JP2004098179A - 締結システム、ボルト挿入装置、ナット締付装置、ボルト挿入用エンドエフェクタ、及びナット締付用エンドエフェクタ - Google Patents

締結システム、ボルト挿入装置、ナット締付装置、ボルト挿入用エンドエフェクタ、及びナット締付用エンドエフェクタ Download PDF

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Hitoshi Fukagawa
深川 仁
Norihisa Hatakeyama
畠山 徳久
Tomonao Hiroe
廣江 知尚
Takeshi Osawa
大澤 毅
Katsuo Sakurai
櫻井 克夫
Osamu Nitta
新田 理
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを用いて対象物を締結することが可能な締結システム、ボルト挿入装置、ナット締付装置、ボルト挿入用エンドエフェクタ、及びナット締付用エンドエフェクタを提供する。
【解決手段】ボルト挿入用エンドエフェクタ4及びプラットフォーム3によって構成されたボルト挿入装置1によって、対象物Tに設けられた孔にボルトを挿入し、ボルトを対象物Tへ押し付けておく。ナット締付用エンドエフェクタ6及びプラットフォーム5によって構成されたナット締付装置2によってナットを保持し、これのねじ部をボルトのねじ部に当接させる。この状態でナット締付装置2によってボルトを回転止めしつつナットを回転させて、ナットの締め付けを行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の対象物をボルト及びナットで締結する締結システム、該締結システムに使用するボルト挿入装置及びナット締付装置、並びに前記ボルト挿入装置に使用するボルト挿入用エンドエフェクタ及び前記ナット締付装置に使用するナット締付用エンドエフェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
門型等のプラットフォームを使用して、板材等の複数の対象物をボルト及びナットで締結する締結システムが従来から用いられている。この種の締結システムの一例として、対象物を挟んで配置された2つのプラットフォームに、ボルト挿入用エンドエフェクタと、ナット締付用エンドエフェクタとを夫々搭載したものが存在する。この締結システムでは、対象物に予め孔を開設しておき、この孔に対してしまりばめのはめあい関係のボルトを、ボルト挿入用エンドエフェクタを搭載したプラットフォーム(ボルト挿入装置)によって前記孔に挿入し、ナット締付用エンドエフェクタを搭載したプラットフォーム(ナット締付装置)によって、このボルトのねじ部にナットを螺合させて締め付けることによって、対象物の締結が行われる。
【0003】
このような従来の締結システムは、対象物の孔とボルトのはめあい関係がしまりばめであることから、一旦孔にボルトを挿入した後には、ボルトが容易に回転することがなく、これによって特にボルトの回転止めをすることなく、ナットの締め付けを行うことが可能である。
【0004】
ところで、近年、特に航空機等の構成材料として、複合材料が多用されている。複合材料は、一般的に金属材料に比して硬度が低く、締結用の孔にしまりばめのはめあい関係のボルトを挿入した場合には、複合材料の孔の周囲を損傷させることとなる。このため、複合材料同士の締結、又は複合材料と金属材料との締結には、締結用の孔に対してすきまばめのはめあい関係のボルトを用いる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如き従来の締結システムでは、対象物に設けられた孔と、締結に用いるボルトとのはめあい関係がすきまばめであるときは、ナットの回転とともにボルトが回転するため、ナットをボルトに締め付けることができない。また、孔とボルトとのはめあい関係が中間ばめのときにも、孔とボルトとの間にギャップが生じることがあるため、このようなことが発生することがある。
【0006】
また、上述の如き従来の締結システムでは、孔とボルトとの間にギャップがあるときには、孔によってボルトがしっかりと保持されていないため、ナットをボルトに締め付けるためにボルトのねじ部に押し付けた場合等に、孔からボルトが脱落することがあった。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、対象物に設けられた孔にすきまばめ又は中間ばめのはめあい関係のボルトを挿入し、このボルトにナットを締め付ける場合に、孔からのボルトの脱落を防止し、しかもナットの回転とともにボルトが回転することを防止することにより、対象物の孔に対して、すきまばめ又は中間ばめのはめあい関係のボルトを使用して複数の対象物を締結することが可能な締結システム、該締結システムに使用するボルト挿入装置及びナット締付装置、並びに前記ボルト挿入装置に使用するボルト挿入用エンドエフェクタ及び前記ナット締付装置に使用するナット締付用エンドエフェクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る締結システムは、複数の対象物に設けられた孔に、該孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを挿入するボルト挿入装置と、該ボルト挿入装置によって孔に挿入されたボルトにナットを締め付けるナット締付装置とを備え、複数の対象物をボルト及びナットで締結する締結システムであって、前記ボルト挿入装置によって挿入されたボルトを対象物に押し付ける押付部と、該押付部によって対象物に押し付けられたボルトを回転止めする回転止め部とを備え、前記ナット締付装置は、前記回転止め部によって回転止めされたボルトのねじ部にねじ孔が当接された状態のナットを回転させて、ボルトにナットを締め付けるべくなしてあることを特徴とする。
【0009】
上記発明によれば、対象物に設けられた孔に、該孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを挿入し、対象物にボルトを押し付けるため、ナットをボルトに締め付けるためにボルトのねじ部に押し付けたとき等に、孔からボルトが脱落することがない。
【0010】
また、回転止め部によってボルトを回転止めしているため、ナットをボルトに締め付けるときにボルトが回転することがなく、これによって孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを用いて対象物を締結することができる。
【0011】
なお、押付部及び回転止め部は、その両方がボルト挿入装置又はナット締付装置に設けられていてもよく、一方がボルト挿入装置に、他方がナット締付装置に設けられていてもよい。更に、押付部及び回転止め部の一方又は両方が、ボルト挿入装置及びナット締付装置の外部に設けられていてもよい。
【0012】
また、上記発明においては、前記ボルト挿入装置は、外部から供給されたボルトを、軸部のみを突出させて保持するボルト保持部と、該ボルト保持部によって保持したボルトの軸部を対象物の孔に挿入すべく、前記ボルト保持部を移動させる第1移動部とを有し、前記押付部は、前記ボルト挿入装置に設けられており、前記ボルト保持部によって保持されたボルトの頭部に当接する当接部材と、該当接部材をボルトの中心軸方向へ移動させる第2移動部とを有する構成とすることが望ましい。
【0013】
更に、この場合においては、前記ボルト挿入装置は、前記ボルト保持部及び前記押付部が設けられたボルト挿入用エンドエフェクタと、該ボルト挿入用エンドエフェクタを移動させるためのプラットフォームとによって構成されていることが望ましい。
【0014】
また、上記発明においては、前記ナット締付装置は、外部から供給されたナットを保持するナット保持部と、該ナット保持部によって保持されたナットの中心軸を、対象物の孔に挿入されたボルトの中心軸に合わせ、しかも前記ボルトのねじ部にナットのねじ孔を当接させるべく、前記ナット保持部を移動させる移動部と、前記ナット保持部を回転させることによって、前記ナット保持部に保持されたナットを、該ナットの中心軸回りに回転させる回転部とを有する構成とすることが望ましい。
【0015】
また、この場合においては、前記回転部は、前記ナット保持部を、前記ナット保持部に保持されたナットの中心軸回りに、該ナットがボルトに螺合する方向と反対方向へ回転させた後、前記ナットがボルトに螺合する方向へ回転させるべくなしてある構成とすることが望ましい。
【0016】
ナットのねじ孔を、ボルトのねじ部に当接させただけでは、ナットのねじ山とボルトのねじ山とがかみ合い、それ以上ボルトにナットを締め付けることができなくなることがある。そこで、ナットのねじ孔をボルトのねじ部に当接させた後、上記のようにナットがボルトに螺合する方向と反対方向にナットを回転させることにより、ナットのねじ山とボルトのねじ山とを倣わせることができ、ナットの締付不良を防止することができる。
【0017】
また、上記発明においては、前記ナット締付装置は、前記ナット保持部及び前記回転部が設けられたナット締付用エンドエフェクタと、該ナット締付用エンドエフェクタを移動させるためのプラットフォームとによって構成されていることが望ましい。
【0018】
また、上記発明においては、前記回転止め部は、前記ボルト挿入装置に設けられており、ボルトの頭部に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有する構成とすることが望ましい。これにより、ボルトの頭部に設けられた穴に挿入されたレンチを回転させずに保持するだけで、確実にボルトを回転止めすることができる。
【0019】
また、上記発明においては、前記回転止め部は、前記ナット締付装置に設けられており、ボルトの軸部の先端に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有する構成とすることが望ましい。これによりボルトの軸部の先端に設けられた多角形の穴に挿入されたレンチを回転させずに保持するだけで、確実にボルトを回転止めすることができる。
【0020】
また、上記発明においては、対象物に孔を設けるためのドリル部を更に備える構成とすることができる。これにより、対象物への孔の加工、並びにボルト及びナットによる対象物の締結の一連の作業を連続的に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。また、ドリル部をボルト挿入装置又はナット締付装置に設けることにより、装置数の減少を図ることができる。なお、ドリル部は、ボルト挿入装置又はナット締付装置に設けてもよく、ボルト挿入装置及びナット締付装置の外部に設けてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る締結システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る締結システムの全体構成を示す側面図であり、図2は、その平面図である。本実施の形態に係る締結システムは、ボルト挿入装置1と、ナット締付装置2とから主として構成されている。図1,2に示すように、ボルト挿入装置1は、プラットフォーム3と、該プラットフォーム3に搭載されたボルト挿入用エンドエフェクタ4とを備えており、ナット締付装置2は、プラットフォーム5と、該プラットフォーム5に搭載されたナット締付用エンドエフェクタ6とを備えている。このようなボルト挿入装置1及びナット締付装置2は、夫々のプラットフォーム3,5のアームの先端側(以下、こちら側を正面側とする)を向かい合わせた状態で配置されており、夫々の配置位置の中間に、複数の対象物Tが配置されている。夫々の対象物Tは、複合材料又は金属材料等からなる板材とされている。また、プラットフォーム3,5は、図1,2において二点鎖線にて示した範囲で各エンドエフェクタを移動することが可能である。更に、ボルト挿入装置1及びナット締付装置2の外部には、これらに接続された図示しない制御用コンピュータが配置されており、これによってボルト挿入装置1及びナット締付装置2が後述するような動作を行うように動作制御される。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態に係る締結システムで使用するハイロックピン(ボルト)を示しており、(a)は、ハイロックピンの側面図であり、(b)は、ハイロックピンの軸部の先端側から見たときの図(正面図)である。また、図4は、本発明の実施の形態に係る締結システムで使用するカラー(ナット)を示しており、(a)は、カラーの側面図であり、(b)は、カラーのねじ挿入側から見たときの図(正面図)である。図3に示すように、ハイロックピン7は、略円錐状の頭部8を有する所謂皿ねじであり、軸部9がねじ部10と円筒部11とから構成されている。また、軸部9の先端面には、六角穴12が設けられている。
【0024】
また、図4に示すように、カラー13は、短寸の六角柱形状の頭部14と、ハイロックピン7に螺合する円筒部15と、頭部14及び円筒部15を連結する連結部16とを備えている。連結部16は、頭部14に連なる略円筒形状をなしており、その円筒部15側の端部には、略溝状の切断部17が周設されている。この切断部17は、他の部分よりも厚さが薄くなっており、頭部14と円筒部15とが所定値以上のトルクで捻られた場合に、この部分で切断されるようになっている。そして、この切断部17から円筒部15が連設されている。
【0025】
円筒部15の連結部16から連なる部分は、連結部16の外径よりも大きい外径の円筒状をなす小径部18とされている。また、小径部18からは、円筒部15から離反するにつれて拡径するテーパ部19が連設されている。そして、テーパ部19の正面側には、前記小径部18よりも外径が大きい大径部20が設けられている。このように、円筒部15は、小径部18,テーパ部19,及び大径部20から構成されている。
【0026】
このようなカラー13は、その全長に亘って、円形の孔21が頭部14,円筒部15,及び連結部16の中心軸と同軸的に設けられている。また、この孔21の内面には雌ねじが刻設されており、ハイロックピン7のねじ部10と螺合することが可能とされている。
【0027】
また、ハイロックピン7のねじ部10の長さと、カラー13の円筒部15の長さとは、略同一とされており、ハイロックピン7の頭部8及び円筒部11を合わせた部分の長さと、全ての対象物Tを重ね合わせたときの厚さとが略同一とされている。
【0028】
次に、本実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタ4について説明する。図5及び図6は、本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタ4を部分的に拡大した部分拡大側面図及び部分拡大下面図である。ボルト挿入用エンドエフェクタ4には、ハイロックピン7を保持する保持部22が設けられている。該保持部22は、ハイロックピン7を案内する案内部材23と、該案内部材23に取り付けられた開閉部材25とから主として構成されている。案内部材23は、先端が細くなった円筒の両側部が欠落したような形状をなすヘッド部24を有しており、このヘッド部24の両側部、即ち欠落した部分に、開閉部材25が夫々設けられている。
【0029】
この開閉部材25は、ヘッド部24の欠落部分に合致した形状をなしており、ヘッド部24と開閉部材25とを組み合わせたときの形状が、先端が細くなった円筒状となるようになっている。また、開閉部材25は、その長手方向中間部分が縦方向の枢軸によってヘッド部24に枢着されており、所定の範囲で横方向に回動可能となっている。更に、開閉部材25は図示しないバネによって、先端が閉じる方向、即ち両開閉部材25の先端が接近する方向へ付勢されており、これによってヘッド部24と開閉部材25とが、先端が細くなった円筒状となる状態で密接されている。以下、この状態を閉状態といい、両開閉部材25の先端が開いた状態を開状態という。
【0030】
両開閉部材25の対向面は、その先端部分を除いて、夫々前記ハイロックピン7の頭部8の外径よりも若干大きい直径の凹状円弧面とされている。開閉部材25の対向面の先端部分は夫々突出部27となっており、この突出部27には、前記凹状円弧面と同軸的に、ハイロックピン7の軸部9の直径よりも若干大きい直径の凹状円弧面が形成されている。そして、開閉部材25の対向面のうち、大きい直径の凹状円弧面が形成された部分と、小さい直径の凹状円弧面が形成された部分(突出部27)との間には、これらの部分を滑らかに接続するために、先端へ向けて縮径するテーパ部28が設けられている。
【0031】
また、ヘッド部24の上下に分かれた夫々の部分は、その対向面が、ハイロックピン7の頭部8の外径よりも若干大きい直径の凹状円弧面とされている。これによって、開閉部材25が閉状態のときには、ヘッド部24及び開閉部材25によって形成される円筒形状のうち、その先端部分を除いた部分の内径が、ハイロックピン7の頭部8の外径よりも若干大きいものとなる。
【0032】
案内部材23のヘッド部24より後方の部分では、前述したようなヘッド部24の孔に連なる孔が、二股に分かれて設けられている。一方の孔は、ガイド孔29であり、ヘッド部24の孔に直線的に繋がっている。他方の孔は、ボルト案内孔30であり、ヘッド部24の孔から下方へ所定角度傾斜するように延設されている。
【0033】
ガイド孔29は、ハイロックピン7の頭部8の外径よりも若干小さい直径の円形の孔であり、その内部には丸棒状の押付ロッド31が配されている。該押付ロッド31は、その後端が案内部材23の後方に配置された空気圧式、油圧式、若しくは電動式のシリンダ、又はリニアモータ等の直動式アクチュエータ(図示せず)に接続されており、該直動式アクチュエータによってガイド孔29に沿って移動自在となっている。なお、ここでは直動式のアクチュエータにて押付ロッド31を直線的に移動させる構成について述べたが、例えば、電動モータ等の回転式のアクチュエータの回転を、直線動作へ変換し、これによって押付ロッド31を直線的に移動させるように構成してもよいことは勿論である。
【0034】
また、案内部材23のガイド孔29の先端部分、即ちヘッド部24の基端部分には、略三角板状をなす切換板32が取り付けられている。案内部材23のガイド孔29の先端上部には、該ガイド孔29に連結する開口部33が設けられており、この開口部33に、切換板32が横方向の枢軸によって枢着されている。開口部33は、切換板32を収めるだけの大きさに形成されており、切換板32は、三角形の1つの頂点を案内部材23の内側へ向けた状態で、開口部33に取り付けられている。
【0035】
更に、切換板32は、バネ(図示せず)によって案内部材23の内側へ付勢されており、このバネの付勢力によって、切換板32の外側の端面が案内部材23の外面と略均一な面を形成し、しかも切換板32の一部によってガイド孔29が閉塞される状態(以下、この状態を閉状態という)に切換板32が保持されている。そして、切換板32が閉状態のとき、切換板32の先端側、即ちヘッド部24側の傾斜面は、前述したボルト案内孔30の傾斜角度と略同一の角度に傾斜しており、この傾斜面とボルト案内孔30の壁面とによって、略均一な面が形成されている。従って、切換板32が閉状態のときは、ガイド孔29が閉塞され、ボルト案内孔30が、ハイロックピン7が通過することが可能なだけの空間を確保した状態で、ヘッド部24の孔に連通されている。
【0036】
ボルト案内孔30は、案内部材23の下部で開口しており、エアホース34に接続されている(図1参照)。該エアホース34は、図示しないパーツフィーダに連結されており、このエアホース34を通じて、パーツフィーダから圧縮空気によって案内部材23へハイロックピン7が送られる。パーツフィーダから送られたハイロックピン7は、ボルト案内孔30へ進入し、図5に示すように、切換板32の近傍で進行方向を変えてヘッド部24の先端部分へと進む。そして、ハイロックピン7がヘッド部24の先端部分まで到達したとき、ハイロックピン7の頭部8のテーパ面が閉状態の開閉部材25のテーパ部28に当接し、これによってハイロックピン7の進行が停止する。またこのとき、ハイロックピン7は、後方から圧縮空気によって前方へ付勢されており、このため保持部22の先端部分にハイロックピン7が保持される。
【0037】
また、切換板32は、押付ロッド31がヘッド部24側へ移動した場合に、この押付ロッド31の先端によって押され、上方へ回動する。これによって、ガイド孔29の閉塞が解放され、ヘッド部24の孔とガイド孔29とが連通した状態(以下、この状態を開状態という)となる。押付ロッド31は、その先端が、ヘッド部24の先端に至るまで、又はヘッド部24の先端から若干突出するまで、前述した直動式アクチュエータの駆動によってヘッド部24の先端側へ移動することが可能である。
【0038】
図7は、本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタ4の外観を示す斜視図であり、図8は、本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタ4の保持部22が前方へ移動したときのボルト挿入用エンドエフェクタ4の外観を示す斜視図である。図7に示すように、本実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタ4には、2つの保持部22が左右に並べられた状態で設けられている。これらの保持部22は、空気圧式、油圧式、若しくは電動式のシリンダ、又はリニアモータ等の直動式アクチュエータ(図示せず)に夫々接続されており、図7に示した状態から更に前方へ移動することが可能である(図8参照)。なお、2つの保持部22は、夫々独立に移動可能である。即ち、2つの保持部22の一方が図7に示す位置(以下、基準位置という)に待機したまま、他方が基準位置より前方へ移動することが可能である。また、このような構成に限定されるものではなく、2つの保持部22が一体的に基準位置より前方へ移動することが可能な構成としてもよい。
【0039】
また、図1に示すように、ボルト挿入用エンドエフェクタ4には、ドリル部35が設けられている。このドリル部35は、ドリル刃(ドリルビット)を備えており、対象物Tの所要の位置に、ハイロックピン7の軸部9より若干大きい孔を開設することが可能である。更にこのドリル部35には、皿モミ刃も設けられており、これによって、対象物Tの孔の開口部に、同軸的に円錐形状の穴(皿穴)を加工することも可能である。
【0040】
このように、ドリル部35によって加工した孔の所定距離後方に、一方の保持部22が位置するように、プラットフォーム3は位置決め動作する。そして、この保持部22は、前述した直動式アクチュエータによって基準位置より所定距離前方へ、即ち保持部22の先端と対象物Tの表面との間に若干の間隙が生じる位置まで移動される。これによって保持部22に保持されているハイロックピン7が、対象物Tの孔に挿入される。
【0041】
更に、保持部22では、直動式アクチュエータの動作によって、押付ロッド31が前方へ移動する。この押付ロッド31は、切換板32を押し上げ、ヘッド部24の孔へと進入し、ハイロックピン7の頭部8に当接する。この状態から更に押付ロッド31は進行し、ハイロックピン7の頭部8のテーパ部分に沿って、開閉部材25が左右へ押し広げられる。そして、頭部8のテーパ部分が対象物Tの孔の皿穴に当接するまで、ハイロックピン7がヘッド部24から押し出される。このようにして、押付ロッド31により、ハイロックピン7が対象物Tに押し付けられる。
【0042】
次に、本実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタ6について説明する。図9及び図10は、本発明の実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタ6の側面図及び下面図である。ナット締付用エンドエフェクタ6には、カラー13を保持する保持部36が設けられている。この保持部36は、略円筒状のヘッド部37と、このヘッド部37の基端側(対象物Tから離反する側)でヘッド部37を保持する回転部38とを有している。図11は、保持部36の外観を示す斜視図である。図11に示すように、ヘッド部37の先端面には、六角穴37aが設けられている。この六角穴37aは、カラー13の頭部14と合致した形状をなしており、六角穴37aにカラー13を係合させることが可能とされている。保持部36は、このように六角穴37aにカラー13を係合させることによって、カラー13を保持するようになっている。また、ヘッド部37は、回転部38の内部に設けられたバネ(図示せず)によって前方へ付勢されており、このバネに抗して後方へ力が加えられた場合には、回転部38の前端部から所定長さだけ突出した標準位置から、若干後方へ移動することが可能である。
【0043】
また、回転部38は、回転部38の中間部分の外径より内径が大きい円筒状の支持部材40を貫通した状態で配置されている。回転部38と支持部材40との間には、軸受け39が設けられており、回転部38は、この軸受け39を介して、支持部材40に回転自在に支持されている。更に、回転部38の支持部材40の支持位置より後部には、歯車41が設けられている。歯車41は、回転部38に固着されており、回転部38と歯車41とは一体的に回転することが可能である。
【0044】
この歯車41の下方には、回転用モータ42の出力軸に取り付けられた歯車43が設けられており、歯車41,43は噛合している。従って、回転用モータ42が動作することにより、回転用モータ42の回転運動が歯車41,43を介して回転部38に伝達され、回転部38及びヘッド部37が一体的に回転する。
【0045】
また、回転部38の内部には、回転部38の内径よりも若干小さい外径の略丸棒状の回転ロッド44が回転部38に貫通する状態で設けられている。この回転ロッド44の先端には、六角棒状のアレンレンチ45が同軸的に設けられている。このアレンレンチ45は、ヘッド部37の先端から所定長さだけ突出するように、ヘッド部37を貫通した状態で設けられている。また、アレンレンチ45は、ハイロックピン7の軸部9の先端に設けられた六角穴12に合致するサイズとされている。
【0046】
一方、回転ロッド44の後端部には、回転ロッド44の軸長方向の複数の溝を有する穴が設けられており、この穴に、ロータリアクチュエータ46の出力軸に固着された連結部47から突出する結合軸48がスプライン結合されている。なお、ここではロータリアクチュエータ46を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばステッピングモータのような、回転角度が容易に制御可能な駆動機構で構成されてもよい。これによって、回転ロッド44は、連結部47に対して所定の範囲で前後方向、即ち回転ロッド44の軸長方向へ移動自在となっている。また、この結合軸48が貫通するように、バネ(図示せず)が連結部47に内蔵されており、このバネによって回転ロッド44が前方へ付勢されている。また、回転部38,回転用モータ42,ロータリアクチュエータ46,及び連結部47等は、ベース部50に支持されている。ベース部50には、円形の孔を有するガイド部51が設けられており、この孔に回転ロッド44が貫通されている。また、回転ロッド44の前記ガイド部51の後方には、突出部49が周設されており、この突出部49がガイド部51に当接した状態となっている。つまり、前述したバネの付勢力により、突出部49とガイド部51とが当接する位置まで、回転ロッド44が前方へ付勢されている。従って、回転ロッド44が前記バネの付勢力に反して後方へ押された場合には、所定距離だけ回転ロッド44が後方へ移動することとなる。また、ロータリアクチュエータ46が駆動された場合には、前述した回転部38の回転とは関係なく、回転ロッド44が回転することとなる。
【0047】
一方ベース部50は、前述した支持部材40とともに、これらの上方に配置された取付板52に固着されている。この取付板52の上面には、ボールねじ53のナット部54が取り付けられている。ナット部54は、前後方向を軸長方向として配置されたおねじ部55に係合されている。おねじ部55は、これより上方に配置されたフレーム58に取り付けられた複数の軸受けによって支持されており、その中心軸回りに回動自在とされている。また、おねじ部55の後端には、従動プーリ56aが固着されており、この従動プーリ56aが、送り用モータ57の出力軸に固着された原動プーリ56bとベルトにて連結されている。これによって、送り用モータ57の回転運動が、おねじ部55にベルト伝達され、おねじ部55が回転することとなる。更に、取付板52は図示しない直動式のガイドによって移動方向が前後方向のみに規制されている。
【0048】
また、フレーム58の前端部には、左右方向へ延びたガイドレール59が設けられており、該ガイドレール59に、カラー13を把持する把持部60が係合されている。この把持部60には、空気圧式の直動機構61が取り付けられており、この直動機構61が動作することによって把持部60が左右方向へ移動可能とされている。この把持部60は、その下端部分に、カラー13を狭持するためのハンド部60aを有している。図12は、ハンド部60aの外観を示す斜視図である。ナット締付用エンドエフェクタ6には、2つのハンド部60aが左右に並べた状態で設けられている。図12に示すように、ハンド部60aは、V溝が設けられた2つのハンド部材60bを有しており、これらのハンド部材60bが、夫々V溝を対向させた状態で上下に配置され、これらが互いに接近する方向及び互いに離反する方向へ移動することが可能に構成されている。
【0049】
このようなハンド部60aは、保持部36と略同一の高さの位置に配置されており、前記ガイドレール59に沿って、少なくとも保持部36に対向する位置(以下、セット位置という)から、このセット位置よりも所定距離横方向(ナット締付用エンドエフェクタ6の正面に向かって右方向)の待機位置までの間で、略水平に移動することが可能とされている。
【0050】
ハンド部60aが待機位置にあるとき、ハンド部60aはカラー13の供給部62に対向する。図9,10に示すように、供給部62は、2つのエアホース63に夫々接続されている。夫々のエアホース63は、図示しないパーツフィーダに連結されており、これらのエアホース63を通じて、パーツフィーダから圧縮空気によって供給部62へカラー13が送られる。供給部62は、カラー当接部材64を有しており、このカラー当接部材64が夫々のエアホース63と接続されている。カラー当接部材64には、2つの縦穴65が左右に設けられており、夫々の縦穴65の上端部分に、エアホース63との接続部分が連なっている。エアホース63から送出されたカラー13は、この縦穴65の上端部分の内面の前部に当接し、縦穴65内に導入される。
【0051】
縦穴65の下端部は閉塞されており、この閉塞部分がカラー13を載置する台部(図示せず)となっている。縦穴65は、カラー13が通過することが可能な大きさとされており、エアホース63から縦穴65に導入されたカラー13は、縦穴65に沿って前記台部まで落下する。カラー当接部材64の前記台部の前後において縦穴65は開口しており、台部の後方には、カラー13を押し出すための押し出し部66が設けられている。この押し出し部66は、前後に移動することが可能であり、カラー当接部材64の台部の後方に設けられた開口からカラー当接部材64の内部へ進入することが可能とされている。また、台部の高さは、ハンド部60aの高さと略同一とされており、台部の前方に設けられた開口は、カラー13が通過することが可能な程度の大きさとされている。
【0052】
カラー13が台部まで落下した後、押し出し部66は前方へ移動し、カラー当接部材64の内部へ進入する。このカラー当接部材64によって、台部上のカラー13が前方へ押され、台部の前方に設けられた開口からカラー当接部材64の外部へ押し出される。このとき、ハンド部60aが待機位置にあり、このためカラー当接部材64がハンド部60aへ送られる。ハンド部60aは、待機位置でカラー13の供給を待機しているときには、上下のハンド部材60bが離反した状態となっており、カラー当接部材64からこれらの2つのハンド部材60bの間に、カラー13が押し出される。両ハンド部材60bは、カラー13がその間隙部分に送り込まれたとき、互いに接近する方向へ移動し、夫々V溝によってカラー13を狭持する。ハンド部60aは、カラー13を、概ねその頭部14のみを後方へ突出させた状態で狭持するようになっている。
【0053】
把持部60は、このようにカラー13を把持した状態で、直動機構61の動作によってガイドレール59に沿って略水平に移動せしめられ、セット位置に到達した時点で停止する。そして、送り用モータ57が動作して、保持部36が前方へ移動し、ヘッド部37の先端がカラー13の頭部14に当接する。このとき、カラー13の頭部14が、ヘッド部37の六角穴37aに係入した場合には、ヘッド部37を前方へ付勢するバネの付勢力に反してヘッド部37が後方へ殆ど押されることがなく、ヘッド部37は前述した標準位置付近にあるが、六角穴37aと頭部14との六角形状の位相が合わず、六角穴37aに頭部14が係入しない場合には、ヘッド部37はバネの付勢力に反して後方へ押され、標準位置より若干後方へ移動した状態となる。
【0054】
このように、ヘッド部37が標準位置より後方へ移動した場合には、保持部36に内蔵されるセンサによってこれが検出され、このセンサによる検出をトリガとして、回転用モータ42が所定の回転速度で動作するようになっている。これによってヘッド部37がその中心軸回りに回転し、六角穴37aと頭部14との六角形状の位相があったときに、六角穴37aに頭部14が係入する。この係入が、前記センサによって検出され、この場合に回転用モータ42が停止される。このようにして、カラー13を保持部36で確実に保持するようになっている。
【0055】
カラー13を保持部36で保持した後は、ハンド部60aの両ハンド部材60bが互いに離反する方向へ移動し、カラー13を放す。そして、直動機構61が戻り動作し、続いて把持部60がガイドレール59に沿って待機位置まで移動する。
【0056】
図13は、カラー13を保持した場合のヘッド部37の外観を示す斜視図である。図13に示すように、カラー13は、円筒部15をヘッド部37の前端面から突出させるように、その頭部14がヘッド部37の六角穴37aに係入する。また、アレンレンチ45がカラー13を貫通し、アレンレンチ45の先端部分が頭部14の前端面よりも更に前方へ突出した状態とされる。
【0057】
このように、カラー13を保持部36で保持するのと並行に、又はカラー13を保持部36で保持するより前又は後に、対象物Tの孔の所定距離後方に、保持部36が位置するように、プラットフォーム5は位置決め動作する。
【0058】
次に、送り用モータ57が動作し、保持部36が更に前方へ所定距離だけ移動する。保持部36は、対象物Tの近傍まで移動し、これによって、対象物Tの孔に挿入され、ボルト挿入装置1によって対象物Tに押し付けられたハイロックピン7に、カラー13が接近する。保持部36は、カラー13がハイロックピン7から若干離隔した位置まで移動される。このとき、アレンレンチ45がハイロックピン7の軸部9の先端に当接し、アレンレンチ45の先端が、ハイロックピン7の六角穴12に係入した場合には、アレンレンチ45を前方へ付勢するバネの付勢力に反してアレンレンチ45が後方へ殆ど押されることがないが、六角穴12とアレンレンチ45との六角形状の位相が合わず、六角穴12にアレンレンチ45が係入しない場合には、アレンレンチ45はバネの付勢力に反して後方へ押され、若干後方へ移動した状態となる。
【0059】
そして、保持部36がカラー13を保持するときの動作と同様に、アレンレンチ45がバネの付勢力に反して後方へ押動された場合には、保持部36に内蔵されるセンサによってこれが検出され、このセンサによる検出をトリガとして、ロータリアクチュエータ46が所定の回転速度で所定方向へ所定の角度(例えば90°)だけ動作するようになっている。この間に、六角穴12にアレンレンチ45が係入した場合、前述したセンサによってこれが検出され、ロータリアクチュエータ46の動作が停止される。一方、この間に、六角穴12にアレンレンチ45が係入しなかった場合は、六角穴12にアレンレンチ45が係入するまで、ロータリアクチュエータ46が逆方向へ回転動作する。そして、前記センサにより六角穴12へのアレンレンチ45の係入が検出されたときに、ロータリアクチュエータ46の動作が停止される。これによって、アレンレンチ45を確実に六角穴12に係入させることができる。
【0060】
次に、送り用モータ57が動作し、保持部36が更に前方へ移動される。この間、アレンレンチ45はバネの付勢力に抗してヘッド部37の内部へ進入することとなるため、保持部36の移動が妨げられることはない。そして、カラー13の先端面の孔21の開口部分が、ハイロックピン7のねじ部10の先端部分と当接したとき、送り用モータ57の動作が停止される。更にこの後、アレンレンチ45,回転ロッド44,又は連結部47に設けられた図示しないロック機構が動作して、アレンレンチ45の回転がロックされる。これによって、ハイロックピン7が回転止めされる。
【0061】
そして、回転用モータ42が、ハイロックピン7とカラー13とが螺合する方向の反対方向へカラー13を回転させるように動作する。このように動作することにより、ハイロックピン7のねじ山と、カラー13のねじ山とが倣うこととなる。更にその後、回転用モータ42がこれとは反対方向、即ちハイロックピン7とカラー13とが螺合する方向へカラー13を回転させるように動作し、カラー13がハイロックピン7に締め付けられる。このとき、カラー13は所定値以上のトルクで締め付けられるようになっており、このためカラー13の締め付けが完了したときには、カラー13が切断部17から切断されることとなる。そして、例えば回転用モータ42の負荷トルクを検出することによって、カラー13の切断が検出され、このときに回転用モータ42の動作が停止される。そして、保持部22及び保持部36が夫々後方へ移動され、保持部36のヘッド部37に残ったカラー13の頭部14及び連結部16がヘッド部37から除去されて、動作が終了する。
【0062】
なお、上述した如く本実施の形態においては、比較的特殊な形状のハイロックピン7及びカラー13を用いて対象物Tを締結する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、他の形状のボルト及びナット、例えば、六角穴付きボルト及び六角ナットを用いて対象物Tを締結する構成であってもよい。この場合、保持部22を六角穴付きボルトを保持することが可能な形状とし、保持部22の内部にアレンレンチを設けておき、このアレンレンチに六角穴付きボルトの六角穴を係合させて回転止めするとともに、アレンレンチ又は押付ロッド31のような専用の部材によって、六角穴付きボルトを対象物に押し付ける構成とし、また保持部37を六角ナットを保持することが可能な形状とし、六角穴付きボルトの軸部に六角ナットのねじ孔を当接させた後、六角ナットを回転させる構成とすることにより、上述した本実施の形態と同様に、対象物Tの締結を実現することができる。このように、上述したようなハイロックピン7及びカラー13とは異なる形状のボルト及びナットを用いて対象物Tを締結する場合には、使用するボルト及びナットの形状に合わせて、ボルト挿入装置及びナット締付装置の構成が変更されることは言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】
本発明に係る締結システム、該締結システムに使用するボルト挿入装置及びナット締付装置、並びに前記ボルト挿入装置に使用するボルト挿入用エンドエフェクタ及び前記ナット締付装置に使用するナット締付用エンドエフェクタによる場合は、対象物に設けられた孔に、該孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを挿入し、対象物にボルトを押し付けるため、ナットをボルトに締め付けるためにボルトのねじ部に押し付けたとき等に、孔からボルトが脱落することがない。
【0064】
また、ボルトを回転止めするため、ナットをボルトに締め付けるときにボルトが回転することがなく、これによって孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを用いて対象物を締結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る締結システムの全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る締結システムの全体構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る締結システムで使用するハイロックピン(ボルト)を示しており、(a)は、ハイロックピンの側面図であり、(b)は、ハイロックピンの正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る締結システムで使用するカラー(ナット)を示しており、(a)は、カラーの側面図であり、(b)は、カラーの正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタを部分的に拡大した部分拡大側面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタを部分的に拡大した部分拡大下面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタの外観を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るボルト挿入用エンドエフェクタの保持部が前方へ移動したときのボルト挿入用エンドエフェクタの外観を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタの側面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタの下面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタが有する保持部の外観を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタが有するハンド部の外観を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るナット締付用エンドエフェクタが有するヘッド部がカラーを保持した場合のヘッド部の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ボルト挿入装置
2 ナット締付装置
3,5 プラットフォーム
4 ボルト挿入用エンドエフェクタ
6 ナット締付用エンドエフェクタ
7 ハイロックピン
8 頭部
9 軸部
10 ねじ部
11 円筒部
12 六角穴
13 カラー
14 頭部
15 円筒部
16 連結部
17 切断部
21 孔(ねじ孔)
22 保持部
23 案内部材
24 ヘッド部
31 押付ロッド
35 ドリル部
36 保持部
37 ヘッド部
37a 六角穴
38 回転部
42 回転用モータ
44 回転ロッド
45 アレンレンチ
46 ロータリアクチュエータ
53 ボールねじ
57 送り用モータ
58 フレーム
59 ガイドレール
60 把持部
60a ハンド部
61 直動機構
62 供給部

Claims (25)

  1. 複数の対象物に設けられた孔に、該孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを挿入するボルト挿入装置と、該ボルト挿入装置によって孔に挿入されたボルトにナットを締め付けるナット締付装置とを備え、複数の対象物をボルト及びナットで締結する締結システムであって、
    前記ボルト挿入装置によって挿入されたボルトを対象物に押し付ける押付部と、
    該押付部によって対象物に押し付けられたボルトを回転止めする回転止め部とを備え、
    前記ナット締付装置は、前記回転止め部によって回転止めされたボルトのねじ部にねじ孔が当接された状態のナットを回転させて、ボルトにナットを締め付けるべくなしてあることを特徴とする締結システム。
  2. 前記ボルト挿入装置は、外部から供給されたボルトを、軸部のみを突出させて保持するボルト保持部と、該ボルト保持部によって保持したボルトの軸部を対象物の孔に挿入すべく、前記ボルト保持部を移動させる第1移動部とを有し、
    前記押付部は、前記ボルト挿入装置に設けられており、前記ボルト保持部によって保持されたボルトの頭部に当接する当接部材と、該当接部材をボルトの中心軸方向へ移動させる第2移動部とを有することを特徴とする請求項1に記載の締結システム。
  3. 前記ボルト挿入装置は、前記ボルト保持部及び前記押付部が設けられたボルト挿入用エンドエフェクタと、該ボルト挿入用エンドエフェクタを移動させるためのプラットフォームとによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の締結システム。
  4. 前記ナット締付装置は、外部から供給されたナットを保持するナット保持部と、
    該ナット保持部によって保持されたナットの中心軸を、対象物の孔に挿入されたボルトの中心軸に合わせ、しかも前記ボルトのねじ部にナットのねじ孔を当接させるべく、前記ナット保持部を移動させる移動部と、
    前記ナット保持部を回転させることによって、前記ナット保持部に保持されたナットを、該ナットの中心軸回りに回転させる回転部とを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の締結システム。
  5. 前記回転部は、前記ナット保持部を、前記ナット保持部に保持されたナットの中心軸回りに、該ナットがボルトに螺合する方向と反対方向へ回転させた後、前記ナットがボルトに螺合する方向へ回転させるべくなしてあることを特徴とする請求項4に記載の締結システム。
  6. 前記ナット締付装置は、前記ナット保持部及び前記回転部が設けられたナット締付用エンドエフェクタと、該ナット締付用エンドエフェクタを移動させるためのプラットフォームとによって構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の締結システム。
  7. 前記回転止め部は、前記ボルト挿入装置に設けられており、ボルトの頭部に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の締結システム。
  8. 前記回転止め部は、前記ナット締付装置に設けられており、ボルトの軸部の先端に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の締結システム。
  9. 対象物に孔を設けるためのドリル部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の締結システム。
  10. 複数の対象物に設けられた孔に、該孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを挿入するボルト挿入装置において、
    挿入されたボルトを対象物に押し付ける押付部を備えることを特徴とするボルト挿入装置。
  11. 外部から供給されたボルトを、軸部のみを突出させて保持するボルト保持部と、該ボルト保持部によって保持したボルトの軸部を対象物の孔に挿入すべく、前記ボルト保持部を移動させる第1移動部とを更に備え、
    前記押付部は、前記ボルト保持部によって保持されたボルトの頭部に当接する当接部材と、該当接部材をボルトの中心軸方向へ移動させる第2移動部とを有することを特徴とする請求項10に記載のボルト挿入装置。
  12. 前記ボルト保持部及び前記押付部が設けられたボルト挿入用エンドエフェクタと、該ボルト挿入用エンドエフェクタを移動させるためのプラットフォームとによって構成されていることを特徴とする請求項11に記載のボルト挿入装置。
  13. 前記押付部によって対象物に押し付けられたボルトを回転止めする回転止め部を更に備えることを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載のボルト挿入装置。
  14. 前記回転止め部は、ボルトの頭部に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有することを特徴とする請求項13に記載のボルト挿入装置。
  15. 複数の対象物に設けられた孔に挿入されたボルトにナットを締め付けるナット締付装置において、
    外部から供給されたナットを保持するナット保持部と、該ナット保持部を、前記ナット保持部に保持されたナットの中心軸回りに、該ナットがボルトに螺合する方向と反対方向へ回転させた後、前記ナットがボルトに螺合する方向へ回転させる回転部とを備えることを特徴とするナット締付装置。
  16. 前記ナット保持部及び前記回転部が設けられたナット締付用エンドエフェクタと、該ナット締付用エンドエフェクタを移動させるためのプラットフォームとによって構成されていることを特徴とする請求項15に記載のナット締付装置。
  17. 対象物の孔に挿入されたボルトを回転止めする回転止め部を更に備えることを特徴とする請求項15又は16に記載のナット締付装置。
  18. 前記回転止め部は、ボルトの軸部の先端に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有することを特徴とする請求項17に記載のナット締付装置。
  19. 複数の対象物に設けられた孔に、該孔に対するはめあいがすきまばめ又は中間ばめの関係のボルトを挿入するために、プラットフォームに搭載されるボルト挿入用エンドエフェクタにおいて、
    挿入されたボルトを対象物に押し付ける押付部を備えることを特徴とするボルト挿入用エンドエフェクタ。
  20. 外部から供給されたボルトを、軸部のみを突出させて保持するボルト保持部を更に備え、
    前記押付部は、前記ボルト保持部によって保持されたボルトの頭部に当接する当接部材と、該当接部材をボルトの中心軸方向へ移動させる移動部とを有することを特徴とする請求項19に記載のボルト挿入用エンドエフェクタ。
  21. 前記押付部によって対象物に押し付けられたボルトを回転止めする回転止め部を更に備えることを特徴とする請求項19又は20に記載のボルト挿入用エンドエフェクタ。
  22. 前記回転止め部は、ボルトの頭部に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有することを特徴とする請求項21に記載のボルト挿入用エンドエフェクタ。
  23. 複数の対象物に設けられた孔に挿入されたボルトにナットを締め付けるために、プラットフォームに搭載されるナット締付用エンドエフェクタにおいて、
    外部から供給されたナットを保持するナット保持部と、該ナット保持部を、前記ナット保持部に保持されたナットの中心軸回りに、該ナットがボルトに螺合する方向と反対方向へ回転させた後、前記ナットがボルトに螺合する方向へ回転させる回転部とを備えることを特徴とするナット締付用エンドエフェクタ。
  24. 対象物の孔に挿入されたボルトを回転止めする回転止め部を更に備えることを特徴とする請求項23に記載のナット締付用エンドエフェクタ。
  25. 前記回転止め部は、ボルトの軸部の先端に設けられた多角形の穴に合致する形状をなすレンチと、該レンチを移動させて前記穴に挿入するレンチ移動部とを有することを特徴とする請求項24に記載のナット締付用エンドエフェクタ。
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