JP2004091422A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1)ラウロイルサルコシンイソプロピル等の(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルと2)次に挙げる多価アルコールから選択される1種乃至は2種以上とを化粧料等の皮膚外用剤に含有させる。(多価アルコール)1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、非水系の固形白粉或いはスティック状の化粧料に好適な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
水は生体の必須の構成成分であり、生体の何れの部位に於いても水分は必ず存在するし、かかる水分量が異常になれば疾病などの原因にもなる。この様に生体の至る所に存在する水分は、時には化粧、取り分けメークアップ化粧に於いて好ましくない働きをする場合がある。例えば、汗などに起因する化粧崩れなどや、有効成分の加水分解による不安定化などがその一例として挙げられる。この様な不都合は、化粧料など皮膚外用剤の製剤剤形が水分とのなじみが良いほど如実に現れる。従って、製剤剤形より、水を除去することは、この様な不都合に対しては、有効な手段であり、この様な観点からすれば、化粧料に於いて、非水系の製剤にはメリットがあるといえる。非水製剤の典型的な製剤例としては、オイルゲル製剤、固形粉体製剤、多価アルコール非水ゲル製剤などがある。しかしながら、非水系の製剤のデメリットとしては、その構成成分の極性に偏りがあり、共存できる成分に制限があることと、オイルゲル製剤に於いては、オイルやワックスの脂っぽい感触がぬぐえないことである。従って、使用感などの使用性に優れ、極性成分と非極性成分の両方が含有できる非水製剤の開発が望まれていた。
【0003】
一方、(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルも、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコールも何れも化粧料原料として市販されているが、これらを組み合わせて非水系製剤に含有させることは全く知られていなかったし、かかる成分を両方とも含有する非水系製剤が、使用感などの使用性に優れ、極性成分と非極性成分の両方が含有できる性質を有していることも全く知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、使用感などの使用性に優れ、極性成分と非極性成分の両方が含有できる非水系製剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、使用感などの使用性に優れ、極性成分と非極性成分の両方が含有できる非水系製剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルと、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコールとを含有する皮膚外用剤がその様な性質を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す技術に関するものである。
(1)1)(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルと2)次に挙げる多価アルコールから選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(多価アルコール)1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール
(2)(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルがラウロイルサルコシンイソプロピルであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)多価アルコールが、1,2−ペンタンジオールであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)更に、有機増粘ゲル化剤を含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)有機増粘ゲル化剤が、12−ヒドロキシステアリン酸、有機変性ベントナイト及びデキストリン脂肪酸エステルから選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、(4)に記載の皮膚外用剤。
(6)更に、粉体を含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(7)粉体として、無水珪酸を含有することを特徴とする、(6)に記載の皮膚外用剤。
(8)非水系剤形であることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の化粧料。
(9)化粧料であることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載の化粧料。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、発明の実施の形態について、更に詳細に説明を加える。
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるアシルサルコシン(C1〜4)アルキル
本発明の皮膚外用剤は、(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルを必須成分として含有する。(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルは、N−メチルグリシンを塩化水素を飽和させたアルコール中で処理し、N−メチルグリシンアルキルエステル塩と為し、しかる後、中和によりフリー体に変換し、これに無水条件でアルカリ存在下アシルハライドを縮合させることにより得ることが出来る。ここで、かかる(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルを構成する、(C10〜20)アシル基として好ましいものは、2−エチルヘキサノイル基、ラウロイル基、パルミトイル基、ミリストイル基、ステアロイル基、オレオイル基、イソステアロイル基等であり、この内ラウロイル基が特に好ましい。これは、この基の導入により他の成分との混和性が高まり、高粘度油剤が存在しても延展性を損なうことがないためである。又、(C1〜4)アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基などが例示でき、これらの内ではイソプロピル基が特に好ましい。これはこの基を導入することにより延展性とさっぱり感が著しく向上するからである。この様な、(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルは、前記の如くに調整して用いても良いし、既に市販されているものを利用してもよい。好ましい市販品としては、味の素株式会社より市販されているエルデュウ(登録商標)SL−205(ラウロイルサルコシンイソプロピル)が例示できる。本発明の化粧料において、(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。又、前記の効果を発揮するためには、(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルの含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、5〜20重量%である。これは少なすぎると、使用感を損なう場合があり、多すぎると安定性を損なう場合があるからである。
【0007】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である多価アルコール
本発明の皮膚外用剤は、多価アルコールとして、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種乃至は2種以上を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかる多価アルコールとして、1,2−ペンタンジオールを含有する形態が特に好ましい。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかる多価アルコールは極性溶媒としての働きと、保湿成分としての働きを担っている。又、副次的効果として、製剤が微生物に汚染されるのを防ぐ効果も発揮する。本発明の皮膚外用剤に於いて、かかる多価アルコールの好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜15重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。これは少なすぎると極性成分或いは保湿成分としての役割を果たせない場合があり、多すぎると、任意成分の種類によっては、相溶しない場合があるからである。
【0008】
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分を含有することを特徴とする。本発明で言う、皮膚外用剤とは、皮膚上に外用で投与される製剤を総括して示す言葉であり、化粧料、皮膚外用医薬、雑貨などを含んで意味する。本発明で皮膚外用剤として特に好適なものは、化粧料である。これは、何れの必須成分も化粧料に於いて、使用実績があるからである。本発明の皮膚外用剤では、前記必須成分以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。かかる任意の成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、12−ヒドロキシステアリン酸、有機変性ベントナイト或いはデキストリン脂肪酸エステル等の有機増粘ゲル化剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。
【0009】
これらの内で、特に好ましいものとしては、第一には、12−ヒドロキシステアリン酸、有機変性ベントナイト或いはデキストリン脂肪酸エステルなどの有機増粘ゲル化剤が挙げられる。この様な有機増粘ゲル化剤を含有する形態に於いては、透明の固形或いはゲル製剤、例えば、透明スティックの様な形態のものを提供することが出来る。この様な製剤では、使用感がさわやかであるにもかかわらず、やせることがない。この様な有機増粘ゲル化剤は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。第一の好ましい成分であるの有機増粘ゲル化剤の、好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で、0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。これは少なすぎると、固形化効果が得られない場合があり、多すぎると使用性を損なう場合があるからである。
【0010】
特に好ましい第二の成分としては、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類等の粉体類が挙げられる。この様な粉体を含有させることにより、しっとり感があり、保湿性がありながら、ベタツキのないモイストタイプ(キャピラリ領域のレオロジカルな挙動を示す組成物の成型品)のファンデーションなどのメークアップ化粧料や、固形白粉タイプの剤形でありながら保湿性を有するメークアップ化粧料を提供することが出来る。かかる粉体類は予め表面をハイドロジェンメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、シランカップリング剤、アシルアミノ酸塩等で処理しておいても良い。本発明の皮膚外用剤では、これら粉体類は唯一種のみを含有することも出来るし、二種以上組み合わせて含有することも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかる粉体類の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で、5〜90重量%であり、更に好ましくは、10〜80重量%である。
【0011】
特に好ましい2種の成分を、ともに含有する形態に於いては、オイルゲル製剤でありながら、脂っぽさ、ベタ付き感のない、制汗スティックやスティック状のメークアップ化粧料が提供できる。
【0012】
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分と任意成分、好ましい成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
【0013】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0014】
<実施例1>
下記に処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、化粧料(保湿オイル)を作成した。即ち、処方成分を攪拌可溶化し、保湿オイル1を得た。この保湿オイルについて、目尻のかさかさ部に対する改善作用を専門パネラーにより評価した。又、同時に使用感に於けるベタツキの無さ、脂っぽさの無さも評価した。評価基準は、スコア5:非常によい、スコア4:良い、スコア3:普通、スコア2:やや悪い、スコア1:悪いであった。又、保湿オイル1のラウロイルサルコシンイソプロピルをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例1、1,2−ペンタンジオールをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例2、ラウロイルサルコシンイソプロピルと1,2−ペンタンジオールとをグリセリルトリイソオクタネートに置換した対照例1についても、同様に評価した。結果を表1に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である、保湿オイル1は優れたかさかさ感改善効果を有しながら、脂っぽさやベタツキが極めて少ないことがわかる。
ラウロイルサルコシンイソプロピル 13 重量部
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
グリセリルトリイソオクタネート 82 重量部
【0015】
【表1】
【0016】
<実施例2>
実施例1の保湿オイルの多価アルコールの種類を変えて、実施例1と同様に専門パネラーによる評価を行った。結果を表2に示す。これより、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール及びジプロピレングリコールは1,2−ペンタンジオールと同様の効果を有することがわかる。又、比較例3としてグリセリン、比較例4としてプロピレングリコールも検討した。
ラウロイルサルコシンイソプロピル 13 重量部
多価アルコール* 5 重量部
グリセリルトリイソオクタネート 82 重量部
*詳細は表2に記す。
【0017】
【表2】
【0018】
<実施例3>
好ましい成分である、有機ゲル化剤を加えて、本発明の皮膚外用剤である、清涼オイルゲルスティック化粧料を作成した。即ち、処方成分を90℃で加熱し、攪拌溶解し、金型に流し込んで、冷却、固化させて、容器に装着して清涼オイルゲルスティック化粧料1を得た。これらについて、清涼感、脂っぽさの無さ、ベタツキの無さを専門パネラーにより評価した。清涼オイルゲルスティック化粧料1のラウロイルサルコシンイソプロピルをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例5、1,2−ペンタンジオールをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例6、ラウロイルサルコシンイソプロピルと1,2−ペンタンジオールとをグリセリルトリイソオクタネートに置換した対照例2も作成し、評価した。評価の基準は、スコア5:非常によい、スコア4:良い、スコア3:普通、スコア2:やや悪い、スコア1:悪いであった。結果を表3に示す。
ラウロイルサルコシンイソプロピル 13 重量部
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
12−ヒドロキシステアリン酸 2 重量部
グリセリルモノメンチルエーテル 1 重量部
グリセリルトリイソオクタネート 79 重量部
【0019】
【表3】
【0020】
<実施例4>
有機ゲル化剤をデキストリン脂肪酸エステルに変えて、本発明の皮膚外用剤である、清涼オイルゲルスティック化粧料2を作成した。即ち、処方成分を90℃で加熱し、攪拌溶解し、金型に流し込んで、冷却、固化させて、容器に装着して清涼オイルゲルスティック化粧料2を得た。これらについて、清涼感、脂っぽさの無さ、ベタツキの無さを専門パネラーにより評価した。清涼オイルゲルスティック化粧料1のラウロイルサルコシンイソプロピルをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例7、1,2−ペンタンジオールをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例8、ラウロイルサルコシンイソプロピルと1,2−ペンタンジオールとをグリセリルトリイソオクタネートに置換した対照例3も作成し、評価した。評価の基準は、スコア5:非常によい、スコア4:良い、スコア3:普通、スコア2:やや悪い、スコア1:悪いであった。結果を表4に示す。
ラウロイルサルコシンイソプロピル 13 重量部
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
デキストリン脂肪酸エステル 2 重量部
グリセリルモノメンチルエーテル 1 重量部
グリセリルトリイソオクタネート 79 重量部
【0021】
【表4】
【0022】
<実施例5>
特に好ましい成分である、粉体を加えて、本発明の皮膚外用剤である、ファンデーションを作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合した後、0.9mmφ丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーにて、混合しながらロの成分を噴霧してコーティングを行い、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に詰め、加圧成型してファンデーション1を得た。このものについて、化粧映え、しっとり感、ベタツキの無さを専門パネラーにより評価した。ファンデーション1のラウロイルサルコシンイソプロピルをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例9、1,2−ペンタンジオールをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例10、ラウロイルサルコシンイソプロピルと1,2−ペンタンジオールとをグリセリルトリイソオクタネートに置換した対照例4も作成し、評価した。評価の基準は、スコア5:非常によい、スコア4:良い、スコア3:普通、スコア2:やや悪い、スコア1:悪いであった。結果を表5に示す。
イ
シリコーン処理二酸化チタン 20 重量部
シリコーン処理酸化鉄 10 重量部
シリコーン処理チタンマイカ 3 重量部
シリコーン処理セリサイト 27 重量部
シリコーン処理マイカ 30 重量部
ロ
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
ラウロイルサルコシンイソプロピル 7 重量部
【0023】
【表5】
【0024】
<実施例6>
好ましい成分である、有機ゲル化剤と粉体を加えて、本発明の皮膚外用剤である、制汗オイルゲルスティック化粧料を作成した。即ち、処方成分を90℃で加熱し、攪拌溶解し、金型に流し込んで、冷却、固化させて、容器に装着して制汗オイルゲルスティック化粧料1を得た。これらについて、清涼感、制汗性、ベタツキの無さを専門パネラーにより評価した。制汗オイルゲルスティック化粧料1のラウロイルサルコシンイソプロピルをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例11、1,2−ペンタンジオールをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例12、ラウロイルサルコシンイソプロピルと1,2−ペンタンジオールとをグリセリルトリイソオクタネートに置換した対照例5も作成し、評価した。評価の基準は、スコア5:非常によい、スコア4:良い、スコア3:普通、スコア2:やや悪い、スコア1:悪いであった。結果を表6に示す。
ラウロイルサルコシンイソプロピル 13 重量部
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
12−ヒドロキシステアリン酸 2 重量部
グリセリルモノメンチルエーテル 1 重量部
シリカゲル 40 重量部
グリセリルトリイソオクタネート 39 重量部
【0025】
【表6】
【0026】
<実施例7>
特に好ましい成分である、粉体と有機ゲル化剤とを加えて、本発明の皮膚外用剤である、モイストタイプのファンデーションを作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合した後、0.9mmφ丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、90℃で溶解させたロの成分とともにダブルプラネタリータイプの混合機で混練りし、ホットロール掛けをして、金皿に詰め、加温加圧成型してモイストファンデーション1を得た。このものについて、化粧映え、しっとり感、ベタツキの無さを専門パネラーにより評価した。モイストファンデーション1のラウロイルサルコシンイソプロピルをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例13、1,2−ペンタンジオールをグリセリルトリイソオクタネートに置換した比較例14、ラウロイルサルコシンイソプロピルと1,2−ペンタンジオールとをグリセリルトリイソオクタネートに置換した対照例6も作成し、評価した。評価の基準は、スコア5:非常によい、スコア4:良い、スコア3:普通、スコア2:やや悪い、スコア1:悪いであった。結果を表7に示す。
イ
シリコーン処理二酸化チタン 20 重量部
シリコーン処理酸化鉄 10 重量部
シリコーン処理チタンマイカ 3 重量部
シリコーン処理セリサイト 17 重量部
シリコーン処理マイカ 10 重量部
ロ
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
ラウロイルサルコシンイソプロピル 20 重量部
12−ヒドロキシステアリン酸 1 重量部
シクロメチコン 4 重量部
セチルイソオクタネート 10 重量部
【0027】
【表7】
【0028】
<実施例8>
実施例7と同様に多価アルコールの種類を変えて、同様の検討を行った。評価結果は化粧映えがスコア5、しっとり感がスコア5、ベタツキの無さがスコア5であった。
イ
シリコーン処理二酸化チタン 20 重量部
シリコーン処理酸化鉄 10 重量部
シリコーン処理チタンマイカ 3 重量部
シリコーン処理セリサイト 17 重量部
シリコーン処理マイカ 10 重量部
ロ
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
ラウロイルサルコシンイソプロピル 20 重量部
12−ヒドロキシステアリン酸 1 重量部
シクロメチコン 4 重量部
セチルイソオクタネート 10 重量部
【0029】
<実施例9>
実施例7と同様に多価アルコールの種類を変えて、同様の検討を行った。評価結果は化粧映えがスコア5、しっとり感がスコア5、ベタツキの無さがスコア4であった。
イ
シリコーン処理二酸化チタン 20 重量部
シリコーン処理酸化鉄 10 重量部
シリコーン処理チタンマイカ 3 重量部
シリコーン処理セリサイト 17 重量部
シリコーン処理マイカ 10 重量部
ロ
イソプレンレングリコール 5 重量部
ラウロイルサルコシンイソプロピル 20 重量部
12−ヒドロキシステアリン酸 1 重量部
シクロメチコン 4 重量部
セチルイソオクタネート 10 重量部
【0030】
<実施例10>
好ましい成分である、有機ゲル化剤と粉体を加えて、本発明の皮膚外用剤である、抗真菌オイルゲルスティック皮膚外用医薬1を作成した。即ち、処方成分を90℃で加熱し、攪拌溶解し、金型に流し込んで、冷却、固化させて、容器に装着して抗真菌オイルゲルスティック皮膚外用医薬1を得た。
ラウロイルサルコシンイソプロピル 13 重量部
1,2−ペンタンジオール 5 重量部
デキストリン脂肪酸エステル 2 重量部
グリセリルモノメンチルエーテル 1 重量部
シリカゲル 40 重量部
グリセリルトリイソオクタネート 37 重量部
テルビナフィン 2 重量部
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、使用感などの使用性に優れ、極性成分と非極性成分の両方が含有できる非水系製剤を提供することができる。
Claims (9)
- 1)(C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルと2)次に挙げる多価アルコールから選択される1種乃至は2種以上とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(多価アルコール)1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール - (C10〜20)アシルサルコシン(C1〜4)アルキルがラウロイルサルコシンイソプロピルであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 多価アルコールが、1,2−ペンタンジオールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 更に、有機増粘ゲル化剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 有機増粘ゲル化剤が、12−ヒドロキシステアリン酸、有機変性ベントナイト及びデキストリン脂肪酸エステルから選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の皮膚外用剤。
- 更に、粉体を含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 粉体として、無水珪酸を含有することを特徴とする、請求項6に記載の皮膚外用剤。
- 非水系剤形であることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の化粧料。
- 化粧料であることを特徴とする、請求項1〜8何れか1項に記載の化粧料。
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