JP3912061B2 - 蓄熱式バーナ及びその燃焼方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として工業用加熱炉に用いられる蓄熱式バーナ及びその燃焼方法に係り、特に燃料の自己着火温度以上の高温の予熱空気での燃焼において、バーナ火炎からの熱輻射分布を変化させることの可能な蓄熱式バーナ及びその燃焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蓄熱式バーナは高温の燃焼用空気を得て燃焼を行うものである。燃料と燃焼用空気を同一のノズル内に供給して燃焼させた場合には、燃焼排ガス中のNOx濃度が非常に高くなる問題が発生する。そこで、従来から低NOx燃焼を行うため、燃料を1次燃料と2次燃料に分けて供給し、1次燃料と燃焼用空気とは燃焼用空気ノズル内で混合させながら1次火炎を形成し、2次燃料は、燃焼用空気ノズル噴出口とは距離を隔てて独立した燃料噴出口より炉内に直接吹き込み1次火炎内に残存する酸素により炉内で緩慢燃焼させ2次火炎を形成する蓄熱式バーナが提案されている。
【0003】
例えば本出願人によって提案されている特開平6−159613号公報(以下、第1従来例という)のものでは、蓄熱式バーナの蓄熱体を通過した高温の予熱空気を燃焼用空気ノズルから炉内に噴射するとともに、1次燃料を燃焼用空気ノズル内で予熱空気の周囲に吹き込んで予熱空気の周囲を取り巻くように空気過剰の1次燃焼火炎を形成する。更に2次燃料を燃焼用空気ノズルとは独立した開口から炉内に直接吹き込み、前記予熱空気とは前記1次燃焼火炎で隔離された状態を形成し、1次燃焼火炎中のNOxを2次燃料で還元しながら、燃焼用空気と2次燃料とを緩慢に混合させて2次火炎を形成し、炉温が低いときは1次燃料割合を多くし、炉温が高いときは2次燃料割合を多くするものである。
【0004】
この第1従来例の燃焼方法によれば、1次燃料を超空気過剰状態で燃焼させた後、この1次燃焼火炎中のNOxを2次燃料で還元し、更にその後、炉内において高温の燃焼用空気と2次燃料とを緩慢に混合させて2次燃焼を起こさせることができる。
【0005】
1次燃焼火炎は、超空気過剰状態での燃焼のため、NOxの発生が抑制される上に、2次燃料による還元作用によって更にNOxが低減される。
【0006】
また、2次燃料は、高温の燃焼用空気により安定して緩慢燃焼するため、NOxの発生が抑制される。
【0007】
炉温が燃料の着火温度より高いときは2次燃料割合を多くするが、この場合、2次火炎がバーナからリフトする可能性がある。ここで、火炎のリフトとは、例えば図4のように火炎がバーナから離れた位置に形成されて燃焼している状態を言い、火炎の位置が不安定で、炉温が低下した場合には失火する危険性が高い。火炎が保炎されてリフトしない場合とは、例えば図2のように火炎がバーナ先端から形成されて燃焼している状態を言い、火炎の着火位置が安定で、炉温が低下した場合でも失火する危険性は少ない。
【0008】
この第1従来例の技術では、燃焼用空気ノズルと2次燃料ノズルをバーナタイルより反炉内側に後退させて保炎する構造としている。更に、仮に火炎がリフトしても1次燃焼火炎が存在するため、1次燃焼火炎が火種となって2次燃料に着火するため失火しない構造となっている。従って、この第1従来例の技術では1次燃料の供給をなくすことは想定していない。
【0009】
また、前述の第1従来例の他に本発明と類似する低NOx燃焼方法として、特許第2683545号(以下、第2従来例という)に開示されている技術がある。この第2従来例のものは、燃焼用空気の温度が673.15K(400℃)と比較的低温であっても、炉内温度が高温である場合にNOxが高くなる問題を改善するための技術であって、炉内温度が燃料の着火温度以上である条件において、燃焼用空気ノズルと高温用燃料供給ノズルとを距離を持たせて各々独立して炉内に開口させ、燃焼用空気ノズル内には、低温時用燃料供給口を内臓する構成としている。そして、炉内温度が燃料自己着火温度以下の低温時においては、燃焼用空気ノズルから燃焼用空気を噴出すると同時に燃料は低温時燃料供給口からのみ噴出させて燃焼させ、炉内温度が燃料自己着火温度以上の高温に達した時には、低温時用燃料供給口からの燃料の供給を停止して、高温用燃料供給ノズルからのみ燃料を噴射して、炉内において再循環流を形成しながら燃焼させる燃焼方法をとっている。
【0010】
この第2従来例の燃焼方法によれば、炉内の酸素濃度の低い場所での燃焼となり、また炉内での緩慢燃焼により局部的高温の場所の無い火炎となり、NOx低減効果が得られるとしている。
【0011】
この第2従来例の特徴は、その燃焼用空気ノズルの先端面と高温用燃料供給ノズルの先端面が炉内壁面と面一に設定され、保炎機構を有しないバーナであることである。従って、この第2従来例の燃焼方法では、火炎がバーナからリフトした状態で形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1従来例においては、炉内温度が燃料の自己着火温度以上となった場合においても1次燃焼火炎を形成しているため、1次燃焼火炎がバーナに接して形成されて、1次燃焼火炎のリフト(火炎がバーナから離れる状態)が発生せず、2次燃料への着火性に優れている。なお、この第1従来例の技術は蓄熱式燃焼を基本としているため、燃焼用空気の温度は、炉内ガス温度が高温になれば、それにつれて上昇する。本発明者らの実験によれば、炉内ガス温度が1573Kの場合、予熱空気の温度は1473K以上にまで昇温されることが判明している。
【0013】
前記第2従来例においては、炉内温度が燃料の自己着火温度以上となる通常運転時にて、燃料は空気供給口から独立する高温用燃料供給ノズルから炉内に直接供給される。従って、燃料と燃焼用空気が炉内で混合し燃焼を開始するのは、バーナから離れた位置とならざるを得ず、火炎がバーナから離れた位置に形成される。すなわち、この第2従来例の燃焼方法では、火炎は必ずリフトする。
【0014】
ところで、バーナを加熱炉に設置して被加熱物を加熱しようとする場合、炉内においてガス温度分布を必要に応じて変化させられることが望ましい。前記第2従来例においては、既述したように火炎がリフトするため、バーナ近傍のガス温度が低下し、被加熱物の加熱温度がバーナ近傍部分で低くなると推定される。そのため、被加熱物を目標とする温度に均一加熱することができない問題が生じる。また火炎温度分布も制御できない問題もある。さらに、この第2従来例では、火炎がリフトするので、操業の急変や燃料組成の経時変化により、炉温や予熱空気温度が変化した場合に失火する可能性があるという問題も存在していた。
【0015】
前記第1従来例の場合は、1次燃料流量と2次燃料流量の比率を変えることで、火炎温度分布を変化させることができる。しかしこの場合には、1次燃料流量比率が増加するとNOx濃度が増加する問題が発生する。
【0016】
本発明の技術的課題は、1000Kを超える高温の予熱空気燃焼において、バーナからの火炎のリフトを確実に防止して燃焼安定性を高め、被加熱物を目標とする温度に均一加熱できるようにするとともに、火炎温度分布を変化させることができるようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る蓄熱式バーナは、バーナ個々に、燃料を1次と2次に分けて供給するための1次燃料ノズル及び2次燃料ノズルと、蓄熱体とを有し、これら蓄熱体を通して燃焼用空気の供給または燃焼ガスの排出を行い、かつ各蓄熱体に対する燃焼ガスおよび燃焼用空気の流れを相対的に切り替えて燃焼ガスの熱で加熱された蓄熱体を通して燃焼用空気を供給するようにした蓄熱式バーナであって、1次燃料ノズルを、燃焼用空気のノズル内で燃焼用空気の流れの周りから噴射可能に設けるとともに、2次燃料ノズルを複数設け、かつこれら2次燃料ノズルには、それぞれその配管先端の噴出口に、噴射する2次燃料の周りから保炎空気を供給可能な流路を含む保炎機構を設けて、2次燃料ノズルの配管先端の噴出口から保炎空気と共に供給される2次燃料を燃焼用空気ノズルとは異なる場所から燃焼用空気ノズルとほぼ平行に炉内に直接吹き込み可能に構成するとともに、それぞれ2次燃料流量調節弁を設けたものである。
【0018】
また、本発明の請求項2に係る蓄熱式バーナの燃焼方法は、バーナ個々に燃料を1次と2次に分けて供給可能であるとともに蓄熱体を有し、ある時間には炉内ガスを吸引してその顕熱を蓄熱体に蓄え、別の時間には蓄えた顕熱を燃焼用空気に与えて高温の予熱空気を得て燃焼する蓄熱燃焼を繰り返す蓄熱式バーナによる燃焼方法であって、1次燃料は燃焼用空気とバーナ内で混合させて燃焼させ、2次燃料は燃焼用空気のノズルとは異なる複数ヶ所に設けられて噴射する該2次燃料の周りから保炎空気を供給可能な流路を含む保炎機構を有する2次燃料ノズルの吹き込み口より、各吹き込み口毎に2次燃料流量を調節し炉内に直接吹き込むことで燃焼させることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る蓄熱式バーナ及びその燃焼方法を図1乃至図3により説明する。図1は本発明の基本原理の説明図、図2はその要部をリフトしない火炎と共に拡大して示す詳細図、図3はその燃焼用空気ノズル軸芯上のガス温度Tの4乗の分布の測定結果を従来例と比較して示すグラフであり、縦軸にガス温度Tの4乗(単位K4 )を1012 で割った値を、横軸にバーナからの火炎長手方向の距離(m)をとったものである。
【0021】
本発明の基本技術は、複数の2次燃焼火炎を2次燃料供給配管の先端で保炎し、かつ各々の2次燃焼火炎の大きさを2次燃料流量の増減により変化させ、バーナ全体としての火炎温度分布を変化させることである。
【0022】
本発明者らは、図1に示すような蓄熱式バーナを試作し、下表1に示す組成の燃料を用い実験を行った。なお、ここでは2次燃料供給配管は2本として、各2次燃料供給配管それぞれに保炎機構を設けたものを例に挙げて説明するが、本発明は2次燃料供給配管が2本のものに制約されるものではなく、3本以上でもよい。
【0023】
【表1】
Figure 0003912061
【0024】
この燃料ガス組成は、日本国内の一貫製鉄所で多く使用される燃料ガスの標準的組成である。なお、保炎機構としては、図2に示すように2次燃料供給配管の先端の口径を絞り、かつバーナ端面から後退させて設置するとともに、2次燃料ノズル内に保炎空気を吹き込める構造とした。実験に使用した燃焼炉には、燃焼容量が100万kcal/hのバーナを、距離4m離れて対向して設置した。
【0025】
このような構造とすることで、炉内ガス温度が概ね1000K以上で、かつ炉内ガス中酸素濃度が1%(容積)未満の場合には保炎空気を吹きこみ、炉内ガス中酸素濃度が概ね1%(容積)以上の場合には保炎空気無しで、図2のように容易に保炎できることを確認した。
【0026】
また、同様に前記第2従来例の技術を応用した蓄熱式バーナを試験的に製作して燃焼実験を行った。
【0027】
さらにまた、前記第1従来例の技術を模擬するために、図1に示す蓄熱式バーナにおいて、各2次燃料ノズルに供給する2次燃料の流量を等量にし、かつ1次燃料流量を全燃料流量の10%(容積)流す実験も行った。
【0028】
これらの実験では、空気比(M)を工業炉の操業で一般的な値である1.1として実験した。空気比(M)とは、燃料が完全燃焼するのに必要な空気の量(X)に対して、実際に供給した空気の量(Y)との関係から、M=Y/Xで計算される値を言う。従って、空気比が1より大きいときには、燃焼が完結しても燃焼排ガス中に酸素が残存することになる。本実験では、燃焼ガス中に約2%(容積)の酸素が残存する条件である。なお、すべての実験において蓄熱式バーナを通過した排ガス中の一酸化炭素(CO)濃度、酸素濃度を連続測定し、完全燃焼が行われているか確認した。また窒素酸化物(NOx)濃度も合わせて測定した。
【0029】
これを更に詳述すると、図1において、1は燃焼試験炉の炉壁、2は燃焼試験炉内に設置した被加熱物、3は蓄熱式バーナの本体であって、図には示さない同様の蓄熱式バーナと互いに距離4m隔てて対向設置され、これらが対をなして運転される。4は上流側から加圧された燃料が供給される1次燃料供給配管、5a,5bは2次燃料供給配管、6は燃焼用空気ノズル、7は1次燃料ノズル、8A,8Bは2次燃料ノズル、9は蓄熱体である。蓄熱体9は、セラミックスなどの耐熱材料で作られており、その形状はハニカム形状など、伝熱面積の大きなものが好ましい。また、セラミックボールなど伝熱面積の小さな蓄熱体を用いることも可能であるが、その場合にはセラミックハニカムの場合よりも重量を多く使用して蓄熱量を確保する。11は1次燃料遮断弁、12は2次燃料遮断弁で、その先は2本の分岐管13a,13bに接続され、各分岐管13a,13bがそれぞれ2次燃料流量調節弁14a,14bを介して2次燃料供給配管5a,5bに接続されている。15は燃焼用空気遮断弁で、これが開くと、図には示されない燃焼用空気ファンから燃焼用空気が蓄熱体を通過して炉内に供給される。16は排気遮断弁で、これが開くと、図には示されない排気用ファンにより炉内ガスが蓄熱体を通過して排気される。
【0030】
2次燃料ノズル8A,8Bには、それぞれ保炎機構が設けられている。保炎機構は、図2に示すようにそれぞれ2次燃料供給配管5a,5bの先端の口径を絞り、かつバーナ端面から後退させて設置するとともに、後退により形成されたそれぞれの空間内に保炎空気を吹き込む保炎空気ノズル5c,5dを設けた構造となっている。そして、このような保炎機構を有する2次燃料ノズル8A,8Bは、燃焼用空気ノズル6とは異なる場所から燃焼用空気ノズル6とほぼ平行に炉内に直接吹き込み可能に構成されている。
【0031】
図1の燃焼状態においては、燃料遮断弁11,12と燃焼空気遮断弁15が開いており、排気遮断弁16が閉じている。また対をなす別の蓄熱式バーナにおいては、燃料遮断弁と燃焼空気遮断弁が閉じており、排気遮断弁が開いている。従って、燃焼中の蓄熱式バーナ側に燃焼用空気が供給され、蓄熱体9で加熱されて炉内に供給される。1次燃料は加熱された燃焼用空気と拡散混合して燃焼し、1次火炎(あ)が形成される。また、2次燃料は、炉内ガスと拡散混合し、残存酸素により燃焼して2次火炎(い)(う)を形成する。2次燃料流量が、異なると、2次火炎の大きさは(い)と(う)で異なる。燃焼排ガスは対をなす別の蓄熱式バーナからその蓄熱体に熱を蓄えつつ排気される。
【0032】
一定時間の後、対をなす蓄熱式バーナは互いに逆動作となり、排気側の蓄熱式バーナが燃焼状態になり、燃焼側の蓄熱式バーナが排気状態となる。これを繰り返すことで蓄熱式燃焼が成立する。
【0033】
以上の実験装置および実験条件で燃焼実験を行い、蓄熱式バーナの燃焼空気ノズル軸線に沿ってガス温度分布を測定した結果を下表2に示す。なお、火炎温度分布は熱電対により測定した。表2中において、本発明の「条件1」は、1次燃料流量をゼロ(0)とし、かつ2本の2次燃料供給配管の流量を等量としたもの、本発明の「条件2」は、1次燃料流量をゼロ(0)とし、かつ2本の2次燃料供給配管の流量を2:1としたものである。
【0034】
【表2】
Figure 0003912061
【0035】
ところで、高温の燃焼ガスで鋼材などの被加熱物を加熱する場合の伝熱は輻射伝熱が主体であることが知られている。また幅射伝熱量はガス温度の4乗と被加熱物温度の4乗との差に比例することも知られている。従って、被加熱物を加熱することを目的として使用する本発明の蓄熱式バーナなどにおいては、測定したガス温度(T)の分布ではなく、当該温度の4乗の値(T4 )の分布で評価する必要がある。そこで、温度の4乗の値(T4 )を計算して表2に示すとともに図3のグラフにも示してある。
【0036】
前記第2従来例の技術に類似した蓄熱式バーナでは、結果を表2中の比較例2及び図3中の細い破線で示すように、燃料と燃焼用空気が混合するまでのバーナ近傍部約1mにおいてはT4 の値が小さく、バーナから約1.5m以上離れた場所ではT4 の値がバーナから離れるに従って上昇傾向にあった。このような分布では、バーナ近傍の被加熱物の加熱不足が問題になる。またCO濃度については、測定中に0〜200ppmの間で変化した。これは、火炎がリフトして燃焼場所が移動しながら炉内の様々な場所で燃焼が行われた結果と推定され、燃焼器としては好ましくない。なお、NOx濃度は40ppmで環境規制値に対して十分に低い値であった。
【0037】
また、同様の実験を前記第1従来例の蓄熱式バーナにて、1次燃料流量の総燃料流量に対する比率を10%として実施した場合には、結果を表2中の比較例1及び図3中の細い実線で示すように、T4 分布は、バーナ近傍部約1m以内において1次火炎の存在により値が大きく、バーナから離れるにつれて減少する傾向にあった。このような分布では、バーナ近傍の被加熱物の過加熱が懸念される。またCO濃度については、常時0ppmであった。なお、NOx濃度は50ppmで環境規制値に対して十分に低い値であったが、比較例2のものよりは高かった。このように、比較例1及び比較例2の場合、T4 分布が全く異なり、いずれも問題がある。
【0038】
これに対し、本発明に係る蓄熱式バーナにおいては、1次燃料流量をゼロ(0)とし、かつ2本の2次燃料供給配管の流量を等量とした場合、結果を表2中の条件1及び図3中の太い破線で示すように、T4 分布は、バーナ近傍部約1m以内で比較例2のものより十分に値が大きく、かつバーナ直近では比較例1のものより値が小さくなっていて過加熱が防止されている。さらに、バーナから1m以上離れた場所では、T4 分布がほぼ平坦であるので好ましい。またCO濃度についても常時0ppmであった。なお、NOx濃度は40ppmで、比較例2のものと同等であった。
【0039】
また、1次燃料流量をゼロ(0)とし、かつ2本の2次燃料供給配管の流量を2:1とした場合は、結果を表2中の条件2及び図3中の太い実線で示すように、T4 分布は、バーナ近傍部約1〜2mにおいて最大値をもち、2mより遠い場所では減少傾向にあった。この分布は、バーナ近傍でのT4 の値が比較例2のものより十分に大きく、かつバーナ直近では比較例1のものより値が小さいことから好ましい。さらに、バーナから2m以上離れた場所では、T4 分布が他のどの実験例より低く、これまでみられなかったT4 分布態様が実現でき、選択肢として価値がある。またCO濃度についても常時0ppmであった。なお、NOx濃度は43ppmで、比較例2のものとほぼ同等であった。
【0040】
以上の結果から、本発明によれば、従来技術によるT4 分布の欠点を克服して、様々なT4 分布の形成も可能であることが判明した。また予熱空気の温度が燃料の自己着火温度以上の場合には、1次燃料流量をゼロ(0)として燃焼させることで、NOx発生量についても抑制できることが分かった。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、各2次燃料ノズルの配管先端の噴出口に、噴射する2次燃料の周りから保炎空気を供給可能な流路を含む保炎機構を設けたので、2次燃焼火炎のリフトを防止しつつ、蓄熱式バーナの火炎からの輻射量の分布についてバーナ近傍においても十分な量を確保することができた。
また、1次と2次の燃料比率、さらには複数のノズルから供給される2次燃料の配分を可変としたので、輻射量の分布を変えることができた。このため、被加熱物の位置によらず、被加熱物を例えば目標とする温度に均一加熱することが可能となった。
さらに、予熱空気の温度が燃料の自己着火温度以上の場合は、1次燃料流量をゼロ(0)として燃焼させるようにしたので、NOx発生量についても、環境規制値に対して十分低い値となり、環境負荷が軽減された。
さらにまた、排ガス中の未燃分(主にCO)排出が無くなり、煤の発生や燃焼効率の低下が防止され、安全性の確保が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理の説明図である。
【図2】本発明の要部をリフトしない火炎と共に拡大して示す詳細図である。
【図3】本発明の蓄熱式バーナの燃焼用空気ノズル軸芯上の温度分布の測定結果を従来例と比較して示すグラフである。
【図4】リフトした火炎の模式図である。
【符号の説明】
3 蓄熱式バーナ
5c,5d 保炎空気ノズル
6 燃焼用空気ノズル
7 1次燃料ノズル
8A,8B 2次燃料ノズル
9 蓄熱体
14a,14b 2次燃料流量調節弁

Claims (2)

  1. バーナ個々に、燃料を1次と2次に分けて供給するための1次燃料ノズル及び2次燃料ノズルと、蓄熱体とを有し、これら蓄熱体を通して燃焼用空気の供給または燃焼ガスの排出を行い、かつ前記各蓄熱体に対する燃焼ガスおよび燃焼用空気の流れを相対的に切り替えて燃焼ガスの熱で加熱された蓄熱体を通して燃焼用空気を供給するようにした蓄熱式バーナであって、
    前記1次燃料ノズルを、前記燃焼用空気のノズル内で該燃焼用空気の流れの周りから噴射可能に設けるとともに、
    前記2次燃料ノズルを複数設け、かつこれら2次燃料ノズルには、それぞれその配管先端の噴出口に、噴射する2次燃料の周りから保炎空気を供給可能な流路を含む保炎機構を設けて、前記2次燃料ノズルの配管先端の噴出口から保炎空気と共に供給される2次燃料を前記燃焼用空気ノズルとは異なる場所から燃焼用空気ノズルとほぼ平行に炉内に直接吹き込み可能に構成するとともに、それぞれ2次燃料流量調節弁を設けたことを特徴とする蓄熱式バーナ。
  2. バーナ個々に燃料を1次と2次に分けて供給可能であるとともに蓄熱体を有し、ある時間には炉内ガスを吸引してその顕熱を蓄熱体に蓄え、別の時間には蓄えた顕熱を燃焼用空気に与えて高温の予熱空気を得て燃焼する蓄熱燃焼を繰り返す蓄熱式バーナによる燃焼方法であって、
    1次燃料は燃焼用空気とバーナ内で混合させて燃焼させ、
    2次燃料は燃焼用空気のノズルとは異なる複数ヶ所に設けられて噴射する該2次燃料の周りから保炎空気を供給可能な流路を含む保炎機構を有する2次燃料ノズルの吹き込み口より、各吹き込み口毎に2次燃料流量を調節し炉内に直接吹き込むことで燃焼させることを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼方法。
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