JP2004274473A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】高感度画像データと低感度画像データとを合成して撮像画像データのダイナミックレンジを拡大する機能と、リバーサル調の撮像画像データをユーザに提供する。
【解決手段】高感度画像データと低感度画像データとを合成処理しダイナミックレンジを所定レンジに広げた合成画像データを生成する画像合成処理手段44と、リバーサル調で画像合成を行うか否かを指示入力させる入力手段と、該入力手段からリバーサル調で画像合成する指示が入力されたとき前記合成画像データのダイナミックレンジが前記所定レンジよりも狭いレンジ幅となるように前記高感度画像データと前記低感度画像データとを前記画像合成処理手段44に合成処理させる制御手段とを設ける。
【選択図】 図4
【解決手段】高感度画像データと低感度画像データとを合成処理しダイナミックレンジを所定レンジに広げた合成画像データを生成する画像合成処理手段44と、リバーサル調で画像合成を行うか否かを指示入力させる入力手段と、該入力手段からリバーサル調で画像合成する指示が入力されたとき前記合成画像データのダイナミックレンジが前記所定レンジよりも狭いレンジ幅となるように前記高感度画像データと前記低感度画像データとを前記画像合成処理手段44に合成処理させる制御手段とを設ける。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リバーサルフィルムを使用し銀塩フィルムカメラで被写体を撮像したときに得られる色再現性に近い撮像画像データ(以下、リバーサル調の撮像画像データという。)を得ることができるデジタルカメラに係り、特に、高感度画像と低感度画像とを撮像し両者を合成することで広ダイナミックレンジの撮像画像データを生成する機能とリバーサル調の撮像画像データを生成する機能とを合わせ持つデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
リバーサルフィルムを多用するフィルムカメラのユーザがデジタルカメラのユーザに移行する場合、自分の好みの色再現が可能であるか否かや、好みの色再現のための操作が容易であるか否かが、デジタルカメラの機種選択の重要な要素となる。このため、従来のデジタルカメラでは、例えば下記特許文献1(特開2001―346218号公報)に記載されている様に、カメラにフィルム種類に対応した複数の色再現特性情報を予め格納しておき、ユーザの選択した色再現特性情報を用いて撮像画像データを変換する様にしている。
【0003】
また、この一方で、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のデジタルカメラでは、固体撮像素子の各画素を構成するフォトダイオードに蓄積される電荷の飽和量が高画素化すなわちフォトダイオードの微細化に伴って小さくなり、撮像画像のダイナミックレンジが狭くなってしまうという欠点が顕著になってきている。
【0004】
このため、例えば下記特許文献2(特開2001―8104号公報)に記載されている様に、固体撮像素子に、高感度画素と低感度画素の2種類の画素を設け、高感度画素から得られた高感度画像データと、低感度画素から得られた低感度画像データとを合成処理することで、被写体画像のダイナミックレンジを広げるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001―346218号公報
【特許文献2】
特開2001―8104号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、高感度画像データと低感度画像データとを合成して広ダイナミックレンジの撮像画像データを得るデジタルカメラでは、ハイライトのニー補正などによってハイライトの情報を得ており、400%のハイライト情報を出力することができる。しかし、このことは逆に、リバーサル調の撮像画像データ、すなわち、ダイナミックレンジが狭くコントラストのハッキリした撮像画像データが得にくいことを意味する。
【0007】
また、合成された後の画像データを色再現特性情報で変換しても、ユーザの好みに応じたリバーサル調の撮像画像データが得られないという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、高感度画像データと低感度画像データとを合成して撮像画像データのダイナミックレンジを拡大する機能とリバーサル調の撮像画像データを容易に得ることができる機能とを搭載したデジタルカメラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のデジタルカメラは、高感度画像データと低感度画像データとを合成処理しダイナミックレンジを所定レンジに広げた合成画像データを生成する画像合成処理手段と、リバーサル調で画像合成を行うか否かを指示入力させる入力手段と、該入力手段からリバーサル調で画像合成する指示が入力されたとき前記合成画像データのダイナミックレンジが前記所定レンジよりも狭いレンジ幅となるように前記高感度画像データと前記低感度画像データとを前記画像合成処理手段に合成処理させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この構成により、通常の撮影時には広ダイナミックレンジの合成画像データが得られ、ユーザがリバーサル調を選択するという簡単な操作を行うだけで、ダイナミックレンジが制限された合成画像データが得られる。
【0011】
本発明のデジタルカメラの前記画像合成処理手段は、前記高感度画像データと前記低感度画像データとを第1パラメータ値に基づく混合割合で合成して前記所定レンジの合成画像データを生成し、前記第1パラメータ値に代わる第2パラメータ値に基づく混合割合で合成することで合成画像データのレンジ幅を狭くすることを特徴とする。
【0012】
この構成により、ダイナミックレンジの制御が容易となり、種々の色再現が可能となる。
【0013】
本発明のデジタルカメラは、前記第1パラメータ値及び前記第2パラメータ値とが夫々ダイナミックレンジに応じたテーブルデータとして予めメモリに格納されており、前記制御手段は、前記入力手段からの入力指示に基づき前記メモリから該当するテーブルデータを読み出し前記画像合成処理手段に出力することを特徴とする。
【0014】
この構成により、様々なダイナミックレンジ幅に応じたテーブルデータを予め設定でき、ユーザの好みの多様性に容易に対処可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルスチルカメラの構成図である。この実施形態ではデジタルスチルカメラを例に説明するが、デジタルビデオカメラや携帯電話機等の小型電子機器に搭載されたカメラ等の他の種類のデジタルカメラにも本発明を適用可能である。
【0017】
図1に示すデジタルスチルカメラは、撮影レンズ10と、固体撮像素子11と、この両者の間に設けられた絞り12と、赤外線カットフィルタ13と、光学ローパスフィルタ14とを備える。デジタルスチルカメラの全体を制御するCPU15は、フラッシュ用の発光部16及び受光部17を制御し、また、レンズ駆動部18を制御して撮影レンズ10の位置をフォーカス位置に調整し、絞り駆動部19を介し絞り12の開口量を制御して露光量が適正露光量となるように調整する。
【0018】
また、CPU15は、撮像素子駆動部20を介して固体撮像素子11を駆動し、撮影レンズ10を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。また、CPU15には、入力手段である操作部21を通してユーザの指示信号が入力され、CPU15はこの指示に従って各種制御を行う。
【0019】
デジタルスチルカメラの電気制御系は、固体撮像素子11の出力に接続されたアナログ信号処理部22と、このアナログ信号処理部22から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路23とを備え、これらはCPU15によって制御される。
【0020】
更に、このデジタルスチルカメラの電気制御系は、メインメモリ24に接続されたメモリ制御部25と、詳細は後述するデジタル信号処理部26と、撮像画像をJPEG画像に圧縮したり圧縮画像を伸張したりする圧縮伸張処理部27と、測光データを積算してホワイトバランスのゲインを調整させる積算部28と、着脱自在の記録媒体29が接続される外部メモリ制御部30と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部31が接続される表示制御部32とを備え、これらは、制御バス33及びデータバス34によって相互に接続され、CPU15からの指令によって制御される。
【0021】
尚、図1に示すデジタル信号処理部26や、アナログ信号処理部22,A/D変換回路23等は、これを夫々別回路としてデジタルスチルカメラに搭載することもできるが、これらを固体撮像素子11と同一半導体基板上にLSI製造技術を用いて製造し、1つの固体撮像装置とするのがよい。
【0022】
図2は、本実施形態で使用する固体撮像素子11の画素配置図である。広ダイナミックレンジの画像を撮像するCCD部分の画素1は、例えば特開平10―136391号公報に記載されている画素配置をとり、偶数行の各画素に対して奇数行の各画素が水平方向に1/2ピッチずらして配置され、各画素から読み出された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送路(図示せず)が、垂直方向の各画素を避けるように蛇行配置される構成をとっている。
【0023】
そして、本実施形態に係る各画素1は、図示する例では、画素1の面積の約1/5を占める低感度画素(副画素)2と、残りの約4/5を占める高感度画素(主画素)3とに分割して設けられ、各低感度画素2の信号電荷と、各高感度画素3の信号電荷とを区別して上記垂直転送路に読み出し転送することができるようになっている。
【0024】
尚、画素1をどのような割合、どの様な位置で分割するかは設計的に決められるものであり、図2は単なる例示に過ぎない。また、固体撮像素子11は、図2に示す様なハニカム画素配置のCCDを例に説明したが、ベイヤー方式のCCDやCMOSセンサでも良い。また、高感度画素と低感度画素とを合わせ持つ固体撮像素子は、図2に例示するものに限らず、例えば、図3に示す様に、同一寸法形状に形成された多数のフォトダイオード(図示せず)の上に設けるマイクロレンズの開口面積を変え、高感度画素3と低感度画素2とを設けるものでもよい。
【0025】
図4は、デジタル信号処理部26の処理構成図である。このデジタル信号処理部26は、図2に示す高感度画素3から出力されA/D変換回路23でデジタルデータに変換された高感度(高出力)画像信号と、低感度画素2から出力されA/D変換回路23でデジタルデータに変換された低感度(低出力)画像信号とを取り込み、夫々ガンマ補正した後に加算処理する対数加算方式を採用している。
【0026】
図4において、デジタル信号処理部26は、高感度画像のデジタル信号でなるRGB色信号を取り込んでオフセット処理を行うオフセット補正回路41aと、オフセット補正回路41aの出力信号のホワイトバランスをとるゲイン補正回路42aと、ゲイン補正後の色信号に対してガンマ補正を行うガンマ補正回路43aと、低感度画像のデジタル信号でなるRGB色信号を取り込んでオフセット処理を行うオフセット補正回路41bと、オフセット補正回路41bの出力信号のホワイトバランスをとるゲイン補正回路42bと、ゲイン補正後の色信号に対してガンマ補正を行うガンマ補正回路43bとを備える。オフセット補正後の信号に対してリニアマトリクス処理などを行う場合には、ゲイン補正回路42a,42bとガンマ補正回路43a,43bとの間で行う。
【0027】
デジタル信号処理部26は、更に、各ガンマ補正回路43a,43bの両出力信号を取り込んで画像合成処理を行う画像合成処理回路44と、画像合成後のRGB色信号を補間演算して各画素位置におけるRGB3色の信号を求めるRGB補間演算部45と、RGB信号から輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとを求めるRGB/YC変換回路46と、輝度信号Yや色差信号Cr,Cbからノイズを低減するノイズフィルタ47と、ノイズ低減後の輝度信号Yに対して輪郭補正を行う輪郭補正回路48と、色差信号Cr,Cbに対して色差マトリクスを乗算して色調補正を行う色差マトリクス回路49とを備える。
【0028】
本実施形態に係るデジタルスチルカメラには、銀塩フィルムカメラでネガフィルムを使用して撮影する場合に対応する通常撮影機能と、ポジフィルムを使用して撮影する場合に対応するリバーサル撮影機能とが用意されている。通常撮影機能を働かせて撮像したときは、ダイナミックレンジの広い合成画像データが生成され、リバーサル撮影機能を働かせて撮像したときは、後述するようにダイナミックレンジが制限されたリバーサル調の合成画像データが生成される。
【0029】
この通常撮影機能とリバーサル撮影機能とを実現するために、本実施形態では、CPU15内の図示しないROM等に予め通常撮影用パラメータ51とリバーサル撮影用パラメータ52とを格納しておき、ユーザが操作部21から入力指示した撮影機能に基づいてCPU15がパラメータ選択信号を発生し、該当する撮影用パラメータの値が主として合成処理回路44に与えられ、高感度画像データと低感度画像データとが合成される。
【0030】
以下、先ず、通常撮影機能を働かせて撮影し画像データの合成を行う場合について説明する。
【0031】
上述した画像合成処理回路44は、ガンマ補正回路43aから出力される高感度画像データと、ガンマ補正回路43bから出力される低感度画像データとを次の数1に基づいて画素単位に合成し、出力する。
【0032】
【数1】
data=〔high+MIN(high/th,1)×low〕×MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕
ここで、high:高感度(高出力)画像信号のガンマ補正後のデータ
low:低感度(低出力)画像信号のガンマ補正後のデータ
p:total gain(トータルゲイン)
Lg:係数
th:閾値
である。この数1は、次の数2に様に表すこともできる。
【0033】
【数2】
ここで、h_gain:MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕
l_gain:MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕×MIN(high/th,1)
である。
【0034】
トータルゲインpは、加算データ全体に対するゲインであり、このp値をパラメータ値としてダイナミックレンジの制御を行う。このp値が小さいほどダイナミックレンジは広く、p値が大きいほどダイナミックレンジは狭くなる。
【0035】
閾値thは、highとlowとをミックスする度合いを制御する閾値パラメータであり、ガンマ補正後のデータが8ビットデータ(256階調)であれば、例えば値0〜255のうちの“219”とデジタルスチルカメラの設計者がダイナミックレンジに応じて指定する値である。係数Lgも、highとlowとをミックスする度合いを制御するパラメータであり、ダイナミックレンジに応じて設定される。
【0036】
図5は、数1のMIN(high/th,1)の変化の様子を示すグラフである。この図5に示されるように、数1の第1項は、高感度画像信号highが閾値thを越えているとき高感度画像信号highにそのまま低感度画像信号lowを加算し、高感度画像信号highが閾値thに達していないときは、高感度画像信号highの閾値thに対する割合に対し低感度画像信号lowを乗算した値を高感度画像信号highに加算することを示している。
【0037】
本実施形態では、この第1項で求めた加算データをそのまま合成画像データとするのではなく、この第1項に、第2項(MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕)を乗算した値を合成画像のデータとしている。図6は、このMAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕の変化の様子を示す図である。
【0038】
数1において、トータルゲインpの値として、例えば実験的に定めた値を採用する。pは合成画像データの全体に対するゲインであり、このpの値を制御することで、画像のダイナミックレンジの制御を行うことができる。
【0039】
図7は、pの値を変えたときのダイナミックレンジの変化の様子を示す図である。トータルゲインpの値を大きくしたときの特性線イはダイナミックレンジが小さく、トータルゲインpの値を小さくしていくとダイナミックレンジが大きい特性線ロまで変化する。
【0040】
このように、トータルゲインp,閾値th,係数Lgの夫々の値を変化させることで、高感度画像データと低感度画像データとを合成して得られる撮像画像データのダイナミックレンジの広狭を制御することができる。
【0041】
図8(a)は通常撮影用パラメータ51の値を示すテーブル図である。CPU15のROM内には、撮影シーンのダイナミックレンジに応じて、トータルゲインp,閾値th,係数Lgの各値がテーブルデータとして予め設定されている。図示する例では、ダイナミックレンジ100%のときのp値として値“P100”が、ダイナミックレンジ200%のときのp値として値“P200”が、……、ダイナミックレンジ400%のときのp値として値“P400”が設定されている。尚、“P400”はダイナミックレンジ400%に対応する値という意味であり、“P100”の4倍の値という意味ではない。
【0042】
同様に、ダイナミックレンジ100%のときのth値として値“T100”が、ダイナミックレンジ200%のときのth値として値“T200”が、……、ダイナミックレンジ400%のときのth値として値“T400”が設定されており、ダイナミックレンジ100%のときのLg値として値“L100”が、ダイナミックレンジ200%のときのLg値として値“L200”が、……、ダイナミックレンジ400%のときのLg値として値“L400”が設定されている。
【0043】
そして、デジタルスチルカメラのCPU15は、撮影シーンの撮像画像を解析し、撮影シーンのダイナミックレンジパラメータDrengeの値が100%〜400%のうちのいずれであるかを算出する。そして、ダイナミックレンジ300%と判断した場合に、通常撮影用パラメータの値として、“P300”,“T300,“L300”の値を読み出し、これらの値を合成処理回路44に出力させ、ダイナミックレンジの広い撮像画像データを生成させる。
【0044】
図8(b)は、リバーサル撮影用パラメータ52の値を例示する図である。リバーサルフィルムは、ダイナミックレンジを制限したフィルムであり、撮影画像のダイナミックレンジは狭く、コントラストがあり白黒のハッキリした画像が撮影される。そこで、本実施形態では、リバーサル撮影用パラメータp,th,Lgの値として、ダイナミックレンジを制限する値を設定しておく。
【0045】
図示する例では、ダイナミックレンジが200%までは通常撮影用パラメータの値と同じ値を設定しておくが、200%を超える場合には、200%に対応する設定値を使用する様にしておく。即ち、ダイナミックレンジ200%〜400%では、常に、p値として値“P200”を使用し、th値として値“T200”を使用し、Lg値として“L200”を使用する。
【0046】
これにより、合成された撮像画像データのダイナミックレンジは、リバーサルフィルムのダイナミックレンジ180%程度に制限され、コントラストのハッキリしたリバーサル調の画像データが得られ、この画像データをプリントすることで、リバーサルフィルムを使用して撮影したのと同等の色再現が実現される。
【0047】
図8(a)(b)には、p値,th値,Lg値以外のパラメータの値は記載していないが、例えばリバーサル撮影用のp値,th値,Lg値を合成処理回路44に出力してリバーサル調の撮像画像データを合成させるとき、ガンマ補正回路43a,43bで使用するガンマ特性も同時に修正し、更に、輪郭補正や色調補正なども微調整させる。
【0048】
例えば、リバーサル撮影用のp値,th値,Lg値を用いた画像合成で輪郭のハッキリしすぎた画像が生成される場合には輪郭を程良くぼかす補正処理を行ったり、彩度を上げたり、ガンマ補正の修正に合わせて輪郭を修正したりして、全体としてユーザの好みに合わせたリバーサル調の撮像画像が得られる様にする。
【0049】
以上述べた様に、本実施形態のデジタルカメラでは、高感度画像データと低感度画像データとを合成して広ダイナミックレンジの撮像画像データが得られる機能と、合成画像のダイナミックレンジをリバーサルフィルム並に制限する機能とを設けたため、ユーザの好みに応じた色再現を容易に実現でき、デジタルカメラの機能を銀塩フィルムカメラに更に近づけることが可能となる。
【0050】
尚、上述した実施形態では、高感度画素と低感度画素とを固体撮像装置に搭載して高感度画像データと低感度画像データを取得する例で説明したが、同一画素しか持たない固体撮像装置で低速シャッタを切って得た高感度画像データと高速シャッタを切って得た低感度画像データとを合成する場合にも本発明を適用可能である。
【0051】
また、通常撮影用パラメータとリバーサル撮影用パラメータの2種類のパラメータ値をテーブルデータとして持つ例について述べたが、更に種類を増やして様々なダイナミックレンジ幅で画像合成するテーブルデータを用意し、ユーザに選択させるも可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、高感度画像データと低感度画像データとを合成することで広ダイナミックレンジの画像を撮像するデジタルカメラで、容易にリバーサル調の画像データを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタルスチルカメラのブロック構成図である。
【図2】図1に示す固体撮像素子の表面模式図である。
【図3】固体撮像素子の別実施形態に係る画素配置図である。
【図4】図1に示すデジタル信号処理部の処理構成図である。
【図5】図1に示すデジタルスチルカメラで演算処理される数式の説明図である。
【図6】図1に示すデジタルスチルカメラで演算処理される数式の説明図である。
【図7】ダイナミックレンジの変化の様子を示す図である。
【図8】(a)は通常撮影用パラメータのテーブル図である。
(b)はリバーサル撮影用パラメータのテーブル図である。
【符号の説明】
1 画素
2 低感度画素(副画素)
3 高感度画素(主画素)
10 レンズ
11 固体撮像素子
15 CPU
21 操作部
23 A/D変換器
26 デジタル信号処理部
44 画像合成処理回路
51 通常撮影用パラメータ
52 リバーサル撮影用パラメータ
p,th,Lg ダイナミックレンジ制御用のパラメータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、リバーサルフィルムを使用し銀塩フィルムカメラで被写体を撮像したときに得られる色再現性に近い撮像画像データ(以下、リバーサル調の撮像画像データという。)を得ることができるデジタルカメラに係り、特に、高感度画像と低感度画像とを撮像し両者を合成することで広ダイナミックレンジの撮像画像データを生成する機能とリバーサル調の撮像画像データを生成する機能とを合わせ持つデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
リバーサルフィルムを多用するフィルムカメラのユーザがデジタルカメラのユーザに移行する場合、自分の好みの色再現が可能であるか否かや、好みの色再現のための操作が容易であるか否かが、デジタルカメラの機種選択の重要な要素となる。このため、従来のデジタルカメラでは、例えば下記特許文献1(特開2001―346218号公報)に記載されている様に、カメラにフィルム種類に対応した複数の色再現特性情報を予め格納しておき、ユーザの選択した色再現特性情報を用いて撮像画像データを変換する様にしている。
【0003】
また、この一方で、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のデジタルカメラでは、固体撮像素子の各画素を構成するフォトダイオードに蓄積される電荷の飽和量が高画素化すなわちフォトダイオードの微細化に伴って小さくなり、撮像画像のダイナミックレンジが狭くなってしまうという欠点が顕著になってきている。
【0004】
このため、例えば下記特許文献2(特開2001―8104号公報)に記載されている様に、固体撮像素子に、高感度画素と低感度画素の2種類の画素を設け、高感度画素から得られた高感度画像データと、低感度画素から得られた低感度画像データとを合成処理することで、被写体画像のダイナミックレンジを広げるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001―346218号公報
【特許文献2】
特開2001―8104号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、高感度画像データと低感度画像データとを合成して広ダイナミックレンジの撮像画像データを得るデジタルカメラでは、ハイライトのニー補正などによってハイライトの情報を得ており、400%のハイライト情報を出力することができる。しかし、このことは逆に、リバーサル調の撮像画像データ、すなわち、ダイナミックレンジが狭くコントラストのハッキリした撮像画像データが得にくいことを意味する。
【0007】
また、合成された後の画像データを色再現特性情報で変換しても、ユーザの好みに応じたリバーサル調の撮像画像データが得られないという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、高感度画像データと低感度画像データとを合成して撮像画像データのダイナミックレンジを拡大する機能とリバーサル調の撮像画像データを容易に得ることができる機能とを搭載したデジタルカメラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のデジタルカメラは、高感度画像データと低感度画像データとを合成処理しダイナミックレンジを所定レンジに広げた合成画像データを生成する画像合成処理手段と、リバーサル調で画像合成を行うか否かを指示入力させる入力手段と、該入力手段からリバーサル調で画像合成する指示が入力されたとき前記合成画像データのダイナミックレンジが前記所定レンジよりも狭いレンジ幅となるように前記高感度画像データと前記低感度画像データとを前記画像合成処理手段に合成処理させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この構成により、通常の撮影時には広ダイナミックレンジの合成画像データが得られ、ユーザがリバーサル調を選択するという簡単な操作を行うだけで、ダイナミックレンジが制限された合成画像データが得られる。
【0011】
本発明のデジタルカメラの前記画像合成処理手段は、前記高感度画像データと前記低感度画像データとを第1パラメータ値に基づく混合割合で合成して前記所定レンジの合成画像データを生成し、前記第1パラメータ値に代わる第2パラメータ値に基づく混合割合で合成することで合成画像データのレンジ幅を狭くすることを特徴とする。
【0012】
この構成により、ダイナミックレンジの制御が容易となり、種々の色再現が可能となる。
【0013】
本発明のデジタルカメラは、前記第1パラメータ値及び前記第2パラメータ値とが夫々ダイナミックレンジに応じたテーブルデータとして予めメモリに格納されており、前記制御手段は、前記入力手段からの入力指示に基づき前記メモリから該当するテーブルデータを読み出し前記画像合成処理手段に出力することを特徴とする。
【0014】
この構成により、様々なダイナミックレンジ幅に応じたテーブルデータを予め設定でき、ユーザの好みの多様性に容易に対処可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルスチルカメラの構成図である。この実施形態ではデジタルスチルカメラを例に説明するが、デジタルビデオカメラや携帯電話機等の小型電子機器に搭載されたカメラ等の他の種類のデジタルカメラにも本発明を適用可能である。
【0017】
図1に示すデジタルスチルカメラは、撮影レンズ10と、固体撮像素子11と、この両者の間に設けられた絞り12と、赤外線カットフィルタ13と、光学ローパスフィルタ14とを備える。デジタルスチルカメラの全体を制御するCPU15は、フラッシュ用の発光部16及び受光部17を制御し、また、レンズ駆動部18を制御して撮影レンズ10の位置をフォーカス位置に調整し、絞り駆動部19を介し絞り12の開口量を制御して露光量が適正露光量となるように調整する。
【0018】
また、CPU15は、撮像素子駆動部20を介して固体撮像素子11を駆動し、撮影レンズ10を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。また、CPU15には、入力手段である操作部21を通してユーザの指示信号が入力され、CPU15はこの指示に従って各種制御を行う。
【0019】
デジタルスチルカメラの電気制御系は、固体撮像素子11の出力に接続されたアナログ信号処理部22と、このアナログ信号処理部22から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路23とを備え、これらはCPU15によって制御される。
【0020】
更に、このデジタルスチルカメラの電気制御系は、メインメモリ24に接続されたメモリ制御部25と、詳細は後述するデジタル信号処理部26と、撮像画像をJPEG画像に圧縮したり圧縮画像を伸張したりする圧縮伸張処理部27と、測光データを積算してホワイトバランスのゲインを調整させる積算部28と、着脱自在の記録媒体29が接続される外部メモリ制御部30と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部31が接続される表示制御部32とを備え、これらは、制御バス33及びデータバス34によって相互に接続され、CPU15からの指令によって制御される。
【0021】
尚、図1に示すデジタル信号処理部26や、アナログ信号処理部22,A/D変換回路23等は、これを夫々別回路としてデジタルスチルカメラに搭載することもできるが、これらを固体撮像素子11と同一半導体基板上にLSI製造技術を用いて製造し、1つの固体撮像装置とするのがよい。
【0022】
図2は、本実施形態で使用する固体撮像素子11の画素配置図である。広ダイナミックレンジの画像を撮像するCCD部分の画素1は、例えば特開平10―136391号公報に記載されている画素配置をとり、偶数行の各画素に対して奇数行の各画素が水平方向に1/2ピッチずらして配置され、各画素から読み出された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送路(図示せず)が、垂直方向の各画素を避けるように蛇行配置される構成をとっている。
【0023】
そして、本実施形態に係る各画素1は、図示する例では、画素1の面積の約1/5を占める低感度画素(副画素)2と、残りの約4/5を占める高感度画素(主画素)3とに分割して設けられ、各低感度画素2の信号電荷と、各高感度画素3の信号電荷とを区別して上記垂直転送路に読み出し転送することができるようになっている。
【0024】
尚、画素1をどのような割合、どの様な位置で分割するかは設計的に決められるものであり、図2は単なる例示に過ぎない。また、固体撮像素子11は、図2に示す様なハニカム画素配置のCCDを例に説明したが、ベイヤー方式のCCDやCMOSセンサでも良い。また、高感度画素と低感度画素とを合わせ持つ固体撮像素子は、図2に例示するものに限らず、例えば、図3に示す様に、同一寸法形状に形成された多数のフォトダイオード(図示せず)の上に設けるマイクロレンズの開口面積を変え、高感度画素3と低感度画素2とを設けるものでもよい。
【0025】
図4は、デジタル信号処理部26の処理構成図である。このデジタル信号処理部26は、図2に示す高感度画素3から出力されA/D変換回路23でデジタルデータに変換された高感度(高出力)画像信号と、低感度画素2から出力されA/D変換回路23でデジタルデータに変換された低感度(低出力)画像信号とを取り込み、夫々ガンマ補正した後に加算処理する対数加算方式を採用している。
【0026】
図4において、デジタル信号処理部26は、高感度画像のデジタル信号でなるRGB色信号を取り込んでオフセット処理を行うオフセット補正回路41aと、オフセット補正回路41aの出力信号のホワイトバランスをとるゲイン補正回路42aと、ゲイン補正後の色信号に対してガンマ補正を行うガンマ補正回路43aと、低感度画像のデジタル信号でなるRGB色信号を取り込んでオフセット処理を行うオフセット補正回路41bと、オフセット補正回路41bの出力信号のホワイトバランスをとるゲイン補正回路42bと、ゲイン補正後の色信号に対してガンマ補正を行うガンマ補正回路43bとを備える。オフセット補正後の信号に対してリニアマトリクス処理などを行う場合には、ゲイン補正回路42a,42bとガンマ補正回路43a,43bとの間で行う。
【0027】
デジタル信号処理部26は、更に、各ガンマ補正回路43a,43bの両出力信号を取り込んで画像合成処理を行う画像合成処理回路44と、画像合成後のRGB色信号を補間演算して各画素位置におけるRGB3色の信号を求めるRGB補間演算部45と、RGB信号から輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとを求めるRGB/YC変換回路46と、輝度信号Yや色差信号Cr,Cbからノイズを低減するノイズフィルタ47と、ノイズ低減後の輝度信号Yに対して輪郭補正を行う輪郭補正回路48と、色差信号Cr,Cbに対して色差マトリクスを乗算して色調補正を行う色差マトリクス回路49とを備える。
【0028】
本実施形態に係るデジタルスチルカメラには、銀塩フィルムカメラでネガフィルムを使用して撮影する場合に対応する通常撮影機能と、ポジフィルムを使用して撮影する場合に対応するリバーサル撮影機能とが用意されている。通常撮影機能を働かせて撮像したときは、ダイナミックレンジの広い合成画像データが生成され、リバーサル撮影機能を働かせて撮像したときは、後述するようにダイナミックレンジが制限されたリバーサル調の合成画像データが生成される。
【0029】
この通常撮影機能とリバーサル撮影機能とを実現するために、本実施形態では、CPU15内の図示しないROM等に予め通常撮影用パラメータ51とリバーサル撮影用パラメータ52とを格納しておき、ユーザが操作部21から入力指示した撮影機能に基づいてCPU15がパラメータ選択信号を発生し、該当する撮影用パラメータの値が主として合成処理回路44に与えられ、高感度画像データと低感度画像データとが合成される。
【0030】
以下、先ず、通常撮影機能を働かせて撮影し画像データの合成を行う場合について説明する。
【0031】
上述した画像合成処理回路44は、ガンマ補正回路43aから出力される高感度画像データと、ガンマ補正回路43bから出力される低感度画像データとを次の数1に基づいて画素単位に合成し、出力する。
【0032】
【数1】
data=〔high+MIN(high/th,1)×low〕×MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕
ここで、high:高感度(高出力)画像信号のガンマ補正後のデータ
low:低感度(低出力)画像信号のガンマ補正後のデータ
p:total gain(トータルゲイン)
Lg:係数
th:閾値
である。この数1は、次の数2に様に表すこともできる。
【0033】
【数2】
ここで、h_gain:MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕
l_gain:MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕×MIN(high/th,1)
である。
【0034】
トータルゲインpは、加算データ全体に対するゲインであり、このp値をパラメータ値としてダイナミックレンジの制御を行う。このp値が小さいほどダイナミックレンジは広く、p値が大きいほどダイナミックレンジは狭くなる。
【0035】
閾値thは、highとlowとをミックスする度合いを制御する閾値パラメータであり、ガンマ補正後のデータが8ビットデータ(256階調)であれば、例えば値0〜255のうちの“219”とデジタルスチルカメラの設計者がダイナミックレンジに応じて指定する値である。係数Lgも、highとlowとをミックスする度合いを制御するパラメータであり、ダイナミックレンジに応じて設定される。
【0036】
図5は、数1のMIN(high/th,1)の変化の様子を示すグラフである。この図5に示されるように、数1の第1項は、高感度画像信号highが閾値thを越えているとき高感度画像信号highにそのまま低感度画像信号lowを加算し、高感度画像信号highが閾値thに達していないときは、高感度画像信号highの閾値thに対する割合に対し低感度画像信号lowを乗算した値を高感度画像信号highに加算することを示している。
【0037】
本実施形態では、この第1項で求めた加算データをそのまま合成画像データとするのではなく、この第1項に、第2項(MAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕)を乗算した値を合成画像のデータとしている。図6は、このMAX〔(−Lg×high/th)+1,p〕の変化の様子を示す図である。
【0038】
数1において、トータルゲインpの値として、例えば実験的に定めた値を採用する。pは合成画像データの全体に対するゲインであり、このpの値を制御することで、画像のダイナミックレンジの制御を行うことができる。
【0039】
図7は、pの値を変えたときのダイナミックレンジの変化の様子を示す図である。トータルゲインpの値を大きくしたときの特性線イはダイナミックレンジが小さく、トータルゲインpの値を小さくしていくとダイナミックレンジが大きい特性線ロまで変化する。
【0040】
このように、トータルゲインp,閾値th,係数Lgの夫々の値を変化させることで、高感度画像データと低感度画像データとを合成して得られる撮像画像データのダイナミックレンジの広狭を制御することができる。
【0041】
図8(a)は通常撮影用パラメータ51の値を示すテーブル図である。CPU15のROM内には、撮影シーンのダイナミックレンジに応じて、トータルゲインp,閾値th,係数Lgの各値がテーブルデータとして予め設定されている。図示する例では、ダイナミックレンジ100%のときのp値として値“P100”が、ダイナミックレンジ200%のときのp値として値“P200”が、……、ダイナミックレンジ400%のときのp値として値“P400”が設定されている。尚、“P400”はダイナミックレンジ400%に対応する値という意味であり、“P100”の4倍の値という意味ではない。
【0042】
同様に、ダイナミックレンジ100%のときのth値として値“T100”が、ダイナミックレンジ200%のときのth値として値“T200”が、……、ダイナミックレンジ400%のときのth値として値“T400”が設定されており、ダイナミックレンジ100%のときのLg値として値“L100”が、ダイナミックレンジ200%のときのLg値として値“L200”が、……、ダイナミックレンジ400%のときのLg値として値“L400”が設定されている。
【0043】
そして、デジタルスチルカメラのCPU15は、撮影シーンの撮像画像を解析し、撮影シーンのダイナミックレンジパラメータDrengeの値が100%〜400%のうちのいずれであるかを算出する。そして、ダイナミックレンジ300%と判断した場合に、通常撮影用パラメータの値として、“P300”,“T300,“L300”の値を読み出し、これらの値を合成処理回路44に出力させ、ダイナミックレンジの広い撮像画像データを生成させる。
【0044】
図8(b)は、リバーサル撮影用パラメータ52の値を例示する図である。リバーサルフィルムは、ダイナミックレンジを制限したフィルムであり、撮影画像のダイナミックレンジは狭く、コントラストがあり白黒のハッキリした画像が撮影される。そこで、本実施形態では、リバーサル撮影用パラメータp,th,Lgの値として、ダイナミックレンジを制限する値を設定しておく。
【0045】
図示する例では、ダイナミックレンジが200%までは通常撮影用パラメータの値と同じ値を設定しておくが、200%を超える場合には、200%に対応する設定値を使用する様にしておく。即ち、ダイナミックレンジ200%〜400%では、常に、p値として値“P200”を使用し、th値として値“T200”を使用し、Lg値として“L200”を使用する。
【0046】
これにより、合成された撮像画像データのダイナミックレンジは、リバーサルフィルムのダイナミックレンジ180%程度に制限され、コントラストのハッキリしたリバーサル調の画像データが得られ、この画像データをプリントすることで、リバーサルフィルムを使用して撮影したのと同等の色再現が実現される。
【0047】
図8(a)(b)には、p値,th値,Lg値以外のパラメータの値は記載していないが、例えばリバーサル撮影用のp値,th値,Lg値を合成処理回路44に出力してリバーサル調の撮像画像データを合成させるとき、ガンマ補正回路43a,43bで使用するガンマ特性も同時に修正し、更に、輪郭補正や色調補正なども微調整させる。
【0048】
例えば、リバーサル撮影用のp値,th値,Lg値を用いた画像合成で輪郭のハッキリしすぎた画像が生成される場合には輪郭を程良くぼかす補正処理を行ったり、彩度を上げたり、ガンマ補正の修正に合わせて輪郭を修正したりして、全体としてユーザの好みに合わせたリバーサル調の撮像画像が得られる様にする。
【0049】
以上述べた様に、本実施形態のデジタルカメラでは、高感度画像データと低感度画像データとを合成して広ダイナミックレンジの撮像画像データが得られる機能と、合成画像のダイナミックレンジをリバーサルフィルム並に制限する機能とを設けたため、ユーザの好みに応じた色再現を容易に実現でき、デジタルカメラの機能を銀塩フィルムカメラに更に近づけることが可能となる。
【0050】
尚、上述した実施形態では、高感度画素と低感度画素とを固体撮像装置に搭載して高感度画像データと低感度画像データを取得する例で説明したが、同一画素しか持たない固体撮像装置で低速シャッタを切って得た高感度画像データと高速シャッタを切って得た低感度画像データとを合成する場合にも本発明を適用可能である。
【0051】
また、通常撮影用パラメータとリバーサル撮影用パラメータの2種類のパラメータ値をテーブルデータとして持つ例について述べたが、更に種類を増やして様々なダイナミックレンジ幅で画像合成するテーブルデータを用意し、ユーザに選択させるも可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、高感度画像データと低感度画像データとを合成することで広ダイナミックレンジの画像を撮像するデジタルカメラで、容易にリバーサル調の画像データを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタルスチルカメラのブロック構成図である。
【図2】図1に示す固体撮像素子の表面模式図である。
【図3】固体撮像素子の別実施形態に係る画素配置図である。
【図4】図1に示すデジタル信号処理部の処理構成図である。
【図5】図1に示すデジタルスチルカメラで演算処理される数式の説明図である。
【図6】図1に示すデジタルスチルカメラで演算処理される数式の説明図である。
【図7】ダイナミックレンジの変化の様子を示す図である。
【図8】(a)は通常撮影用パラメータのテーブル図である。
(b)はリバーサル撮影用パラメータのテーブル図である。
【符号の説明】
1 画素
2 低感度画素(副画素)
3 高感度画素(主画素)
10 レンズ
11 固体撮像素子
15 CPU
21 操作部
23 A/D変換器
26 デジタル信号処理部
44 画像合成処理回路
51 通常撮影用パラメータ
52 リバーサル撮影用パラメータ
p,th,Lg ダイナミックレンジ制御用のパラメータ
Claims (3)
- 高感度画像データと低感度画像データとを合成処理しダイナミックレンジを所定レンジに広げた合成画像データを生成する画像合成処理手段と、リバーサル調で画像合成を行うか否かを指示入力させる入力手段と、該入力手段からリバーサル調で画像合成する指示が入力されたとき前記合成画像データのダイナミックレンジが前記所定レンジよりも狭いレンジ幅となるように前記高感度画像データと前記低感度画像データとを前記画像合成処理手段に合成処理させる制御手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。
- 前記画像合成処理手段は、前記高感度画像データと前記低感度画像データとを第1パラメータ値に基づく混合割合で合成して前記所定レンジの合成画像データを生成し、前記第1パラメータ値に代わる第2パラメータ値に基づく混合割合で合成することで合成画像データのレンジ幅を狭くすることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
- 前記第1パラメータ値及び前記第2パラメータ値とが夫々ダイナミックレンジに応じたテーブルデータとして予めメモリに格納されており、前記制御手段は、前記入力手段からの入力指示に基づき前記メモリから該当する前記テーブルデータを読み出し前記画像合成処理手段に出力することを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
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