JP2004089464A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】面白みのある遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示するリール(3L,3C,3R)と、遊技者が操作する停止ボタン(7L,7C,7R)と、遊技者にとって有利な状況の発生を許可する停止ボタン(7L,7C,7R)の操作態様を決定するCPU(31)と、履歴参照ゲームの遊技履歴に基づいて、CPU(31)の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知する液晶表示装置(5)とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示するリール(3L,3C,3R)と、遊技者が操作する停止ボタン(7L,7C,7R)と、遊技者にとって有利な状況の発生を許可する停止ボタン(7L,7C,7R)の操作態様を決定するCPU(31)と、履歴参照ゲームの遊技履歴に基づいて、CPU(31)の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知する液晶表示装置(5)とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと内部当選役の入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
このような遊技機の一例として、払出枚数が同数の複数種類の特定役のいずれかに「内部当選」したとき、どの特定役に内部当選したかの情報(図柄組合せの情報)を報知し、「目押し」ができることを条件として遊技者が所持するメダルの数を減少させない、或いは増加させるようにすることが可能な遊技機が提供されている。
【0006】
また、技術介入性が高い遊技機では、熟練者と初心者との間でメダル等の獲得数に差が生じやすくなる。従って、初心者は、技術介入性の高い遊技機を敬遠しがちである。そこで、特定役に「内部当選」したとき、その特定役の入賞成立を許可する(入賞成立が実現する)停止ボタンの操作順序を決定する。そして、その操作順序の情報を報知するようにした遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これらの情報を報知する報知手段には、ランプ、表示装置等の種々の手段が用いられている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−58790号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記情報の報知態様は、図柄組合せ或いは操作順序を直接的に報知するものであり、画一的である。また、報知は、遊技機側から遊技者側への一方的なものであり、その報知の結果、遊技者が獲得できる利益(「目押し」の熟練度を考慮しない利益)は均一なものとなっていた。
【0009】
本発明の目的は、面白みのある遊技機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、遊技者が操作する操作手段(例えば、後述のスタートレバー6)と、遊技者にとって有利な状況の発生を許可する操作手段の操作態様(例えば、操作方向、操作回数)を決定する操作態様決定手段(例えば、後述の図11のST15を行うCPU31)と、所定のゲーム(例えば、後述の履歴参照ゲーム)における遊技情報(例えば、後述の遊技履歴)に基づいて、操作態様決定手段の決定結果(例えば、後述の許可順序)又はこれに関連する情報(例えば、内部当選役の図柄組合せ)の全部又は一部を報知する報知手段(例えば、後述の履歴態様による報知を行う副制御回路72及び液晶表示装置5)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の具体的態様では、報知手段は、遊技情報と操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報との共通点又は相違点を報知することを特徴とする。
【0012】
本発明の具体的態様では、遊技情報は、操作手段の操作態様、操作態様決定手段の決定結果、又は報知手段の報知内容であることを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的態様では、有利な状況は、所定の役(例えば、後述のベルの小役)の入賞が成立する状況であることを特徴とする。
【0014】
本発明の具体的態様では、操作手段は、変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部(例えば、後述の停止ボタン7L,7C,7R)であり、操作態様は、停止操作部の操作順序又は操作タイミングであることを特徴とする。
【0015】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、報知手段は、所定のゲームの遊技情報に基づいて、操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知する。従って、報知手段の報知態様が画一的なものとならず、遊技の面白みが増す。
【0016】
本発明の実施態様では、報知手段は、遊技情報と操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報との共通点又は相違点を報知する。従って、遊技者は、所定のゲームの遊技情報を把握している場合には、報知された共通点又は相違点により操作態様決定手段の全部又は一部を認識することができる。つまり、遊技者の記憶の正確さによる遊技力により、有利な状況の発生の有無(例えば、遊技者が獲得できる利益)を変化させることができる。
【0017】
また、遊技情報として、操作手段の操作態様、操作態様決定手段の決定結果、又は報知手段の報知内容を用いることができる。
【0018】
また、有利な状況として、所定の役の入賞が成立する状況を用いることができる。
【0019】
また、操作手段として、変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部、操作態様として、停止操作部の操作順序又は操作タイミングを用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0021】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0022】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0023】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0024】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、BB又はRBの入賞が成立した場合に点灯し、BB又はRBに内部当選した場合に所定確率で点灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0025】
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、後で説明する「ベルの小役」の入賞成立を実現するための情報として「2ゲーム前の報知と同じ」という文章が表示されている。
【0026】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0027】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0028】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン(停止操作部)7L,7C,7Rが設けられている。
【0029】
ここで、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われる停止ボタン7L,7C,7Rの操作(以下「停止操作」という)を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0030】
実施例のスロットマシン1には、3つの停止ボタン7L,7C,7Rが設けられているので、これらの停止操作の順番(以下「操作順序」という)は“6種類”ある。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記し、「操作順序」、後述(図5)の「許可順序」、及び「報知内容」を示すとき、「第1停止操作」〜「第3停止操作」に対応する停止ボタン7L,7C,7Rの略を左から順番に並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、「操作順序」を「左中右」と示す。実施例の操作順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の“6種類”がある。
【0031】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図3)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“Replay(図柄96)”及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0032】
次に、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数について説明する。ここで、遊技状態とは、一般に、BB又はRBに内部当選しているか否か、或いはBB又はRBが作動しているか否かによって区別するものである。
【0033】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って“青7−青7−青7”、又は“赤7−赤7−赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0034】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“BAR−BAR−BAR”であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるとき(いわゆる「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ“Replay−Replay−Replay”が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0035】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。また、一般遊技状態では、「スイカの小役」、及び「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能である。
【0036】
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ“ベル−ベル−ベル”が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。このとき、10枚のメダルが払出される。「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞が成立するか否かは、「許可順序」及び「操作順序」により決定される。「許可順序」とは、「ベルの小役」の入賞成立が許可(実現)される「操作順序」であり、ゲームの開始時に決定される(後述の図11のST15)。“6種類”の「操作順序」のうち、「許可順序」と同じ「操作順序」の場合にのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立する。「許可順序」と異なる“5種類”の「操作順序」の場合には、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0037】
ここで、「ベルの小役」に内部当選したゲームでは、その入賞成立を実現するための情報(許可順序の全部又は一部)の報知が行われる。この報知の態様には、「通常態様」及び「履歴態様」がある。
【0038】
「通常態様」とは、「許可順序」の全部又は一部を直接的に報知する態様である。「許可順序」の全部を報知する「通常態様」には、例えば表示画面5aに「中右左」と表示する態様がある。また、一部を報知する態様には、例えば表示画面5aに「?右?」と表示し、「許可順序」の第2停止操作に対応する停止ボタンが右の停止ボタン7Rであることを報知する態様がある。
【0039】
「履歴態様」とは、「許可順序」の全部又は一部を遊技履歴に基づいて間接的に報知する態様である。「履歴態様」には、「報知履歴態様」、「操作履歴態様」、及び「許可履歴態様」がある。「報知履歴態様」とは、「履歴参照ゲーム」の報知内容に応じた報知である。「操作履歴態様」とは、「履歴参照ゲーム」の操作順序に応じた報知である。「許可履歴態様」とは、「履歴参照ゲーム」の許可順序に応じた報知である。「報知履歴態様」、「操作履歴態様」、及び「許可履歴態様」の報知内容の具体例は、後で図6を参照して説明する。「履歴参照ゲーム」とは、今回のゲームから“10回前”までのゲームであって、「内部当選役」、「許可順序」、「報知態様」、「報知内容」、「操作順序」、「入賞の成否」等の遊技履歴(遊技情報)を参照するゲームをいう。
【0040】
図3は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0041】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0042】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0043】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「全リール停止コマンド」、「一ゲーム終了コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、後述(図5)の遊技履歴記録テーブルが設けられている。
【0044】
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0045】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0046】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0047】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0048】
図3の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0049】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0050】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0051】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0052】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0053】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0054】
図4は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L,21Rにより出音される音を制御する音源IC78、及び増幅器としてのパワーアンプ79で構成されている。
【0055】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、後述の図14のST63、図15のST71等の決定が行われる。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0056】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基き、画像制御プログラムROM84内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0057】
次に、図5を参照して、遊技履歴記録テーブルについて説明する。このテーブルに格納された情報は、後述の図14のST70で更新される。
【0058】
遊技履歴記録テーブルには、履歴参照ゲーム1〜10における「内部当選役」、「許可順序」、「報知態様」、「報知内容」、「操作順序」、及び「入賞の成否」の情報が格納されている。ここで、履歴参照ゲーム1とは、“1回前”のゲームを示す。また、履歴参照ゲーム10とは、“10回前”のゲームを示す。
【0059】
図5に示す遊技履歴記録テーブルでは、履歴参照ゲーム5,8以外のゲームにおいて「ベルの小役」に内部当選している。履歴参照ゲーム2,6,7の「報知態様」が「通常態様」である。履歴参照ゲーム4,10の「報知態様」が「履歴態様」である。報知態様が「履歴態様」である履歴参照ゲームの「報知内容」は、遊技履歴として参照されることがないため、「報知内容」の情報が格納されていない。
【0060】
次に、図6を参照して、各履歴態様の報知内容の例(表示画面5aの表示例)について説明する。この図6は、「許可順序」が「右左中」と決定されたゲームの報知内容の例を示す。また、後述のように、報知内容は、「履歴態様」及び「履歴参照ゲーム」を決定(図15のST71,ST72)した後、今回のゲームの「許可順序」、及び「履歴参照ゲーム」の遊技履歴における共通点(相違点)の有無に基づいて決定する(図15のST76,ST77)。
【0061】
「履歴態様」として「報知履歴態様」を決定し、履歴参照ゲーム2を決定した場合には、今回のゲームの許可順序である「右左中」及び履歴参照ゲーム2の「報知内容」である「左右中」では、第3停止操作に対応するリール(停止ボタン)において共通する(一部において共通点がある)。そこで、「ベルの小役の入賞成立を実現するための操作順序において、第3停止操作に対応するリールは、2ゲーム前の報知のものと同じです。」と報知(許可順序の一部を報知)している。
【0062】
「履歴態様」として「操作履歴態様」を決定し、履歴参照ゲーム3を決定した場合には、今回のゲームの許可順序である「右左中」及び履歴参照ゲーム3の「操作順序」である「右左中」では、第1停止操作〜第3停止操作に対応するリールが全て共通する。そこで、「ベルの小役の入賞成立を実現するための操作順序において、第1〜第3停止操作に対応するリールは、3ゲーム前の操作順序のものと同じです。」と報知(許可順序の全部を報知)している。
【0063】
「履歴態様」として「許可履歴態様」を決定し、履歴参照ゲーム9を決定した場合には、今回のゲームの許可順序である「右左中」及び履歴参照ゲーム9の「許可順序」である「中右左」では、第1停止操作〜第3停止操作に対応するリールが全て相違する。そこで、「ベルの小役の入賞成立を実現するための操作順序において、第1〜第3停止操作に対応するリールは、9ゲーム前の許可順序と全て異なります。」と報知(相違点を報知)している。具体的には、許可順序が「左中右」又は「右左中」であることを報知している。
【0064】
次に、図7、図8及び図9を参照して、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0065】
「停止制御テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“12”の“チェリー(図2の図柄97)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“08”の“青7(図2の図柄91)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0066】
図7は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0067】
図7において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“08”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0068】
図7において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“07”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0069】
図7において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”,“05”,“10”,“14”又は“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0070】
以上のように、図7に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cの位置、すなわち表示窓4L,4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0071】
図8は、順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図7に示すものと同じである。
【0072】
図8において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“06”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0073】
以上のように、図8に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L,4C内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に“Replay”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0074】
図9は、逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図7に示すものと同じである。
【0075】
図9において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”,“09”,“12”,“17”又は“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0076】
以上のように、図9に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に“Replay”が停止表示され、表示窓4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0077】
ここで、実施例では、前述のように操作順序として“6種類”を採用し、「許可順序」と同じ「操作順序」で停止操作が行われたときにのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、入賞が成立するようにしている。このため、第2停止操作が行われたときに、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが確定する場合がある。例えば、「許可順序」として「左中右」が採用され、第1停止操作として左のリール3Lが操作された場合である。すなわち、第1停止操作が行われた場合、必ずしも“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが明らかではない場合がある。また、実施例では、“ベル−ベル−ベル”は、必ずセンターライン8cに沿って並ぶこととしている。そこで、実施例では、図8及び図9に示すように、2つのはずれ用の停止制御テーブルを使用することとしている。
【0078】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図10〜図12に示すメインフローチャートを参照して説明する。
【0079】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から30秒経過したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。
【0080】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8に移り、“NO”のときは、ST3に移る。
【0081】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11に移り、“NO”のときはST10に移る。ST10では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0082】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST11)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0083】
図11のST14では、CPU31は、上記ST12で抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次に、内部当選役が「ベルの小役」である場合には、「許可順序」を決定する(ST15)。具体的には、“6種類”の「許可順序」の各々に、予め乱数範囲が割り当てられている。“0”〜“127”の範囲から抽出した乱数値が、いずれの「許可順序」の乱数範囲に含まれているかどうかを判別し、「許可順序」を決定する。なお、実施例では、各「許可順序」は、夫々等しい確率で決定されるようになっている。
【0084】
次に、「スタートコマンド」を副制御回路72へ送信する(ST16)。「スタートコマンド」は、内部当選役及び「許可順序」の情報を含む。この情報は、後述の図14のST61で使用される。続いて、「メイン側演出選択処理」を行う(ST17)。この「メイン側演出選択処理」では、副制御回路72が直接的に制御する液晶表示装置5における演出に関連する事項を決定する。例えば、全てのリールが停止した後に、表示画面5a上で継続して行われる演出の時間(以下「演出時間」という)を決定する。続いて、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST18)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST20に移り、“NO”のときは、ST19に移る。ST19では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST20に移り、“NO”のときは、ST18に移る。
【0085】
ST20では、CPU31は、後で図13を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0086】
ST22では、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23に移り、“NO”のときは、ST18に移る。ST23では、全てのリールが停止したことを示す「全リール停止コマンド」を送信し、図12のST24に移る。
【0087】
図12のST24では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST26)。この場合、遊技は中止となる。ST25の判別が“YES”のときは、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST27)。続いて、入賞役及びメダルの払出し枚数を示す「入賞役コマンド」を送信し(ST28)、「ロック時間処理」を行う(ST29)。この「ロック時間処理」では、全リールが停止した後、「演出時間」が経過するまでの間、次のゲームを開始するための操作を無効とする。具体的には、スタートレバー6の操作を無効とする。続いて、CPU31は、「WINランプ点灯処理」を行い(ST30)、一のゲームが終了したことを示す「1ゲーム終了コマンド」を送信する(ST31)。「WINランプ点灯処理」においては、所定の条件下で、「演出時間」経過後WINランプ17を点灯させる処理を行う。
【0088】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する(ST32)。この判別が“YES”のときは、BB又はRBの「遊技数チェック処理」を行う(ST33)。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
【0089】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST34)。具体的には、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。ST34の判別が“YES”のときは、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時のRAM33をクリアする(ST35)。続いて、「ボーナス終了コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST36)。続いて、ST2に移る。
【0090】
次に、図13を参照して、主制御回路71の滑りコマ数決定処理について説明する。
【0091】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、ST42に移り、“NO”のときは、ST43に移る。ST42では、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST44に移り、“NO”のときは、ST43に移る。ST43では、内部当選役、遊技状態、操作順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定する。
【0092】
一般遊技状態で「ベルの小役」に内部当選した場合には、ST44において、図11のST18の停止操作が第1停止操作であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST45に移り、“NO”のときは、ST50に移る。ST45では、図11のST15で決定した「許可順序」、及び第1停止操作が行われた停止ボタンに基づいて、「ベルの小役」の入賞成立の可能性があるかどうかを判別する。例えば、「許可順序」として「左中右」が選択されている場合、第1停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合には、ST45の判別は、“YES”となる。他方、第1停止操作として中央又は右の停止ボタン7C、7Rが操作された場合には、ST45の判別は、“NO”となる。ST45の判別が“YES”のときは、ST46に移り、“NO”のときは、ST47に移る。
【0093】
ST46では、当り用停止制御テーブル(図7)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。例えば、左の停止ボタンが操作され、停止操作位置が“07”であるとき、滑りコマ数は、“4”と決定される。ここで、当り用停止制御テーブルを使用して停止制御を行うのは、ST45の判別が“YES”であり、ベルの小役の入賞成立の可能性があるためである。なお、前述のように、ベルの小役の入賞の成否が確定するのは、第2停止操作が行われたときである。従って、後述のように、ST46の後、はずれ用の停止制御テーブル(図8、図9)が使用される場合がある。
【0094】
ST47では、第1停止操作により、順押し又は中押しが行われたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST48に移り、“NO”のときは、ST49に移る。ST48では、順押し・中押しはずれ用の停止制御テーブル(図8)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図8に示す停止制御テーブルでは、左及び中央のリール3L、3Cの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合(ST45の判別が“NO”)であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0095】
ST49では、逆押しはずれ用の停止制御テーブル(図9)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図9に示す停止制御テーブルでは、右のリール3Rの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、ST48の場合と同様に、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0096】
図11のST18の操作が第1停止操作でない場合(ST44の判別が“NO”)、すなわち第2又は第3停止操作の場合には、ST50において、「ベルの小役」の入賞成立が確定しているかどうかを判別する。「ベルの小役」の入賞成立が確定している場合とは、ST45の判別が“YES”であり、且つ「許可順序」が「左中右」又は「右中左」で、第2停止操作として中央の停止ボタン7Cが操作された場合、「許可順序」が「左右中」又は「中右左」で、第2停止操作として右の停止ボタン7Rが操作された場合、又は「許可順序」が「中左右」又は「右左中」で、第2停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合である。ST50の判別が“YES”のときは、ST46に移り、“NO”のときは、ST47に移る。
【0097】
次に、図14を参照して、報知関連処理について説明する。
【0098】
初めに、サブCPU74は、「スタートコマンド」を受信したか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する(ST62)。この判別が“YES”のときは、ST63に移り、“NO”のときは、ST61に移る。ST63では、「報知態様」として「通常態様」、「履歴態様」、又は「報知なし」のいずれかを抽選により決定し、ST64に移る。
【0099】
ST64では、「報知態様」として「通常態様」を決定したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、報知内容を決定し(ST65)、ST68に移る。ST64の判別が“NO”のときは、「報知態様」として「履歴態様」を決定したか否かを判別する(ST66)。この判別が“YES”のときは、後で図15を参照して説明する「履歴態様決定処理」を行い(ST67)、ST68に移る。ST66の判別が“NO”のときは、ST61に移る。
【0100】
ST68では、ST65、後述の図15のST76又はST77で決定した報知内容を表示画面5aに表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、「一ゲーム終了コマンド」を受信したか否かを判別する(ST69)。この判別が“YES”のときは、遊技履歴記録テーブルに格納された情報を更新する(ST70)。具体的には、各履歴参照ゲーム(例えば、履歴参照ゲーム5)に記録された遊技履歴(遊技情報)をその前に行われたゲーム(例えば、履歴参照ゲーム6)の遊技履歴に更新し、今回のゲームの遊技履歴を「履歴参照ゲーム1」の遊技履歴として格納する。続いて、ST61に移る。
【0101】
次に、図15を参照して、履歴態様決定処理について説明する。
【0102】
初めに、サブCPU74は、「報知履歴態様」、「操作履歴態様」、又は「許可履歴態様」のいずれかを抽選により「履歴態様」として決定する(ST71)。続いて、「履歴参照ゲーム」を抽選により決定する(ST72)。次に、ST71で決定した「履歴態様」が「報知履歴態様」であるか否かを判別する(ST73)。この判別が“YES”のときは、ST74に移り“NO”のときは、ST78に移る。
【0103】
ST74では、ST72で決定した「履歴参照ゲーム」の報知態様が「通常態様」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST75に移り、“NO”のときは、再び「履歴参照ゲーム」の決定を行う。このST74の判別により、「履歴参照ゲーム」の報知態様が「履歴態様」又は「報知なし」であるにも拘らず「報知履歴態様」で報知を行うという不都合を回避することができる。ST75では、今回のゲームの「許可順序」及び「履歴参照ゲーム」の報知内容において、第1〜第3停止操作に対応するリールが全部又は一部において共通するか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST76に移り、“NO”のときは、ST77に移る。
【0104】
ST76では、共通部分を報知することを内容とする報知内容を決定し、図14のST68に移る。ST77では、共通部分がないことを内容とする報知内容を決定し、図14のST68に移る。ここで、図6の「報知履歴態様,履歴参照ゲーム2」、「報知履歴態様,履歴参照ゲーム6」、「操作履歴態様,履歴参照ゲーム7」、「操作履歴態様,履歴参照ゲーム3」、「許可履歴態様,履歴参照ゲーム3」、及び「許可履歴態様,履歴参照ゲーム1」に示す報知内容は、ST76で決定される。他方、「報知履歴態様,履歴参照ゲーム7」、「操作履歴態様,履歴参照ゲーム9」、及び「許可履歴態様,履歴参照ゲーム9」に示す報知内容は、ST77で決定される。
【0105】
ST78では、ST71で決定した「履歴態様」が「操作履歴態様」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST79に移る。ST79では、今回のゲームの「許可順序」及び「履歴参照ゲーム」の「操作順序」において、第1〜第3停止操作に対応するリールが全部又は一部において共通するか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST76に移り、“NO”のときは、ST77に移る。
【0106】
ST78の判別が“NO”のとき、すなわち「履歴態様」が「許可履歴態様」であるとき、ST72で決定した「履歴参照ゲーム」の内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する(ST80)。この判別が“YES”のときは、ST81に移り、“NO”のときは、再び「履歴参照ゲーム」の決定を行う。このST80の判別により、「履歴参照ゲーム」の内部当選役が「ベルの小役」でないにも拘らず「許可履歴態様」で報知を行うという不都合を回避することができる。ST81では、今回のゲームの「許可順序」及び「履歴参照ゲーム」の「許可順序」において、第1〜第3停止操作に対応するリールが全部又は一部において共通するか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST76に移り、“NO”のときは、ST77に移る。
【0107】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0108】
実施例では、「遊技者にとって有利な状況」として「ベルの小役」の入賞が成立する状況を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、「基本的に遊技者のタイミングのみに基づいてリールの停止制御(いわゆる「無制御」)が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「所定の役の入賞成立を実現するために必要な停止ボタン(停止操作部)の操作順序が報知される状況(期間)」、「有効ラインに沿って並ぶことを許可された図柄組合せが報知される状況」、「内部当選(持ち越し)したボーナス(BB、RB)の入賞成立が許可される状況」、「シングルボーナスの入賞が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、或いは小役等)の入賞が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」等を採用することもできる。また、所定の役としてBB、RB、シングルボーナス等、任意の役を用いることができる。
【0109】
また、実施例では、操作態様決定手段の決定結果として「許可順序」を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、特定の役の入賞が成立することとなる「停止操作位置」を採用することもできる。この場合、操作態様決定手段の決定結果に関連する情報として、この「停止操作位置(操作タイミング)」に関連する特定の役の「図柄組合せ」を採用することもできる。具体的には、この特定の役の「図柄組合せ」を複数設定し、操作態様決定手段の決定結果(例えば、停止制御テーブル)に対応する「図柄組合せ」を報知することもできる。また、操作態様決定手段の決定結果として、「許可順序」及び「停止操作位置」の両方を採用することもできる。
【0110】
また、実施例において「所定のゲーム」に対応する「履歴参照ゲーム」は、現在のゲームから何回前のゲームであるかによって区別するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、「履歴参照ゲーム」をBB遊技状態或いはRB遊技状態の終了後からのゲームの回数、遊技者にとって有利な状況の終了後からのゲームの回数等、任意の起点(所定の時点)からのゲームの回数に基づいて区別することができる。例えば、「最後のBBが終了してから5ゲーム目の報知と同じです。」というような報知を行うことができる。この場合、報知をより複雑化することができる。また、遊技者にとって有利な状況の発生についての難易度を高めることもできる。また、実施例では、履歴参照ゲームとして“10回前”までのゲームを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、“5回前”までのゲーム、“3回前”までのゲーム等、任意に定めることができる。
【0111】
また、所定ゲーム回数後のゲーム(将来のゲーム)において遊技者にとって有利な状況の発生を許可する操作手段の操作態様を操作態様決定手段が決定し、今回(現在)のゲーム(所定のゲーム)の遊技情報に基づいて、操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知するようにしてもよい。この場合、「5ゲーム先の許可順序は、今回のゲームの報知内容のものと同じです」というような報知を行うこともできる。
【0112】
また、所定のゲームとして所定の役又は特定の役の入賞が成立したゲーム或いは内部当選したゲームを採用することもできる。この場合、例えば、「許可順序は、2回前にベルの小役の入賞が成立したゲームの許可順序と同じです。」というような報知を行うことができる。
【0113】
また、操作態様決定手段の決定結果を報知するか否かを決定し、報知すると決定した場合には、その決定結果を報知する。報知しないと決定した場合には、その決定結果とは別のものを報知するようにしてもよい。この場合、報知を断定的なものではなく、確率的な表現とすることができる。例えば、「許可順序は、2ゲーム前の報知内容と同じ確率が高いです。」というような報知(不確定な表現)を行うこともできる。
【0114】
また、実施例では、所定のゲームとして一の履歴参照ゲームを用いるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、所定のゲームとして複数の履歴参照ゲームを用いることもできる。この場合、例えば、「許可順序の第1停止操作に対応するリールは、1ゲーム前の第1停止操作、第2停止操作に対応するリールは、2ゲーム前の第2停止操作と同じです。」というような報知を行うこともできる。
【0115】
実施例では、「許可順序」を一つ定めるようにしているが、これに限られるものではなく、一のゲームにおいて“2以上”の「許可順序」を決定することもできる。つまり、遊技者にとって有利な状況の発生を許可する“2以上”の操作手段の操作態様を決定することもできる。また、操作手段の操作態様として、所定の時点から計時された時間に対する「操作時間」を採用することもできる。
【0116】
実施例では、操作手段として停止ボタン7L,7C,7Rを採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、スタートレバー6を採用し、操作態様として「操作回数」、「操作方向」、「操作時間」、「押す操作」或いは「引く操作」を採用することもできる。
実施例では、報知手段として液晶表示装置を用いているが、演出用のリール、模型等の動作物(いわゆる「役物」等)、音出力手段としてのスピーカ、光、LEDドットマトリクス、透明ELディスプレイ等を用いるようにしてもよい。なお、変動表示手段及び報知手段を一の装置により実現するようにしてもよいし、それぞれを異なる装置により実現するようにしてもよい。例えば、いわゆる「液晶パチスロ」では、液晶表示装置により変動表示手段及び報知手段を実現することができる。
【0117】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図4】実施例の副制御回路の構成を示すブロック図。
【図5】遊技履歴記録テーブルを示す図。
【図6】各履歴態様の報知内容の例を示す図。
【図7】停止制御テーブルの例を示す図。
【図8】停止制御テーブルの例を示す図。
【図9】停止制御テーブルの例を示す図。
【図10】主制御回路のメインフローチャート。
【図11】図10に続くフローチャート。
【図12】図11に続くフローチャート。
【図13】滑りコマ数決定処理を示すフローチャート。
【図14】報知関連処理を示すフローチャート。
【図15】履歴態様決定処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート、81…画像制御回路、82…画像制御CPU、83…画像制御ワークRAM、84…画像制御プログラムROM、85…INポート、86…画像ROM、87…ビデオRAM、88…画像制御IC。
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと内部当選役の入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
このような遊技機の一例として、払出枚数が同数の複数種類の特定役のいずれかに「内部当選」したとき、どの特定役に内部当選したかの情報(図柄組合せの情報)を報知し、「目押し」ができることを条件として遊技者が所持するメダルの数を減少させない、或いは増加させるようにすることが可能な遊技機が提供されている。
【0006】
また、技術介入性が高い遊技機では、熟練者と初心者との間でメダル等の獲得数に差が生じやすくなる。従って、初心者は、技術介入性の高い遊技機を敬遠しがちである。そこで、特定役に「内部当選」したとき、その特定役の入賞成立を許可する(入賞成立が実現する)停止ボタンの操作順序を決定する。そして、その操作順序の情報を報知するようにした遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これらの情報を報知する報知手段には、ランプ、表示装置等の種々の手段が用いられている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−58790号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記情報の報知態様は、図柄組合せ或いは操作順序を直接的に報知するものであり、画一的である。また、報知は、遊技機側から遊技者側への一方的なものであり、その報知の結果、遊技者が獲得できる利益(「目押し」の熟練度を考慮しない利益)は均一なものとなっていた。
【0009】
本発明の目的は、面白みのある遊技機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、遊技者が操作する操作手段(例えば、後述のスタートレバー6)と、遊技者にとって有利な状況の発生を許可する操作手段の操作態様(例えば、操作方向、操作回数)を決定する操作態様決定手段(例えば、後述の図11のST15を行うCPU31)と、所定のゲーム(例えば、後述の履歴参照ゲーム)における遊技情報(例えば、後述の遊技履歴)に基づいて、操作態様決定手段の決定結果(例えば、後述の許可順序)又はこれに関連する情報(例えば、内部当選役の図柄組合せ)の全部又は一部を報知する報知手段(例えば、後述の履歴態様による報知を行う副制御回路72及び液晶表示装置5)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の具体的態様では、報知手段は、遊技情報と操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報との共通点又は相違点を報知することを特徴とする。
【0012】
本発明の具体的態様では、遊技情報は、操作手段の操作態様、操作態様決定手段の決定結果、又は報知手段の報知内容であることを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的態様では、有利な状況は、所定の役(例えば、後述のベルの小役)の入賞が成立する状況であることを特徴とする。
【0014】
本発明の具体的態様では、操作手段は、変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部(例えば、後述の停止ボタン7L,7C,7R)であり、操作態様は、停止操作部の操作順序又は操作タイミングであることを特徴とする。
【0015】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、報知手段は、所定のゲームの遊技情報に基づいて、操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知する。従って、報知手段の報知態様が画一的なものとならず、遊技の面白みが増す。
【0016】
本発明の実施態様では、報知手段は、遊技情報と操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報との共通点又は相違点を報知する。従って、遊技者は、所定のゲームの遊技情報を把握している場合には、報知された共通点又は相違点により操作態様決定手段の全部又は一部を認識することができる。つまり、遊技者の記憶の正確さによる遊技力により、有利な状況の発生の有無(例えば、遊技者が獲得できる利益)を変化させることができる。
【0017】
また、遊技情報として、操作手段の操作態様、操作態様決定手段の決定結果、又は報知手段の報知内容を用いることができる。
【0018】
また、有利な状況として、所定の役の入賞が成立する状況を用いることができる。
【0019】
また、操作手段として、変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部、操作態様として、停止操作部の操作順序又は操作タイミングを用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0021】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0022】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0023】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0024】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、BB又はRBの入賞が成立した場合に点灯し、BB又はRBに内部当選した場合に所定確率で点灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0025】
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、後で説明する「ベルの小役」の入賞成立を実現するための情報として「2ゲーム前の報知と同じ」という文章が表示されている。
【0026】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0027】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0028】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン(停止操作部)7L,7C,7Rが設けられている。
【0029】
ここで、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われる停止ボタン7L,7C,7Rの操作(以下「停止操作」という)を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0030】
実施例のスロットマシン1には、3つの停止ボタン7L,7C,7Rが設けられているので、これらの停止操作の順番(以下「操作順序」という)は“6種類”ある。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記し、「操作順序」、後述(図5)の「許可順序」、及び「報知内容」を示すとき、「第1停止操作」〜「第3停止操作」に対応する停止ボタン7L,7C,7Rの略を左から順番に並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、「操作順序」を「左中右」と示す。実施例の操作順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の“6種類”がある。
【0031】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図3)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“Replay(図柄96)”及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0032】
次に、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数について説明する。ここで、遊技状態とは、一般に、BB又はRBに内部当選しているか否か、或いはBB又はRBが作動しているか否かによって区別するものである。
【0033】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って“青7−青7−青7”、又は“赤7−赤7−赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0034】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“BAR−BAR−BAR”であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるとき(いわゆる「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ“Replay−Replay−Replay”が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0035】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。また、一般遊技状態では、「スイカの小役」、及び「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能である。
【0036】
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ“ベル−ベル−ベル”が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。このとき、10枚のメダルが払出される。「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞が成立するか否かは、「許可順序」及び「操作順序」により決定される。「許可順序」とは、「ベルの小役」の入賞成立が許可(実現)される「操作順序」であり、ゲームの開始時に決定される(後述の図11のST15)。“6種類”の「操作順序」のうち、「許可順序」と同じ「操作順序」の場合にのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立する。「許可順序」と異なる“5種類”の「操作順序」の場合には、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0037】
ここで、「ベルの小役」に内部当選したゲームでは、その入賞成立を実現するための情報(許可順序の全部又は一部)の報知が行われる。この報知の態様には、「通常態様」及び「履歴態様」がある。
【0038】
「通常態様」とは、「許可順序」の全部又は一部を直接的に報知する態様である。「許可順序」の全部を報知する「通常態様」には、例えば表示画面5aに「中右左」と表示する態様がある。また、一部を報知する態様には、例えば表示画面5aに「?右?」と表示し、「許可順序」の第2停止操作に対応する停止ボタンが右の停止ボタン7Rであることを報知する態様がある。
【0039】
「履歴態様」とは、「許可順序」の全部又は一部を遊技履歴に基づいて間接的に報知する態様である。「履歴態様」には、「報知履歴態様」、「操作履歴態様」、及び「許可履歴態様」がある。「報知履歴態様」とは、「履歴参照ゲーム」の報知内容に応じた報知である。「操作履歴態様」とは、「履歴参照ゲーム」の操作順序に応じた報知である。「許可履歴態様」とは、「履歴参照ゲーム」の許可順序に応じた報知である。「報知履歴態様」、「操作履歴態様」、及び「許可履歴態様」の報知内容の具体例は、後で図6を参照して説明する。「履歴参照ゲーム」とは、今回のゲームから“10回前”までのゲームであって、「内部当選役」、「許可順序」、「報知態様」、「報知内容」、「操作順序」、「入賞の成否」等の遊技履歴(遊技情報)を参照するゲームをいう。
【0040】
図3は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0041】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0042】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0043】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「全リール停止コマンド」、「一ゲーム終了コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、後述(図5)の遊技履歴記録テーブルが設けられている。
【0044】
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0045】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0046】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0047】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0048】
図3の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0049】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0050】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0051】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0052】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0053】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0054】
図4は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L,21Rにより出音される音を制御する音源IC78、及び増幅器としてのパワーアンプ79で構成されている。
【0055】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、後述の図14のST63、図15のST71等の決定が行われる。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0056】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基き、画像制御プログラムROM84内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0057】
次に、図5を参照して、遊技履歴記録テーブルについて説明する。このテーブルに格納された情報は、後述の図14のST70で更新される。
【0058】
遊技履歴記録テーブルには、履歴参照ゲーム1〜10における「内部当選役」、「許可順序」、「報知態様」、「報知内容」、「操作順序」、及び「入賞の成否」の情報が格納されている。ここで、履歴参照ゲーム1とは、“1回前”のゲームを示す。また、履歴参照ゲーム10とは、“10回前”のゲームを示す。
【0059】
図5に示す遊技履歴記録テーブルでは、履歴参照ゲーム5,8以外のゲームにおいて「ベルの小役」に内部当選している。履歴参照ゲーム2,6,7の「報知態様」が「通常態様」である。履歴参照ゲーム4,10の「報知態様」が「履歴態様」である。報知態様が「履歴態様」である履歴参照ゲームの「報知内容」は、遊技履歴として参照されることがないため、「報知内容」の情報が格納されていない。
【0060】
次に、図6を参照して、各履歴態様の報知内容の例(表示画面5aの表示例)について説明する。この図6は、「許可順序」が「右左中」と決定されたゲームの報知内容の例を示す。また、後述のように、報知内容は、「履歴態様」及び「履歴参照ゲーム」を決定(図15のST71,ST72)した後、今回のゲームの「許可順序」、及び「履歴参照ゲーム」の遊技履歴における共通点(相違点)の有無に基づいて決定する(図15のST76,ST77)。
【0061】
「履歴態様」として「報知履歴態様」を決定し、履歴参照ゲーム2を決定した場合には、今回のゲームの許可順序である「右左中」及び履歴参照ゲーム2の「報知内容」である「左右中」では、第3停止操作に対応するリール(停止ボタン)において共通する(一部において共通点がある)。そこで、「ベルの小役の入賞成立を実現するための操作順序において、第3停止操作に対応するリールは、2ゲーム前の報知のものと同じです。」と報知(許可順序の一部を報知)している。
【0062】
「履歴態様」として「操作履歴態様」を決定し、履歴参照ゲーム3を決定した場合には、今回のゲームの許可順序である「右左中」及び履歴参照ゲーム3の「操作順序」である「右左中」では、第1停止操作〜第3停止操作に対応するリールが全て共通する。そこで、「ベルの小役の入賞成立を実現するための操作順序において、第1〜第3停止操作に対応するリールは、3ゲーム前の操作順序のものと同じです。」と報知(許可順序の全部を報知)している。
【0063】
「履歴態様」として「許可履歴態様」を決定し、履歴参照ゲーム9を決定した場合には、今回のゲームの許可順序である「右左中」及び履歴参照ゲーム9の「許可順序」である「中右左」では、第1停止操作〜第3停止操作に対応するリールが全て相違する。そこで、「ベルの小役の入賞成立を実現するための操作順序において、第1〜第3停止操作に対応するリールは、9ゲーム前の許可順序と全て異なります。」と報知(相違点を報知)している。具体的には、許可順序が「左中右」又は「右左中」であることを報知している。
【0064】
次に、図7、図8及び図9を参照して、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0065】
「停止制御テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“12”の“チェリー(図2の図柄97)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“08”の“青7(図2の図柄91)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0066】
図7は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0067】
図7において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“08”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0068】
図7において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“07”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0069】
図7において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”,“05”,“10”,“14”又は“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0070】
以上のように、図7に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cの位置、すなわち表示窓4L,4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0071】
図8は、順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図7に示すものと同じである。
【0072】
図8において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“06”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0073】
以上のように、図8に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L,4C内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に“Replay”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0074】
図9は、逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図7に示すものと同じである。
【0075】
図9において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”,“09”,“12”,“17”又は“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0076】
以上のように、図9に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に“Replay”が停止表示され、表示窓4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0077】
ここで、実施例では、前述のように操作順序として“6種類”を採用し、「許可順序」と同じ「操作順序」で停止操作が行われたときにのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、入賞が成立するようにしている。このため、第2停止操作が行われたときに、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが確定する場合がある。例えば、「許可順序」として「左中右」が採用され、第1停止操作として左のリール3Lが操作された場合である。すなわち、第1停止操作が行われた場合、必ずしも“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが明らかではない場合がある。また、実施例では、“ベル−ベル−ベル”は、必ずセンターライン8cに沿って並ぶこととしている。そこで、実施例では、図8及び図9に示すように、2つのはずれ用の停止制御テーブルを使用することとしている。
【0078】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図10〜図12に示すメインフローチャートを参照して説明する。
【0079】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から30秒経過したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。
【0080】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8に移り、“NO”のときは、ST3に移る。
【0081】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11に移り、“NO”のときはST10に移る。ST10では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0082】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST11)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0083】
図11のST14では、CPU31は、上記ST12で抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次に、内部当選役が「ベルの小役」である場合には、「許可順序」を決定する(ST15)。具体的には、“6種類”の「許可順序」の各々に、予め乱数範囲が割り当てられている。“0”〜“127”の範囲から抽出した乱数値が、いずれの「許可順序」の乱数範囲に含まれているかどうかを判別し、「許可順序」を決定する。なお、実施例では、各「許可順序」は、夫々等しい確率で決定されるようになっている。
【0084】
次に、「スタートコマンド」を副制御回路72へ送信する(ST16)。「スタートコマンド」は、内部当選役及び「許可順序」の情報を含む。この情報は、後述の図14のST61で使用される。続いて、「メイン側演出選択処理」を行う(ST17)。この「メイン側演出選択処理」では、副制御回路72が直接的に制御する液晶表示装置5における演出に関連する事項を決定する。例えば、全てのリールが停止した後に、表示画面5a上で継続して行われる演出の時間(以下「演出時間」という)を決定する。続いて、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST18)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST20に移り、“NO”のときは、ST19に移る。ST19では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST20に移り、“NO”のときは、ST18に移る。
【0085】
ST20では、CPU31は、後で図13を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0086】
ST22では、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23に移り、“NO”のときは、ST18に移る。ST23では、全てのリールが停止したことを示す「全リール停止コマンド」を送信し、図12のST24に移る。
【0087】
図12のST24では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST26)。この場合、遊技は中止となる。ST25の判別が“YES”のときは、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST27)。続いて、入賞役及びメダルの払出し枚数を示す「入賞役コマンド」を送信し(ST28)、「ロック時間処理」を行う(ST29)。この「ロック時間処理」では、全リールが停止した後、「演出時間」が経過するまでの間、次のゲームを開始するための操作を無効とする。具体的には、スタートレバー6の操作を無効とする。続いて、CPU31は、「WINランプ点灯処理」を行い(ST30)、一のゲームが終了したことを示す「1ゲーム終了コマンド」を送信する(ST31)。「WINランプ点灯処理」においては、所定の条件下で、「演出時間」経過後WINランプ17を点灯させる処理を行う。
【0088】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する(ST32)。この判別が“YES”のときは、BB又はRBの「遊技数チェック処理」を行う(ST33)。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
【0089】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST34)。具体的には、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。ST34の判別が“YES”のときは、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時のRAM33をクリアする(ST35)。続いて、「ボーナス終了コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST36)。続いて、ST2に移る。
【0090】
次に、図13を参照して、主制御回路71の滑りコマ数決定処理について説明する。
【0091】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、ST42に移り、“NO”のときは、ST43に移る。ST42では、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST44に移り、“NO”のときは、ST43に移る。ST43では、内部当選役、遊技状態、操作順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定する。
【0092】
一般遊技状態で「ベルの小役」に内部当選した場合には、ST44において、図11のST18の停止操作が第1停止操作であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST45に移り、“NO”のときは、ST50に移る。ST45では、図11のST15で決定した「許可順序」、及び第1停止操作が行われた停止ボタンに基づいて、「ベルの小役」の入賞成立の可能性があるかどうかを判別する。例えば、「許可順序」として「左中右」が選択されている場合、第1停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合には、ST45の判別は、“YES”となる。他方、第1停止操作として中央又は右の停止ボタン7C、7Rが操作された場合には、ST45の判別は、“NO”となる。ST45の判別が“YES”のときは、ST46に移り、“NO”のときは、ST47に移る。
【0093】
ST46では、当り用停止制御テーブル(図7)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。例えば、左の停止ボタンが操作され、停止操作位置が“07”であるとき、滑りコマ数は、“4”と決定される。ここで、当り用停止制御テーブルを使用して停止制御を行うのは、ST45の判別が“YES”であり、ベルの小役の入賞成立の可能性があるためである。なお、前述のように、ベルの小役の入賞の成否が確定するのは、第2停止操作が行われたときである。従って、後述のように、ST46の後、はずれ用の停止制御テーブル(図8、図9)が使用される場合がある。
【0094】
ST47では、第1停止操作により、順押し又は中押しが行われたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST48に移り、“NO”のときは、ST49に移る。ST48では、順押し・中押しはずれ用の停止制御テーブル(図8)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図8に示す停止制御テーブルでは、左及び中央のリール3L、3Cの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合(ST45の判別が“NO”)であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0095】
ST49では、逆押しはずれ用の停止制御テーブル(図9)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図9に示す停止制御テーブルでは、右のリール3Rの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、ST48の場合と同様に、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0096】
図11のST18の操作が第1停止操作でない場合(ST44の判別が“NO”)、すなわち第2又は第3停止操作の場合には、ST50において、「ベルの小役」の入賞成立が確定しているかどうかを判別する。「ベルの小役」の入賞成立が確定している場合とは、ST45の判別が“YES”であり、且つ「許可順序」が「左中右」又は「右中左」で、第2停止操作として中央の停止ボタン7Cが操作された場合、「許可順序」が「左右中」又は「中右左」で、第2停止操作として右の停止ボタン7Rが操作された場合、又は「許可順序」が「中左右」又は「右左中」で、第2停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合である。ST50の判別が“YES”のときは、ST46に移り、“NO”のときは、ST47に移る。
【0097】
次に、図14を参照して、報知関連処理について説明する。
【0098】
初めに、サブCPU74は、「スタートコマンド」を受信したか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する(ST62)。この判別が“YES”のときは、ST63に移り、“NO”のときは、ST61に移る。ST63では、「報知態様」として「通常態様」、「履歴態様」、又は「報知なし」のいずれかを抽選により決定し、ST64に移る。
【0099】
ST64では、「報知態様」として「通常態様」を決定したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、報知内容を決定し(ST65)、ST68に移る。ST64の判別が“NO”のときは、「報知態様」として「履歴態様」を決定したか否かを判別する(ST66)。この判別が“YES”のときは、後で図15を参照して説明する「履歴態様決定処理」を行い(ST67)、ST68に移る。ST66の判別が“NO”のときは、ST61に移る。
【0100】
ST68では、ST65、後述の図15のST76又はST77で決定した報知内容を表示画面5aに表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、「一ゲーム終了コマンド」を受信したか否かを判別する(ST69)。この判別が“YES”のときは、遊技履歴記録テーブルに格納された情報を更新する(ST70)。具体的には、各履歴参照ゲーム(例えば、履歴参照ゲーム5)に記録された遊技履歴(遊技情報)をその前に行われたゲーム(例えば、履歴参照ゲーム6)の遊技履歴に更新し、今回のゲームの遊技履歴を「履歴参照ゲーム1」の遊技履歴として格納する。続いて、ST61に移る。
【0101】
次に、図15を参照して、履歴態様決定処理について説明する。
【0102】
初めに、サブCPU74は、「報知履歴態様」、「操作履歴態様」、又は「許可履歴態様」のいずれかを抽選により「履歴態様」として決定する(ST71)。続いて、「履歴参照ゲーム」を抽選により決定する(ST72)。次に、ST71で決定した「履歴態様」が「報知履歴態様」であるか否かを判別する(ST73)。この判別が“YES”のときは、ST74に移り“NO”のときは、ST78に移る。
【0103】
ST74では、ST72で決定した「履歴参照ゲーム」の報知態様が「通常態様」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST75に移り、“NO”のときは、再び「履歴参照ゲーム」の決定を行う。このST74の判別により、「履歴参照ゲーム」の報知態様が「履歴態様」又は「報知なし」であるにも拘らず「報知履歴態様」で報知を行うという不都合を回避することができる。ST75では、今回のゲームの「許可順序」及び「履歴参照ゲーム」の報知内容において、第1〜第3停止操作に対応するリールが全部又は一部において共通するか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST76に移り、“NO”のときは、ST77に移る。
【0104】
ST76では、共通部分を報知することを内容とする報知内容を決定し、図14のST68に移る。ST77では、共通部分がないことを内容とする報知内容を決定し、図14のST68に移る。ここで、図6の「報知履歴態様,履歴参照ゲーム2」、「報知履歴態様,履歴参照ゲーム6」、「操作履歴態様,履歴参照ゲーム7」、「操作履歴態様,履歴参照ゲーム3」、「許可履歴態様,履歴参照ゲーム3」、及び「許可履歴態様,履歴参照ゲーム1」に示す報知内容は、ST76で決定される。他方、「報知履歴態様,履歴参照ゲーム7」、「操作履歴態様,履歴参照ゲーム9」、及び「許可履歴態様,履歴参照ゲーム9」に示す報知内容は、ST77で決定される。
【0105】
ST78では、ST71で決定した「履歴態様」が「操作履歴態様」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST79に移る。ST79では、今回のゲームの「許可順序」及び「履歴参照ゲーム」の「操作順序」において、第1〜第3停止操作に対応するリールが全部又は一部において共通するか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST76に移り、“NO”のときは、ST77に移る。
【0106】
ST78の判別が“NO”のとき、すなわち「履歴態様」が「許可履歴態様」であるとき、ST72で決定した「履歴参照ゲーム」の内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する(ST80)。この判別が“YES”のときは、ST81に移り、“NO”のときは、再び「履歴参照ゲーム」の決定を行う。このST80の判別により、「履歴参照ゲーム」の内部当選役が「ベルの小役」でないにも拘らず「許可履歴態様」で報知を行うという不都合を回避することができる。ST81では、今回のゲームの「許可順序」及び「履歴参照ゲーム」の「許可順序」において、第1〜第3停止操作に対応するリールが全部又は一部において共通するか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST76に移り、“NO”のときは、ST77に移る。
【0107】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0108】
実施例では、「遊技者にとって有利な状況」として「ベルの小役」の入賞が成立する状況を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、「基本的に遊技者のタイミングのみに基づいてリールの停止制御(いわゆる「無制御」)が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「所定の役の入賞成立を実現するために必要な停止ボタン(停止操作部)の操作順序が報知される状況(期間)」、「有効ラインに沿って並ぶことを許可された図柄組合せが報知される状況」、「内部当選(持ち越し)したボーナス(BB、RB)の入賞成立が許可される状況」、「シングルボーナスの入賞が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、或いは小役等)の入賞が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」等を採用することもできる。また、所定の役としてBB、RB、シングルボーナス等、任意の役を用いることができる。
【0109】
また、実施例では、操作態様決定手段の決定結果として「許可順序」を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、特定の役の入賞が成立することとなる「停止操作位置」を採用することもできる。この場合、操作態様決定手段の決定結果に関連する情報として、この「停止操作位置(操作タイミング)」に関連する特定の役の「図柄組合せ」を採用することもできる。具体的には、この特定の役の「図柄組合せ」を複数設定し、操作態様決定手段の決定結果(例えば、停止制御テーブル)に対応する「図柄組合せ」を報知することもできる。また、操作態様決定手段の決定結果として、「許可順序」及び「停止操作位置」の両方を採用することもできる。
【0110】
また、実施例において「所定のゲーム」に対応する「履歴参照ゲーム」は、現在のゲームから何回前のゲームであるかによって区別するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、「履歴参照ゲーム」をBB遊技状態或いはRB遊技状態の終了後からのゲームの回数、遊技者にとって有利な状況の終了後からのゲームの回数等、任意の起点(所定の時点)からのゲームの回数に基づいて区別することができる。例えば、「最後のBBが終了してから5ゲーム目の報知と同じです。」というような報知を行うことができる。この場合、報知をより複雑化することができる。また、遊技者にとって有利な状況の発生についての難易度を高めることもできる。また、実施例では、履歴参照ゲームとして“10回前”までのゲームを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、“5回前”までのゲーム、“3回前”までのゲーム等、任意に定めることができる。
【0111】
また、所定ゲーム回数後のゲーム(将来のゲーム)において遊技者にとって有利な状況の発生を許可する操作手段の操作態様を操作態様決定手段が決定し、今回(現在)のゲーム(所定のゲーム)の遊技情報に基づいて、操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知するようにしてもよい。この場合、「5ゲーム先の許可順序は、今回のゲームの報知内容のものと同じです」というような報知を行うこともできる。
【0112】
また、所定のゲームとして所定の役又は特定の役の入賞が成立したゲーム或いは内部当選したゲームを採用することもできる。この場合、例えば、「許可順序は、2回前にベルの小役の入賞が成立したゲームの許可順序と同じです。」というような報知を行うことができる。
【0113】
また、操作態様決定手段の決定結果を報知するか否かを決定し、報知すると決定した場合には、その決定結果を報知する。報知しないと決定した場合には、その決定結果とは別のものを報知するようにしてもよい。この場合、報知を断定的なものではなく、確率的な表現とすることができる。例えば、「許可順序は、2ゲーム前の報知内容と同じ確率が高いです。」というような報知(不確定な表現)を行うこともできる。
【0114】
また、実施例では、所定のゲームとして一の履歴参照ゲームを用いるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、所定のゲームとして複数の履歴参照ゲームを用いることもできる。この場合、例えば、「許可順序の第1停止操作に対応するリールは、1ゲーム前の第1停止操作、第2停止操作に対応するリールは、2ゲーム前の第2停止操作と同じです。」というような報知を行うこともできる。
【0115】
実施例では、「許可順序」を一つ定めるようにしているが、これに限られるものではなく、一のゲームにおいて“2以上”の「許可順序」を決定することもできる。つまり、遊技者にとって有利な状況の発生を許可する“2以上”の操作手段の操作態様を決定することもできる。また、操作手段の操作態様として、所定の時点から計時された時間に対する「操作時間」を採用することもできる。
【0116】
実施例では、操作手段として停止ボタン7L,7C,7Rを採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、スタートレバー6を採用し、操作態様として「操作回数」、「操作方向」、「操作時間」、「押す操作」或いは「引く操作」を採用することもできる。
実施例では、報知手段として液晶表示装置を用いているが、演出用のリール、模型等の動作物(いわゆる「役物」等)、音出力手段としてのスピーカ、光、LEDドットマトリクス、透明ELディスプレイ等を用いるようにしてもよい。なお、変動表示手段及び報知手段を一の装置により実現するようにしてもよいし、それぞれを異なる装置により実現するようにしてもよい。例えば、いわゆる「液晶パチスロ」では、液晶表示装置により変動表示手段及び報知手段を実現することができる。
【0117】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図4】実施例の副制御回路の構成を示すブロック図。
【図5】遊技履歴記録テーブルを示す図。
【図6】各履歴態様の報知内容の例を示す図。
【図7】停止制御テーブルの例を示す図。
【図8】停止制御テーブルの例を示す図。
【図9】停止制御テーブルの例を示す図。
【図10】主制御回路のメインフローチャート。
【図11】図10に続くフローチャート。
【図12】図11に続くフローチャート。
【図13】滑りコマ数決定処理を示すフローチャート。
【図14】報知関連処理を示すフローチャート。
【図15】履歴態様決定処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート、81…画像制御回路、82…画像制御CPU、83…画像制御ワークRAM、84…画像制御プログラムROM、85…INポート、86…画像ROM、87…ビデオRAM、88…画像制御IC。
Claims (5)
- 遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段と、
遊技者が操作する操作手段と、
遊技者にとって有利な状況の発生を許可する前記操作手段の操作態様を決定する操作態様決定手段と、
所定のゲームにおける遊技情報に基づいて、前記操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報の全部又は一部を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 請求項1記載の遊技機において、前記報知手段は、前記遊技情報と前記操作態様決定手段の決定結果又はこれに関連する情報との共通点又は相違点を報知することを特徴とする遊技機。
- 請求項1又は2記載の遊技機において、前記遊技情報は、前記操作手段の操作態様、前記操作態様決定手段の決定結果、又は前記報知手段の報知内容であることを特徴とする遊技機。
- 請求項1乃至3のいずれか記載の遊技機において、前記有利な状況は、所定の役の入賞が成立する状況であることを特徴とする遊技機。
- 請求項1乃至4のいずれか記載の遊技機において、前記操作手段は、前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部であり、
前記操作態様は、前記停止操作部の操作順序又は操作タイミングであることを特徴とする遊技機。
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