JP2004091287A - 電子線装置用セラミック複合材料およびその製造方法 - Google Patents

電子線装置用セラミック複合材料およびその製造方法 Download PDF

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Hironori Ishida
石田 弘徳
Mamoru Ishii
石井 守
Tatsuya Shiogai
塩貝 達也
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Abstract

【課題】ヤング率は120MPa以上と十分な剛性を持ちながら、熱膨張係数が23±3℃の範囲で、−1×10−6〜1×10−6/℃と低熱膨張で、比透磁率が1.001以下となる電子線装置用セラミック材料を提供する。
【解決手段】リチウムアルミノシリケート、コーディエライトから選ばれる1種以上の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウムから選ばれる1種以上の材料とからなる複合材料のセラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下となるようにする。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置等に用いられる低熱膨張セラミック複合材料に関するもので、さらに詳しくは半導体の微細加工を行う電子線装置に使用されるセラミック複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体などの製造工程におけるシリコンウェハを処理する工程において、ウェハ支持治具等の部材には、従来はアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウムなどのセラミックが広く用いられていた。(たとえば、特許文献1参照。)
ところが、近年、デバイスの微細化に伴い、その微細化を達成するために高い精度が求められ、例えば、露光装置においては、ステージの位置決めに10nm未満の精度が要求されている。したがって、位置合わせ誤差の低減が、今後の製品の品質向上や歩留まり向上、高スループット実現の大きな要素技術として捉えられるようになってきている。しかしながら、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウムでは、熱膨張係数が高いために温度の影響を受けやすく、このような極めて微小な位置決めはできないという問題点があった。
【0003】
このため、コージェライトなどの熱膨張係数の低い低熱膨張セラミックが使われるようになってきた。(たとえば、特許文献2参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開昭53−96762号公報
【特許文献2】
特開平11−74334号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの低熱膨張セラミックは、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム等の高強度セラミックに比べてかなり剛性が低く、露光作業のために高速移動を伴う電子線装置用セラミック材料としては用いることができないという課題があった。
さらには、これらの低熱膨張セラミック中に、鉄、コバルト、ニッケルを多く含んでいるとセラミックの比透磁率が高くなり、このようなセラミックの部材を、電子線装置に使用した場合、電子線に影響を与えてしまうため露光精度を低下させてしまうという課題もあった。
【0006】
本発明らは、これら前記した課題を解決するために鋭意検討して完成されたものであり、その目的は、剛性が十分であり、かつ、比透磁率の低い低熱膨張セラミックを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の目的は、23±3℃における熱膨張係数が−1×10−6〜1×10−6/℃であるセラミック複合材料であって、該セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下であり、かつ、該セラミック複合材料の比透磁率が1.001以下であることを特徴とする電子線装置用セラミック複合材料によって達成される。
【0008】
また、本発明の目的は、前記セラミック複合材料が、リチウムアルミノシリケート、コーディエライトから選ばれる1種以上の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウムから選ばれる1種以上の材料とからなることを特徴とする電子線装置用セラミック複合材料によっても達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、詳細に本発明を説明する。
本発明では、23±3℃における熱膨張係数が−1×10−6〜1×10−6/℃であるセラミック複合材料であって、該セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下であり、かつ、該セラミック複合材料の比透磁率が1.001以下であることを特徴とする電子線装置用セラミック複合材料を提案している。(請求項1)
【0010】
アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックは熱膨張係数が大きく、わずかな温度変化でも形状変化を引き起こしてしまう。しかし、熱膨張係数が本発明の23±3℃の範囲で、−1×10−6〜1×10−6/℃の低熱膨張セラミックであれば、アルミナア、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム等比較して、大幅に熱膨張係数が小さいことから、温度変化による形状変形を受けにくくすることができ、そのような低熱膨張係数の材料を、精密測定装置や精密加工装置に使用するのは、装置の精度を保つ上で大変好ましい。なかでも、半導体製造装置である電子線描画装置をはじめとする電子線装置の材料として特に適している。
【0011】
しかし、これら低熱膨張セラミック材料を電子線装置に使用する場合、熱膨張係数が上記の範囲であってもセラミック材料が磁性を帯びていると、電子線に悪影響を与え、電子線の制御が精度よく行えないという課題があった。
本発明者らが検討し結果、具体的にはセラミックの比透磁率1.001より上回ると電子線に悪影響がでてしまい、1.001以下であることが望ましいことが分かった。また、特に好ましくは、比透磁率は1.0001以下である。
【0012】
次に、さらに検討し結果、これらの材料中に、鉄、ニッケル、コバルトが含まれていると、部材が磁性を帯びてしまい、電子線に悪影響をあたえてしまうことが分かってきた。
すなわち、これら低熱膨張セラミックが磁性を帯びる原因としては、セラミック中に含まれる磁気材料が原因であると考えられる。具体的には、室温で強磁性を示す金属系磁気材料である、鉄、コバルト、ニッケルが挙げられる。特に鉄は、金属系磁気材料であるが酸化物系磁気材料でもある。鉄イオンであるFe3+は最大の磁気モーメントをもち、強い超交換相互作用を示すため、フェライトとよばれるFeを主成分とする複合酸化物は強磁性を示すものが多い。このため、セラミック中の鉄、コバルト、ニッケルの含有量は少ない方が好ましい。
【0013】
以上説明したように、本発明において、セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下とする理由は、これらの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%を越えると、セラミック材料の比透磁率を1.001以下とすることができなくなり、セラミック材料の電子線へ与える影響を無視できなくなるからである。
【0014】
したがって、原料調整工程、成形工程、焼成工程、および加工工程の各工程で、鉄、ニッケル、コバルトの混入を抑制、制御して、セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下となるようにすることが好ましい。
【0015】
次に、低熱膨張のセラミックとしては、コージェライト、ユークリプタイト、リン酸ジルコニル、リン酸ジルコニウムカリウム、スポジューメンを主成分としたものが有名であるが、しかし、このようなセラミックは剛性が低いため、本発明者等は本発明者等は、前記セラミック複合材料が、リチウムアルミノシリケート、コーディエライトから選ばれる1種以上の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウムから選ばれる1種以上の材料とからなることを特徴とする前記の電子線装置用セラミック複合材料を提案している。(請求項2)
【0016】
その理由は、リチウムアルミノシリケート、コーディエライトは、熱膨張が極めて小さく、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウムは、熱膨張係数はリチウムアルミノシリケート、コーディエライトよりも大きいがヤング率が高く、これらを複合化することにより、所望の低熱膨張および高剛性を兼備した材料とすることができるからである。
そうすることで、熱膨張係数が本発明の23±3℃の範囲で、−1×10−6〜1×10−6/℃の低熱膨張セラミックとし、室温でのヤング率が120GPa以上と剛性のある低熱膨張セラミックを得ることが可能となる。
【0017】
以下、実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(1)複合材料の作製
リチウムアルミノシリケートとしては平均粒径4μm以下の市販の高純度ユークリプタイト粉末を、そして炭化珪素としては、α−SiCを出発原料とし、これに鉄、ニッケル、コバルトを酸化物換算で所定量配合し、配合原料を調整した。
この配合原料粉末100重量部に有機系結合剤2重量部を加えて、24時間混合粉砕した。得られた粉末を50×50×20mmの大きさに10MPaで予備成形した後、100MPaで冷間静水プレスにより成形を行った。この成形体を、窒素雰囲気において500℃で脱脂した後、アルゴン雰囲気中で1370℃焼成を行い、ユークリプタイトとα−SiCからなるセラミック複合材料を作製した。
【0018】
複合材料の評価
得られたセラミック複合材料から4mm×4mm×12mmの試験片を切り出し、レーザー干渉式熱膨張測定装置(アルバック理工社製 LIX−1)を用いて23±3℃の範囲において試験片の変位量を測定し、複合材料の熱膨張係数を求めた。また、JIS R1602に規定された共振法にてこれら複合材料のヤング率を測定した。また、比透磁率は磁気天秤法により測定した。また、複合材料を構成するセラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量を公知の蛍光エックス線分析法により測定した。以上により得られた評価結果を表1にまとめて示した。
【0019】
【表1】
Figure 2004091287
【0020】
(3)評価結果の説明
表1の結果から明らかなように、セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下である試験No.1〜7は、比透磁率が1.001以下となり、電子線装置用のセラミック複合材料として好ましいことが分かった。さらには、ヤング率は120MPa以上と十分な剛性を持っていることが分かった。
一方、本発明の比較例である試験No.8〜10の複合材料のヤング率は120MPa以上と十分な剛性を持っているものの、セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%を越えるため比透磁率が1.001を上回ってしまい、電子線装置用のセラミック複合材料としては不適であることが分かった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のセラミック複合材料によれば、ヤング率は120MPa以上と十分な剛性を持ちながら、熱膨張係数が23±3℃の範囲で、−1×10−6〜1×10−6/℃とし、比透磁率が1.001以下とすることが可能であり、電子線装置用セラミック材料として好適な材料を得ることができる。

Claims (2)

  1. 23±3℃における熱膨張係数が−1×10−6〜1×10−6/℃であるセラミック複合材料であって、該セラミック中に含まれる鉄、ニッケル、コバルトの含有量の合計が酸化物換算で0.5質量%以下であり、かつ、該セラミック複合材料の比透磁率が1.001以下であることを特徴とする電子線装置用セラミック複合材料。
  2. 前記セラミック複合材料が、リチウムアルミノシリケート、コーディエライトから選ばれる1種以上の材料と、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、ジルコン、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウムから選ばれる1種以上の材料とからなることを特徴とする請求項1に記載の電子線装置用セラミック複合材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210078786A (ko) * 2019-12-19 2021-06-29 한국세라믹기술원 저열팽창 las계 세라믹 소재 및 이의 제조방법

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