JP2004087512A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基体上面の半導体素子の載置部の平坦度を良好とするとともに半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好とし、また基体と枠体とを強固に接着し、さらに基体と枠体とを接着するための樹脂接着剤やロウ材がリード端子に付着するのを防ぐことができるものとすること。
【解決手段】半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部1aを有するセラミックス製の基体1と、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着された樹脂製の枠体3と、枠体3の側部に一端部が側部を貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく枠体3の内面寸法よりも大きい。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部1aを有するセラミックス製の基体1と、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着された樹脂製の枠体3と、枠体3の側部に一端部が側部を貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく枠体3の内面寸法よりも大きい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の枠体を有する半導体素子収納用パッケージ、およびこの半導体素子収納用パッケージを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSI,IC,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)は、図5,図6に断面図で示すように、トランスファ成型法や射出成型法により成形されたエポキシ樹脂またはポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアプラスチック等の電気絶縁材料の樹脂で一体成形されて成る。即ち、半導体パッケージは、上面に形成された凹部22aの底面の略中央部に半導体素子21を載置するための載置部22bを有する基体22と、基体22の側壁部23に一端部が貫通しその残部が外側に突出するように設けられ、外部電気回路(図示せず)に電気的に接続される複数のリード端子24とを具備している。
【0003】
そして、基体22の載置部22b上に半導体素子21を接着剤やロウ材で載置固定するとともに半導体素子21の各電極をリード端子24にボンディングワイヤ等の電気的接続手段25を介して電気的に接続し、しかる後、側壁部23の上面に蓋体26を接着剤等の封止材を介して接合し、基体22と蓋体26とから成る容器内部に半導体素子21を収容することによって半導体装置が作製される。または、図6に示すように、基体22の凹部に樹脂27を充填することによって半導体装置が作製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体パッケージでは、樹脂を用いてトランスファ成型法や射出成型法でリード端子24を有する基体22を成形する際に、その硬化収縮および熱収縮により基体22の寸法精度を確保することが困難であり、半導体素子21を載置固定する載置部22bの平坦性を確保するのが難しく、そのため、半導体素子21を載置部22bに載置固定した際に半導体素子21に割れが発生したり、半導体素子21が傾くことにより電気的接続手段25を電極の所定位置に接続するのが困難になるといった問題が発生し、その結果、半導体素子21の作動性が劣化していた。
【0005】
また、半導体素子21の作動時に発生した熱は、熱伝導性の低い樹脂製の基体22では外部に効率良く放熱され難い。そのため、半導体素子21が温度上昇し誤動作を生じ易いという問題があった。さらに、半導体素子21の熱によって、半導体素子21のみならず基体22と金属製のリード端子24も温度上昇することになること、また半導体装置の曝される外気の温度変化により、構成材料の熱膨張差により半導体装置全体の変形が起こることから、半導体パッケージや半導体素子21に割れが発生し、その結果、半導体素子21の正常な作動を妨げるという問題があった。
【0006】
また、半導体素子21が、光通信に使用される、電気信号を光信号に変換するLDや光信号を電気信号に変換するPD等の光半導体素子であれば、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率の低下を招くという問題があった。
【0007】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、基体における半導体素子の載置部の平坦度を確保するとともに半導体素子の熱の放熱性を良好なものとすることにより、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体パッケージを得ることにある。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を良好とし、光半導体素子の作動性を良好とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、該枠体の側部に一端部が前記側部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備しており、前記基体の外形寸法は前記枠体の外面寸法よりも小さく前記枠体の内面寸法よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体を有していることから、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを提供し得る。
【0010】
また、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きいことから、基体と枠体とを接着する樹脂接着剤等が基体の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うように設けられるため、接着部の強度を大きくできるとともに接着部からの水分の侵入を抑制できる。
【0011】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは、前記基体が前記セラミックスに代えて金属から成る。
【0012】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、基体が金属から成ることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを提供し得る。
【0013】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは、前記複数のリード端子は、前記枠体の外側の部位が前記枠体近傍で下方に折り曲げられて前記側部に略平行に伸びるようにして設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、複数のリード端子が枠体の外側の部位が枠体近傍で下方に折り曲げられて側部に略平行に伸びるようにして設けられていることから、リード端子を含む全体が小型化されるとともに外部電気回路基板等に接続し易いものとなり、また樹脂接着剤が外側へはみ出すことが抑えられているため、リード端子が枠体に近接していながら樹脂接着剤が付着しにくいものとなる。
【0015】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記リード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0017】
また本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記リード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記半導体素子収納用パッケージの内部に充填された樹脂とを具備したことを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージともいう)および半導体装置を以下に詳細に説明する。本発明の半導体パッケージは、LSI,IC,LD,PD等の半導体素子を収納するためのものであるが、以下に半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合について説明する。
【0020】
図1(a)は本発明の半導体パッケージについて実施の形態の例を示す斜視図、図1(b)は(a)のx−y線における断面図、図1(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。図1において、1は上面に光半導体素子が載置される載置部1aを有する基体、2は光半導体素子と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続するリード端子、3は、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着され、さらには対向する一対の側部に複数のリード端子2が貫通して設けられ、他の側部に光ファイバ(図示せず)を導入するための貫通孔3aが形成された枠体である。また、4は基体1と枠体3とを接着するための樹脂接着剤であり、これら基体1、リード端子2、枠体3、樹脂接着剤4により光半導体パッケージが主に構成される。
【0021】
本発明の半導体パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部1aを有するセラミックスから成る基体1と、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着された樹脂から成る枠体3と、枠体3の側部に一端部が側部を貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく枠体3の内面寸法よりも大きい構成である。
【0022】
本発明の基体1は、アルミナ(Al2O3)質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体、ガラスセラミックス等の焼結体(セラミックス)から成り、その剛性、熱伝導性により、基体1の上面に取着される樹脂製の枠体3の硬化収縮や熱収縮による反り変形を防止し、光半導体素子の載置固定を非常に良好とし得るとともに、光半導体素子の熱の放散性を良好とし得る。
【0023】
枠体3は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)などのエンジニアリングプラスチック等から成り、トランスファ成型法や射出成型法により製作される。
【0024】
基体1と枠体3とは樹脂接着剤4やロウ材によって取着されるが、樹脂接着剤4としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等を主成分とした比較的強度および耐熱性の高い樹脂を用いるのがよい。例えば、エポキシ樹脂から成る接着剤であれば、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂、グリシジアルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂にアミン系硬化剤やイミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤等の硬化剤を添加した樹脂接着剤を用いる。
【0025】
そして、図2に基体1と枠体3との取着部の部分拡大断面図を示す。基体1は枠体3よりも内側になるように取着される。すなわち、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく内面寸法は大きくなるようにされている。これにより、樹脂接着剤4が基体1の上面の外周端のみならず側面の一部を覆うように取着され、取着部の強度を大きくできるとともに外部から取着部を通じて水分が侵入するのを抑制でき、さらには樹脂接着剤4が外側へはみ出してリード端子2に付着するといった問題を防止できる。また、基体1と枠体3とを低融点のロウ材で取着する場合、ロウ材が外側へはみ出してリード端子2との間に電気的な容量を発生させて高周波信号に伝送損失を発生させたり、リード端子2に接触して短絡させたりするのを防ぐことができる。
【0026】
基体1の外形寸法は、枠体3の外面寸法よりも0.05mm〜1.5mm小さいことが好ましい。0.05mm未満の場合、樹脂接着剤4が基体1の側面の一部を覆うことができなくなるか、または樹脂接着剤4の外側へのはみ出しによりリード端子2への付着等が起こるという問題が発生し易い。一方、1.5mmを超える場合、基体1と枠体3との接着面積が十分確保できなくなり取着部で十分な強度が得られず、また取着部からの水分の侵入を抑制できないという問題が発生し易い。
【0027】
また基体1の外形寸法は枠体3の内面寸法よりも大きいが、枠体3の内面寸法以下になると基体1の上面に枠体3を取着するのが困難になるか不可能になる。
【0028】
また、基体1の厚みは0.3mm〜2mm程度が好ましい。0.3mm未満の場合、基体1の強度、剛性が十分に得られず、半導体素子の作動時の熱によって半導体パッケージに変形が発生するのを防止することが困難になり、一方、2mmを超えると、半導体素子の熱を外部へ十分に放熱できなくなる。
【0029】
また、基体1の側面を覆う樹脂接着剤4の上下方向の幅は、基体1の側面の上端から0.02mm〜0.3mm程度あれば良く、0.02mm未満の場合、取着部で十分な強度が得られず、また取着部からの水分の侵入を抑制しにくくなる。一方、0.3mmを超える場合、基体1の下面へ樹脂接着剤4がまわり込んだり、樹脂接着剤4が外側へはみ出してリード端子2に付着するといった不具合が起こり易くなる。なお、樹脂接着剤4の代わりにロウ材を用いてもよい。
【0030】
本発明において、基体1の側面と上面との間が円弧状等の曲面や直線的なC面に面取り加工されているのがよく、樹脂接着剤4やロウ材が基体1の側面から外側へはみ出さずに側面に濡れ広がり易くなる。
【0031】
本発明において、基体1はセラミックスに代えて金属から成っていてもよい。その場合、基体1は、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、Cu−タングステン(W)合金、Fe−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金、Fe−Ni合金等の金属から成り、その剛性、熱伝導性により、基体1の上面に取着される樹脂製の枠体3の硬化収縮や熱収縮による基体1の反り変形が防止でき、光半導体素子の載置固定を非常に良好とし得るとともに、光半導体素子の熱の放散性を良好とし得る。また、基体1となる金属は熱伝導率が180W/m・K以上であることが好ましく、作動時に多量の熱を発生する高出力の光半導体素子を載置固定した場合でも、光半導体素子の熱を外部に効率よく放散させ、光半導体素子を正常に作動させることができる。熱伝導率が180W/m・K以上の金属としては、例えばCu(約390W/m・K)やCu−W(約200W/m・K)がある。
【0032】
基体1が金属から成る場合、その厚みは0.25〜3mm程度が好ましい。0.25mm未満の場合、基体1の強度、剛性が十分に得られず、半導体素子の熱によって半導体パッケージに変形が発生するのを防止することが困難になり、一方、3mmを超えると、半導体素子の熱を外部へ十分に放熱できなくなる。
【0033】
この場合、基体1の側面と上面との間が円弧状等の曲面や直線的なC面に面取り加工されているのがよく、樹脂接着剤4が基体1の側面から外側へはみ出さずに側面に濡れ広がり易くなる。また、基体1の側面の中央部や下端部に全周にわたって溝を設けたり鍔部を設けることもできる。この場合、樹脂接着剤4やロウ材が濡れ広がるのが基体1の側面の溝や鍔部で阻止されて、樹脂接着剤4やロウ材が基体1の側面の下端や基体1の下面に達して、外部電気回路基板上に光半導体装置を載置固定する際に光半導体装置が傾いたりすることを防止できる。また、基体1の側面に鍔部を設けた場合、基体1の剛性がより向上するという利点がある。
【0034】
対向する一対の側部に貫通して設けられた複数のリード端子2は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えば、Fe−Ni−Co合金等から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状、寸法に成形される。リード端子2の枠体3への取着は、枠体3をトランスファ成型法や射出成型法により形成する際に、予め金型内の所定位置にリード端子2をセットしておくことによって枠体3の所定位置に両端部を枠体3の内外に突出させた状態で一体的に取着することによって行なわれる。
【0035】
また、リード端子2はその露出する表面に良導電性で耐蝕性に優れたNiや金(Au)等の金属をめっき法により所定厚み(0.05〜20μm)に被着させておくのがよく、リード端子2の酸化腐蝕を有効に防止できるとともに、リード端子2とボンディングワイヤ等の電気的接続手段による光半導体素子との電気的な接続、およびリード端子2と外部電気回路との電気的な接続を信頼性の高いものとなすことができる。
【0036】
このリード端子2は、枠体3の枠体3の外側の部位が枠体3近傍で下方に折り曲げられて枠体3の側部に略平行に伸びるようにして設けられていることが好ましい。この場合、リード端子2を含む全体が小型化されるとともに外部電気回路基板等に接続し易いものとなり、また樹脂接着剤4が外側へはみ出すことが抑えられているため、リード端子2が枠体3に近接していながら樹脂接着剤4が付着しにくいものとなる。なお、リード端子2が折り曲げられる部位は、枠体3の外面から1mm程度の部位である。また、基体1と枠体3とをロウ材で取着した場合、ロウ材が外側にはみ出しリード端子2に近接して不要な電気的な容量を発生させるのを防ぐこともできる。
【0037】
また、図3は本発明の半導体装置としての光半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。この光半導体装置は、LD5等の光半導体素子と、光半導体素子に光学的に結合するように設けた光ファイバ6と、光ファイバ6を固定する押さえ板7と、LD5や光ファイバ6を搭載し実装する搭載用基板8と、枠体3の上面に接合され、樹脂,Fe−Ni−Co合金等の金属,アルミナセラミックス等のセラミックス等から成る蓋体9とから主に構成される。
【0038】
また蓋体9について、枠体3の上面に基体1と同材質かつ略同形状の蓋体9が接合されるのがよい。これにより、光半導体素子の作動時の温度変化あるいは外気の温度変化により、基体1と枠体3と蓋体9との線膨張係数差より起こる反りや変形をより有効に防止することができる。
【0039】
図4は、本発明の光半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。この光半導体装置は、枠体3上面に蓋体9を接合するのではなく、エポキシ樹脂などのペースト状の樹脂10を光半導体素子を覆うようにして設けたり、樹脂10を光半導体パッケージ内部に充填して成るものである。
【0040】
図3,図4の光半導体装置のいずれにおいても、本発明の半導体パッケージを用いることにより、光半導体素子の作動性が非常に優れたものとなり、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0041】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、基体の上面の外周部に載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、枠体の側部に一端部が側部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備し、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きいことにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。
【0042】
また、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きいことから、基体と枠体とを接着する樹脂接着剤等が基体の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うように設けられるため、接着部の強度を大きくできるとともに接着部からの水分の侵入を抑制できる。
【0043】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは基体がセラミックスに代えて金属から成ることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを提供し得る。
【0044】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは複数のリード端子は、枠体の外側の部位が枠体近傍で下方に折り曲げられて側部に略平行に伸びるようにして設けられていることにより、リード端子を含む全体が小型化されるとともに外部電気回路基板等に接続し易いものとなり、また樹脂接着剤が外側へはみ出すことが抑えられているため、リード端子が枠体に近接していながら樹脂接着剤が付着しにくいものとなる。
【0045】
また、基体と枠体とを接着する樹脂接着剤等が基体の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うように設けられるため、接着部の強度を大きくできるとともに接着部からの水分の侵入を抑制でき、さらには樹脂接着剤が外側へはみ出してリード端子に付着するといった不具合の発生を防止できる。
【0046】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともにリード端子に電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0047】
また本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともにリード端子に電気的に接続された半導体素子と、半導体素子収納用パッケージの内部に充填された樹脂とを具備したことにより、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す斜視図、(b)は(a)のx−y線における断面図、(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。
【図2】基体1と枠体3との取着部の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。
【図4】本発明の半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】従来の半導体装置の一例を示す断面図である。
【図6】従来の半導体装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:リード端子
3:枠体
4:樹脂接着剤
9:蓋体
10:樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の枠体を有する半導体素子収納用パッケージ、およびこの半導体素子収納用パッケージを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSI,IC,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)は、図5,図6に断面図で示すように、トランスファ成型法や射出成型法により成形されたエポキシ樹脂またはポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアプラスチック等の電気絶縁材料の樹脂で一体成形されて成る。即ち、半導体パッケージは、上面に形成された凹部22aの底面の略中央部に半導体素子21を載置するための載置部22bを有する基体22と、基体22の側壁部23に一端部が貫通しその残部が外側に突出するように設けられ、外部電気回路(図示せず)に電気的に接続される複数のリード端子24とを具備している。
【0003】
そして、基体22の載置部22b上に半導体素子21を接着剤やロウ材で載置固定するとともに半導体素子21の各電極をリード端子24にボンディングワイヤ等の電気的接続手段25を介して電気的に接続し、しかる後、側壁部23の上面に蓋体26を接着剤等の封止材を介して接合し、基体22と蓋体26とから成る容器内部に半導体素子21を収容することによって半導体装置が作製される。または、図6に示すように、基体22の凹部に樹脂27を充填することによって半導体装置が作製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体パッケージでは、樹脂を用いてトランスファ成型法や射出成型法でリード端子24を有する基体22を成形する際に、その硬化収縮および熱収縮により基体22の寸法精度を確保することが困難であり、半導体素子21を載置固定する載置部22bの平坦性を確保するのが難しく、そのため、半導体素子21を載置部22bに載置固定した際に半導体素子21に割れが発生したり、半導体素子21が傾くことにより電気的接続手段25を電極の所定位置に接続するのが困難になるといった問題が発生し、その結果、半導体素子21の作動性が劣化していた。
【0005】
また、半導体素子21の作動時に発生した熱は、熱伝導性の低い樹脂製の基体22では外部に効率良く放熱され難い。そのため、半導体素子21が温度上昇し誤動作を生じ易いという問題があった。さらに、半導体素子21の熱によって、半導体素子21のみならず基体22と金属製のリード端子24も温度上昇することになること、また半導体装置の曝される外気の温度変化により、構成材料の熱膨張差により半導体装置全体の変形が起こることから、半導体パッケージや半導体素子21に割れが発生し、その結果、半導体素子21の正常な作動を妨げるという問題があった。
【0006】
また、半導体素子21が、光通信に使用される、電気信号を光信号に変換するLDや光信号を電気信号に変換するPD等の光半導体素子であれば、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率の低下を招くという問題があった。
【0007】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、基体における半導体素子の載置部の平坦度を確保するとともに半導体素子の熱の放熱性を良好なものとすることにより、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体パッケージを得ることにある。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を良好とし、光半導体素子の作動性を良好とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、該枠体の側部に一端部が前記側部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備しており、前記基体の外形寸法は前記枠体の外面寸法よりも小さく前記枠体の内面寸法よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体を有していることから、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを提供し得る。
【0010】
また、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きいことから、基体と枠体とを接着する樹脂接着剤等が基体の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うように設けられるため、接着部の強度を大きくできるとともに接着部からの水分の侵入を抑制できる。
【0011】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは、前記基体が前記セラミックスに代えて金属から成る。
【0012】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、基体が金属から成ることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを提供し得る。
【0013】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは、前記複数のリード端子は、前記枠体の外側の部位が前記枠体近傍で下方に折り曲げられて前記側部に略平行に伸びるようにして設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、複数のリード端子が枠体の外側の部位が枠体近傍で下方に折り曲げられて側部に略平行に伸びるようにして設けられていることから、リード端子を含む全体が小型化されるとともに外部電気回路基板等に接続し易いものとなり、また樹脂接着剤が外側へはみ出すことが抑えられているため、リード端子が枠体に近接していながら樹脂接着剤が付着しにくいものとなる。
【0015】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記リード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0017】
また本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記リード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記半導体素子収納用パッケージの内部に充填された樹脂とを具備したことを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージともいう)および半導体装置を以下に詳細に説明する。本発明の半導体パッケージは、LSI,IC,LD,PD等の半導体素子を収納するためのものであるが、以下に半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合について説明する。
【0020】
図1(a)は本発明の半導体パッケージについて実施の形態の例を示す斜視図、図1(b)は(a)のx−y線における断面図、図1(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。図1において、1は上面に光半導体素子が載置される載置部1aを有する基体、2は光半導体素子と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続するリード端子、3は、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着され、さらには対向する一対の側部に複数のリード端子2が貫通して設けられ、他の側部に光ファイバ(図示せず)を導入するための貫通孔3aが形成された枠体である。また、4は基体1と枠体3とを接着するための樹脂接着剤であり、これら基体1、リード端子2、枠体3、樹脂接着剤4により光半導体パッケージが主に構成される。
【0021】
本発明の半導体パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部1aを有するセラミックスから成る基体1と、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着された樹脂から成る枠体3と、枠体3の側部に一端部が側部を貫通して設けられた複数のリード端子2とを具備し、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく枠体3の内面寸法よりも大きい構成である。
【0022】
本発明の基体1は、アルミナ(Al2O3)質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体、ガラスセラミックス等の焼結体(セラミックス)から成り、その剛性、熱伝導性により、基体1の上面に取着される樹脂製の枠体3の硬化収縮や熱収縮による反り変形を防止し、光半導体素子の載置固定を非常に良好とし得るとともに、光半導体素子の熱の放散性を良好とし得る。
【0023】
枠体3は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェニレンサルファイト(PPS)や液晶ポリマー(LCP)などのエンジニアリングプラスチック等から成り、トランスファ成型法や射出成型法により製作される。
【0024】
基体1と枠体3とは樹脂接着剤4やロウ材によって取着されるが、樹脂接着剤4としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等を主成分とした比較的強度および耐熱性の高い樹脂を用いるのがよい。例えば、エポキシ樹脂から成る接着剤であれば、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂、グリシジアルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂にアミン系硬化剤やイミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤等の硬化剤を添加した樹脂接着剤を用いる。
【0025】
そして、図2に基体1と枠体3との取着部の部分拡大断面図を示す。基体1は枠体3よりも内側になるように取着される。すなわち、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく内面寸法は大きくなるようにされている。これにより、樹脂接着剤4が基体1の上面の外周端のみならず側面の一部を覆うように取着され、取着部の強度を大きくできるとともに外部から取着部を通じて水分が侵入するのを抑制でき、さらには樹脂接着剤4が外側へはみ出してリード端子2に付着するといった問題を防止できる。また、基体1と枠体3とを低融点のロウ材で取着する場合、ロウ材が外側へはみ出してリード端子2との間に電気的な容量を発生させて高周波信号に伝送損失を発生させたり、リード端子2に接触して短絡させたりするのを防ぐことができる。
【0026】
基体1の外形寸法は、枠体3の外面寸法よりも0.05mm〜1.5mm小さいことが好ましい。0.05mm未満の場合、樹脂接着剤4が基体1の側面の一部を覆うことができなくなるか、または樹脂接着剤4の外側へのはみ出しによりリード端子2への付着等が起こるという問題が発生し易い。一方、1.5mmを超える場合、基体1と枠体3との接着面積が十分確保できなくなり取着部で十分な強度が得られず、また取着部からの水分の侵入を抑制できないという問題が発生し易い。
【0027】
また基体1の外形寸法は枠体3の内面寸法よりも大きいが、枠体3の内面寸法以下になると基体1の上面に枠体3を取着するのが困難になるか不可能になる。
【0028】
また、基体1の厚みは0.3mm〜2mm程度が好ましい。0.3mm未満の場合、基体1の強度、剛性が十分に得られず、半導体素子の作動時の熱によって半導体パッケージに変形が発生するのを防止することが困難になり、一方、2mmを超えると、半導体素子の熱を外部へ十分に放熱できなくなる。
【0029】
また、基体1の側面を覆う樹脂接着剤4の上下方向の幅は、基体1の側面の上端から0.02mm〜0.3mm程度あれば良く、0.02mm未満の場合、取着部で十分な強度が得られず、また取着部からの水分の侵入を抑制しにくくなる。一方、0.3mmを超える場合、基体1の下面へ樹脂接着剤4がまわり込んだり、樹脂接着剤4が外側へはみ出してリード端子2に付着するといった不具合が起こり易くなる。なお、樹脂接着剤4の代わりにロウ材を用いてもよい。
【0030】
本発明において、基体1の側面と上面との間が円弧状等の曲面や直線的なC面に面取り加工されているのがよく、樹脂接着剤4やロウ材が基体1の側面から外側へはみ出さずに側面に濡れ広がり易くなる。
【0031】
本発明において、基体1はセラミックスに代えて金属から成っていてもよい。その場合、基体1は、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、Cu−タングステン(W)合金、Fe−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金、Fe−Ni合金等の金属から成り、その剛性、熱伝導性により、基体1の上面に取着される樹脂製の枠体3の硬化収縮や熱収縮による基体1の反り変形が防止でき、光半導体素子の載置固定を非常に良好とし得るとともに、光半導体素子の熱の放散性を良好とし得る。また、基体1となる金属は熱伝導率が180W/m・K以上であることが好ましく、作動時に多量の熱を発生する高出力の光半導体素子を載置固定した場合でも、光半導体素子の熱を外部に効率よく放散させ、光半導体素子を正常に作動させることができる。熱伝導率が180W/m・K以上の金属としては、例えばCu(約390W/m・K)やCu−W(約200W/m・K)がある。
【0032】
基体1が金属から成る場合、その厚みは0.25〜3mm程度が好ましい。0.25mm未満の場合、基体1の強度、剛性が十分に得られず、半導体素子の熱によって半導体パッケージに変形が発生するのを防止することが困難になり、一方、3mmを超えると、半導体素子の熱を外部へ十分に放熱できなくなる。
【0033】
この場合、基体1の側面と上面との間が円弧状等の曲面や直線的なC面に面取り加工されているのがよく、樹脂接着剤4が基体1の側面から外側へはみ出さずに側面に濡れ広がり易くなる。また、基体1の側面の中央部や下端部に全周にわたって溝を設けたり鍔部を設けることもできる。この場合、樹脂接着剤4やロウ材が濡れ広がるのが基体1の側面の溝や鍔部で阻止されて、樹脂接着剤4やロウ材が基体1の側面の下端や基体1の下面に達して、外部電気回路基板上に光半導体装置を載置固定する際に光半導体装置が傾いたりすることを防止できる。また、基体1の側面に鍔部を設けた場合、基体1の剛性がより向上するという利点がある。
【0034】
対向する一対の側部に貫通して設けられた複数のリード端子2は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えば、Fe−Ni−Co合金等から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状、寸法に成形される。リード端子2の枠体3への取着は、枠体3をトランスファ成型法や射出成型法により形成する際に、予め金型内の所定位置にリード端子2をセットしておくことによって枠体3の所定位置に両端部を枠体3の内外に突出させた状態で一体的に取着することによって行なわれる。
【0035】
また、リード端子2はその露出する表面に良導電性で耐蝕性に優れたNiや金(Au)等の金属をめっき法により所定厚み(0.05〜20μm)に被着させておくのがよく、リード端子2の酸化腐蝕を有効に防止できるとともに、リード端子2とボンディングワイヤ等の電気的接続手段による光半導体素子との電気的な接続、およびリード端子2と外部電気回路との電気的な接続を信頼性の高いものとなすことができる。
【0036】
このリード端子2は、枠体3の枠体3の外側の部位が枠体3近傍で下方に折り曲げられて枠体3の側部に略平行に伸びるようにして設けられていることが好ましい。この場合、リード端子2を含む全体が小型化されるとともに外部電気回路基板等に接続し易いものとなり、また樹脂接着剤4が外側へはみ出すことが抑えられているため、リード端子2が枠体3に近接していながら樹脂接着剤4が付着しにくいものとなる。なお、リード端子2が折り曲げられる部位は、枠体3の外面から1mm程度の部位である。また、基体1と枠体3とをロウ材で取着した場合、ロウ材が外側にはみ出しリード端子2に近接して不要な電気的な容量を発生させるのを防ぐこともできる。
【0037】
また、図3は本発明の半導体装置としての光半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。この光半導体装置は、LD5等の光半導体素子と、光半導体素子に光学的に結合するように設けた光ファイバ6と、光ファイバ6を固定する押さえ板7と、LD5や光ファイバ6を搭載し実装する搭載用基板8と、枠体3の上面に接合され、樹脂,Fe−Ni−Co合金等の金属,アルミナセラミックス等のセラミックス等から成る蓋体9とから主に構成される。
【0038】
また蓋体9について、枠体3の上面に基体1と同材質かつ略同形状の蓋体9が接合されるのがよい。これにより、光半導体素子の作動時の温度変化あるいは外気の温度変化により、基体1と枠体3と蓋体9との線膨張係数差より起こる反りや変形をより有効に防止することができる。
【0039】
図4は、本発明の光半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。この光半導体装置は、枠体3上面に蓋体9を接合するのではなく、エポキシ樹脂などのペースト状の樹脂10を光半導体素子を覆うようにして設けたり、樹脂10を光半導体パッケージ内部に充填して成るものである。
【0040】
図3,図4の光半導体装置のいずれにおいても、本発明の半導体パッケージを用いることにより、光半導体素子の作動性が非常に優れたものとなり、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0041】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、基体の上面の外周部に載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、枠体の側部に一端部が側部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備し、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きいことにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。
【0042】
また、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きいことから、基体と枠体とを接着する樹脂接着剤等が基体の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うように設けられるため、接着部の強度を大きくできるとともに接着部からの水分の侵入を抑制できる。
【0043】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは基体がセラミックスに代えて金属から成ることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに、半導体素子の作動時の発熱に対する放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率が非常に良好になり、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを提供し得る。
【0044】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは複数のリード端子は、枠体の外側の部位が枠体近傍で下方に折り曲げられて側部に略平行に伸びるようにして設けられていることにより、リード端子を含む全体が小型化されるとともに外部電気回路基板等に接続し易いものとなり、また樹脂接着剤が外側へはみ出すことが抑えられているため、リード端子が枠体に近接していながら樹脂接着剤が付着しにくいものとなる。
【0045】
また、基体と枠体とを接着する樹脂接着剤等が基体の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うように設けられるため、接着部の強度を大きくできるとともに接着部からの水分の侵入を抑制でき、さらには樹脂接着剤が外側へはみ出してリード端子に付着するといった不具合の発生を防止できる。
【0046】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともにリード端子に電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0047】
また本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるとともにリード端子に電気的に接続された半導体素子と、半導体素子収納用パッケージの内部に充填された樹脂とを具備したことにより、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す斜視図、(b)は(a)のx−y線における断面図、(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。
【図2】基体1と枠体3との取着部の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。
【図4】本発明の半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】従来の半導体装置の一例を示す断面図である。
【図6】従来の半導体装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:リード端子
3:枠体
4:樹脂接着剤
9:蓋体
10:樹脂
Claims (5)
- 上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、該枠体の側部に一端部が前記側部を貫通して設けられた複数のリード端子とを具備しており、前記基体の外形寸法は前記枠体の外面寸法よりも小さく前記枠体の内面寸法よりも大きいことを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 前記基体が前記セラミックスに代えて金属から成る請求項1記載の半導体素子収納用パッケージ。
- 前記複数のリード端子は、前記枠体の外側の部位が前記枠体近傍で下方に折り曲げられて前記側部に略平行に伸びるようにして設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記リード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記リード端子に電気的に接続された半導体素子と、前記半導体素子収納用パッケージの内部に充填された樹脂とを具備したことを特徴とする半導体装置。
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JP2002213096A JP2004087512A (ja) | 2002-06-25 | 2002-07-22 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014064152A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Kyocera Crystal Device Corp | 水晶デバイス |
JP2015070449A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 京セラクリスタルデバイス株式会社 | 水晶デバイス |
JP2015084377A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | キヤノン株式会社 | 電子部品、電子機器および電子部品の製造方法。 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002213096A patent/JP2004087512A/ja active Pending
Cited By (3)
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