JP2004084263A - モノレールの軌道 - Google Patents

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Abstract

【課題】跨座型モノレール車両が走行するコンクリート製軌道桁が大地震によってアンカーボルトに損傷が発生した場合に、軌道桁が落下するのを防止する。
【解決手段】軌道桁は複線である。軌道桁20L,20Rの端部は支承30L,30Rを介して支柱10に結合されている。支承30L,30Rのブラケット34L,34Rを結合具41L,41Rで囲っている。結合具41L,41Rはワイヤーロープ46で連結している。
これに寄れば、一方の軌道桁20Lを支柱10に固定するアンカーボルトが大地震で損傷し、軌動桁に20Lが支柱10Lを移動して落下しようとすると、ワイヤーボルト46で他方の支承30Rに引っ張られ、落下できない。
【効果】複線の支承を利用して軌道桁の落下を防止するので、ちいさく、簡単な構成にて、軌道桁の落下を防止でき、既設の軌道桁の支承にも容易に取り付けられるものである。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノレールの軌道に係わり、特に跨座型モノレールPC軌道桁(コンクリート製軌道桁)に好適な軌道桁の落下防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モノレール用PC軌道桁は、PC軌道桁(コンクリート製軌道桁)とこれを支える支柱とからなり、両者は金属製の支承で連結されている。支承は、軌道桁の端部の下面に固定した上部支承と支柱の上面に固定した下部支承とからなり、両者をピンで連結している。下部支承はコンクリート製の支柱に埋め込んだアンカーボルトで固定されている。
【0003】
下部支承を支柱に結合するアンカーボルトは車両通過時軌道桁の荷重による上揚力により引張荷重を受けるため、損傷しやすく、設計震度を超える大地震が発生すると、アンカーボルトが損傷し、軌道桁と支柱の結合がなくなり、軌道桁が支柱の上面からの落下が生じる恐れがある。落下すると道路上の車両,通行人に多大な被害を与える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アンカーボルトが損傷しても軌道桁の落下を防止する部材を設置することが考えられる。しかし、跨座型モノレールは、車両が軌道桁を跨って走行するため、建築限界の基準上から防止装置を追加できる位置が、軌道桁の下面に制約され、設置困難である。
【0005】
また、既設の軌道桁の下面に落下防止装置を固定するとしたとき、そのアンカーボルトをコンクリート製桁に埋めるための穴明けが必要となり、コンクリート製桁の鉄筋等を切断する恐れがあり、強度上、及び施工作業上からも実用的でない。
【0006】
本発明の目的は、装置が簡単で、既存の軌道桁にも容易に設置できる落下防止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、
モノレール車両が走行する軌道桁を複線に配置しており、支柱の上面と前記軌道桁の下面とを下部支承と上部支承とをピンを介して連結しており、第1の軌道桁の前記支承と前記第1の起動桁に実質的に平行に配置された第2の軌道桁の前記支承とを連結具で連結しており、
該連結具は、前記支承の第1の軌道桁の支承,前記第2の起動桁の前記支承のそれぞれを囲む囲み部と、それぞれの囲み部同士を連結する可撓性部材とからなること、
によって達成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図により説明する。支柱10の上部に2つのコンクリート製軌道桁20L,20Rがある。複線である。コンクリート製軌道桁20は支承30を介して支柱10に固定されている。支承30は軌道桁の下面に設置した上部支承31とコンクリート製支柱の上面に設置した下部支承32と、両者を結合するピン33とからなる。下部支承32はアンカーボルト36でコンクリート製支柱10に固定されている。上部支承31をコンクリート製軌道桁20に固定する手段はアンカーボルト(図示せず)で行っている。上部支承31,下部支承32は、ピン33を支える(ピン3が貫通する)複数枚のブラケット34と、このブラケットを支持するフランジ35とからなり、上方から見たとき、フランジ35の大きさが複数のブラケット34の外形寸法よりも大きい。
【0009】
一方の線路(軌道桁20L)の支承30とこれに並列な線路(軌道桁20R)の支承30とは連結具40で連結している。
【0010】
連結具40は、一方の支承30Lに固定した結合部41Lと他方の支承30Rに連結した結合部41Rと両者を連結するワイヤーロープ46とからなる。結合部41(41L,41R)は、支承30の大きさが小さい部分(ブラケット34の部分)を囲む枠からなる。結合部41は、ブラケット34に平行な2枚の板
42と、この2枚の板42,42を連結する複数本のボルトナット43とからなる。一方の板42にはワイヤーロープ46を結合するための穴つきブラケット
44を溶接している。
【0011】
ブラケット34を囲むように結合部41を設置し、左右の結合部41をロープ46で連結する。上方から見たとき、結合部41の大きさはブラケット43の外形よりも大きいが、フランジ35よりも小さい。このため、連結金具は支承30から外れることはない。
【0012】
ワイヤーロープ46は、建築限界16を犯さない位置に配置している。
【0013】
尚、上記から明らかなように、軌道桁20,結合部41において、L,Rを区別する必要がある場合は、L,Rを付している。付していない場合は、LR両者を示している。以下同一である。
【0014】
かかる構成によれば、大地震でアンカーボルト36が損傷し、支柱10への軌道桁20の結合がなくなると、軌道桁20は移動し、落下する。軌道桁20は、図6から明らかなように、2本の軌道桁20L,20Rの間隔が大きくなることにより発生する。すなわち、アンカーボルト36が損傷した側の軌道桁20が移動して、支柱10から外れることによって落下する。いま、一方の軌道桁20Lのアンカーボルト36Lが損傷し、他方の軌道桁20Rのアンカーボルト36は正常な場合を考える。
【0015】
この場合、アンカーボルト36が損傷した側の軌道桁20Lが支柱10から落下する側に移動すると、他方の軌道桁20Rとの間隔が大きくなるので、支承
30L,30Rに結合した連結具40のワイヤーロープ46によって、軌道桁
20Lの移動は抑制され、軌道桁20Lは落下できない。
【0016】
軌道桁20L,20Rの支承30L,30Rの両方のアンカーボルト36L,35Rが損傷し、両方の軌道桁20L,20Rが移動した場合も、両者はワイヤーロープ46で連結されているので、ワイヤーロープ46が支柱10の上面にかかり、軌道桁20L,20Rのを防止できる。
【0017】
連結具40の結合部41は支承30の部分を囲っていればよく、支承30の間に隙間があってもよいので、既存の軌道桁への取付けは容易に行うことができる。
【0018】
また、平行な2つの軌道桁20,20を連結すればよいので、その構成を小さくでき、車両の建築限界16を犯すこともないものである。
【0019】
上記実施例は、結合部41を2枚の平板とこの両者を結合する複数のボルトナットで構成しているが、一方の板をU状にできる。結合は溶接にできる。
【0020】
また、ワイヤーロープ46はチエンたどの可撓性部材にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軌道の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図2のV−V断面図である。
【図6】支柱部分の軌道桁を結合する部分の平面図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視図である。
【符号の説明】
10…支柱、20…軌道桁、30…支承、31…上部支承、32…下部支承、33…ピン、34…ブラケット、36…アンカーボルト、40…連結具、41…結合部、46…ワイヤーロープ。

Claims (1)

  1. モノレール車両が走行する軌道桁を複線に配置しており、支柱の上面と前記軌道桁の下面とを下部支承と上部支承とをピンを介して連結しており、第1の軌道桁の前記支承と前記第1の起動桁に実質的に平行に配置された第2の軌道桁の前記支承とを連結具で連結しており、
    該連結具は、前記支承の第1の軌道桁の支承,前記第2の起動桁の前記支承のそれぞれを囲む囲み部と、それぞれの囲み部同士を連結する可撓性部材とからなること、
    を特徴とするモノレールの軌道。
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