する。この結果、支持板48Bの先端の可撓性の用紙押え部50Bが搬送路22の上板36Aに押しつけられた状態とされる(図6(A)→(B)参照)。この結果、給紙トレイ12Bから搬送路22に送り出され、スキューローラ24によって筐体36を構成する側面36Cに突き当てられた規格外用紙A2は、側面36C側端部が持ち上げられ、光透過型センサ32の位置まで搬送される。図8(A)に示すように、規格外用紙A2の側面36C側端部はセンサ位置で上面36Aに近い位置を搬送され、発光素子32Aから出射された検出光Lを遮り、受光素子32Bが受光しなくなることによって用紙の通過タイミングを検出すると共に、規格外用紙A2のサイドレジが調整されていることを確認する。
【0053】
この際、規格外用紙A2の搬送方向先端62には、切欠54が設けられているため、定形紙A1の場合と同様に搬送路22の低い位置を規格外用紙A2の側面36C側端部が搬送されてくると、発光素子32Aから出射された検出光Lが切欠部分B1(図7(C)、二点鎖線Q参照)を通過して受光素子32Bに入射されることにより、既にセンサ位置に到達している用紙A2の先端62の通過タイミングを誤って(遅れて)検出し、画像転写タイミングが狂って精度良く画像形成できないという問題を生ずる。ところが、本実施形態では、光透過型センサ位置において規格外用紙A2の側面36C側端部が上側に持ち上げられていることによって、用紙上における検出光Lの照射位置が幅方向センタ寄りに変化し、規格外用紙A2の先端62の通過タイミングを精度良く検出する(図8(B)、二点鎖線Q参照)。したがって、画像形成部14から用紙上に精度良く画像が転写され、定着装置16によって定着された後に収納トレイ20Bに収納される。すなわち、規格外用紙A2に精度良く画像形成することができる。
【0054】
このように、本実施形態では、孔部や切欠が設けられていない通常の定形用紙A1の場合には、搬送路22の下側を通過させることによって定形用紙A1がスキューローラ24で押し付けられる側面36C側の端部近傍に検出光Lを照射することによってサイドレジを精度良く検出すると共に、用紙通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0055】
また、センサ32を構成する発光素子32A、受光素子32Bを幅方向に移動させる構成と異なり、筐体36に形成する孔部40、42を小さくすることができる。
【0056】
なお、用紙変位機構34の構成は本実施形態に限定されるものではない。例えば、回転軸46A、46Bをローターリーアクチュエータで回転させる構成でも良い。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る用紙検出機構および用紙検出機構を用いた画像形成装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、光透過型センサによる検出方法のみなので該当部分のみ説明する。
【0057】
図9および図10に示すように、搬送路22を構成する筐体36の上部には、幅方向の異なる(オフセットされた)位置に発光素子32Aと受光素子32Bが配設されると共に、筐体36の下面36Bにはミラー70が配設されている。したがって、筐体の上面36Aに形成された孔部40を介して発光素子32Aから出射された検出光Lが筐体36内部を照射し、ミラー70で反射された検出光Lが孔部42から受光素子32Bに入射する構成とされている。
【0058】
このように構成された用紙検出機構および画像形成装置の作用について説明する。
【0059】
第1実施形態と同様に定形用紙A1が搬送される場合には、用紙変位機構34によって定形用紙A1の端部を下方に押し下げることによって、定形用紙A1(先端62)の通過タイミングを確実に検出する(図9(A)、(B)参照)。
【0060】
一方、角に切欠54などが形成された規格外用紙A2が搬送される場合には、用紙変位機構34によって規格外用紙A2の側面36C側端部を持ち上げることによって、発光素子32Aから照射された検出光Lが用紙の搬送位置と交差する位置(用紙照射位置)P1、P2を幅方向(矢印X方向)に移動させ、切欠部分Bを検出光Lが通過することを回避できる。したがって、用紙A2の先端通過タイミングを精度良く検出することができる。
【0061】
特に、孔部72が形成された規格外用紙A3(図13(B)参照)が搬送された場合には、規格外用紙A3の側面36C側端部が下側に位置すると反射前後の検出光Lの光路と用紙搬送位置の交差位置P1、P2が幅方向おいて近接しているため、反射前、反射後のいずれの検出光Lも孔部72を通過するおそれがある(図9(C)、二点鎖線Q参照)が、幅方向端部が上部を通過することによって、検出光Lの光路と用紙搬送位置の交差位置P1、P2が幅方向に離間して(図10(A)参照)、いずれか一方の位置で用紙A3が検出光Lを遮ることができ、精度良く用紙の通過を検出することができる(2枚と誤検出することを回避できる)(図10(C)、二点鎖線Q参照)。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る用紙検出機構および用紙検出方法並びに用紙検出機構を用いた画像形成装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施形態に係る用紙検出機構は、第1、第2実施形態にあった用紙変位機構がなく、光透過型センサのみで構成されている。光透過型センサを構成する発光素子32Aと受光素子32Bは、図11に示すように、筐体36の上部に幅方向にオフセットされた形で配置されている。第2実施形態と異なるのは、筐体36の上面および下面には、複数のミラー70が配設されている点である。
【0063】
すなわち、発光素子32Aから出射された検出光は、筐体36の上面および下面に配設された複数のミラー70によって多重反射され、検出光L光路が用紙通過位置を何度も横切るような形とされている。
【0064】
このように構成される用紙検出機構および用紙検出方法並びに画像形成装置の作用について説明する。
【0065】
このように光透過型センサ32から出射された検出光Lが幅方向に沿って搬送路22を構成する筐体36の内部を多重反射することによって、センサ位置を通過する用紙を複数ヶ所で横切る構成とされている。したがって、用紙Aの一部に切欠や孔部があり、当該部分を検出光Lが通過しても、用紙Aの他の部分で検出光Lが遮断されて受光素子32Bに入射することはない。すなわち、孔部、切欠の有無に拘わらず用紙Aの先端通過を精度良く検出することができる。
【0066】
また、本実施形態では用紙変位機構34が不要となり、用紙検出機構の構成が簡略化されるというメリットもある。
【0067】
なお、本実施形態のバリエーションとして図12のように構成することもできる。すなわち、筐体36の上面36Aと下面36Bに幅方向に延在する一対のミラー70A、70Bを配設すると共に、発光素子32Aと受光素子32Bを幅方向に沿って回転可能に構成している。すなわち、図12(A)、(B)に示すように、発光素子32Aから出射する検出光Lの出射角度θを変更することによって、検出光Lの反射位置および反射角度を変更し、用紙Aの通過位置と交差する位置の変更可能に構成したものである。
【0068】
これにより、例えば、図13(B)に示すように幅方向に沿って複数ヶ所に孔部(切欠)72が形成されている規格外用紙A3であっても、孔部の幅方向間隔と検出光の照射位置(交差位置)の幅方向間隔を異なるように検出光Lの出射角度を変更することによって、用紙の誤検出(1枚目が終了した判断して、次の用紙検出を2枚目と誤検出すること)を回避できる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る用紙検出機構および用紙検出機構を用いた画像形成装置並びに用紙検出方法について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0069】
本実施形態は、光透過型センサ32を筐体36の上部に配設された2つの発光素子32A1、32A2と、筐体36の下部に配設された1つの受光素子32Bで構成したものである。各発光素子32A1、32A2は幅方向において相互にオフセットして配設されると共に、受光素子32Bを挟んで配設されるものである。
【0070】
したがって、各発光素子32A1、32A2から受光素子32Bにそれぞれ反対向きに傾斜した検出光L1、L2が入射する構成とされている。
【0071】
このように構成することにより、発光素子32A1、32A2から照射した各検出光が搬送されてくる用紙Aの異なる幅方向位置に照射され、切欠や孔部によっていずれか一方の検出光が入射しても閾値を双方入射の光量近傍としておけば誤検出を回避することができる。
【0072】
本実施形態では2つの発光素子としたが、複数の発光素子であれば、3個以上であっても良い。また、受光素子が複数であっても良い。
【0073】
【発明の効果】
本発明の用紙検出機構および用紙検出方法によれば、用紙に切欠や孔部が形成された規格外の用紙であっても精度良く用紙通過タイミングを検出することができる。また、本発明の画像形成装置では、この用紙検出機構を用いて精度良く用紙の先端通過タイミングを検出することによって、精度良く画像形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタを示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る用紙検出機構を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る用紙検出機構を示す要部斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る光透過型センサの配置を説明する正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る光透過型センサの配置を説明する平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る用紙変位機構の説明図であり、(A)は下側搬送状態、(B)は上側搬送状態を示す側面図である。
【図7】(A)は定形用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は定形用紙における検出光照射位置を示す平面図であり、(C)は規格外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図8】(A)は規定外用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は規定外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図9】(A)は本発明の第2実施形態における定形用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は定形用紙における検出光照射位置を示す平面図であり、(C)は規格外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図10】(A)は本発明の第2実施形態における規定外用紙の用紙検出状態を示す正面図であり、(B)は切欠を有する規定外用紙における検出光照射位置を示す平面図であり、(C)は孔部を有する規定外用紙における検出光照射位置を示す平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る用紙検出機構を示す正面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る用紙検出機構の他の例を示す図であり、(A)、(B)はそれぞれ検出光の出射角度を変更した状態を示す正面図である。
【図13】(A)は切欠を有する規格外用紙、(B)は孔部を有する規格外用紙を示す平面図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る用紙検出機構を示す正面図である。
【図15】従来例に係る用紙検出状態の説明図である。
【符号の説明】
10…プリンタ(画像形成装置)
22…搬送路
30…用紙検出機構
32…光透過型センサ
32A…発光素子
32B…受光素子
34…用紙変位機構(変位手段)
70、70A、70B…ミラー(反射手段)
Claims (6)
- 光透過型センサを用いて用紙の有無を検出する用紙検出機構であって、
光透過型センサを構成し、用紙の搬送路に対して検出光を出射する発光素子と、
光透過型センサを構成し、用紙の搬送方向と直交する用紙の幅方向において前記発光素子と異なる位置に配設され、前記検出光の光路上に用紙がない場合に当該検出光が入射する受光素子と、
前記搬送路において前記光透過型センサよりも搬送方向上流側に配設され、用紙の種類に応じて用紙の搬送位置を幅方向と直交する上下方向に変位させる変位手段と、
を備えることを特徴とする用紙検出機構。 - 前記搬送路には、前記発光素子から出射された検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んで当該発光素子と反対側で反射し、前記検出光を前記受光素子に導く反射手段を備えることを特徴する請求項1記載の用紙検出機構。
- 光透過型センサを用いて用紙の有無を検出する用紙検出機構であって、
光透過型センサを構成し、用紙の搬送路に対して検出光を出射する発光素子と、
光透過型センサを構成し、用紙の搬送方向と直交する用紙の幅方向において前記発光素子と異なる位置に配設され、前記検出光の光路上に用紙がない場合に当該検出光が入射する受光素子と、
前記搬送路において、前記発光素子から出射された検出光を少なくとも用紙搬送位置を挟んで当該発光素子と反対側で反射し、前記検出光を前記受光手段に導く反射手段と、
を備えることを特徴とする用紙検出機構。 - 発光素子における検出光の出射方向を変更する調整手段を備えることを特徴とする請求項2または3記載の用紙検出機構。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の用紙検出機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 発光素子から用紙の搬送路に検出光を出射し、当該検出光が受光素子に入射するか否かで用紙を有無を検出する用紙検出方法であって、
用紙の搬送方向視において、用紙の幅方向に対して傾斜した方向に前記発光素子から用紙の検出光を出射すると共に、
用紙の種類に応じて、前記検出光の照射位置における用紙の搬送位置を上下方向に変位させることを特徴とする用紙検出方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010256926A (ja) * | 2010-06-28 | 2010-11-11 | Ricoh Co Ltd | 記録体異常発生予測装置および画像形成装置 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268890A patent/JP2004106962A/ja not_active Withdrawn
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