JP2004091809A - Cvd用液体原料供給装置および酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

Cvd用液体原料供給装置および酸化物超電導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気化器への液体原料の供給が途絶えるのを防止し、気化器から原料ガスを長期間に渡って連続的に供給できるCVD用液体原料供給装置の提供。
【解決手段】液体原料を貯溜する収納容器42と、容器42に貯溜された液体原料34が液体ポンプ35を経て供給される液体原料供給器30とを備えた液体原料供給ユニット10aと、液体原料供給器30に接続されてこの供給器30から供給された液体原料34を気化する気化器50とを具備する装置であって、1台の気化器50に対して液体原料供給ユニット10aが複数設けられ、複数の液体原料供給ユニット10aの各液体ポンプ35が液体ポンプ流量制御手段90に電気的に接続され、流量制御手段90は各液体ポンプ35から対応する液体原料供給器30に供給される液体原料34の流量に応じて気化器50に供給される液体原料34の合計量を制御可能な構成とされたCVD用液体原料供給装置。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相堆積法(CVD法)によって酸化物超電導薄膜や誘電体薄膜などの薄膜を基材上に成膜するために用いられるCVD用液体原料供給装置及び酸化物超電導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨界温度(Tc)が液体窒素温度(77K)より高い酸化物超電導体として、Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系などの酸化物超電導体が発見されている。そしてこれらの酸化物超電導体は、電力ケーブル、マグネット、エネルギー貯蔵、発電機、医療機器、電流リード等の分野に利用する目的で種々の研究が進められている。
【0003】
上記の酸化物超電導体の製造方法の1つとして、CVD法等の薄膜形成手段によって基材表面に酸化物超電導薄膜を成膜する方法が知られている。この種の薄膜形成手段により形成した酸化物超電導薄膜は、臨界電流密度(Jc)が大きく、優れた超電導特性を発揮することが知られている。
また、CVD法の中でも金属アルコキシドなどの有機金属錯体を原料として行うCVD法は、成膜速度が速いため、酸化物超電導薄膜の量産手法として注目されている。
【0004】
このようなCVD法による酸化物超電導体の製造方法において、一般的に使用される原料化合物としては、酸化物超電導体を構成する元素のβ−ジケトン化合物、シクロペンタジエニル化合物等が用いられ、例えば、Y−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体の製造にはY(thd)、Ba(thd)またはBa(thd)・phen、Cu(thd)等のβ−ジケトン化合物の有機物を金属元素に配位させた有機金属錯体が使用されている。(thd=2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、phen=フェナントロリン)
【0005】
上記のような有機金属錯体は室温では固体の原料であり、200〜300℃に加熱することにより、高い昇華特性を示すが、原料の純度や加熱時間による仕込み原料の表面積変化等により昇華効率が大きく左右されるため、得られる超電導薄膜の組成制御が困難であり、特性の再現性が不十分であった。
そこで、これら固体の有機物錯体を有機溶媒に溶解し、液体原料として用いることも考えられており、上記有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロパノール、トルエン、ジグリム(2,5,8−トリオキソノナン)、酢酸ブチル等の有機溶媒、あるいはこれらを一定量比で混ぜ合わせた混合溶媒が用いられていた。
特に、THFを溶媒とした液体原料は特願平5−184904号に記載されており、比較的高特性の薄膜を成膜できることが知られている。
【0006】
上記のようなTHF溶媒に有機金属錯体を溶解した液体原料を気化させてCVD反応装置へ供給するための従来のCVD用液体原料供給装置の例を図2に示す。
図2に示す液体原料供給装置100は、液体原料を気化器150内に供給する液体原料供給器130と、供給された液体原料を気化させて原料ガスにすると共に、この原料ガスを図示しないCVD反応装置内に供給する気化器150とから構成される。
【0007】
図2に示す液体原料供給器130は、本願発明者らにより、特願2000−132800号において提案されているもので、内部に液体原料が供給される毛細管131aと、毛細管131aが着脱自在に挿入される毛細管挿入部131と、冷却ガス供給部132と、キャリアガス供給部133とから概略構成されるものである。
【0008】
液体原料供給器130には、MFC(マスフローコントローラ)136aを介して冷却ガス供給部132に冷却ガスを供給する冷却ガス源136と、MFC139aを介してキャリアガス供給部133にキャリアガスを供給するキャリアガス供給源139が接続されている。
さらに、毛細管131aには接続管141が取り付けられ、接続管141には液体ポンプ135が挿入されるとともに上記のTHF溶媒に有機金属錯体を溶解した液体原料134が収納された収納容器142が取り付けられている。
収納容器142には、容器内部を不活性雰囲気にする不活性ガス源143が取り付けられており、この不活性ガス源143からArガス等を収納容器142内に供給して不活性雰囲気にしつつ、液体原料134を接続管141を介して毛細管131aに一定の流量で連続供給できるように構成されている。なお、図中符号143aは、不活性ガスの出口である。
【0009】
また、気化器150は、箱状の気化室151と、この気化室151の外周に配置されて気化室151内部を加熱する加熱ヒータ152とから概略構成される。また、気化室151には液体原料導入部151aが気化室151上方に突出して設けられ、この液体原料供給部151aに液体原料供給器130が収納、固定されている。
【0010】
上記のCVD用液体原料供給装置100を備えた酸化物超電導体の製造装置を用いて長尺の酸化物超電導体を製造するには、収納容器142に満たされた液体原料134を接続管14を介して液体原料供給器130の毛細管131a内に圧送し、毛細管131aの先端部131cから気化器150内に供給された液滴状の液体原料134を気化器150内で気化させ、キャリアガス供給部133から流れ込むキャリアガスと混合させて原料ガスとし、この原料ガスを原料ガス導出部151cから図示しないCVD反応装置に供給する。
これとともにCVD反応装置内にテープ状の基材を走行させ、さらにこのテープ状の基材を加熱して反応生成物を基材上に堆積させることにより、長尺の酸化物超電導体が得られるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなCVD用液体原料供給装置100は、液体原料134を気化器150に連続的に供給し、この原料ガスを気化器150で気化させてCVD反応装置に連続的に供給するために設けられたものであるが、実際に原料ガスの連続供給を行うと例えば10時間に1、2度程度の頻度で原料ガスの供給が乱れることがあった。
上記のような原料ガスの供給に乱れが生じる原因は、以下の▲1▼、▲2▼が考えられる。
▲1▼液体原料134中に何らかの過程で混入した異物ないしは不純物などが液体ポンプ135あるいは液体原料供給器130の動作エラーを引き起こした。
▲2▼液体原料134を輸送する接続管141等の配管内壁などに付着した僅かな析出物が時として剥離し、液体ポンプ135あるいは液体原料供給器130の動作エラーを引き起こした。
【0012】
長尺の酸化物超電導体の製造中に液体ポンプ135あるいは液体原料供給器130の動作エラーが起こると原料ガスの供給に乱れが生じ、この供給の乱れている時間は1分程度の極めて短い時間であるが、その間は気化器への液体原料の供給が途絶えこれによりCVD反応装置への原料ガスの供給も途絶えるため、超電導体としてはその部分の超電導薄膜に膜厚が乱れるなどの欠陥が生じ、従って長尺の基材上に均一な特性を有する超電導薄膜を形成するのが困難であった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、気化器への液体原料の供給が途絶えるのを防止し、気化器から原料ガスを長期間に渡って連続的に供給できるCVD用液体原料供給装置の提供を目的とする。
また、本発明は、このようなCVD用液体原料供給装置を用いた酸化物超電導体の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体原料を貯溜する収納容器と、該収納容器に液体ポンプを介して接続され、上記収納容器に貯溜された液体原料が上記液体ポンプを経て供給される液体原料供給器とを備えた液体原料供給ユニットと、上記液体原料供給器に接続されてこの液体原料供給器から供給された液体原料を気化する気化器とを具備してなるCVD用液体原料供給装置であって、
上記気化器1台に対して上記液体原料供給ユニットが複数設けられ、上記複数の液体原料供給ユニットの各液体ポンプが液体ポンプ流量制御手段に電気的に接続され、該液体ポンプ流量制御手段は上記各液体ポンプから対応する液体原料供給器に供給される液体原料の流量に応じて上記気化器に供給される液体原料の合計量を制御可能な構成とされたことを特徴とするCVD用液体原料供給装置を上記課題の解決手段とした。
【0015】
かかる構成のCVD用液体原料供給装置によれば、1台の気化器に対して複数の上記液体原料供給ユニットを設け、しかもこれら複数の液体原料供給ユニットの各液体ポンプを上記液体ポンプ流量制御手段に電気的に接続したことにより、液体原料を気化器に供給して原料ガスを発生させる際に、1式の液体ポンプと液体原料供給器(1台の液体原料供給ユニット)に動作エラーが発生して、この液体原料供給ユニットから気化器への液体原料の供給が途絶えても、上記液体ポンプ流量制御手段が残りの液体原料供給ユニット(残りの液体ポンプと液体原料供給器)の液体ポンプを作動調整して、液体原料の供給量が減った分に相当する供給量を補償して、上記気化器に供給される液体原料の合計量が一定になるように制御できる。従って、本発明のCVD用液体原料供給装置は、気化器への液体原料の供給が途絶えるのを防止できるようにしたことにより、気化器から所定量の原料ガスを長期間に渡って連続的に供給できる。
【0016】
本発明のCVD用液体原料供給装置において、上記の各液体原料供給ユニットの液体ポンプと液体原料供給器との間に液体原料の流れを測定する流量計が設けられ、該流量計は上記液体ポンプ流量制御手段と電気的に接続され、該液体ポンプ流量制御手段は各流量計の液体原料の流量の測定結果に基づいて各液体ポンプを作動調整できるものであってもよい。
【0017】
本発明のCVD用液体原料供給装置において、上記液体原料供給器は、内部に液体原料が供給される毛細管と、該毛細管が着脱交換可能に挿入されて該毛細管を冷却するための冷却ガスが供給される筒状の冷却ガス供給部と、該冷却ガス供給部を支持するために該冷却ガス供給部の外周を取り囲んで設けられた筒状の外装部とを備えてなるものであってもよい。
【0018】
また、本発明は、上記のいずれかの構成の本発明のCVD用液体原料供給装置を用い、上記複数の液体原料供給ユニットの各収納容器から対応する液体ポンプを介して液体原料供給器に液体原料を供給し、上記複数の液体原料供給器からそれぞれ液体原料を気化器に供給する際に、上記各液体ポンプから対応する液体原料供給器に供給される液体原料の流量に応じて上記気化器に供給する液体原料の合計量を上記液体ポンプ流量制御手段により制御しながら液体原料を気化器に供給する工程と、
上記液体原料を上記気化器で気化させて原料ガスを生成する工程と、
上記原料ガスをCVD反応を行う反応生成室に導入し、該反応生成室内を走行するテープ状の基材上に酸化物超電導薄膜を形成する工程を少なくとも備えることを特徴とする酸化物超電導体の製造方法を上記課題の解決手段とした。
【0019】
かかる構成の酸化物超電導体の製造方法によれば、上記本発明のCVD用液体原料供給装置を用いているので、該原料供給装置の気化器から反応生成室に所定量の原料ガスを長期間に渡って連続的に供給でき、長尺の基材上に均質な超電導薄膜を成膜でき、従って長尺に渡って均一な超電導特性を有する酸化物超電導体を製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係わるCVD用液体原料供給装置が備えられた酸化物超電導体の製造装置の例を模式的に示した構成図である。
この酸化物超電導体の製造装置は、CVD用液体原料供給装置10と、CVD反応装置60から概略構成されている。
【0021】
液体原料供給装置10は、図1に示すように、1台の気化器50と、複数(図面では2台)の液体原料供給ユニット10aとから概略構成されている。
各液体原料供給ユニット10aは、原料供給装置40と、液体原料供給器30を備えている。各液体原料供給器30は気化器50に接続されている。
この液体原料供給装置10は、目的とする化合物の元素を含む液体原料を各原料供給装置40から対応する液体原料供給器30を介して気化器50に供給し、この気化器50により液体原料を気化して原料ガスを生成するものである。生成された原料ガスはCVD反応装置60に供給されてCVD反応に供される。
【0022】
各液体原料供給器30は、図1に示すように、内部に液体原料が供給される毛細管31aと、毛細管31aが着脱交換可能に挿入される筒状の冷却ガス供給部32と、冷却ガス供給部32の外周を取り囲んで設けられた外装部33とから概略構成される。
【0023】
毛細管31aは、原料供給装置40から圧送されてくる液体原料34が内部に供給されるものである。毛細管31aは、外径が375μm(10−6m)程度であり、内径が数十〜数百μm(10−6m)程度である。
上記構成の毛細管31aは着脱交換可能に冷却ガス供給部32に挿入され、その先端部31cは、冷却ガス供給部の先端部32aよりもやや気化器50側に突出されている。
【0024】
上述の数10〜数百μm(10−6m)程度の内径を有する毛細管31a内に、液体原料34を圧送するためには、数10kgf/cm (但し、1kgf/cm=10−4kgf/m =9.8×10−4Pa)程度の液送圧力が必要であるため、図1に示すように原料供給装置40から接続管41を介して送り込まれてくる液体原料34を毛細管31a内に圧送するための加圧式液体ポンプ35が接続管35aを介して液体供給部31dに接続されている。この加圧式液体ポンプ35と液体原料供給器30との間の接続管35aには液体原料34の流れを測定する流量計(図示略)が設けられている。
【0025】
冷却ガス供給部32は、内部に毛細管31aが挿入されて、毛細管31aとの隙間にArガス、Nガス等の冷却ガスが供給されるものである。
冷却ガス供給部32の上部には、図1に示す冷却ガス用MFC36aを介して冷却ガス供給源36が接続され、冷却ガス供給部32へ冷却ガスを供給する構成となっている。
【0026】
液体原料供給器30は、ガラス等からなる毛細管31aを除いて、全てステンレス鋼等の金属部品により構成することができ、該液体原料供給器30を構成する冷却ガス供給部32と該冷却ガス供給部32を支持する外装部33は上端部で接合一体化されている。
【0027】
毛細管31aの先端部31cおよび冷却ガス供給部32の先端部32aは、液体原料供給器30の外装部33の先端部33aよりも、気化器50への挿入方向に対して大きく突出された構造であり、その突出長さは、気化器50の液体原料導入部51aに設けられた伝熱部56の長さに合わせて最適な長さに調整される。
さらに、毛細管31aの先端部31cは冷却ガス供給部32の先端部32aよりも気化器50側へ1〜10mm程度突出されている。
【0028】
上記の液体原料供給ユニット10a、10aに備えられた各液体ポンプ35は液体ポンプ流量制御手段90に電気的に接続されている。この液体ポンプ流量制御手段90には、上記の各流量計(各接続管35aに設けられた流量計)が電気的に接続されている。
この液体ポンプ流量制御手段90は、各加圧式液体ポンプ35から対応する液体原料供給器30に供給される液体原料34の流量を上記の各流量計で測定し、各流量計の液体原料の流量の測定結果に基づいて各加圧式液体ポンプ35を作動調整することにより、気化器50に供給される液体原料34の合計量を制御できるようになっている。
【0029】
各液体原料供給器30において、液体原料34を液体供給部31dから毛細管31a内に一定流量にて圧送すると、液体原料34は毛細管31aの先端部31cに達して液滴状になり気化器50に連続的に供給され、気化器50内に供給された液滴状の液体原料34は気化器50内で加熱されて気化する。
また、上記液体原料34の圧送と同時に冷却ガスを冷却ガス供給部32に一定流量で流すと、毛細管31aはこの冷却ガスにより冷却されるので、気化器50の加熱ヒータ52による過熱を防いで、毛細管31a内で液体原料34が気化するのを防止することができる。
この冷却ガスは冷却ガス供給部32内で毛細管31aを冷却した後、冷却ガス供給部の先端部32aから気化器50内に放出されて、液体原料34が気化されたガスと混合されて原料ガスを構成する。
【0030】
図1に示すように原料供給装置40は、収納容器42と、不活性ガス源43を具備し、収納容器42内部には液体原料34が貯溜される。原料供給装置40は、不活性ガス源43により収納容器42内にArガス等の不活性ガスを供給して、収納容器42内を不活性雰囲気に保つ。このArガス等の不活性ガスは、不活性ガスの出口43aより大気に解放され、収納容器42内は常圧を維持される。
【0031】
液体原料供給装置10において、複数の液体原料供給器30の下方には1台の気化器50が配設されている。
図1に示す気化器50は、箱状の気化室51と、気化器50の外周に配置されて気化室51を加熱する加熱ヒータ52とから概略構成されている。
気化室51には、液体原料導入部51aが液体原料供給器30側に突出して設けられている。この液体原料導入部51aにはステンレス鋼等の保熱部材からなる筒状の伝熱部56が備えられている。この伝熱部56は、CVD用液体原料供給装置に備えられる液体原料供給器30の数に応じて複数(本実施形態では2つ)設けられている。
各液体原料供給器30は、冷却ガス供給部32及びこれの内部の毛細管31aが対応する伝熱部56に収納されて、Oリング53によって気化室51を密閉状態にして気化器50に接続される。
【0032】
気化器50の外周には、気化室51内部を加熱するための加熱ヒータ52が配設されていて、この加熱ヒータ52により各毛細管31aの先端部31cから供給された液体原料34を所望の温度に加熱して気化させ、さらに各冷却ガス供給部32の先端部32aとこれに対応して設けられた毛細管31aの先端部31cの隙間から気化室51に流れ込む冷却ガスと混合させて原料ガスを得る。
【0033】
また、加熱ヒータ52は、液体原料導入部51aに設けられた各伝熱部56を介して各冷却ガス供給部32を加熱し、気化室51内に流れ込む冷却ガスの温度を上昇させて、各冷却ガス供給部32に対流する原料ガスからの再析出を防止するとともに、各毛細管31aの温度もある程度上昇させるため、各毛細管31aとその先端部31cにおける温度の低下を防止し、各毛細管31aの先端部31cにおける液体原料の再析出を効果的に防止できるようになっている。
上記伝熱部56は冷却ガス供給部32に概ね密着するように設けられているため、冷却ガス供給部32は加熱されて高温になるが、冷却ガス供給部32と毛細管31aとの隙間には冷却ガスが導入されているため、毛細管31aは、冷却ガス供給部32よりも低温に保たれ、毛細管31a内部の液体原料34は気化しない。
【0034】
また、図1に示すように、気化室51内部は仕切板54を挟んで領域51dと領域51eの2つの領域に分割され、これら2つの領域は気化室51の底部51bと仕切板54との隙間により連通している。
毛細管31aから供給された液体原料34が気化したガスと冷却ガスとから生成された原料ガスは、領域51dから、仕切板54の下側の隙間を通過して領域51eに移動し、さらに領域51eに対応する気化室51の上端部に設けられた原料ガス導出口51cから気化器51外へ輸送される。
原料ガス導出口51cから導出された原料ガスは、輸送管57を介して気化器50に接続されたCVD反応装置60に供給される。
なお、気化室51の構造は、上記のように仕切板54を用いて2つに分けられた構造の他に、例えば、U字状のものでもよい。このように気化室がU字状である場合には、このU字状の気化室の一方の端部側に液体原料供給器30から液体原料34が供給され、他方の端部側から原料ガスが輸送管57を介してCVD反応装置60に供給されるようになっている。このように気化室をU字状の構造にすると、気化室内の温度を一定に保ちやすい。
【0035】
CVD反応装置60は、石英製の反応チャンバ61を有する。この反応チャンバ61は、横長の両端を封止した筒状であり、基材が導入される側から順に基材導入部62と、反応生成室63と、基材導出部64とに隔壁(図示せず)によって区画されている。
基材導入部62にはテープ状の基材65を導入するための導入孔が形成されるとともに、基材導出部64には基材65を導出するための導出孔が設けられており、導入孔と導出孔の周縁部には、基材65を通過させている状態で各孔の隙間を閉じて基材導入部62と基材導出部64を密閉する封止部材(図示せず)が設けられている。
また、反応生成室63の天井部には、反応生成室63に連通するピラミッド型のガス拡散部66が取り付けられている。
【0036】
CVD反応装置60の外部には、基材導入部62の反応生成室63側方の部分から、基材導出部64の反応生成室63側方の部分までを覆う加熱ヒータ47が設けられ、基材導入部62が不活性ガス供給源68に、また、基材導出部64が不活性ガス供給源69にそれぞれ接続されている。
また、ガス拡散部66には原料供給装置10の気化器50と接続された輸送管57が接続されている。
この輸送管57の周囲には原料ガスが液体原料34となって析出するのを防止するための加熱手段(図示せず)が設けられている。
尚、輸送管57の途中には、酸素ガス供給源54aが分岐接続され、輸送管57に酸素ガスを供給できる構成となっている。
【0037】
また、上記CVD反応装置60の底部には排気管70が設けられており、真空ポンプ71を備えた圧力調整装置72に接続されていて、CVD反応装置60の内部のガスを排気できるようになっている。
さらに、CVD反応装置60の基材導出部64の側方側には、CVD反応装置60内を通過する基材65を巻き取るためのテンションドラム73と巻き取りドラム74とからなる基材搬送機構75が設けられている。
また、基材導入部62の側方側には、基材65をCVD反応装置60に供給するためのテンションドラム76と送出ドラム77とからなる基材搬送機構78が設けられている。
【0038】
次に、本発明に係わるCVD用液体原料供給装置が備えられた酸化物超電導体の製造装置を用いる本発明の酸化物超電導体の製造方法について説明する。
図1に示す製造装置を用いて酸化物超電導体を製造するには、まずテープ状の基材65と液体原料34を用意する。
この基材65は、長尺のものを用いることができるが、熱膨張係数の低い耐熱性の金属テープ、あるいはその上面にセラミックス製の中間層を被覆してなるものが好ましい。
上記耐熱性の金属テープの構成材料としては、銀、白金、ステンレス鋼、銅、ハステロイ(C276等)などの金属材料、合金が好ましい。
特に、{100}<001>や{110}<110>集合組織を有する銀からなる金属テープを用いる場合には、該金属テープ上に直接超電導体を形成でき、かつ形成する酸化物超電導体の配向を制御することができるため、より好ましい。
また、上記金属テープ以外では、ガラステープ、マイカテープ或いはセラミックス製のテープを用いてもよい。
【0039】
次に、上記中間層を構成する材料は、熱膨張係数が金属よりも酸化物超電導体に近い、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SrTiO、MgO、Al、LaAlO、LaGaO、YAlO、ZrO等のセラミックスが好ましく、これらの中でも、できる限り結晶配向性の整ったものがより好ましい。
【0040】
次に、REBaCuなる組成(ただし、REはY、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの中から選択される1種または2種以上を示す)で示される酸化物超電導体の構成金属元素の有機金属錯体を目的の組成比となるように数種混合したものを、テトラヒドロフランとエチレングリコールジメチルエーテルの混合物に混合、溶解して液体原料を作製する。
例えば、Y−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体を製造する場合においては、Y(thd)、Ba(thd)またはBa(thd)・phen、Cu(thd)、あるいはY(DPM)、Ba(DPM)、Cu(DPM)などの有機金属錯体を上記の溶媒に溶解して酸化物超電導体製造用の液体原料を調製する。
また、上記以外の酸化物超電導体を製造する場合は、目的とする組成系に応じて、Bi(C、Sr(DPM)、Ca(DPM)、La(DPM)などの有機金属錯体を用いてそれぞれの酸化物超電導体用の液体原料とすることができる。
【0041】
上記有機金属錯体は、上記溶媒に可溶なものであれば、目的化合物を構成する金属元素のアルコキシド、アセチルアセトナト、ジピバロイルメタナト、シクロペンタジエニル、またはそれらの誘導体などを用いることができる。
また、液体原料の濃度、混合溶媒の混合比等は目的とする化合物の種類により適宜変更し、最適な条件としておく。
例えば、Y−Ba−Cu−O系酸化物超電導体を製造する場合には、濃度は5〜20重量%が好ましく、6〜10重量%であればより好ましい。
また、テトラヒドロフランとエチレングリコールジメチルエーテルの混合比は、その体積比にして、好ましくは1:1〜9:1であり、より好ましくは6:1の混合比である。
【0042】
上記のテープ状の基材65を用意したならば、これを反応チャンバ61内に基材搬送機構78により基材導入部62から所定の移動速度で送り込むとともに基材搬送機構75の巻取ドラム74で巻き取り、更に反応生成室63内の基材65を加熱ヒータ47で所定の温度に加熱する。
基材65の移動速度、および加熱ヒータ47の設定温度は、目的とする酸化物超電導体の組成系にもよるが、それぞれ1〜10m/時間、600〜800℃程度であるのが好ましい。
なお、基材65を送り込む前に、不活性ガス供給源68及び69から不活性ガスをパージガスとして反応チャンバ61内に送り込み、同時に圧力調整装置72を作動させて反応チャンバ61の内部を排気することで反応チャンバ61内の水分等の不用ガスを排除して内部を洗浄しておくことが好ましい。
【0043】
続いて、各液体原料供給ユニット10aにおいて加圧式液体ポンプ35を用いて収納容器42から液体原料34を吸い込み、液体原料34を0.1〜1.0ml/分程度の速度で液体原料供給器30の毛細管31a内に圧送し、これと同時に冷却ガスを冷却ガス供給部32に流量300〜600ccm(ml/分)程度で送り込む。この際、液体ポンプ流量制御手段90は、各加圧式液体ポンプ35から対応する液体原料供給器30に供給される液体原料34の流量を各接続管3aに設けられた流量計で測定し、これら流量計の液体原料の流量の測定結果に基づいて各加圧式液体ポンプ35を作動調整することにより、気化器50に供給する液体原料34の合計量が一定になるように制御し、気化器50に一定量の液体原料34を連続的に供給する。また、ここでは同時に圧力調整装置72を作動させ、反応チャンバ61の内部のガスを排気する。この際、冷却ガスの温度は室温程度になるように調節しておく。
また、気化室51の内部温度、液体原料導入部51aの内部温度及び液体原料供給器30の温度が、上記原料のうちの最も気化温度の高い原料の最適温度になるようにヒータ52により調節しておく。こうすることにより冷却ガス供給部32がヒータ52により予熱されるとともに気化室51内での原料ガスの再析出が防止される。
【0044】
すると、液体原料34は各毛細管31aの先端部31cから気化室51内に液滴状となって供給される。
そして、気化器50の内部に供給された液滴状の液体原料34は、加熱ヒータ52により加熱されるとともに冷却ガスと混合されて気化して原料ガスとなり、この原料ガスは輸送管53を介してCVD反応装置60のガス拡散部66に連続的に供給される。先に述べたように気化室51内には一定量の液体原料34が連続的に供給されているので、この気化室51からCVD反応装置60に一定量の原料ガスが連続的に供給される。
この時、輸送管57の内部温度が上記原料のうちの最も気化温度の高い原料の最適温度になるように上記加熱手段により調節しておく。同時に、酸素ガス供給源54aから酸素ガスを供給して原料ガス中に酸素ガスを混合する操作も行う。
【0045】
次に、反応チャンバ61の内部においては、輸送管57の出口部分からガス拡散部66に放出された原料ガスが、ガス拡散部66から拡散しながら反応生成室63側に移動し、反応生成室63の内部を通り、次いで基材65の近傍を移動してガス排気管70に引き込まれるように移動する。
従って、加熱された基材65の上面側で原料ガスを反応させて酸化物超電導薄膜を生成させることができる。この後、酸化物超電導薄膜が形成された基材65に熱処理を施して、酸化物超電導薄膜に超電導特性を現出あるいは向上させて酸化物超電導体とすることができる。
以上の成膜操作を所定時間継続して行なうことにより、基材65上に所望の厚さの膜質の安定した酸化物超電導体を備えた酸化物超電導導体を得ることができる。
【0046】
本実施形態のCVD用液体原料供給装置によれば、1台の気化器50に対して複数の液体原料供給ユニット10aを設け、しかもこれら複数の液体原料供給ユニット10aの各加圧式液体ポンプ35を液体ポンプ流量制御手段90に電気的に接続したことにより、液体原料34を気化器50に供給して原料ガスを発生させる際に、1式の加圧式液体ポンプ35と液体原料供給器30(1台の液体原料供給ユニット10a)に動作エラーが発生して、この液体原料供給ユニット10aから気化器50への液体原料34の供給が途絶えても、液体ポンプ流量制御手段90が他方の液体原料供給ユニット10a(残りの加圧式液体ポンプ35と液体原料供給器30)の加圧式液体ポンプ35を作動調整して、液体原料34の供給量が減った分に相当する供給量を補償して、気化器50に供給される液体原料34の合計量が一定になるように制御できる。従って、本実施形態のCVD用液体原料供給装置は、気化器50への液体原料34の供給が途絶えるのを防止できるようにしたことにより、気化器50から所定量の原料ガスを長期間に渡って連続的に供給できる。
【0047】
また、上記本実施形態の酸化物超電導体の製造方法によれば、上記構成の本実施形態のCVD用液体原料供給装置を用いているので、この原料供給装置の気化器50から反応生成室63に所定量の原料ガスを長期間に渡って連続的に供給でき、長尺の基材65上に均質な酸化物超電導薄膜を成膜でき、従って長尺に渡って均一な超電導特性を有する酸化物超電導体を製造できる。
【0048】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。
(液体原料の調製)
テトラヒドロフラン(THF)とエチレングリコールジメチルエーテル(DME)を5:1の体積比で混合したものに、Ba−ビス−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(Ba(thd))と、Y(thd)と、Cu(thd)を、Y:Ba:Cu=1.0:1.9:2.5のモル比で混合したものを7重量%となるように溶解して液体原料を作製した。
【0049】
(酸化物超電導体の作製)
内径40μm(10 m)の毛細管が取り付けられた図1に示す構成の酸化物超電導体の製造装置を用いて酸化物超電導体の作製する際、2台の液体原料供給ユニット10aから気化室51に供給する液体原料34として先に調製した液体原料を用い、2台の液体原料供給器30からそれぞれ液体原料34を気化室51に供給する際に、各加圧式液体ポンプ35から対応する液体原料供給器30に供給される液体原料34の流量に応じて気化室51に供給する液体原料34の合計量が一定になるように液体ポンプ流量制御手段90により制御しながら液体原料を気化室51に供給し、この気化室51で発生させた原料ガスを反応生成室63内に連続的に供給し、この反応生成室63を走行するテープ状の基材63上にYBaCuなる組成の酸化物超電導薄膜を成膜後、500℃、2時間熱処理を施し、酸化物超電導体(実施例の酸化物超電導体)を作製した。実施例の酸化物超電導体の長さ方向の臨界電流密度(Jc)を4端子法により測定した結果を図3に示す。
【0050】
なお、実施例の酸化物超電導体を作製する際には、両液体原料供給器から気化室51に供給される液体原料の供給速度0.45ml/分(両方の加圧式液体ポンプの合計供給速度)、冷却ガス供給部への冷却ガス供給速度450ccm、
基材63としては幅10mm、長さ100m、厚さ0.2mmのAgテープ基材(無配向圧延Agテープ)を用い、反応生成室の反応圧力を5.0Torr(=5×133Pa)、酸素分圧1.25Torr(=1.25×133Pa)、反応生成室温度800℃、合成速度(基材の移動速度)10m/時間で10時間かけて酸化物超電導体を作製した。
【0051】
なお、比較のために2台の液体原料供給ユニットのうち1台の液体原料供給ユニットのみ使用し、この液体原料供給ユニットの加圧式液体ポンプの供給速度を0.45ml/分とした以外は上記方法と同様にして酸化物超電導体(比較例の酸化物超電導体)を作製した。比較例の酸化物超電導体の長さ方向の臨界電流密度(Jc)を4端子法により測定した結果を図4に示す。
【0052】
図3と図4に示した結果から実施形態の酸化物超電導体の製造装置を用い、液体ポンプ流量制御手段により両加圧式ポンプの供給速度を制御しながら製造した実施例の酸化物超電導体は、100m全長にわたり均一な超電導特性が得られた。なお、実施例の酸化物超電導体の長さ方向の平均臨界電流密度は、2.7×10A/cmであった。
これに対して1台の液体原料供給ユニットしか使用せず、液体ポンプ流量制御手段により加圧式ポンプを制御しないで製造した比較例の酸化物超電導体は、100m全長で2カ所、臨界電流密度の低い欠陥が認められた。なお、比較例の酸化物超電導体の長さ方向の平均臨界電流密度は、2.4×10A/cmであった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のCVD用液体原料供給装置によれば、気化器への液体原料の供給が途絶えるのを防止し、気化器から原料ガスを長期間に渡って連続的に供給できるCVD用液体原料供給装置を提供できる。
また、本発明の酸化物超電導体の製造方法によれば、上記本発明のCVD用液体原料供給装置を用いているので、該原料供給装置の気化器から反応生成室に所定量の原料ガスを長期間に渡って連続的に供給でき、長尺の基材上に均質な超電導薄膜を成膜でき、従って長尺に渡って均一な超電導特性を有する酸化物超電導体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係わるCVD用液体原料供給装置が備えられた酸化物超電導体の製造装置の例を模式的に示した構成図である。
【図2】図2は、CVD用液体原料供給装置の一例を示す図である。
【図3】実施例の酸化物超電導体の長さ方向の臨界電流密度を示す図である。
【図4】比較例の酸化物超電導体の長さ方向の臨界電流密度を示す図である。
【符号の説明】
10 CVD用液体原料供給装置
10a 液体原料供給ユニット
30 液体原料供給器
31 毛細管挿入部
31a 毛細管
31c 毛細管の先端部
32 冷却ガス供給部
34 CVD用液体原料
35 加圧式液体ポンプ(液体ポンプ)
50 気化器
51 気化室
52 加熱ヒータ
60 CVD反応装置
63 反応生成室
65 基材
90 液体ポンプ流量制御手段

Claims (4)

  1. 液体原料を貯溜する収納容器と、該収納容器に液体ポンプを介して接続され、前記収納容器に貯溜された液体原料が前記液体ポンプを経て供給される液体原料供給器とを備えた液体原料供給ユニットと、前記液体原料供給器に接続されてこの液体原料供給器から供給された液体原料を気化する気化器とを具備してなるCVD用液体原料供給装置であって、
    前記気化器1台に対して前記液体原料供給ユニットが複数設けられ、前記複数の液体原料供給ユニットの各液体ポンプが液体ポンプ流量制御手段に電気的に接続され、該液体ポンプ流量制御手段は前記各液体ポンプから対応する液体原料供給器に供給される液体原料の流量に応じて前記気化器に供給される液体原料の合計量を制御可能な構成とされたことを特徴とするCVD用液体原料供給装置。
  2. 前記の各液体原料供給ユニットの液体ポンプと液体原料供給器との間に液体原料の流れを測定する流量計が設けられ、該流量計は前記液体ポンプ流量制御手段と電気的に接続され、該液体ポンプ流量制御手段は前記の各流量計の液体原料の流量の測定結果に基づいて前記各液体ポンプを作動調整できる構成とされたことを特徴とする請求項1記載のCVD用液体原料供給装置。
  3. 前記液体原料供給器は、内部に液体原料が供給される毛細管と、該毛細管が着脱交換可能に挿入されて該毛細管を冷却するための冷却ガスが供給される筒状の冷却ガス供給部と、該冷却ガス供給部を支持するために該冷却ガス供給部の外周を取り囲んで設けられた筒状の外装部とを備えてなるものであることを特徴とする請求項1又2に記載のCVD用液体原料供給装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のCVD用液体原料供給装置を用い、前記複数の液体原料供給ユニットの各収納容器から対応する液体ポンプを介して液体原料供給器に液体原料を供給し、前記複数の液体原料供給器からそれぞれ液体原料を気化器に供給する際に、前記各液体ポンプから対応する液体原料供給器に供給される液体原料の流量に応じて前記気化器に供給する液体原料の合計量を前記液体ポンプ流量制御手段により制御しながら液体原料を気化器に供給する工程と、
    前記液体原料を前記気化器で気化させて原料ガスを生成する工程と、
    前記原料ガスをCVD反応を行う反応生成室に導入し、該反応生成室内を走行するテープ状の基材上に酸化物超電導薄膜を形成する工程を少なくとも備えることを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。
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