JP2539032B2 - 酸化物超電導体製造装置用原料連続供給装置および原料の連続供給方法 - Google Patents

酸化物超電導体製造装置用原料連続供給装置および原料の連続供給方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、超電導マグネットコイルの巻線用あるい
は電力輸送線用などとして応用開発が進められている酸
化物超電導体を製造する装置に原料を連続供給する装置
および原料の連続供給方法に関する。
「従来の技術」 従来、酸化物超電導体を製造する方法として、酸化物
超電導体の原料粉末を複数混合した後にこの混合粉末を
圧密成形し、次いで熱処理を行う方法が知られている
が、この製造方法では、粉末の圧密度を十分に高めるこ
とができない欠点があり、臨界電流密度の高い酸化物超
電導体を製造できない問題があった。
そこで臨界電流密度の高い酸化物超電導体を製造可能
な方法として、半導体の製造分野などで従来から多用さ
れている薄膜製造法が注目されている。そして、この種
の薄膜製造法において、臨界電流密度が高い酸化物超電
導体の膜を製造することができるとともに、成膜速度も
大きい方法として、CVD法(化学気相蒸着法)が注目さ
れている。
このCVD法は、酸化物超電導体を構成する元素のガス
をキャリアガスとともに成膜室に送り、成膜室において
プラズマなどを発生させ、成膜室に設置した基材の表面
に原料ガスの成分を平衡状態で反応させて結晶化し、酸
化物超電導体の膜を製造する方法である。
ここで前記CVD法の実施に用いられる酸化物超電導体
の製造装置において、原料ガスを供給する装置にあって
は、原料が、常温常圧でガス状の場合、ガスボンベから
配管を介して原料ガスを成膜室に送るようになっている
が、原料が、常温常圧で液体状あるいは固体状のものを
用いる場合は、第5図に示す構造の装置を用いて原料を
気化した後に成膜室に送るようになっている。
第5図に示す装置は、バブラと称されている気化容器
1と、この気化容器1の外部に付設されたヒータ2と、
気化容器1の底部に引き込まれた供給管3と気化容器1
の内上部に引き込まれた吐出管4を具備して構成されて
いる。
第5図に示す装置で原料を気化するには、固体あるい
は液体の原料を気化容器1に収納し、ヒータ2で加熱す
るとともに、供給管3から気化容器1の内部にキャリア
ガスを供給してバブリングすることで原料を気化し、キ
ャリアガスとともに原料ガスを吐出管4によって搬送
し、酸化物超電導体製造装置の成膜室に送るようにして
いる。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、酸化物超電導体の製造に用いる原料は、Y
−Ba−Cu−O系などの酸化物超電導体で代表されるよう
に、その原料としてイットリウムTHD錯体、バリウムTHD
錯体、銅THD錯体などを用いるものであり、これらがす
べて常温常圧で固体であることから、第5図に示す装置
で原料を気化する場合、以下に説明する問題を生じてい
た。
まず、前記酸化物超電導体の原料が固体であるため
に、原料を気化容器1で気化する場合、気化容器1の内
部を減圧した上で加熱して気化させるわけであるが、こ
のようにした場合、気化容器1の内部に未気化原料が残
留して変質する傾向があり、変質した後の原料は再加熱
しても気化しないといった問題がある。従って成膜を行
う度に気化容器1内の原料を新しいものに詰め直さなく
てはならない必要が生じ、酸化物超電導体の膜を製造す
る場合に、連続成膜が不可能な問題があった。また、酸
化物超電導体の膜を製造する場合に連続運転が不可能で
あると、長尺の酸化物超電導体を製造することが困難な
ために、CVD法を利用して長尺の超電導線あるいは超電
導テープを製造することができない問題があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
原料を加熱して気化させる度に原料の詰め替えを行う必
要がなくなり、原料切れによる成膜の中断を起こすこと
がなくなるので、連続成膜が可能になり、超電導特性の
良好な長尺の酸化物超電導体をCVD法により製造するこ
とができるようになる原料連続供給装置と供給方法を提
供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 請求項1に記載した発明は前記課題を解決するため
に、キャリアガスと原料粉末とが供給される原料気化器
を複数、それぞれ複数の輸送パイプを介してガス混合器
に接続し、前記原料気化器と輸送パイプに加熱ヒータを
付設するとともに、前記原料気化器の一側にキャリアガ
スと原料粉末の供給部を他側に気化原料の排出部を各々
形成し、前記供給部と排出部の間の気化原料通過空間の
下方に未気化原料の回収部を形成してなり、前記ガス混
合器を、気相法により酸化物超電導体の膜を形成する酸
化物超電導体製造装置の成膜室に接続してなるものであ
る。
請求項2に記載した発明は前記課題を解決するため
に、酸化物超電導体を構成する元素の各原料粉末を個々
にキャリアガスとともに複数の原料気化器に個別に送
り、各原料気化器内で加熱することにより原料粉末を気
化し、気化原料を原料気化器の排出部からキャリアガス
とともにガス混合器に送るとともに、キャリアガス中の
未気化原料を原料気化器の下部の回収部で収集する一
方、気相法によって酸化物超電導体の膜を形成する酸化
物超電導体の製造装置の成膜室に、前記ガス混合器から
混合ガスを送るものである。
「作用」 原料を気化器内で気化するとともに原料気化器の排出
部から送出する間に、未気化原料を回収部に重力により
落下させて排除できるので、気化原料のみを成膜室に送
ることができる。また、キャリアガスと原料を連続的に
原料気化器に送ることができ、必要分量の原料を気化さ
せることができるとともに、未気化原料は原料気化器の
回収部に収集されるので、原料の供給と中断を自由に行
うことができ、連続供給による連続成膜が可能になる。
更に、未気化原料が原料気化器で排除された後に成膜
室に送られるので、成膜室に未気化原料を送ることがな
くなり、気化原料のみを成膜室に送ることで良質の酸化
物超電導体の膜を生成することができる。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
第1図は、本発明を長尺のテープ状の酸化物超電導体
の製造方法に適用した一例を説明するためのものであ
る。
第1図に符号Kで示す装置が本発明の原料連続供給装
置の一構造例であり、符号Pで示す装置が酸化物超電導
体の成膜装置の一構造例である。
第1図に示す原料連続供給装置Kは、Arガス、N2ガス
などの不活性ガスあるいは水素ガスなどのキャリアガス
の供給源5と、この供給源5に一端が接続された輸送管
6と、この輸送管6の他端に接続された原料気化器7
と、この原料気化器7に接続されたガス混合器8と、前
記輸送管6の途中部分に接続された原料供給機9を主体
として構成されている。
前記原料気化器7は、気化塔10と、この気化塔10の底
部にフランジ結合部を介して着脱自在に接続された容器
状の回収部11と、気化塔10の外周部に配置された加熱用
のヒータ12を具備して構成されている。なお、前記輸送
管6は気化塔10の上端部に形成された供給部13を介して
気化塔10に接続されている。一方、気化塔10の側壁下部
側には輸送パイプ15が接続され、この輸送パイプ15を介
して気化塔10がガス混合器8に接続されるとともに、輸
送パイプ15の外周部にも加熱用のヒータ16が付設され、
輸送パイプ15には輸送パイプ15の通路開閉用の耐熱バル
ブ17が組み込まれている。
ガス混合器8は、中空の容器状のもので、その上部に
は、複数の輸送パイプ15が接続され、各輸送パイプ15に
は、図面では省略されているが、原料気化器7が接続さ
れるとともに、ガス混合器8の周囲部には加熱用のヒー
タ18が付設され、更にガス混合器8の底部側は接続管19
を介して後述する成膜装置Pに接続されている。
原料供給機9は、フィーダを有する搬送装置を有し、
搬送装置によって粉末状の原料を所要量輸送管6内に送
る装置である。ここで用いる原料とは、目的の酸化物超
電導体を構成する元素の粉末である。従って例えばY−
Ba−Cu−O系の酸化物超電導体の膜を製造する場合、イ
ットリウムTHD錯体{Y(THD)}とバリウムTHD錯体
{Ba(THD)}と銅THD錯体{Cu(THD)}などを用
いるが、これらの各錯体は各原料気化器7の輸送管6に
1種ずつ原料供給機9によって供給する。なお、Bi−Sr
−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体の膜を製造する場合、
Tl−Ba−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体の膜を製造する
場合は、それぞれの構成元素の錯体あるいは構成元素の
化合物粉末を原料として利用すれば良い。
第1図に示す成膜装置Pは、CVD法によって酸化物超
電導体の膜を形成する場合に用いて好適なプラズマ蒸着
型の装置を示すもので、この成膜装置Pは、プラズマ発
生筒20と、プラズマ発生筒20の下部に接続された真空容
器21と、真空容器21に接続された基材供給装置23を主体
として構成され、前記原料連続供給装置Kの接続管19が
真空容器21の内部に接続され、接続管19の先端部はプラ
ズマ発生筒20の下部開口部分に近接されている。
一方、プラズマ発生筒20の外周側には高周波コイル24
が付設され、プラズマ発生筒20の上端部にはキャリアガ
スの供給管25が接続されている。前記真空容器21は、図
示略の真空排気装置に接続されて内部を真空引きできる
ようになっているとともに、真空容器21の中央部には加
熱ヒータ26が設けられている。
基材供給装置23は供給ローラ30と巻取ローラ31を具備
してなり、供給ローラ30から送り出したテープ状の基材
Wをプラズマ発生筒20の下方を通過させて巻取ローラ31
で巻き取ることができるようになっている。
次に前記構成の装置を用いて本発明方法を実施すると
ともに、酸化物超電導体の膜を製造する場合について説
明する。
原料連続供給装置Kを用いて気化原料を成膜装置Pに
送るには、各供給源5からキャリアガスを各輸送管6に
送るとともに原料粉末を各原料供給機9によって各輸送
管6に送り、各気化塔10に送る。また、各ヒータ12,16
とヒータ18を作動させて各気化塔10の内部と輸送パイプ
15の内部とガス混合器8の内部を各々原料が気化する温
度まで加熱するとともに、耐熱バルブ17を解放してお
く。
各気化塔10に送られた原料粉末は気化塔10の内部で加
熱されて気化しキャリアガスとともに輸送パイプ15に送
られ、ガス混合器8に送られて混合される。なお、気化
塔10を通過する際に原料粉末の中で気化されないもの、
即ち未気化原料は気化塔10の底部側に重力により落下し
て回収部11に収集される。
このようにしてガス混合器8において混合されたガス
は接続パイプ19を介して成膜装置Pに送られる。また、
各気化原料の中で成膜時に逃避しやすいものがある場合
には、キャリアガスの流量と原料粉末の供給量を微調整
して各原料の割合を調節すれば良く、また、2つ以上の
原料気化器7で同一の原料を気化してガス混合器8に送
り込むようにすることもできる。
ここで、酸化物超電導テープを製造するには、前記の
ようにガス混合器8に気化原料を送るとともに、第2図
に示すようなテープ状の長尺の基材14を用意する。この
基材14の構成材料としては、融点800℃以上であって、
耐酸化性の良好な材料を用いることが好ましく、具体的
には銀などの貴金属、Ti,Ta,Zr,Hf,V,Nb等の単体金属、
あるいは、Cu−Ni合金、Cu−Al合金、Ni−Al合金、Ti−
V合金、あるいは、モネルメタル、ステンレスなどの金
属材料、石英ガラス、サファイアまたはセラミックス、
あるいは炭素繊維などが用いられる。このように非酸化
性の材料を用いる理由は、後の工程で行う熱処理時に、
基材14が酸化して酸化物超電導層から酸素を奪うことが
ないようにするためである。
次に、前記基材14を成膜装置Pの供給ローラ30に巻き
付け、真空容器21の内部を真空引きするとともに、この
真空容器21内にガス混合器8から前述のように気化原料
を接続管19を介してプラズマ発生筒20の下方に送り、供
給ローラ30から巻取ローラ31に基材14を順次移動する一
方、ガス供給管25から酸素ガスや亜酸化窒素ガスなどの
酸素源ガスと不活性ガスを混合したプラズマ発生用ガス
をプラズマ発生筒20に送り、更に高周波コイル24を作動
させてプラズマ発生筒20の内部にプラズマフレームFを
発生させる。また、加熱ヒータ26を作動させて被覆線を
800〜1000℃程度に予熱する。
接続管19の先端からプラズマフレームFに供給された
混合ガスは、プラズマフレームFの熱で分解され、プラ
ズマフレームFの範囲に存在する酸素と反応して基材14
の表面に吹き付けられ、基材14の上面には第3図に示す
ように蒸着層35が蒸着される。
更にこのとき基材14は、プラズマフレームFの熱と加
熱ヒータ26の熱により800〜1000℃程度に予熱されてい
るために、この高温雰囲気によって第4図に示すように
酸化物超電導体の膜Sが生成するので第4図に断面構造
を示す酸化物超電導テープWを得ることができる。この
酸化物超電導テープWは順次巻取ローラ31に巻き取られ
て冷却される。
以上の操作によって酸化物超電導体の膜Sを有する長
尺の酸化物超電導テープWを製造することができる。
また、前述の製造方法においては、原料を原料供給機
9によって輸送管6に連続的に供給することで気化原料
をガス混合器8から連続的にプラズマフレームFに供給
できるので、長尺の酸化物超電導テープWの連続製造が
できるようになる。また、キャリアガスを止めて原料供
給機9を停止し、耐熱バルブ17を閉じることで気化原料
の供給停止を行うことができ、停止後に原料供給を再開
する場合は、キャリアガスを送り、原料供給機9を作動
させて耐熱バルブ17を解放することにより容易に気化原
料の供給ができる。しかも気化原料の供給再開の場合、
先に発生した未気化原料は気化塔10の回収部11に収集さ
れているので、気化原料の再供給時に未気化原料がこの
再供給に悪影響を及ぼすこともない。従って、超電導テ
ープWの製造停止と製造再開を原料の詰め替えなしに自
由に行うことができるとともに、原料切れによる成膜の
中断を起こすこともない。
一方、前述の製造方法によれば、酸化物超電導テープ
Wの製造工程において、従来の粉末法で行っていた圧密
加工などの加工を伴わないために、酸化物超電導体の膜
Sに応力を付加することがなく、クラックなどの欠陥部
分のない臨界電流密度の高い酸化物超電導線テープWを
製造することができ、しかもCVD法を利用した成膜法で
あるので、成膜速度が大きい特徴がある。更に、得られ
た酸化物超電導テープWは薄いために、可撓性に優れ、
コイル加工に強いものを得ることができるとともに、こ
の酸化物超電導テープWは巻胴に巻回してコイル化する
ことなどが可能になる。また、成膜装置Pの加熱ヒータ
26の出力を調節することで基材14の加熱条件を容易に制
御できるので、酸化物超電導体の種類に応じた理想的な
熱処理条件を設定することが容易にできるようになり、
臨界温度の高い均質な酸化物超電導体の膜Sを生成させ
ることができる。
なお、この発明の実施に用いる基材14はテープ状の他
に、線状あるいは筒状などでも差し支えない。また、こ
の発明で用いるCVD法はプラズマCVD法に限定されるもの
ではなく、熱CVD法、光CVD法などを用いても良い。更
に、先の例においては、加熱ヒータ26で成膜と同時に基
材14を加熱処理しているが、別途に用意した加熱炉など
において、コイル加工後に酸素ガス雰囲気中などで加熱
して熱処理を行うこともできる。
更に前記の例ではY−Ba−Cu−O系の超電導テープの
製造方法に本発明を適用した例について説明したが、本
発明の方法でBi−Sr−Ca−Cu−O系あるいはTl−Ba−Ca
−Cu−O系などの酸化物超電導体の膜を製造できるのは
勿論である。
なおまた、前記の例では、原料気化のために縦型の気
化塔10を用いているが、横長の気化装置を用いてその一
方の側部に供給部を形成するとともに他方の側部に排出
部を形成し、底部側に回収部を設ける構成としても良
い。
「実施例」 本発明の方法に基いてY−Ba−Cu−O系の酸化物超電
導テープを製造した。
キャリアガスとしてArガスを用い、気化原料として、
粉末状のY(THD)とBa(THD)とCu(THD)を用
いた。これらの原料粉末を各々キャリアガスとともに各
気化塔に個別に送り、各気化塔の内部をヒータによって
160℃,250℃,130℃に各々加熱して各原料粉末を気化し
た。次いで各気化塔で気化した原料をガス混合器で混合
し、第1図に示す構成の成膜装置の成膜室に送って成膜
処理を行った。
成膜に用いる基材としては幅5mm、厚さ0.1mmのハステ
ロイC−276(商品名)製のテープ材を用い、このテー
プ材を第1図に示す構成の成膜装置にセットして加熱ヒ
ータで加熱しながらプラズマフレームにさらすととも
に、プラズマフレームに前記気化原料を供給しつつテー
プ材の上面に蒸着層を形成すると同時に500〜800℃に加
熱後徐冷する熱処理を施して酸化物超電導テープを製造
した。なお、プラズマ反応筒に供給するプラズマ用ガス
として酸素とアルゴンとの混合ガスを用いた。更に、成
膜装置の操作条件を以下の通りに設定した。
真空容器内部の真空度 1Torr以下、 テープ材の加熱温度 750℃ テープ材の移動速度 50cm/分 前記成膜装置による成膜処理により、テープ材の表面
にY1Ba2Cu3O7−δなる組成の厚さ1μmの酸化物超電
導体の膜を生成することができた。
以上の工程により製造された酸化物超電導テープの臨
界温度(Tc)と臨界電流密度(Jc)を測定した結果、 Tc=89.5K Jc=1×106A/cm2(Icで50Aに相当) の優秀な値を得ることを確認できた。
「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば、原料の加熱気化
の度に原料の詰め替えを行う必要がなくなり、原料供給
機から輸送管に原料を連続的に供給することができるの
で、原料切れを起こすことなく酸化物超電導体の膜を連
続的に成膜することができる。更に、酸化物超電導体の
膜を製造する場合に、圧密加工を伴うことのないCVD法
を利用しているので、クラックなどの欠陥ない臨界電流
密度の高い特性の良好な酸化物超電導体の膜を得ること
ができる。
また、気化器において未気化原料を除去した後に成膜
装置に気化原料のみを送るので、成膜室に未気化原料を
送ることがなくなり、膜質も向上する。更に、キャリア
ガスによる気化原料の供給を停止した後に再開する場
合、前回の処理時に発生した未気化原料が回収部に収集
されているので、この未気化原料が新たな気化原料の生
成に影響を及ぼすことがなくなるので、原料の詰め替え
による成膜の中断がなくなる。
従って本発明の実施により臨界電流密度の高い良質の
長尺の酸化物超電導体を高速で連続製造できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の一例を示す構成図、第2図は基材
の断面図、第3図は基材に蒸着層を形成した状態を示す
断面図、第4図は酸化物超電導テープの断面図、第5図
は従来の気化装置を示す構成図である。 K……原料連続供給装置、P……成膜装置、5……供給
源、6……輸送管、7……原料気化器、8……ガス混合
器、9……原料供給機、10……気化塔、11……回収部、
12……ヒータ、13……供給部、14……基材、15……輸送
パイプ、16……ヒータ、17……耐熱バルブ、18……ヒー
タ、19……接続管、F……プラズマフレーム、W……超
電導テープ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01B 12/06 ZAA H01B 12/06 ZAA (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−118877(JP,A) 特開 平2−255508(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャリアガスと原料粉末とが供給される原
    料気化器が複数、それぞれ複数の輸送パイプを介してガ
    ス混合器に接続され、前記原料気化器と輸送パイプには
    加熱ヒータが付設されるとともに、前記原料気化器の一
    側にキャリアガスと原料粉末の供給部が他側に気化原料
    の排出部が各々形成され、前記供給部と排出部の間の気
    化原料通過空間の下方に未気化原料の回収部が設けられ
    てなり、前記ガス混合器が気相法により酸化物超電導体
    の膜を形成する酸化物超電導体製造装置の成膜室に接続
    されてなることを特徴とする酸化物超電導体製造装置用
    原料連続供給装置。
  2. 【請求項2】酸化物超電導体を構成する元素の各原料粉
    末を個々にキャリアガスとともに複数の原料気化器に個
    別に送り、各原料気化器内で加熱することにより原料粉
    末を気化し、気化原料を原料気化器の排出部からキャリ
    アガスとともにガス混合器に送るとともに、キャリアガ
    ス中の未気化原料を原料気化器の下部の回収部で収集す
    る一方、気相法によって酸化物超電導体の膜を形成する
    酸化物超電導体製造装置の成膜室に前記ガス混合器から
    混合ガスを送ることを特徴とする原料の連続供給方法。
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