JP2004092744A - シェル形針状ころ軸受及びシェル形外輪の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングに組み込んだときに変形を抑制しつつ、軸受の動定格荷重を低下させることなく、適切に動作可能なシェル形針状ころ軸受及びシェル形外輪の製造装置を提供する。
【解決手段】シェル形外輪12において、針状ころ13が転動する軌道面のある中央部12cの肉厚(t1)を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング8にシェル形針状ころ軸受11を組み込んだ際に、ピストン孔8bが変形するなど悪影響を抑制できる。一方、シェル形外輪12の針状ころ13が転動する軌道面のある中央部12cの肉厚(t1)より、軸線方向端部12a,12bの肉厚(t2)を厚くすることで、長寿命を確保するために針状ころ13の外径dを大きくした場合にも、動作時に針状ころ13がシェル形外輪12の折り返された端部12a,12bに乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受11の円滑な動作を確保できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の自動変速機や電装部品等、その他産業機械等に用いられるシェル形針状ころ軸受及びシェル形外輪の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の自動変速機や電装部品等、その他産業機械などにおいて使用されるシェル形針状ころ軸受は、ハウジングと軸との間の空間が狭くても組み込むことができるため、装置全体のコンパクト化を図れるというメリットがある。
【0003】
ところで、特開2000−2250に、スクロールコンプレッサに用いられると好適なシェル形針状ころ軸受が開示されている。図5は、かかるシェル形針状ころ軸受の断面図である。図5において、シェル形針状ころ軸受1は、円筒状体の軸線方向両端部2a,2bが半径方向内方に折り返されたシェル形外輪2と、シェル形外輪2の内側に全周に亘って複数配置された針状ころ3と、シェル形外輪2の内側に挿入されて針状ころ3を回転自在に支持する保持器4とで構成されている。
【0004】
この従来技術のシェル形針状ころ軸受1においては、針状ころ3の軸線方向両端に、折り返したシェル形外輪2の両端部2a、2bを対向させ、針状ころ3及び保持器4の軸線方向の抜けを防止している。又、シェル形外輪2の軸線方向両端部2a,2aを折り返すことで、軸受外部からころ3及びシェル形外輪2の内周面に供給される潤滑油量を極力確保するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術のシェル形針状ころ軸受1には、以下に述べるような問題がある。図6は、シェル形針状ころ軸受1を、例えばカーエアコン用コンプレッサのハウジングに組み込んだ状態で軸線直角方向に切断した図である。図6を参照して、かかる問題について説明する。
【0006】
図6において、円筒状のハウジング8は、中央に軸受孔8aを有し、その周囲に4つのピストン孔8bを等間隔に形成している。軸受孔8a内にシェル形針状ころ軸受1を圧入した後、軸9を挿入することで組み付けが行われるが、かかる場合、カーエアコン用コンプレッサの能力を確保しつつ、なるべくハウジング8の外径を抑えるには、軸受孔8aとピストン孔8bとの間隔を狭める必要がある。すると、この部分の剛性が低下し、シェル形外輪2の肉厚t(図5)が比較的厚く剛性が高い場合には、外径のバラツキによっては、図6の矢印Aで示すように、ピストン孔8b内周面におけるハウジング8の軸線側が無視できない程度に出っ張ってしまい、真円度が悪化して、内部で摺動するピストン等と干渉する恐れがある。
【0007】
かかる不具合を回避するために、シェル形針状ころ軸受1の外径寸法公差を抑えると、その製造コストが増大するという問題が生じる。そこで、本発明者は、シェル形外輪2の肉厚t(図5)を薄くして、その剛性を低下させることで、組み付け時にピストン孔8bの変形を抑制することを見いだした。しかし、肉厚tを薄くした場合、シェル形外輪2の両端部2a、2bを折り返したときに、針状ころ3の端面に当接する部分の厚さも薄くなり、シェル形針状ころ軸受1の動作時に、軌道面に沿って転動する針状ころ3が端部2a又は2bに乗り上がり、動作不良を生じさせる恐れがあることが分かった。このような不具合を回避するには、針状ころ3の外径d(図5)を小さくすることが考えられるが、それにより軸受の動定格荷重が低下し、寿命が短くなるという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ハウジングに組み込んだときに変形を抑制しつつ、軸受の動定格荷重を低下させることなく、適切に動作可能なシェル形針状ころ軸受及びシェル形外輪の製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明のシェル形針状ころ軸受は、
シェル形外輪と、前記シェル形外輪の軌道面に沿って転動自在な複数のころと、前記ころを保持する保持器とを有するシェル形針状ころ軸受において、
前記シェル形外輪は、前記ころが転動する軌道面のある部位の肉厚よりも、軸線方向端部の肉厚の方が厚いことを特徴とする。
【0010】
第2の本発明のシェル形針状ころ軸受の製造装置は、
シェル形針状ころ軸受に用いるシェル形外輪の製造装置において、素材を絞り加工するパンチとダイスとを有し、
シェル形外輪の軸線方向端部を形成する前記ダイスの第1の内周面の内径と、シェル形外輪の中央部を形成する前記ダイスの第2の内周面の内径との差に対し、シェル形外輪の前記軸線方向端部を形成する前記パンチの第1の外周面の外径と、シェル形外輪の前記中央部を形成する前記パンチの第2の外周面の外径との差をより小さくしたことを特徴とする。
【0011】
第3の本発明のシェル形針状ころ軸受は、
シェル形外輪と、前記シェル形外輪の軌道面に沿って転動自在な複数のころと、前記ころを保持する保持器とを有するシェル形針状ころ軸受において、
前記シェル形外輪の軸線方向端部は、第1の折り返し部で前記ころに向かうように折り返され、且つ第2の折り返し部で、前記第1の折り返し部とは逆の方向に折り返されていることを特徴とする。
【0012】
【作用】
第1の本発明のシェル形針状ころ軸受によれば、以下の効果が得られる。すなわち、前記ころが転動する軌道面のある部位(一般的には中央部)の肉厚を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング等に前記シェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジングの変形等の悪影響を抑制できる。一方、前記シェル形外輪の前記ころが転動する軌道面のある部位の肉厚より、前記軸線方向端部の肉厚を厚くすることで、長寿命を確保するために前記針状ころの外径を大きくした場合にも、動作時に前記針状ころが前記シェル形外輪の折り返された端部に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【0013】
第2の本発明のシェル形針状ころ軸受の製造装置によれば、以下の効果が得られる。すなわち、かかる製造装置により加工されたシェル形外輪の中央部(例えば前記ころが転動する軌道面のある部位)の肉厚を薄くすることで、針状ころと保持器とを組み込むことで製造されるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング等に前記シェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジングの変形等の悪影響を抑制できる。一方、かかる製造装置により加工されたシェル形外輪の前記中央部の肉厚より、前記軸線方向端部の肉厚を厚くすることで、長寿命を確保するために前記針状ころの外径を大きくした場合にも、動作時に前記針状ころが前記シェル形外輪の折り返された端部に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【0014】
第3の本発明のシェル形針状ころ軸受によれば、以下の効果が得られる。すなわち、前記ころが転動する軌道面のある部位(一般的には中央部)の肉厚を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング等に前記シェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジングの変形等の悪影響を抑制できる。一方、前記シェル形外輪の軸線方向端部は、第1の折り返し部で前記ころに向かうように折り返され、且つ第2の折り返し部で、前記第1の折り返し部とは逆の方向に折り返されているので、長寿命を確保するために前記針状ころの外径を大きくした場合にも、動作時に前記針状ころが前記シェル形外輪の折り返された端部に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態にかかるシェル形針状ころ軸受の断面図である。図2は、本実施の形態にかかるシェル形針状ころ軸受を、例えばカーエアコン用コンプレッサのハウジングに組み込んだ状態で軸線直角方向に切断した図である。図1において、シェル形針状ころ軸受11は、円筒状体の軸線方向両端部12a,12bが半径方向内方に折り返されたシェル形外輪12と、シェル形外輪12の内側に全周に亘って複数配置された針状ころ13と、シェル形外輪12の内側に挿入されて針状ころ13を回転自在に支持する保持器14とで構成されている。
【0016】
本実施の形態のシェル形針状ころ軸受11において、針状ころ13の軸線方向両端に、折り返したシェル形外輪12の両端部12a、12bを対向させ、針状ころ13及び保持器14の軸線方向の抜けを防止している。又、シェル形外輪12の軸線方向両端部12a,12bを折り返すことで、軸受外部からころ13及びシェル形外輪12の内周面に供給される潤滑油量を極力確保するようになっている。
【0017】
特に、図1に示すように、本実施の形態にかかるシェル形外輪12は、針状ころ13の軌道面を形成する中央部12cの肉厚t1が、軸線方向端部12a,12bの肉厚t2より薄い(t1<t2)という特徴を有する。このようなシェル形外輪12の製造方法について説明する。
【0018】
図3は、シェル形外輪12を製造する製造固定を示す図であり、図3(a)には、絞り加工の工程を示し、図3(b)には、打ち抜き加工の工程を示し、図3(c)には、剪断及び折り曲げ工程を示す。尚、理解しやすいように、図3において、シェル形外輪は実際より厚めに描かれている。
【0019】
図3(a)に示す絞り加工を行う製造装置において、ダイス21は、同軸に配置され内径が異なる袋孔状の中孔21aと大孔21bとを有する。中孔21aの内周面が、シェル形外輪12の中央部12cの外周面を形成する第2の内周面であり、大孔21bの内周面が、シェル形外輪12の一方の(カール側)端部12bの外周面を形成する第1の内周面である。尚、中孔21aの上部はなめらかに拡径するように、その断面が円弧状(直線状でも良い)の輪郭となっており、大孔21bの上部もなめらかに拡径するように、その断面が円弧状の輪郭となっている。
【0020】
一方、パンチ22は、同軸に配置され外径が異なる中円筒22aと大円筒22bとを有する。中円筒22aの外周面が、シェル形外輪12の中央部12cの内周面を形成する第2の外周面であり、且つシェル形外輪12の一方の端部12bの内周面を形成する第1の外周面である。
【0021】
ここで、ダイス21の中孔21aの内周面内径をD1とし、大孔21bの内周面内径をD2とし、パンチ22の中円筒22aの内周面内径をD3としたときに、以下の関係が成立する。
(D1−D3)=2・t1<(D2−D3)=2・t2     (1)
【0022】
製造工程を説明すると、まず、円筒状の素材をダイス21に装填し、その中にパンチ22を挿入して絞り加工を行うことで、図3(a)に示すようなシェル形外輪12の一次成形品が得られる。特に、パンチ21をしごくことで、素材が流動し中央部から軸線方向端部側に移動するので、軸線方向端部側の肉厚を効率的に増大させることができる。また、ダイス21に対するパンチ22の押し込み量を調整することで、中孔21aの底部とパンチ22の中円筒22aの先端との間に、隙間t2(図3(a))を形成すれば、他方の(ボトム側)端部12aに所望の肉厚を与えることができる。
【0023】
こうして出来上がったカップ状の1次成形品を、図3(b)に示すように、別なダイス23に装填し、且つ径の小さなパンチ24を用いて、底部を打ち抜き加工して2次成形品を得る。かかる2次成形品は、図3(c)に示すように、矢印Aの位置でカットされ、軸線方向両端部が矢印B、Cのように折り曲げられることで、シェル形外輪12に形成される。
【0024】
図4は、変形例を示す図3(a)と同様な図である。本変形例では、ダイス21の形状は、図3(a)に示す製造装置と同様であるが、パンチ22’の形状が異なっている。より具体的には、パンチ22’は、中円筒22a’と大円筒22b’との間に、中円筒22a’の外径より大径だが、大円筒22b’の外径より小径の短円筒22c’を介在させている点が異なる。従って、本変形例では、中円筒22a’の外周面が、シェル形外輪12の中央部12cの内周面を形成する第2の外周面であり、短円筒22c’の外周面が、シェル形外輪12の一方の端部12bの内周面を形成する第1の外周面である。
【0025】
ここで、ダイス21の中孔21aの内周面内径をD1とし、大孔21bの内周面内径をD2とし、パンチ22’の中円筒22a’の外周面外径をD3とし、短円筒22c’の外周面外径をD4としたときに、以下の関係が成立する。
(D1−D3)=2・t1<(D2−D4)=2・t2     (2)
【0026】
図2に示すように、円筒状のハウジング8の軸受孔8a内に軸9に嵌合させたシェル形針状ころ軸受11を圧入することで組み付けが行われるが、シェル形外輪12において、針状ころ13ころが転動する軌道面のある中央部12cの肉厚(t1)を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング8にシェル形針状ころ軸受11を組み込んだ際に、ピストン孔8bが変形するなど悪影響を抑制できる。一方、シェル形外輪12の針状ころ13が転動する軌道面のある中央部12cの肉厚(t1)より、軸線方向端部12a,12bの肉厚(t2)を厚くすることで、長寿命を確保するために針状ころ13の外径dを大きくした場合にも、動作時に針状ころ13がシェル形外輪12の折り返された端部12a,12bに乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受11の円滑な動作を確保できる。
【0027】
図7は、例えば図4に示す製造工程を経て得られたシェル形外輪12の端部形状を拡大して示す図である。シェル形外輪12の端部12bを折り曲げたとき、通常は、図に点線で示すような連続した形状になるが、パンチ22’(図4)の押圧力によっては、連続せず段部12dが形成されるようになる。しかし、段部12dが形成されても機能上は特に問題がないため、シェル形外輪12は、図1,7に示す形状のいずれでもよい。尚、図3(a)に示す製造工程を経て得られたシェル形外輪12の端部においては、シェル形外輪12の軌道面を延長した内周面と端部12bとの隙間13は、より小さいかもしくは存在しない。
【0028】
図8は、第2の実施の形態にかかるシェル形針状ころ軸受の軸線方向端部の拡大断面図である。本実施の形態においては、シェル形外輪12’のカール側端部12b’(図示していないがボトム側端部も同様であって良い)の肉厚t1は、その軌道面のある部位の肉厚t1と等しくなっている。更に、シェル形外輪12’のカール側端部12b’は、第1の折り返し部12e’でころ13に向かうように折り返され、且つ第2の折り返し部12f’で、第1の折り返し部12e’とは逆の方向に折り返されている。その他の構成に関しては、上述した実施の形態と共通するため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
すなわち、シェル形外輪12’のころ13が転動する軌道面のある部位(中央部)の肉厚t1を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング8(図2)等にシェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジング8の変形等の悪影響を抑制できる。一方、シェル形外輪12’の軸線方向端部12b’は、第1の折り返し部12e’でころ13に向かうように折り返され、且つ第2の折り返し部12f’で、第1の折り返し部12f’とは逆の方向に折り返されているので、長寿命を確保するために針状ころ13の外径を大きくした場合にも、動作時に針状ころ13がシェル形外輪12’の折り返された端部12b’に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【0030】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その発明の範囲内で変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】
第1の本発明のシェル形針状ころ軸受によれば、以下の効果が得られる。すなわち、前記ころが転動する軌道面のある部位の肉厚を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング等に前記シェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジングの変形等の悪影響を抑制できる。一方、前記シェル形外輪の前記ころが転動する軌道面のある部位の肉厚より、前記軸線方向端部の肉厚を厚くすることで、長寿命を確保するために前記針状ころの外径を大きくした場合にも、動作時に前記針状ころが前記シェル形外輪の折り返された端部に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【0032】
第2の本発明のシェル形針状ころ軸受の製造装置によれば、以下の効果が得られる。すなわち、かかる製造装置により加工されたシェル形外輪の中央部(例えば前記ころが転動する軌道面のある部位)の肉厚を薄くすることで、針状ころと保持器とを組み込むことで製造されるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング等に前記シェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジングの変形等の悪影響を抑制できる。一方、かかる製造装置により加工されたシェル形外輪の前記中央部の肉厚より、前記軸線方向端部の肉厚を厚くすることで、長寿命を確保するために前記針状ころの外径を大きくした場合にも、動作時に前記針状ころが前記シェル形外輪の折り返された端部に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【0033】
第3の本発明のシェル形針状ころ軸受によれば、以下の効果が得られる。すなわち、前記ころが転動する軌道面のある部位(一般的には中央部)の肉厚を薄くすることで、かかるシェル形針状ころ軸受の剛性が低下するため、比較的変形しやすいハウジング等に前記シェル形針状ころ軸受を組み込んだ場合にも、ハウジングの変形等の悪影響を抑制できる。一方、前記シェル形外輪の軸線方向端部は、第1の折り返し部で前記ころに向かうように折り返され、且つ第2の折り返し部で、前記第1の折り返し部とは逆の方向に折り返されているので、長寿命を確保するために前記針状ころの外径を大きくした場合にも、動作時に前記針状ころが前記シェル形外輪の折り返された端部に乗り上がることを抑制でき、それによりシェル形針状ころ軸受の円滑な動作を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるシェル形針状ころ軸受の断面図である。
【図2】本実施の形態にかかるシェル形針状ころ軸受を、例えばカーエアコン用コンプレッサのハウジングに組み込んだ状態で軸線直角方向に切断した図である。
【図3】シェル形外輪12を製造する製造装置の断面図である。
【図4】変形例を示す図3(a)と同様な図である。
【図5】従来技術にかかるシェル形針状ころ軸受の断面図である。
【図6】従来技術にかかるシェル形針状ころ軸受を、例えばカーエアコン用コンプレッサのハウジングに組み込んだ状態で軸線直角方向に切断した図である。
【図7】図1におけるシェル形針状ころ軸受11のシェル形外輪12の端部形状を拡大して示す図である。
【図8】第2の実施の形態にかかるシェル形針状ころ軸受の軸線方向端部の拡大断面図である。
【符号の説明】
11 シェル形針状ころ軸受
12、12’ シェル形外輪
13 針状ころ
14 保持器
21,23 ダイス
22,24 パンチ

Claims (3)

  1. シェル形外輪と、前記シェル形外輪の軌道面に沿って転動自在な複数のころと、前記ころを保持する保持器とを有するシェル形針状ころ軸受において、
    前記シェル形外輪は、前記ころが転動する軌道面のある部位の肉厚よりも、軸線方向端部の肉厚の方が厚いことを特徴とするシェル形針状ころ軸受。
  2. シェル形針状ころ軸受に用いるシェル形外輪の製造装置において、素材を絞り加工するパンチとダイスとを有し、
    シェル形外輪の軸線方向端部を形成する前記ダイスの第1の内周面の内径と、シェル形外輪の中央部を形成する前記ダイスの第2の内周面の内径との差に対し、シェル形外輪の前記軸線方向端部を形成する前記パンチの第1の外周面の外径と、シェル形外輪の前記中央部を形成する前記パンチの第2の外周面の外径との差をより小さくしたことを特徴とするシェル形外輪の製造装置。
  3. シェル形外輪と、前記シェル形外輪の軌道面に沿って転動自在な複数のころと、前記ころを保持する保持器とを有するシェル形針状ころ軸受において、
    前記シェル形外輪の軸線方向端部は、第1の折り返し部で前記ころに向かうように折り返され、且つ第2の折り返し部で、前記第1の折り返し部とは逆の方向に折り返されていることを特徴とするシェル形針状ころ軸受。
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