JP2004093123A - 無酸化炉及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エネルギー効率が高く、かつ炉本体内における燃料の不完全燃焼を安定的に行うことができる無酸化炉、並びにエネルギー効率が高く、かつ炉本体内における燃料の不完全燃焼を安定的に行うことができると共に、適切な2次燃焼を行うことができる制御機構を備えた無酸化炉及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】 無酸化炉は無酸化雰囲気ガス中で被処理物を加熱処理する炉であって、炉本体10で燃料を不完全燃焼させる燃焼装置として管状火炎バーナ11を備え、炉本体10内に2次燃焼室12を設け、この2次燃焼室12で無酸化雰囲気ガスを燃焼させる燃焼装置として管状火炎バーナ13を備えている。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、不完全燃焼により形成した無酸化雰囲気中で鋼材などの被加熱物を加熱する加熱炉や、浸炭などの雰囲気熱処理を行う炉などの無酸化炉に関する。
 鋼材の加熱炉においては、スケールの発生を防止するために、空気比1.0未満で燃料を不完全燃焼させて不完全燃焼ガスを炉内に充満させ、この不完全燃焼ガス(無酸化雰囲気ガス)により鋼材を加熱する場合がある。しかし、上記のようにして生成させた無酸化雰囲気ガスには未燃分や一酸化炭素などの可燃性及び毒性を有するガスが含まれており、炉外へ排出された際に、ガス爆発の危険性があったり、又、そのガスの漏洩によってガス中毒が発生する危険性があるため、炉から排出される無酸化雰囲気ガスを燃焼させる処理、いわゆるアフタバーニングが行われている。
 図16は従来の無酸化炉の構成を示す図である。図16において、10は被加熱物である鋼材Xを加熱するための炉本体、90は炉本体に備えているバーナ、91はアフタバーニングを行う2次燃焼室、92は2次燃焼室のバーナ、14は燃焼用空気ファンである。101は火炎を示す。
 上記の無酸化炉による鋼材の加熱は次のように行われる。炉本体のバーナ90に燃料と共に空気比1.0未満の燃焼用空気を供給することにより燃焼させて無酸化雰囲気ガスを生成させ、その無酸化雰囲気ガスにより炉内を所定温度に保ち、鋼材Xが所定温度に加熱されるようにする。炉本体10から排出された無酸化雰囲気ガスは2次燃焼室91へ導入されて未燃分の燃焼が行われた後、放散される。2次燃焼室91においては、無酸化雰囲気ガスが低発熱量のガスであって、このガスを単独で燃焼させることは困難であるので、バーナ92に多量の燃料を供給し、低発熱量のガスでも酸化できる温度まで2次燃焼室の温度を上昇させて燃焼させている。
 ところで、無酸化雰囲気ガスを炉本体から排出された後に燃焼させることにより、加熱炉へ供給した燃料が有していたエネルギーが鋼材の加熱に使用されずに廃棄されてしまうという問題に対処し、従来から、無酸化雰囲気ガスを炉本体内で燃焼させることの検討が行われている。例えば、特許文献1においては、空気比1.0未満で燃焼させた燃焼ガスで被加熱物を囲み、又、この燃焼で発生した未燃分を上記燃焼ガスで囲んだ領域で燃焼させる方法が提案されいる。すなわち、この方法においては、空気比1.0未満で燃焼させた無酸化雰囲気ガスで被加熱物を囲んで加熱し、その無酸化雰囲気領域の外側に酸化性ガスを吹き込んで無酸化雰囲気ガスを2次燃焼させている。
 しかし、上記従来の加熱炉においては、無酸化雰囲気の領域と2次燃焼領域の間に境界が設けられている訳ではないので、燃焼負荷が変化して炉内ガスの流速が変化した場合、あるいは加熱炉自体に燃焼ガスや酸化性ガスの流れを妨げる構造物がある場合には、炉内ガスの乱れが起こって、2次燃焼で生成した酸化雰囲気のガスが被加熱物に接触し、スケール発生防止の機能が損なわれるようになる。
 このように、上記従来の加熱炉は、特定の条件下において完全な無酸化雰囲気を形成することができる手段が取り入れられたものであって、この手段を一般の無酸化炉に適用し、被加熱物の周囲に完全な無酸化雰囲気を形成させることは困難である。このため、現状においては、基本的な構成が図16に示す無酸化炉が使用されている。
特公昭63−60094号公報
 図16に示す構成の無酸化炉には、次のような問題点がある。無酸化炉内で生成した無酸化雰囲気ガス(不完全燃焼ガス)を炉外へ取り出して2次燃焼させているので、2次燃焼で発生する熱エネルギーが排ガスの顕熱となって大気放散されてしまい、エネルギー効率が低い。
 しかも、無酸化炉から排出される無酸化雰囲気ガスは単独では燃焼できない低発熱量のガスであるため、その燃焼のために低発熱量のガスでも酸化できる温度まで2次燃焼室の温度を上昇させることが必要であり、別途に多量の燃料を必要とする。このため、エネルギー効率は一層低くなる。
 又、従来の加熱炉には、燃料と燃焼用空気を予め混合した予混合気をバーナに吹き込むプレミックス型、あるいは燃料と燃焼用空気をバーナ内に別々に吹き込んでバーナ内及びその前方で拡散混合させるノズルミックス型のもが設けられているが、これらのバーナを使用した場合、ススが発生しやすい。特に、燃料を不完全燃焼させる無酸化炉の燃焼においては、空気比が非常に低い範囲で燃料の燃焼をしなければならないので、燃焼が不安定になり、ススが発生する。このため、ススが発生する燃焼が行われることにより、供給した燃料のエネルギーが有効に利用されない。又、発生したススにより鋼材や炉内が汚染されるという問題も発生する。
 本発明は、上記の問題を解決し、エネルギー効率が高く、かつ炉本体内における燃料の不完全燃焼を安定的に行うことができる無酸化炉、並びにエネルギー効率が高く、かつ炉本体内における燃料の不完全燃焼を安定的に行うことができると共に、適切な2次燃焼を行うことができる制御機構を備えた無酸化炉及びその制御方法を提供することを目的とする。
 上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る無酸化炉は、燃料を不完全燃焼させることにより発生させた無酸化雰囲気ガス中で被処理物を加熱処理する炉であって、炉本体に設けられた燃料を不完全燃焼させる燃焼装置が、管状の燃焼室に接線方向に向けて燃料と酸素含有ガスを別々に吹き込むノズル又は燃料と酸素含有ガスの予混合気を吹き込むノズルが設けられ、高速の旋回流が形成されて燃焼室内に管状の火炎が形成されるように構成されたバーナであることを特徴としている。
 本発明において、上記の管状火炎が形成されるバーナは、基本的な構成が特開平11−281015号公報に記載されているものと同じであって、図7に示すような構成のバーナを指す。このバーナは管状の燃焼室内で燃料と酸素含有ガスが旋回しながら燃焼して管状の火炎を形成し、燃焼ガスが燃焼室の端部から排出されるように構成されている。このバーナを使用すれば、安定した火炎を形成することができ、火炎各所の燃焼領域においては燃料や酸素の濃度が均一な状態で安定な燃焼が行われる。このため、局所的な低温領域ができることがなく、ススが生成しない。
 請求項2に記載の発明に係る無酸化炉は、燃料を不完全燃焼させることにより発生させた無酸化雰囲気ガス中で被処理物を加熱処理する炉であって、炉本体内に隔壁で囲まれた2次燃焼室が設けられ、炉内の無酸化雰囲気ガスが燃焼用空気と共に前記2次燃焼室へ導入されて2次燃焼した後に炉外へ排出されるように構成されたことを特徴としている。
 本発明においては、炉本体内で2次燃焼を行うが、その燃焼は炉本体内に設けられ、隔壁で囲まれた空間で行われるので、被加熱物を加熱する無酸化雰囲気ガスに酸化雰囲気ガスである2次燃焼ガスが混じることがなく、炉本体内の雰囲気が確実に無酸化雰囲気に維持される。又、2次燃焼室の隔壁からは放射熱によって炉本体内へ熱の還流が行われ、被加熱物の加熱熱源の一部として利用されるので、エネルギー効率が向上する。
 請求項3に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2に記載の発明において、炉本体に設けられた燃料を不完全燃焼させる燃焼装置が、管状の燃焼室に接線方向に向けてガス吹込みノズルが設けられ、高速の旋回流が形成されて燃焼室内に管状の火炎が形成されるように構成されたバーナであることを特徴としている。
 本発明によれば、炉本体に上記の管状火炎が形成されるバーナを備えているので、前述のように、炉本体内における燃料の不完全燃焼が安定的に行われると共に、炉本体内で2次燃焼が行われることにより、エネルギー効率が向上する。
 請求項4に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、2次燃焼室がラジアントチューブであることを特徴としている。
 高温の炉内で2次燃焼を行うための2次燃焼室を設けるに際し、その隔壁が熱衝撃に対する強度を維持することができるようにするために、ラジアントチューブが採用されている。ラジアントチューブの形状はU字に限ったものではなく、Wなどどのような形状でもよい。
 請求項5に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、2次燃焼室がラジアントボックスであることを特徴としている。
 本発明において、ラジアントボックスとは、箱型状、中空楕円筒体状などのものであって、ラジアントチューブのように内部の燃焼ガスの流れが規定されるではなく、内面の各面から他の一面を直接的に指向することができる形状をなすものを指す。
 請求項6に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2〜請求項5に記載の発明において、2次燃焼室が燃焼排ガスと熱交換させて燃焼用空気を予熱する蓄熱式の燃焼装置を備えたものであることを特徴としている。
 炉本体内で発生させる無酸化雰囲気ガスは極低発熱量のガスであるので、通常のバーナでは単独で燃焼させることはできない。このため、本発明においては、2次燃焼室の燃焼装置として蓄熱式の燃焼装置を備えている。燃焼用空気を燃焼排ガスと熱交換させて予熱する蓄熱式の燃焼装置によれば、燃焼温度を高めることができるので、上記無酸化雰囲気ガスを単独燃焼させることができる。これにより、炉の操業が定常の状態であれば、2次燃焼用燃料の供給が不要になり、エネルギー効率が大幅に向上する。
 請求項7に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項6に記載の発明において、蓄熱式の燃焼装置が、2次燃焼室へ無酸化雰囲気ガスを導入する少なくとも1つのガス導入部と少なくとも2つの蓄熱部を有するものであることを特徴としている。
 上記構成による蓄熱式燃焼装置をラジアントボックスに設けた場合、低NOx燃焼が可能となる。又、2次燃焼室がラジアントボックスであれば、1つのラジアントボックスに複数の蓄熱式燃焼装置を配置することができるので、蓄熱式燃焼装置の燃焼切り替え時に発生する圧力変動が低減する。このため、ラジアントボックスの繰り返し応力が低減され、ラジアントボックスの寿命が延長される。
 請求項8に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2〜請求項7に記載の発明において、2次燃焼室の燃焼装置に、炉内の無酸化雰囲気ガス及び燃焼用空気と共に、補助燃料の供給が可能に構成されたことを特徴としている。
 炉の立ち上げ時、あるいは2次燃焼室の無酸化雰囲気ガスの温度が燃焼可能な範囲を下回る領域まで低下した場合には、少量の補助燃料を供給することができるようになっている。この補助燃料の供給により、2次燃焼室へ導入された無酸化雰囲気ガスの温度を、常に燃焼可能な温度範囲に維持することができる。
 請求項9に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2〜請求項7に記載の発明において、2次燃焼室で無酸化雰囲気ガスを燃焼させた排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、この酸素濃度測定手段により測定される酸素濃度の値に基づいて、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節する制御機構を有することを特徴としている。
 2次燃焼室における2次燃焼において、無酸化雰囲気ガスが完全燃焼あるいは完全燃焼に近い状態で燃焼されている場合には、燃焼中に消費し切れなかった余剰の酸素が排ガスに含まれており、又、不完全燃焼が行われている場合には、排ガス中に酸素が含まれていないか、あるいは酸素濃度が検知されない程度になる。このため、排ガス中の酸素濃度を測定すれば、完全燃焼が行われているか、否かについての確認をすることができる。しかし、確実に完全燃焼させようとして、必要以上に過剰な空気を供給すると、過剰分の空気が燃焼ガスの温度を低下させる作用をなし、又、排ガス量が増加するため炉外へ持ち出される顕熱の増加をもたらし、熱効率が悪化する。
 このため、本発明においては、過剰な空気を供給せずに、無酸化雰囲気ガスを完全燃焼させるために、燃焼排ガス中の酸素濃度を測定する手段が設けられており、この酸素濃度測定手段により測定される酸素濃度の値が適切な範囲になるように、燃焼用空気の流量が調節されるようになっている。
 排ガス中の酸素濃度の管理値の範囲は0.5%〜10%程度、好ましくは0.5%〜2%程度にするのがよい。酸素濃度の下限値0.5%は本発明者らの実験結果に基づいて定めた値である。酸素濃度が0.5%を下回る状態で燃焼させると、排ガス中に数十ppm 程度の一酸化炭素(CO)が検出されることがあり、2次燃焼が不安定になる。又、10%を超える状態で燃焼させると、上述のように、熱効率が悪化するので好ましくない。
 請求項10に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2〜請求項7に記載の発明において、2次燃焼室で無酸化雰囲気ガスを燃焼させた排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、前記排ガス中の一酸化炭素を検知する一酸化炭素検知手段と、前記酸素濃度測定手段による測定結果に基づいて、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節する制御を行う制御機構と、前記一酸化炭素検知手段による測定結果に基づいて、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を増加させる制御を行う制御機構とを有することを特徴としている。
 前述のように、2次燃焼における熱効率を向上させるためには、できるだけ空気比を低下させた燃焼を行う必要があるが、低空気比の燃焼を行うと、燃焼状態などの変動によって不完全燃焼になることがある。
 この問題に対処し、本発明においては、無酸化雰囲気ガスの燃焼が不完全燃焼にならないようにするために、燃焼排ガス中の一酸化炭素を検知する手段が設けられている。無酸化雰囲気ガスが不完全燃焼している場合には、燃料成分の未燃分やその分解成分と共に、一酸化炭素を含む排ガスが排出されるので、排ガス中の一酸化炭素の有無を調べれば、完全燃焼が行われているか、否かについての確認をすることができる。このため、本発明では、一酸化炭素が検知された場合には、直ちに燃焼用空気の流量を増加させるようになっており、これにより不完全燃焼状態が解消して完全燃焼が行われるようになっている。そして、上記のような手段を設けることにより、もしも、炉内の燃焼状態が変動して2次燃焼が不完全燃焼になった場合には、直ちに不完全燃焼が解消されるので、低空気比燃焼を安定的に継続することができる。
 請求項11に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項8に記載の発明において、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段と、2次燃焼室内の温度を測定する温度測定手段と、前記炉本体内の温度を測定する温度測定手段により測定された測定値に基づいて、補助燃料の供給を開始し、前記2次燃焼室内の温度が所定値になるように補助燃料の供給量を調節する制御機構を有することを特徴としている。
 又、請求項12に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項8に記載の発明において、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段と2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度を測定する温度測定手段が設けられ、前記炉本体内の温度を測定する温度測定手段により測定された測定値に基づいて、補助燃料の供給が開始され、前記2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度が所定値になるように補助燃料の供給量が調節されるように構成されたことを特徴としている。
 ところで、無酸化雰囲気ガスは燃料成分が非常に希薄な極低発熱量のガスであるので、必要に応じて補助燃料を供給し、2次燃焼室の温度を未燃成分の酸化反応が開始される温度以上に維持している。しかし、補助燃料の供給は2次燃焼室の温度が未燃成分の酸化反応開始温度を適度に上回る範囲に維持されるように行われていればよく、2次燃焼室の温度を必要以上に高めた燃焼を行うと、余分な燃料が消費され、エネルギー効率が低下することになる。
 そこで、本発明者らは、2次燃焼室の温度を適度な範囲に維持して、2次燃焼における補助燃料の使用量を最小限度にとどめるために、炉本体で生成する無酸化雰囲気ガスの着火温度を調べる実験を行った。この結果、通常の無酸化炉で生成する無酸化雰囲気ガスの着火温度は680℃前後であった。
 このため、2次燃焼室内の温度を測定する手段を設けておけば、2次燃焼が確実に行われているか、否かの確認をすることができ、又、2次燃焼室の温度を上記着火温度(680℃前後)に基づいて定めた適度の範囲に維持するようにすれば、2次燃焼に要する燃料を節減することができる。
 この点について、本発明においては、炉本体内の温度が所定値を下回ったときに、補助燃料の供給が開始され、2次燃焼室内の温度が所定範囲に維持されるように補助燃料の供給量が調節されるようになっている。これにより、2次燃焼に要する燃料を節減しながら、失火することなく、2次燃焼を継続することができる。
 なお、請求項12に記載の発明において、2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度を測定するのは、2次燃焼室内の温度を間接的に測定するためである。2次燃焼室の外面の温度を測定する場合、2次燃焼室の平均的な温度を把握することができること、及び温度計が損傷される度合いが小さいことが利点として挙げられる。
 請求項13に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2〜請求項12に記載の発明において、2次燃焼室で無酸化雰囲気ガスを2次燃焼させる燃焼装置が、管状の燃焼室に接線方向に向けて燃料と酸素含有ガスを別々に吹き込むノズル又は燃料と酸素含有ガスの予混合気を吹き込むノズルが設けられ、高速の旋回流が形成されて燃焼室内に管状の火炎が形成されるように構成されたバーナであることを特徴としている。
 なお、以下の説明においては、上記の管状火炎が形成されるように構成されたバーナを、管状火炎バーナと略称する。
 本発明においては、2次燃焼させる燃焼装置として、上記の管状火炎バーナを採用することができる。無酸化雰囲気ガス(不完全燃焼ガス)は燃料成分が非常に希薄な極低発熱量のガスであるので、通常のバーナでは単独で燃焼させることはできないが、管状火炎バーナによれば、燃焼させることができる。管状火炎バーナは燃料と酸素含有ガスとの混合性が良好であって、酸素利用効率が高く、余分な酸素を供給する必要がないので、燃焼温度を高くすることができる。このため、操業が定常の状態においては、単独燃焼させることができる。このため、管状火炎バーナを使用すれば、操業が定常の状態においては、2次燃焼用の燃料供給が不要になり、エネルギー効率が大幅に向上する。
 しかし、炉の立ち上げ時においては、2次燃焼室の温度が無酸化雰囲気ガスの着火温度に達しないし、又、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が変動し、管状火炎バーナであっても燃焼させることができない温度領域まで低下することがある。このため、本発明においては、2次燃焼室の管状火炎バーナへ補助燃料を供給することができるようになっている。この補助燃料を供給可能にしておくことにより、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が異常に低下した際に、直ちに補助燃料を供給することにより失火を回避することができると共に、燃焼可能な温度範囲に維持することができる。
 このため、2次燃焼を管状火炎バーナで行う場合には、2次燃焼室の温度が管状火炎バーナによっても単独燃焼不能の温度領域まで低下した際に、補助燃料の供給が開始され、所定温度を超えた時点でその供給が停止される。
 請求項14に記載の発明に係る無酸化炉は、請求項2〜請求項13に記載の発明において、炉本体から排出される排ガスの顕熱を回収する熱回収装置が設けられ、この熱回収装置へ導入して予熱された空気が炉本体の燃焼装置又は該炉本体の燃焼装置と2次燃焼室の燃焼装置に供給されるように構成されたことを特徴としている。
 排ガスと燃焼用空気との熱交換を行わせる熱回収装置が設けられており、排ガスの顕熱が回収されて炉本体内へ還流されるので、エネルギー効率がさらに向上する。
 請求項15に記載の発明に係る排ガス組成の制御方法は、請求項9に記載の無酸化炉における排ガス組成の制御において、排ガス中の酸素濃度が0.5%〜10%の範囲内の所定値になるように、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節することを特徴としている。
 排ガス中の酸素濃度が0.5%〜10%(好ましくは0.5%〜2%)になるように、燃焼用空気を供給することにより、熱効率がよい2次燃焼が行われる。又、未燃分や一酸化炭素などを含む不完全燃焼ガスの排出が防止され、煙道爆発に対する危険性も回避される。
 請求項16に記載の発明に係る排ガス組成の制御方法は、請求項10に記載の無酸化炉における排ガス組成の制御において、酸素濃度測定手段による測定結果に基づいて2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節する操業中に、一酸化炭素検知手段により一酸化炭素が検知されたとき、一酸化炭素が検知されなくなるまで2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を増加させる操作を、前記酸素濃度測定手段による測定結果に基づく空気流量調節操作に優先して行うことを特徴としている。
 排ガス中の酸素濃度が所定値になるように、燃焼用空気を流量調節して低空気比による2次燃焼を行っている際に、排ガス中に一酸化炭素が僅かに検知されたとき、直ちに燃焼用空気を増加させて燃焼を促進させるので、不完全燃焼が阻止され、燃焼が完全燃焼状態に復帰する。そして、一酸化炭素が検知されなくなった時点以降においては、燃焼用空気の供給が排ガス中の酸素濃度の所定値に基づく流量調節により行われる。このため、2次燃焼においては、低空気比が維持されながら、完全燃焼が行われる。
 請求項17に記載の発明に係る炉内温度制御方法は、請求項11に記載の無酸化炉の炉内温度制御において、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回った際に、2次燃焼室の燃焼装置へ補助燃料の供給を開始し、2次燃焼室内の温度が700℃〜750℃になるように、補助燃料の供給量を調節することを特徴としている。
 又、請求項18に記載の発明に係る炉内温度制御方法は、請求項12に記載の無酸化炉の炉内温度制御において、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回った際に、2次燃焼室の燃焼装置へ補助燃料の供給を開始し、2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度が700℃〜750℃になるように、2次燃焼室の燃焼装置へ補助燃料を供給することを特徴としている。
 前述のように、本発明者らの実験結果によれば、通常の無酸化炉で生成する無酸化雰囲気ガスの着火温度は680℃前後である。このため、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃以上の場合には、2次燃焼室における無酸化雰囲気ガスの燃焼は確実に行われる。しかし、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回ると、無酸化雰囲気ガスが燃焼しなくなることが懸念される。
 そこで、本発明においては、失火することなく安定燃焼を行い、かつ補助燃料の使用量を最小限度にとどめるために、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が所定温度を下回ったときに、補助燃料の供給を開始する。そして、上記着火温度680℃より適度に高い範囲として2次燃焼室の温度の管理範囲を700℃〜750℃に設定し、2次燃焼室の温度が上記管理範囲に維持されるように、補助燃料の供給量を調節する。上限温度を750℃にしたのは、2次燃焼室の温度が750℃であれば、補助燃料なしで安定燃焼が可能であるので、不要な補助燃料の供給を抑制するためである。
 これにより、最小限度の補助燃料を供給するだけで2次燃焼を安定的に継続することができ、エネルギー効率が大幅に向上する。
 本発明の無酸化炉によれば、高いエネルギー効率が得られ、かつ炉本体内における燃料の不完全燃焼を安定的に行うことができる。
 又、制御機構を備えた無酸化炉によれば、高いエネルギー効率が得られ、かつ炉本体内における燃料の不完全燃焼を安定的に行うことができると共に、適切な2次燃焼を行うことができるので、煙道爆発が防止され、又、大気汚染成分の放散が防止される。
 本発明を図面にしたがって具体的に説明する。図1は本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第1の例を示す図、図2は本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第2の例を示す図、図3は本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第3の例を示す図、図4は本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第4の一例を示す図、図5は本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第5の例を示す図、図6は本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第6の例を示す図である。そして、図7は本発明の無酸化炉に備える管状火炎バーナの基本的な構成を示す図、図8は改良された管状火炎バーナに係る構成の一例を示す図、図9は改良された管状火炎バーナに係る構成の他の例を示す図である。
 まず、図7により、上記の各実施形態において備える管状火炎バーナの基本的な構成について説明する。(a)図は一部を切り欠いた側面図、(b)図は(a)図におけるA−A矢視の断面図である。60は管状の燃焼室であり、一端が開放されて燃焼ガスの排出口になっている。そして、燃焼室60の他端部には、管軸方向に沿って長いスリットが形成されており、このスリットに接続させて、燃料吹き込みノズルと酸素含有ガス吹き込みノズル、又は、燃料と酸素含有ガスよりなる予混合気を吹き込むノズル61が設けられている。このノズル61は吹き込み方向が燃焼室の内壁面と略接線方向になるように設けられており、燃料や酸素含有ガスの吹き込みによって、燃焼室60内に旋回流が形成されるようになっている。そして、ノズル61の先端部の形状を扁平に形成し、かつその開口面積を絞ることにより、燃焼室内に高速の旋回流を形成することができる。62は点火プラグ、100は管状の火炎を示す。
 なお、図7においては、ノズル61が複数設けられたものが示されているが、ノズルは、必ずしも、複数でなければならない訳ではなく、1基だけのものであってもよい。又、上記の説明においては、燃焼室60とノズル61の接続部に設けるガス噴出口がスリットであることが記載されているが、本発明においては、ガス噴出口がスリットに限定されるものではない。燃焼室のガス噴出口は隣接して穿たれた複数の穴により形成されたものであってもよく、燃焼室60内に高速の旋回流を形成することができるものであればよい。
 上記のように構成されたバーナにおいて、ノズル61から吹き込まれて旋回流を形成している混合気に点火すると、燃焼室60内のガスが密度差によって層別され、火炎の両側に密度の異なるガス層ができる。すなわち、旋回速度の小さい軸心側には高温の燃焼ガスが存在し、旋回速度の大きい内壁側には未燃焼のガスが存在するようになる。
 又、内壁近傍では、旋回速度が火炎伝播速度を上回っており、火炎が内壁近傍までは伝播しないので、燃焼室60内には火炎が管状の形になって生成する。又、燃焼室の内壁付近には未燃焼のガスが存在しているので、燃焼室60の壁面が直接的に加熱されて高温に曝されることはない。燃焼室60内のガスは旋回しながら下流側へ流れ、その間に、内壁側のガスが順次燃焼して軸心側へ移動し、開放端部から排出される。
 上記の構成による管状火炎バーナは多くの利点を有するが、そのうち、本発明に関わる利点を挙げれば、次の通りである。燃料及び酸素含有ガスが高速で吹き込まれても、燃焼室60内の中央部は旋回速度が小さいので、常に安定な火炎が形成される。このため、火炎各所の燃焼領域においては、燃料濃度や温度の差が生じない燃焼が行われ、局所的な低温領域ができることがないので、ススが生成しない。
 又、燃料及び酸素含有ガスを高速で吹き込んで旋回流を形成させるため、燃料と酸素含有ガスとの混合性が良好であって、酸素利用効率が高く、余分な酸素を供給する必要がないので、燃焼温度を高くすることができる。このため、通常のバーナでは単独で燃焼させることができない極低発熱量の無酸化雰囲気ガスを、別途に燃料を供給することなく、単独燃焼させることができる。
 このように、図7に示す管状火炎バーナは、上記のような利点を有するものであるが、このバーナがさらに改良された構成について説明する。
 図8は改良された管状火炎バーナに係る構成の一例を示す図である。図8(a)は改良された管状火炎バ−ナの構成図、図8(b)は(a)図のA−A矢視図である。図8において、図7と同じ構成に係る部分については、同一の符号を付し説明を省略する。この管状火炎バーナにおいては、燃焼室60の外側に外筒70が設けられ、燃焼室60と外筒70の間がガスの流通が可能に構成されている。外筒70は先端と後端の双方が閉塞端となっており、外筒70の先端側に接続された配管72から導入されたガスが後端側に接続された配管73から排出されるようになっている。そして、配管72から導入されて燃焼室60と外筒70の間のガス通路71を通過し、配管73から排出された酸素含有ガス又は燃料が、吹き込みノズル61に供給されるようになっている。
 上記の構成によるバーナにおいて、酸素含有ガス又は燃料は上記通路71を通過するので、高温の燃焼室外面に接触して予熱された後、ノズル61に導入される。このため、バ−ナの燃焼性が向上し、低発熱量のガスでも燃焼させることができる。
 ところで、前述のように、管状火炎バーナにおいては、燃焼室60内のガスが密度差によって層別され、旋回速度の小さい軸心側には高温の燃焼ガスが存在し、旋回速度の大きい内壁側には未燃焼のガスが存在するようになるので、火炎の長さが燃焼室60の長さより短くならなければ、燃焼室60の内壁が高温に曝されることはない。
 しかし、例えば、燃焼量を減少させた場合などには、火炎の長さが燃焼室60の長さより短くなることがある。又、燃焼量が大きい場合であっても、バーナを取り付ける炉の構造上、燃焼室60の長さを最大負荷の燃焼をしたときに発生する火炎の長さよりも長くせざるを得ないこともある。
 このような場合には、その内壁近傍に未燃の低温ガス層が存在しなくなるので、比較的低温に保たれていた燃焼室内壁の温度が上昇するようになる。この際、燃焼室1の先端部が耐熱性の材料で形成されていなければ、その先端部が損傷される恐れがある。しかし、管状火炎バーナの燃焼室60を図8に示すような二重円筒式の構造にすれば、酸素含有ガス及び/又は燃料ガスの予熱が行われるので、バ−ナの燃焼性が向上して、低発熱量のガスでも燃焼させることができるようになる。又、酸素含有ガス及び/又は燃料ガスの予熱と共に燃焼室60の冷却が行われるので、燃焼室60が損傷される恐れがなくなり、バ−ナの寿命が延長される。
 図9は改良された管状火炎バーナに係る構成の他の例を示す縦断面図である。図9において、図7と同じ構成に係る部分については、同一の符号を付し説明を省略する。この管状火炎バーナにおいては、燃焼室60が、一端が開放された内筒75と内筒75の外周面に沿ってスライド可能に取り付けられた外筒76で構成されている。この外筒76は、内筒75の燃料や酸素含有ガスを吹き込むノズルの接続箇所(ノズル噴射口)と排ガスが排出される開放端部との間の部分で、内筒75の外周面に沿ってスライドさせるようになっており、外筒76を何れかの方向にスライドさせることにより、燃焼室60の長さを長くしたり、短くしたりする調整が可能になっている。内筒75および外筒76の長さは、理論的に決定することもできるが、実験を繰り返して決定してもよい。図中、61aは燃料吹き込みノズル、61bは酸素含有ガス吹き込みノズル、62は点火プラグである。100は管状火炎を示す。
 燃焼室60が上記のように構成されているので、外筒76をスライドさせて燃焼室60の長さを変え、例えば、燃焼室60の長さが火炎100の長さよりも短くなるようにして燃焼させることができる。このとき、燃料の一部が未燃焼のまま燃焼室60から排出され、その燃焼が燃焼室60の先端部前方(炉内)で行われる。
 このようにして、燃料の一部を燃焼室60外で燃焼させることにより、NOxの発生を抑制することができる。又、被加熱物体を加熱するための燃焼を行う場合、加熱効率を向上させることができる。
 炉内温度が低い燃焼開始初期の段階においては、外筒76の位置を、燃焼室60内で燃焼が終了する位置にする燃焼室の長さの調整をしておき、炉内温度が高くなってNOxが発生し易い範囲まで上昇した段階で、燃焼室60が短くなるように外筒76をスライドさせ、燃料の一部を燃焼室60の外で燃焼させるようにする。この際、燃焼室60の前方では、燃焼室60の近傍に存在する炉内ガスを巻き込みながら希釈燃焼が行われるので、燃焼場の酸素濃度が下がり、かつ局所的な高温部の発生も抑制されるため、サ−マルNOx生成反応が抑制され、その発生量が低減される。
 この際、燃焼室60の前方では、輝炎が生成する。特に、油燃料やプロパンなどの重炭系成分を含む燃料を燃焼させた場合、燃焼過程で遊離した炭素分が発光するので、輝炎が形成される。本来、輝炎はそれ自体の輻射率が大きいため、輝炎からの放射熱が大きくなる。従って、輝炎自体が炉内の被加熱物から見て見えるところに位置すれば、被加熱物への伝熱効率は高くなる。このため、上記構成の管状火炎バーナを被加熱物を加熱する加熱炉などの炉に設けた場合、被加熱物が炉内で生成した輝炎からの放射熱によっても加熱されるので、加熱効率が向上する。
 そして、火炎全体の長さ(L1 とする)に対する燃焼室60の外に形成される火炎の長さ(L2とする)の比(L2/L1)の値を大きくするほど、伝熱量は多くなる。これは、L2を大きくすると炉内での放射率が大きい輝炎の割合が多くなり、被加熱物への伝熱が促進されるためである。
 又、L2/L1の値を大きくするほど、NOxの発生量は少なくなる。これは、燃焼室60外の炉内空間で燃焼する比率を大きくすると、炉内の排ガスを巻き込みながら希釈燃焼が行われて燃焼場の酸素濃度が下がり、かつ局所的な高温部の発生も抑制されるので、NOxの生成が抑制される。
 なお、温度が低い炉内で火炎を発生させると、ススの発生が多くなりがちであるが、上記の管状火炎バーナにおいては、炉温の低い温度範囲では、燃焼室60内で燃焼を終了させ、炉内では火炎が発生しないようにするので、ススの発生が抑制される。
 上記構成による管状火炎バーナを使用すれば、燃料の一部を燃焼室60の外で(炉内で)燃焼させることにより、供給した燃料の多くは燃焼室60内で安定燃焼させながら、
NOxの発生量を低減させることができ、又、炉内で輝炎を発生させることにより、被加熱物の加熱効率を向上させることができる。
 なお、上記構成による管状火炎バーナは、次の用途にも用いることができる。上記構成による管状火炎バーナは、燃焼室60の長さを変えることができるので、燃料の燃焼が燃焼室60の端部に達するまでの間に終了し、燃焼室先端部の内壁の温度が上昇して、その先端部が損傷される恐れがある状態になった場合に、外筒76をスライドさせて燃焼室60の長さを短くすることにより、その損傷を防止することができる。
 又、例えば、鋼材に浸炭処理を施す場合などには、燃焼ガス中にススを存在させることが必要であるが、上記構成による管状火炎バーナを使用すれば、燃焼室60の外で燃焼させる割合を多くすることにより、ススを発生させることができるので、燃焼室60内で安定燃焼させながら、ススを発生させることができる。
 以下、図1〜図6に示す本発明の無酸化炉の構成に係る実施の形態について、順次説明する。
 なお、本発明の無酸化炉においては、管状火炎バーナを備えているが、その管状火炎バーナの基本的な構成は図7に示す通りである。そして、必要に応じて、図8に示す構成による管状火炎バーナ、あるいは図9に示す構成による管状火炎バーナを備えることができる。
 図1により、実施形態の第1の例を説明する。図1において、10は被加熱物である鋼材Xを加熱するための炉本体、11は炉本体に備えている管状火炎バーナ、12は炉本体10内に設けられ、隔壁で囲まれた2次燃焼室であるラジアントチューブ、13はラジアントチューブ12に設けられ、炉本体10内の無酸化雰囲気ガスを2次燃焼させる管状火炎バーナである。又、14は燃焼用空気ファン、15は排ガスの顕熱を回収する熱回収装置、16は排ガス吸引ファンである。
 上記の構成による無酸化炉の操業は次のように行われる。炉本体の管状火炎バーナ11には、炉本体10内の温度測定値に基づいて流量調節された燃料が燃料配管20から供給され、又、空気配管22から、通常、空気比が0.45〜0.98の範囲の所定値になるように流量調節された燃焼用空気が供給され、バーナ11内で燃料の燃焼が行われる。この燃焼は空気比1.0未満で行う不完全燃焼であるので、その燃焼ガスが無酸化雰囲気ガスとして炉本体10内へ吹き込まれ、炉内が無酸化雰囲気になり、又、所定温度に維持されると共に、被加熱物Xが所定温度に加熱される。この際、燃焼用空気は燃焼用空気ファン14により吸引された空気が熱回収装置15へ導入されて排ガスとの熱交換によって加熱された後、バーナ11へ供給され、排ガスの顕熱の回収と、燃焼用空気の予熱が行われる。
 炉本体10内の無酸化雰囲気ガスはラジアントチューブに設けられた管状火炎バーナ13へ導入され、空気配管23から予熱された燃焼用空気が供給されて燃焼する。管状火炎バーナ13により燃焼した排ガスはラジアントチューブ12内を流れて炉本体10外へ排出される。そして、排ガスがラジアントチューブ12内を流通している間に、ラジアントチューブ12から炉本体10内へ放射熱が放散されるので、ラジアントチューブ12から炉本体10内への熱の還流が行われる。
 上述の無酸化雰囲気ガスの燃焼において、管状火炎バーナ13は燃料と燃焼用空気との混合性が極めてよく、余分な酸素を供給しなくてもよいので、無酸化雰囲気ガスを自燃させることができる。このため、無酸化雰囲気ガスを燃焼させるための補助燃料を供給する必要はない。
 ただし、無酸化炉の立ち上げ時や、2次燃焼室の温度が低下して管状火炎バーナでも燃焼させることができない領域になった場合には、補助燃料吹き込みノズル17から燃料の吹き込みを行う。
 ラジアントチューブ12から排出された排ガスは熱回収装置15へ導入され、燃焼用空気との熱交換によって熱回収された後、放散される。
 ところで、無酸化炉において、炉本体内で発生した無酸化雰囲気ガスは、2次燃焼室で燃焼して酸素を含むガス(酸化雰囲気ガス)となり、排ガス吸引ファンにより吸引されて排気される。しかし、従来の無酸化炉において、もしも、排ガス吸引ファンが不調になったり、あるいは燃焼異常によって炉本体の炉内圧が変動したりした場合、炉本体と2次燃焼室の間は煙道で連結されているだけであるので、炉本体と2次燃焼室の間に圧力の逆転現象が起ることがあり、このような状態になったときには、2次燃焼室内の圧力よりも炉本体内の圧力の方が低くなる。そして、2次燃焼室内の酸化雰囲気ガスが炉本体内へ逆流し、炉本体内の無酸化雰囲気が損なわれる。
 この点について、本発明の無酸化炉においては、図1に示すラジアントチューブ12に設けた管状火炎バーナ13が逆流防止の機能を有しているので、炉本体内が酸化雰囲気になることはない。
 この逆流防止に係る説明を図10を用いて行う。図10は図1における2次燃焼部の拡大断面図である。図中、13は管状火炎バーナ、12はラジアントチューブ、80は炉本体の炉壁である。図10において、炉本体内で発生した無酸化雰囲気ガスは、炉本体の炉壁80に設けられたガス抜き出し口81から抜き出され、ラジアントチューブ12に設けられた管状火炎バーナ13へ導入されて燃焼する。燃焼ガス(酸化雰囲気ガス)はラジアントチューブ13内を流通し、図示されない出口から抜き出されて排気される。
 このように構成された無酸化炉において、ラジアントチューブ12に設けられた管状火炎+バーナ13は、図7で説明したように、燃焼室内に高速の旋回流を形成させるために、燃料や酸素含有ガスを吹き込むノズルの開口面積が絞られているので、炉本体内から抜き出された無酸化雰囲気ガスは狭隘な箇所を通って燃焼室内へ吹き込まれた後、燃焼する。このように、ラジアントチューブ12と炉本体の間に設けられている無酸化雰囲気ガスの流路には圧力損失の大きい狭隘な箇所(管状火炎バーナ13)が設けられているので、上述のような圧力の逆転現象が起っても、その圧力差が特別に大きなものでなければ、ラジアントチューブ12内の酸化雰囲気ガスが炉本体内へたやすく逆流することはない。
 図2により、実施形態の第2の例を説明する。図2において、10は被加熱物である鋼材Xを加熱するための炉本体、11は炉本体に設けられ、燃料を不完全燃焼させて無酸化雰囲気ガスを発生させる燃焼装置である。この燃焼装置11としては、基本的な構成が図7に示すものと同様の管状火炎バーナが設けられている。
 そして、この実施の形態においては、炉本体10から排出される無酸化雰囲気ガスを2次燃焼させる空間(2次燃焼室)として、ラジアントボックス30が設けられている。ラジアントボックス30は炉本体10内に設けられ、隔壁で囲われて箱型状に形成されており、無酸化雰囲気ガスを導入するガス導入部32と、蓄熱体34が充填された2基の蓄熱部33a,33bからなる蓄熱式の燃焼装置31が設けられている。
 ガス導入部32は炉本体10から無酸化雰囲気ガスを排出させる煙道35に接続されている。蓄熱部33a,33bは、燃焼用空気の導入部又は燃焼排ガスの排出部として交互に切替えて使用される。このため、ラジアントボックスに設ける燃焼装置31は、少なくとも1基のガス導入部と、少なくとも2基の蓄熱部を有することを要する。36a,36bは燃焼用空気を蓄熱部33a,33bへ交互に供給するための切替え弁である。又、37a,37bは蓄熱部33a,33bから燃焼排ガスを交互に排出するための切替え弁である。
 そして、17は特定の条件下で燃焼装置のガス導入部32へ供給される補助燃料吹き込みノズルである。15は蓄熱部33a,33bから排出された排ガスの顕熱を回収する熱回収装置、14は燃焼用空気ファン、16は排ガス吸引ファンである。
 上記の構成による無酸化炉の操業は次のように行われる。炉本体の管状火炎バーナ11には、炉本体10内の温度測定値に基づいて流量調節された燃料が燃料配管38から供給され、又、空気配管39から、通常、空気比が0.45〜0.98の範囲の所定値になるように流量調節された燃焼用空気が供給され、バーナ11内で燃料の燃焼が行われる。この燃焼は空気比1.0未満で行う不完全燃焼であるので、その燃焼ガスが無酸化雰囲気ガスとして炉本体10内へ吹き込まれ、炉内が無酸化雰囲気になり、又、所定温度に維持されると共に、被加熱物Xが所定温度に加熱される。この際、燃焼用空気は燃焼用空気ファン14により吸引された空気が熱回収装置15へ導入され、排ガスとの熱交換によって加熱された後、バーナ11へ供給され、排ガスの顕熱の回収と、燃焼用空気の予熱が行われる。
 炉本体10内の無酸化雰囲気ガスは煙道35を経由して燃焼室のガス導入部32へ導入され、ラジアントボックス30内へ吹き込まれる。一方、燃焼用空気の切替え弁と燃焼排ガスの切替え弁、例えば、切替え弁36bと切替え弁37aが開にされ、蓄熱部33aへ燃焼用空気が供給され、蓄熱部33bから燃焼排ガスが排出される。蓄熱部33aへ供給された燃焼用空気は高温に加熱されている蓄熱体との熱交換によって高温に予熱され、ラジアントボックス30内へ吹き込まれる。このとき、ラジアントボックス20内では、無酸化雰囲気ガスの温度が高温の燃焼用空気との混合によって着火温度に達し、その燃焼が開始される。燃焼排ガスは蓄熱部33bの蓄熱体を加熱した後、炉本体10の外へ排出される。そして、所定時間経過後、蓄熱部の切替えが行われ、蓄熱部33bへ燃焼用空気が供給され、蓄熱部33aから燃焼排ガスが排出する燃焼が開始される。
 ラジアントボックス30における燃焼は、通常、ガス導入部32へ無酸化雰囲気ガスを導入し、蓄熱部33a,33bへ燃焼用空気を供給することによって行われるが、炉の立ち上げ時あるいは2次燃焼室の無酸化雰囲気ガスの温度が燃焼可能な範囲を下回る領域まで低下した場合には、ガス導入部32へ補助燃料を供給する。この際、補助燃焼は無酸化雰囲気ガス中へ吹き込まれて混合されるので、無酸化雰囲気ガスが増熱された状態になり、燃焼温度が高められる。
 上記のようにして無酸化雰囲気ガスの2次燃焼が行われている間に、2次燃焼室の壁面から炉本体10内へ放射熱が放散され、2次燃焼室から炉本体10内への熱の還流が行われる。
 蓄熱部33a,bから排出された燃焼排ガスは熱回収装置15へ導入され、燃焼用空気との熱交換によって熱回収された後、放散される。
 図3により、実施形態の第3の例を説明する。図3において、図1と同じ構成に係る箇所については、同一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態においては、2次燃焼用の管状火炎バーナ13へ補助燃料の供給を開始したり、その流量を調節するための測定手段として、炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段40と、ラジアントチューブ12内の下流端部の温度を測定する温度測定手段41が設けられている。図中、44、45は燃料配管、47、48は空気配管である。
 なお、温度測定手段40については、好ましくは、炉本体10内の複数箇所に検出部を設け、炉内各部における温度のバラツキを把握できようにしておくのがよい。
 上記の構成による無酸化炉において、炉本体の管状火炎バーナ11による無酸化雰囲気ガスを発生させる燃焼と、その無酸化雰囲気ガスを管状火炎バーナ13により2次燃焼させている間に、温度測定手段40によって測定された炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度の信号と、温度測定手段41によって測定されたラジアントチューブ12内の温度の信号が連続的に制御器46へ送られる。
 温度測定手段40によって測定された炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度が700℃を下回った際には、制御器46から流量調節弁43へ弁を開にする信号が送られ、管状火炎バーナ13へ補助燃料の供給が開始される。次いで、ラジアントチューブ12内の温度が700℃〜750℃になるように、補助燃料の供給流量が調節される。そして、炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度が700℃以上になると、流量調節弁43が閉じられ、補助燃料の供給が停止される。
 図4により、実施形態の第4の例を説明する。図4において、図1と同じ構成に係る箇所については、同一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態においては、炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段40、ラジアントチューブ12の外面温度を測定する温度測定手段42が設けられており、これらの温度測定値に基づいて、補助燃料の流量を制御するようになっている。43は補助燃料吹き込みノズル17に接続されている燃料配管に設けられた補助燃料の流量調節弁であり、46は温度測定手段40及び温度測定手段42の測定値に基づいて、流量調節弁43を作動させる制御器である。温度測定手段42については、好ましくは、ラジアントチューブ外面の複数箇所に検出部を設け、外面各部における温度のバラツキを把握できようにしておくのがよい。又、温度測定手段40についても、好ましくは、炉本体10内の複数箇所に検出部を設け、炉内各部における温度のバラツキを把握できようにしておくのがよい。図中、44、45は燃料配管、47、48、は空気配管である。
 上記の構成による無酸化炉の操業は次のように行われる。炉本体の管状火炎バーナ11による無酸化雰囲気ガスを発生させる燃焼と、その無酸化雰囲気ガスを管状火炎バーナ13により2次燃焼させている間に、温度測定手段42によって測定されたラジアントチューブ12の外面温度の信号と、温度測定手段40によって測定された炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度の信号が連続的に制御器46へ送られる。
 温度測定手段40によって測定された炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度が700℃を下回った際には、制御器23から流量調節弁43へ弁を開にする信号が送られ、管状火炎バーナ13へ補助燃料の供給が開始される。次いで、ラジアントチューブ12の外面温度が700℃〜750℃になるように、補助燃料の供給流量が調節される。そして、炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度が700℃以上になると、流量調節弁43が閉じられ、補助燃料の供給が停止される。
 図5により、実施形態の第5の例を説明する。図5において、図1と同じ構成に係る箇所については、同一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態においては、ラジアントチューブ12内で2次燃焼が終了した排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段50、炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段52、ラジアントチューブ12内の下流端部の温度を測定する温度測定手段53、管状火炎バーナ13に供給する燃焼用空気の流量調節装置54、管状火炎バーナ13に供給する補助燃料の流量調節装置55が設けられている。図中、57a、57bは燃料配管、58a、58bは空気配管である。
 そして、燃焼用空気の流量及び補助燃料の流量を制御する制御器56が設けられており、この制御器56から、酸素濃度測定手段50の測定値に基づいて、燃焼用空気の流量調節装置54へ流量変更の指示信号が発信され、又、温度測定手段52と温度測定手段53の測定値に基づいて、補助燃料の流量調節装置55へ流量変更の指示信号が発信され、それぞれの流量が制御器されるようになっている。
 上記の構成による無酸化炉の操業は次のように行われる。炉本体の管状火炎バーナ11による無酸化雰囲気ガスを発生させる燃焼と、その無酸化雰囲気ガスを管状火炎バーナ13により2次燃焼させている間に、酸素濃度測定手段50により測定された排ガス中の酸素濃度の信号と、温度測定手段52により測定された炉本体10内の温度の信号と、温度測定手段53により測定されたラジアントチューブ12内の温度の信号が連続的に制御器56へ送られる。これらの信号に基づいて、制御器56から次のような指示信号が発信され、ラジアントチューブ12内の温度及び酸素濃度が適正な範囲に維持される。
 温度測定手段52によって測定された炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回った際には、制御器56から補助燃料の流量調節装置55へ補助燃料の供給を開始させる信号が送られ、管状火炎バーナ13へ補助燃料の供給が開始される。次いで、温度測定手段53により測定されるラジアントチューブ12内の温度が700℃〜750℃になるように、補助燃料の供給流量が調節される。そして、温度測定手段52により測定される炉本体10内の無酸化雰囲気ガス温度が700℃以上になると、補助燃料の供給を停止させる信号が送られ、補助燃料の供給が停止される。
 そして、酸素濃度測定手段50により測定された排ガス中の酸素濃度が0.5%〜10%、好ましくは0.5%〜2%の範囲に維持されるように、流量調節装置54へ燃焼用空気の流量を変更する信号が送られ、流量調節が行われる。
 図6により、実施形態の第6の例を説明する。図6において、図1と同じ構成に係る箇所については、同一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態においては、2次燃焼の状態を制御するための測定手段として、ラジアントチューブ12内で2次燃焼が終了した排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段50、ラジアントチューブ12内で2次燃焼が終了した排ガス中の一酸化炭素を検出する一酸化炭素検知手段51、炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段52、ラジアントチューブ12内の下流端部の温度を測定する温度測定手段53が設けられている。又、流量調節装置として、管状火炎バーナ13に供給する燃焼用空気の流量調節装置54、管状火炎バーナ13に供給する補助燃料の流量調節装置55が設けられている。
 そして、一酸化炭素検知手段51からの一酸化炭素検知信号、又は酸素濃度測定手段50からの酸素濃度の信号に基づいて、燃焼用空気の流量調節装置54へ流量変更の指示信号を発信し、又、温度測定手段52と温度測定手段53の測定値に基づいて、補助燃料の流量調節装置55へ流量変更の指示信号を発信する制御器56が設けられている。図中、57a、57bは燃料配管、58a、58bは空気配管である。
 上記の構成による無酸化炉において、管状火炎バーナ13による2次燃焼は低空気比で行われ、酸素濃度測定手段50により測定された酸素濃度が所定範囲内の所定値になるように、管状火炎バーナ13へ供給する空気の流量が調節される。この2次燃焼における排ガス中の酸素濃度の管理範囲は、完全燃焼を行うことができる下限に近い範囲、例えば、約0.5%〜2%に設定される。このような低酸素濃度の燃焼が行われている間に、もしも、一酸化炭素検知手段51から一酸化炭素検知信号が発信された場合には、制御器56から流量調節装置54へ指示信号が発信され、燃焼用空気の流量が段階的に増加される。この燃焼用空気流量を増加させる制御は、酸素濃度に基づく流量調節制御に優先して行われる。すなわち、一酸化炭素検知信号が発信された段階においては、酸素濃度に基づく流量調節は中断される。そして、一酸化炭素が検知されなくなった時点で、燃焼用空気の流量増加操作が停止され、次いで、炉内の燃焼状態が安定化される時間が経過した時点で、再び、酸素濃度に基づく流量調節により燃焼用空気の供給が開始される。
 又、温度測定手段52によって測定された炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回った際には、制御器56から補助燃料の流量調節装置55へ補助燃料の供給を開始させる信号が送られ、管状火炎バーナ13へ補助燃料の供給が開始される。次いで、温度測定手段53により測定されるラジアントチューブ12内の温度が700℃〜750℃になるように、補助燃料の供給流量が調節される。そして、温度測定手段52により測定される炉本体10内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃以上になると、補助燃料の供給を停止させる信号が送られ、補助燃料の供給が停止される。
 図11の構成による鋼材加熱設備の加熱炉により普通鋼を炉温1200℃で加熱した。図11において、10は無酸化雰囲気ガスを発生させて普通鋼を加熱する加熱炉、85は加熱炉用バーナである。又、87は加熱炉から排出される無酸化雰囲気ガスを燃焼させる2次燃焼炉、88は2次燃焼用の管状火炎バーナである。そして、86は加熱炉から排出される無酸化雰囲気ガスと空気を熱交換させて燃焼用空気を予熱する空気予熱器である。
 鋼材の加熱及び発生した無酸化雰囲気ガスの2次燃焼は次の条件で行った。加熱炉10で発生した無酸化雰囲気ガスは、空気予熱器86を通過させて燃焼用空気を予熱した後、管状火炎バ−ナ88により2次燃焼させた。
  加熱炉の燃焼条件
     燃料 :コ−クス炉ガス(発熱量4600kcal/Nm3
     空気比:0.8、0.9
     炉温 :1200℃
  2次燃焼条件
     バーナ:管状火炎バーナ(図7と同様の構成のもの)
     炉排ガス量(Nm3 /h):700
     補助燃料:コ−クス炉ガス
     補助燃料の流量(Nm3 /h):0、20、40
 なお、比較のために、この試験とは別に、無酸化雰囲気ガスを、火炎が炉内で形成される従来の構造のバーナを備えた2次燃焼炉で燃焼させる試験も行った。
 そして、2次燃焼炉から排出された排ガスについて、COガス濃度とススの濃度の測定を行った。その結果は表1及び表2に示す。表1は加熱炉の燃焼を空気比0.8で行った場合の結果、表2は空気比0.9で行った場合の結果である。
Figure 2004093123
Figure 2004093123
 空気比0.8で発生させた無酸化雰囲気ガスを燃焼させた表1の結果によれば、管状火炎バ−ナで燃焼させた本発明の試験では、補助燃料を供給しなくても、COガス及びススの発生がほとんど認められなかったのに対し、従来のバーナで燃焼させた比較例の試験では、補助燃料を供給しなかった場合には、100ppm程度のCOガスが測定されており、完全燃焼させるためには補助燃料を供給が必要であった。
 又、空気比0.9で発生させた無酸化雰囲気ガスを燃焼させた表2の結果によれば、燃焼させる無酸化雰囲気ガスがさらに発熱量の低いガスであるので、補助燃料を供給しない場合には、本発明の試験でも、若干のCOガスが測定されており、完全燃焼させるためには少量の補助燃料を供給する必要が生じているが、比較例の試験では、補助燃料の供給を40Nm3 /hにしないと、完全燃焼が行われなかった。
 このように、無酸化雰囲気ガスを、管状火炎バ−ナを備えた本発明の2次燃焼炉で燃焼させれば、補助燃料の供給が必要でないか、供給したとしても、その供給は僅かな量にとどめることができる。
 図8に示す改良された管状火炎バーナ(二重円筒式)を用いた燃焼試験を行い、その改良による効果を確認した。この試験においては、低発熱量の燃料を燃焼させた場合の燃焼状態を観察することにより、バーナの燃焼性を調べた。
 なお、管状火炎バーナの改良によってもたらされた効果の度合いを求めるために、比較例として、図7と同様の構成による管状火炎バーナによる燃焼試験も行った。
 試験に供した低発熱量の燃料は、高炉ガスと、高炉ガスよりも発熱量を低い値に調整した混合ガスであった。発熱量が高炉ガスよりも低い混合ガスは、表3に記載されているように、高炉ガス、窒素ガス、コ−クス炉ガスを混合して調製した。なお、実施例2、3、5及び比較例2、3、4で燃焼させた低発熱量ガスに相当するガスの具体的な例としては、還元雰囲気炉または無酸化雰囲気炉から排出される排ガスが挙げられる。燃焼試験の結果は表3に示す。
Figure 2004093123
 表3から明らかなように、高炉ガス(933kcal/Nm3 )を燃焼させる場合には、実施例1のように、燃焼用空気を予熱しても、比較例1のように、燃焼用空気を予熱しなくても、燃焼状態は良好であった。しかし、発熱量が高炉ガスよりも低くく、通常のバーナでは燃焼させることができない極低発熱量のガスを燃焼させた試験においては、次のようになった。図7と同様の構成による管状火炎バーナを使用した比較例では、燃焼用空気を予熱せずに、683kcal/Nm3 に調整した低発熱量ガスを良好な状態で燃焼させることができたが、500〜560kcal/Nm3 に調整した低発熱量ガスを燃焼させた比較例2、3における燃焼状態は不良であった。
 これに対し、500〜560kcal/Nm3 に調整した低発熱量ガスを燃焼させた実施例2、3、5における燃焼状態は良好であった。
 上記の結果から、比較例2、3では燃焼状態が不良になる極低発熱量のガスを、良好な状態で燃焼させることができた実施例2、3、5の結果は、図8のように改良された管状火炎バーナの使用によってもたらされたことは明らかである。
 このため、図8に示す二重円筒式の管状火炎バーナを使用すれば、別途に予熱装置を設けることなく、燃焼用空気又は燃料を予熱することができるので、図7に示す管状火炎バーナでも燃焼が不良になった極低発熱量のガスを良好な状態で燃焼させることができる。
 図9に示す改良された管状火炎バーナ(スライド式)を備えた加熱炉で鋼材を加熱する試験を行い、そのバーナの改良による効果を確認した。図9に示す管状火炎バーナは、燃焼室3の長さを変えると、燃焼条件が変わるので、燃焼室3の長さを調整することにより、NOxやススの発生量を抑制したり、鋼材の加熱効率をよくしたりすることができる。
 そこで、燃焼室3の長さを変えた3回の試験を行った。図12は鋼材加熱試験おける炉内温度の昇温曲線と鋼材温度の経時的変化を示す図である。図中、曲線Aは昇温曲線、曲線Bは鋼材温度を示す。
 鋼材加熱試験(1)
この試験においては、炉内温度が1000℃に達するまでの間、一定の昇温速度で昇温させ、炉内温度が1000℃に達してからはその温度に保持し、全加熱時間を15時間にして鋼材を加熱した。その燃焼においては、次のようにして、管状火炎バーナの燃焼室の長さを調整する操作を行った。外筒2を左側(図9における方向)にスライドさせて燃焼室3の長さを長くし、燃焼が燃焼室3内だけで行われ、火炎が燃焼室3の外(炉内)に出ないようにした。
 この燃焼時に排出された排ガス中のNOxとススの濃度の経時的変化を図13に示す。図13において、NOxとススの濃度の値は許容値を100としてインデックス表示している(以下の試験においても同じ)。この燃焼においては、ススの発生は全加熱時間にわたってほとんど認められなかったが、NOxの発生量は炉温が高くなるにしたがって増加し、炉温が1000℃に達した時点ではNOxの濃度が150にまで上昇し、その後もNOxの濃度は150付近の値で経過した。
 一方、鋼材の加熱度合いについては、15時間加熱後の鋼材の温度を測定したところ950℃であり、目標温度の1000℃よりかなり低い温度レベルであった。
 鋼材加熱試験(2)
この試験では、管状火炎バーナの燃焼室の長さを、次のように調整して燃焼させた。外筒2を右側(図9における方向)にスライドさせて燃焼室3の長さを短くし、燃焼が燃焼室3の外でも行われ、火炎の一部が燃焼室3の外(炉内)に出るようにした。
 この試験の燃焼時に排出された排ガス中のNOxとススの濃度の経時的変化を図14に示す。図14によれば、ススの発生は昇温過程ではやや多かったものの、炉温が1000℃に達してからはほとんど問題とならない程度の濃度であった。又、NOxの濃度は全加熱時間を通して低い値で推移した。
 そして、鋼材の加熱度合いについては、15時間加熱後の鋼材の温度を測定したところ980℃であり、加熱試験(1)の場合と比較して、目標温度の1000℃により近づいている。このため、この加熱試験(2)におけるバーナ操作による燃焼方法は、昇温過程でススが発生する問題を除けば、加熱試験(1)の燃焼方法よりも効果的に鋼材の加熱ができることが分かった。
 鋼材加熱試験(3)
ススの濃度とNOx濃度の双方の値が許容値を下回るようにするために、加熱試験(1)及び加熱試験(1)の結果を基に、次のようにして、管状火炎バーナの燃焼室の長さを調整する操作を行った。炉温が800℃になるまでの間は、管状火炎バーナの燃焼室3の長さを長くして火炎が燃焼室3の外(炉内)に出ないようにし、炉温が800℃を超えて時点から管状火炎バーナの燃焼室3の長さを短くして火炎が燃焼室3の外(炉内)に出るようにした。
 この試験の燃焼時に排出された排ガス中のNOxとススの濃度の経時的変化を図15に示す。図15によれば、排ガス中のNOx及びススの濃度は、何れも、全加熱時間を通して許容値以下になっており、それらの値は、ピーク時においても、NOx濃度が80以下、ススの濃度が30以下であって、低値に安定している。このため、良好な燃焼が行われた。
 そして、鋼材の加熱度合いについては、15時間加熱後の鋼材の温度を測定したところ975℃であり、加熱試験(2)の場合と比較して、昇温の度合いがやや劣るものの、効率よい加熱が行なわれた。
 上記のように、図9に示す管状火炎バーナは、燃焼室3の長さを変えることができ、その長さを変えることにより、燃焼条件が変わって、NOxやススの発生量を抑制したり、鋼材の加熱効率をよくしたりすることができるので、環境負荷を増大させる成分の発生を抑制しながら、鋼材を良好な加熱条件で加熱することができる。
本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第1の例を示す図である。 本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第2の例を示す図である。 本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第3の例を示す図である。 本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第4の例を示す図である。 本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第5の例を示す図である。 本発明の無酸化炉の構成に係る実施形態の第6の例を示す図である。 本発明の無酸化炉に備える管状火炎バーナの基本的な構成を示す図である。 改良された管状火炎バーナに係る構成の一例を示す図である。 改良された管状火炎バーナに係る構成の他の例を示す図である。 図1における2次燃焼部の拡大断面図である。 鋼材の加熱試験で使用した加熱設備の構成を示す図である。 鋼材加熱試験おける炉内温度の昇温曲線と鋼材温度の経時的変化を示す図である。 鋼材加熱試験(1)おける排ガス中のNOxとススの濃度の経時的変化を示す図である。 鋼材加熱試験(2)おける排ガス中のNOxとススの濃度の経時的変化を示す図である。 鋼材加熱試験(3)おける排ガス中のNOxとススの濃度の経時的変化を示す図である。 従来の無酸化炉の構成を示す図である。
符号の説明
10 炉本体
11 炉本体に備えている管状火炎バーナ
12 ラジアントチューブ
13 ラジアントチューブに設けられた管状火炎バーナ
14 燃焼用空気ファン
15 排ガスの熱回収装置
16 排ガス吸引ファン
17 補助燃料吹き込みノズル
20、38、44、45、57 燃料配管
22、23、39、47、48、58 空気配管
30 ラジアントボックス
31 蓄熱式の燃焼装置
32 無酸化雰囲気ガス導入部
33 蓄熱部
34 蓄熱体
40、41、42、52、53 温度測定手段
43 補助燃料の流量調節弁
46、56 制御器
50 酸素濃度測定手段
51 一酸化炭素検知手段
54 燃焼用空気の流量調節装置
55 補助燃料の流量調節装置
60 管状火炎バーナの燃焼室
61 管状火炎バーナの吹き込みノズル
70 二重円筒式管状火炎バーナの外筒
71 二重円筒式管状火炎バーナのガスの通路
75 スライド式管状火炎バーナの内筒
76 スライド式管状火炎バーナの外筒
100 管状火炎

Claims (18)

  1.  燃料を不完全燃焼させることにより発生させた無酸化雰囲気ガス中で被処理物を加熱処理する炉であって、炉本体に設けられた燃料を不完全燃焼させる燃焼装置が、管状の燃焼室に接線方向に向けて燃料と酸素含有ガスを別々に吹き込むノズル又は燃料と酸素含有ガスの予混合気を吹き込むノズルが設けられ、高速の旋回流が形成されて燃焼室内に管状の火炎が形成されるように構成されたバーナであることを特徴とする無酸化炉。
  2.  燃料を不完全燃焼させることにより発生させた無酸化雰囲気ガス中で被処理物を加熱処理する炉であって、炉本体内に隔壁で囲まれた2次燃焼室が設けられ、炉内の無酸化雰囲気ガスが燃焼用空気と共に前記2次燃焼室へ導入されて2次燃焼した後に炉外へ排出されるように構成されたことを特徴とする無酸化炉。
  3.  炉本体に設けられた燃料を不完全燃焼させる燃焼装置が、管状の燃焼室に接線方向に向けてガス吹込みノズルが設けられ、高速の旋回流が形成されて燃焼室内に管状の火炎が形成されるように構成されたバーナであることを特徴とする請求項2に記載の無酸化炉。
  4.  2次燃焼室がラジアントチューブであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の無酸化炉。
  5.  2次燃焼室がラジアントボックスであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の無酸化炉。
  6.  2次燃焼室が燃焼排ガスと熱交換させて燃焼用空気を予熱する蓄熱式の燃焼装置を備えたものであることを特徴とする請求項2〜請求項5の何れかに記載の無酸化炉。
  7.  蓄熱式の燃焼装置が、2次燃焼室へ無酸化雰囲気ガスを導入する少なくとも1つのガス導入部と少なくとも2つの蓄熱部を有するものであることを特徴とする請求項6に記載の無酸化炉。
  8.  2次燃焼室の燃焼装置に、炉内の無酸化雰囲気ガス及び燃焼用空気と共に、補助燃料の供給が可能に構成されたことを特徴とする請求項2〜請求項7の何れかに記載の無酸化炉。
  9.  2次燃焼室で無酸化雰囲気ガスを燃焼させた排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、この酸素濃度測定手段により測定される酸素濃度の値に基づいて、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節する制御機構を有することを特徴とする請求項請求項2〜請求項7に記載の無酸化炉。
  10.  2次燃焼室で無酸化雰囲気ガスを燃焼させた排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、前記排ガス中の一酸化炭素を検知する一酸化炭素検知手段と、前記酸素濃度測定手段による測定結果に基づいて、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節する制御を行う制御機構と、前記一酸化炭素検知手段による測定結果に基づいて、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を増加させる制御を行う制御機構とを有することを特徴とする請求項2〜請求項7の何れかに記載の無酸化炉。
  11.  炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段と、2次燃焼室内の温度を測定する温度測定手段と、前記炉本体内の温度を測定する温度測定手段により測定された測定値に基づいて、補助燃料の供給を開始し、前記2次燃焼室内の温度が所定値になるように補助燃料の供給量を調節する制御機構を有することを特徴とする請求項8に記載の無酸化炉。
  12.  炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度を測定する温度測定手段と2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度を測定する温度測定手段が設けられ、前記炉本体内の温度を測定する温度測定手段により測定された測定値に基づいて、補助燃料の供給が開始され、前記2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度が所定値になるように補助燃料の供給量が調節されるように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の無酸化炉。
  13.  2次燃焼室で無酸化雰囲気ガスを2次燃焼させる燃焼装置が、管状の燃焼室に接線方向に向けて燃料と酸素含有ガスを別々に吹き込むノズル又は燃料と酸素含有ガスの予混合気を吹き込むノズルが設けられ、高速の旋回流が形成されて燃焼室内に管状の火炎が形成されるように構成されたバーナであることを特徴とする請求項2〜請求項12の何れかに記載の無酸化炉。
  14.  炉本体から排出される排ガスの顕熱を回収する熱回収装置が設けられ、この熱回収装置へ導入して予熱された空気が炉本体の燃焼装置又は該炉本体の燃焼装置と2次燃焼室の燃焼装置に供給されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項13の何れかに記載の無酸化炉。
  15.  請求項9に記載の無酸化炉における排ガス組成の制御方法において、排ガス中の酸素濃度が0.5%〜10%の範囲内の所定値になるように、2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節することを特徴とする無酸化炉における排ガス組成の制御方法。
  16.  請求項10に記載の無酸化炉における排ガス組成の制御方法において、酸素濃度測定手段による測定結果に基づいて2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を調節する操業中に、一酸化炭素検知手段により一酸化炭素が検知されたとき、一酸化炭素が検知されなくなるまで2次燃焼室の燃焼装置へ供給する空気の流量を増加させる操作を、前記酸素濃度測定手段による測定結果に基づく空気流量調節操作に優先して行うことを特徴とする無酸化炉における排ガス組成の制御方法。
  17.  請求項11に記載の無酸化炉の炉内温度制御方法において、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回った際に、2次燃焼室の燃焼装置へ補助燃料の供給を開始し、2次燃焼室内の温度が700℃〜750℃になるように、補助燃料の供給量を調節することを特徴とする無酸化炉の炉内温度制御方法。
  18.  請求項12に記載の無酸化炉の炉内温度制御方法において、炉本体内の無酸化雰囲気ガスの温度が700℃を下回った際に、2次燃焼室の燃焼装置へ補助燃料の供給を開始し、2次燃焼室を形成する隔壁の外面温度が700℃〜750℃になるように、2次燃焼室の燃焼装置へ補助燃料を供給することを特徴とする無酸化炉の炉内温度制御方法。
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