JP2004102043A - 処理装置及びシート処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性部材で形成された搬送ローラ支持板42に支持された搬送ローラ上41を備え、外装ユニット20の引き出し方向と反対方向の上方に回動可能なガイドユニット40を定着装置12の上部に備え、搬送ローラ上41と対となる搬送ローラ36を定着装置12体にシート搬送路Sを挟むように備える。さらに、外装ユニット20の引き出し方向と平行に第1搬送路S1、外装ユニット20の外壁パネル35とガイドユニット40との間に外壁パネル35と平行に第2搬送路S2をシート搬送路Sの一部として形成する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジャム処理機構を備えている画像形成装置等に用いられるシート処理装置等の所定の処理を行う処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の処理を行う処理装置であるシートに所定の処理を施すシート処理装置の一種である画像形成装置は、備え付けられた画像読取装置や外部の端末等から伝送されてくる入力画像データに基づいて画像を形成し、その画像をシートに転写し、シートに定着させることにより画像形成を行っていた。この画像形成を行うにあたり、シートは各処理工程をそれぞれ実施する処理ユニットに順次搬送されるが、シートの斜め送り、環境の変化、シート自体の質(腰の強さ、厚さ、材質、カール状況等。)等により、各処理ユニット内や搬送路中でジャムが発生する場合がある。その場合、従来のジャム処理では、画像形成装置のカバーを開放したり、処理ユニットを引き出したりすることにより、ジャムしたシートを取り除けるような構造となっていた。
【0003】
即ち、給紙側に設けた回動支点を中心として、上部本体と下部本体とが分割可能に構成され、上部本体開放後、搬送用ガイド体を上部本体と同一回動方向に回動し開放して定着ローラ周面側を露出させることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、定着部での紙詰まりジャム発生時に用紙の除去を行う際に開放するジャム解除カバーが、定着部本体の引き出し奥側の端部に設けた支点を軸に水平面内で開放可能に設けられ、画像形成装置本体と近接して配置されたものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
具体的には、定着部での紙詰まりジャムが発生した場合に、画像形成装置本体から定着装置を引き出す。次に、ジャム解除カバーを定着装置の引き出し手前側(フロント側)から水平面内で回動することで開放して用紙の除去作業を行っていた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭64−88560号公報 (第2図、第3図)
【特許文献2】
特開2000−305392公報 (第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1では、重量のある上部本体開放後、さらに搬送用ガイド体を回動し開放してジャム処理を行うことができ、ジャム処理を行う前の作業が多く、作業者に負担がかかる。また、上部本体全体を回動し開放するため、装置内部の必要ない箇所まで露出させることとなり、作業中に作業者が必要のない他の箇所へ負荷等を加えて故障の要因となる可能性がある。
【0008】
一方、上記特許文献2では、ジャム処理を行う際に、ジャム処理カバーを処理ユニットの引き出し方向に対して水平面内で回動する構成は、手を差し込む等のジャム処理スペースが確保されることにより作業性は良くなることは期待できるものの、上記処理を行うための広い作業スペースを確保しなければならない。
【0009】
また、処理ユニットが加熱方式の定着装置であった場合には、画像形成装置より引き出してジャム処理を行う定着装置が高温であり、危険なため誤って触れることのないようにさらに広いスペースを必要とする。
【0010】
これら上記の問題は、画像形成装置に限らずシート処理装置等の所定の処理を行う処理装置においても一般的に生じる問題である。
【0011】
本発明の目的は、装置本体からのユニット引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動する可動部をユニット上部に配置することで、ジャム処理等のユニットに対して行う作業スペースを維持しつつ、装置本体が専有する面積を小さくすることができる処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために以下の手段を備えている。
【0013】
(1)一部に可動部を有するユニットを装置本体に対して引き出し自在に備えるとともに、ユニットに対する作業を行う時に可動部をユニット体に対して移動させることによりユニット内部を開放する処理装置において、
前記可動部は、ユニット上部に配置され、ユニット体を引き出す方向に直交する軸を中心として上方に回動するようにユニットに支持されていることを特徴とする。
【0014】
この構成においては、可動部を有するユニットが装置本体に対して引き出し自在に備えられた処理装置において、ユニットに対する作業時に装置本体からユニット体が引き出され、可動部がユニット体の引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動する。したがって、可動部がユニットの引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動することでユニット内部が開放され、ユニットに対して作業を行うスペースが狭くなることがなく、作業者の負担が多いことがない。また、可動部はユニット体の上方へ回動するため、可動部が回動するスペースを新たに確保する必要がなく、装置本体の占有面積が増加することがない。
【0015】
(2)一部に可動部を有するユニットを装置本体に対して引き出し自在に備えるとともに前記ユニットを経由するシート搬送路を構成し、シート搬送路の一部でシートに所定の処理を施すシート処理装置であって、シート搬送路におけるシートのジャム解除作業時に装置本体からユニット体を引き出した後に可動部をユニット体に対して移動させることによりシート搬送路の一部を外部に開放するシート処理装置において、
前記可動部は、ユニット上部に配置され、ユニット体を引き出す方向に直交する軸を中心として上方に回動するようにユニットに支持されていることを特徴とする。
【0016】
この構成においては、可動部を有するユニットが装置本体に対して引き出し自在に備えられ、ユニットを経由して構成されたシート搬送路の一部でシートに所定の処理を施すシート処理装置において、ジャム除去作業時に装置本体からユニット体が引き出され、可動部がユニット体の引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動する。したがって、可動部がユニット体の引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動することでユニット内部のシート搬送路付近が開放されるため、ジャム除去作業を行うスペースが狭くなることがなく、作業者の負担が増加することがない。また、可動部はユニット体の上方への回動するため、可動部が回動するスペースを新たに確保する必要がなく、装置本体の占有面積が増加することがない。
【0017】
(3)前記ユニットは、ユニット体の引き出し方向と反対方向の上方に回動し、
ユニット体の引き出し方向に平行に形成された第1搬送路と、ユニットの外壁パネルと可動部との間に外壁パネルと平行に形成された第2搬送路と、を連続するようにシート搬送路の一部として形成することを特徴とする。
【0018】
この構成においては、可動部がユニット引き出し方向と反対方向の上方に回動し、ユニット体の引き出し方向に平行に形成されたシートを搬送する第1搬送路と、ユニットの外壁パネルに平行に形成された第2搬送路と、が連続するようにシート搬送路の一部としてユニット内で形成される。したがって、第2搬送路が外壁パネル内側の可動部の回動する方向とは反対側となるユニットの端部に形成されるとともに、可動部も同様に外壁パネル内側に位置するので、可動部が外壁パネル内側から外壁パネルとは反対側となる装置本体側のユニット上方へ回動するため、可動部の回動する範囲が狭くなることがなく、シート搬送路が開放される範囲が狭くなることがない。
【0019】
また、シート搬送方向と可動部の回動方向が平行であるため、可動部の回動半径が、シート搬送方向に直交する方向のシート搬送路幅以上になることがなく、回動範囲が小さくなることがない。
【0020】
(4)前記可動部は、ユニット体の引き出し方向と反対方向の上方に回動し、回動後に可動部の一部に装置本体側に突出した凸部を形成することを特徴とする。
【0021】
この構成においては、可動部がユニット体の引き出し方向と反対方向の上方に回動するように形成され、さらに可動部が回動して開放された状態では、可動部の一部が装置本体側に向かって突出した状態となるように、可動部に凸部が形成されている。したがって、可動部が開放された状態でユニット体を装置本体に押し入れた場合に、凸部が装置本体に衝突し、可動部が元の位置に戻るために必要なユニット体の引き出し方向の力が凸部に付与される。そのため、可動部は元の位置に戻る方向に回動し、可動部が外壁パネルと装置本体との間に挟まれた衝撃により破損することが防止される。
【0022】
(5)可動部及びユニット体は、それぞれ支持部材に軸支されたローラ部材を前記シート搬送路を挟んで対となるように配置し、
少なくとも前記ローラ部材のどちらか一方は、可動部又はユニット体から突出して配置され、
少なくとも可動部及びユニット体のどちらか一方のローラ部材又は支持部材は、弾性部材を介して構成されていることを特徴とする。
【0023】
この構成においては、可動部及びユニット体に軸支され、シート搬送路を挟んで構成された一対のローラ部材の少なくともどちらか一方が、可動部又はユニット体から突出して配置される。また、少なくとも可動部及びユニット体のどちらか一方のローラ部材又は支持部材が弾性部材を介して構成されている。したがって、ローラ部材が突出した状態で構成されているため、可動部が開放状態から元の位置へ戻る場合に、ローラ部材同志で衝突するため、ユニットの他の箇所が衝突することがなく、またローラ部材又は支持部材が弾性部材を介して構成されるため、衝突の衝撃が吸収され、可動部及びユニット体の他の箇所へ衝撃が伝わらず、ユニットの破損が防止される。
【0024】
(6)前記ユニットは、シート上に転写された画像を定着させる加熱手段を有する定着装置であることを特徴とする。
【0025】
この構成においては、上記ユニットがシート上の画像を定着させる加熱手段を有する定着装置である。したがって、ユニット内部のシート搬送路の一部が開放され、ジャム解除作業を行うスペースが狭くなることがないため、加熱手段の熱に伴う作業者の負担が増加することがない。また、可動部は上方へ回動するため、装置本体の占有面積が増加することがない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施形態に係る処理装置の一例としてシート処理装置である画像形成装置について説明する。
【0027】
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の概略を示す断面図である。
【0028】
この発明の実施形態に係る画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙、OHP等の記録媒体)に対して、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナーを用いた多色及びブラック(K)のトナーを用いた単色の画像を形成する。また、図1に示すように画像形成装置100は、画像ステーションPa〜Pd、転写搬送ベルトユニット7、外装ユニット20、用紙搬送路S、給紙トレイ10及び排紙トレイ15、33等より構成されている。
【0029】
各画像ステーションPa〜Pdは、順にブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナーに対応し、全て同じ構造である。例えば、画像ステーションPaには、画像ステーションPa上部の外装ユニット20側から順にクリーナユニット4a、帯電器5a、露光ユニット1a、現像器2aが配置され、帯電器5aの下方に感光体ユニット3aが配置されている。
【0030】
感光体ドラム3は、表面に光導電作用を有する感光層が形成されており、帯電器5は、感光体ドラム3の表面に所定の電位を均一に帯電させるための帯電手段である。帯電器5には、接触型のローラ型やブラシ型等の他に図1に示したチャージャ型が用いられる。露光ユニット1は、画像形成装置100に伝達された画像データに基づいて帯電された感光体ドラム3を露光することにより、感光帯ドラム3の表面に静電潜像を形成する。また、露光ユニット1には、発光素子をアレイ状に並べた例えば、EL、LED書込ヘッド、レーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキュナユニット(LSU)が用いられる。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3a〜3d上に形成された静電潜像にブラック、シアン、マゼンタ、イエローに対応するトナーを塗布することによって顕像化する。クリーナユニット4は、現像、画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナー等を除去、回収する。
【0031】
感光体ドラム3の下方に配置されている転写搬送ベルトユニット7は、転写ローラ6(6a〜6d)、転写ベルト8、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74及び転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
【0032】
また、転写ローラ6、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ72、転写ベルト従動ローラ73、転写ベルト支持ローラ74等は、転写ベルト8を張架し、矢印A方向に回転駆動させる。
【0033】
転写ローラ6は、転写搬送ベルトユニット7の内側のフレーム(図示せず)に回転可能に支持され、感光体ドラム3の表面に画像データに基づいて形成されたトナー像を、転写ベルト8上に吸着されて搬送されるシートに転写する。転写ローラ6には、トナー像を転写させるためにトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印可されている。したがって、転写ローラ6から転写ベルト8を介してトナーと逆極性の高電圧をシートに印可することで感光体ドラム3表面に付着しているトナーをシートに転写する。また、転写ローラ6は、直径8〜10mmのステンレス等の金属軸をベースとし、その表面はEPDM、発砲ウレタン等の導電性の弾性材により覆われている。この導電性の弾性材によりシートに対して均一に高電圧を印可することができる。この発明の実施形態では、転写電極として転写ローラ6を用いているが、それ以外にブラシ等を用いてもよい。
【0034】
転写ベルト8は、それぞれの感光体ドラム3a〜3dに接触するように設けられている。また転写ベルト8は、矢印A方向に移動することでシートを搬送し、それぞれの感光体ドラム3a〜3d表面に形成された各色のトナー像をシートに順次的に重ねて転写することによって、シートにカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。この転写ベルト8は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0035】
転写ベルトクリーニングユニット9は、シートの裏面を汚す原因となるため転写ベルト8が感光体ドラム3との接触等で付着させたトナーを除去・回収する。また、転写ベルトクリーニングユニット9には、例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが用いられ、転写ベルト8表面に接触配置される。また、このクリーニングブレードに対峙する形で転写ベルト支持ローラ74が、転写ベルト8の裏面に接触配置され、転写ベルト8を支持する。
【0036】
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10に収納されたシートを転写搬送ベルトユニット7、外装ユニット20を経由させて排紙トレイ13又は33に搬送するためのシート搬送路Sが構成されている。シート搬送路S上にはピックアップローラ14、レジストローラ15、搬送切換ゲート34、搬送ローラ16等が配置されている。
【0037】
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシートを収納しておくためのトレイであり、転写ベルト8の下方に設けられている。
【0038】
搬送ローラ16は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ14は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚毎にシート搬送路Sに供給する呼込ローラである。
【0039】
搬送方向切換ガイド34は、外壁パネル35に回転可能に支持され、画像形成の完了したシートを排出トレイ13、33のどちらに排出するかを切り換える。搬送方向切換ガイド34が、図1に直線で示した状態である場合は後述するガイドユニット40と外壁パネル35及び搬送方向切換ガイド34との間の後述する第2搬送路S2(シート搬送路の一部。)を通り、搬送方向切換ガイド34上部のシート搬送路S及び搬送ローラ16を経由して排出トレイ13にシートが排出され、図1に破線で示した状態である場合は定着装置12と搬送方向切換ガイド34の間のシート搬送路Sから排紙トレイ33に記録媒体が排出される。
【0040】
また、レジストローラ15は、シート搬送路S上を搬送されるシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像をシートに良好に多重転写できるように、感光体ドラム3の回転に合わせて、シートをタイミングよく搬送する。すなわち、レジストローラ15は、図示しないレジスト前検知スイッチの出力した検知信号に基づいて、各感光体ドラム3a〜3d表面に形成されたトナー画像の先端とシートの画像形成範囲の先端とを合致させて、シートを搬送できるように設定される。
【0041】
排紙トレイ13は、シート搬送路Sから搬送されてきた画像形成の完了したシートをフェイスダウンで載置する。排紙トレイ33は、シート搬送路Sから搬送されてきた画像形成の完了したシートをフェイスアップで載置する。多色トナー像の定着後の画像形成が完了したシートは、搬送ローラ16によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態。)で、排紙トレイ13上に排出される。
【0042】
図2及び3は、この発明の実施形態に係る画像形成装置に備えられた外装ユニットを画像形成装置本体から露出させた状態を示す断面図及び外観図である。
【0043】
図2及び図3に示すように、この発明のユニットである外装ユニット20は、定着装置12、外壁パネル35、上述した排出トレイ33及び搬送方向切換ガイド34等を備えている。また、外装ユニット20は、画像形成装置100本体内から露出可能であり、スライド移動で引き出され、スライド移動のためにアキュライド等の摺動部材が用いられる。
【0044】
定着装置12は、ヒートローラ31、加圧ローラ32、搬送ローラ下36、ガイドユニット40、搬送ローラ上41、搬送ローラ支持板42、支点43等を備えている。また、定着装置12には、外装ユニット20の引き出し方向に平行に第1搬送路S1が形成され、この発明の可動部であるガイドユニット40と外壁パネル35との間に外壁パネル35と平行に第2搬送路S2が形成され、搬送方向切換ガイド34を介して両搬送路S1、S2が連続するようにシート搬送路Sの一部として構成される。
【0045】
ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、表面を互いに圧接するように配置され、両ローラ31、32の圧接部分間にシートを挟んで回転する。
【0046】
また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて、図示しない制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ32とともに圧接部分でシートを熱圧着させることにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる。
【0047】
搬送ローラ下36と搬送ローラ上41は、対を成しており、画像形成が完了したシートを搬送する。
【0048】
搬送ローラ上41は、ガイドユニット40に備えられ、一部がガイドユニット40から突出し、弾性を有する支持板である搬送ローラ支持板42により回動可能に支持されている。また、搬送ローラ上41は、POM(ポリアセタール樹脂)等の機械性能が高いプラスチック材料が用いられる。搬送ローラ支持板42は、バネ用のステンレス鋼板の薄手の板材が用いられる。一方、搬送ローラ下36は、シート搬送性能を高くするために、その表面は弾性を有し摩擦係数が高い材料、例えばゴムや高分子材料が用いられる。
【0049】
なお、搬送ローラ上41、搬送ローラ下36は、この発明に係る一対のローラ部材に相当する。
【0050】
ガイドユニット40は、定着装置12上部に配置され、画像形成が完了したシートを搬送する際にシートをガイドする。このガイドユニット40は、上部に凸部44を有し、外装ユニット20の引き出し方向と反対方向の上方に回動する。外装ユニット20内に構成されている第2搬送路S2は、支点43に対峙する外壁パネル35内側の外装ユニット20の端部に位置し、ガイドユニット40も同様に外壁パネル35の内側に位置するので、ガイドユニット40が外装ユニット20の端部の外壁パネル35内側から支点43の上方へ回動する際の回動範囲を大きくすることができる。そのため、ガイドユニット40を回動させることで第1搬送路S1、第2搬送路S2付近を十分に開放することができ、十分な作業スペース50を確保することができる。
【0051】
定着装置12にてシートに転写されたトナー像の定着を行う定着工程でジャムなどのトラブルが発生した時には、ジャム除去作業をするために外装ユニット20を画像形成装置100本体から露出させる。具体的には、図2及び図4に示すように、外装ユニット20を引き出す。
【0052】
次に、図2及び図3に示すように、ガイドユニット40を画像形成装置100本体から引き出した方向と反対方向の上方に回動させて、ガイドユニット40を開放してジャム除去作業を行う。
【0053】
このシートを取り除く等のジャム除去作業は、ガイドユニット40が外装ユニット20の領域上の上方へ回動するため、ガイドユニット40が回動するための余分な作業スペースを確保する必要がいので画像形成装置100が占有する面積を小さくでき、しかも、上述のように外装ユニット20内の第1搬送路S1、第2搬送路S2周辺の作業スペース50を十分に確保できているので、ジャム処理除去作業が定着装置12の加熱手段による熱を伴う場合であっても作業者の負担を低減することができる。
【0054】
また、シート搬送方向と外装ユニット20の引き出し方向が平行であるため、シートが他のユニット等と外装ユニット20との間に詰まった場合でも、シート搬送方向に外装ユニット20を引き出すからシートを引っ張り出しやすく、詰まったシートが破れてしまうことを防止でき、シートを除去し難くなるといった作業者の負担を低減できる。
【0055】
さらに、シート搬送方向とガイドユニット40の回動方向が平行であるため、ガイドユニット40の回動半径が、シートの搬送方向に直交するシート搬送路幅より短くでき、回動範囲をより大きくできるため、作業スペース50をより確保することができる。
【0056】
次に、ジャム除去が終了したら、ガイドユニット40を支点43を中心に回動させて元の位置に復帰させる。この時、対を成している搬送ローラ上41と搬送ローラ下36により、ガイドユニット40の復帰位置が決まる。つまり、搬送ローラ上41が突出しているため、固定されている搬送ローラ下36に支持される形で接触するため、ガイドユニット40の上下の位置が決まる。
【0057】
これにより、搬送ローラ上41及びガイドユニット40のシートの搬送ガイドとなるガイド面が、定着装置12体側のシート搬送のガイド面と接触等を起こさず、ガイド面の傷付きを防止できる。また、対を成す両ローラ36、41の表面の弾性部材及び搬送ローラ上41を支持する搬送ローラ支持板42(弾性部材)は、ガイドユニット40が元の位置へ復帰する際の搬送ローラ上41、搬送ローラ下36との衝突により発生するショックを吸収する効果及び防音効果を有する。そのため、定着装置12にかかる負荷を抑えることができ、製品寿命を延ばすことができる。
【0058】
その後、再び外装ユニット20をスライド移動させることによって画像形成装置100本体内の元の位置に復帰させる。
【0059】
ここで、ガイドユニット40を回動退避させたまま、即ちジャム除去作業のために作業スペース50を開放したままの状態で、誤って外装ユニット20を元の位置に復帰させるためのスライド移動操作を行ってしまった場合、ガイドユニット40に備えられた画像形成装置100本体方向に突出している凸部44が、画像形成装置100本体と衝突することで、ガイドユニット40が定着装置12の元の位置へと復帰する構成となっている。
【0060】
上述の場合、凸部44が画像形成装置100本体側に向かって突出しているため、画像形成装置100本体に衝突した際に、ガイドユニット40が元の位置へ復帰する方向である外装ユニット20の引き出し方向の力が凸部44を介してガイドユニット40に加わり、ガイドユニット40は元の位置へ復帰することができる。したがって、回動退避しているガイドユニット40が画像形成装置100の外壁のフレームと外装ユニット20の外壁パネル35との間に挟まれた衝撃による破損を防止できる。
【0061】
その後、外装ユニット20はスライド移動により画像形成装置100本体内の元の位置に復帰する。
【0062】
なお、ここでは多色画像形成装置について説明しているが、単一の画像形成ステーションを備えた構成の単色画像形成装置であってもよい。
【0063】
また、この発明は、画像形成装置に限らず、所定の処理を行う処理装置にも適用可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0065】
(1)可動部を有するユニットを装置本体に対して引き出し自在に備えた所定の処理を行う処理装置において、ユニットに対する作業時に装置本体からユニット体を引き出し、可動部をユニット体の引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動させることによって、ユニット内部を十分に開放でき、ユニットに対して作業を行う十分なスペースを確保することができるため、作業者の負担を低減することができる。また、可動部をユニット体の上方へ回動させるため、可動部を回動させるスペースを新たに確保する必要がなく、装置本体の占有面積を小さくすることができる。
【0066】
(2)可動部を有するユニットを装置本体に対して引き出し自在に備え、シートに所定の処理を施すシート処理装置において、ジャム除去作業時に装置本体からユニット体を引き出し、可動部をユニット体の引き出し方向に直交する軸を中心として上方に回動させることによって、ユニット内部のシート搬送路付近を十分に開放でき、ジャム除去作業を行う十分なスペースを確保することができるため、作業者の負担を低減することができる。また、可動部をユニット体の上方へ回動させるため、可動部を回動させるスペースを新たに確保する必要がなく、装置本体の占有面積を小さくすることができる。
【0067】
(3)可動部をユニット引き出し方向と反対方向の上方に回動させ、ユニット体の引き出し方向に平行に形成されたシートを搬送する第1搬送路と、ユニットの外壁パネルに平行に形成された第2搬送路と、を連続するようにシート搬送路の一部としてユニット内で形成することによって、第2搬送路が外壁パネルの内側の可動部が回動する方向とは反対側となるユニットの端部に形成されるとともに、可動部も同様に外壁パネル内側に位置するので、外壁パネル内側から外壁パネルとは反対側となる装置本体側のユニット上方へ可動部を回動させるので、可動部の回動範囲を大きくすることができ、ユニット内のシート搬送路付近をより開放することができ、より広い作業スペースを確保できる。
【0068】
また、ユニット体の引き出し方向とシート搬送方向が平行なため、シートが他のユニット等と該ユニットとの間に詰まった場合でも、シート搬送方向にユニットを引き出すから、シートを引っ張り出しやすく、詰まったシートが破れてしまうことを防ぎ、シートを除去し難くなるといった作業者の負担を低減できる。
【0069】
さらに、シート搬送方向と可動部の回動方向が平行であるため、可動部の回動半径は、シートの搬送方向に直交する方向のシート搬送路幅より短くできるため、回動範囲をより大きくでき、作業スペースをより確保することができる。
【0070】
(4)可動部をユニット体の引き出し方向と反対方向の上方に回動するように形成し、さらに可動部を回動して開放した状態で、可動部の一部を装置本体側に向かって突出した状態となるように、可動部に凸部を形成することによって、可動部が開放された状態でユニット体を装置本体に押し入れた場合に、凸部が装置本体に衝突することで、可動部を元の位置に戻すために必要なユニット体の引き出し方向の力を凸部に付与することができる。そのため、可動部を元の位置に戻る方向に回動させることができ、可動部を元の位置に戻し忘れてユニット体を装置本体に戻してしまった場合に可動部が外壁パネルと装置本体との間に挟まれた衝撃による破損を防止することができる。
【0071】
(5)可動部及びユニット体に軸支され、シート搬送路を挟んで構成された一対のローラ部材の少なくともどちらか一方を、可動部又はユニット体から突出して配置する。また、少なくとも可動部及びユニット体のどちらか一方のローラ部材又は支持部材に弾性部材を介して構成することによって、可動部が開放状態から元の位置へ戻る場合に、ローラ部材を突出させた状態で構成しているため、ローラ部材同志を衝突させることができ、ユニットの他の箇所が衝突せず、可動部におけるシート搬送路のガイド面の傷付きを防止できる。また弾性部材を介してローラ部材又は支持部材を構成するため、衝突の衝撃を吸収でき、衝撃によるユニットの破損及び衝突音の発生を防止でき、製品寿命を延ばすことができる。
【0072】
(6)上記ユニットがシート上の画像を定着させる加熱手段を有する定着装置であることによって、ユニット内部のシート搬送路付近を十分に開放でき、ジャム除去作業を行う十分なスペースを確保することができるため、加熱手段の熱に伴う作業者の負担を低減することができる。また、可動部をユニット体の上方へ回動させるため、可動部を回動させるスペースを新たに確保する必要がなく、装置本体の占有面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の概略を示す断面図である。
【図2】同画像形成装置に備えられた外装ユニットを画像形成装置本体から露出させた状態を示す断面図である。
【図3】同画像形成装置に備えられた外装ユニットを画像形成装置本体から露出させた状態を示す外観図である。
【図4】同画像形成装置に備えられた外装ユニットを画像形成装置本体から露出させた状態を示す外観図である。
【符号の説明】
12−定着装置
20−外装ユニット
35−外壁パネル
36−搬送ローラ下
40−ガイドユニット
41−搬送ローラ上
42−搬送ローラ支持板
43−支点
44−凸部
50−作業スペース
100−画像形成装置
S−シート搬送路
S1−第1搬送路
S2−第2搬送路
Claims (6)
- 一部に可動部を有するユニットを装置本体に対して引き出し自在に備えるとともに、ユニットに対する作業を行う時に可動部をユニット体に対して移動させることによりユニット内部を開放する処理装置において、
前記可動部は、ユニット上部に配置され、ユニット体を引き出す方向に直交する軸を中心として上方に回動するようにユニットに支持されていることを特徴とする処理装置。 - 一部に可動部を有するユニットを装置本体に対して引き出し自在に備えるとともに、ユニットを経由するシート搬送路を構成し、シート搬送路の一部でシートに所定の処理を施すシート処理装置であって、シート搬送路におけるシートのジャム解除作業時に装置本体からユニット体を引き出した後に可動部をユニット体に対して移動させることによりシート搬送路の一部を外部に開放するシート処理装置において、
前記可動部は、ユニット上部に配置され、ユニット体を引き出す方向に直交する軸を中心として上方に回動するようにユニットに支持されていることを特徴とするシート処理装置。 - 前記ユニットは、ユニット体の引き出し方向と反対方向の上方に回動し、
ユニット体の引き出し方向に平行に形成された第1搬送路と、ユニットの外壁パネルと可動部との間に外壁パネルと平行に形成された第2搬送路と、を連続するようにシート搬送路の一部として形成することを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。 - 前記可動部は、ユニット体の引き出し方向と反対方向の上方に回動し、回動後に可動部の一部に装置本体側に突出した凸部を形成することを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
- 可動部及びユニット体は、それぞれ支持部材に軸支されたローラ部材を前記シート搬送路を挟んで対となるように配置し、
少なくとも前記ローラ部材のどちらか一方は、可動部又はユニット体から突出して配置され、
少なくとも可動部及びユニット体のどちらか一方のローラ部材又は支持部材は、弾性部材を介して構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。 - 前記ユニットは、シート上に転写された画像を定着させる加熱手段を有する定着装置であることを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
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