JP2004090735A - 自動車ドアのシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの増大を抑制しつつ車室内への騒音の侵入を防止するとともに、ドアガラス昇降時における摺動抵抗の増大を防止することの可能な自動車ドアのシール構造を提供する。
【解決手段】ガラスラン1の後部鉛直部3のインナシールリップ7には、ガラスインナウエザストリップとの衝き合わせ部に対応する部位に、ガラスインナウエザストリップに対向するようにして凸部31が一体形成されている。ガラスインナウエザストリップの後端末の基部及び下段シールリップが切り欠かれて切り欠き部が設けられ、この切り欠き部に対応して凸部31が挿入されるように位置している。凸部31は、ドアインナパネルに嵌め込まれる断面略コ字状の取付部32及びガラスインナウエザストリップの下段シールリップに対応するリップ部33を有する。取付部32とリップ部33の間には、両者32,33を連結するようにして平面略V字状をなす遮音壁34が設けられている。
【選択図】 図3
【解決手段】ガラスラン1の後部鉛直部3のインナシールリップ7には、ガラスインナウエザストリップとの衝き合わせ部に対応する部位に、ガラスインナウエザストリップに対向するようにして凸部31が一体形成されている。ガラスインナウエザストリップの後端末の基部及び下段シールリップが切り欠かれて切り欠き部が設けられ、この切り欠き部に対応して凸部31が挿入されるように位置している。凸部31は、ドアインナパネルに嵌め込まれる断面略コ字状の取付部32及びガラスインナウエザストリップの下段シールリップに対応するリップ部33を有する。取付部32とリップ部33の間には、両者32,33を連結するようにして平面略V字状をなす遮音壁34が設けられている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ドアのシール構造、特に車外からドアを介して車室内に入る騒音の遮音性を良好にする自動車ドアのシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のドアのドアフレームの内周に沿ってガラスランが取付けられる。また、ドアベルトラインに沿ってガラスウエザストリップが取付けられる。これらによって、ドアの窓開口とドアガラスとの間がシールされる。ガラスランは、断面コ字形の本体部を備えるとともに、その開口側の両端から本体部内に延びて、ドアガラス周縁部の内面に当接するインナシールリップとドアガラス周縁部の外面に当接するアウタシールリップとを備えている。そして、これら両シールリップによって、ドアガラスの周縁部が挟まれるようにしてシールされる。また、ドアベルトラインに沿うガラスウエザストリップは、ドアインナパネルの上縁に取付けられるガラスインナウエザストリップと、ドアアウタパネルの上縁に取付けられるガラスアウタウエザストリップとからなる。両ウエザストリップは、それぞれの基部から延びる上下二段のシールリップを備え、ドアガラスを内外面から挟むようになっている。
【0003】
さて、両ガラスウエザストリップの前後の端末は、ガラスランの前後の鉛直部と衝き合されている。しかし、ガラスラン及びガラスウエザーストリップは、それぞれ別体で構成された上で、それぞれドアに組付けられているため、衝き合わせ部には隙間が形成されてしまうおそれがある。この場合、ガラスインナウエザストリップの端末とガラスランとの衝き合せ部の隙間開口から車室内に騒音が侵入し、車内騒音の原因となるおそれがある。
【0004】
かかる不具合を回避するべく、ガラスインナウエザストリップとガラスランとを一体で成形することも考えられるが、この場合、金型構造が複雑なものとなってしまい、コストの増大を招いてしまう。一方、特開2000−326734号公報には、ガラスランの鉛直部におけるガラスインナウエザストリップの端末と衝き合わされる位置に、インナシールリップのドアガラス当接面からガラスインナウエザストリップのシールリップとラップする方向に延びる遮音リップを形成する技術が開示されている。つまり、ガラスラン側に形成された遮音リップとガラスインナウエザストリップのシールリップとをオーバーラップさせることで、騒音の侵入防止が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遮音リップとガラスインナウエザストリップのシールリップとをオーバーラップさせる構成とした場合、オーバーラップ部分における撓み荷重が大きなものとなってしまい、ドアガラス昇降時における摺動抵抗が増大してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストの増大を抑制しつつ車室内への騒音の侵入を防止するとともに、ドアガラス昇降時における摺動抵抗の増大を防止することの可能な自動車ドアのシール構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するための各手段について説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.自動車ドアのドアフレームの内周に、少なくともドアガラスの周縁部内面をシールするインナシールリップを備えたガラスランを前記ドアフレームの内周に沿って取付け、ベルトライン位置に沿って、ドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内面をシールするシールリップとを備えたガラスインナウエザストリップを、その前後の端末を前記ガラスランの前後の鉛直部と衝き合わせた状態で前記ベルトラインに沿って取付けてなる自動車ドアのシール構造において、
少なくとも前記ガラスランの後部の鉛直部には、前記ガラスインナウエザストリップの端末と衝き合される位置に、前記インナシールリップから前記ガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部を設け、該凸部は、前記基部の端末に当接又は略当接し前記ドアインナパネルに取着される取付部と、前記シールリップの端末に当接又は略当接し前記ドアガラスの内面をシールするリップ部と、前記取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁とを具備していることを特徴とする自動車ドアのシール構造。
【0009】
手段1によれば、ガラスランのインナシールリップによって、少なくともドアガラスの周縁部内面がシールされる。また、ベルトラインに沿って取付けられたガラスインナウエザストリップのシールリップによって、ドアガラスの内面がベルトラインにおいてシールされる。両者は、それぞれ別体で構成されているため、それぞれの端末部等の型成形に際しての金型構造の複雑化を招きにくく、コストの増大が抑えられる。さて、手段1では、少なくともガラスランの後部の鉛直部には、ガラスインナウエザストリップの端末と衝き合される位置に、インナシールリップからガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部が設けられる。該凸部の取付部は、ガラスインナウエザストリップの基部の端末に当接又は略当接しドアインナパネルに取着される。また、凸部のリップ部は、前記ガラスインナウエザストリップのシールリップの端末に当接又は略当接し、該リップ部によりドアガラスの内面がシールされる。ここで、ガラスインナウエザストリップの端末と、凸部との間に隙間が形成されたとしても、取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁によって、外部からの騒音が、遮断されることとなる。このため、比較的簡単な構成で、騒音が自動車室内に侵入してまうといった事態を防止できる。また、ガラスランの凸部のリップ部とガラスインナウエザストリップのシールリップとが重なり合うことがないため、撓み荷重が大きなものとなってしまい、ドアガラス昇降時における摺動抵抗が増大してしまうといった不具合を回避できる。
【0010】
手段2.自動車ドアのドアフレームの内周に、少なくともドアガラスの周縁部内面をシールするインナシールリップを備えたガラスランを前記ドアフレームの内周に沿って取付け、ベルトライン位置に、ドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内面をシールする上段シールリップ及び下段シールリップとを備えたガラスインナウエザストリップを、その前後の端末を前記ガラスランの前後の鉛直部と衝き合わせた状態で前記ベルトラインに沿って取付けてなる自動車ドアのシール構造において、
前記ガラスインナウエザストリップの後端末には、前記基部及び下段シールリップを切り欠いた切り欠き部を形成するとともに、前記ガラスランの後部の鉛直部には、前記切り欠き部に対応する位置に、前記インナシールリップから前記ガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部を設け、該凸部は、前記基部の切り欠き部の端末面に当接又は略当接して前記ドアインナパネルに取着される取付部と、前記下段シールリップの切り欠き部の端末面に当接又は略当接して前記ドアガラスの内面をシールするリップ部と、前記取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁とを具備していることを特徴とする自動車ドアのシール構造。
【0011】
手段2によれば、ガラスランのインナシールリップによって、少なくともドアガラスの周縁部内面がシールされる。また、ベルトラインに沿って取付けられたガラスインナウエザストリップの下段及び上段シールリップによって、ドアガラスの内面がベルトラインにおいてシールされる。ガラスラン及びガラスインナウエザストリップは、それぞれ別体で構成されているため、それぞれの端末部等の型成形に際しての金型構造の複雑化を招きにくく、コストの増大が抑えられる。さて、手段2では、ガラスインナウエザストリップの後端末には、前記ガラスインナウエザストリップの基部及び下段シールリップを切り欠いた切り欠き部を形成するとともに、ガラスランの後部の鉛直部には、切り欠き部に対応する位置に、インナシールリップからガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部が設けられる。該凸部の取付部は、ガラスインナウエザストリップの基部の切り欠き部の端末面に当接又は略当接してドアインナパネルに取着される。また、凸部のリップ部は、前記下段シールリップの切り欠き部の端末面に当接又は略当接し、該リップ部によりドアガラスの内面がシールされる。ここで、ガラスインナウエザストリップの端末面と、凸部との間に隙間が形成されたとしても、取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁によって、外部からの騒音が、遮断されることとなる。このため、比較的簡単な構成で、騒音が自動車室内に侵入してまうといった事態を防止できる。また、ガラスランの凸部のリップ部とガラスインナウエザストリップのシールリップとが重なり合うことがないため、撓み荷重が大きなものとなってしまい、ドアガラス昇降時における摺動抵抗が増大してしまうといった不具合を回避できる。
【0012】
手段3.前記遮音壁の上辺部は、前記上段シールリップの下面に沿って又はほぼ沿って延びていることを特徴とする手段2に記載の自動車ドアのシール構造。
【0013】
手段3によれば、遮音壁の上辺部が上段シールリップの下面に沿って又はほぼ沿って延びているため、取付部及びリップ部、並びに、上段シールリップで囲まれる空間と、ガラスインナウエザストリップの基部及び下段シールリップ、並びに、上段シールリップで囲まれる空間とが、遮音壁によってほぼ隔絶される。このため、上述した防音効果がより一層確実なものとなる。
【0014】
手段4.前記遮音壁は、前記取付部及びリップ部間を連結するものであり、かつ、可撓性を有していることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【0015】
手段4によれば、遮音壁が取付部及びリップ部間を連結するため、より一層の防音効果が奏される。しかも、遮音壁が可撓性を有しているため、リップ部が撓むに際し、遮音壁の存在に起因して撓み荷重が著しく大きくなってしまうといった事態を回避できる。
【0016】
手段5.前記遮音壁は、前記取付部及びリップ部間の略中央部分において容易に屈曲しうるよう屈曲部を有していることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【0017】
手段5によれば、遮音壁は、取付部及びリップ部間の略中央部分の屈曲部において容易に屈曲しうる。このため、リップ部が撓むに際し、遮音壁の存在に起因して撓み荷重が著しく大きくなってしまうといった事態を回避できる。
【0018】
手段6.前記遮音壁は、平面略V字状又は略U字状をなしていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【0019】
手段6によれば、遮音壁は、平面略V字状又は略U字状をなしているため、比較的簡易な構成でもって、遮音壁を撓みやすい構造とすることができ、もって撓み荷重の増大を抑制できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1に示すように、自動車用ドア(本実施の形態ではフロントドア:以下、単に「ドア」という)の外周形状に対応して、ガラスラン1が組み付けられる。より詳しく説明すると、ドアには、その外周形状に則したサッシュが設けられており、該サッシュの内周側にガラスラン1が組み付けられる。
【0022】
ガラスラン1は、その長手方向にみて押出成形部と型成形部(図1で散点模様を付した部分)とに区別される。すなわち、押出成形部は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)よりなり、図示しない押出成形機により直線状に(長尺状に)形成される。また、型成形部はコーナ部分等に対応しており、図示しない金型装置にて形成されている。このように、ガラスラン1は押出成形部及び型成形部によって構成されているのであるが、以下には、便宜上、ドアの前部に対応し略鉛直方向に延びる前部鉛直部2、ドアの後部に対応し略鉛直方向に延びる後部鉛直部3、及び、ドアの上部に対応し両鉛直部2,3を接続する上部横辺部4に区分して説明することとする。
【0023】
図2は、ガラスラン1の一般断面を説明するための図1のJ−J線断面図である(但し、サッシュ等は省略してある)。同図に示すように、ガラスラン1は断面略コ字状の本体部6及び一対のシールリップ(インナシールリップ7及びアウタシールリップ8)を備えている。本体部6は、サッシュに嵌め込まれる基部9及び該基部9から延びる一対の側壁部11,12よりなっている。また、インナシールリップ7及びアウタシールリップ8は、前記各側壁部11,12の略先端からそれぞれ本体部6の内側に延びており、これによりドアガラスGの車内側及び車外側がシールされるようになっている。
【0024】
また、図1に示すように、本実施の形態においては、ドアベルトラインに沿ってガラスウエザストリップが取付けられる。ガラスウエザストリップは、ドアインナパネル20(図4参照)の上縁に取付けられるガラスインナウエザストリップ21と、図示しないドアアウタパネルの上縁に取付けられるガラスアウタウエザストリップ41(図5参照)とからなる。
【0025】
ここで、ドアインナウエザストリップ21について詳しく説明すると、該ドアインナウエザストリップ21は、ドアベルトラインの位置に対応して略直線状に延びており、その両端部は、ガラスラン1の前部鉛直部2及び後部鉛直部3に対し、それぞれ衝き合わされている。図4は、ベルトライン部分を示す図1のK−K線断面図である(但し、ドアガラスGよりも車外側は省略してある)。同図に示すように、ドアインナウエザストリップ21は、内装品たる図示しないドアトリム側に位置しており、基部22及び該基部22から斜め上方に延びドアガラスGの車内側面に当接する上段シールリップ23及び下段シールリップ24を有している。基部22は、硬質オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)により構成され、ドアインナパネル20の上端縁に嵌合されている。また、両シールリップ23,24は軟質TPOにより構成されており、該シールリップ23,24の存在により、前記ドアインナパネル20とドアガラスGとの間がシールされるようになっている。
【0026】
さて、本実施の形態では、ガラスインナウエザストリップ21の後端末とガラスラン1の後部鉛直部3との衝き合せ部に特徴があるため、次には当該部分を中心に説明することとする。
【0027】
ガラスラン1の後部鉛直部3のうち、前記ガラスインナウエザストリップ21との衝き合わせ部に対応する部位は、型成形により形成されている。より詳しく説明すると、図3,5に示すように、前記ガラスラン1の後部鉛直部3のインナシールリップ7のうち、前記衝き合わせ部に対応する部位には、前記ガラスインナウエザストリップ21に対向するようにしてTPOよりなる凸部31が一体形成されている。一方、前記ガラスインナウエザストリップ21の後端部には、凸部31に対応する部位に、切り欠き部が形成されている。すなわち、前記ガラスインナウエザストリップ21の後端末は、上段シールリップ23を残して基部22及び下段シールリップ24が切り欠かれて切り欠き部が設けられており、該切り欠き部に対応して上段シールリップ23の下側に挿入されるように凸部31が配置される。
【0028】
凸部31は、前記基部22と同様、前記ドアインナパネル20のフランジ部に嵌め込まれる断面略コ字状の取付部32を有しているとともに、前記切り欠かれた下段シールリップ24に対応するリップ部33を有している。そして、当該取付部32の先端面及びリップ部33の先端面が、ガラスインナウエザストリップ21のうち、前記基部22の切り欠き端面及び下段シールリップ24の切り欠き端面とそれぞれ衝き合わせ状態で当接又は略当接されている。なお、ガラスインナウエザストリップ21のうち上段シールリップ23は、切り欠かれることなく、その端面は、前記ガラスラン1のインナシールリップ7に当接又は略当接している。
【0029】
さらに、前記凸部31のうち、取付部32とリップ部33との間には、両者32,33を連結するようにして遮音壁34が設けられている。該遮音壁34は、平面略V字状をなし、その幅方向略中央の屈曲部において、容易に撓みうるよう構成されている。該遮音壁34の上辺部は、前記取付部32及びリップ部33の上端部同士を連結するように、換言すれば、上段シールリップ23の下面に沿って延びている。これにより、取付部32及びリップ部33、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間と、ガラスインナウエザストリップ21の基部22及び下段シールリップ24、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間とが、遮音壁34によってほぼ隔絶されるようになっている。
【0030】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用効果について説明する。
【0031】
基本的には、ガラスラン1のインナシールリップ7によって、少なくともドアガラスGの周縁部内面がシールされる。また、ベルトラインに沿って取付けられたガラスインナウエザストリップ21の上下段シールリップ23,24によって、ドアガラスGの内面がベルトラインにおいてシールされる。ガラスラン1及びガラスインナウエザストリップ21は、それぞれ別体で構成されているため、成形に際しての金型構造の複雑化を招くことなく、コストの増大が抑えられる。
【0032】
また、本実施の形態では、少なくともガラスインナウエザストリップ21の後端末のうち、基部22及び下段シールリップ24が切り欠かれ、ガラスラン1の後部鉛直部3には、切り欠き部に対応する位置に、インナシールリップ7からガラスインナウエザストリップ21の延びる方向に突出し取付部32及びリップ部33を有する凸部31が設けられる。ここで、ガラスインナウエザストリップ21の端末と、凸部31との間に隙間が形成されたとしても、取付部32及びリップ部33間を仕切る遮音壁34によって、外部からの騒音が、遮断されることとなる。このため、比較的簡単な構成で、騒音が自動車室内に侵入してまうといった事態を防止できる。また、リップ部33と下段シールリップ24とが重なり合うことがないため、撓み荷重が大きなものとなってしまうこともない。つまり、ドアガラスG昇降時における摺動抵抗が増大してしまうといった不具合を回避できる。
【0033】
特に、遮音壁34の上辺部は、上段シールリップ23の下面に沿って延びている。このため、取付部32及びリップ部33、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間と、ガラスインナウエザストリップ21の基部22及び下段シールリップ24、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間とが、遮音壁34によってほぼ隔絶される。その結果、上述した防音効果がより一層確実なものとなる。
【0034】
さらに、遮音壁34は、取付部32及びリップ部33間を連結するものであり、かつ、平面略V字状をなし中央の屈曲部にて容易に撓みうる。そのため、ドアガラスG昇降時にリップ部33が撓むに際し、遮音壁34の存在に起因して撓み荷重が著しく大きくなってしまうといった事態を回避できる。
【0035】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0036】
(a)上記実施の形態では、ガラスラン1の後部鉛直部3とガラスインナウエザストリップ21の後端末の衝き合せ部の遮音構造について説明したが、ガラスラン1の前部垂直部2とガラスインナウエザストリップ21の前端末との間にも上記凸部31と同様の凸部を設けることとしてもよい。かかる構成とすることで、ドア本体内の騒音の車室内への侵入を一層効果的に防止することができる。
【0037】
(b)上記実施の形態では、遮音壁34は、取付部32及びリップ部33の双方に連結されているが、いずれか一方のみに連結されている構成としてもよい。
【0038】
(c)上記実施の形態では、遮音壁34は、平面略V字状をなすよう構成されているが、ドアガラスGの昇時に容易に撓みうる構成となっていれば、その形状については特に限定されるものではない。但し、所定の屈曲部を中心に撓み易い構成となっているのが望ましく、他の形状としては、例えば平面U字状、平面W字状等が挙げられる。
【0039】
(d)上記実施の形態では、フロントドアに関して具体化されているが、取着されるドアの部位は特に限定されるものではなく、例えばリヤドアに取着されるインナーウエザストリップ及びガラスランに適用することもできる。
【0040】
(e)上記実施の形態では、ガラスラン1の押出成形部をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等の他の素材により構成してもよい。また、上記実施の形態ではTPOにより構成されているガラスインナウエザストリップ21をEPDM等により構成してもよい。
【0041】
(f)上記実施の形態では、ガラスインナウエザストリップ21のうち、凸部31に対応する部位に切り欠き部を設ける構成となっているが、当初より段差が形成されるよう成形される構成となっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態においてガラスラン及びガラスインナウエザストリップの構成を模式的に示す側面図である。
【図2】ガラスランの一般断面を説明するための図1のJ−J線断面図である。
【図3】凸部の一体形成された後部鉛直部を示す部分斜視図である。
【図4】ガラスインナウエザストリップの一般断面を説明するための図1のK−K線断面図である。
【図5】凸部の取付部及びリップ部等を示す図1のL−L線断面図である。
【符号の説明】
1…ガラスラン、2…前部鉛直部、3…後部鉛直部、6…本体部、7…インナシールリップ、8…アウタシールリップ、20…ドアインナパネル、21…ガラスインナウエザストリップ、22…基部、23…上段シールリップ、24…下段シールリップ、31…凸部、32…取付部、33…リップ部、34…遮音壁、G…ドアガラス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ドアのシール構造、特に車外からドアを介して車室内に入る騒音の遮音性を良好にする自動車ドアのシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のドアのドアフレームの内周に沿ってガラスランが取付けられる。また、ドアベルトラインに沿ってガラスウエザストリップが取付けられる。これらによって、ドアの窓開口とドアガラスとの間がシールされる。ガラスランは、断面コ字形の本体部を備えるとともに、その開口側の両端から本体部内に延びて、ドアガラス周縁部の内面に当接するインナシールリップとドアガラス周縁部の外面に当接するアウタシールリップとを備えている。そして、これら両シールリップによって、ドアガラスの周縁部が挟まれるようにしてシールされる。また、ドアベルトラインに沿うガラスウエザストリップは、ドアインナパネルの上縁に取付けられるガラスインナウエザストリップと、ドアアウタパネルの上縁に取付けられるガラスアウタウエザストリップとからなる。両ウエザストリップは、それぞれの基部から延びる上下二段のシールリップを備え、ドアガラスを内外面から挟むようになっている。
【0003】
さて、両ガラスウエザストリップの前後の端末は、ガラスランの前後の鉛直部と衝き合されている。しかし、ガラスラン及びガラスウエザーストリップは、それぞれ別体で構成された上で、それぞれドアに組付けられているため、衝き合わせ部には隙間が形成されてしまうおそれがある。この場合、ガラスインナウエザストリップの端末とガラスランとの衝き合せ部の隙間開口から車室内に騒音が侵入し、車内騒音の原因となるおそれがある。
【0004】
かかる不具合を回避するべく、ガラスインナウエザストリップとガラスランとを一体で成形することも考えられるが、この場合、金型構造が複雑なものとなってしまい、コストの増大を招いてしまう。一方、特開2000−326734号公報には、ガラスランの鉛直部におけるガラスインナウエザストリップの端末と衝き合わされる位置に、インナシールリップのドアガラス当接面からガラスインナウエザストリップのシールリップとラップする方向に延びる遮音リップを形成する技術が開示されている。つまり、ガラスラン側に形成された遮音リップとガラスインナウエザストリップのシールリップとをオーバーラップさせることで、騒音の侵入防止が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遮音リップとガラスインナウエザストリップのシールリップとをオーバーラップさせる構成とした場合、オーバーラップ部分における撓み荷重が大きなものとなってしまい、ドアガラス昇降時における摺動抵抗が増大してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストの増大を抑制しつつ車室内への騒音の侵入を防止するとともに、ドアガラス昇降時における摺動抵抗の増大を防止することの可能な自動車ドアのシール構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するための各手段について説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.自動車ドアのドアフレームの内周に、少なくともドアガラスの周縁部内面をシールするインナシールリップを備えたガラスランを前記ドアフレームの内周に沿って取付け、ベルトライン位置に沿って、ドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内面をシールするシールリップとを備えたガラスインナウエザストリップを、その前後の端末を前記ガラスランの前後の鉛直部と衝き合わせた状態で前記ベルトラインに沿って取付けてなる自動車ドアのシール構造において、
少なくとも前記ガラスランの後部の鉛直部には、前記ガラスインナウエザストリップの端末と衝き合される位置に、前記インナシールリップから前記ガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部を設け、該凸部は、前記基部の端末に当接又は略当接し前記ドアインナパネルに取着される取付部と、前記シールリップの端末に当接又は略当接し前記ドアガラスの内面をシールするリップ部と、前記取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁とを具備していることを特徴とする自動車ドアのシール構造。
【0009】
手段1によれば、ガラスランのインナシールリップによって、少なくともドアガラスの周縁部内面がシールされる。また、ベルトラインに沿って取付けられたガラスインナウエザストリップのシールリップによって、ドアガラスの内面がベルトラインにおいてシールされる。両者は、それぞれ別体で構成されているため、それぞれの端末部等の型成形に際しての金型構造の複雑化を招きにくく、コストの増大が抑えられる。さて、手段1では、少なくともガラスランの後部の鉛直部には、ガラスインナウエザストリップの端末と衝き合される位置に、インナシールリップからガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部が設けられる。該凸部の取付部は、ガラスインナウエザストリップの基部の端末に当接又は略当接しドアインナパネルに取着される。また、凸部のリップ部は、前記ガラスインナウエザストリップのシールリップの端末に当接又は略当接し、該リップ部によりドアガラスの内面がシールされる。ここで、ガラスインナウエザストリップの端末と、凸部との間に隙間が形成されたとしても、取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁によって、外部からの騒音が、遮断されることとなる。このため、比較的簡単な構成で、騒音が自動車室内に侵入してまうといった事態を防止できる。また、ガラスランの凸部のリップ部とガラスインナウエザストリップのシールリップとが重なり合うことがないため、撓み荷重が大きなものとなってしまい、ドアガラス昇降時における摺動抵抗が増大してしまうといった不具合を回避できる。
【0010】
手段2.自動車ドアのドアフレームの内周に、少なくともドアガラスの周縁部内面をシールするインナシールリップを備えたガラスランを前記ドアフレームの内周に沿って取付け、ベルトライン位置に、ドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内面をシールする上段シールリップ及び下段シールリップとを備えたガラスインナウエザストリップを、その前後の端末を前記ガラスランの前後の鉛直部と衝き合わせた状態で前記ベルトラインに沿って取付けてなる自動車ドアのシール構造において、
前記ガラスインナウエザストリップの後端末には、前記基部及び下段シールリップを切り欠いた切り欠き部を形成するとともに、前記ガラスランの後部の鉛直部には、前記切り欠き部に対応する位置に、前記インナシールリップから前記ガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部を設け、該凸部は、前記基部の切り欠き部の端末面に当接又は略当接して前記ドアインナパネルに取着される取付部と、前記下段シールリップの切り欠き部の端末面に当接又は略当接して前記ドアガラスの内面をシールするリップ部と、前記取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁とを具備していることを特徴とする自動車ドアのシール構造。
【0011】
手段2によれば、ガラスランのインナシールリップによって、少なくともドアガラスの周縁部内面がシールされる。また、ベルトラインに沿って取付けられたガラスインナウエザストリップの下段及び上段シールリップによって、ドアガラスの内面がベルトラインにおいてシールされる。ガラスラン及びガラスインナウエザストリップは、それぞれ別体で構成されているため、それぞれの端末部等の型成形に際しての金型構造の複雑化を招きにくく、コストの増大が抑えられる。さて、手段2では、ガラスインナウエザストリップの後端末には、前記ガラスインナウエザストリップの基部及び下段シールリップを切り欠いた切り欠き部を形成するとともに、ガラスランの後部の鉛直部には、切り欠き部に対応する位置に、インナシールリップからガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部が設けられる。該凸部の取付部は、ガラスインナウエザストリップの基部の切り欠き部の端末面に当接又は略当接してドアインナパネルに取着される。また、凸部のリップ部は、前記下段シールリップの切り欠き部の端末面に当接又は略当接し、該リップ部によりドアガラスの内面がシールされる。ここで、ガラスインナウエザストリップの端末面と、凸部との間に隙間が形成されたとしても、取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁によって、外部からの騒音が、遮断されることとなる。このため、比較的簡単な構成で、騒音が自動車室内に侵入してまうといった事態を防止できる。また、ガラスランの凸部のリップ部とガラスインナウエザストリップのシールリップとが重なり合うことがないため、撓み荷重が大きなものとなってしまい、ドアガラス昇降時における摺動抵抗が増大してしまうといった不具合を回避できる。
【0012】
手段3.前記遮音壁の上辺部は、前記上段シールリップの下面に沿って又はほぼ沿って延びていることを特徴とする手段2に記載の自動車ドアのシール構造。
【0013】
手段3によれば、遮音壁の上辺部が上段シールリップの下面に沿って又はほぼ沿って延びているため、取付部及びリップ部、並びに、上段シールリップで囲まれる空間と、ガラスインナウエザストリップの基部及び下段シールリップ、並びに、上段シールリップで囲まれる空間とが、遮音壁によってほぼ隔絶される。このため、上述した防音効果がより一層確実なものとなる。
【0014】
手段4.前記遮音壁は、前記取付部及びリップ部間を連結するものであり、かつ、可撓性を有していることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【0015】
手段4によれば、遮音壁が取付部及びリップ部間を連結するため、より一層の防音効果が奏される。しかも、遮音壁が可撓性を有しているため、リップ部が撓むに際し、遮音壁の存在に起因して撓み荷重が著しく大きくなってしまうといった事態を回避できる。
【0016】
手段5.前記遮音壁は、前記取付部及びリップ部間の略中央部分において容易に屈曲しうるよう屈曲部を有していることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【0017】
手段5によれば、遮音壁は、取付部及びリップ部間の略中央部分の屈曲部において容易に屈曲しうる。このため、リップ部が撓むに際し、遮音壁の存在に起因して撓み荷重が著しく大きくなってしまうといった事態を回避できる。
【0018】
手段6.前記遮音壁は、平面略V字状又は略U字状をなしていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【0019】
手段6によれば、遮音壁は、平面略V字状又は略U字状をなしているため、比較的簡易な構成でもって、遮音壁を撓みやすい構造とすることができ、もって撓み荷重の増大を抑制できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1に示すように、自動車用ドア(本実施の形態ではフロントドア:以下、単に「ドア」という)の外周形状に対応して、ガラスラン1が組み付けられる。より詳しく説明すると、ドアには、その外周形状に則したサッシュが設けられており、該サッシュの内周側にガラスラン1が組み付けられる。
【0022】
ガラスラン1は、その長手方向にみて押出成形部と型成形部(図1で散点模様を付した部分)とに区別される。すなわち、押出成形部は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)よりなり、図示しない押出成形機により直線状に(長尺状に)形成される。また、型成形部はコーナ部分等に対応しており、図示しない金型装置にて形成されている。このように、ガラスラン1は押出成形部及び型成形部によって構成されているのであるが、以下には、便宜上、ドアの前部に対応し略鉛直方向に延びる前部鉛直部2、ドアの後部に対応し略鉛直方向に延びる後部鉛直部3、及び、ドアの上部に対応し両鉛直部2,3を接続する上部横辺部4に区分して説明することとする。
【0023】
図2は、ガラスラン1の一般断面を説明するための図1のJ−J線断面図である(但し、サッシュ等は省略してある)。同図に示すように、ガラスラン1は断面略コ字状の本体部6及び一対のシールリップ(インナシールリップ7及びアウタシールリップ8)を備えている。本体部6は、サッシュに嵌め込まれる基部9及び該基部9から延びる一対の側壁部11,12よりなっている。また、インナシールリップ7及びアウタシールリップ8は、前記各側壁部11,12の略先端からそれぞれ本体部6の内側に延びており、これによりドアガラスGの車内側及び車外側がシールされるようになっている。
【0024】
また、図1に示すように、本実施の形態においては、ドアベルトラインに沿ってガラスウエザストリップが取付けられる。ガラスウエザストリップは、ドアインナパネル20(図4参照)の上縁に取付けられるガラスインナウエザストリップ21と、図示しないドアアウタパネルの上縁に取付けられるガラスアウタウエザストリップ41(図5参照)とからなる。
【0025】
ここで、ドアインナウエザストリップ21について詳しく説明すると、該ドアインナウエザストリップ21は、ドアベルトラインの位置に対応して略直線状に延びており、その両端部は、ガラスラン1の前部鉛直部2及び後部鉛直部3に対し、それぞれ衝き合わされている。図4は、ベルトライン部分を示す図1のK−K線断面図である(但し、ドアガラスGよりも車外側は省略してある)。同図に示すように、ドアインナウエザストリップ21は、内装品たる図示しないドアトリム側に位置しており、基部22及び該基部22から斜め上方に延びドアガラスGの車内側面に当接する上段シールリップ23及び下段シールリップ24を有している。基部22は、硬質オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)により構成され、ドアインナパネル20の上端縁に嵌合されている。また、両シールリップ23,24は軟質TPOにより構成されており、該シールリップ23,24の存在により、前記ドアインナパネル20とドアガラスGとの間がシールされるようになっている。
【0026】
さて、本実施の形態では、ガラスインナウエザストリップ21の後端末とガラスラン1の後部鉛直部3との衝き合せ部に特徴があるため、次には当該部分を中心に説明することとする。
【0027】
ガラスラン1の後部鉛直部3のうち、前記ガラスインナウエザストリップ21との衝き合わせ部に対応する部位は、型成形により形成されている。より詳しく説明すると、図3,5に示すように、前記ガラスラン1の後部鉛直部3のインナシールリップ7のうち、前記衝き合わせ部に対応する部位には、前記ガラスインナウエザストリップ21に対向するようにしてTPOよりなる凸部31が一体形成されている。一方、前記ガラスインナウエザストリップ21の後端部には、凸部31に対応する部位に、切り欠き部が形成されている。すなわち、前記ガラスインナウエザストリップ21の後端末は、上段シールリップ23を残して基部22及び下段シールリップ24が切り欠かれて切り欠き部が設けられており、該切り欠き部に対応して上段シールリップ23の下側に挿入されるように凸部31が配置される。
【0028】
凸部31は、前記基部22と同様、前記ドアインナパネル20のフランジ部に嵌め込まれる断面略コ字状の取付部32を有しているとともに、前記切り欠かれた下段シールリップ24に対応するリップ部33を有している。そして、当該取付部32の先端面及びリップ部33の先端面が、ガラスインナウエザストリップ21のうち、前記基部22の切り欠き端面及び下段シールリップ24の切り欠き端面とそれぞれ衝き合わせ状態で当接又は略当接されている。なお、ガラスインナウエザストリップ21のうち上段シールリップ23は、切り欠かれることなく、その端面は、前記ガラスラン1のインナシールリップ7に当接又は略当接している。
【0029】
さらに、前記凸部31のうち、取付部32とリップ部33との間には、両者32,33を連結するようにして遮音壁34が設けられている。該遮音壁34は、平面略V字状をなし、その幅方向略中央の屈曲部において、容易に撓みうるよう構成されている。該遮音壁34の上辺部は、前記取付部32及びリップ部33の上端部同士を連結するように、換言すれば、上段シールリップ23の下面に沿って延びている。これにより、取付部32及びリップ部33、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間と、ガラスインナウエザストリップ21の基部22及び下段シールリップ24、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間とが、遮音壁34によってほぼ隔絶されるようになっている。
【0030】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用効果について説明する。
【0031】
基本的には、ガラスラン1のインナシールリップ7によって、少なくともドアガラスGの周縁部内面がシールされる。また、ベルトラインに沿って取付けられたガラスインナウエザストリップ21の上下段シールリップ23,24によって、ドアガラスGの内面がベルトラインにおいてシールされる。ガラスラン1及びガラスインナウエザストリップ21は、それぞれ別体で構成されているため、成形に際しての金型構造の複雑化を招くことなく、コストの増大が抑えられる。
【0032】
また、本実施の形態では、少なくともガラスインナウエザストリップ21の後端末のうち、基部22及び下段シールリップ24が切り欠かれ、ガラスラン1の後部鉛直部3には、切り欠き部に対応する位置に、インナシールリップ7からガラスインナウエザストリップ21の延びる方向に突出し取付部32及びリップ部33を有する凸部31が設けられる。ここで、ガラスインナウエザストリップ21の端末と、凸部31との間に隙間が形成されたとしても、取付部32及びリップ部33間を仕切る遮音壁34によって、外部からの騒音が、遮断されることとなる。このため、比較的簡単な構成で、騒音が自動車室内に侵入してまうといった事態を防止できる。また、リップ部33と下段シールリップ24とが重なり合うことがないため、撓み荷重が大きなものとなってしまうこともない。つまり、ドアガラスG昇降時における摺動抵抗が増大してしまうといった不具合を回避できる。
【0033】
特に、遮音壁34の上辺部は、上段シールリップ23の下面に沿って延びている。このため、取付部32及びリップ部33、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間と、ガラスインナウエザストリップ21の基部22及び下段シールリップ24、並びに、上段シールリップ23で囲まれる空間とが、遮音壁34によってほぼ隔絶される。その結果、上述した防音効果がより一層確実なものとなる。
【0034】
さらに、遮音壁34は、取付部32及びリップ部33間を連結するものであり、かつ、平面略V字状をなし中央の屈曲部にて容易に撓みうる。そのため、ドアガラスG昇降時にリップ部33が撓むに際し、遮音壁34の存在に起因して撓み荷重が著しく大きくなってしまうといった事態を回避できる。
【0035】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0036】
(a)上記実施の形態では、ガラスラン1の後部鉛直部3とガラスインナウエザストリップ21の後端末の衝き合せ部の遮音構造について説明したが、ガラスラン1の前部垂直部2とガラスインナウエザストリップ21の前端末との間にも上記凸部31と同様の凸部を設けることとしてもよい。かかる構成とすることで、ドア本体内の騒音の車室内への侵入を一層効果的に防止することができる。
【0037】
(b)上記実施の形態では、遮音壁34は、取付部32及びリップ部33の双方に連結されているが、いずれか一方のみに連結されている構成としてもよい。
【0038】
(c)上記実施の形態では、遮音壁34は、平面略V字状をなすよう構成されているが、ドアガラスGの昇時に容易に撓みうる構成となっていれば、その形状については特に限定されるものではない。但し、所定の屈曲部を中心に撓み易い構成となっているのが望ましく、他の形状としては、例えば平面U字状、平面W字状等が挙げられる。
【0039】
(d)上記実施の形態では、フロントドアに関して具体化されているが、取着されるドアの部位は特に限定されるものではなく、例えばリヤドアに取着されるインナーウエザストリップ及びガラスランに適用することもできる。
【0040】
(e)上記実施の形態では、ガラスラン1の押出成形部をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等の他の素材により構成してもよい。また、上記実施の形態ではTPOにより構成されているガラスインナウエザストリップ21をEPDM等により構成してもよい。
【0041】
(f)上記実施の形態では、ガラスインナウエザストリップ21のうち、凸部31に対応する部位に切り欠き部を設ける構成となっているが、当初より段差が形成されるよう成形される構成となっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態においてガラスラン及びガラスインナウエザストリップの構成を模式的に示す側面図である。
【図2】ガラスランの一般断面を説明するための図1のJ−J線断面図である。
【図3】凸部の一体形成された後部鉛直部を示す部分斜視図である。
【図4】ガラスインナウエザストリップの一般断面を説明するための図1のK−K線断面図である。
【図5】凸部の取付部及びリップ部等を示す図1のL−L線断面図である。
【符号の説明】
1…ガラスラン、2…前部鉛直部、3…後部鉛直部、6…本体部、7…インナシールリップ、8…アウタシールリップ、20…ドアインナパネル、21…ガラスインナウエザストリップ、22…基部、23…上段シールリップ、24…下段シールリップ、31…凸部、32…取付部、33…リップ部、34…遮音壁、G…ドアガラス。
Claims (6)
- 自動車ドアのドアフレームの内周に、少なくともドアガラスの周縁部内面をシールするインナシールリップを備えたガラスランを前記ドアフレームの内周に沿って取付け、ベルトライン位置に沿って、ドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内面をシールするシールリップとを備えたガラスインナウエザストリップを、その前後の端末を前記ガラスランの前後の鉛直部と衝き合わせた状態で前記ベルトラインに沿って取付けてなる自動車ドアのシール構造において、
少なくとも前記ガラスランの後部の鉛直部には、前記ガラスインナウエザストリップの端末と衝き合される位置に、前記インナシールリップから前記ガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部を設け、該凸部は、前記基部の端末に当接又は略当接し前記ドアインナパネルに取着される取付部と、前記シールリップの端末に当接又は略当接し前記ドアガラスの内面をシールするリップ部と、前記取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁とを具備していることを特徴とする自動車ドアのシール構造。 - 自動車ドアのドアフレームの内周に、少なくともドアガラスの周縁部内面をシールするインナシールリップを備えたガラスランを前記ドアフレームの内周に沿って取付け、ベルトライン位置に、ドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内面をシールする上段シールリップ及び下段シールリップとを備えたガラスインナウエザストリップを、その前後の端末を前記ガラスランの前後の鉛直部と衝き合わせた状態で前記ベルトラインに沿って取付けてなる自動車ドアのシール構造において、
前記ガラスインナウエザストリップの後端末には、前記基部及び下段シールリップを切り欠いた切り欠き部を形成するとともに、前記ガラスランの後部の鉛直部には、前記切り欠き部に対応する位置に、前記インナシールリップから前記ガラスインナウエザストリップの延びる方向に突出する凸部を設け、該凸部は、前記基部の切り欠き部の端末面に当接又は略当接して前記ドアインナパネルに取着される取付部と、前記下段シールリップの切り欠き部の端末面に当接又は略当接して前記ドアガラスの内面をシールするリップ部と、前記取付部及びリップ部間を仕切る遮音壁とを具備していることを特徴とする自動車ドアのシール構造。 - 前記遮音壁の上辺部は、前記上段シールリップの下面に沿って又はほぼ沿って延びていることを特徴とする請求項2に記載の自動車ドアのシール構造。
- 前記遮音壁は、前記取付部及びリップ部間を連結するものであり、かつ、可撓性を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
- 前記遮音壁は、前記取付部及びリップ部間の略中央部分において容易に屈曲しうるよう屈曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
- 前記遮音壁は、平面略V字状又は略U字状をなしていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
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JP2002252908A JP2004090735A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 自動車ドアのシール構造 |
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JP2002252908A JP2004090735A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 自動車ドアのシール構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107869585A (zh) * | 2017-12-14 | 2018-04-03 | 常州荣南橡胶科技有限公司 | 一种使用寿命长的汽车密封条 |
CN114161915A (zh) * | 2020-09-11 | 2022-03-11 | 丰田自动车株式会社 | 隔音结构以及车辆用部件 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002252908A patent/JP2004090735A/ja active Pending
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CN114161915A (zh) * | 2020-09-11 | 2022-03-11 | 丰田自动车株式会社 | 隔音结构以及车辆用部件 |
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