JP2004085955A - 液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法 - Google Patents

液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004085955A
JP2004085955A JP2002247803A JP2002247803A JP2004085955A JP 2004085955 A JP2004085955 A JP 2004085955A JP 2002247803 A JP2002247803 A JP 2002247803A JP 2002247803 A JP2002247803 A JP 2002247803A JP 2004085955 A JP2004085955 A JP 2004085955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
photomask
pattern
substrate
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002247803A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Shibata
柴田 隆行
Eiji Makino
牧野 英司
Terutake Hayashi
林 照剛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2002247803A priority Critical patent/JP2004085955A/ja
Publication of JP2004085955A publication Critical patent/JP2004085955A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びDNAチップの製造方法を提供する。
【解決手段】照明光を照射する照明光学系21と、照明光学系からの照明光の光路中に配置されたフォトマスク10から成る露光制御系30と、露光制御系のフォトマスクを通過した照明光が照射されるように、表面に感光体薄膜を塗布した基板42を保持する露光光学系40とを含むパターン露光装置20において、フォトマスクが、マトリックス式液晶素子11,種々のマスクパターンを電子式のパターンデータとして記憶する記憶部,記憶部から読み出したパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御する制御部から成る液晶式フォトマスク10であるように、パターン露光装置20を構成する。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体装置やDNAチップ等の製造の際に使用するフォトマスクに関し、特に多種類のフォトマスクを容易に実現し得るようにした液晶式フォトマスクと、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びDNAチップの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フォトリソグラフィ技術においては、転写するパターンの原版として、所定のパターンを有する所謂フォトマスクが使用されている。
このようなフォトマスクは、通常、例えば、石英ガラス等から成る透明基板上に、遮光膜及びフォトレジスト膜が形成されており、フォトレジスト膜を上記所定のパターンに対応して選択的に露光させた後、フォトレジスト膜を現像し、露光部分または未露光部分を除去し、さらにフォトレジスト膜を介して遮光膜のエッチングを行なうことにより、構成されている。
【0003】
従って、このようなフォトマスクを製造する際には、少なくともフォトレジスト膜の形成,パターン露光,現像,露光部分または未露光部分の除去,エッチングの工程が必要であると共に、パターン露光の際のパターンの作製が必要であることから、多大な時間がかかると共に、コストが高くなってしまう。
また、パターンの単純な変更の場合であっても、新たにフォトマスクを作製し直す必要があった。
【0004】
他方、このようなフォトリソグラフィ技術を利用して、医療又は生体分野において、DNAチップや蛋白質チップの作製が行なわれるようになってきている。このようなDNAチップ等の作製においては、DNAチップの種類が異なると、異なるパターンを有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DNAチップの研究等においては、多種類のDNAチップを作製する必要がある。例えば、ガラス基板上にオリゴDNAを直接合成することにより構成されるDNAチップにおいては、通常のフォトマスクを使用する場合、4×n(nは、DNAの塩基長であり、一般にnは15乃至20程度)枚のフォトマスクが必要になる。従って、DNAチップを作製するためのフォトマスクを作製しようとすると、膨大な時間がかかると共に、コストも著しく増大してしまうことになり、例えば5実験分で、フォトマスクに要する費用は、約380万円程度になってしまう。
【0006】
本発明は、以上の点にかんがみて、多種類のパターンを備えたフォトマスクを容易に且つ短時間で構成し得るようにした、液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びDNAチップの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による液晶式フォトマスクは、マトリックス式液晶素子と、種々のマスクパターンを電子式のパターンデータとして記憶する記憶部と、記憶部から読み出したパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御する制御部と、を含んでいることを特徴とするものである。
【0008】
本発明による液晶式フォトマスクは、好ましくは、上記マトリックス式液晶素子が、その入射側にて、各画素にそれぞれ対応する微小レンズから成るマイクロレンズアレイを備えている。
【0009】
本発明による液晶式フォトマスクは、好ましくは、上記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を階調的に制御する。
【0010】
本発明による液晶式フォトマスクは、好ましくは、上記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を電圧変更により階調的に制御する。
【0011】
本発明による液晶式フォトマスクは、好ましくは、上記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を時間的に階調的に制御する。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第二の構成では、照明光学系からの照明光を、フォトマスクを介して表面に感光体薄膜を塗布した基板に照射することにより、フォトマスクに備えられたパターンで露光を行なうパターン露光方法において、上記フォトマスクとして、上述した何れかの液晶式フォトマスクを使用することを特徴とするものである。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第三の構成によれば、照明光を照射する照明光学系と、照明光学系からの照明光の光路中に配置されたフォトマスクから成る露光制御系と、露光制御系のフォトマスクを通過した照明光が照射されるように、表面に感光体薄膜を塗布した基板を保持する露光光学系とを含んでいるパターン露光装置において、上記フォトマスクが、上述した何れかの液晶式フォトマスクであることを特徴としている。
【0014】
本発明のパターン露光装置は、好ましくは、基板を保持する露光光学系において、基板が液晶フォトマスクの画像データと同期して制御されるXYステージ及び焦点距離の調整を行うZステージを備えている。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第四の構成によれば、照明光学系からの照明光を、フォトマスクを介して表面に光照射により光化学的に除去可能な保護基で修飾したリンカーをアミノ基を介して結合した基板に照射することにより、フォトマスクに備えられたパターンで選択的に露光を行なって、各反応部位の保護基を選択的に除去して、基板の各反応部位にオリゴDNAを直接合成するDNAチップの製造方法において、上記フォトマスクとして、上述した何れかの液晶式フォトマスクを使用して、上記制御部が、種々のオリゴDNAに対応するパターンデータに基づいて、順次にマトリックス式液晶素子を駆動制御して、マトリックス式液晶素子によりDNAチップを構成する一組のフォトマスクを順次に構成して、各フォトマスクを介して基板のパターン露光を行なうことにより、選択的に各反応部位に光を照射して、上記保護基を除去することにより当該DNAチップを製造することを特徴としている。
【0016】
上記第一の構成によれば、所謂フォトリソグラフィ技術におけるフォトマスクとして、制御部が、前もって記憶部に記憶された種々のマスクパターンに対応するパターンデータから所望のマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、このパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御することにより、マトリックス式液晶素子の各画素がそれぞれ駆動制御されて、全体として所望のマスクパターンをマトリックス画像として形成することになる。従って、このような液晶式フォトマスクを使用して、従来のフォトマスクと同様に、例えばフォトリソグラフィ法によりパターン露光を行なうことができる。
【0017】この場合、液晶式フォトマスクのマトリックス式液晶素子が形成するマスクパターンのマトリックス画像は、制御部が記憶部から読み出したパターンデータにより形成されるので、前もって必要なパターンデータを作成して記憶部に記憶させておくことにより、容易に且つ短時間で他の種類のマスクパターンのマトリックス画像を形成することができる。
また、制御部がパターン形成機能を備えている場合には、記憶部から読み出したパターンデータを適宜に修正したり、あるいは新規にパターンデータを作成することにより、容易にマスクパターンの作成や変更を行なうことができる。
【0018】
これにより、例えばDNAチップを基板上に直接に合成する場合等において、多数のフォトマスクが必要な場合であっても、また設計変更等によりマスクパターンの変更の必要が生じた場合であっても、一つの液晶式フォトマスクにより、多数のマスクパターンや他のマスクパターンを容易に実現することができる。
このようにして、本発明による液晶式フォトマスクによれば、フォトリソグラフィ技術におけるフォトマスクが、短時間で容易に且つ低コストで構成される。
【0019】
上記マトリックス式液晶素子が、その入射側にて、各画素にそれぞれ対応する微小レンズから成るマイクロレンズアレイを備えている場合には、マトリックス式液晶素子の各画素に入射する照明光が、その直前にてマイクロレンズアレイの対応する微小レンズにより集光されて当該画素に入射するので、照明光が確実に各画素に入射し、照明光の利用効率が向上すると共に、同じ光量を得るためには小出力の照明光学系を使用することができるようになる。
【0020】
上記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を階調的に、例えば電圧変更によりあるいは時間的に階調的に制御する場合には、フォトマスクのパターンが、従来の光透過または光不透過即ち光透過率が100%または0%の何れかであったのに対し、0乃至100%の間の任意の光透過率に設定することができるので、より多彩な露光パターンを得ることが可能になる。
【0021】
上記第二及び第三の構成によれば、所謂フォトリソグラフィ技術において、フォトマスクとして液晶式フォトマスクを使用することにより、その制御部が、前もって記憶部に記憶された種々のマスクパターンに対応するパターンデータから所望のマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、このパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御することにより、マトリックス式液晶素子の各画素がそれぞれ駆動制御されて、全体として所望のマスクパターンをマトリックス画像として形成することになる。
従って、従来のフォトマスクと同様に、液晶式フォトマスクを使用することにより、フォトリソグラフィ法によるパターン露光を行なうことができる。
【0022】
この場合、液晶式フォトマスクのマトリックス式液晶素子が形成するマスクパターンのマトリックス画像は、制御部が記憶部から読み出したパターンデータにより形成されるので、前もって必要なパターンデータを作成して記憶部に記憶させておくことで、容易に且つ短時間で他の種類のマスクパターンのマトリックス画像を形成することができる。
また、制御部がパターン形成機能を備えている場合には、記憶部から読み出したパターンデータを適宜に修正したり、あるいは新規にパターンデータを作成することにより、容易にマスクパターンの作成や変更を行なうことができる。
【0023】
これにより、例えばDNAチップを基板上に直接に合成する場合等において、多数のフォトマスクが必要な場合であっても、また設計変更等によりマスクパターンの変更の必要が生じた場合であっても、一つの液晶式フォトマスクにより、多数のマスクパターンや他のマスクパターンを容易に実現することができる。
このようにして、本発明によるパターン露光方法及びパターン露光装置によれば、フォトリソグラフィ技術におけるフォトマスクが、短時間で容易に且つ低コストで構成され得ることになる。
【0024】
上記パターン露光装置が、その基板を保持する露光光学系において、基板が液晶フォトマスクの画像データと同期して制御されるXYステージ及び焦点距離の調整を行うZステージを備えている場合には、焦点を確実に合わせることができると共に、液晶フォトマスクの画素のピッチ分の走査をXYステージで行うことにより、直線や曲線等の任意のパターンを容易に露光させることができる。
【0025】
上記第四の構成によれば、所謂フォトリソグラフィ技術を利用したDNAチップの製造方法において、フォトマスクとして液晶式フォトマスクを使用することにより、その制御部が、前もって記憶部に記憶された種々のマスクパターンに対応するパターンデータから所望のマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、このパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御することにより、マトリックス式液晶素子の各画素がそれぞれ駆動制御されて、全体として所望のマスクパターンをマトリックス画像として形成することになる。従って、従来のフォトマスクを使用した場合と同様にして、液晶式フォトマスクを使用することにより、フォトリソグラフィ法によるパターン露光を行なって、基板上の各反応部位を選択的に露光することにより、各反応部位に接合されたリンカーの保護基を光化学的に除去して、DNAチップを製造することができる。
【0026】
この場合、液晶式フォトマスクのマトリックス式液晶素子が形成するマスクパターンのマトリックス画像は、制御部が記憶部から読み出したパターンデータにより形成されるので、前もって必要なパターンデータを作成して記憶部に記憶させておくことにより、容易に且つ短時間で他の種類のマスクパターンのマトリックス画像を形成することができる。
また、制御部がパターン形成機能を備えている場合には、記憶部から読み出したパターンデータを適宜に修正したり、あるいは新規にパターンデータを作成することにより、容易にマスクパターンの作成や変更を行なうことができる。
【0027】
これにより、例えばDNAチップを基板上に直接に合成する場合等において、多数のフォトマスクが必要な場合であっても、また設計変更等によりマスクパターンの変更の必要が生じた場合であっても、一つの液晶式フォトマスクにより、多数のマスクパターンや他のマスクパターンを容易に実現することができる。
このようにして、本発明によるDNAチップの製造方法によれば、フォトリソグラフィ技術におけるフォトマスクが、短時間で容易に且つ低コストで構成されることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明による液晶式フォトマスクの一実施の形態を示している。図1において、液晶式フォトマスク10は、マトリックス式液晶素子11と、種々のマスクパターンを電子式のパターンデータとして記憶する記憶部12と、記憶部から読み出したパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御する制御部13と、を含んでいる。なお、13Aはキーボードまたはマウス等の操作部である。
【0029】
上記マトリックス式液晶素子11は公知の構成であって、縦横に所定のドット数の画素11Aが配列されたドットマトリックス式の液晶表示装置として構成されており、各画素11Aをそれぞれ適宜に駆動制御することにより、全体として所定のパターンの透過部分を構成し、透過光により画像を画成するようになっている。さらに、上記マトリックス式液晶素子11は、図2に示すように、その入射側にて、マイクロレンズアレイ11Bを備えている。
図3は、図2のマトリックス式液晶素子11の画素部11Aの断面を示す拡大模式図である。このマイクロレンズアレイ11Bは、マトリックス式液晶素子11の各画素11Aに対応する微小レンズ11Cから構成されており、対応する画素11Aの領域に入射する照明光を集束させて、当該画素11Aに確実に入射させるようになっている。なお、マイクロレンズアレイ11Bを備えたマトリックス式液晶素子11は、市販のものを使用してもよい。
【0030】
上記記憶部12は、前もって作成されたフォトマスクのための種々のマスクパターンを電子データ(パターンデータ)として記憶している。このパターンデータは、後述する制御部13から記憶部12に転送されることにより記憶され、必要に応じて制御部13から読み出されるようになっている。
【0031】
上記制御部13は、例えばパーソナルコンピュータから構成されており、パーソナルコンピュータ上で動作するアプリケーションにより、以下の機能を備えるようになっている。即ち、制御部13は、所望のマスクパターンに対応するパターンデータを記憶部12から読み出して、このパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子11を駆動制御し、マトリックス式液晶素子11の各画素11Aをそれぞれ選択的に制御することにより、所望のマスクパターンを表わす画像を構成するようになっている。この場合、制御部13は、各画素11Aに関して駆動電圧を調整し、あるいは駆動時間を調整することによって、当該画素11Aの光透過率を階調的に制御することができるようになっている。
さらに、制御部13は、キーボードまたはマウス等の操作部13Aを使用することによって、CADソフト等を利用して、新たなパターンデータを作成すると共に、そのパターンデータを記憶部12に転送して記憶させる。
【0032】
本発明による液晶式フォトマスク10は以上のように構成されており、つぎのように動作する。即ち、所謂フォトリソグラフィ技術におけるフォトマスクとして、本液晶式フォトマスク10を使用する場合、制御部13は、先ず前もって記憶部12に記憶された種々のマスクパターンに対応するパターンデータのうち、所望のマスクパターンに対応するパターンデータを読み出す。そして、制御部13は、このパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子11を駆動制御して、マトリックス式液晶素子11の各画素11Aをそれぞれ制御し、全体として所望のマスクパターンをマトリックス画像として形成する。
【0033】
これにより、パターン露光の際には、入射側から照明光が入射したとき、各画素11Aに入射する照明光がマイクロレンズアレイ11Bの対応する微小レンズ11Cで集束されて当該画素11Aに入射することにより、従来のフォトマスクと同様にして、パターン露光を行なうことができる。その際、各画素11Aの周辺領域や境界領域に入射する照明光が、マイクロレンズアレイ11Bの対応する微小レンズ11Cで集束されることにより、確実に当該画素11Aに入射することになるので、照明光の利用効率が向上する。
【0034】
また、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11が形成するマスクパターンのマトリックス画像は、前もって記憶部12に記憶されたパターンデータに基づいて形成される。従って、必要なパターンデータを記憶部12に記憶させておけば、いつでも記憶部12からパターンデータを読み出すことにより、容易に且つ短時間で他の種類のマスクパターンのマトリックス画像を形成することができる。
さらに、制御部13が操作部13Aによりパターン形成機能を備えていれば、記憶部12から読み出したパターンデータを適宜に修正したり、あるいは新規にパターンデータを作成することにより、容易にマスクパターンの作成や変更を行なうことができる。
【0035】
このようにして、例えばDNAチップを基板上に直接に合成する場合等において、多数のフォトマスクが必要な場合であっても、また設計変更等によりマスクパターンの変更の必要が生じた場合であっても、一つの液晶式フォトマスク10を使用することによって多数のマスクパターンや他のマスクパターンを容易に実現することができる。
【0036】
図4は、本発明による液晶式フォトマスクを備えたパターン露光装置の具体的な第一の実施形態を示している。図4において、パターン露光装置20は、例えば半導体製造工程等で使用されるパターン露光装置であって、照明光学系21、上記液晶式フォトマスク10を含む露光制御系30、露光光学系40及び照準光学系50を含んでいる。
【0037】
照明光学系21は、光源22と、波長カットフィルタ23と、対物レンズ24及びレンズ25から構成されるコリメーター26とからなっており、所望の波長の照明光を拡大し、かつ、平行光に変換して、露光制御系30に出射するようになっている。
【0038】
上記光源22は、この場合エキシマレーザなどの紫外線レーザのようなビーム径の小さな光源が使用されている。上記波長カットフィルタ23は、光源22から発生する紫外線から所望の波長の紫外線を分離するために使用される。
【0039】
次に、光源22が、レーザのようにビーム径が小さい場合の照明光学系21の動作について説明する。光源22から出射されたレーザ光は、対物レンズ24とレンズ25によって構成されるコリメーター26によって、ビーム径を拡大され、かつ、平行光になるようにされて液晶11に入射する。
また、液晶11の面内の光の強度分布が均一になるように、コリメーター26の下部と、後述する露光制御系30の第一の偏光子31の間に、さらに、インテグレータとコンデンサレンズを設けてもよい。
【0040】
上記露光制御系30は、入射側から順に、第一の偏光子31、液晶式フォトマスク10および第二の偏光子32から構成されている。上記第一の偏光子31及び第二の偏光子32は、それぞれ公知の構成であって、例えば二枚のガラス板の間に偏光膜を挟んで貼り合わせることにより構成されている。
図5は図4のパターン露光装置における露光制御系の二つの偏光子の関係を示す拡大斜視図である。図5(a)に示すように、ランダム偏光の光を左側より、第一の偏光子31と、第二の偏光子32に入射したときに、二つの偏光子の透過光軸が同じ向き、即ち同軸(0°)のときには、直線偏光状態の光が右方へ透過する。図5(b)は、第二の偏光子32の透過光軸を直交軸(90°)に配置した場合であり、透過光が生じない。
【0041】
本発明の第一の偏光子31と第二の偏光子32の透過光軸は90°ずらして、図5(b)に示すように配置している。これにより、例えば液晶式フォトマスク10の各画素11Aが駆動電圧を印加されない状態では、第一の偏光子31を透過した光が、各画素11Aを透過することでその偏向方向が90°捩れるため、第一の偏光子31と透過軸が90°ずれている第二の偏光子32を透過することができる。
一方、各画素11Aが駆動電圧を印加された状態では、電圧の大きさによって画素11A内の液晶分子の捩れの状態が変化するため、第一の偏光子31を透過した直線偏光の光の偏向方向を当該画素11A内で0〜90°の範囲で回転させることができる。
これにより、第二の偏光子32を透過する光の強度を任意に制御することができるので、液晶式フォトマスク10の各画素11Aの駆動電圧によって入射光を、透過、透過しない遮光、これらの中間状態(グレー)となるように制御することができる。
【0042】
また、この場合、液晶式フォトマスク10は、図4に示すように、記憶部12及び制御部13として、パーソナルコンピュータ33と画像出力装置34を備えている。上記パーソナルコンピュータ33は、データなどを表示するディスプレー装置33Aを備えている。さらに、上記パーソナルコンピュータ33は、記憶部12としての補助記憶装置からパターンデータを読み出して、このパターンデータを画像信号として、画像出力装置34に出力する。
上記画像出力装置34は、画像信号を液晶素子駆動信号に変換する駆動回路であって、パーソナルコンピュータ33からの画像信号を、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11に適した液晶素子駆動信号、即ち各画素11Aに関する電圧信号に変換する。
そして、制御部が、各画素11Aに印加する駆動電圧を適宜に調整し、または駆動時間を適宜に調整、即ち、駆動時間中に駆動電圧を変更することにより、各画素11Aを透過する光の強度を階調的に制御するようになっている。
【0043】
上記露光光学系40は、パターン露光レンズ41と、パターン露光すべき基板42が載置されるステージ43と、から構成されている。上記パターン露光レンズ41は凸レンズであって、前記液晶式フォトマスク10のマスクパターンをステージ43上に載置された基板42の表面に結像させるようになっている。上記ステージ43は、所謂XYステージ43AとZステージ43Bとから構成されており、XYステージ43Aによりステージ43が水平面内で移動調整されて、基板42の位置調整が行なわれると共に、Zステージ43Bによりステージ43が垂直方向に移動調整されて、基板42の焦点調整が行なわれる。
【0044】
上記照準光学系50は、ビームスプリッタ51と、ビームスプリッタ51による分岐光路中に順次に配置されたスクリーン52,リレーレンズ53A及び53B,結像レンズ54,CCDカメラ55から構成されている。上記ビームスプリッタ51は、その半透過面51Aが上記露光光学系40のパターン露光レンズ41とステージ43の間の光軸中に斜め45度に配置されており、パターン露光レンズ31からステージ43上の基板42表面に向かう光の一部を反射して分岐させるようになっている。上記スクリーン52は、ビームスプリッタ51の半透過面51Aに関して、ステージ43上の基板42表面と共役な位置に配置されており、基板42の表面に結像するマスクパターンと同じ像が結像されるようになっている。上記リレーレンズ53A,53Bは、共に凸レンズであって、スクリーン52上の像を拡大して結像レンズ54に導くようになっている。
【0045】
上記結像レンズ54は、色収差が補正可能なレンズであって、リレーレンズ53A,53Bにより導かれたスクリーン52上の像をCCDカメラ55の撮像面に結像させるようになっている。この結像レンズ54としては、凹レンズと凸レンズを組み合わせたアクロマートレンズなどを用いることができる。上記CCDカメラ55は、撮像面に結像されたマスクパターンの像を撮像することにより、図示しないモニタ画面上にこのマスクパターンの像を表示する。これにより、使用者は、このモニタ画面上のマスクパターンの像を観察しながら、Zステージ43Bを光軸方向に移動調整して、基板42上のマスクパターンの焦点合わせを行なう。
【0046】
なお、この場合、スクリーン52は、Zステージ43Bの光軸方向の移動調整に合わせて、半透過面51Aから基板42表面までの距離と半透過面51Aからスクリーン52までの距離が等しくなるように、Zステージ43Bと連動して光軸方向に移動されるようになっている。このようにして、ステージ43上の基板42の焦点合わせが行なわれる。
ここで、光源22からの光は紫外線であって可視光線ではないが、CCDカメラ55が紫外線領域に感光性を有するものを使用すれば、紫外線であっても、撮像したマスクパターンは可視であるので、焦点合わせが可能である。
【0047】
次に、このような構成のパターン露光装置20を使用して、フォトリソグラフィ法により基板表面にパターン露光を行なう場合について説明する。
先ず、焦点合わせ用の基板42をステージ43上に載置する。そして、パーソナルコンピュータ33にて焦点合わせに適したマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、画像出力装置34を介してマトリックス式液晶素子11に出力する。これにより、マトリックス式液晶素子11は、各画素11Aが適宜に駆動制御され、全体として所望のマスクパターンを画成することになる。
【0048】
続いて、光源22を動作させて、適宜の波長の紫外線の平行光を、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11に入射させ、マトリックス式液晶素子11を透過することにより画成される光のマスクパターンを、パターン露光レンズ41を介して、基板42の表面及び照準光学系50のスクリーン52上に結像させ、CCDカメラ55にて、スクリーン52上に結像されたマスクパターンを撮像する。そして、CCDカメラ55にて撮像されたマスクパターンの画像をモニタ画面で観察しながら、ステージ43及びスクリーン52を光軸に沿って移動調整させることにより、基板42の焦点合わせを行なう。
【0049】
次に、表面に感光体薄膜としてフォトレジスト(図示せず)を塗布した基板42をステージ43上に載置する。そして、パーソナルコンピュータ33にて、所望のマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、画像出力装置34を介してマトリックス式液晶素子11に出力する。これにより、マトリックス式液晶素子11は、各画素11Aが適宜に駆動制御され、全体として所望のマスクパターンを画成することになる。
【0050】
続いて、光源22を動作させて、上記フォトレジストの感光のために最適な波長の紫外線の平行光を、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11に入射させ、マトリックス式液晶素子11を透過することにより画成される光のマスクパターンを、パターン露光レンズ41を介して基板42の表面に結像させ、基板42の表面に塗布されたフォトレジストをパターン露光させる。その際、XYステージ43Aを適宜に駆動制御することにより、基板42をXY方向に位置調整すると、フォトレジストに対して直線,曲線等の任意の光パターンを容易に露光させることができる。このとき、XYステージが、液晶フォトマスクの画像データと同期して制御されることが好ましい。画素と、画素間が同じ寸法である場合には、液晶フォトマスクの1画素(1ピッチ)分の走査を、XYステージで行うことにより、直線のパターンを露光させることができる。
【0051】
露光後、基板42をステージ43から取り外して、フォトレジストの現像を行ない、フォトレジストの露光部分または未露光部分を除去することにより、液晶式フォトマスク10を使用して、基板42上に所望のパターンのレジストマスクが完成する。
【0052】
次に、本発明による液晶式フォトマスクを備えた第1の実施形態にかかるパターン露光装置の変形例を説明する。
図6は、本発明による液晶式フォトマスクを備えたパターン露光装置の第1の実施形態の変形例を示す図である。図6において、図4に示すパターン露光装置と異なるのは、照明光学系21Aである。他の上記液晶式フォトマスク10を含む露光制御系30,露光光学系40及び照準光学系50は、図4と同じ構成であるので、説明は省略する。
照明光学系21Aは、光源22,波長カットフィルタ23,インテグレータ27,コンデンサレンズ28とから構成されている。
ここで、光源22は、超高圧水銀ランプ22Aのような紫外線ランプを使用している。超高圧水銀ランプ22Aのようなビーム径の大きな光源を使用する場合には、図4の照明光学系21で、レーザビームを拡大するために使用していたコリメーター26は、省略することができる。
超高圧水銀ランプ22Aから出射された光が、波長カットフィルタ23により不要な波長の紫外線を分離し、所望の紫外線だけを透過させて、インテグレータ27とコンデンサレンズ28を介して液晶11に照射される。ここで、インテグレータ27が液晶11を均一な照度で照明するために使用される。そして、コンデンサレンズ28が、インテグレータ27により均一な照度となった光を、液晶11にほぼ平行入射させるために用いられている。
また、上記波長カットフィルタ23は、光を照射する対象により、例えばフォトレジストの露光のためには、波長365nm(i線),405nm(h線),436nm(g線)のうちの一波長または複数波長が分離され、またDNAチップの合成のためには、主として波長365nm(i線)が分離されるようになっている。
【0053】
次に、このような構成のパターン露光装置20を使用して、フォトリソグラフィ法によりオリゴDNAを直接合成してDNAチップを作製する場合について説明する。
先ず、焦点合わせ用の基板42をステージ43上に載置する。そして、パーソナルコンピュータ33にて、焦点合わせに適したマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、画像出力装置34を介してマトリックス式液晶素子11に出力する。これにより、マトリックス式液晶素子11は、各画素11Aが適宜に駆動制御され、全体として所望のマスクパターンを画成することになる。
【0054】
続いて、光源22を動作させて、適宜の波長の紫外線の平行光を、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11に入射させ、マトリックス式液晶素子11を透過することにより画成される光のマスクパターンを、パターン露光レンズ41を介して、基板42の表面及び照準光学系50のスクリーン52上に結像させ、CCDカメラ55にてスクリーン52上に結像されたマスクパターンを撮像する。そして、CCDカメラ55にて撮像されたマスクパターンの画像をモニタ画面で観察しながら、ステージ43及びスクリーン52を光軸に沿って移動調整させることにより、基板42の焦点合わせを行なう。
【0055】
次に、図7(a)に示すように、基板表面の各反応部位にて、紫外線照射により光化学的に除去可能な保護基Rで修飾したリンカーOをアミノ基NHを介して接合した基板42をステージ43上に載置する。
そして、パーソナルコンピュータ33にて、当該DNAチップの作製に必要な4×n(nは、DNAの塩基長であり、一般にnは15乃至20程度)種のフォトマスクのうち、第一のフォトマスクのマスクパターン(図示の場合、最も左の反応部位に対して光を照射するようなマスクパターン)に対応するパターンデータを読み出して、画像出力装置34を介してマトリックス式液晶素子11に出力する。これにより、マトリックス式液晶素子11は、各画素11Aが適宜に駆動制御され、全体として第一のフォトマスクのマスクパターンを画成することになる。
【0056】
続いて、光源22を動作させて、上記保護基Rの除去のために最適な波長の紫外線の平行光を、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11に入射させ、マトリックス式液晶素子11を透過することにより画成される光のマスクパターンを、パターン露光レンズ41を介して基板42の表面に結像させ、保護基Rを除去すべき反応部位のみに選択的に紫外線を照射して、図7(b)に示すように、保護基Rを除去する。その際、保護基Rが除去された部分は水素と反応する。
【0057】
そして、同じ保護基Rを有する単量体、例えば、R−A(Aはアデニン)を導入して、図7(c)に示すように、前述した保護基Rが除去された部分に、カップリング反応によりR−Aをカップリングさせる。これにより、最も左の反応部位について、アデニンAが合成されることになる。
【0058】
その後、同様にして、次の反応部位に光を照射するためのマスクパターンに対応するパターンデータを読み出し、このパターンデータに基づいて液晶式フォトマスク10が駆動制御されることにより、図7(d)に示すように、左から二番目の反応部位のみに対して、選択的に紫外線を照射して保護基Rを除去する。そして、同じ保護基Rを有する単量体、例えば、R−C(Cはシトシン)を導入して、図7(e)に示すように、前述した保護基Rが除去された部分に、カップリング反応によりR−Cをカップリングさせる。これにより、左から二番目の反応部位についてシトシンCが合成されることになる。なお、チミンT及びグアニンGの合成を行なう場合には、カップリングの際の単量体として、R−T(Tはチミン)やR−G(Gはグアニン)を使用すればよい。
【0059】
このようにして、液晶式フォトマスク10により順次に4×n種のマスクパターンを画成して、上記の工程を繰返し行なうことにより、DNAを構成する4つの塩基であるアデニンA,シトシンC,チミンT及びグアニンGを基板42上の適宜の反応部位に合成すると、例えば、図7(f)に示すように、既知の配列を有する一本鎖DNAを固定したDNAチップを作製することができる。
【0060】
なお、上述したパターン露光装置20においては、基板42としてガラス基板やシリコン基板を使用することができると共に、リンカーOを基板42上の反応部位に接合するための表面処理としてアミノ基を使用しているが、これに限らず、アルデヒド基,エポキシ基等を有する各種シランカップリング剤を使用することも可能である。
【0061】
図8は、本発明による液晶式フォトマスクを備えたパターン露光装置の具体的な第二の実施形態を示している。
図8において、パターン露光装置60は、例えば半導体製造工程等で使用されるパターン露光装置であって、基本的に図4に示したパターン露光装置20と同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。パターン露光装置60は、図4に示したパターン露光装置20と比較して、さらに基板アライメント照明系61及び基板観察光学系70を備えている点で異なる構成になっている。
【0062】
上記基板アライメント照明系61は、レーザ光源62と、コリメートレンズ63と、ビームスプリッタ64とから構成されており、可視レーザ光を露光制御系30に出射するようになっている。上記レーザ光源62は、例えば、He−Neレーザ光源であって、赤色光(波長633nm)のレーザ光を出射するようになっている。上記コリメートレンズ63は二枚の凸レンズから構成されており、レーザ光源62からのレーザ光を平行光に変換する。上記ビームスプリッタ64は、半透過面64Aが照明光学系21の波長カットフィルタ23と対物レンズ24との間に斜め45度に配置されており、光源22からの紫外線を透過させると共に、レーザ光源62からのレーザ光を反射させるようになっている。
【0063】
上記基板観察光学系70は、第一のビームスプリッタ71,対物レンズ72,二枚のリレーレンズ73A及び73B,接眼レンズ74,CCDカメラ75と、リレーレンズ73A及び73Bの間に配置された第二のビームスプリッタ76,第二のビームスプリッタ76による分岐光学系に順次に配置された波長カットフィルタ77,コリメートレンズ78及び基板観察光源79から構成されている。
【0064】
このような構成のパターン露光装置60によれば、図4に示したパターン露光装置20と同様に、基板42上にフォトレジストによるパターンを形成し、あるいはオリゴDNAを直接に合成することができる。
ここで、パターン露光装置60においては、基板アライメント照明系61及び基板観察光学系70を備えているので、基板アライメント照明系61により、液晶式フォトマスク10のマトリックス式液晶素子11で画成されるマスクパターンのうち、アライメントマークをレーザ光源62からの赤色レーザ光により基板42上へ投射すると共に、基板観察光学系70により、基板観察光源79から波長カットフィルタ77を介して基板42の表面を、例えば緑色光により照明することにより、基板42上のマスクパターンの像が緑色となる。
これにより、緑色のマスクパターンを赤色のアライメントマークと容易に区別することができるので、基板アライメントを容易に行なうことができる。
【0065】
上述した実施形態においては、パターン露光装置20によりDNAチップを合成する場合について説明したが、これに限らず、蛋白質チップを合成することも可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、所謂フォトリソグラフィ技術において、フォトマスクとして液晶式フォトマスクを使用することにより、その制御部が、前もって記憶部に記憶された種々のマスクパターンに対応するパターンデータから所望のマスクパターンに対応するパターンデータを読み出して、このパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御することにより、マトリックス式液晶素子の各画素がそれぞれ駆動制御されて、全体として所望のマスクパターンをマトリックス画像として形成することになる。
そして、液晶式フォトマスクのマトリックス式液晶素子が形成するマスクパターンのマトリックス画像は、制御部が記憶部から読み出したパターンデータにより形成されるので、前もって必要なパターンデータを作成して記憶部に記憶させておくことにより、容易に且つ短時間で他の種類のマスクパターンのマトリックス画像を形成することができる。
これにより、例えばDNAチップを基板上に直接に合成する場合等において、多数のフォトマスクが必要な場合であっても、また設計変更等によりマスクパターンの変更の必要が生じた場合であっても、一つの液晶式フォトマスクにより、多数のマスクパターンや他のマスクパターンを容易に実現することができる。
このようにして、本発明によるパターン露光方法及びパターン露光装置によれば、フォトリソグラフィ技術におけるフォトマスクが、短時間で容易に且つ低コストで構成されることができ、多種類のパターンを備えたフォトマスクを容易に且つ短時間で構成し得るようにした、極めて優れた液晶式フォトマスクと、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びDNAチップの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶式フォトマスクの一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】マトリックス式液晶素子とマイクロレンズアレイの関係を示す図である。
【図3】図2のマトリックス式液晶素子の画素部の断面を示す拡大模式図である。
【図4】本発明によるパターン露光装置の具体的な第一の実施形態の構成を示す概略図である。
【図5】図4のパターン露光装置における露光制御系の二つの偏光子の関係を示す拡大斜視図である。
【図6】本発明による第1の実施の形態の液晶式フォトマスクを備えたパターン露光装置の変形例を示す図である。
【図7】図4のパターン露光装置によりDNAチップを作製する工程を順次に示す図である。
【図8】本発明によるパターン露光装置の具体的な第二の実施形態の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10  液晶式フォトマスク
11  マトリックス式液晶素子
11  画素
11B マイクロレンズアレイ
11C 微小レンズ
12  記憶部
13  制御部
13A 操作部
20,60  パターン露光装置
21  照明光学系
22  光源
23  波長カットフィルタ
24  対物レンズ
25  レンズ
26  コリメーター
30  露光制御系
31  第一の偏光子
32  第一の偏光子
33  パーソナルコンピュータ
34  画像出力装置
40  露光光学系
41  パターン露光レンズ
42  基板
43  ステージ
43A XYステージ
43B Zステージ
50  照準光学系
51  ビームスプリッタ
52  スクリーン
53A,53B  リレーレンズ
54  結像レンズ
55  CCDカメラ
61  基板アライメント照明系
62  レーザ光源
63  コリメートレンズ
64  ビームスプリッタ
70  基板観察光学系
71  第一のビームスプリッタ
72  対物レンズ
73A,73B  リレーレンズ
74  接眼レンズ
75  CCDカメラ
76  第二のビームスプリッタ
77  波長カットフィルタ
78  コリメートレンズ
79  基板観察光源

Claims (9)

  1. マトリックス式液晶素子と、種々のマスクパターンを電子式のパターンデータとして記憶する記憶部と、記憶部から読み出したパターンデータに基づいてマトリックス式液晶素子を駆動制御する制御部と、を含んでいることを特徴とする、液晶式フォトマスク。
  2. 前記マトリックス式液晶素子が、その入射側にて、各画素にそれぞれ対応する微小レンズから成るマイクロレンズアレイを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の液晶式フォトマスク。
  3. 前記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を階調的に制御することを特徴とする、請求項1に記載の液晶式フォトマスク。
  4. 前記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を電圧変更により階調的に制御することを特徴とする、請求項3に記載の液晶式フォトマスク。
  5. 前記制御部が、マトリックス式液晶素子の各画素を透過する光強度を時間的に階調的に制御することを特徴とする、請求項3に記載の液晶式フォトマスク。
  6. 照明光学系からの照明光を、フォトマスクを介して表面に感光体薄膜を塗布した基板に照射することにより、フォトマスクに備えられたパターンで露光を行なうパターン露光方法において、
    上記フォトマスクとして、請求項1乃至5の何れかに記載の液晶式フォトマスクを使用することを特徴とする、パターン露光方法。
  7. 照明光を照射する照明光学系と、照明光学系からの照明光の光路中に配置されたフォトマスクから成る露光制御系と、露光制御系のフォトマスクを通過した照明光が照射されるように表面に感光体薄膜を塗布した基板を保持する露光光学系と、を含んでいるパターン露光装置において、
    上記フォトマスクが、請求項1乃至5の何れかに記載の液晶式フォトマスクであることを特徴とする、パターン露光装置。
  8. 前記基板を保持する露光光学系において、基板が液晶フォトマスクの画像データと同期して制御されるXYステージ及び焦点距離の調整を行うZステージを備えていることを特徴とする、請求項7に記載のパターン露光装置。
  9. 光化学的に除去可能な保護基で修飾したリンカーをアミノ基を介して基板表面に結合し、照明光学系からの照明光をフォトマスクを介して該基板に照射することにより、フォトマスクに備えられたパターンで選択的に露光を行なって各反応部位の保護基を選択的に除去して、基板の各反応部位にオリゴDNAを直接合成するDNAチップの製造方法において、
    上記フォトマスクとして、請求項1乃至5の何れかに記載の液晶式フォトマスクを使用し、
    上記制御部が、種々のオリゴDNAに対応するパターンデータに基づいて、順次にマトリックス式液晶素子を駆動制御して、マトリックス式液晶素子によりDNAチップを構成する一組のフォトマスクを順次に構成し、各フォトマスクを介して基板のパターン露光を行なうことにより選択的に各反応部位に光を照射し、上記保護基を除去することにより、当該DNAチップを製造することを特徴とする、DNAチップの製造方法。
JP2002247803A 2002-08-27 2002-08-27 液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法 Pending JP2004085955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002247803A JP2004085955A (ja) 2002-08-27 2002-08-27 液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002247803A JP2004085955A (ja) 2002-08-27 2002-08-27 液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004085955A true JP2004085955A (ja) 2004-03-18

Family

ID=32055337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002247803A Pending JP2004085955A (ja) 2002-08-27 2002-08-27 液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004085955A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019079A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nano System Solutions:Kk 露光装置
JP2014504448A (ja) * 2010-12-09 2014-02-20 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー Euvリソグラフィ系

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63129619A (ja) * 1986-11-20 1988-06-02 Toshiba Corp パタ−ン露光方法およびパタ−ン露光転写用マスク
JPH1116808A (ja) * 1997-06-20 1999-01-22 Nkk Corp パターン露光装置及びそのパターン転写歪み補正方法
JP2000228357A (ja) * 1999-01-06 2000-08-15 Cleo Srl 高解像度投影方法
JP2002502698A (ja) * 1998-02-11 2002-01-29 ユニバーシティー オブ ヒューストン 光生成試薬を用いる化学反応および生化学反応のための方法および装置
JP2002083761A (ja) * 2000-09-08 2002-03-22 Canon Inc 露光装置及び露光方法
JP2002231618A (ja) * 2001-02-02 2002-08-16 Toshiyuki Horiuchi 液晶マトリックス投影露光装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63129619A (ja) * 1986-11-20 1988-06-02 Toshiba Corp パタ−ン露光方法およびパタ−ン露光転写用マスク
JPH1116808A (ja) * 1997-06-20 1999-01-22 Nkk Corp パターン露光装置及びそのパターン転写歪み補正方法
JP2002502698A (ja) * 1998-02-11 2002-01-29 ユニバーシティー オブ ヒューストン 光生成試薬を用いる化学反応および生化学反応のための方法および装置
JP2000228357A (ja) * 1999-01-06 2000-08-15 Cleo Srl 高解像度投影方法
JP2000228358A (ja) * 1999-01-06 2000-08-15 Cleo Srl 高解像度投影装置
JP2002083761A (ja) * 2000-09-08 2002-03-22 Canon Inc 露光装置及び露光方法
JP2002231618A (ja) * 2001-02-02 2002-08-16 Toshiyuki Horiuchi 液晶マトリックス投影露光装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019079A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nano System Solutions:Kk 露光装置
JP4684774B2 (ja) * 2005-07-05 2011-05-18 株式会社ナノシステムソリューションズ 露光装置
JP2014504448A (ja) * 2010-12-09 2014-02-20 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー Euvリソグラフィ系

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3472723B2 (ja) 光リソグラフィ装置及び方法
KR101486589B1 (ko) 조명 광학 장치, 노광 장치, 및 디바이스 제조 방법
US8462317B2 (en) Illumination optical system, exposure apparatus, and device manufacturing method
JP2009093175A (ja) 空間光変調ユニット、照明装置、露光装置、及びデバイスの製造方法
JP2010199605A (ja) 照明光学システム
CN104220931B (zh) 补偿微光刻投射曝光系统的通道缺陷的设备及方法
JP7362763B2 (ja) 変化するデューティサイクルを有する周期的なパターンを印刷するための方法および装置
JP2007293271A (ja) 開口数を変化させる光学系
JP2011049296A (ja) マスクレス露光方法
JP2002351055A (ja) フォトマスクの欠陥修正方法
JP2006054328A (ja) 照明光学装置、露光装置及びマイクロデバイスの製造方法
JP5262063B2 (ja) 空間光変調ユニット、照明装置、露光装置、及びデバイスの製造方法
JP2004085955A (ja) 液晶式フォトマスク、それを用いたパターン露光方法、パターン露光装置及びdnaチップの製造方法
JP4195915B2 (ja) Pcプロジェクターを用いた任意パターン転写装置
US20080084548A1 (en) Maskless exposure apparatus and method of manufacturing substrate for display using the same
TW200307179A (en) Lighting device, exposing device and exposing method
JP2007142084A (ja) 露光方法及びデバイス製造方法
TW544758B (en) Lighting optical device, exposure system, and production method of micro device
US20050151949A1 (en) Process and apparatus for applying apodization to maskless optical direct write lithography processes
US20050264782A1 (en) System and method utilizing a lithography tool having modular illumination, pattern generator, and projection optics portions
US7332734B2 (en) Lithography apparatus and pattern forming method using the same having an liquid crystal panel for a photo mask function
JP2004056002A (ja) 露光装置
WO2003041134A1 (fr) Dispositif optique d'eclairage, dispositif d'exposition et procede d'exposition
JP2006146083A (ja) 光学素子の製造方法、光学素子、フライアイインテグレータの製造方法、フライアイインテグレータ、投影露光装置の照明装置、及び投影露光装置
JP2007158271A (ja) 照明光学装置、露光装置、およびデバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090120