JP2004091158A - 搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行台車3に立設するマスト2に沿って昇降する昇降台10と、昇降台に設けられる水平多関節アームを具備する移載装置1と、を具備する搬送装置にであって、昇降台10から突設された支持部12に、揺動部材20を自在に支持させ該揺動部材20移載装置1を搭載したことを特徴とする搬送装置。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行台車に立設するマストに沿って昇降する昇降台と、該昇降台に設けられる水平多関節式の移載装置と、を具備する搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動倉庫内において、複数の棚が設けられるラックに沿って走行する走行台車から立設するマストに沿って昇降する昇降台と、その昇降台に搭載される水平多関節式の移載装置とを備えた搬送装置が知られている。
このような水平多関節式の移載装置の一例としては、水平多関節アームを具備するものがある。
具体的には、具備する水平多関節アームを伸縮することで、上記載置台を上記ラックの棚にアクセスさせることが可能となるので、ラックの棚から物品を取り出したり、逆に、ラックの棚に物品を収納するような移載作業を実行するものである。
尚、水平多関節アームとは、スカラ式アームとも称されるものであって、アームの構成要素が複数のアーム部材からなり、上記アームの先端部分の軌跡が予め定められた直線若しくは曲線等の軌跡を描いて伸縮するように設計されるものである。
【0003】
上述の物品の移載作業において、載置台を棚にアクセスさせる具体的な手法としては、従来より、上記マストを旋回させることで、水平多関節アームの伸縮方向をアクセスしようとする棚の方向に向け、更に、水平多関節アームの伸縮を行うことで載置台を棚にアクセスさせる手法がある。
即ち、移載装置の載置台を所望の棚にアクセスさせるには、上記マストを旋回する挙動と、水平多関節アームの伸縮の挙動との2つの挙動を少なくとも実行させる必要があった。
また、水平多関節アームの軸心と、水平多関節アームの伸長方向を変化させるためのターンテーブルの軸心とが異なる搬送装置もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、前記移載装置が取り扱う物品の量の増加等によって、ラックの棚の数が増加すると共にラックの高層化が進んでいる。これに伴って移載装置が設けられる昇降台が昇降するためのマストを高くする必要があった。
即ち、近年においては、取り扱う物品の量の増加と、マストの長大化の傾向がある。
しかしながら、上述のような傾向によって、移載装置を所望の棚にアクセスさせるための上記2つの挙動の中で、特にマストを旋回させることの困難性が顕著になってきた。
例えば、マストが高くなると(長大化すると)、走行台車上で直接マストを旋回させる挙動を実行するための駆動力が不足したり、旋回挙動において発生するマストの振動等の不安定性が顕著になる等の問題がある。
そのため、従来の搬送装置では取り扱い物品量の増加に対応することが困難になってきた。
また、水平多関節アームの軸心と、水平多関節アームの伸長方向を変化させるためのターンテーブルの軸心とが異なるので、移載装置本体の形状が大きくなる欠点がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行台車上で直接マストを旋回させることなく移載装置の方向を変化させることを可能にすると共に、搬送装置自体の大きさを従来に比べて小型化することによって、ラックのスペースを従来以上に確保して取り扱い物品の増加等に対応できる搬送装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、走行台車から立設するマストに沿って昇降する昇降台と、上記昇降台に搭載される水平多関節式の移載装置とを備えた搬送装置であって、上記昇降台から突設された支持部に、揺動部材を揺動自在に支持させ、揺動部材に移載装置を搭載したことを特徴とする搬送装置として構成されている。
【0006】
即ち、請求項2では、前記揺動部材に前記移載装置を作動させるための駆動源を配設し、該駆動源を前記移載装置の旋回中心よりも昇降台の反支持部側に配置する構成となっている。
【0007】
即ち、請求項3では、前記支持部の揺動部材を支持する部位を下方に突設させ、該揺動部材を揺動させるための駆動源を配設し、前記走行台車のフレーム間の寸法よりも前記支持部の下端部の幅寸法を小さくする構成となっている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに、図1は本発明の実施の形態に係る搬送装置5の利用例図、図2は移載装置1の概略構成図(縮小時)、図3は移載装置1の概略構成図(伸長時)、図4はマスト2の概略構成図、図5は走行台車3内部の概略構成図である。
【0009】
先ず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係る搬送装置5(別称;スタッカクレーン)の具体的な利用例について説明する。
尚、図1(a)は、搬送装置5の走行方向からみた正面図であり、ラック1300が具備する複数の棚1100全てに物品1200が収納されている状態の一例を示している。図1(b)は、図1(a)の搬送装置5を矢印Bの方向から見た側面図であり、移載装置1が物品1200を載置している状態の一例を示している。
【0010】
先ず、搬送装置5は、具体的には、図1に示されるような自動倉庫1000に設けられるものであって、物品1200を収納するための複数の棚1100を具備するラック1300に沿って設けられるレール4上を走行する走行台車3と、該走行台車3に立設されるマスト2と、該マスト2に沿って昇降する移載装置1とを具備して概略構成されている。
また、図1(b)に示されるように、搬送装置5の前面側には梯子6が設けられている。
この梯子6は、マスト2と同様に走行台車3に各々立設され、マスト2と上端にてフレーム等によって橋架されることで搬送装置5全体の剛性を高める構成となっている
【0011】
ここで、上記マスト2の概略構成について図4を用いて詳しく説明する。
上記マスト2は、具体的には、第1マスト145と左右の第2マスト146・146との2種類のマストよりなり、上記第1マスト145と上記第2マスト146の各々は、互いに連結部材156により連結されている。
また、連結部材156は、マスト2の長手方向に沿って所定の間隔ごとに設けられており、第1マスト145と第2マスト146とを連結支持する。これによりマスト2全体の剛性を高めて安定性を高めている。
【0012】
上述したマスト2に沿って昇降する移載装置1は、具体的には昇降台10及び連結部材10aを介して、第1マスト145に対して摺動する摺動部材148に連結される。
該摺動部材148は、4つのガイドローラ161・161・162・162を具備すると共にベルト154に接続されている。(点線で示したローラも含めると合計6つのガイドローラがある。)
また、上記ガイドローラは第1マスト145の側面に接触しており、ベルト154を駆動することで、摺動部材148が第1マスト145に対して摺動するので、該摺動部材148に連結される上記移載装置1がマスト2を昇降することが可能となっている。
また、第1マスト145と第2マスト146とは離間して設けられているので、その離間した空間は電装品等の配置スペースとされている。
上記配置スペースには、具体的には、走行台車3と昇降台10とを接続する給電線等を収納する給電線ダクト157等が配置される構成となっている。
更に、上記配置スペースと外部とを区別するためのカバー158、159(点線にて図示)が、図4に示されるように、第1マスト145と第2マスト146との間の離間空間部分を覆うように設けられている。
このような構成であるので、上記6つのガイドローラと、第1マスト145との接触等によって発生する塵挨が外部に飛散することを防止することが可能となる。
また、図4に示される物品1200の旋回範囲は、点線円1200a内で示される範囲で旋回することを示しており、この点線円1200a内に、載置台60、及び、アーム部材30、40で構成される水平多関節アームの旋回範囲と、揺動部材20の揺動範囲とが収まる構成となっている。
これは、揺動部材20に移載装置1を作動させるための駆動源21を配設し、該駆動源21を移載装置1の旋回中心よりも昇降台10の反支持部側(支持部12と反対側)に配置する構成となっているからである。
また、これにより、揺動部材20が摺動部材148側へは揺動しないので、水平多関節アームの旋回中心100と、摺動部材148との間の距離を小さくできる。
【0013】
次に、移載装置1を昇降させるためにベルト154を駆動する昇降駆動ユニット140が設けられる走行台車3内部の概略構成について図5を用いて説明する。
昇降駆動ユニット140は、移載装置1を昇降するためのベルト154が巻回されるプーリ134と、該プーリ134を回転駆動させる昇降駆動手段135とを備えている。昇降駆動手段135は、駆動モータ135aとハイポイドギヤ式減速機135bとを連結した構成である。
このような構成であるので、駆動モータ135aを駆動させることによって、プーリ134を回転し、この回転によってベルト154が駆動されて上記移載装置1を昇降することが可能となる。
上記プーリ134は、昇降駆動手段135の出力軸136に固設されている。該出力軸136は軸受137・137に軸支され、該軸受137・137は各々フレーム117に形成される取付孔117b・117bに設けられる軸受支持部材138・138に支持される構成となっている。
また、フレーム117の外部には昇降駆動手段135や走行台車3を制御駆動するための制御基板等が設けられている。
【0014】
次に、上記移載装置1と昇降台10について、具体的に図2及び図3を用いて説明する。
尚、図2は、移載装置1の水平多関節アームを縮小させた場合の外観の概略構成図である。図3(a)は、移載装置1の水平多関節アームを伸長させた場合の外観の概略構成図である。図3(b)は、図3(a)の移載装置1を矢印Aの方向から見た平面図である。
先ず、昇降台10は、水平多関節アームを具備する移載装置1を支持するものであって、更に上記摺動部材148と接続するための連結部材10aに連結されてなり、該連結部材10aを介してマスト2を昇降するものである。
移載装置1は、上記昇降台10と該昇降台10から下方に突設された支持部12に揺動自在に設けられる揺動部材20とに連結され、該揺動部材20と連結されるアーム部材30と、該アーム部材30と連結されるアーム部材40と、該アーム部材40に設けられ、物品を載置するための載置台60と、を具備して概略構成されている。
即ち、揺動部材20と、アーム部材30、40とで構成される水平多関節アームの一端(揺動部材20側)が昇降台10に揺動自在に設けられ、他端(アーム部材40側)に載置台60が設けられる構成となっている。
また、上記揺動部材20と、アーム部材30、40とは、互いに軸や遊星歯車等の伝達機構26、35、36、45、46を介して連結されるものであり、該伝達機構が、揺動部材20に設けられる単一のモータ等の駆動源21によって駆動される構成となっている。
また、駆動源21は、揺動部材20内における、水平多関節アームの旋回中心100(図3図示)に対する反摺動部材148側に配置されており、該駆動源21の軸心と伝達機構26とは、ベルト27によって巻回される構成となっている。このように構成するのは、例えば、駆動源21の軸心と伝達機構26の軸心とを同一とすると、駆動源21を収めるために揺動部材20の厚みが厚くなってしまうためであり、これを回避するために駆動源21の軸心と伝達機構26の軸心が異なる位置となるように構成し、互いにベルト27を巻回する構成としている。また、駆動源21を反摺動部材148側に配置することで、摺動部材148から前記旋回中心100までの寸法を小さくすることができて、前述の如く水平多関節アームの旋回範囲を点線円1200a内に収めることが可能となっている。したがって、上記駆動源21を作動させることによって、揺動部材20と、アーム部材30、40とより構成される水平多関節アームを、図2(縮小時)の状態から図3(伸長時)の状態に変化することが可能となる。
もちろん、上記駆動源21を作動させることによって、水平多関節アームを図3(伸長時)の状態から図2(縮小時)の状態に変化することも可能である。
また、このような水平多関節アームの伸縮変化において、載置台60の先端部66の動作軌跡は直線500を描くように設計されるものであっても良く、この場合に、上記直線500が上記水平多関節アームの伸縮方向となる。この場合、例えば、水平多関節アームの伸長時等において、アーム部材30が直線500に対してある角度θで傾いているならば、逆にアーム部材40は上記直線500に対して角度−2θ傾けると共に、載置台60は上記直線に対して角度θ傾けることで、載置台60の向きを変化させることなく水平多関節アームを伸長することが可能となる。
また、載置台60上に設けられる3つの突起は、該載置台60に載置する物品の底面に設けられる凹部と係合するものであって、載置台60に載置された物品のすべり等による落下を防止するものである。
【0015】
続いて、移載装置1における揺動部材20と、アーム部材30、40とよりなる水平多関節アームを昇降台10に対して揺動自在に連結する構成について説明する。
図2に示す昇降台10の下方に突設された支持部12の下部には、図3(a)に示すように、モータ等の駆動源11が設けられている。そして、支持部12の駆動源11が収納されている部分の左右幅は、走行台車3における一対のフレーム117間の寸法よりも小さく構成されているので、支持部12の下部が、走行台車3における一対のフレーム117の間に収まることが可能となり、例えば、図1(b)における移載装置1を、点線で示す1aの位置(最下部)まで下降させることが可能となる。
この駆動源11の駆動軸16と揺動部材20とは互いに固設される構成となっているので、駆動源11で駆動軸16を回動させることで、揺動部材20を図3(b)の矢印方向に揺動することが可能となる。
したがって、揺動部材20に連結されるアーム部材30及び40も一体となって揺動されることになるので、揺動部材20と、アーム部材30、40とよりなる水平多関節アームの伸縮方向(例えば、直線500)を変化させることが可能となる。
つまり、昇降台10の下方に突設された支持部の下部に設けられる上記駆動源11が、上記昇降台10に対して揺動部材20と、アーム部材30、40とよりなる水平多関節アームの伸長方向を変化させるものである。
【0016】
搬送装置5が上述のように構成されているので、載置台60をラック1300の棚1100にアクセスさせる際に、従来のようにマストを直接回転させることなく、昇降台10に設けられる水平多関節アームの揺動部材20を揺動させることで、水平多関節アームの伸縮方向を揺動させることが可能になる。
つまり、本発明の搬送装置5の場合は、マストを回転することなく水平多関節アームを揺動させることが可能となるので、マストの安定性と剛性は従来と比較して向上し、マストを回転駆動するための駆動力を気にする必要もなくなる。
したがって、本発明を用いることで、従来の技術における水平多関節アームの伸縮方向を変化させる等の揺動に関する挙動の困難性を解消することが可能となる。
また、駆動源11や駆動源21が、昇降台10から突設した支持部12の下部や、揺動部材20の内部に設けられる構成であるので、モータ等で発生する塵挨の飛散を防止することが可能となる。
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
即ち、請求項1に示す如く、走行台車から立設するマストに沿って昇降する昇降台と、上記昇降台に搭載される水平多関節式の移載装置とを備えた搬送装置であって、上記昇降台から突設された支持部に、揺動部材を揺動自在に支持させ、揺動部材に移載装置を搭載したことを特徴とする搬送装置として構成したので、移載装置の載置台をラック等の棚にアクセスさせる際に、従来のようにマストを直接回転させることなく、昇降台に設けられる水平多関節式の移載装置を揺動させることで、該載置台を容易に上記棚にアクセスさせることが可能となる。
更に、マストを回転することなく水平多関節式の移載装置を揺動させることが可能となるので、マストの安定性と剛性は従来と比較して向上する。
【0018】
請求項2に示す如く、前記揺動部材に前記移載装置を作動させるための駆動源を配設し、該駆動源を前記移載装置の旋回中心よりも昇降台の反支持部側に配置する構成であるので、摺動部材から移載装置の旋回中心までの寸法を小さくすることができて、水平多関節アームの旋回範囲を物品の旋回範囲内に収めることが可能となり、搬送装置を小型化することができる。
【0019】
請求項3に示す如く、前記支持部の揺動部材を支持する部位を下方に突設させ、該揺動部材を揺動させるための駆動源を配設し、前記走行台車のフレーム間の寸法よりも前記支持部の下端部の幅寸法を小さくする構成となっているので、該昇降台を最下部まで降下させた場合に、走行台車の空きスペースに上記支持部を収めることが可能となるので、搬送装置全体の小型化が可能となり、省スペース設計を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る搬送装置5の利用例図。
【図2】移載装置1の概略構成図(縮小時)。
【図3】移載装置1の概略構成図(伸長時)。
【図4】マスト2の概略構成図。
【図5】走行台車3内部の概略構成図。
【符号の説明】
1…移載装置
3…走行台車
5…搬送装置
20、30、40…アーム部材
60…載置台
145…第1マスト
146…第2マスト
148…摺動部材
Claims (3)
- 走行台車から立設するマストに沿って昇降する昇降台と、上記昇降台に搭載される水平多関節式の移載装置とを備えた搬送装置であって、
上記昇降台から突設された支持部に、揺動部材を揺動自在に支持させ、揺動部材に移載装置を搭載したことを特徴とする搬送装置。 - 前記揺動部材に前記移載装置を作動させるための駆動源を配設し、該駆動源を前記移載装置の旋回中心よりも昇降台の反支持部側に配置したことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
- 前記支持部の揺動部材を支持する部位を下方に突設させ、該揺動部材を揺動させるための駆動源を配設し、前記走行台車のフレーム間の寸法よりも前記支持部の下端部の幅寸法を小さくしたことを特徴とする請求項1、又は請求項2のいずれかに記載の搬送装置。
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