JP2004086940A - 記録条件補正方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定のタイミングで光源近傍の温度情報が検出され(ステップ517)、その検出された温度情報と予め得られている光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、光源から出射される光ビームの波長に関する情報が取得される(ステップ519)。また、情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報が取得され(ステップ523、529)、取得された波長に関する情報と取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件が補正される(ステップ525)。これにより、情報を記録する際の光源温度が、前回記録条件を設定したときの光源温度と異なっていても、試し書き領域を消費せずに精度良く記録条件を補正することができる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録条件補正方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置に係り、更に詳しくは、情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する記録条件補正方法、情報記録装置で用いられるプログラム及び該プログラムが記録された記録媒体、並びに情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータは、その機能が向上するに伴い、音楽や映像といったAV(Audio−Visual)情報を取り扱うことが可能となってきた。これらAV情報の情報量は非常に大きいために、情報記録媒体としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、情報記録装置としての光ディスク装置がパーソナルコンピュータの周辺機器の一つとして普及するようになった。光ディスク装置では、光ディスクのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光(レーザビーム)の微小スポットを照射することにより情報の記録及び消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置には、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するために、光ピックアップ装置が設けられている。
【0003】
通常、光ピックアップ装置は、レーザ光を所定の発光パワー(出力)で出射する光源、その光源から出射されるレーザ光を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面で反射されたレーザ光を所定の受光位置まで導く光学系、及びその受光位置に配置された受光素子などを備えている。
【0004】
光ディスクでは、互いに反射率の異なるマーク(ピット)領域及びスペース領域のそれぞれの長さとそれらの組み合わせとによって情報が記録される。そこで、光ディスクに情報を記録する際には所定の位置に所定の長さのマーク領域及びスペース領域がそれぞれ形成されるように光源の発光パワーが制御される。
【0005】
例えば、記録層に有機色素を含むCD−R(CD−recordable)、DVD−R(DVD−recordable)、及びDVD+R(DVD+recordable)などの追記型の光ディスク(以下、便宜上「色素型ディスク」という)では、マーク領域を形成するときには発光パワーを大きくして色素を加熱及び溶解し、そこに接している基板部分を変質・変形させている。一方、スペース領域を形成するときには基板が変質・変形しないように発光パワーを再生時と同程度に小さくしている。これにより、マーク領域ではスペース領域よりも反射率が低くなる。
【0006】
一般的に色素型ディスクでは、レーザ光の波長変化に対する記録感度の変化が比較的大きい。従って、レーザ光の波長が変化すると、マーク領域を形成するときの最適な発光パワー(以下「記録パワー」ともいう)も変化する。また、光ピックアップ装置では、光源の温度が変化すると光源から出射されるレーザ光の波長も変化する。すなわち、光源の温度が変化すると最適な記録パワーは変化することとなる。
【0007】
そこで、例えば特開2001−297437号公報(以下「公知例」という)には、光ピックアップ装置の近傍に温度センサを配置した光記録装置が開示されている。この光記録装置では、記録を行う際に光ピックアップ装置近傍の温度を温度センサで検出し、温度変化が所定の値以上になると、光源から出射されるレーザ光のパルス形状(以下「記録ストラテジ」ともいう)を変更したり、あるいは最適な記録パワーを求めるために試し書き(OPC:Optimum Power Control)を実行している。
【0008】
また、追記型の光ディスクには、その光ディスクに最適な記録パワーを検出するための試し書き領域が設けられている。この領域はパワーキャリブレーションエリア(PCA:Power Calibration Area)と呼ばれている。例えばCD−Rでは、PCAは100個のパーティションに分割されたテストエリアを有している。そして、テストエリアの各パーティションは15個のフレームで構成されている。通常、OPCでは1つのパーティションを用いて、一定の線速度でフレーム毎に記録パワーを段階的に変化させて所定のデータを試し書きし、その中で最も高い記録品質を示した記録パワーを最適な記録パワーとして選択する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
光ピックアップ装置近傍の温度と最適な記録ストラテジとの関係は一義的に決定されるものではなく、光源の特性、情報記録媒体の記録感度、及び記録速度などの影響を大きく受ける。しかしながら、上述した公知例に開示されている光記録装置では、温度変化が所定の値以上になると、温度のみを考慮して記録ストラテジを変更しているため、必ずしも最適な記録ストラテジとはならず、記録品質の低下を招くおそれがあった。
【0010】
また、上述した公知例に開示されている光記録装置では、温度変化が所定の値以上となる度にOPCを実行しているため、試し書き領域が不足するという不都合があった。
【0011】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることができる記録条件補正方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることができるプログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第3の目的は、記録品質に優れた記録を安定して行うことができる情報記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光源から出射された光ビームを用いて情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する記録条件補正方法であって、所定のタイミングで前記光源近傍の温度情報を検出する第1工程と;前記検出された温度情報と予め得られている前記光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、前記光源から出射される光ビームの波長に関する情報を取得する第2工程と;前記情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報を取得する第3工程と;前記第2工程で取得された波長に関する情報と、前記第3工程で取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、前記記録条件を補正する第4工程と;を含む記録条件補正方法である。
【0015】
本明細書において、「温度情報」とは、温度そのものの他、温度の変化量、温度の変化に応じて変化する情報、及び温度に換算することができる情報の全てを含む。また、「波長に関する情報」とは、波長そのものの他、波長の変化量、波長の変化に応じて変化する情報、及び波長に換算することができる情報の全てを含む。
【0016】
これによれば、所定のタイミングで光源近傍の温度情報が検出され(第1工程)、その検出された温度情報と予め得られている光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、光源から出射される光ビームの波長に関する情報が取得される(第2工程)。また、情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報が取得され(第3工程)、第2工程で取得された波長に関する情報と、第3工程で取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件が補正される(第4工程)。従って、例えば情報記録媒体に情報を記録する際の光源の温度が、前回記録条件を設定したときの光源の温度と異なっていても、試し書き領域を消費することなく、最適な記録条件を補正することができる。また、情報を記録する際に試し書きを行う必要がないため、記録処理に要する時間を短縮することができる。さらに、情報記録媒体に情報を記録する直前の光源の温度情報を検出しているために、光源の温度変化による最適な記録条件の変化を精度良く求めることができ、精度の高い記録条件の補正を行うことができる。その結果として、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることが可能となる。
【0017】
この場合において、請求項2に記載の記録条件補正方法の如く、前記記録条件は、前記光源の記録パワーを含むこととすることができる。
【0018】
上記請求項1及び2に記載の各記録条件補正方法において、請求項3に記載の記録条件補正方法の如く、前記情報記録媒体の所定位置に試し書きを行い、最適な記録パワーを取得する第5工程を更に含み、前記第4工程では、前記第5工程で取得された前記最適な記録パワーに基づいて前記記録条件を補正することとすることができる。
【0019】
上記請求項1〜3に記載の各記録条件補正方法において、請求項4に記載の記録条件補正方法の如く、前記第3工程に先だって、前記情報記録媒体に予め記録されている記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する第6工程を更に含み、前記第3工程では、前記第6工程にて取得された情報に基づいて、前記記録条件の波長依存性情報を取得することとすることができる。かかる場合には、情報記録媒体毎に記録条件の波長依存性情報を直接取得することができ、情報記録媒体毎の特性に応じた補正を行うことが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、光源から出射された光ビームを用いて情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置で用いられるプログラムであって、所定のタイミングで前記光源近傍の温度情報を検出する第1の手順と;前記検出された温度情報と予め得られている前記光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、前記光源から出射される光ビームの波長に関する情報を取得する第2の手順と;前記情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報を取得する第3の手順と;前記第2の手順で取得された波長に関する情報と、前記第3の手順で取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、前記情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する第4の手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0021】
これによれば、所定のタイミングで光源近傍の温度情報が検出され、その温度情報と予め得られている光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、光源から出射される光ビームの波長に関する情報が求められる。また、情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報が取得され、光ビームの波長に関する情報と記録条件の波長依存性情報とに基づいて情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件が補正される。従って、例えば情報記録媒体に情報を記録する際の光源の温度が、前回記録条件を設定したときの光源の温度と異なっていても、試し書き領域を消費することなく、最適な記録条件を補正することができる。また、情報を記録する際に試し書きを行う必要がないため、記録処理に要する時間を短縮することができる。さらに、情報記録媒体に情報を記録する直前の光源の温度情報を検出しているために、光源の温度変化による最適な記録条件の変化を精度良く求めることができ、精度良く記録条件を補正することができる。その結果として、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることが可能となる。
【0022】
この場合において、請求項6に記載のプログラムの如く、前記記録条件は、前記光源の記録パワーを含むこととすることができる。
【0023】
上記請求項5及び6に記載の各プログラムにおいて、請求項7に記載のプログラムの如く、前記補正された記録条件に基づいて、前記情報記録媒体に情報の記録を行う第5の手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることとすることができる。かかる場合には、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0024】
上記請求項5〜7に記載の各プログラムにおいて、請求項8に記載のプログラムの如く、前記情報記録媒体の所定位置に試し書きを行い、最適な記録パワーを取得する第6の手順を前記制御用コンピュータに更に実行させ、前記第4の手順として、前記試し書きによって取得された前記最適な記録パワーに基づいて前記記録条件を補正する手順を前記制御用コンピュータに実行させることとすることができる。
【0025】
上記請求項5〜8に記載の各プログラムにおいて、請求項9に記載のプログラムの如く、前記第3の手順に先だって、前記情報記録媒体に予め記録されている記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する第7の手順を前記制御用コンピュータに更に実行させ、前記第3の手順として、前記第7の手段にて取得された情報に基づいて、前記記録条件の波長依存性情報を取得する手順を前記制御用コンピュータに実行させることとすることができる。かかる場合には、情報記録媒体毎に記録条件の波長依存性情報を直接取得することができ、情報記録媒体毎の特性に応じた補正を行うことが可能となる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項5〜9のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0027】
これによれば、請求項5〜9のいずれか一項に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることが可能となる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、光源から出射された光ビームを用いて情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、前記光源近傍の温度情報を検出する温度検出手段と;前記光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報が格納された第1の記憶手段と;前記情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報を取得する波長情報取得手段と;前記温度検出手段で検出された温度情報と前記第1の記憶手段に格納されている前記波長の温度特性情報とに基づいて、前記光源から出射される光ビームの波長に関する情報を求める波長取得手段と;前記波長に関する情報と前記波長情報取得手段で取得された前記記録条件の波長依存性情報とに基づいて、前記情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する補正手段と;前記補正された記録条件に基づいて、前記情報記録媒体に情報の記録を行う記録手段と;を備える情報記録装置である。
【0029】
これによれば、温度検出手段により、光源近傍の温度情報が検出され、波長情報取得手段により、情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報が取得される。そして、波長取得手段により、温度検出手段で検知された温度情報と第1の記憶手段に格納されている波長の温度特性情報とに基づいて、光源から出射される光ビームの波長に関する情報が求められる。続いて補正手段により、波長取得手段で取得された光ビームの波長に関する情報と波長情報取得手段で取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件が補正される。そして、記録手段により、補正手段にて補正された記録条件に基づいて情報記録媒体に情報の記録が行われる。従って、例えば情報記録媒体に情報を記録する際の光源の温度が、前回記録条件を設定したときの光源の温度と異なっていても、試し書き領域を消費することなく、最適な記録条件を補正することができる。また、情報を記録する際に試し書きを行う必要がないため、記録処理に要する時間を短縮することができる。さらに、情報記録媒体に情報を記録する直前の光源の温度情報を検出しているために、光源の温度変化による最適な記録条件の変化を精度良く求めることができ、精度良く記録条件を補正することができる。その結果として、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0030】
この場合において、請求項12に記載の情報記録装置の如く、前記情報記録媒体の所定位置に試し書きを行い、最適な記録パワーを取得する試し書き手段を更に備え、前記補正手段では、前記試し書き手段で取得された前記最適な記録パワーに基づいて補正することとすることができる。かかる場合には、記録条件の補正を精度良く行うことができる。
【0031】
上記請求項11及び12に記載の各情報記録装置において、請求項13に記載の情報記録装置の如く、前記第1の記憶手段には、装置毎に製造工程で前記波長の温度特性を測定した測定結果に応じた情報が格納されていることとすることができる。かかる場合には、例えば光源の製造工程における誤差等に起因する特性のバラツキを吸収し、波長の計算精度が向上するために、正確に記録条件を補正することができる。その結果、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0032】
上記請求項11〜13に記載の各情報記録装置において、請求項14に記載の情報記録装置の如く、前記情報記録媒体に予め記録されている記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する記録情報取得手段を更に備え、前記波長情報取得手段は、前記記録情報取得手段にて取得された前記関係に関する情報に基づいて、前記記録条件の波長依存性情報を取得することとすることができる。かかる場合には、情報記録媒体毎に記録条件の波長依存性情報を直接取得することができ、情報記録媒体毎の特性に応じた補正を行うことが可能となる。その結果、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0033】
上記請求項11〜13に記載の各情報記録装置において、請求項15に記載の情報記録装置の如く、前記波長情報取得手段は、前記情報記録媒体の種類を取得する種類取得手段と、情報記録媒体の種類毎に記録条件の波長依存性情報が格納されている第2の記憶手段とを備え、前記種類取得手段にて取得された情報記録媒体の種類に応じた記録条件の波長依存性情報を前記第2の記憶手段から取得することとすることができる。かかる場合には、情報記録媒体に記録条件の波長依存性情報が記録されていない場合であっても、情報記録媒体毎の特性に応じた補正を行うことができる。その結果、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0035】
図1には、本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置の概略構成が示されている。
【0036】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40、RAM41、フラッシュメモリ43(第1の記憶手段、第2の記憶手段)及び温度検出手段としての温度センサ42などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
【0037】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23は、一例として図2に示されるように、光源ユニット51、コリメートレンズ52、ビームスプリッタ54、対物レンズ60、検出レンズ58、受光器59、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))などを備えている。
【0038】
前記光源ユニット51は、所定の波長の光ビームを発光する光源としての半導体レーザ(図示省略)を含んで構成されている。光源ユニット51から出射される光ビームの光量は不図示のモニタで検出され、出射光量信号としてレーザコントロール回路24にフィードバックされている。なお、本実施形態では、光源ユニット51から出射される光ビームの最大強度出射方向を+X方向とする。この光源ユニット51の+X側には、前記コリメートレンズ52が配置され、光源ユニット51から出射された光ビームを略平行光とする。
【0039】
コリメートレンズ52の+X側には、光ディスク15からの戻り光を−Z方向に分岐するための前記ビームスプリッタ54が配置されている。このビームスプリッタ54の+X側には、ビームスプリッタ54を透過した光ビームを集光し、光ディスク15の記録面に光スポットを形成する前記対物レンズ60が配置されている。
【0040】
また、ビームスプリッタ54の−Z側には、ビームスプリッタ54で分岐された戻り光を集光する前記検出レンズ58が配置されている。この検出レンズ58の−Z側には、前記受光器59が配置されている。受光器59としては、通常の光ディスク装置と同様に、4分割受光素子が用いられている。この受光器59は、光ディスク15の記録面からの反射光を受光し、通常の光ピックアップ装置と同様に、ウォブル信号情報、再生データ情報、フォーカスエラー情報及びトラックエラー情報などを含む信号を出力する。
【0041】
上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を簡単に説明すると、光源ユニット51から出射された光ビームは、コリメートレンズ52で略平行光とされた後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54を透過した光ビームは、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。光ディスク15の記録面にて反射した反射光は、戻り光として対物レンズ60で略平行光とされ、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54で−Z方向に分岐された戻り光は、検出レンズ58を介して受光器59で受光される。受光器59からは、受光量に応じた信号が再生信号処理回路28に出力される。
【0042】
図1に戻り、前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置の受光器59からの出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28はウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28はRF信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0043】
前記サーボコントローラ33は、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。また、サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいて、光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
【0044】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータ及びフォーカシングアクチュエータを制御する。すなわち、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、記録処理や再生処理などで光ディスク15をアクセスしているときには、トラッキング制御及びフォーカス制御は随時行われる。また、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいてスピンドルモータ22及び光ピックアップ装置23のシークモータを制御する。
【0045】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の値になるとCPU40に通知する。
【0046】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラー訂正コードの付加等を行なうとともに、光ディスク15への書き込み信号を生成する。そして、エンコーダ25は、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0047】
前記レーザコントロール回路24は、図3に示されるように、LDドライバ24a、パルス設定回路24b及びパワー設定回路24cなどから構成されている。パルス設定回路24bでは、CPU40からの指示に基づいて、エンコーダ25からの書き込み信号に対して立ち上がりエッジを調整してパルス幅を変更する。また、パワー設定回路24cは、CPU40からの指示に基づいて記録パワーを設定する。LDドライバ24aは、パルス設定回路24bにてパルス調整された書き込み信号及びパワー設定回路24cにて設定された記録パワーに基づいて、光ピックアップ装置23の半導体レーザの出力を制御する。また、LDドライバ24aは、半導体レーザが発光中に光ピックアップ装置23の不図示のモニタからの出射光量信号に基づいて、半導体レーザの出力をフィードバック制御する。
【0048】
図1に戻り、前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
【0049】
前記温度センサ42は、光源ユニット51の近傍に配置され、光源ユニット51の近傍での温度情報を検出し、その検出結果をCPU40に出力する。
【0050】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された後述する記録条件を補正するプログラム(以下、「記録条件補正プログラム」という)を含むプログラムが格納されている。なお、光ディスク装置20の電源がオン状態になると、ROM39に格納されているプログラムは不図示のメインメモリにロードされる。
【0051】
前記フラッシュメモリ43には、温度センサ42での検出結果から得られる温度(以下、便宜上「光源温度」という)と光源ユニット51から出射される光ビームの波長との関係(以下「温度−波長関係」という)が格納されている。この温度−波長関係は、例えば光ディスク装置20の製造工程、光ピックアップ装置23の製造工程、光源ユニット51の製造工程、及び半導体レーザの製造工程の少なくともいずれかで実測される。なお、本実施形態では、一例として図4に示されるように、波長λと光源温度Tとの関係は次の(1)式で示されるものとする。ここで、C1は係数であり、k1は定数である。また、フラッシュメモリ43には、光源温度と波長がテーブル形式で格納されても良いが、係数C1と定数k1が格納されても良い。
【0052】
λ=C1×T+k1 ……(1)
【0053】
また、フラッシュメモリ43には、光ディスクの種類毎(例えばベンダ毎)に、記録ビームの波長と最適記録パワーとの関係(以下「波長−記録パワー関係」という)が格納されている。この波長−記録パワー関係は、光ディスクの種類毎に実測される。なお、本実施形態では、一例として図5に示されるように、光ディスク15における最適記録パワーPwと波長λとの関係は次の(2)式で示されるものとする。ここで、C2は係数であり、k2は定数である。
【0054】
Pw=C2×λ+k2 ……(2)
【0055】
さらに、フラッシュメモリ43には、温度センサ42での検出結果と温度との換算表が格納されている。CPU40はこの換算表を参照し、温度センサ42での検出結果から光源温度を求める。なお、フラッシュメモリ43に格納されている内容は電源供給が停止されても消えることはない。
【0056】
次に、光ディスク15が光ディスク装置の所定位置にセットされたときに、試し書きによって最適な記録パワーを求める処理(以下、便宜上「記録パワー取得処理」という)について図6を用いて説明する。図6のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。光ディスク15がセットされると、図6のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、記録パワー取得処理がスタートする。
【0057】
最初のステップ401では、光ディスク15の所定位置に記録されているディスク情報を取得する。
【0058】
次のステップ403では、取得したディスク情報からベンダに関する情報(ベンダ情報)を取得する。
【0059】
次のステップ405では、光ディスク15のPCAを利用して試し書きを行う。すなわち、所定の線速度で記録パワーを段階的に変化させつつ、所定のデータをPCAに試し書きする。
【0060】
次のステップ407では、試し書きの結果に基づいて最適記録パワー(ここではPw0とする)を求める。すなわち、例えば試し書きされたデータを再生し、その再生信号における上下対称性や振幅に基づいて記録品質を求め、最も高い記録品質を示した記録パワーを最適記録パワーPw0とする。
【0061】
次のステップ409では、温度センサ42の検出結果から光源温度(ここではT0とする)を求める。
【0062】
次のステップ411では、ベンダ情報、最適記録パワーPw0及び光源温度T0をRAM41に記憶する。そして、記録パワー取得処理を終了する。
【0063】
次に、ホストから記録要求コマンドを受信したときの処理(以下、便宜上「記録制御処理」という)について図7を用いて説明する。図7のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。ホストから記録要求コマンドを受信すると、図7のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、記録制御処理がスタートする。
【0064】
最初のステップ501では、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力する。
【0065】
次のステップ503では、ホストから受信した記録データをバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積する。
【0066】
次のステップ505では、ホストから記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。これにより、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33及びモータドライバ27によってトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、再生信号処理回路28からアドレス情報がCPU40に通知される。
【0067】
次のステップ507では、アドレス情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。
【0068】
次のステップ509では、エンコーダ25に書き込み信号の作成を指示する。
【0069】
次のステップ511では、アドレス情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であるか否かを判断する。ここで、書き込み開始地点であれば、ステップ511での判断は肯定されステップ513に移行する。
【0070】
このステップ513では、エンコーダ25に書き込み開始を指示する。これにより、書き込み信号は、レーザコントロール回路24に出力され、記録条件に基づいて調整された後、光ピックアップ装置の光源ユニット51に入力される。
【0071】
次のステップ515では、所定量の記録を行う。
【0072】
次のステップ517では、温度センサ42での検出結果から光源温度(ここではT1とする)を求める。
【0073】
次のステップ519では、フラッシュメモリ43に格納されている温度−波長関係を参照し、次の(3)式に基づいて光源ユニット51から出射される光ビームの波長変化Δλを算出する。
【0074】
Δλ=C1×(T1−T0) ……(3)
【0075】
次のステップ521では、光ディスク15の所定位置に記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報が記録されているか否かを判断する。ここで、光ディスク15の所定位置に記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報が記録されていれば、ステップ521での判断は肯定されステップ523に移行する。
【0076】
このステップ523では、光ディスク15の所定位置から記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する。
【0077】
次のステップ525では、算出された波長変化Δλと取得された波長−記録パワー関係とに基づいて最適記録パワー(ここではPw1とする)を算出する。すなわち、次の(4)式に基づいて最適記録パワーPw1を算出する。そして、算出結果をパワー設定回路24cに出力する。これにより、記録パワーの補正が行われる。
【0078】
Pw1=C2×Δλ+Pw0 ……(4)
【0079】
次のステップ527では、すべての記録データが書き込まれたか否かを判断する。ここで、記録中であればステップ527での判断は否定され、ステップ515に戻り、記録が継続される。
【0080】
一方、ステップ521において、、光ディスク15の所定位置に記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報が記録されていなければ、ステップ521での判断は否定されステップ529に移行する。
【0081】
このステップ529では、光ディスク15のベンダ情報をキーとして、フラッシュメモリ43に格納されている波長−記録パワー関係を検索し、光ディスク15に対応する波長−記録パワー関係を取得する。そして、ステップ525に移行する。
【0082】
また、ステップ527において、すべての記録データが書き込まれていれば、ステップ527での判断は肯定され、記録制御処理を終了する。
【0083】
次に、ホストからの再生要求コマンドを受信した際の、光ディスク装置20の処理動作について簡単に説明する。
【0084】
CPU40はホストから再生要求コマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。そして、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、再生信号処理回路28はアドレス情報を検出し、CPU40に通知する。
【0085】
CPU40はアドレス情報に基づいて、指定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。CPU40はアドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。
【0086】
そして、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてRF信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0087】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、フラッシュメモリ43、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、波長情報取得手段が実現されている。また、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、波長取得手段、補正手段、記録手段、試し書き手段が実現されている。すなわち、図7のステップ519の処理によって波長取得手段が、ステップ525の処理によって補正手段が、ステップ515の処理によって記録手段が、図6のステップ405及び407の処理によって試し書き手段が、ステップ401及び403の処理によって種類取得手段が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0088】
また、本実施形態では、ROM39にインストールされているプログラムのうち、図6及び図7のフローチャートで示される処理に対応するプログラムによって前記記録条件補正プログラムが構成されている。すなわち、図7のステップ517の処理に対応するプログラムによって第1の手順が、ステップ519の処理に対応するプログラムによって第2の手順が、ステップ523及びステップ529の処理に対応するプログラムによって第3の手順が、ステップ525の処理に対応するプログラムによって第4の手順が、ステップ515の処理に対応するプログラムによって第5の手順が、図6のステップ405及び407の処理に対応するプログラムによって第6の手順が、図7のステップ523の処理に対応するプログラムによって第7の手順が構成されている。
【0089】
そして、図7のステップ517の処理によって本発明に係る記録条件補正方法の第1工程が実施され、ステップ519の処理によって第2工程が実施され、ステップ523及びステップ529の処理によって第3工程が実施され、ステップ525の処理によって第4工程が実施されている。また、図6のステップ405及び407の処理によって第5工程が実施され、図7のステップ523の処理によって第6工程が実施されている。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置及び記録条件補正方法によると、記録の際に、光源温度を検知し、フラッシュメモリ43に格納されている光源ユニット51から出射される光ビームの波長の温度特性情報に基づいて、光源ユニット51から出射される光ビームの波長変化を算出している。そして、算出された波長変化とフラッシュメモリ43に格納されている光ディスクにおける記録パワ−の波長依存性情報とに基づいて記録パワーを補正している。従って、光ディスクに記録する際の光源温度が、前回記録パワーを設定したときの光源温度と異なっていても、試し書き領域を消費することなく、記録パワーを精度良く補正することができる。また、記録する際に試し書きを行う必要がないため、記録処理に要する時間を短縮することができる。さらに、光ディスクに記録する直前の光源温度を検出しているために、光源温度の変化による最適な記録パワーの変化を精度良く求めることができ、精度良く記録パワーを補正することができる。その結果として、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることが可能となる。
【0091】
また、本実施形態によると、光ディスクが光ディスク装置にセットされたときに、光ディスクの種類を取得し、光ディスクの種類に応じた波長−記録パワー関係を取得している。そのために、例えば光ディスクの種類によって、記録層の厚さやトラックピッチの幅などが異なっていても、光ディスクの種類毎に、その特性に応じて精度良く記録パワーを補正することができる。なお、光ディスクの種類の取得タイミングは、光ディスクが光ディスク装置にセットされたときに限られるものではなく、光ディスクの種類に応じた波長−記録パワー関係を取得する前に得られていれば良い。
【0092】
また、本実施形態によると、光ディスク15の所定位置に記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報が記録されている場合には、その情報に基づいて最適記録パワーを補正している。従って、光ディスク毎に記録条件の波長依存性情報を直接取得することができ、光ディスク毎の特性に応じた補正を行うことが可能となる。
【0093】
また、本実施形態によると、光ディスク15の所定位置に記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報が記録されていない場合には、光ディスク15のベンダ情報をキーとして、フラッシュメモリ43に格納されている波長−記録パワー関係を検索し、光ディスク15に対応する波長−記録パワー関係を取得するとともに、その関係に基づいて最適記録パワーを補正している。従って、光ディスクの種類によって、光ディスクの記録層の厚さやトラックピッチの幅などが異なっていても、光ディスクの種類毎に、その特性に応じて精度良く記録条件を補正することができる。
【0094】
また、本実施形態によると、フラッシュメモリ43に格納されている温度−波長関係は、光ディスク装置20の製造工程、光ピックアップ装置23の製造工程、光源ユニット51の製造工程、及び半導体レーザの製造工程の少なくともいずれかでの測定結果に応じた情報である。従って、例えば半導体レーザの製造工程における誤差等に起因する特性のバラツキを吸収することができる。これにより、波長の計算精度が向上し、正確に記録条件を補正することができる。その結果、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0095】
また、本実施形態に係る光ディスク装置によると、記録に際して、最適記録パワーの温度補正が精度良く行われるために、記録品質に優れた記録を安定して行うことが可能となる。
【0096】
なお、上記実施形態では、前記温度−波長関係を一次式で近似する場合について説明したが、これに限らず多項式で近似しても良い。この場合には、光源ユニット51から出射される光ビームの波長変化は前記(3)式とは異なる式を用いて算出されることとなる。
【0097】
また、上記実施形態では、前記波長−記録パワー関係を一次式で近似する場合について説明したが、これに限らず多項式で近似しても良い。この場合には、最適な記録パワーは前記(4)式とは異なる式を用いて算出されることとなる。
【0098】
また、上記実施形態において、フラッシュメモリ43には、波長の温度特性情報として、光源温度と波長とがテーブル形式で格納されても良いが、近似式における係数C1と定数k1とが格納されても良い。同様に、フラッシュメモリ43には、記録パワーの波長依存性情報として、最適記録パワーと波長とがテーブル形式で格納されても良いが、近似式における係数C2と定数k2とが格納されても良い。
【0099】
また、上記実施形態では、記録条件が記録パワーの場合について説明したが、これに限らず、例えばパルス幅であっても良い。
【0100】
また、上記実施形態では、一定量の記録を行う度に記録パワーを補正する場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば光源温度の変化が所定の値以上となったときに記録パワーを補正しても良い。あるいは、記録するデータ量に応じて、補正のタイミングを変更しても良い。例えばデータ量が少ない場合には、記録の直前に1回だけ記録パワーを補正しても良い。
【0101】
また、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0102】
また、上記実施形態では、光源が1つの場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば波長が405nmの光ビームを出射する光源、波長が650nmの光ビームを出射する光源及び波長が780nmの光ビームを出射する光源のうち少なくとも2つの光源が用いられても良い。この場合に、温度の影響が顕著な光源に関してのみ温度補正を行っても良いが、全ての光源に関して光源毎に温度補正を行うのが望ましい。
【0103】
また、上記実施形態では、前記記録条件補正プログラムは、ROM39に記録されているが、他の記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応するドライブ装置を付加し、各ドライブ装置から記録条件補正プログラムをインストールすることとなる。要するに、記録条件補正プログラムがCPU40のメインメモリにロードされれば良い。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る記録条件補正方法によれば、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることができるという効果がある。
【0105】
また、本発明に係るプログラム及び記録媒体によれば、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、記録品質の低下を抑制し、良好な記録品質を安定して得ることができるという効果がある。
【0106】
また、本発明に係る情報記録装置によれば、記録品質に優れた記録を安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における光ピックアップ装置の詳細構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1におけるレーザコントロール回路の詳細構成を説明するためのブロック図である。
【図4】光源ユニットから出射される光ビームの波長と光源温度との関係を説明するための図である。
【図5】光ディスクに情報を記録する際に照射される光ビームの波長と最適な記録パワーとの関係を説明するための図である。
【図6】ベンダ情報及び最適記録パワーを求める処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明に係る記録条件補正処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置(情報記録装置)、39…ROM(記録媒体)、40…CPU(波長取得手段、補正手段、記録手段、試し書き手段、記録情報取得手段、種類取得手段)、42…温度センサ(温度検出手段)、43…フラッシュメモリ(第1の記憶手段、第2の記憶手段)。
Claims (15)
- 光源から出射された光ビームを用いて情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する記録条件補正方法であって、
所定のタイミングで前記光源近傍の温度情報を検出する第1工程と;
前記検出された温度情報と予め得られている前記光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、前記光源から出射される光ビームの波長に関する情報を取得する第2工程と;
前記情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報を取得する第3工程と;前記第2工程で取得された波長に関する情報と、前記第3工程で取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、前記記録条件を補正する第4工程と;を含む記録条件補正方法。 - 前記記録条件は、前記光源の記録パワーを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録条件補正方法。
- 前記情報記録媒体の所定位置に試し書きを行い、最適な記録パワーを取得する第5工程を更に含み、
前記第4工程では、前記第5工程で取得された前記最適な記録パワーに基づいて前記記録条件を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録条件補正方法。 - 前記第3工程に先だって、前記情報記録媒体に予め記録されている記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する第6工程を更に含み、
前記第3工程では、前記第6工程にて取得された情報に基づいて、前記記録条件の波長依存性情報を取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録条件補正方法。 - 光源から出射された光ビームを用いて情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置で用いられるプログラムであって、
所定のタイミングで前記光源近傍の温度情報を検出する第1の手順と;
前記検出された温度情報と予め得られている前記光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報とに基づいて、前記光源から出射される光ビームの波長に関する情報を取得する第2の手順と;
前記情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報を取得する第3の手順と;
前記第2の手順で取得された波長に関する情報と、前記第3の手順で取得された記録条件の波長依存性情報とに基づいて、前記情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する第4の手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記記録条件は、前記光源の記録パワーを含むことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
- 前記補正された記録条件に基づいて、前記情報記録媒体に情報の記録を行う第5の手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項5又は6に記載のプログラム。
- 前記情報記録媒体の所定位置に試し書きを行い、最適な記録パワーを取得する第6の手順を前記制御用コンピュータに更に実行させ、
前記第4の手順として、前記試し書きによって取得された前記最適な記録パワーに基づいて前記記録条件を補正する手順を前記制御用コンピュータに実行させることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のプログラム。 - 前記第3の手順に先だって、前記情報記録媒体に予め記録されている記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する第7の手順を前記制御用コンピュータに更に実行させ、
前記第3の手順として、前記第7の手段にて取得された情報に基づいて、前記記録条件の波長依存性情報を取得する手順を前記制御用コンピュータに実行させることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のプログラム。 - 請求項5〜9のいずれか一項に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 光源から出射された光ビームを用いて情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、
前記光源近傍の温度情報を検出する温度検出手段と;
前記光源から出射される光ビームの波長の温度特性情報が格納された第1の記憶手段と;
前記情報記録媒体における記録条件の波長依存性情報を取得する波長情報取得手段と;
前記温度検出手段で検出された温度情報と前記第1の記憶手段に格納されている前記波長の温度特性情報とに基づいて、前記光源から出射される光ビームの波長に関する情報を求める波長取得手段と;
前記波長に関する情報と前記波長情報取得手段で取得された前記記録条件の波長依存性情報とに基づいて、前記情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を補正する補正手段と;
前記補正された記録条件に基づいて、前記情報記録媒体に情報の記録を行う記録手段と;を備える情報記録装置。 - 前記情報記録媒体の所定位置に試し書きを行い、最適な記録パワーを取得する試し書き手段を更に備え、
前記補正手段では、前記試し書き手段で取得された前記最適な記録パワーに基づいて補正することを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。 - 前記第1の記憶手段には、装置毎に製造工程で前記波長の温度特性を測定した測定結果に応じた情報が格納されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の情報記録装置。
- 前記情報記録媒体に予め記録されている記録ビームの波長と記録パワーとの関係に関する情報を取得する記録情報取得手段を更に備え、
前記波長情報取得手段は、前記記録情報取得手段にて取得された前記関係に関する情報に基づいて、前記記録条件の波長依存性情報を取得することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の情報記録装置。 - 前記波長情報取得手段は、前記情報記録媒体の種類を取得する種類取得手段と、情報記録媒体の種類毎に記録条件の波長依存性情報が格納されている第2の記憶手段とを備え、前記種類取得手段にて取得された情報記録媒体の種類に応じた記録条件の波長依存性情報を前記第2の記憶手段から取得することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の情報記録装置。
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