JP2004095680A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単且つ安価な方法で、精度良く外部電極を形成することができる積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が互いに異なる位置から積層体1の端部に延出して成る積層セラミックコンデンサ10であって、内部電極層3、4の端部が延出する概略延出領域のみを被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が互いに異なる位置から積層体1の端部に延出して成る積層セラミックコンデンサ10であって、内部電極層3、4の端部が延出する概略延出領域のみを被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、特に外部電極の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の低インダクタンスタイプの積層セラミックコンデンサは、誘電体層が積層されてなる積層体の各誘電体層間に第1の内部電極層と第2の誘電体層とを配置していた。特に、各内部電極層の端部は積層体の一主面に延出させ、積層体の一表面に第1の内部電極層の端部と接続する第1の外部電極、第2の内部電極層の端部と接続する第2の外部電極を形成していた。図5は、その積層方向に炳乎な平断面図を示す。図において、積層セラミックコンデンサ30は、誘電体層32を複数積層して成る矩形状積層体31の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層(第1の内部電極層33と第2の内部電極層)を備えている。尚、第2の内部電極層は、第1の内部電極層に隠れ、図面では、第2の内部電極層の延出部を点線で示している。尚、便宜上、この第2の内部電極層の延出部分に符号34を付しているが、符号34は第2の内部電極層をさす。各内部電極層33、34の一部は、積層体31の一表面の異なる領域に延出され、この内部電極層33、34に端部に接続する外部電極35、36が形成されている。
【0003】
ここで、外部電極35、36は、下地電極膜35a、36a及びメッキ層35b、36bが積層されて構成されている。具体的には、積層体31の一表面に、例えば導電ペーストのスクリーン印刷や転写塗布後に、焼き付けることによって形成される下地電極膜35a、36aが形成され。そして、その下地導体膜35a、36a上にメッキ層35b、36bとで形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記積層セラミックコンデンサ30によれば、外部電極35、36の下地導体膜35a、36aは、例えば導電ペーストのスクリーン印刷や転写塗布後に、焼き付けることによって形成されるが、積層体31が小型になるほど、印刷ずれやにじみなどが発生してしまい、互いに短絡し合わない下地導体膜35a、36aを形成することが困難になっていた。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、簡単且つ安価な方法で、精度良く外部電極を形成することができる積層セラミックコンデンサを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、誘電体層を複数積層して成る積層体の誘電体層間に、互いに対面しあう複数の第1の内部電極層及び複数の第2の内部電極層を配置し、該複数の第1の内部電極層の端部及び複数の第2の内部電極層の端部を前記積層体の表面の異なる領域に延出させるとともに、前記積層体の各延出領域に複数の内部電極層の端部に跨がるメッキ層からなる外部電極を形成した積層セラミックコンデンサである。
【0007】
そして、前記延出領域における内部電極層の間隔をt、前記外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲である。
【作用】
本発明によれば、積層体から延出する複数の内部電極層の端部に跨がって、それぞれの内部電極層を接続する外部電極が形成されている。この外部電極は、メッキ層のみで構成されている。したがって、積層体が小型になった場合も、外部電極は、延出領域に被着されるメッキで規定されるため、精度良く外部電極を形成することが可能になる。
【0008】
即ち、従来の下地電極膜が排除されることから、外部電極形成工程において、従来のように内部電極層が延出した積層体の端部を一定方向に整列させる必要がなくなり、工程が簡略化する。
【0009】
さらに、内部電極層が積層体端部に延出していない場合、内部電極層間の間隔が広くなり、その結果、この部分にはメッキ層が形成されないため、内部電極層と外部電極が接続されていないことを外観から容易に判別することができる。
【0010】
例えば、容量を構成する一方の複数の内部電極層、例えば第1の内部電極層が延出する延出領域において、この領域内の内部電極層の間隔(誘電体層の厚み)t、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にある。容量を構成する他方の複数の内部電極層、例えば第2の内部電極層が延出する延出領域において同様に、この領域内の内部電極層の間隔(誘電体層の厚み)t、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にある。すなわち、メッキ工程において、メッキ被膜は、内部電極層の延出部の厚みに被着する。そして、外部電極の厚みを厚くすべく、メッキ処理を継続すると、メッキ被膜が成長し、最終的には、延出領域に延出する内部電極層の端部に跨がって、内部電極層どうしが夫々電気的に接続されるようにメッキ層全体が連続的になる。このとき、メッキ被着着するための内部電極層間の間隔tは、外部電極の厚みTに依存して、種々の実験の結果、T/t≧1.5の範囲であれば、メッキ層が内部電極層間に存在する誘電体層を越えて十分に成長させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を積層セラミックコンデンサを図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の積層セラミックコンデンサを示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図である。
【0013】
図において、10は積層セラミックコンデンサ、1は積層体、2は誘電体層、3、4は内部電極層であり、5、6は外部電極である。尚、内部電極層3は、容量成分を構成する複数の一方の内部電極層、即ち第1の内部電極層であり、内部電極層4は、複数の他方の内部電極層、即ち、第2の内部電極層である。また、外部電極5は、複数の第1の内部電極層3の延出端部を介して各内部電極層3を接続する第1の外部電極であり、外部電極6は、複数の第2の内部電極層4の延出端部を介して各内部電極層4を接続する第2の外部電極である。
【0014】
誘電体層2は、チタン酸バリウム(BaTiO3)等を主成分とする誘電体材料により、内部電極層3、4の材料によって例えば、非還元性誘電体材料が用いられる。その厚みは高容量化のために2〜10μmとしている。この誘電体層2は、その形状は0.6mm×0.3mm×0.3mm、1.0mm×0.5mm×0.5mm等であり、図上、上方向に積層して積層体1が構成される。なお、誘電体層2の形状、厚み、積層数は容量値によって任意に変更することができる。
【0015】
内部電極層3、4は、単一の金属成分であるNiまたはCuを主成分とする材料から構成され、その厚みは0.5〜2μmとしている。そして、誘電体層2の積層方向に隣接しあう2つの内部電極層3、4は、互いに異なる位置から積層体1の一表面に延出している。即ち、積層体1の1つの延出領域内は、複数の内部電極層3の端部が集中して延出している。また、別の延出領域内は、複数の内部電極層4の端部が集中して延出している。
【0016】
本発明の特徴的なことは、内部電極層3、4の延出領域を被覆するように、メッキ層のみから成る外部電極5、6が夫々形成されて成ることである。
【0017】
具体的には、外部電極5、6は、それぞれ積層体1側から、Niメッキ層、SnまたはSn−Pb等のメッキ層を順次積層して構成される。あるいは、Ag、Au、Pd、Pt等の酸化しにくいメッキ層でも良い。
【0018】
即ち、メッキ被膜は、内部電極層3、4が積層体1から延出する端部(厚み部分)に被着されるが、本発明では、1つの延出領域内における隣接しあう内部電極層3と内部電極層3との間の間隔(その間の誘電体層の厚み)tを、外部電極の厚み(メッキ被膜の厚み)Tとの関係を明確にすることにより、延出領域内において、隣接あう内部電極層3間の誘電体層を越えてメッキによって被膜することが可能となる。具体的には、T/t≧1.5の範囲としている。尚、内部電極層4側も同様である。
【0019】
以下、本発明の積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。
【0020】
まず、誘電体層2となるセラミックグリーンシートの所定の領域に、内部電極層3、4となる金属粉末を含有する導電ペーストをスクリーン印刷で形成する。
【0021】
そして、このようなセラミックグリーンシートを、内部電極層3、4が互いに対向し、且つ各内部電極層3、4の端部が、互いに異なる位置から積層体1の表面に延出するように所定の積層枚数重ねた後、未焼成状態の大型積層体を切断して積層体1とし、所定の雰囲気、温度、時間を加えて焼成する。これにより、焼成された積層体1の表面(切断面)からは、複数の内部電極層3の端部が集中して延出した延出領域が形成され、また、別の箇所には、複数の内部電極層4の端部が集中して延出した延出領域が形成されることになる。
【0022】
次に、上記内部電極層3、4の延出領域を被覆するように、通常の電気メッキ法あるいは無電解メッキ法を用いて、メッキ層からなる外部電極5、6を形成する。まず、延出領域の内部電極層3、4の厚み部分にメッキ被膜が形成される。そして、メッキ処理の時間の経過とともにメッキ被膜が成長し、隣接しあう内部電極層3、4どうし間のメッキ被膜が互いに架橋して結果として、延出領域の複数の内部電極層3間の電気的に接続及び別の延出領域の複数の内部電極層4間の電気的な接続が達成され、延出領域全面にわたってメッキ層が形成される。なおこのとき、例えば外部電極5、6がNiメッキ層、Snメッキ層の2層構造である場合、通常の電気メッキ法あるいは無電解メッキ法を用いて、まずNiメッキ層を形成した後、Snメッキ層を形成する。
【0023】
このようにして、本発明の積層セラミックコンデンサ10が得られる。
【0024】
かくして、本発明によれば、内部電極層3、4の端部が積層体1の表面に延出する延出領域に、外部電極5、6がメッキ処理により形成される。したがって積層体1が小型になった場合も、精度良く外部電極5、6を形成することが可能になる。そして、積層セラミックコンデンサ10に複数の外部電極を有する、即ち、1つの積層体1ないに複数の容量成分形成領域を有する高密度実装型積層セラミックコンデンサの外部電極には適したものとなる。
【0025】
また、従来のように下地導体膜の形成が不要となるため、導電性ペーストの印刷に際して積層体を一定方向に整列させる必要がなくなり、工程が簡略化する。
【0026】
さらに、内部電極層3、4の一部が積層体1の表面に延出していない場合、この部分にはメッキ層が被着されないため、内部の欠陥が外観検査から容易に判別することができる。
【0027】
上述のように、延出領域において、隣接しあう内部電極層3の間隔tが外部電極5の厚みをTとした場合(内部電極層4間の間隔tと外部電極6の厚みTと同様)、T/t≧1.5の範囲にあるため、メッキ層が十分に成長する。ここで、T/tの上限は、内部電極層の誘電体層2の厚みが薄くなればなるほどなる上限が大きくなりる。例えば、現状では、誘電体層の厚みが1.2μm程度である。また、外部電極5、6を均一な厚みで形成しよとすると、Tは10μm以下であることから、その上限は、8.3が導き出せる。要は、この値は、内部電極層間の誘電体層を越えて内部電極層間に跨がるように外部電極であるメッキ被膜が安定的に形成されるための条件を示したものであり、この下限から外れると外部電極の厚みに比較して内部電極層の間隔が相対的に広くなり、その結果、安定してメッキ被膜からなる外部電極が形成できないことになる。
【0028】
なお、本発明は上記の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々の変更や改良等は何ら差し支えない。
【0029】
図2は、本発明の積層セラミックコンデンサ10の他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はA−A線断面図である。
【0030】
図において、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が互いに異なる位置から積層体1の端部に延出するとともに、各延出部と積層体1の端部で外部電極5、6と接続したコンデンサユニットNを有し、且つコンデンサユニットNが誘電体層2の積層方向に複数整列して成る。すなわち、メッキ層は延出部に選択的に形成されることから、外部電極5、6間の不必要な導通を防ぐことができる。
【0031】
図3は、本発明の積層セラミックコンデンサ10のさらに他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はA−A線断面図である。
【0032】
図において、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が夫々積層体1の端部(対向する端面及びこの端面に隣接する2つの主面)に延出して成る。そして、この延出部を被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るため、外部電極5、6は、積層体1の端部にまたがるように形成される。このように、本発明は、マザーボード上の導体パターンに半田により実装する際に、半田フィレットが形成される積層セラミックコンデンサ10にも適用できる。すなわち、積層体1の対向する側面には外部電極5、6がまたがらず、さらに半田フィレットも形成されないため、積層体1の側面側に近接して積層セラミックコンデンサを実装することができる。またこのとき、メッキ層は延出部に選択的に形成されることから、積層体1の対向する端部にまたがる外部電極5、6を1回の工程で形成することができ、工程を大幅に簡略化できる。
【0033】
図4は、本発明の積層セラミックコンデンサ10のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【0034】
図において、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が夫々積層体1の端部(対向する端面及びこの端面に隣接する1つの主面)に延出して成る。そして、この延出部を被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るため、外部電極5、6は、積層体1の角部にまたがるように形成される。すなわち、マザーボード上の導体パターンに半田により実装する際に、半田が積層体1の上側まで這い上がらないため、高密度実装を実現できる。
【0035】
さらに、本発明は、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備えるとともに、各内部電極層3、4が夫々積層体1の角部(対向する端面及びこの端面に隣接する2つの主面)に延出して成り、且つこの延出部を被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るコンデンサユニットNが誘電体層2の積層方向に複数整列して成るコンデンサアレイにも適用できる。すなわち、主面側の外部電極5、6の面積を大きくできることから、マザーボード上の導体パターンとの実装強度を向上できるとともに、メッキ層は延出部に選択的に形成されることから、外部電極5、6間の不必要な導通を防ぐことができる。
【0036】
【実施例】
本発明者らは、誘電体層2と内部電極層3、4が交互に積層された積層体1の端部に、通常の電気メッキ法を用いてNiメッキ層及びSnメッキ層を形成することにより、図2に示す積層セラミックコンデンサ10を作製した。このとき、誘電体層2となるセラミックグリーンシートの厚みを調節することにより、内部電極層3、4の延出部の積層方向の間隔tを調節するとともに、メッキ時間を調節することにより、外部電極5、6の厚みTを調節した。比較例として、図5に示すように積層体31の端部に、導電ペーストをスクリーン印刷し焼き付けることによって下地電極膜を形成した後、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成して外部電極35、36を形成した積層セラミックコンデンサ30を作製した。
【0037】
得られた試料について、外部電極の位置ずれ及び形成状態を測定した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
外部電極の位置ずれは、積層体の端面に隣接する4つの側面と外部電極との距離を投影顕微鏡により測定し、最大値を求めた。
【0040】
外部電極の形成状態は、試料の外部電極を金属顕微鏡で観察し、連続性が良好なものを丸印、途切れがあるものをバツ印とした。
【0041】
表に示すように、内部電極層3、4の延出部領域のみを被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るとともに、延出領域における内部電極層間の間隔をt、外部電極の厚みをTとした場合、1.5≦T/t≦3の範囲にある本発明の試料(例えば、試料番号2〜5、試料番号7〜10)は、外部電極5、6の位置ずれは発生せず、また、外部電極5、6の連続性(内部電極層どうしの接続)は良好だった。
【0042】
これに対し、T/t<1.5の範囲にある比較例(試料番号1、6)では、メッキ層の成長が不十分で、外部電極5、6に途切れが見られた。
【0043】
また、図5に示すように、導電ペーストをスクリーン印刷し焼き付けることによって下地電極膜35a、36aを形成した後、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成して外部電極35、36を形成した比較例では、下地導体膜35a、36aに起因して外部電極35、36の位置ずれが最大で20μm生じた。
【0044】
これらのことから、内部電極層3、4の延出領域のみに、精度良く外部電極5、6を形成できることができる。また、延出領域において、内部電極層の間隔をt、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にあることにより、メッキ層が十分に成長し、同一延出領域内で内部電極層どうしの電気的な接続が確実行われることがわかった。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、積層体の表面から端部が露出する内部電極層の延出領域には、メッキ層のみからなる外部電極を形成した。このため、外部電極の形状がメッキ処理のみに依存し、積層体が小型になった場合も、精度良く外部電極を形成することが可能になる。これにより、外部電極を高密度実装に対応させて設けることができる。
【0046】
また、従来のように厚膜手法による下地導体膜の形成が不要となるため、製造工程が簡略化し、低コストの積層セラミックコンデンサとなる。
【0047】
また、内部電極層の端部が積層体の表面に延出する延出領域において、内部電極層の積層方向の間隔をt、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にある。このため、外部電極を形成すべくメッキ処理を行えば、メッキ被膜が成長し、内部電極層どうしが接続しあう安定した外部電極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサを示す図であり、(a)は外観斜視図であり、(b)は同図(a)のA−A線の断面図であり、(c)は同図(a)のB−B線の断面図である。
【図2】本発明の積層セラミックコンデンサの他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は同図(a)のA−A線の断面図である。
【図3】本発明の積層セラミックコンデンサのさらに他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図であり、(b)は同図(a)のA−A線の断面図である。
【図4】本発明の積層セラミックコンデンサのさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図5】従来の積層セラミックコンデンサの断面図である。
【符号の説明】
10 積層セラミックコンデンサ
1 積層体
2 誘電体層
3、4 内部電極層
5、6 外部電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、特に外部電極の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の低インダクタンスタイプの積層セラミックコンデンサは、誘電体層が積層されてなる積層体の各誘電体層間に第1の内部電極層と第2の誘電体層とを配置していた。特に、各内部電極層の端部は積層体の一主面に延出させ、積層体の一表面に第1の内部電極層の端部と接続する第1の外部電極、第2の内部電極層の端部と接続する第2の外部電極を形成していた。図5は、その積層方向に炳乎な平断面図を示す。図において、積層セラミックコンデンサ30は、誘電体層32を複数積層して成る矩形状積層体31の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層(第1の内部電極層33と第2の内部電極層)を備えている。尚、第2の内部電極層は、第1の内部電極層に隠れ、図面では、第2の内部電極層の延出部を点線で示している。尚、便宜上、この第2の内部電極層の延出部分に符号34を付しているが、符号34は第2の内部電極層をさす。各内部電極層33、34の一部は、積層体31の一表面の異なる領域に延出され、この内部電極層33、34に端部に接続する外部電極35、36が形成されている。
【0003】
ここで、外部電極35、36は、下地電極膜35a、36a及びメッキ層35b、36bが積層されて構成されている。具体的には、積層体31の一表面に、例えば導電ペーストのスクリーン印刷や転写塗布後に、焼き付けることによって形成される下地電極膜35a、36aが形成され。そして、その下地導体膜35a、36a上にメッキ層35b、36bとで形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記積層セラミックコンデンサ30によれば、外部電極35、36の下地導体膜35a、36aは、例えば導電ペーストのスクリーン印刷や転写塗布後に、焼き付けることによって形成されるが、積層体31が小型になるほど、印刷ずれやにじみなどが発生してしまい、互いに短絡し合わない下地導体膜35a、36aを形成することが困難になっていた。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、簡単且つ安価な方法で、精度良く外部電極を形成することができる積層セラミックコンデンサを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、誘電体層を複数積層して成る積層体の誘電体層間に、互いに対面しあう複数の第1の内部電極層及び複数の第2の内部電極層を配置し、該複数の第1の内部電極層の端部及び複数の第2の内部電極層の端部を前記積層体の表面の異なる領域に延出させるとともに、前記積層体の各延出領域に複数の内部電極層の端部に跨がるメッキ層からなる外部電極を形成した積層セラミックコンデンサである。
【0007】
そして、前記延出領域における内部電極層の間隔をt、前記外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲である。
【作用】
本発明によれば、積層体から延出する複数の内部電極層の端部に跨がって、それぞれの内部電極層を接続する外部電極が形成されている。この外部電極は、メッキ層のみで構成されている。したがって、積層体が小型になった場合も、外部電極は、延出領域に被着されるメッキで規定されるため、精度良く外部電極を形成することが可能になる。
【0008】
即ち、従来の下地電極膜が排除されることから、外部電極形成工程において、従来のように内部電極層が延出した積層体の端部を一定方向に整列させる必要がなくなり、工程が簡略化する。
【0009】
さらに、内部電極層が積層体端部に延出していない場合、内部電極層間の間隔が広くなり、その結果、この部分にはメッキ層が形成されないため、内部電極層と外部電極が接続されていないことを外観から容易に判別することができる。
【0010】
例えば、容量を構成する一方の複数の内部電極層、例えば第1の内部電極層が延出する延出領域において、この領域内の内部電極層の間隔(誘電体層の厚み)t、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にある。容量を構成する他方の複数の内部電極層、例えば第2の内部電極層が延出する延出領域において同様に、この領域内の内部電極層の間隔(誘電体層の厚み)t、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にある。すなわち、メッキ工程において、メッキ被膜は、内部電極層の延出部の厚みに被着する。そして、外部電極の厚みを厚くすべく、メッキ処理を継続すると、メッキ被膜が成長し、最終的には、延出領域に延出する内部電極層の端部に跨がって、内部電極層どうしが夫々電気的に接続されるようにメッキ層全体が連続的になる。このとき、メッキ被着着するための内部電極層間の間隔tは、外部電極の厚みTに依存して、種々の実験の結果、T/t≧1.5の範囲であれば、メッキ層が内部電極層間に存在する誘電体層を越えて十分に成長させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を積層セラミックコンデンサを図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の積層セラミックコンデンサを示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図である。
【0013】
図において、10は積層セラミックコンデンサ、1は積層体、2は誘電体層、3、4は内部電極層であり、5、6は外部電極である。尚、内部電極層3は、容量成分を構成する複数の一方の内部電極層、即ち第1の内部電極層であり、内部電極層4は、複数の他方の内部電極層、即ち、第2の内部電極層である。また、外部電極5は、複数の第1の内部電極層3の延出端部を介して各内部電極層3を接続する第1の外部電極であり、外部電極6は、複数の第2の内部電極層4の延出端部を介して各内部電極層4を接続する第2の外部電極である。
【0014】
誘電体層2は、チタン酸バリウム(BaTiO3)等を主成分とする誘電体材料により、内部電極層3、4の材料によって例えば、非還元性誘電体材料が用いられる。その厚みは高容量化のために2〜10μmとしている。この誘電体層2は、その形状は0.6mm×0.3mm×0.3mm、1.0mm×0.5mm×0.5mm等であり、図上、上方向に積層して積層体1が構成される。なお、誘電体層2の形状、厚み、積層数は容量値によって任意に変更することができる。
【0015】
内部電極層3、4は、単一の金属成分であるNiまたはCuを主成分とする材料から構成され、その厚みは0.5〜2μmとしている。そして、誘電体層2の積層方向に隣接しあう2つの内部電極層3、4は、互いに異なる位置から積層体1の一表面に延出している。即ち、積層体1の1つの延出領域内は、複数の内部電極層3の端部が集中して延出している。また、別の延出領域内は、複数の内部電極層4の端部が集中して延出している。
【0016】
本発明の特徴的なことは、内部電極層3、4の延出領域を被覆するように、メッキ層のみから成る外部電極5、6が夫々形成されて成ることである。
【0017】
具体的には、外部電極5、6は、それぞれ積層体1側から、Niメッキ層、SnまたはSn−Pb等のメッキ層を順次積層して構成される。あるいは、Ag、Au、Pd、Pt等の酸化しにくいメッキ層でも良い。
【0018】
即ち、メッキ被膜は、内部電極層3、4が積層体1から延出する端部(厚み部分)に被着されるが、本発明では、1つの延出領域内における隣接しあう内部電極層3と内部電極層3との間の間隔(その間の誘電体層の厚み)tを、外部電極の厚み(メッキ被膜の厚み)Tとの関係を明確にすることにより、延出領域内において、隣接あう内部電極層3間の誘電体層を越えてメッキによって被膜することが可能となる。具体的には、T/t≧1.5の範囲としている。尚、内部電極層4側も同様である。
【0019】
以下、本発明の積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。
【0020】
まず、誘電体層2となるセラミックグリーンシートの所定の領域に、内部電極層3、4となる金属粉末を含有する導電ペーストをスクリーン印刷で形成する。
【0021】
そして、このようなセラミックグリーンシートを、内部電極層3、4が互いに対向し、且つ各内部電極層3、4の端部が、互いに異なる位置から積層体1の表面に延出するように所定の積層枚数重ねた後、未焼成状態の大型積層体を切断して積層体1とし、所定の雰囲気、温度、時間を加えて焼成する。これにより、焼成された積層体1の表面(切断面)からは、複数の内部電極層3の端部が集中して延出した延出領域が形成され、また、別の箇所には、複数の内部電極層4の端部が集中して延出した延出領域が形成されることになる。
【0022】
次に、上記内部電極層3、4の延出領域を被覆するように、通常の電気メッキ法あるいは無電解メッキ法を用いて、メッキ層からなる外部電極5、6を形成する。まず、延出領域の内部電極層3、4の厚み部分にメッキ被膜が形成される。そして、メッキ処理の時間の経過とともにメッキ被膜が成長し、隣接しあう内部電極層3、4どうし間のメッキ被膜が互いに架橋して結果として、延出領域の複数の内部電極層3間の電気的に接続及び別の延出領域の複数の内部電極層4間の電気的な接続が達成され、延出領域全面にわたってメッキ層が形成される。なおこのとき、例えば外部電極5、6がNiメッキ層、Snメッキ層の2層構造である場合、通常の電気メッキ法あるいは無電解メッキ法を用いて、まずNiメッキ層を形成した後、Snメッキ層を形成する。
【0023】
このようにして、本発明の積層セラミックコンデンサ10が得られる。
【0024】
かくして、本発明によれば、内部電極層3、4の端部が積層体1の表面に延出する延出領域に、外部電極5、6がメッキ処理により形成される。したがって積層体1が小型になった場合も、精度良く外部電極5、6を形成することが可能になる。そして、積層セラミックコンデンサ10に複数の外部電極を有する、即ち、1つの積層体1ないに複数の容量成分形成領域を有する高密度実装型積層セラミックコンデンサの外部電極には適したものとなる。
【0025】
また、従来のように下地導体膜の形成が不要となるため、導電性ペーストの印刷に際して積層体を一定方向に整列させる必要がなくなり、工程が簡略化する。
【0026】
さらに、内部電極層3、4の一部が積層体1の表面に延出していない場合、この部分にはメッキ層が被着されないため、内部の欠陥が外観検査から容易に判別することができる。
【0027】
上述のように、延出領域において、隣接しあう内部電極層3の間隔tが外部電極5の厚みをTとした場合(内部電極層4間の間隔tと外部電極6の厚みTと同様)、T/t≧1.5の範囲にあるため、メッキ層が十分に成長する。ここで、T/tの上限は、内部電極層の誘電体層2の厚みが薄くなればなるほどなる上限が大きくなりる。例えば、現状では、誘電体層の厚みが1.2μm程度である。また、外部電極5、6を均一な厚みで形成しよとすると、Tは10μm以下であることから、その上限は、8.3が導き出せる。要は、この値は、内部電極層間の誘電体層を越えて内部電極層間に跨がるように外部電極であるメッキ被膜が安定的に形成されるための条件を示したものであり、この下限から外れると外部電極の厚みに比較して内部電極層の間隔が相対的に広くなり、その結果、安定してメッキ被膜からなる外部電極が形成できないことになる。
【0028】
なお、本発明は上記の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々の変更や改良等は何ら差し支えない。
【0029】
図2は、本発明の積層セラミックコンデンサ10の他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はA−A線断面図である。
【0030】
図において、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が互いに異なる位置から積層体1の端部に延出するとともに、各延出部と積層体1の端部で外部電極5、6と接続したコンデンサユニットNを有し、且つコンデンサユニットNが誘電体層2の積層方向に複数整列して成る。すなわち、メッキ層は延出部に選択的に形成されることから、外部電極5、6間の不必要な導通を防ぐことができる。
【0031】
図3は、本発明の積層セラミックコンデンサ10のさらに他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はA−A線断面図である。
【0032】
図において、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が夫々積層体1の端部(対向する端面及びこの端面に隣接する2つの主面)に延出して成る。そして、この延出部を被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るため、外部電極5、6は、積層体1の端部にまたがるように形成される。このように、本発明は、マザーボード上の導体パターンに半田により実装する際に、半田フィレットが形成される積層セラミックコンデンサ10にも適用できる。すなわち、積層体1の対向する側面には外部電極5、6がまたがらず、さらに半田フィレットも形成されないため、積層体1の側面側に近接して積層セラミックコンデンサを実装することができる。またこのとき、メッキ層は延出部に選択的に形成されることから、積層体1の対向する端部にまたがる外部電極5、6を1回の工程で形成することができ、工程を大幅に簡略化できる。
【0033】
図4は、本発明の積層セラミックコンデンサ10のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【0034】
図において、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備え、各内部電極層3、4が夫々積層体1の端部(対向する端面及びこの端面に隣接する1つの主面)に延出して成る。そして、この延出部を被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るため、外部電極5、6は、積層体1の角部にまたがるように形成される。すなわち、マザーボード上の導体パターンに半田により実装する際に、半田が積層体1の上側まで這い上がらないため、高密度実装を実現できる。
【0035】
さらに、本発明は、誘電体層2を複数積層して成る矩形状積層体1の層間に、互いに対面する少なくとも2つの内部電極層3、4を備えるとともに、各内部電極層3、4が夫々積層体1の角部(対向する端面及びこの端面に隣接する2つの主面)に延出して成り、且つこの延出部を被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るコンデンサユニットNが誘電体層2の積層方向に複数整列して成るコンデンサアレイにも適用できる。すなわち、主面側の外部電極5、6の面積を大きくできることから、マザーボード上の導体パターンとの実装強度を向上できるとともに、メッキ層は延出部に選択的に形成されることから、外部電極5、6間の不必要な導通を防ぐことができる。
【0036】
【実施例】
本発明者らは、誘電体層2と内部電極層3、4が交互に積層された積層体1の端部に、通常の電気メッキ法を用いてNiメッキ層及びSnメッキ層を形成することにより、図2に示す積層セラミックコンデンサ10を作製した。このとき、誘電体層2となるセラミックグリーンシートの厚みを調節することにより、内部電極層3、4の延出部の積層方向の間隔tを調節するとともに、メッキ時間を調節することにより、外部電極5、6の厚みTを調節した。比較例として、図5に示すように積層体31の端部に、導電ペーストをスクリーン印刷し焼き付けることによって下地電極膜を形成した後、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成して外部電極35、36を形成した積層セラミックコンデンサ30を作製した。
【0037】
得られた試料について、外部電極の位置ずれ及び形成状態を測定した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
外部電極の位置ずれは、積層体の端面に隣接する4つの側面と外部電極との距離を投影顕微鏡により測定し、最大値を求めた。
【0040】
外部電極の形成状態は、試料の外部電極を金属顕微鏡で観察し、連続性が良好なものを丸印、途切れがあるものをバツ印とした。
【0041】
表に示すように、内部電極層3、4の延出部領域のみを被覆するように、メッキ層からなる外部電極5、6が夫々形成されて成るとともに、延出領域における内部電極層間の間隔をt、外部電極の厚みをTとした場合、1.5≦T/t≦3の範囲にある本発明の試料(例えば、試料番号2〜5、試料番号7〜10)は、外部電極5、6の位置ずれは発生せず、また、外部電極5、6の連続性(内部電極層どうしの接続)は良好だった。
【0042】
これに対し、T/t<1.5の範囲にある比較例(試料番号1、6)では、メッキ層の成長が不十分で、外部電極5、6に途切れが見られた。
【0043】
また、図5に示すように、導電ペーストをスクリーン印刷し焼き付けることによって下地電極膜35a、36aを形成した後、Niメッキ層及びSnメッキ層を形成して外部電極35、36を形成した比較例では、下地導体膜35a、36aに起因して外部電極35、36の位置ずれが最大で20μm生じた。
【0044】
これらのことから、内部電極層3、4の延出領域のみに、精度良く外部電極5、6を形成できることができる。また、延出領域において、内部電極層の間隔をt、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にあることにより、メッキ層が十分に成長し、同一延出領域内で内部電極層どうしの電気的な接続が確実行われることがわかった。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、積層体の表面から端部が露出する内部電極層の延出領域には、メッキ層のみからなる外部電極を形成した。このため、外部電極の形状がメッキ処理のみに依存し、積層体が小型になった場合も、精度良く外部電極を形成することが可能になる。これにより、外部電極を高密度実装に対応させて設けることができる。
【0046】
また、従来のように厚膜手法による下地導体膜の形成が不要となるため、製造工程が簡略化し、低コストの積層セラミックコンデンサとなる。
【0047】
また、内部電極層の端部が積層体の表面に延出する延出領域において、内部電極層の積層方向の間隔をt、外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にある。このため、外部電極を形成すべくメッキ処理を行えば、メッキ被膜が成長し、内部電極層どうしが接続しあう安定した外部電極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサを示す図であり、(a)は外観斜視図であり、(b)は同図(a)のA−A線の断面図であり、(c)は同図(a)のB−B線の断面図である。
【図2】本発明の積層セラミックコンデンサの他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は同図(a)のA−A線の断面図である。
【図3】本発明の積層セラミックコンデンサのさらに他の実施の形態を示す図であり、(a)は外観斜視図であり、(b)は同図(a)のA−A線の断面図である。
【図4】本発明の積層セラミックコンデンサのさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図5】従来の積層セラミックコンデンサの断面図である。
【符号の説明】
10 積層セラミックコンデンサ
1 積層体
2 誘電体層
3、4 内部電極層
5、6 外部電極
Claims (2)
- 誘電体層を複数積層して成る積層体の誘電体層間に、互いに対面しあう第1の内部電極層及び第2の内部電極層を配置し、該第1の内部電極層の端部及び第2の内部電極層の端部を前記積層体の表面の異なる領域に延出させるとともに、前記積層体の各延出領域に複数の内部電極層の端部に跨がるメッキ層からなる外部電極を形成したことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
- 前記内部電極層の端部の厚みをt、前記外部電極の厚みをTとした場合、T/t≧1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
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