JP2004094275A - 円筒状基材の位置決め方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 円筒状基材の表面上に処理液を塗布する際に、膜圧変動を最小にして均一且つ効率よく塗布するため、円筒状基材を高精度に位置決めする。また、多数の円筒状基材に連続して処理液を塗布する際にも、円筒状基材を傷つけることなく塗布欠陥を発生しない位置決め方法を得る。
【解決手段】 複数の円筒状基材の筒軸を合わせて積み重ね、下方から上方に垂直に押し上げながら、垂直塗布装置により前記円筒状基材外周面上に塗布液を連続的に塗布する工程において、塗布前または塗布後の位置で、前記円筒状基材外周面上に流体を吹き付ける吐出口を有するリング状吹き付け手段を前記円筒状基材の同軸に配設して成る位置決め手段により、前記円筒状基材の位置決めを行う方法において、前記位置決め手段の導入部にテーパーを設けたこと。
【選択図】    図1

Description

 本発明は、複数の円筒状基材外周面上に処理液を連続的に塗布する際に、該円筒状基材を位置決めする方法及び装置に関し、特に、円筒状基材に感光液を塗布することにより、電子写真感光体を製造する際に、円筒状基材を正確に位置決めする方法及び装置に関する。
 電子写真装置で使用される感光体である有機光導電体感光ドラムの製造においては、円筒形状のドラムに感光性の感光液(処理液)を塗布する。その塗布に当たっては、円筒ドラムの周面にスライドホッパーを所定位置に位置せしめ、両者間の間隙を周方向に関して一定に保持する調整作業が必要となる。この場合、所要の塗布層厚は極めて薄いため、円筒状ドラムが0.1mmずれても周方向に関し、円筒面全体としてみれば塗膜層の膜厚の大きな偏差要因となる。
 かかる塗膜層の膜厚偏差があると、円筒状ドラムの周方向で帯電量の変化、感度の不均一、残留電位の変化等の各種不具合が生じることは周知の事実である。従って、円筒状ドラムの正確な位置決めが極めて重要となる。
 従来、この種の円筒状ドラムの位置決め装置としては、例えば特許文献1に記載のように、支持部材に回転自在に設けた位置規制コロを円筒状ドラムの外周に接触させて設けたものがある。また、特許文献2及び特許文献3には、エアベアリングを使用した感光ドラムの位置決め装置が開示されている。
特開昭60−50537号公報 特開平3−280063号公報 特開平4−73655号公報
 しかしながら、上記のコロ接触式の従来の位置決め装置は、位置規制コロを直接円筒状ドラムに対して接触させながら位置決めするものであるので、円筒状ドラムに傷がついてしまうという難点があった。円筒状ドラムに傷がつくと、電子写真特性が悪化することは周知である。
 上記エアベアリング式の位置決め装置は、空気等の流体を吹付ノズルから吹き付けて位置決めを行うようにしたもので、円筒状ドラムの傷付きが防止でき、極めて有効である。
 しかし、図5(a)に示すように、複数の円筒状ドラム1A,1Bの端部を接して積み重ねて繋ぎ合わせた状態で移動させる場合、先の円筒状ドラム1Aが位置決め用吹付ノズル3から逃げて、次の円筒状ドラム1Bに移行するとき、先の円筒状ドラム1Aが外的要因により、水平方向に移動させる外力が作用したときには、図5(b)のように、たとえ次の円筒状ドラム1Bの位置決めを行うことができたとしても、先の円筒状ドラム1Aが水平方向に急にずれてしまうことがある。この移動現象が生じると、感光液の横段や液切れ塗布等となって現れる。
 本発明の主課題は円筒状ドラムに傷を付けることなく、円筒状ドラムの位置決めを行うとともに、円筒状ドラム相互間の繋ぎ部分における円筒状ドラムの位置ずれを防止することにある。
 上記課題を解決する本発明の請求項1に記載の円筒状基材の位置決め方法は、複数の円筒状基材の筒軸を合わせて積み重ね、下方から上方に垂直に押し上げながら、垂直塗布装置により前記円筒状基材外周面上に塗布液を連続的に塗布する工程において、塗布前または塗布後の位置で、前記円筒状基材外周面上に流体を吹き付ける吐出口を有するリング状吹き付け手段を前記円筒状基材の同軸に配設して成る位置決め手段により、前記円筒状基材の位置決めを行う円筒状基材の位置決め方法において、前記位置決め手段の導入部にテーパーを設けたことを特徴とするものである。
 本発明では、円筒状基材の外周面に対して流体を吹き付けて、円筒状基材の位置決めを行う。すなわち、円筒状基材の周囲から流体、例えばエアを吹き付けると、円筒状基材の位置が中立化し、これによって円筒状基材が所定位置に位置決めされる。しかも、円筒状基材に機械的接触することがないから、円筒状基材に傷を付けることが防止される。そして前記位置決め手段の導入部にテーパーを設けることにより、円筒状基材の外周面に対して、複数の吐出口から実質的に連続して流体を吹き付けて位置決めを行うので、複数の円筒状基材間の突き合わせ部分においても、両円筒状基材の位置決めを正確に行うことができる。このように円筒状基材を正確かつ円滑に保持、移動させることによって、塗布液の膜厚変動を押さえて、塗布性を向上させることができる。また、円筒状基材やコーターに傷を発生させることがなくなった。
 本発明の塗布装置に備えた円筒状基材の位置決め方法及び装置により、以下の優れた効果が得られた。
(1)円筒状基材上に塗布された感光層膜厚の変動が極めて微小となった。
(2)円筒状基材への塗布液の塗布性が良好になった。
(3)円筒状基材の表面の傷発生が解消された。
(4)塗布装置の塗布液吐出部(コーター)を損傷させることがない。
(5)円筒状基材の位置決め精度が向上した。
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
 図1は、本発明の位置決め装置を含む垂直型塗布装置の全体を示す断面図である。該垂直塗布装置は、中心線Oに沿って垂直状に重ね合わせた円筒状基材(円筒状ドラム)1A,1Bに塗布液(感光液)2を塗布する環状塗布装置10と、該垂直塗布装置10の下方に固設された円筒状基材位置決め装置20と、前記垂直塗布装置10の上方に設置された乾燥フード30と、前記位置決め装置20の下部に固定された支持装置40とから構成されている。
 垂直塗布装置10の内部には、円筒状基材1Aの外周を取り囲むように処理液2を塗布する塗布ヘッド11、該塗布ヘッド11に隣接するテーパ状の処理液流出口(処理液スライド面)12、水平方向の幅狭の処理液通路を形成する処理液分配用スリット13、塗布液分配室14が形成されている。前記塗布液分配室14には処理液供給パイプ16が接続され、図示しない圧送ポンプにより処理液が供給される。
 上記垂直塗布装置10による塗布方法は、垂直塗布装置10を固定し、前記円筒状基材1Aを中心線Oに沿って矢示方向に上昇移動させながら円筒状基材1Aの上端部より塗布ヘッド11により塗布を行う。
 前記垂直塗布装置10には、圧送ポンプにより一定量の処理液が安定して送り込まれ、処理液供給パイプ16、塗布液分配室14、処理液分配用スリット13、処理液流出口12を経て、塗布ヘッド11に供給され、円筒状基材1Aの表面に処理液が塗布され感光層が形成される。
 前記垂直塗布装置10の上部には、環状に形成した乾燥フード30が固定されている。該乾燥フード30には多数の開口部31が形成されている。前記垂直塗布装置10により形成された円筒状基材上の感光層は、前記乾燥フード30内を通過しながら塗布された感光液2を徐々に乾燥させる。乾燥は前記開口部31より感光液に含まれる溶媒を外部に放出させることにより行なわれる。
 前記垂直塗布装置10の下部には、円筒状基材位置決め装置20が固定されている。図2(a)は図1における円筒状基材位置決め装置20のA−A断面図(給気部)、図2(b)はB−B断面図(排気部)である。
 前記円筒状基材の位置決め装置20は、外筒部材21と、該外筒部材21の内部に固定された内筒部材22とから構成されている。外筒部材21と内筒部材22には、両部材を貫通する複数の給気口23と、複数の排気口26が穿設されている。該複数の給気口23は、給気ポンプ29に接続され、空気等の流体が圧送される。
 図1及び図2(a)に示すように、前記外筒部材21には、給気口23が水平方向に4個の放射状に配置され、さらに垂直方向に複数段(図示5段)配列されている。該外筒部材21の内周面には水平溝24が穿設されていて、前記内筒部材22の外周面との間に水平流路を形成し、前記水平方向に放射状に配置された4個の給気口23に連通している。前記内筒部材22には、水平方向に12個の吐出口25を有する穴が貫通している。該吐出口25は前記円筒状基材1の外周面と間隙Gを保って対向している。該間隙Gは、20μm〜3mm、好ましくは30μm〜2mmである。この間隙Gが20μmより小さいと、円筒状基材1の僅かな振れで内筒部材22に接触して円筒状基材1を傷つけやすい。また、間隙Gが3mmより大であると、円筒状基材1の位置決め精度が低下する。前記吐出口25は直径0.01〜1.0mmの小口径のノズルであり、好ましくは0.05〜0.5mmが良い。
 図1及び図2(b)に示すように、前記外筒部材21及び内筒部材22を貫通して、排気口26が水平方向に4個の放射状に配置され、さらに垂直方向に複数段(図示5段)配列されている。該排気口26は垂直方向に前記給気口23と交互に配列されている。内筒部材22の内周面には、垂直溝27が穿設されていて、前記複数段の排気口26を連通している。
 前記内筒部材22の下部の内周面は、入り口側が広がったテーパー面28になっている。このテーパー面28は、例えば軸方向の長さが50mmで、片側傾斜角が0.5mmの円錐面である。このテーパー面28のテーパー比は、0.005〜0.2、好ましくは0.01〜0.1である。このテーパー面28を設けた場合、円筒状基材1が水平移動または傾斜して位置決め装置20に進入する際に位置規制されるから有効である。このテーパー面28を設けることにより、円筒状基材1が内筒部材22に進入するとき、円筒状基材1の先端部が内筒部材22の内周面に接触することを防止している。
 前記給気ポンプ29から圧送された流体は、複数の給気口23から外筒部材23内に導入されて、水平溝24を介して複数の吐出口25から吐出され、前記円筒状基材1A(1B)の外周面と均一な流体膜層を形成する。吐出後の流体は垂直溝27を経て複数の排気口26から装置外に排出される。
 前記給気口23に供給される流体は、空気、不活性ガス例えば窒素ガスが良い。そして該流体は、JIS規格でクラス100以上の清浄な気体が良い。
 また、前記給気口23に供給される毎分当たりの流体量は、0.1〜50m3/minが好ましい。流体量が0.1m3/minより小であると、円筒状基材1の位置決め精度が極端に悪化し、50m3/minより大になると、風量の影響が強く出て、積み重ねられた円筒状基材1が振動し、液膜が不均一となる。このため特に、毎分当たりの流体量は、0.2〜20m3/minが好ましい。ここで、規制供給する流体量は、流体圧規制でなく流体量制御にしないと、塗布直後の液膜への影響(膜厚むら等)が発生する。なお、毎分当たりの流体量は、位置決め装置20の給気口23の入り口で測定した。また、前記複数の給気口23に供給される毎分当たりの流体量は、軸方向の給気口23の流量が同じか、下方より上方の流量が多い方が良い。上記位置決め装置20は、後述の図3(c),(d),(e)に示すように、2つ以上を連結して用いてもよい。
 なお、本発明の位置決め装置に接続される垂直塗布装置としては、スライドホッパー型、押し出し型、リングコーター、スプレー塗布等の各種装置が用いられる。
 次に、具体的な実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
 実施例1
 導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体(円筒状基材)1を用いた。
 図3(a)の位置決め装置20(長さH=200mm、テーパー比C=0.01〜0.1、間隙G=100μm)を用い、円筒状基材1に図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置10を用いて下記UCL−2(3.0 W/V%ポリマー濃度)を塗布し、塗布済みの円筒状基材No.1−1〜No.1−4を得た。なお、円筒状基材1の移動速度は23mm/sec、塗布ヘッド(コーター)11と円筒状基材1間ギャップは100μmで行った。
・UCL−2塗布液組成物
  塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(エスレックMF−10積水化学社製)
  アセトン/シクロヘキサノン=10/1(Vol比)
 図3(a)は位置決め装置20の一実施例を示す模式断面図である。位置決め装置20の複数の吐出口25を有する吐出口面は円筒状基材1の進行方向に狭まるテーパー角を有し、該吐出口面の最小間隙が間隙Gである。上記テーパー比Cは、円錐の軸線に直角な2つの断面の直径差(D−d)と、該両断面の間隔(L)との比(C=(D−d)/L)をいう。図4は上記テーパー比Cを説明する断面図である。
 結果を表1に示す。
Figure 2004094275
 表1に示す如く位置決め精度が高く、塗布ムラや塗布欠陥も無く塗布性が良好であった。
 実施例2
 円筒状基材(導電性支持体)1としては実施例1と同じアルミニウムドラム支持体を用いた。
 前記支持体上に、図3(b)の位置決め装置(長さH=205mm、H1=150mm、テーパー比C=0.01〜0.1、間隙G=100μm)を用い、前記スライドホッパー型塗布装置10を用いて、下記の如く分散調製したCGL−1(3.0W/V%固形分濃度)を塗布し、塗布済基材No.2−1〜No.2−4を得た。なお、円筒状基材1の移動速度は37mm/sec、コーター(塗布ヘッド)11−円筒状基材間ギャップ100μmで行った。
・CGL−1塗布液組成物
  フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1)
  ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製)
  メチルエチルケトン
   上記塗布液組成物(固形分については固形分重量比CGM−1:BX−L=3:1に固定)をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
 図3(b)は、位置決め装置20の他の実施例を示す模式断面図である。位置決め装置20の吐出口25を有する吐出口面は全長Hのうち、入口側の長さH1は円筒状基材1の進行方向に狭まるテーパー角を有し、出口側の吐出口面は所定の間隙Gを有する円筒面を形成している。
 結果を表2に示す。
Figure 2004094275
 表2に示す如く位置決め精度が高く、塗布ムラや塗布欠陥も無く塗布性が良好であった。
 実施例3
 円筒状基材(導電性支持体)1としては実施例1と同じアルミニウムドラム支持体を用いた。
 前記円筒状基材1上に、図3(b)の位置決め装置(長さH=200mm、テーパー比C=0.01〜0.1、H1=170mm、間隙G=200μm)を用い、前記スライドホッパー型塗布装置10を用いて、塗布液組成物CTL−1(35W/V%固形分濃度)を塗布し、塗布済み基材No.3−1〜No.3−4を得た。なお、円筒状基材1の移動速度は8mm/sec、コーター11と円筒状基材1間ギャップは250μmで行った。
・CTL−1塗布液組成物
  CTM−1
  ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
  1,2−ジクロロエタン
   固形分については固形分重量比CTM−1:Z−200=0.89:1に固定
Figure 2004094275
 結果を表3に示す。
Figure 2004094275
 表3に示す如く位置決め精度が高く、塗布ムラや塗布欠陥も無く塗布性が良好であった。
 実施例4
 円筒状基材(導電性支持体)1としては実施例1と同じアルミニウムドラム支持体を用いた。
 前記円筒状基材1上に、図3(c)の位置決め装置(長さH1=200mm、H2=150mm、間隙G1=100μm、H3=5mm、間隙G2=250μm)を用い、前記スライドホッパー型塗布装置10を用いて、塗布液組成物CTL−2(35W/V%固形分濃度)を塗布し、塗布済み基材No.4−1〜No.4−4を得た。なお、円筒状基材1の移動速度は8mm/sec、コーター11と円筒状基材1間ギャップは250μmで行った。図3(c)に示す位置決め装置は、間隙G1を有する円筒面から成る長さH1の吐出口面を備えた上方の位置決め装置と、最小間隙G2を有する円錐面(テーパー面)から成る長さH2の吐出口面を備えた下方の位置決め装置とから構成されている。
・CTL−2塗布液組成物
  CTM−2
  ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
  1,2−ジクロロエタン
   固形分については固形分重量比CTM−2:Z−200=0.89:1に固定
Figure 2004094275
 結果を表4に示す。
Figure 2004094275
 表4に示す如く位置決め精度が高く、塗布ムラや塗布欠陥も無く塗布性が良好であった。
 実施例5
 導電性支持体としては実施例1と同じアルミニウムドラム支持体を用いた。
 前記支持体上に下記の塗布液組成物UCL−1(3.0 W/V%ポリマー濃度)を用い、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置を用いて塗布した。この際、上記塗布装置の直前に図3(b)に示す位置決め装置(H1=200mm、H=250mm、吐出口径0.2mm、テーパー比C=0.01〜0.1)を表5に記載の如くの間隙G及び風量で設置し、塗布済み基体No.5−1〜5−6を得た。なお円筒状基材の移動速度は23m/sec、コーターとドラム間ギャップは100μmで行った。結果を表5に示す。
・UCL−1塗布液組成物
  共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製)
  メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比)
Figure 2004094275
 表5に示す如くドラムやコーターに損傷を与えず、膜厚変動が少なくまた塗布欠陥も生じない。
 実施例6
 導電性支持体1としては実施例1と同じアルミニウムドラム支持体を用いた。
 前記支持体1上に前記の塗布液組成物CTL−1用い、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置10を用いて塗布した。この際、上記塗布装置10の直前に図3(d)に示す位置決め装置20(H1=200mm、H=250mm、H2=200mm、吐出口径0.3mm、間隙G1=250μm、テーパー比C=0.01〜0.1)を表6に記載の如くの間隙G2及び風量で設置し、感光体ドラムNo.6−1〜No.6−5を得た。なお、円筒状基材1の移動速度は3mm/sec、コーターとドラム間ギャップは300μmで行った。図3(d)に示す位置決め装置は、間隙G1を有する円筒面から成る長さH1の吐出口面を備えた上方の位置決め装置と、間隙G2を有する円筒面から成る吐出口面と最小間隙G2を有する円錐面(テーパー面)から成る長さH2の吐出口面を備えた全長H1の下方の位置決め装置とから構成されている。
 結果を表6に示す。
Figure 2004094275
 表6に示す如くドラムやコーターに損傷を与えず、膜厚変動が少なくまた塗布欠陥も生ぜず塗布性は良好であった。
 またUCL/CGL/CTLと3層に逐次重層したOPC感光体を作製し実写したところ、濃淡ムラ、カブリムラや画像欠陥(黒ポチ、白ポチ、スジ、キズ)がなく良好であった。
 なお、位置決め装置20のさらに他の実施例を図3(e)の模式断面図に示す。図に示す位置決め装置20は、円筒面に設けた吐出口と軸方向長さH1のテーパー面に設けた吐出口25とから成る軸方向長さH2の上方の位置決め装置と、円筒面に設けた吐出口25と軸方向長さH3のテーパー面に設けた吐出口25とから成る軸方向長さH4の下方の位置決め装置とから構成されている。なお、上方の位置決め装置及び下方の位置決め装置の各吐出口面と円筒状基材1との最小間隙Gはほぼ等しい。
本発明による位置決め装置と塗布装置の縦断面図。 上記塗布装置のA−A断面図及びB−B断面図。 位置決め装置のさらに他の各種実施例を示す模式断面図。 位置決め装置の吐出テーパー面を説明する断面図。 円筒状基材を積み重ねて搬送する状態を説明する模式図。
符号の説明
 1,1A,1B 円筒状基材(円筒状ドラム、導電性支持体)
 2 処理面(感光液面)
 10 垂直塗布装置(スライドホッパー型塗布装置)
 11 塗布ヘッド(コーター)
 20 位置決め装置(位置決め手段)
 21 外筒部材
 22 内筒部材
 23 給気口
 25 吐出口
 26 排気口
 28 テーパー面
 G 間隙

Claims (4)

  1. 複数の円筒状基材の筒軸を合わせて積み重ね、下方から上方に垂直に押し上げながら、垂直塗布装置により前記円筒状基材外周面上に塗布液を連続的に塗布する工程において、塗布前または塗布後の位置で、前記円筒状基材外周面上に流体を吹き付ける吐出口を有するリング状吹き付け手段を前記円筒状基材の同軸に配設して成る位置決め手段により、前記円筒状基材の位置決めを行う円筒状基材の位置決め方法において、
     前記位置決め手段の導入部にテーパーを設けたことを特徴とする円筒状基材の位置決め方法。
  2. 前記垂直塗布装置がスライドホッパ型塗布装置であることを特徴とする請求項1に記載の円筒状基材の位置決め方法。
  3. 前記円筒状基材の外周面上に吹き付ける流体が、温度20〜24℃、湿度10〜65%RHの空気であることを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒状基材の位置決め方法。
  4. 前記吹き付け手段による流体の吹き付け流量は、軸方向で変化するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の円筒状基材の位置決め方法。
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