JP2004089864A - 分割型自動溶射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被溶射面11の手前に配置された前後2本の水平レール12、13上を走行する台車14と、台車14に取付手段15を介して上下動可能に取付けられている溶射ガン16とを有し、しかも、台車14は前側の水平レール12上を走行する駆動側ユニット19と、駆動側ユニット19の後部に取付けられて、後側の水平レール13上を走行する従動側ユニット21と、駆動側ユニット19の中央部にあって、取付手段15が設けられた支持ユニット22とを備え、水平レール12、13、溶射ガン16、駆動側ユニット19、従動側ユニット21及び支持ユニット22は、マンホールに搬入可能に分割されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ボイラーの内の冷却チューブ等の被溶射面にフレーム溶射し、マンホールを介して搬入可能な分割型自動溶射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、ボイラーの燃焼室のパイプからなる水冷構造物にフレーム溶射を行うために、手動の溶射ガンが使用されている。作業者がボイラーのマンホール(孔径が450〜600mm程度)から内部に入り、外部から所要のユーティリティーが供給される溶射ガンを作業者が手に持って、所定の位置を高速フレーム溶射している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の手動の溶射ガンによる高速フレーム溶射においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
ボイラー内の高い温度(約60〜80℃)で、暗く、しかも騒音のある悪い環境下での作業のため、作業者には酷で危険を伴う作業であった。
また、溶射ガンを手で保持して作業をするため、皮膜の厚みが不均一になり易く、このため手直し等の補修が多く、歩留り(溶射効率)も低く、生産性(作業効率)が劣っていた。従って、作業費用が高くなるという問題もあった。特に、高速フレーム溶射では手に対する反動が大きくなり、溶射ガンの操作も困難であった。
なお、溶射ガンを取付けた取付フレームを上下、左右に移動して低速フレーム溶射(高速フレーム溶射以外のガス式溶射及び電気式溶射をいう)を行うことのできる自動溶射装置はあるが、マンホールを介してボイラー内には取り込むことができないサイズであった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マンホールを介して密閉構造物内に取り込むことができると共に、安全に溶射作業ができ、歩留りも向上できて生産性も高く、コストダウンが可能な分割型自動溶射装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る分割型自動溶射装置は、マンホールを有する密閉構造物内にある被溶射面に溶射を行う自動溶射装置であって、被溶射面の手前側に隙間を有して配置された前後2本の水平レールと、水平レール上を走行する台車と、台車に取付手段を介して上下動可能に取付けられている溶射ガンとを有し、しかも、台車は前側の水平レール上を走行する対となる車輪を備え、車輪のうち一つは駆動車輪である駆動側ユニットと、駆動側ユニットの後部に取付けられて、後側の水平レール上を走行する従動側ユニットと、駆動側ユニットの中央部にあって、取付手段が設けられた支持ユニットとを備え、水平レール、溶射ガン、駆動側ユニット、従動側ユニット及び支持ユニットは、マンホールに搬入可能に分割されている。これによって、水平レール、溶射ガン、駆動側ユニット、従動側ユニット及び支持ユニットをマンホールを介して搬入し、密閉構造物内で組立てた後、台車の走行及び溶射ガンの上下動の操作により被溶射面に溶射を行い、溶射が終われば、元の状態に分割してマンホールを介して搬出することができる。
【0006】
本発明に係る分割型自動溶射装置において、取付手段は、支持ユニットの両端部に設けられた駆動、従動側スプロケットホイールと、駆動側、従動側スプロケットホイールに巻回された無端チェーンと、無端チェーンに設けられ、溶射ガンを取付けるガン取付ブラケットとを備えることもできる。これによって、溶射ガンを長いストロークで上下動でき、しかもコンパクトな構造にできる。
本発明に係る分割型自動溶射装置において、溶射ガンはガン取付ブラケットに水平方向に回動可能に設けることもできる。これによって、溶射死角となる部分も溶射できる。
本発明に係る分割型自動溶射装置において、支持ユニットの上部と従動側ユニットの後部とを取り外し可能な連結部材を介して連結することもできる。これによって、台車の剛性を大きくすることができる。
本発明に係る分割型自動溶射装置において、支持ユニットの内部を強制的に空冷することもできる。これによって、軽量かつ、簡単な構造で確実に支持ユニットの内部を冷却することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る分割型自動溶射装置の正面図、図2は同分割型自動溶射装置の一部省略平面図、図3は同分割型自動溶射装置の側面図、図4は同分割型自動溶射装置の連結部材の詳細図、図5は同分割型自動溶射装置の取付手段の説明図、図6(A)、(B)はそれぞれ、駆動側ユニットの駆動車輪、従動車輪の説明図である。
【0008】
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る分割型自動溶射装置10は、マンホールを有する密閉構造物の一例であるボイラー(図示せず)内にある被溶射面11に溶射を行う自動溶射装置である。分割型自動溶射装置10は、被溶射面11の手前側に隙間G(約200〜600mm程度)を有して配置された前後2本の水平レール12、13と、水平レール12、13上を走行する台車14と、台車14に取付手段15を介して上下動可能に取付けられている溶射ガン16とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。なお、台車14の走行方向に直交する方向をX方向(前後方向)、台車14の走行方向をY方向(左右方向)、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)と定義する。
【0009】
図1〜図3及び図6(A)、(B)に示すように、台車14は前側(被溶射面11側)の水平レール12上を走行する対となる車輪、即ち、駆動車輪17及び従動車輪18を備えた駆動側ユニット19と、駆動側ユニット19の後部に取付けられて、後側の水平レール13上を走行する転動ローラ20を備えた従動側ユニット21と、駆動側ユニット21の上側中央部に設けられ、取付手段15が取付けられる支持ユニット22とを備えている。また、支持ユニット22の上部と従動側ユニット21の後部とが取り外し可能な連結部材23を介して連結されている。
【0010】
水平レール12、13はパイプ(外径が20〜70mm)からなり、ボイラー内に配置された複数の足場用単管上に固定されており、X方向に平行間隔P(約500〜1300mm)を開けて配置されている。図6(A)、(B)に示すように、前側の水平レール12は断面外形が円状で、駆動車輪17及び従動車輪18は水平レール12の上部に当接する踏面を有して鼓形状に形成されている。
図2、図3及び図6(A)、(B)に示すように、台車14の一部を構成する駆動側ユニット19は、駆動車輪17、従動車輪18と、駆動車輪17、従動車輪18をそれぞれ、軸受メタル24、25及び回転軸26、27を介して回転支持する軸受ブラケット28、29と、軸受ブラケット28、29のY方向内側端部にボルト・ナットにより取り外し可能に取付けられたフレーム本体30とを有している。
【0011】
断面コ字状の軸受ブラケット28、29及びストラットプロフィールを有するフレーム本体30はY方向に直線状に配置されている。図3に示すように、駆動側ユニット19のY方向の長さLは約1000〜1400mmとなっており、図2に示すように、駆動側ユニット19のX方向の幅Mは約300〜500mmとしている。
【0012】
図6(A)に示すように、軸受ブラケット28の上部には、回転軸26の一端部にキーで出力軸31が固定された減速機付き電動モータ32をフランジマウントする断面L字形の取付ブラケット33がボルト34により取り外し可能に取付けられている。
図1、図3及び図5に示すように、駆動側ユニット19のフレーム本体30の中央上部には、複数の板材がねじ機構によって組み立てられた上分割接続部35が形成されている。上分割接続部35の上面36には支持ユニット22の下面37が当接しており、駆動側ユニット19と支持ユニット22とをねじ機構により接続可能な構造となっている。
【0013】
図1及び図4に示すように、駆動側ユニット19のフレーム本体30の中央後部には、複数の板材がねじ機構によって組み立てられた側分割接続部38が形成されている。側分割接続部38の後端面39には従動側ユニット21の前端面40が当接しており、駆動側ユニット19と従動側ユニット21とをねじ機構により接続可能な構造となっている。
【0014】
図1及び図4に示すように、台車14の一部を構成する従動側ユニット21は、転動ローラ20を軸受を介して回転支持する断面コ字状の軸受ブラケット41と、駆動側ユニット19の側分割接続部38にねじ機構により接続されるフランジ板42aと、フランジ板42aと接続板42bを介してねじ機構により連結されたストラットプロフィールを有するフレーム本体42と、フレーム本体42の後側上部と軸受ブラケット41の上部とをねじ機構により連結する連結板43とを有している。ストラットプロフィールとは、剛性を維持して、軽量化するために、アルミ材料を長さ方向に沿って一定形状の空間部を形成したものである。なお、図2に示すように、軸受ブラケット41、矩形状の連結板43及びフレーム本体42はX方向に直線状に配置されている。
【0015】
図1及び図4に示すように、連結部材23の上端部44は、支持ユニット22の上側後部にねじ機構により取付けられた取付ブラケット45にピン46を介して連結されている。一方、連結部材23の下端部47は、従動側ユニット21の後端上部にねじ機構により取付けられた取付ブラケット48にピン49を介して連結されている。連結部材23の上端部44と下端部47とはストラットプロフィールを有する梁材50によって接続されている。
【0016】
図5に示すように、支持ユニット22は、下端に下面37を備えて水平に配置されたフランジ板51と、フランジ板51に直交してX方向に平行間隔を開けて配置された補強板52、53と、補強板52、53にねじ機構を介して取付けられたストラットプロフィールを有するフレーム本体54と、フレーム本体54の上端部にねじ機構を介して取付けられたキャップ状の補強材55とを有している。
【0017】
図1及び図5を参照して、支持ユニット22に設けられた取付手段15について説明する。取付手段15は、フレーム本体54の直下、直上に設けられた駆動、従動側スプロケットホイール56、57と、駆動側、従動側スプロケットホイール56、57に巻回された無端チェーン58と、無端チェーン58の対向する2箇所、即ち、無端チェーン58の緊張、弛緩側にそれぞれ設けられ、溶射ガン16を取付けるためのガン取付ブラケットの一例であるチェーン側取付ブラケット59、60とを備えている。図3に示すように、吊りボルト55aを除いた支持ユニット22の長さNは約2000〜3000mmとしており、チェーン側取付ブラケット59、60を考慮した支持ユニット22のY方向の幅Sは約200〜300mmとしている。
【0018】
図1に示すように、駆動側スプロケットホイール56は、補強板52、53(図5参照)と直交してフレーム本体54の下端部を挟んで配置された対となる補強板の一方の補強板により軸受61を介して回転可能に支持された回転軸62に取付けられている。回転軸62は減速機付き電動モータ63の減速部64の出力軸と一体に構成されている。なお、減速機付き電動モータ63は図示しない取付ブラケットを介してねじ機構により支持ユニット22の下端部に取付けられている。
【0019】
一方、従動側スプロケットホイール57は両端部を軸受65、66で回転支持された回転軸67に固定されており、軸受65、66は補強材55に取付けられた対となるテークアップ手段68、69により少しの距離上昇し、無端チェーン58の張力を調整可能になっている。なお、図5に示すように、チェーン側取付ブラケット59、60はそれぞれ、無端チェーン58に取付金具70、71を介して取付けられている。往、復動側の無端チェーン58はそれぞれ、図2に示すように、フレーム本体54のY方向に所定の間隔Kを開けて設けられた十字状の空間部54a、54bを挿通し、一方、チェーン側取付ブラケット59、60はフレーム本体54のY方向外側にZ方向に沿って形成された摺動ガイドにより上下動がガイドされている。
【0020】
また、補強材55、フレーム本体54等を含む支持ユニット22はチェーン側取付ブラケット59、60の上下動を考慮した密封構造となっており、溶射による高温から各機器を保護するために、支持ユニット22の内部に強制的に空気を供給して冷却するように構成されている。
かかる構成によって、減速機付き電動モータ63の駆動により、駆動、従動側スプロケットホイール56、57を介して無端チェーン58を移動させてチェーン側取付ブラケット59、60を上下動することができる。
【0021】
図2及び図3に示すように、チェーン側取付ブラケット59、60にはそれぞれ、ガン取付ブラケットの一例であるガン側取付ブラケット72、73がフランジ接続により取付けられており、ガン側取付ブラケット72、73に溶射ガン16が取付けられるようになっている。通常、1個の溶射ガン16をいずれかのガン側取付ブラケット72、73に取付け、溶射ガン16を取付けない方のガン側取付ブラケット72、73には、溶射ガン16に相当する重さを有するカウンターウエイトが取付け可能な構造としている。ガン側取付ブラケット72、73にはそれぞれ、被溶射面11に対して溶射ガン16の距離を調整でき、固定可能なスライドアーム74、75が設けられており、スライドアーム74、75の先端部に溶射ガン16を固定するガンホルダー76、77が設けられている。なお、図3はチェーン側取付ブラケット59、60下限、上限位置を表しており、図1のスライドアーム74及びガンホルダー76は中間位置を表している。
【0022】
ガンホルダー76、77はスライドアーム74、75に対して回動可能になっている。即ち、図2に示すように、ガンホルダー76、77に取付けられた溶射ガン16のフレーム噴射角が被溶射面11に直交する方向に対して、内側に最大回動角α、また外側に最大回動角βで所定ピッチの回動角に手動で設定可能な調整機構が設けられている。図2中の支持ユニット22のY方向の中心位置Oから、両側の溶射ガン16の回動中心位置kまでのY方向の距離Hは約200〜300mmとしている。ガンホルダー76、77に取付けられた溶射ガン16の昇降ストロークTは約1500〜1800mm程度としている。なお、水平レール12、13、溶射ガン16、駆動側ユニット19、従動側ユニット21及び支持ユニット22は、前記マンホールに搬入可能に分割されているものとする。
【0023】
次いで、本発明の一実施の形態に係る分割型自動溶射装置10の組立方法及び使用方法について、図を参照しながら説明する。
(1)水平レール12、13、溶射ガン16、駆動側ユニット19、従動側ユニット21(後端部に連結部材23を接続している)、支持ユニット22及びその他の必要な部品を前記マンホールを介してボイラー内に搬入する。
【0024】
(2)図1に示すように、被溶射面11に対してX方向に隙間Gを開けて水平レール12、13を平行間隔Pを維持して、ボイラー内に配置された複数の足場用単管(図示せず)上に固定する。
(3)図1、図3及び図6(A)、(B)に示すように、駆動側ユニット19の駆動車輪17、従動車輪18を水平レール12に載せ、一方、従動側ユニット21の転動ローラ20を水平レール13に載せた状態で、駆動側ユニット19と従動側ユニット21とをフランジ接続により連結する。
(4)図1に示すように、駆動側ユニット19に支持ユニット22をフランジ接続により連結した後、従動側ユニット21の連結部材23の上端部44を支持ユニット22の取付ブラケット45にピン46を介して連結する。
【0025】
(5)図2及び図3に示すように、支持ユニット22のチェーン側取付ブラケット59、60にガン側取付ブラケット72、73を取付け、ガン側取付ブラケット72、73のガンホルダー76、77のいずれか一方に溶射ガン16を取付ける。
(6)溶射ガン16に供給する冷却水、酸素、キャリアガス(窒素又はアルゴン)、灯油及び圧縮空気用の各フレホースを溶射ガン16と接続し、さらに支持ユニット22を冷却するための冷却空気用のフレホースを支持ユニット22と接続する。
【0026】
(7)溶射ガン16、ガン昇降用の減速機付き電動モータ63及び走行用の減速機付き電動モータ32に制御操作盤(図示せず)を介して電源を接続する。
(8)作業者が溶射ガン16及び被溶射面11を見ながら、制御操作盤を操作し、所定の位置に溶射ガン16を上下動及びピッチ走行させて溶射作業を行う。
(9)溶射作業が終了すると、別の場所の被溶射面11の近傍の水平レール12、13に台車14を載置し、溶射作業を行う。
(10)全ての溶射作業が終了すると、前記(7)から前記(1)まで逆の要領で、各ユニット及び各部品に分割し、マンホールからボイラー外に搬出する。
【0027】
本実施の形態で使用した各ユニット及び各部品の重量は以下の通りである。
駆動側ユニット19は25kg、従動側ユニット21(連結部材23を含む)は11kg、支持ユニット22は42kgである。また、水平レール12、13は外径48.6mm×7mとし、1本が約25kgであり、ガンホルダー76、77を備えたガン側取付ブラケット72、73(溶射ガン16は除く)は1セット当たり5kgであり、搬送可能である。
【0028】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の分割型自動溶射装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。また、各部品の長さや重量、その他距離等を示したが、本発明はそれらの数値に限定されるものではない。
前記実施の形態においては、マンホールを有する密閉構造物の一例としてボイラーについて説明したが、これに限定されず、その他の密閉構造物の被溶射面の溶射に適用できる。
取付手段15として、駆動、従動側スプロケットホイール56、57及び駆動側、従動側スプロケットホイール56、57に巻回された無端チェーン58等を用いたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の構造の取付手段を用いることもできる。
【0029】
支持ユニット22の上側後部と従動側ユニット21の後端部とを取り外し可能な連結部材23を介して連結したが、これに限定されず、状況に応じて、連結部材を省略しても構わない。従動側ユニット21は連結部材23を取付けた状態で搬入及び搬出したが、これに限定されず、連結部材23を取り外して、連結部材23を単体で搬入及び搬出することもできる。
支持ユニット22の内部を強制的に空冷したが、これに限定されず、必要に応じて、空冷を省略することもできる。また、空冷の代わりに、支持ユニットを断熱材で覆うことによって、高温の雰囲気から支持ユニットを保護することもできる。
溶射ガン16をガン側取付ブラケット72(73)に水平方向に回動可能に設けたが、これに限定されず、状況に応じて、溶射ガン16をガン側取付ブラケットに固定することもできる。
【0030】
溶射ガンを低速フレーム溶射用又は高速フレーム溶射用と区別しなかったが、いずれの溶射ガンも使用することができる。
ガン取付ブラケットをチェーン側取付ブラケット59、60とガン側取付ブラケット72、73に分割し、溶射ガン16をガン側取付ブラケット72、73に取付けたが、これに限定されず、必要に応じて、溶射ガン16をチェーン側取付ブラケットに直接取付けることもできる。無端チェーン58に2つのチェーン側取付ブラケット59、60を設けたが、これに限定されず、1つのチェーン側取付ブラケットを設けても構わない。また、チェーン側取付ブラケット59、60のいずれか1つに溶射ガン16を設けたが、これに限定されず、チェーン側取付ブラケット59、60の両方に溶射ガン16を設けることもできる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の分割型自動溶射装置においては、水平レール、溶射ガン、駆動側ユニット、従動側ユニット及び支持ユニットをマンホールを介して搬入し、密閉構造物内で組立てた後、台車の走行及び溶射ガンの上下動の操作により被溶射面に溶射を行い、溶射が終われば、元の状態に分割してマンホールを介して搬出することができる。従って、安全に溶射作業ができ、しかも歩留りも向上できて生産性も高く、コストダウンが可能となった。
特に、請求項2記載の分割型自動溶射装置においては、溶射ガンを長いストロークで上下動でき、しかもコンパクトな構造にできるので、溶射の作業性が向上すると共に、搬入及び搬出が容易にできる。
【0032】
請求項3記載の分割型自動溶射装置においては、溶射死角となる部分も溶射できるので、溶射作業性が向上する。
請求項4記載の分割型自動溶射装置においては、台車の剛性を大きくすることができるので、台車の走行が安定しこれにより溶射ガンによる溶射も安定する。
請求項5記載の分割型自動溶射装置においては、軽量かつ、簡単な構造で確実に支持ユニットの内部を冷却することができるので、支持ユニットの搬入及び搬出がさらに容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る分割型自動溶射装置の正面図である。
【図2】同分割型自動溶射装置の一部省略平面図である。
【図3】同分割型自動溶射装置の側面図である。
【図4】同分割型自動溶射装置の連結部材の詳細図である。
【図5】同分割型自動溶射装置の取付手段の説明図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、駆動側ユニットの駆動車輪、従動車輪の説明図である。
【符号の説明】
10:分割型自動溶射装置、11:被溶射面、12、13:水平レール、14:台車、15:取付手段、16:溶射ガン、17:駆動車輪、18:従動車輪、19:駆動側ユニット、20:転動ローラ、21:従動側ユニット、22:支持ユニット、23:連結部材、24、25:軸受メタル、26、27:回転軸、28、29:軸受ブラケット、30:フレーム本体、31:出力軸、32:減速機付き電動モータ、33:取付ブラケット、34:ボルト、35:上分割接続部、36:上面、37:下面、38:側分割接続部、39:後端面、40:前端面、41:軸受ブラケット、42:フレーム本体、42a:フランジ板、42b:接続板、43:連結板、44:上端部、45:取付ブラケット、46:ピン、47:下端部、48:取付ブラケット、49:ピン、50:梁材、51:フランジ板、52、53:補強板、54:フレーム本体、54a、54b:空間部、55:補強材、55a:吊りボルト、56:駆動側スプロケットホイール、57:従動側スプロケットホイール、58:無端チェーン、59、60:チェーン側取付ブラケット(ガン取付ブラケット)、61:軸受、62:回転軸、63:減速機付き電動モータ、64:減速部、65、66:軸受、67:回転軸、68、69:テークアップ手段、70、71:取付金具、72、73:ガン側取付ブラケット(ガン取付ブラケット)、74、75:スライドアーム、76、77:ガンホルダー
Claims (5)
- マンホールを有する密閉構造物内にある被溶射面に溶射を行う自動溶射装置であって、
前記被溶射面の手前側に隙間を有して配置された前後2本の水平レールと、
前記水平レール上を走行する台車と、
前記台車に取付手段を介して上下動可能に取付けられている溶射ガンとを有し、しかも、前記台車は前側の前記水平レール上を走行する対となる車輪を備え該車輪のうち一つは駆動車輪である駆動側ユニットと、該駆動側ユニットの後部に取付けられて、後側の前記水平レール上を走行する従動側ユニットと、前記駆動側ユニットの中央部にあって、前記取付手段が設けられた支持ユニットとを備え、前記水平レール、前記溶射ガン、前記駆動側ユニット、前記従動側ユニット及び前記支持ユニットは、前記マンホールに搬入可能に分割されていることを特徴とする分割型自動溶射装置。 - 請求項1記載の分割型自動溶射装置において、前記取付手段は、前記支持ユニットの両端部に設けられた駆動、従動側スプロケットホイールと、該駆動側、従動側スプロケットホイールに巻回された無端チェーンと、該無端チェーンに設けられ、前記溶射ガンを取付けるガン取付ブラケットとを備えていることを特徴とする分割型自動溶射装置。
- 請求項2記載の分割型自動溶射装置において、前記溶射ガンは前記ガン取付ブラケットに水平方向に回動可能に設けられていることを特徴とする分割型自動溶射装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の分割型自動溶射装置において、前記支持ユニットの上部と前記従動側ユニットの後部とを取り外し可能な連結部材を介して連結したことを特徴とする分割型自動溶射装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分割型自動溶射装置において、前記支持ユニットの内部を強制的に空冷することを特徴とする分割型自動溶射装置。
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