JP3309941B2 - ノイズ検出回路、ノイズ除去回路及び輪郭強調回路 - Google Patents

ノイズ検出回路、ノイズ除去回路及び輪郭強調回路

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JP3309941B2 JP29873194A JP29873194A JP3309941B2 JP 3309941 B2 JP3309941 B2 JP 3309941B2 JP 29873194 A JP29873194 A JP 29873194A JP 29873194 A JP29873194 A JP 29873194A JP 3309941 B2 JP3309941 B2 JP 3309941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばテレビジョン受
像器、VTR、ビデオカメラ、プリンタ等の画像の入出
力装置に用いて好適なノイズ検出回路、ノイズ除去回路
及び輪郭強調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像器が画像信号を受信
し、表示する場合、ノイズによる影響を受ける。その結
果、入力された画像信号を画面上に映し出す処理が行わ
れると、ノイズを含んだ画像が表示される。
【0003】そこで、以下に示すように、入力された信
号からノイズを検出し、除去する処理が行われている。
【0004】従来、ノイズを検出する方法として、レベ
ル変化の小さい入力画像信号をノイズとみなすコアリン
グ処理が知られている。例えば、入力画像信号に、その
2次微分値に基づく強調信号を加算する輪郭強調におい
ては、ノイズの増幅を抑制するために、このコアリング
処理を適用している。すなわち、図20に示すような変
換を行って、強調信号を生成する。
【0005】図20の横軸は、入力画像信号の2次微分
値を示し、縦軸は、その2次微分値に対応して生成され
る強調信号を示している。入力画像信号のレベル変化の
大きさを示す、入力画像信号の2次微分値の絶対値が、
所定のしきい値THを超える場合、その2次微分値に対
応する強調信号が生成される。この2次微分値の絶対値
が、しきい値TH以下の場合、強調信号は0となる。そ
して、生成された強調信号と入力画像信号が加算され、
輪郭強調が行われる。すなわち、レベル変化の大きな信
号は強調され、レベル変化の小さな信号はノイズとみな
され、強調されない。
【0006】また、従来、検出したノイズを除去するノ
イズ除去処理として、例えば空間的ローパスフィルタを
用いる処理と、時間方向の再帰的ローパスフィルタを用
いる処理とがあり、それぞれ、空間周波数または時間周
波数を検出し、いずれも、周波数の高い成分をノイズと
みなし、減衰することによって、画像信号成分とノイズ
成分の分離を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノイズ
を検出する方法としてのコアリング処理においては、入
力信号のレベル変化の大小を基準にノイズが検出される
ので、レベル変化の小さな画像信号(ノイズではない信
号)をもノイズとして検出してしまい、正確なノイズの
検出が困難であるという課題を有する。
【0008】例えば、上述した輪郭強調処理において
は、毛髪等のレベル変化の小さい画像信号が入力された
場合、その2次微分値は小さいので、ノイズとして検出
されてしまい、強調処理がなされない。このレベル変化
の小さい画像信号を強調するには、図20に示す、所定
のしきい値THを小さな値に設定する必要があるが、し
きい値THを小さくしすぎると、ノイズ成分まで強調し
てしまう。
【0009】空間的ローパスフィルタを用いるノイズ除
去処理は、空間周波数の高い成分をノイズとみなして除
去する処理を、画像全体に、一様に行っているので、エ
ッジ等の高周波成分からなる、意味のある画像信号をも
ノイズとみなして除去してしまうという課題を有する。
【0010】また、時間方向の再帰的ローパスフィルタ
を用いるノイズ除去処理は、時間周波数の高い成分をノ
イズとみなして除去するので、動きのある画像の質が劣
化するという課題を有する。さらに、この時間方向のロ
ーパスフィルタを用いるノイズ除去処理においては、時
間方向の情報を用いるので、フレームメモリが必要とな
り、コスト高になるという課題を有する。
【0011】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、ノイズ成分のみを正確に検出するノイズ検
出回路と、ノイズ成分のみを正確に除去する安価なノイ
ズ除去回路と、画像信号の輪郭強調を正確に行うことが
可能な輪郭強調回路と、を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のノイズ検出回路
は、入力画像の各位置において、入力画像の画像信号の
輝度変化の大きさを示す値及び輝度変化の方向を示す値
検出する勾配検出手段と、勾配検出手段によって検出
された、入力画像の画像信号の輝度変化の大きさを示す
値及び輝度変化の方向を示す値に基づき、ノイズに起因
する可能性を示すノイズ係数を算出するノイズ係数算出
手段と、ノイズ係数算出手段により算出されたノイズ係
数の大きさに基づいて、入力画像の画像信号のノイズを
検出するノイズ検出手段とを備え、ノイズ係数算出手段
は、入力画像の画像信号の輝度変化の大きさを示す値を
遅延するとともに、方向性の異なる複数の2次元ローパ
スフィルタのフィルタ係数を輝度変化の方向を示す値で
修正し、遅延された入力画像の画像信号の輝度変化の大
きさを示す値、及び輝度変化の方向を示す値で修正され
たフィルタ係数に基づいて、ノイズ係数を算出すること
を特徴とする。
【0013】この勾配検出手段は、方向性の異なる複数
の2次元1次微分フィルタと、複数の2次元1次微分フ
ィルタによってフィルタリングされた、入力画像の画像
信号のフィルタ出力値の絶対値の最大値を検出する勾配
検出器とを設けるようにすることができる。
【0014】上述した2次元1次微分フィルタは、入力
画像の画像信号の輝度が変化する方向に選択性を示すよ
うにすることができる。
【0015】上述したノイズ係数算出手段には、上述し
た2次元1次微分フィルタの選択性を示す方向と直交す
る方向に複数の2次元ローパスフィルタのフィルタ係数
記憶するメモリと、2次元ローパスフィルタのフィル
タ係数を修正する係数修正器と、入力画像の画像信号の
輝度変化の大きさを示す値を遅延して出力する遅延器
、この係数修正器によって修正されたフィルタ係数
構成される2次元ローパスフィルタによ、入力画像の
画像信号の輝度変化の大きさを示す値をフィルタリング
する係数可変フィルタと、この係数可変フィルタによっ
てフィルタリングされた入力画像の画像信号の輝度変化
の大きさを示す値を正規化し、上述したノイズ係数を算
出する正規化器とを設けるようにすることができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】本発明の輪郭強調回路は、ノイズ検出回路
と、入力画像の画像信号の2次微分値から強調信号を生
成し、出力する強調信号生成手段と、このノイズ検出回
路によって算出されるノイズ係数と強調信号を積算し、
補正強調信号を出力する積算手段と、この積算手段によ
り出力される補正強調信号と、入力画像の画像信号を加
算する加算手段とを備えることを特徴とする。
【0020】本発明のノイズ除去回路は、入力画像の各
位置において、入力画像の画像信号の輝度変化の方向を
示す値を検出する方向検出手段と、この方向検出手段が
検出した輝度変化の方向と直交する方向に平滑化処理を
行う平滑化手段とを備えることを特徴とする。
【0021】この方向検出手段には、方向性の異なる複
数の2次元2次微分フィルタと、これらの2次元2次微
分フィルタによってフィルタリングされた、入力画像の
画像信号のフィルタ出力値の絶対値の最大値を検出し、
検出結果に対応する入力画像の画像信号の輝度変化の方
向を示す値を検出する方向検出器とを設けるようにする
ことができる。
【0022】この2次元2次微分フィルタは、入力画像
の画像信号の輝度が変化する方向に選択性を示すように
することができる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【作用】本発明のノイズ検出回路においては、入力画像
画像信号の輝度変化の方向と大きさ検出され、この
入力画像の画像信号の輝度変化の方向と大きさに基づい
て、ノイズ係数算出され、算出されたノイズ係数の大
きさに基づいて、入力画像の画像信号のノイズが検出さ
る。したがって、ノイズ成分のみを正確に検出するこ
とができる。
【0028】
【0029】本発明の輪郭強調回路においては、入力画
像の画像信号の2次微分値から、強調信号が生成され、
ノイズ検出回路によって算出されるノイズ係数と、強調
信号が積算されて補正強調信号が出力され、補正強調信
号と入力画像の画像信号が加算される。したがって、画
像信号の輪郭強調を正確に行うことができる。
【0030】本発明のノイズ除去回路においては、入力
画像の画像信号の輝度変化の方向が検出され、検出され
た輝度変化の方向と直交する方向に平滑化処理が行われ
る。したがって、ノイズ成分のみを正確に除去すること
ができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。
【0032】図1は、本発明のノイズ検出回路の一実施
例の構成を示す図である。AD変換器10は、アナログ
信号の入力を受け、ディジタル信号に変換して出力する
ようになされている。本実施例の場合、2次元画像を水
平方向に走査することによって得られるアナログ輝度信
号ya in が、AD変換器10に入力され、ディジタル輝
度データyd in に変換されてから出力される。フィルタ
メモリ11は、複数の2次元1次微分フィルタfhn
(n(フィルタ番号)=0,1,2,・・・)を記憶し
ており、各フィルタfhn は、それぞれ、異なる方向の
輝度変化に選択性を示すように構成されている。これら
の各フィルタにAD変換器10から出力されたディジタ
ル輝度データyd in が入力され、それぞれのフィルタ出
力が出力される。
【0033】図2は、このフィルタメモリ11に設けら
れている2次元1次微分フィルタ群の例を示す図であ
る。これらの2次元1次微分フィルタfhn は、入力さ
れたディジタル輝度データyd in の輝度変化に対して、
それぞれ、異なる方向の輝度変化に選択性を示す。な
お、図においては、4個の2次微分1次フィルタのみが
示されているが、これに限定されるものではない。
【0034】例えば、入力画像のエッジ方向が、画面
の、上下方向に存在する場合、輝度が変化する方向は、
左右方向となる。従って、このエッジは、図2(a)の
fh0の2次元1次微分フィルタにより検出される。
【0035】同様に、図2(b),(c)または(d)
の2次元1次微分フィルタfh1,fh2, fh3 は、
それぞれ、左上から右下方向の輝度変化、上下方向の輝
度変化、または右上から左下方向への輝度変化に対して
選択性を有している。
【0036】勾配検出器12は、フィルタメモリ11か
ら出力される、複数のフィルタ出力の入力を受け、各フ
ィルタ出力の絶対値を計算し、そのうちの最大値である
最大微分絶対値abs(v)を求める。さらに、勾配検
出器12は、最大微分絶対値abs(v)と、最大微分
絶対値abs(v)を出力した2次元1次微分フィルタ
のフィルタ番号nとをノイズ係数検出器13に出力する
ようになされている。なお、最大微分絶対値abs
(v)を与えるフィルタ番号nは、入力信号の輝度変化
の方向を示す指標であり、以下、方向指標と記述する。
また、最大微分絶対値abs(v)は、以下、微分値a
bs(v)と記述する。
【0037】ノイズ係数算出器13は、勾配検出器12
から、順次入力される微分値abs(v)に対して、勾
配検出器12から入力される方向指標nに対応する平滑
化処理を施し、この平滑化された微分値に基づいて、入
力画像信号の輝度変化がノイズに起因する可能性を示す
係数であるノイズ係数cを算出するようになされてい
る。
【0038】図3は、ノイズ係数算出器13の構成例を
示す図である。勾配検出器12から出力された方向指標
nは、方向性の異なる複数の2次元ローパスフィルタF
nのフィルタ係数ak (k=0,±1,±2,・・
・)を記憶している係数メモリ20及び係数修正器21
(後述する)に入力される。また、同様に、勾配検出器
12から出力された微分値abs(v)は、遅延器22
(後述する)に入力される。
【0039】係数メモリ20は、上述したように、方向
性の異なる、複数の2次元ローパスフィルタFLn のフ
ィルタ係数ak を記憶しており、入力された方向指標n
に対応する2次元ローパスフィルタのフィルタ係数ak
を係数修正器21に入力するようになされている。
【0040】図4は、係数メモリ20に記憶されている
2次元ローパスフィルタFLn の例を示す図である。こ
の2次元ローパスフィルタFLn のフィルタ番号nは、
フィルタメモリ11に記憶されている2次元1次微分フ
ィルタfhn のフィルタ番号nと対応している。例え
ば、入力された方向指標nが、 n=1 である場合(勾配検出器12が選択した2次元1次微分
フィルタがfh1 (図2(b))である場合)、係数メ
モリ20から出力される2次元ローパスフィルタのフィ
ルタ係数は、図4(b)のFL1 フィルタ係数となる。
つまり、2次元1次微分フィルタfhn が輝度変化に対
して選択性を示す方向と直行する方向にローパス特性を
有する2次元ローパスフィルタFLn のフィルタ係数a
k が係数修正器21に入力されるようになされている。
なお、図示したフィルタ係数ak (=1)以外のフィル
タ係数は0である。
【0041】係数修正器21は、係数メモリ20から入
力された2次元ローパスフィルタFLn のフィルタ係数
k を、勾配検出器12から送られてきた方向指標nに
基づいて、次のように修正するようになされている。
【0042】いま、係数メモリ20から出力された2次
元ローパスフィルタFLn のフィルタ係数をa-2
-1,a0,a1,a2 とする。このとき、a0 が、現在
の注目画素に対応するフィルタ係数である。また、各フ
ィルタ係数に対応する画素の方向指標nを、n-2
-1,n0,n1,n2 とする。この場合、この係数修正
器21は、次に示す(1)式を用いて、新しいフィルタ
係数a’k(k=−2,−1,0,1,2)を算出す
る。
【0043】a’k=ak (nk=n0) a’k=0 (nk≠n0) ・・・(1)
【0044】すなわち、中央画素と輝度変化の方向が異
なる(方向指標nの値が異なる)画素に対応するフィル
タ係数はゼロに修正され、方向が同じ画素に対応するフ
ィルタ係数はak とされる。そして、この修正された新
たなフィルタ係数a’k が係数可変フィルタ23に入力
される。
【0045】一方、遅延器22は、係数修正器21から
出力されるフィルタ係数a’k との同期をとるため、勾
配検出器12から送られた微分値abs(v)を、所定
の時間だけ遅延して、係数可変フィルタ23に出力する
ようになされている。
【0046】係数可変フィルタ23は、係数修正器21
が出力したフィルタ係数a’k の入力を受け、このフィ
ルタ係数a’k を用いた新たな2次元ローパスフィルタ
によって、微分値abs(v)のフィルタリングを行う
ようになされている。そして、その出力値v’を正規化
器24に出力するようになされている。
【0047】正規化器24は、(2)式に示すように、
入力された微分値v’を正規化し、その値を1から減ず
ることによってノイズ係数cを算出する。
【0048】
【数1】
【0049】次に、図1に示す実施例の動作について説
明する。アナログの輝度信号ya inがAD変換器10に
入力され、ディジタル輝度データyd in に変換され、フ
ィルタメモリ11に入力される。フィルタメモリ11
は、このディジタル輝度データyd in を、具備する2次
元1次微分フィルタfhn によってフィルタリングし
て、各々のフィルタ出力を勾配検出器12に入力する。
【0050】勾配検出器12は、フィルタメモリ11か
ら送られた複数のフィルタ出力の絶対値を計算し、最大
微分絶対値(微分値)abs(v)をノイズ係数算出器
13の遅延器22に、微分値abs(v)を与えた2次
元1次微分フィルタfhn のフィルタ番号(方向指標)
nをノイズ係数算出器13の係数メモリ20及び係数修
正器21に、それぞれ入力する。係数メモリ20は、入
力された方向指標nに対応する2次元ローパスフィルタ
FLn のフィルタ係数ak を、係数修正器21に入力す
る。係数修正器21に入力されたフィルタ係数ak は、
上述した(1)式に基づいて、新たなフィルタ係数a’
k に修正され、係数可変フィルタ23に入力される。
【0051】例えば、いま、画像上の位置(i,j)近
傍の方向指標nが、図5に示すように分布しているもの
とする。位置(i,j)の方向指標nが1であるので、
係数メモリ20から係数修正器21に、図4(b)に示
す2次元ローパスフィルタFL1 の係数ak が入力され
る。図5に示すように、位置(i+1,j−1)におけ
る方向指標nは、位置(i,j)の方向指標と異なる方
向性を示す0であるので、(1)式より、フィルタ係数
1 は1から0に修正され、a’1 として出力される
(図6)。
【0052】これに対して、位置(i−1,j+2),
(i,j),(i+2,j−2)の方向指標nは1であ
るから、フィルタ係数a-2,a-1,a0,a2は、そのま
ま1とされ、係数a’-2,a’-1,a’0,a’2として
出力される(図6)。
【0053】係数修正器21によって修正され、出力さ
れた新たなフィルタ係数a’k と、このフィルタ係数
a’k と同期するために、遅延器22によって所定時間
遅延された微分値abs(v)は、係数可変フィルタ2
3に入力される。係数可変フィルタ23は、フィルタ係
数a’k を用いて、微分値abs(v)をフィルタリン
グする。すなわち、係数可変フィルタ23は、中央画素
の近傍領域、つまり、中央画素のエッジ方向に沿って並
ぶN個(本実施例の場合は、図4に示すように5個)の
画素の集合の中で、中央画素と同じ輝度変化方向を持つ
画素の微分値abs(v)の和を計算する。係数可変フ
ィルタ23は、その出力値v’を正規化器24に入力す
る。正規化器24は、入力されたv’から、上述した
(2)式を用いて、ノイズ係数cを算出し、出力する。
【0054】従って、中央画素の近傍領域に、同じ輝度
変化方向を持つ画素が多い場合には、係数可変フィルタ
23の出力値v’は大きくなり、正規化器24によって
算出されるノイズ係数cの値は、小さくなり、ノイズが
少ないことが判る。一方、中央画素の近傍領域における
各画素の輝度変化方向がバラツキを有する場合には、
v’は相対的に小さくなり、ノイズ係数cの値は大きく
なり、ノイズが多いことが判る。従って、ノイズ係数c
の大きさから、正確にノイズを検出することが可能とな
る。
【0055】図7は、本発明のノイズ除去回路の一実施
例の構成を示す図である。AD変換器30は、図1に示
すAD変換器10と同様に、アナログ輝度信号ya in
ディジタル輝度データyd in に変換し、ノイズ検出回路
31、平滑化器32及び重み付き加算器33に入力する
ようになされている。ノイズ検出回路31は、図1及び
図3に示す構成と、ほぼ同様の構成を有し(AD変換器
10を除く構成を有し)、検出されたノイズ係数cを重
み付き加算器33に入力するようになされている。平滑
化器32は、ローパスフィルタ等によって構成されてお
り、入力されたディジタル輝度データyd in を平滑化
し、その平滑化輝度データyave を、重み付き加算器3
3に入力するようになされている。
【0056】重み付き加算器33は、ノイズ検出回路3
1から入力されたノイズ係数cを用いて、ディジタル輝
度データyd in と平滑化輝度データyave の重み付き平
均値yd outを算出するようになされている。次に示す
(3)式に、この重み付き平均値yd outを算出するため
の式を示す。
【0057】 yd out=(1−c)・yd in+c・yave ・・・(3)
【0058】上述した(3)式で用いられる重み係数
は、ノイズ係数cそのものであり、ノイズ係数cが大き
い場合(ノイズが多い場合)、平滑化輝度データyave
の重み(c)を大きくし、ノイズ係数cが小さい場合
(ノイズが少ない場合)、このノイズ除去回路に入力さ
れたディジタル輝度データyd in そのものの重み(1−
c)を大きくする。つまり、ノイズ係数cの大きな場所
ほど、より強い平滑化が施される。
【0059】重み付き加算器33において算出された重
み付き平均値yd outは、DA変換器34に出力される。
DA変換器34は、yd outをアナログ輝度信号ya out
変換して出力する。
【0060】従って、ノイズ検出回路31が出力するノ
イズ係数cをもとに、ノイズを除去するので、意味のあ
る(ノイズ成分ではない)高周波数の信号成分を減衰さ
せることなく、ノイズを除去することができる。
【0061】図8は、本発明の輪郭強調回路の一実施例
の構成を示す図である。AD変換器40は、図1に示す
AD変換器10と同様に、入力されるアナログ輝度信号
a i n をディジタル輝度データyd in に変換して、ノイ
ズ検出回路41、強調信号生成器42及び加算器44に
出力するようになされている。ノイズ検出回路41は、
図1と図3に示すノイズ検出回路とほぼ同様の構成を有
している。(ただし、AD変換器10は含まない)が、
正規化器24において算出されるノイズ係数cは、
(2)式において算出されるノイズ係数とは異なってい
る。
【0062】すなわち、この実施例(ノイズ検出回路4
1)の正規化器24において算出されるノイズ係数cの
算出式は、次に示す(4)式のようになる。
【0063】
【数2】
【0064】つまり、v’の正規化処理((2)式の右
辺の第2項の演算)のみが行われ、その値がノイズ係数
cとして、そのまま出力される。従って、この場合にお
いては、ノイズ係数cが小さいほど、各位置における輝
度変化がノイズによるものである可能性が高いことを示
す。そして、ノイズ検出回路41は、(4)式によって
求められたノイズ係数cを積算器43に入力する。
【0065】強調信号生成器42は、例えば、入力され
たディジタル輝度データyd in の2次微分値の計算を行
い、その2次微分値を強調信号dyとして積算器43に
入力する。
【0066】積算器43は、ノイズ検出回路41から入
力されたノイズ係数cと、強調信号生成器42から入力
された強調信号dyとの積を計算し、補正強調信号d
y’として加算器44に出力する。従って、強調信号生
成器42から出力された強調信号dyが、ノイズ成分を
強調した強調信号である場合は、値の小さなノイズ係数
が積算され、相対的に小さな補正強調信号dy’として
出力され、dyが意味のある(ノイズ成分ではない)信
号を強調した強調信号である場合は、値の大きなノイズ
係数cが積算され、相対的に大きな補正強調信号dy’
として出力される。
【0067】加算器44は、ディジタル輝度データyd
in と、積算器43から入力された補正強調信号dy’
とを加算し、輪郭強調の施されたディジタル輝度データ
d outをDA変換器45に出力する。DA変換器45
は、ディジタル輝度データyd outをアナログ輝度信号y
a outに変換して出力する。
【0068】従って、ノイズ成分を増幅することなく輪
郭強調を行うことができる。
【0069】以上の実施例においては、ノイズ検出回路
を用いて、ノイズ係数cを算出し、そのノイズ係数をも
とにノイズ除去または輪郭強調を行う場合について述べ
てきたが、ノイズ係数cを算出せずにノイズ除去回路を
構成することも可能である。図9は、この場合のノイズ
除去回路の実施例を表している。
【0070】図9において、AD変換器50は、アナロ
グ輝度信号ya in をディジタル輝度データyd in に変換
して、フィルタメモリ51及び遅延器53に入力するよ
うになされている。フィルタメモリ51には、図10に
示す、異なる方向性を有する複数の2次元2次微分フィ
ルタFHn (n(フィルタ番号)=0,1,2,・・
・)が設けられている。これらの2次元2次微分フィル
タFHn は、それぞれ異なる方向の輝度変化に選択性を
有している。フィルタメモリ51の2次元2次微分フィ
ルタFHn は、入力されたディジタル輝度データyd in
を処理し、フィルタ出力として、それぞれ方向検出器5
2に出力する。
【0071】なお、2次元2次微分フィルタを使用する
のは、以下の実施例において、エッジに対する相対的な
位置情報(位相情報)(後述する)を得るためである。
【0072】方向検出器52は、図1に示す勾配検出器
12とほぼ同様の構成を有し、各フィルタ出力の絶対値
を算出して、そのうちの最大値を検出し、その最大値を
与える2次元2次微分フィルタFLn のフィルタ番号n
を、適応型平滑化器54に入力するようになされてい
る。ただし、このとき、勾配検出器12のように、フィ
ルタ出力の絶対値の最大値は出力しない。また、出力さ
れるフィルタ番号nは、輝度変化の方向を示す指標であ
るので、本実施例においても、以下、方向指標として示
す。
【0073】遅延器53は、ディジタル輝度データyd
in を、方向指標nと同期させるために、所定時間だけ
遅延させた後、適応型平滑化器54に入力するようにな
されている。
【0074】適応型平滑化器54は、方向検出器52に
よって検出されたエッジ方向(輝度変化の方向と直行す
る方向)に沿って、つまり、方向検出器52から入力さ
れた方向指標nに対応して、ディジタル輝度データyd
in に平滑化処理を施し、平滑化ディジタル輝度データ
d outをDA変換器55に出力するようになされてい
る。
【0075】DA変換器55は、平滑化輝度データyd
outを、アナログ輝度信号ya outに変換し、出力するよ
うになされている。
【0076】次に、適応型平滑化器54の説明をする。
適応型平滑化器54は、図11に示すように、フィルタ
選択器60及びフィルタメモリ61によって構成されて
いる。フィルタ選択器60は、方向検出器52から方向
指標nの入力を受け、AD変換器50からディジタル輝
度信号yd in の入力を受ける。そして、フィルタメモリ
61に記憶されている、異なる方向性を有する複数の2
次元ローパスフィルタFLn (nはフィルタ番号(方向
指標))のうちから、入力された方向指標nに対応する
2次元ローパスフィルタFLn を選択して、ディジタル
輝度信号yd inを、選択した2次元ローパスフィルタF
n に入力するようになされている。
【0077】フィルタメモリ61は、上述したように、
異なる方向性を有する複数の2次元ローパスフィルタF
n を記憶している。図12は、フィルタメモリ61が
記憶している2次元ローパスフィルタFLn の構成例を
示す図である。図においては、4個のフィルタのみが示
されているが、より多くのフィルタを記憶させることが
できるのは、もとよりである。本実施例においても、上
述した場合と同様に、フィルタ選択器60に入力された
方向指標nが0乃至3の場合、それぞれ、図12(a)
乃至(d)に示すFL0乃至FL3に、ディジタル輝度デ
ータyd in が入力され、そのフィルタ出力が、上述した
平滑化輝度データyd outとして出力されるようになされ
ている。
【0078】つまり、方向検出器52によって得られた
エッジ方向に沿って平滑化を行うことになる。
【0079】次に、本実施例の動作について説明する。
アナログ輝度信号ya in はAD変換器50によって、デ
ィジタル輝度データyd in に変換され、フィルタメモリ
51及び遅延器53に入力される。フィルタメモリ51
に入力された、ディジタル輝度データyd in は、フィル
タメモリ51に記憶されている、それぞれ異なる方向性
を有する、複数の2次元2次微分フィルタFHn によっ
てフィルタリングされ、その出力値が方向検出器52に
出力される。
【0080】方向検出器52は、入力された複数のフィ
ルタ出力の絶対値を計算し、そのうちの最大値を検出
し、この最大値を与える2次元2次微分フィルタのフィ
ルタ番号(方向指標)nを適応型平滑化器54に入力す
る。一方、遅延器53に入力されたディジタル輝度デー
タyd in は、方向指標nとの同期をとるため、所定時間
遅延された後、適応型平滑化器54に入力される。
【0081】適応型平滑化器54に入力されたディジタ
ル輝度データyd in と方向指標nは、適応型平滑化器5
4内のフィルタ選択器60に入力される。フィルタ選択
器60は、フィルタメモリ61に記憶されている2次元
ローパスフィルタFLn のうち、方向指標nに対応する
フィルタを選択して、ディジタル輝度データyd in を入
力する。
【0082】例えば、方向検出器52が検出した、2次
元2次微分フィルタのフィルタ出力の最大絶対値を与え
る2次元2次微分フィルタがFH1 (図10(b))で
ある場合、方向検出器52からフィルタ選択器60に、
方向指標1が入力される。フィルタ選択器60は、2次
元ローパスフィルタFL1 (図12(b))を選択し
て、そこに、ディジタル輝度データyd in を入力する。
【0083】フィルタメモリ61に入力されたディジタ
ル輝度データyd in は、フィルタ選択器60によって選
択された2次元ローパスフィルタFLn によって平滑化
され、平滑化信号yd outとして、DA変換器55に入力
される。さらに、この平滑化信号yd outは、DA変換器
55によって、アナログ輝度信号ya outに変換され、出
力される。
【0084】従って、このノイズ除去回路に入力された
画像は、輝度変化の方向と直行する方向(エッジ方向)
に沿った平滑化処理が施され、信号成分(ノイズ成分で
はない成分)を減衰させることなく、ノイズを除去する
ことができる。
【0085】図13は、本発明のノイズ除去回路の他の
実施例の構成を示す図である。本実施例のノイズ除去回
路は、図9に示すノイズ除去回路とほぼ同様の構成を有
しており、図9と同様の構成部については、同じ符号を
付し、適宜説明を省略する。アナログ輝度信号ya in
は、AD変換器50により、ディジタル輝度データyd i
n に変換され、フィルタメモリ51及び遅延器53に入
力される。
【0086】フィルタメモリ51に入力されたディジタ
ル輝度データyd in は、フィルタメモリ51に記憶され
ている2次元2次微分フィルタFHn (図10)によっ
てフィルタリングされ、そのフィルタ出力が方向検出器
52Aに入力される。方向検出器52Aは、入力された
複数のフィルタ出力の絶対値を計算し、そのうちの最大
値を与える2次元2次微分フィルタFHn のフィルタ番
号(方向指標)nを適応型平滑化器54Aに入力し、そ
のフィルタ出力値vを位相検出器70に入力する。
【0087】位相検出器70は、入力されたフィルタ出
力値vが、正の値であるか、または負の値であるのかを
判定する。そして、このフィルタ出力値vが正の値であ
る場合は、微分符号s=1を適応型平滑化器54Aに入
力し、vが負の値である場合は、微分符号s=0を適応
型平滑化器54Aに入力する。
【0088】図14は、所定のエッジの近傍におけるフ
ィルタ出力値の符号を示す図である。エッジを境にし
て、その両側では、フィルタ出力値の符号が異なる。つ
まり、位相検出器70は、入力されたフィルタ出力値
の、エッジに対する相対的な位置情報(位相情報)を検
出し、微分符号s(1または0)を適応型平滑化器54
Aに入力する。
【0089】遅延器53は、ディジタル輝度データyd
in を、方向指標n及び微分符号sに同期させるため
に、所定時間遅延して適応型平滑化器54Aに入力す
る。図15は、適応型平滑化器54Aの構成例を示す図
である。
【0090】適応型平滑化器54Aは、図9に示す実施
例の場合と同様に、方向検出器52Aから入力された方
向指標nによって、ディジタル輝度データyd in に対し
て、輝度変化の方向と異なる方向に平滑化処理を施す
が、さらにその平滑化の範囲をエッジ近傍の微分符号s
によって変化させる。また、適応型平滑化器54Aの構
成は、図9に示す適応型平滑化器54の構成と異なり、
係数メモリ80、係数修正器81、遅延器82及び係数
可変フィルタ83によって構成されている。方向指標n
は係数メモリ80に、微分符号sは係数修正器81に、
ディジタル輝度データyd in は遅延器82に、それぞれ
入力される。
【0091】係数メモリ80には、図12に示すような
複数の異なる方向性を有するローパスフィルタFLn
フィルタ係数ak (k=−2,−1,0,1,2)が記
憶されており、方向指標nが入力されると、それに対応
するローパスフィルタFLnのフィルタ係数ak が検出
され、係数修正器81に入力される。
【0092】係数修正器81は、係数メモリ80から入
力されたフィルタ係数ak を、微分符号sに基づいて次
のように修正する。係数メモリ80から入力された2次
元ローパスフィルタFLn のフィルタ係数をa-2
-1,a0,a1,a2 とする。a0 が、現在の注目画素
に対応するフィルタ係数である。また、各フィルタ係数
に対応する画素の微分符号をs-2,s-1,s0,s1,s
2 とする。このとき、新しいフィルタ係数a’k (k=
−2,−1,0,1,2)は、次の(5),(6),
(7)式を用いて算出される。
【0093】
【数3】
【0094】
【数4】
【0095】
【数5】
【0096】(5),(6)及び(7)式によって、修
正されるフィルタ係数ak が、フィルタ係数a0 (中心
画素)における微分符号と同じ微分符号である場合、新
たなフィルタ係数a’k に、もとのフィルタ係数ak
代入され、異なる微分符号である場合は、新たなフィル
タ係数a’kに0が代入される。
【0097】また、上記の(5),(6)及び(7)式
によって修正されたフィルタ係数が、a’0 に対して対
称にならない場合(a’iとa’-i のいずれか一方のみ
が0になっている場合)は、中央画素の位相がずれない
ように、0ではない方のフィルタ係数を強制的に0にす
る修正が係数修正器81において行われる。さらに、
a’-2,a’-1,a’0,a’1,a’2 の総和が1にな
らない場合においては、(8),(9)式によって、フ
ィルタ係数の総和を1とすべく、正規化を行う。
【0098】 a’k=a’k/M ・・・(8)
【0099】
【数6】
【0100】(8),(9)式によって得られる
a’-2,a’-1,a’0,a’1,a’2 の総和は1とな
る。
【0101】例えば、画像上の所定の位置(i,j)近
傍の微分符号が、図16に示すように分布しているもの
とする。この微分符号が係数修正器81に入力され、こ
の所定の位置(i,j)の方向指標nとして1が、係数
メモリ80に入力された場合、係数メモリ80は、図1
2に示す2次元ローパスフィルタFLn から図12
(b)のFL1 を選択し、そのフィルタ係数ak (k=
−2,−1,0,1,2)を、係数修正器81に入力す
る。
【0102】係数修正器81は、(5)式乃至(9)式
に従って、フィルタ係数ak の修正を行い、新たなフィ
ルタ係数a’k を算出する。図17は、係数修正器81
によって、行われる2次元ローパスフィルタFLn のフ
ィルタ係数ak の修正を説明する図である。図17
(a)は、修正前のフィルタ係数ak である。上述した
(5)式乃至(7)式によって、各フィルタ係数が修正
され、図17(b)に示す係数a’k となる。
【0103】例えば、図17(b)に示すa’-2は、次
のように算出される。
【0104】
【数7】
【0105】同様にして、a’-1乃至a’1 は0.2、
a’2 は0となる。しかし、図17(b)に示すよう
に、a’-2とa’2 とが、異なる値であるので、0では
ないa’-2を0とする。さらに、修正したフィルタ係数
の総和が1となっていないので、(8)及び(9)式を
用いて正規化を行う。この場合、次のように、各フィル
タ係数a’k が求められる。
【0106】
【数8】
【0107】図17(c)に、正規化を行ったフィルタ
係数a’k を示す。このフィルタ係数が係数可変フィル
タ83に入力される。
【0108】一方、遅延器82に入力されたディジタル
輝度データyd in は、フィルタ係数a’k と同期をとる
ため、所定時間遅延された後、係数可変フィルタ83に
入力される。
【0109】係数可変フィルタ83は、修正されたフィ
ルタ係数a’k による2次元ローパスフィルタFLn
用いて、ディジタル輝度データyd in を平滑化して、D
A変換器55に、平滑化輝度データyd outを入力する。
従って、エッジ方向に沿って類似した位相情報を持つ領
域においてのみ平滑化処理を施している。
【0110】図18は、本発明のノイズ除去回路の他の
実施例の構成を示す図である。本実施例のノイズ除去回
路は、図13に示すノイズ除去回路とほぼ同様の構成を
有しており、同様の構成部については、同じ符号を付し
て、適宜説明を省略する。AD変換器50により、アナ
ログ輝度信号ya in が、ディジタル輝度データyd in
変換され、フィルタメモリ51及び遅延器53に入力さ
れる。
【0111】フィルタメモリ51に入力されたディジタ
ル輝度データyd in は、フィルタメモリ51に記憶され
ている2次元2次微分フィルタFHn (図10)によっ
てフィルタリングされ、そのフィルタ出力が方向検出器
52Bに入力される。方向検出器52Bは、入力された
複数のフィルタ出力の絶対値を計算し、そのうちの最大
値を与える2次元2次微分フィルタFHn のフィルタ番
号(方向指標)nを適応型平滑化器54Bに出力し、そ
のフィルタ出力値vを位相検出器70に入力する。
【0112】また、方向検出器52Bは、計算したフィ
ルタ出力の絶対値の最大値(以下、微分値と記す)ab
s(v)を適応型平滑化器54Bに入力する。
【0113】位相検出器70は、入力されたフィルタ出
力値vが、正の値であるか、または負の値であるのかを
判定する。そして、このフィルタ出力値vが正の値であ
る場合は、微分符号s=1を適応型平滑化器54Bに入
力し、vが負の値である場合は、微分符号s=0を適応
型平滑化器54Bに入力する。
【0114】適応型平滑化器54Bは、図19に示すよ
うに、図15に示す適応型平滑化器54Aの構成に、重
み係数算出器90と重み付き加算器91を加えた構成と
なっている。方向検出器52Bから出力された微分値a
bs(v)は重み係数算出器90に入力される。また、
遅延器82は、入力されたディジタル輝度データyd i n
を係数可変フィルタ83及び重み付き加算器91に入力
する。
【0115】重み係数算出器90は、次に示す(10)
式を用いて、重み係数pを算出する。
【0116】
【数9】
【0117】ここで、v1,v2は、上述したように、正
規化のためのv1<v2を満たす正の定数である。
【0118】重み係数算出器90は、この重み係数pを
重み付き加算器91に入力する。係数可変フィルタ83
は、図15における場合と同様の処理を行うが、本実施
例においては、係数可変フィルタ83から出力される平
滑化輝度データをyave とし、このyave は、重み付き
加算器91に入力される。
【0119】重み付き加算器91は、重み係数算出器9
0が算出した重み係数pを用い、入力されたディジタル
輝度データyd in と平滑化輝度データyave との、重み
付き平均値であるyd outを、次に示す(11)式によっ
て算出し、DA変換器55に出力する。
【0120】 yd out=p・yave+(1−p)・yd in ・・・(11)
【0121】したがって、微分値abs(v)の大きな
場所で、強い平滑化が施され、特にエッジ部分で発生す
るドット妨害等のノイズを選択的に除去することができ
る。
【0122】なお、本発明は、これらの実施例に限定さ
れず、例えば、色差信号におけるノイズの検出、除去等
にも用いることができる。
【0123】
【発明の効果】以上のように、本発明のノイズ検出回路
によれば、入力画像の画像信号の輝度変化の方向及び大
きさを検出し、検出された入力画像の画像信号の輝度変
化の方向と大きさに基づいて、ノイズ係数を算出し、算
出されたノイズ係数の大きさに基づいて、入力画像の画
像信号のノイズを検出するようにしたので、ノイズ成分
のみを正確に検出することができる。
【0124】
【0125】本発明の輪郭強調手段によれば、入力画像
の画像信号の2次微分値から、強調信号を生成し、ノイ
ズ検出回路によって算出されるノイズ係数と、強調信号
を積算して補正強調信号を出力し、補正強調信号と入力
画像の画像信号を加算するようにしたので、画像信号の
輪郭強調を正確に行うことができる。
【0126】本発明のノイズ除去回路によれば、入力画
像の各位置における画像信号の輝度変化の方向を検出
し、検出された輝度変化の方向と直交する方向に平滑化
処理を行うようにしたので、ノイズ成分のみを正確に除
去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノイズ検出回路の一実施例の構成を示
す図である。
【図2】図1のフィルタメモリ11に記憶されている2
次元1次微分フィルタの構成例を示す図である。
【図3】図1のノイズ係数算出器13の内部の構成を示
す図である。
【図4】図3の係数メモリ20に記憶されている2次元
ローパスフィルタの構成を示す図である。
【図5】画像上の位置(i,j)の近傍の方向指標nの
分布状態を示す図である。
【図6】図4(b)に示す2次元ローパスフィルタFL
1 のフィルタ係数の修正を説明する図である。
【図7】本発明のノイズ除去回路の一実施例の構成を示
す図である。
【図8】本発明の輪郭強調回路の一実施例の構成を示す
図である。
【図9】本発明のノイズ除去回路の他の実施例の構成を
示す図である。
【図10】図9に示すフィルタメモリ51に記憶されて
いる2次元2次微分フィルタの構成例を示す図である。
【図11】図9に示す適応型平滑化器54の内部の構成
を示す図である。
【図12】図11に示すフィルタメモリ61に記憶され
ている2次元ローパスフィルタの構成例を示す図であ
る。
【図13】本発明のノイズ除去回路の他の実施例の構成
を示す図である。
【図14】エッジ近傍における微分符号の状態を示す図
である。
【図15】図13に示す適応型平滑化器54Aの内部の
構成を示す図である。
【図16】画面上の位置(i,j)の近傍の微分符号の
分布状態を示す図である。
【図17】図12(b)に示す2次元ローパスフィルタ
FL1 のフィルタ係数の、図15に示す係数修正器81
による修正を説明する図である。
【図18】本発明のノイズ除去回路の他の実施例の構成
を示す図である。
【図19】図18に示す適応型平滑化器54Bの内部の
構成を説明する図である。
【図20】入力信号の2次微分値に対応して出力される
強調信号を説明する図である。
【符号の説明】
10 AD変換器 11 フィルタメモリ 12 勾配検出器 13 ノイズ係数算出器 20 係数メモリ 21 係数修正器 22 遅延器 23 係数可変フィルタ 24 正規化器 30 AD変換器 31 ノイズ検出回路 32 平滑化器 33 重み付き加算器 34 DA変換器 40 AD変換器 41 ノイズ検出回路 42 強制信号生成器 43 積算器 44 加算器 45 DA変換器 50 AD変換器 51 フィルタメモリ 52,52A,52B 方向検出器 53 遅延器 54,54A,54B 適応型平滑化器 55 DA変換器 60 フィルタ選択器 61 フィルタメモリ 70 位相検出器 80 係数メモリ 81 係数修正器 82 遅延器 83 係数可変フィルタ 90 重み係数算出器 91 重み付き加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/21 H04N 5/208 H04N 1/405

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像の各位置において、前記入力画
    像の画像信号の輝度変化の大きさを示す値及び前記輝度
    変化の方向を示す値を検出する勾配検出手段と、 前記勾配検出手段によって検出された、前記入力画像の
    画像信号の輝度変化の大きさを示す値及び前記輝度変化
    の方向を示す値に基づき、ノイズに起因する可能性を示
    すノイズ係数を算出するノイズ係数算出手段と、前記ノイズ係数算出手段により算出された前記ノイズ係
    数の大きさに基づいて、前記入力画像の画像信号の前記
    ノイズを検出するノイズ検出手段と を備え 前記ノイズ係数算出手段は、前記入力画像の画像信号の
    輝度変化の大きさを示す値を遅延するとともに、方向性
    の異なる複数の2次元ローパスフィルタのフィルタ係数
    を前記輝度変化の方向を示す値で修正し、前記遅延され
    た入力画像の画像信号の輝度変化の大きさを示す値、及
    び前記輝度変化の方向を示す値で修正された前記フィル
    タ係数に基づいて、前記ノイズ係数を算出する ことを特
    徴とするノイズ検出回路。
  2. 【請求項2】 前記勾配検出手段は、 方向性の異なる複数の2次元1次微分フィルタと、 前記複数の2次元1次微分フィルタによってフィルタリ
    ングされた、前記入力画像の画像信号のフィルタ出力値
    の絶対値の最大値を検出する勾配検出器とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載のノイズ検出回路。
  3. 【請求項3】 前記2次元1次微分フィルタは、前記入
    力画像の画像信号の輝度が変化する方向に選択性を示す
    ことを特徴とする請求項2に記載のノイズ検出回路。
  4. 【請求項4】 前記ノイズ係数算出手段は、 前記2次元1次微分フィルタの選択性を示す方向と直交
    する方向に前記複数の2次元ローパスフィルタのフィル
    タ係数を記憶するメモリと 前記2次元ローパスフィルタの フィルタ係数を修正する
    係数修正器と、前記入力画像の画像信号の 輝度変化の大きさを示す値を
    遅延して出力する遅延器と、 前記係数修正器によって修正された前記フィルタ係数
    構成される前記2次元ローパスフィルタによ、前記入
    力画像の画像信号の輝度変化の大きさを示す値をフィル
    タリングする係数可変フィルタと、 前記係数可変フィルタによってフィルタリングされた前
    記入力画像の画像信号の輝度変化の大きさを示す値を正
    規化し、前記ノイズ係数を算出する正規化器とを備える
    ことを特徴とする請求項に記載のノイズ検出回路。
  5. 【請求項5】 請求項に記載のノイズ検出回路と、入力画像 の画像信号の2次微分値から、強調信号を生成
    し、出力する強調信号生成手段と、 前記ノイズ検出回路によって算出されるノイズ係数
    前記強調信号を積算し、補正強調信号を出力する積算手
    段と、 前記積算手段により出力される前記補正強調信号と、前
    記入力画像の画像信号を加算する加算手段とを備えるこ
    とを特徴とする輪郭強調回路。
  6. 【請求項6】 入力画像の各位置において、前記入力画
    像の画像信号の輝度変化の方向を示す値を検出する方向
    検出手段と、 前記方向検出手段が検出した前記輝度変化の方向と直交
    する方向に平滑化処理を行う平滑化手段とを備えること
    を特徴とするノイズ除去回路。
  7. 【請求項7】 前記方向検出手段は、 方向性の異なる複数の2次元2次微分フィルタと、 前記複数の2次元2次微分フィルタによってフィルタリ
    ングされた、前記入力画像の画像信号のフィルタ出力値
    の絶対値の最大値を検出し、検出結果に対応する前記入
    力画像の画像信号の輝度変化の方向を示す値を検出する
    方向検出器とを備えることを特徴とする請求項6に記載
    のノイズ除去回路。
  8. 【請求項8】 前記2次元2次微分フィルタは、前記入
    力画像の画像信号の輝度が変化する方向に選択性を示す
    ことを特徴とする請求項7に記載のノイズ除去回路。
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