JP2004102903A - フィルタ処理 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベイヤーデータ10から、輝度データを所定の比率に配分して第1および第2の輝度データY(α)、Y(β)を生成する。併せて色差データCb,Crを生成する。第2の輝度データはLPF処理して第3の輝度データY’(β)に変換する。第1の輝度データY(α)、複数の色差データCb,Crおよび第3の輝度データY’(β)を合成して、処理済画像データ14を得る。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀塩カメラで撮影されたソフトフォーカス写真は、ぼけてフレアがかかったような写真であるにもかかわらず、被写体の特徴を充分に表現することができる。これは、画像の輪郭が残っているためで、レンズにソフトフォーカスレンズを使用することにより実現できる。
【0003】
一方、デジタルカメラでは、ソフトフォーカス写真は画像処理によって作られることが一般である。その方法としては例えば、画像データの全て、すなわち色データ(R、G、B)の全てにローパスフィルタ処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−251532号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、画像の全てにローパスフィルタ処理を掛けてしまうので、画像全体がぼけるとともに、画像の輪郭も失われてしまう。したがって、得られる画像は、銀塩カメラのソフトフォーカス写真のように被写体の特徴を充分に表現することはできない。また、被写体によっては、色のバランスを崩し、偽色を発生させることがある。
【0006】
さらに、色データすべてにローパスフィルタを掛けることは、データ処理量が多くなるため、処理速度の遅延を招く。しかし、処理速度を速めるために、RGBのいずれか1つのデータのみにローパスフィルタを掛けると、色のバランスが崩れ不自然な画像が得られる。
【0007】
そこで、本発明に係るフィルタ処理装置は、デジタルカメラにおいて、銀塩写真と同様に輪郭が失われず、偽色が発生しないソフトフォーカス写真を短時間の処理によって得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィルタ処理装置は、原画像から、輝度データを所定の比率に配分して第1および第2の輝度データを生成するとともに、色差データを生成するデータ生成手段と、第2の輝度データにフィルタ処理を行うことにより第3の輝度データを得る画像データ処理手段と、第1の輝度データおよび色差データと第3の輝度データとを合成する画像データ合成手段とを備えることを特徴とする。これにより、例えばフィルタ処理がローパスフィルタ処理である場合、デジタルカメラにおいて、輪郭が残り、偽色が発生しないソフトフォーカス写真を得ることができる。
【0009】
好ましくは、フィルタ処理の前に第2の輝度データに対応した画像の解像度を低下させる解像度低下手段と、フィルタ処理の後に低下した解像度を復元させる解像度復元手段とを備える。これにより、フィルタ処理の処理速度が速くなる。また、解像度を復元させた後にフィルタ処理を行う第2の画像データ処理手段を備えることが好ましい。これにより、解像度を復元させたとき等に発生したノイズを除去できる。
【0010】
また、解像度を低下若しくは復元する場合、解像度は複数段階に設定可能であることが好ましい。これにより、フィルタ処理における効果が調整できる。
【0011】
データ生成手段は、第1および第2の輝度データを独立に生成することが好ましい。この場合、データ生成手段は第1のガンマ曲線を用いてガンマ補正を行うことによって第1の輝度データを生成し、第1のガンマ曲線とは異なる第2のガンマ曲線を用いてガンマ補正を行うことによって第2の輝度データを生成することが好ましい。さらに、データ生成手段は、予め用意された複数のガンマ曲線から1つを第2のガンマ曲線として選択してガンマ補正を行うことが好ましい。
【0012】
好ましくは、第1および第2の輝度データが分配される比率は複数段階に設定可能である。これにより、フィルタ処理における効果が調整可能できる。
以上のフィルタ処理は、ローパスフィルタ処理であることが好ましく、この場合ソフトフォーカス画像を得ることができる。
【0013】
本発明に係るデジタルカメラは以上のフィルタ処理装置を備える。
本発明に係るフィルタ処理方法は、原画像から、輝度データを所定の比率に配分して第1および第2の輝度データを生成するとともに、色差データを生成するデータ生成ステップと、第2の輝度データにフィルタ処理を行うことにより第3の輝度データを得る画像データ処理ステップと、第1の輝度データおよび色差データと第3の輝度データとを合成する画像データ合成ステップとを備える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態であるソフトフォーカス画像を得るためのフィルタ処理装置を有するデジタルカメラの処理回路50を示す。被写体からの反射光は、レンズ51を介して、所定のカラーフィルタを有するCCD52に導かれる。CCD52では、被写体像に応じて電荷が生じ、その電荷の強さに応じて生成されたアナログ信号がアナログ信号処理回路53に送られる。アナログ信号はアナログ信号処理回路53において増幅されるとともにA/D変換された後、画像処理回路54において所定の画像処理を施されて原画像のベイヤーデータとしてSDRAM55に一旦格納される。
【0016】
スイッチ56では、撮影モードおよびその撮影モードにおける詳細設定情報が入力され、その入力に基づいて制御回路57で制御情報が算出される。ここで、撮影モードがソフトフォーカスモードであるとき、スイッチ56では詳細設定情報としてぼかし強度が入力され、制御情報としては、後述するベイヤーデータから第1、第2の輝度データを得るためのYCマトリックに関する情報、LPF(ローパスフィルタ)処理において低下させられる解像度に関する情報およびガンマ曲線に関する情報が算出される。
【0017】
画像処理回路54において、SDRAM55に一旦格納されていたベイヤーデータが制御情報に基づいて画像処理される。画像処理されたデータは、処理済画像データとして、LCDモニタ59に送られるとともに、制御回路57に送られる。制御回路57では、送られてきた処理済画像データがJPEGに従って符号化される。符号化された処理済画像データはコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ58に記憶される。
【0018】
図2は、画像処理回路54におけるソフトフォーカスの画像処理の流れを示す図である。ベイヤーデータ10は、CCDによって取り込まれた画像データであり、画素補間、ガンマ補正等されることによって、色データ(RGB)である第1の色データ11、第2の色データ21に変換される。ここで、第1の色データ11、第2の色データ21を得るときのガンマ補正は、後述するように同一のガンマ曲線を用いて行われる場合もあるし、異なるガンマ曲線を用いられる場合もある。ガンマ曲線が同一の場合は、第1の色データ11と第2の色データ21が同一のデータとなる。
【0019】
色データ11、21は、いわゆるRGB4:4:4の形式に従った画像データであり、それぞれのデータに対応する画像の画素数はベイヤーデータ10に対応する画像の画素数に等しい。
【0020】
第1の色データ11は、後述する第1のYCマトリックスによって第1の輝度データY(α)と色差データCb,Crに変換される。一方、第2の色データ21は、後述する第2のYCマトリックスによって第2の輝度データY(β)と色差データCb’,Cr’に変換される。Cb’,Cr’は使用されないので直ちに消去される。
【0021】
輝度データY(α)と色差データCb,Crは、いわゆるYCbCr4:2:2の形式に従ったデータであり、第1の輝度データY(α)のデータに対応する画像の画素数はベイヤーデータ10に対応する画像の画素数と等しく、色差データCb,Crに対応する画像の画素数はベイヤーデータ10に対応する画像の画素数の半分である。第2の輝度データY(β)と色差データCb’,Cr’についても同様である。
【0022】
第2の輝度データY(β)は、後述するLPF処理により第3の輝度データY’(β)に変換される。したがって、第3の輝度データY’(β)に対応する画像は、被写体の輪郭がはっきりしないぼけた画像になる。
【0023】
一方、第1の輝度データY(α)および色差データCb、Crは、LPF処理が施されていないため、データY(α)、Cb、Crに対応する画像は、原画像のまま、すなわち、被写体の輪郭がはっきりと判別できる鮮明な画像である。
【0024】
変換された第3の輝度データY’(β)と、第1の輝度データY(α)は加算され、輝度データY(α+β)と色差データCb、Crより形成される処理済画像データ14が得られる。
【0025】
処理済画像データ14の輝度データY(α+β)は、LPF処理が掛けられた第3の輝度データY’(β)とLPF処理が掛けられていない第1の輝度データY(α)から成るので、処理済画像データ14から得られる画像は、輪郭がはっきりと判別できる鮮明な画像とぼけた画像の合成画像である。また、第1の色データ11と第2の色データ21が同一の場合、輝度データY(α+β)は、ベイヤーデータ10から直接得られる本来の輝度データYと略同一の値であるので、輝度データと色差データとのバランスは被写体像のものが維持できる。さらに、色差データCb、Crには、本来のカラーバランスを保つためLPF処理が掛けられていないので、得られる画像に偽色も発生しない。以上により、本実施形態では、銀塩写真と同様に輪郭が失われず、偽色が発生しないソフトフォーカス写真を得ることができる。
【0026】
式(1)は、第1の色データ11を第1の輝度データY(α)と色差データCb,Crに変換するための第1のYCマトリックスを示し、式(2)は第2の色データ21を第2の輝度データY(β)と、色差データCb’,Cr’に変換するための第2のYCマトリックスを示す。式(3)から(5)は、原画像の輝度データおよび色差データを表す数式である。
【0027】
【数1】
【数2】
【数3】
【0028】
ここで、式(1)、(2)に示す係数αと係数βは、加算すると1となるように詳細設定情報に基づいて設定される。そのため、第1の色データ11と第2の色データ21が同一の場合、第1の輝度データY(α)と第2の輝度データY(β)を加算すると、式(3)に示す原画像の輝度データYとなる。なお、ここでは、図2に示すように、色データ11、21の2つが得られる実施形態を示したが、得られる色データは1つであっても良い。その場合、色データを輝度データY、色差データCb、Crに変換した後、輝度データYを係数α、βの比率に分けることにより、第1の輝度データY(α)と第2の輝度データY(β)を求めても良い。
【0029】
図3は、第2の輝度データY(β)から第3の輝度データY’(β)を得るためのLPF処理の流れ図である。輝度画像41は第2の輝度データY(β)に対応する画像である。本実施形態において、輝度画像41は2048×1536画素の画像であり、公知の手法により、例えば320×240画素の解像度低下画像42に画像サイズが変換される。なお、解像度低下画像42の画素数は後述する詳細設定情報によって決定される。
【0030】
解像度低下画像42の各々の画素データには公知の3×3マトリックスのローパスフィルタ処理が所定回数施され、LPF画像43のデータが得られる。LPF画像43は、輪郭がはっきりしないぼけた320×240画素の画像である。次に、公知の手法により、LPF画像43の解像度が復元され、LPF画像43は2048×1536画素の復元画像44となる。その後、復元画像44のデータはさらにローパスフィルタ処理が所定回数施され、第3の輝度データY’(β)が得られる。
【0031】
ここで、ローパスフィルタ処理が、画像の解像度が低下させられてから行われるのは、次に述べるように、同一のマトリックス(例えば3×3)を使用しても、解像度が高い画像においてローパスフィルタ処理を行うよりも効果的に画像をぼかすことが可能だからである。
【0032】
解像度が低下させられた解像度低下画像42における1画素47は、解像度が低下する前の輝度画像41における数10画素分の領域46に相当する。したがって、解像度を低下させてからローパスフィルタを掛けると、解像度を低下させない場合に比べて、3×3マトリックスに対する参照領域が非常に大きくなる。このため、たとえ3×3マトリックスのように、参照画素数が少ないマトリックスによりローパスフィルタを掛けたとしても、参照画素が非常に大きいマトリックス(例えば数10×数10のマトリックス)によりローパスフィルタを掛けたときと同等のぼかし効果が得られる。また、マトリックスの参照画素は少ないので、処理速度は非常に速い。なお、解像度を復元してからさらにローパスフィルタ処理を行っているのは、解像度を復元したときにできるノイズを消去するためである。
【0033】
以上のように、本実施形態におけるLPF処理は、一旦解像度を落とした画像にローパスフィルタ処理を施しているので、速い処理速度により、効果的にぼけた画像を得ることが可能である。
【0034】
図4は、第1および第2の色データ11、21(図1参照)を生成するときのガンマ補正において用いられる第1および第2のガンマ曲線を示す。本実施形態において、入力量は10ビット、出力量の量子化レベルは8ビットである。ベイヤーデータ10から第1の色データ11を生成するときに行なわれるガンマ補正は、第1のガンマ曲線x1に基づいて行われる。第1のガンマ曲線x1は、画像を得るために通常用いられるガンマ曲線であり、第1の色データは第1のガンマ曲線x1に応じてコントラストが調整される。
【0035】
ベイヤーデータ10から第2の色データ21を生成するとき、予め用意されたガンマ曲線x2、y2またはz2から1つを第2のガンマ曲線として選択して、その第2のガンマ曲線を用いてガンマ補正が行われる。第2のガンマ曲線として、ガンマ曲線x2、y2またはz2のいずれを選択するかは、後述する詳細制御情報により設定される。
【0036】
ガンマ曲線x2は、オフセットが0であり、第1のガンマ曲線x1と同一の曲線であるため、入力値が0である場合、出力値も0となる。一方、ガンマ曲線y2、z2はオフセットがそれぞれ4、16であり、入力値が0である場合でも、それぞれ出力値は4、16となる。そして、入力値が大きくなるに従って出力値も大きくなるが、その割合は曲線x1に比べ緩やかであるため、曲線y2、z2は入力値がある大きさのところで第1のガンマ曲線x1と重なる。
【0037】
例えば第2の色データを生成するとき、第2のガンマ曲線としてガンマ曲線y2が用いられると、図4から分かるように色データに関する入力値が低い画素でも、ある程度の出力値が得られる。したがって、すべての画素がある程度の色データに関する出力値を得るので、第2の色データ21に対応する画像は、全体的にフレアが掛かった画像になる。これにより、第2、第3の輝度データY(β)、Y’(β)は対応する画像も同様にフレアが掛かった画像となり、画像処理によって得られる画像にもフレアが掛かり、ぼかし効果が得られる。ガンマ曲線z2を用いた場合も同様であり、ガンマ曲線y2に比べオフセット値が大きいので、さらに大きなぼかし効果が得られる。
【0038】
すなわち、第2の輝度データY(β)を生成するとき、第1の輝度データY(α)を生成するときと異なったガンマ曲線によりガンマ補正を行うと、得られる処理済画像データ14(図2参照)にLPF処理で得られるのとは異なるぼかし効果が得られる。
【0039】
図5から図7は、デジタルカメラの処理回路50における処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンでは、図5に示すようにまずステップ100において撮影モードが設定される。撮影モードは、例えば、通常撮影モード、マクロモード、ソフトフォーカスモード等の中から選択され、ステップ110において、その撮影モードの詳細設定情報が入力される。ソフトフォーカスモードであれば、詳細設定情報は、ぼかし強度が予め設定されている0〜4の5段階のうちから1つ選択されて入力される。表1に示すように、入力されたぼかし強度によって、詳細情報である式(1)、(2)の係数α、係数β、LPF処理で変換される解像度サイズ、選択される第2のガンマ曲線が決定される。なお、図4に示すガンマ曲線x2、y2、z2は、表1のx2、y2、z2に対応する。
【0040】
【表1】
【0041】
ステップ120においてシャッターボタンが押されたか否かが判定される。シャッターボタンが押されていれば、ステップ130において撮影用のCCD52(図1参照)の積分が行なわれ、ステップ140において、所定の画像処理が行なわれ、SDRAM55(図1参照)上にベイヤーデータが保存される。シャッターボタンが押されていない場合は、画像処理ルーチンは終了する。ステップ160において、ステップ100で設定されているモードがソフトフォーカスモードか否かが判定される。ソフトフォーカスモードであれば、ステップ170に進みソフトフォーカスモードの画像処理が行われる。ソフトフォーカスモードでなければ、ステップ180に進みその他の撮影モードの画像処理が行われる。
【0042】
ステップ170、180において処理された処理済画像データは、ステップ181において、LCDモニタ59(図1参照)に出力され、ステップ182では、制御回路57によってJPEGに従って符号化された後、ステップ183でコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ58に記録され、画像処理ルーチンは終了する。
【0043】
図6はステップ170におけるソフトフォーカスモードの画像処理ルーチンを示す。画像処理が開始されれば、ステップ200において、ステップ110で設定されたぼかし強度が読み取られる。ステップ201では、ぼかし強度に応じた第2のガンマ曲線が決定される。
【0044】
ステップ202では、ベイヤーデータが公知の手法により画素補間される。画素補間されたデータは、ステップ203において、ステップ201で設定されたガンマ曲線に応じてガンマ補正された後、所定の画像処理が施され、ステップ204で第1、第2の色データに変換される。
【0045】
ステップ210では、ステップ200で読み取られたぼかし強度に応じて係数α、β(式(1)、(2)参照)が決定される。α、βは上述したように、原画像の輝度データが第1の輝度データY(α)および第2の輝度データY(β)に配分される比率である。
【0046】
ステップ220では、色差データCr,Cbとともにα、βに応じて第1および第2の輝度データY(α)、Y(β)が生成される。ステップ230では生成された第2の輝度データY(β)にLPF処理が施され、第3の輝度データY’(β)が生成される。LPF処理が終了すると、ステップ240では、第1の輝度データY(α)と第3の輝度データY’(β)および色差データCb、Crが合成され処理済画像データ14(図2参照)が求められ、前述のステップ181へ進む。
【0047】
図7はステップ230におけるLPF処理のフローチャートを示す。LPF処理が開始されると、ステップ300において、ステップ200で読み取られたぼかし強度に応じて解像度変換サイズが決定される。ステップ310では、第2の輝度データY(β)に対応した画像の解像度が、決定された解像度変換サイズに低下させられる。
【0048】
次に、ステップ320では、対応する画像の解像度が低下させられた第2の輝度データY(β)にローパスフィルタ処理が予め設定されている所定回数だけ行われる。ステップ330では、低下した解像度をもとの解像度に復元させ、その輝度データにさらにローパスフィルタ処理が予め設定されている所定回数だけ行われる。これらの処理により、LPF処理は終了し、第3の輝度データY’(β)が得られ、前述のステップ240に進む。
【0049】
画像処理ルーチンに示したように、本実施形態では、式(1)(2)におけるα、βすわなち、輝度データYを第1および第2の輝度データY(α)、Y(β)に配分する比率、LPF処理において変換する解像度、および第2の輝度データY(β)を生成するときに用いるガンマ曲線を複数段階に設定可能である。これにより、ソフトフォーカス写真のぼかしの程度が容易に設定可能となり、被写体の特徴や撮影者の趣向に応じたソフトフォーカス写真が容易に提供できる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、例えばフィルタ処理がローパスフィルタ処理である場合、請求項1、11に係る発明は、輝度データの一部にのみLPF処理を行うので、輪郭が残るにもかかわらず、ぼけた画像が得られる。また、色差データには、LPF処理が施されないので、偽色も発生しない。これにより、銀塩のソフトフォーカス写真と同様の写真が得られる。
【0051】
さらに、請求項2または3に係る発明は、LPF処理において、画像の解像度を低下させてからローパスフィルタ処理を行うことから、ぼかしの程度が大きいソフトフォーカス写真を速い処理速度で得ることができる。また、請求項5または6に係る発明は、第2の輝度データを得るときに用いるガンマ曲線を第1の輝度データを得るときに用いるガンマ曲線と相違させることにより、LPF処理で得られるぼかしと異なるぼかしをソフトフォーカス写真に付加することが可能となる。また、請求項4、7または8に係る発明は、さまざまなパラメータが数段階に設定されているので、被写体の特徴や撮影者の趣向に応じてソフトフォーカス写真のぼかし程度が数段階に設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるソフトフォーカスフィルタ処理装置を有する処理回路の回路図である。
【図2】画像処理回路における画像処理の流れを示す図である。
【図3】第2の輝度データから第3の輝度データを得るためのLPF処理の流れ図である。
【図4】第1および第2のガンマ曲線を示すグラフである。
【図5】画像処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】ソフトフォーカスモードの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】LPF処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ベイヤーデータ
14 処理済画像データ
50 処理回路
54 画像処理回路
Y(α) 第1の輝度データ
Y(β) 第2の輝度データ
Y’(β) 第3の輝度データ
Cb,Cr 色差データ
Claims (11)
- 原画像から、輝度データを所定の比率に配分して第1および第2の輝度データを生成するとともに、色差データを生成するデータ生成手段と、前記第2の輝度データにフィルタ処理を行うことにより第3の輝度データを得る画像データ処理手段と、前記第1の輝度データおよび前記色差データと前記第3の輝度データとを合成する画像データ合成手段とを備えるフィルタ処理装置。
- 前記フィルタ処理の前に前記第2の輝度データに対応した画像の解像度を低下させる解像度低下手段と、前記フィルタ処理の後に前記低下した解像度を復元させる解像度復元手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ処理装置。
- 前記解像度を復元させた後にフィルタ処理を行う第2の画像データ処理手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ処理装置。
- 前記解像度が複数段階に設定可能であることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ処理装置。
- 前記データ生成手段が前記第1および第2の輝度データを独立に生成することを特徴とする請求項1に記載のフィルタ処理装置。
- 前記データ生成手段が第1のガンマ曲線を用いてガンマ補正を行うことによって前記第1の輝度データを生成し、前記第1のガンマ曲線とは異なる第2のガンマ曲線を用いてガンマ補正を行うことによって前記第2の輝度データを生成することを特徴とする請求項5に記載のフィルタ処理装置。
- 前記データ生成手段が、予め用意された複数のガンマ曲線から1つを前記第2のガンマ曲線として選択してガンマ補正を行うことを特徴とする請求項6に記載のフィルタ処理装置。
- 前記所定の比率が複数段階に設定可能であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ処理装置。
- 前記フィルタ処理がローパスフィルタ処理であり、ソフトフォーカス画像を得ることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ処理装置。
- 請求項1ないし9に記載のフィルタ処理装置を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
- 原画像から、輝度データを所定の比率に配分して第1および第2の輝度データを生成するとともに、色差データを生成するデータ生成ステップと、前記第2の輝度データにフィルタ処理を行うことにより第3の輝度データを得る画像データ処理ステップと、前記第1の輝度データおよび前記色差データと前記第3の輝度データとを合成する画像データ合成ステップとを備えるフィルタ処理方法。
Priority Applications (3)
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