JP2010031935A - スラストころ軸受およびその保持器 - Google Patents

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晃央 加藤
Kazuyuki Yamamoto
和之 山本
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Abstract

【課題】保持器強度を十分確保し潤滑性の向上が可能なスラストころ軸受を提供する。
【解決手段】2枚の保持器構成板11,12からなる保持器10を有し、その円周方向に並ぶポケット13にころ4が保持される。第1の保持器構成板11は、内外径側に位置する周縁側平坦部11a,11bと、各周縁側平坦部11a,11bから軸方向に偏った中央平坦部11cを有する。第2の保持器構成板12は、各周縁側平坦部11a,11bと重なる連続平坦部12aと、その内外周縁から折り返された各折返し部12b,12cを有する。各折返し部12b,12cと連続平坦部12aの間に、保持器構成板11の各周縁側平坦部11a,11bが挟み込まれる。各折返し部12b,12c、各周縁側平坦部11a,11b、および連続平坦部12aの両周縁の少なくともいずれか1箇所以上の板厚を、各保持器構成板11,12の半径方向の中間部板厚よりも薄くする。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用トランスミッション、トルクコンバーター、カーエアコン用コンプレッサー等に使用されるスラストころ軸受、およびその保持器に関する。
従来のスラストころ軸受として、例えば図5に示すように2枚の保持器構成板21,22を軸方向に重ねて箱型保持器30としたものが知られている。
また、このように箱型保持器30としたスラストころ軸受において、潤滑性を向上させたものとして、図6に示す構成のものが提案されている(例えば特許文献1)。このスラストころ軸受では、保持器30における外径側部および内径側部の軸方向厚さt1,t2が、ころ保持部となる半径方向の中間部での軸方向厚さt0よりも薄く形成されている。この構成によると、図5のスラストころ軸受に比べて、ころ24の表面が保持器30からより多く露出するので、潤滑性の向上が見込める。
特開2002−70872号公報
箱型保持器としたスラストころ軸受では、保持器30における外径側部や内径側部の軸方向厚さを図6のように薄くするほど、ころ24の表面が多く露出して潤滑性が向上するが、それでは例えば保持器30の内径側部において上下の保持器構成板21、22の軸方向に延びる円筒部21b,22bの接合面積が減り、高速回転時などにおいて、2枚の保持器構成板21,22が径方向にずれるおそれがある。
この発明の目的は、保持器の強度を十分確保しつつ潤滑性の向上が可能なスラストころ軸受を提供することである。
この発明のスラストころ軸受は、互いに軸方向に重なる少なくとも第1の保持器構成板および第2の保持器構成板からなる保持器における円周方向複数箇所にポケットが設けられ、これら各ポケットにころが保持されたスラストころ軸受であって、前記第1の保持器構成板は、互いに内径側および外径側に位置しそれぞれ軸方向に向く平板状の部分である2つの周縁側平坦部と、これら両周縁側平坦部に対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部を有し、前記第2の保持器構成板は、第1の保持器構成板の中央平坦部の偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板の両周縁側平坦部にわたって重なる連続平坦部を有し、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の内周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の外周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む外径側折返し部とを設け、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚よりも薄くしたことを特徴とする。
この構成によると、保持器を構成する第1および第2の保持器構成板のいずれか一方または両方の保持器構成板が、その内周縁および外周縁から折り返されて、いずれか一方の保持器構成板の平坦部とでいずれか他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と外径側折返し部を有するので、保持器の強度を十分確保できて、高速回転時などにおいて、第1および第2の保持器構成板が径方向にずれるおそれはない。
また、前記従来のスラストころ軸受の保持器が略長方形の断面の箱型保持器であるのに対して、このスラストころ軸受における保持器では、断面が略三角形状となっていることから、ころの表面を保持器から多く露出させることができて十分な通油性を確保することができる。
とくに、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の内外周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、第1および第2の保持器構成板の半径方向の中間部の板厚のいずれか一方よりも薄くされているので、ころの保持部となる各保持器構成板の半径方向中間部の強度を保った状態でころの表面を保持器からより多く露出させることができ、さらに十分な通油性を確保することができる。一方の保持器構成板の折返し部と平坦部とで挟み込まれる他方の保持器構成板の部分が平坦部とされていることからも、保持器の内径部および外径部の全体の軸方向厚さを薄くでき、ころの表面を保持器からより多く露出させることができる。これにより、保持器の強度を十分確保しつつ潤滑性の向上が可能となる。
この発明において、前記内径側折返し部および外径側折返し部は、前記保持器構成板の全周にわたって有するものとしても良い。
この発明において、前記内径側折返し部および外径側折返し部は、互いに軸方向の同一方向に折り返されたものであっても良い。
この発明において、前記内径側折返し部および外径側折返し部は、前記保持器構成板の平板状部を折り返して形成されるものであっても良い。この構成の場合、折り返し前に平板状部を薄くしておくことにより、内径側折返し部および外径側折返し部の板厚を、第1および第2の保持器構成板の径方向中間部の板厚よりも薄くする作業を容易に行うことができる。
この発明において、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚の50〜95%としても良い。
この発明において、前記第1および第2の保持器構成板の半径方向の中間部の板厚を互いに異ならせても良い。
この発明において、平板状の軌道板部およびこの軌道板部の内周縁から延びる円筒部を有する内輪と、この内輪の軌道板部に対面する平板状の軌道板部およびこの軌道板部の外周縁から内輪側へ延びる円筒部を有する外輪と,前記保持器と、前記ころとを備え、前記内輪および外輪の軌道板部の間に、前記保持器に保持された各ころが介在し、互いに相対回転する一対の軌道輪支持部材に前記内輪および外輪がそれぞれ支持されるスラストころ軸受であって、このスラストころ軸受の軸方向の給油側となる向きに、前記第1の保持器構成板の中央平坦部を向けて前記保持器を配置しても良い。
この構成の場合、保持器からころ表面の多く露出する側が給油側に向くことになるので、給油効率が良くなり、潤滑性がさらに向上する。
この発明のスラストころ軸受用保持器は、互いに軸方向に重なる少なくとも第1の保持器構成板および第2の保持器構成板からなり、複数のころがそれぞれ保持されるポケットが円周方向複数箇所に設けられたスラストころ軸受用保持器であって、前記第1の保持器構成板は、互いに内径側および外径側に位置しそれぞれ軸方向に向く平板状の部分である2つの周縁側平坦部と、これら両周縁側平坦部に対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部を有し、前記第2の保持器構成板は、第1の保持器構成板の中央平坦部の偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板の両周縁側平坦部にわたって重なる連続平坦部を有し、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の内周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の外周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む外径側折返し部とを設け、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚よりも薄くしたことを特徴とする。
この構成によると、強度を十分確保しつつ潤滑性の向上が可能なスラストころ軸受用保持器とすることができる。
この発明のスラストころ軸受は、互いに軸方向に重なる少なくとも第1の保持器構成板および第2の保持器構成板からなる保持器における円周方向複数箇所にポケットが設けられ、これら各ポケットにころが保持されたスラストころ軸受であって、前記第1の保持器構成板は、互いに内径側および外径側に位置しそれぞれ軸方向に向く平板状の部分である2つの周縁側平坦部と、これら両周縁側平坦部に対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部を有し、前記第2の保持器構成板は、第1の保持器構成板の中央平坦部の偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板の両周縁側平坦部にわたって重なる連続平坦部を有し、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の内周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の外周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む外径側折返し部とを設け、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚よりも薄くしたため、保持器の強度を十分確保しつつ潤滑性の向上が可能である。
この発明のスラストころ軸受用保持器は、互いに軸方向に重なる少なくとも第1の保持器構成板および第2の保持器構成板からなり、複数のころがそれぞれ保持されるポケットが円周方向複数箇所に設けられたスラストころ軸受用保持器であって、前記第1の保持器構成板は、互いに内径側および外径側に位置しそれぞれ軸方向に向く平板状の部分である2つの周縁側平坦部と、これら両周縁側平坦部に対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部を有し、前記第2の保持器構成板は、第1の保持器構成板の中央平坦部の偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板の両周縁側平坦部にわたって重なる連続平坦部を有し、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の内周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の外周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む外径側折返し部とを設け、前記両折り返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚よりも薄くしたため、保持器の強度を十分確保しつつ潤滑性の向上が可能である。
この発明の一実施形態を図1と共に説明する。図1は、この実施形態のスラストころ軸受の断面図を示す。このスラストころ軸受1は、環状の保持器10と、この保持器10に保持されたころ4とからなる、つまり保持器付きころだけからなるケージ&ローラー形式のスラストころ軸受である。保持器10は、互いに軸方向に重なる少なくとも環状の第1の保持器構成板11と第2の保持器構成板12とでなり、円周方向複数箇所に設けられた各ポケット13にころ4が保持される。
第1の保持器構成板11は、2つの周縁側平坦部11a,11bと、中央平坦部11cと、内径側連続部11dと、外径側連続部11eとでなる断面形状とされている。2つの周縁側平坦部11a,11bは、互いに内径側および外径側に位置し、それぞれ軸方向を向く平板状の部分である。中央平坦部11cは、内径側に位置する周縁側平坦部11aおよび外径側に位置する周縁側平坦部11bに対して半径方向の中間にあって、軸方向に偏って位置する平板状の部分である。内径側連続部11dは、内径側に位置する周縁側平坦部11aの外周縁から中央平坦部11cの内周縁に続く傾斜部分である。外径側連続部11eは、中央平坦部11cの外周縁から外形側に位置する周縁側平坦部11bの内周縁に続く傾斜部分である。
第2の保持器構成板12は、連続平坦部12aと、内径側折返し部12bと、外径側折り返し部12cとでなる断面形状とされている。連続平坦部12aは、第1の保持器構成板11の中央平坦部11cの偏り方向と反対側の面で、第1の保持器構成板11の2つの周縁側平坦部11a,11bにわたって重なる部分である。内径側折返し部12bは、連続平坦部12aの内周縁から延びる平板状部を折り返して形成される部分である。外径側折返し部12cは、連続平坦部12aの外周縁から延びる平板状部を折り返して形成される部分である。これら両折返し部12b,12cは、例えば加締治具を用いた加締処理により折り返される。内径側折返し部12bと連続平坦部12aとの間に、第1の保持器構成板11の内径側に位置する周縁側平坦部11aが挟み込まれる。また、外径側折返し部12cと連続平坦部12aとの間に、第1の保持器構成板11の外径側に位置する周縁側平坦部11bが挟み込まれる。内径側折返し部12bおよび外径側折返し部12cは、第1保持器構成板11の全周にわたって有するものとされる。
ころ4を保持する保持器10のポケット13は、第1の保持器構成板11にプレス加工により打ち抜き形成されたポケット孔14と、第2の保持器構成板12にプレス加工により打ち抜き形成されたポケット孔15とでなる。これら第1および第2の保持器構成板11,12のポケット孔14,15は、第1の保持器構成板11および第2の保持器構成板12が図1において折り返し部が形成される前の形状に成形された後、打ち抜き用のプレス型(図示せず)を用いたプレス加工により打ち抜き形成される。その後、第1の保持器構成板11および第2の保持器構成板12が加締められ、折り返し部が形成される。ここで、各ポケット孔14,15の打ち抜き加工は、保持器構成板11,12の加締め(折り返し部形成)後に纏めて行っても良く、また保持器構成板11,12の各部成形前に行っても良い。
このスラストころ軸受では、軸方向に対向配置され互いに相対回転する一対の相手部材7,8が、ころ4の接触する転走面となるように、両部材7,8間に保持器10が配置される。
前記内周側折返し部12b(板厚t12b )、外周側折返し部12c(板厚t12c )、前記内径側に位置する周縁側平坦部11a(板厚t11a )、外径側に位置する周縁側平坦部11b(板厚t11b )、および連続平坦部12aの内周縁(板厚t12aa)と外周縁(板厚(t12ab)のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚は、第1および第2の保持器構成板11,12の半径方向の中間部の板厚t11c ,t12a のいずれか一方よりも薄くされている。ここでは、両折返し部12b,12cの板厚t12b ,t12c 、両周縁側平坦部11a,11bの板厚t11a ,t11b が、第1および第2の保持器構成板11,12の半径方向の中間部の板厚t11c ,t12a よりも薄く(具体的には、板厚t11c ,t12a の50〜95%)されている。
両折返し部12b,12cの板厚t12b ,t12c は、折り曲げ時に薄く延ばしながら加締処理することによって、第1および第2の保持器構成板11,12の半径方向の中間部の板厚t11c ,t12a よりも薄くされる。このほか、両折返し部12b,12cとなる折り返し前の平板状部の板厚を予め薄くしておくようにしても良い。
また、ここでは、第1および第2の保持器構成板11,12の半径方向の中間部の板厚t11c ,t12a は略同じとされているが、これらの板厚を互いに異ならせても良い。
この構成のスラストころ軸受1によると、互いに軸方向に重なる第1および第2の保持器構成板11,12からなりころ4を保持する保持器10において、例えば図1のように、第2の保持器構成板12の連続平坦部12aと、その内周縁および外周縁から折り返されされた内径側折返し部12bおよび外径側折返し部12cとで、第1の保持器構成板11の内径側および外径側に位置する両周縁側平坦部を挟み込むようにしているので、保持器10の強度を十分確保できて、高速回転時などにおいて、第1および第2の保持器構成板11,12が径方向にずれるおそれはない。内径側折返し部が第1の保持器構成板11の内周縁に形成される場合、あるいは外径側折返し部が第1の保持器構成板11の外周縁に形成される場合、あるいは両折返し部が第1の保持器構成板11の内外縁に形成される場合でも同様である。
また、図5や図6に例示した従来のスラストころ軸受では保持器が略長方形の断面の箱型保持器であるのに対して、このスラストころ軸受1における保持器10では、第1の保持器構成板11が、内径側および外径側に位置する2つの周縁側平坦部11a,11bと、これら両周縁側平坦部11a,11bに対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部11cを有し、第2の保持器構成板12が、第1の保持器構成板11の中央平坦部11cの偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板11の両周縁側平坦部11a,11bにわたって重なる連続平坦部12aを有しており、断面が略三角形状となっていることから、ころ4の表面を保持器10から多く露出させることができて十分な通油性を確保することができる。
とくに、前記両折返し部12b,12c(板厚t12b )、前記両周縁側平坦部11a,11b(板厚t12c )、および連続平坦部12aの内外周縁(板厚t12aa,t12ab)のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚が、第1および第2の保持器構成板11,12の半径方向の中間部の板厚t11c ,t12a のいずれか一方よりも薄くされているので、ころ4の保持部となる各保持器構成板11,12の半径方向中間部の強度を保った状態でころ4の表面を保持器10からより多く露出させることができ、さらに十分な通油性を確保することができる。第2の保持器構成板12の各折返し部12b,12cと連続平坦部12aとで挟み込まれる第2の保持器構成板11の内外の周縁部がそれぞれ周縁側平坦部11a,11bとされていることからも、保持器10の内径部および外径部の全体の軸方向厚さを薄くでき、ころ4の表面を保持器10からより多く露出させることができる。これにより、保持器10の強度を十分確保しつつ潤滑性の向上が可能となる。
なお、この実施形態では、第2の保持器構成板12の連続平坦部12aの内径縁と外径縁に折曲げ部12b,12cを形成した場合、つまり両折曲げ部12b,12cが互いに軸方向の同一方向に折り返された場合を例示した。しかし、例えば図2に示すように、外径側折返し部11fとして、第1の保持器構成板11における外径側に位置する周縁側平坦部11bの外周縁を下側に折り返して、第2の保持器構成板12の連続平坦部12aの外径縁を挟み込むようにしても良い。また、図示は省略するが、内径側折返し部として、第1の保持器構成板11における内径側に位置する周縁側平坦部11aの内周縁を下側に折り返して、第2の保持器構成板12の連続平坦部12aの内径縁を挟み込むようにしても良い。また、さらに、他の例として、図3に示すように、第1の保持器構成板11の内外周縁を下側に折り返して内径側折返し部11g,および外径側折返し部11hを形成しても良い。
図4は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態のスラストころ軸受1Aでは、図1の保持器付きころ20に加えて、一方の軌道輪である環状の内輪2と、この内輪2と同心に配置される他方の軌道輪である環状の外輪3とを備える。内輪2は、平板状の軌道板部2aと、この軌道板部2aの内周縁から延びる円筒部2bとを有する断面逆L字状とされている。外輪3は、内輪2の軌道板部2aに対面する平板状の軌道板部3aと、この軌道板部3aの外周縁から内輪2側へ延びる円筒部3bとを有する断面L字状とされている。これら内輪2および外輪3の軌道板部2a,3aの間に、保持器10に保持されたころ4が介在して、保持器付きころ20と内外輪2,3とが非分離となった三位一体形のスラストころ軸受1Aが構成される。
前記内輪2および外輪3は、互いに相対回転する一対の軌道輪支持部材5,6の対向面にそれぞれ接して支持される。
このスラストころ軸受1Aの場合、内輪2の軌道板部2aの外周縁と、外輪3の円筒部3bの先端との間、つまり軸方向における内輪2の配置側でかつ外周縁側に給油用の開口16が設けられている。また、保持器付きころ20は、その第1の保持器構成板11の中央平坦部11cを給油側、つまり前記給油用の開口16が位置する軸方向に向けて配置されている。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
このように、保持器付きころ20と内外輪2,3とが非分離となった三位一体形のスラストころ軸受1Aにおいて、軸方向の給油側となる向きに、第1の保持器構成板11の中央平坦部11cを向けて保持器10を配置することにより、保持器10からころ4の表面の多く露出する側が給油側に向くことになるので、給油効率が良くなり、潤滑性がさらに向上する。
この発明の一実施形態にかかるスラストころ軸受の部分断面図である。 この発明の他の実刑形態にかかるスラストころ軸受の部分断面図である。 この発明のさらに他の実刑形態にかかるスラストころ軸受の部分断面図である。 この発明のさらに他の実刑形態にかかるスラストころ軸受の部分断面図である。 従来例の断面図である。 他の従来例の断面図である。
符号の説明
1,1A…スラストころ軸受
2…内輪
2a…軌道板部
2b…円筒部
3…外輪
3a…軌道板部
3b…円筒部
4…ころ
5,6…軌道輪支持部材
10…保持器
11…第1の保持器構成板
11a,11b…周縁側平坦部
11c…中央平坦部
11d…内径側連続部
11e…外径側連続部
12…第2の保持器構成板
12a…連続平坦部
12b…内径側折返し部
12c…外径側折返し部
13…ポケット
14,15…ポケット孔
16…給油用開口
20…保持器付きころ

Claims (8)

  1. 互いに軸方向に重なる少なくとも第1の保持器構成板および第2の保持器構成板からなる保持器における円周方向複数箇所にポケットが設けられ、これら各ポケットにころが保持されたスラストころ軸受であって、
    前記第1の保持器構成板は、互いに内径側および外径側に位置しそれぞれ軸方向に向く平板状の部分である2つの周縁側平坦部と、これら両周縁側平坦部に対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部を有し、
    前記第2の保持器構成板は、第1の保持器構成板の中央平坦部の偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板の両周縁側平坦部にわたって重なる連続平坦部を有し、
    前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の内周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の外周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む外径側折返し部とを設け、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚よりも薄くしたことを特徴とするスラストころ軸受。
  2. 請求項1において、前記内径側折返し部および外径側折返し部を、前記保持器構成板の全周にわたって有するスラストころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記内径側折返し部および外径側折返し部は、互いに軸方向の同一方向に折り返されたものであるスラストころ軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記内径側折返し部および外径側折返し部は、前記保持器構成板の平板状部を折り返して形成されるスラストころ軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚の50〜95%としたスラストころ軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記第1および第2の保持器構成板の半径方向の中間部の板厚を互いに異ならせたスラストころ軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、平板状の軌道板部およびこの軌道板部の内周縁から延びる円筒部を有する内輪と、この内輪の軌道板部に対面する平板状の軌道板部およびこの軌道板部の外周縁から内輪側へ延びる円筒部を有する外輪と、前記保持器と、前記ころとを備え、前記内輪および外輪の軌道板部の間に、前記保持器に保持された各ころが介在し、互いに相対回転する一対の軌道輪支持部材に前記内輪および外輪がそれぞれ支持されるスラストころ軸受であって、このスラストころ軸受の軸方向の給油側となる向きに、前記第1の保持器構成板の中央平坦部を向けて前記保持器を配置したスラストころ軸受。
  8. 互いに軸方向に重なる少なくとも第1の保持器構成板および第2の保持器構成板からなり、複数のころがそれぞれ保持されるポケットが円周方向複数箇所に設けられたスラストころ軸受用保持器であって、
    前記第1の保持器構成板は、互いに内径側および外径側に位置しそれぞれ軸方向に向く平板状の部分である2つの周縁側平坦部と、これら両周縁側平坦部に対して半径方向の中間にあって軸方向に偏った中央平坦部を有し、
    前記第2の保持器構成板は、第1の保持器構成板の中央平坦部の偏り方向と反対側の面で第1の保持器構成板の両周縁側平坦部にわたって重なる連続平坦部を有し、
    前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の内周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む内径側折返し部と、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の保持器構成板の外周縁から折り返されて、この保持器構成板の前記平坦部とで他方の保持器構成板の平坦部を挟み込む外径側折返し部とを設け、前記両折返し部、前記両周縁側平坦部、および連続平坦部の周縁のうち、少なくともいずれか1箇所の板厚を、前記第1および第2の保持器構成板のいずれか一方の半径方向の中間部の板厚よりも薄くしたことを特徴とするスラストころ軸受用保持器。
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