JP2004083945A - 酸化金属膜及び窒化金属膜を作製する方法及び装置 - Google Patents

酸化金属膜及び窒化金属膜を作製する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い結晶性及び安定した組成を有する酸化金属膜及び窒化金属膜を作製する方法及び装置を提供する。
【解決手段】ノズル12から塩素ガスを含む原料ガス及び酸素ガスを供給すると共にプラズマアンテナ9から電磁波を作用させることにより、チャンバ1内に塩素ガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させ、これらのガスプラズマで被エッチング部材7をエッチングし、Hf(ハフニウム)成分と塩素ガスとからなる第1の前駆体及びHf成分と酸素ガスとからなる第2の前駆体を形成し、被エッチング部材7と基板3との間に温度差を設けることにより、第2の前駆体であるHfO2 を成膜すると共に、酸素ガスプラズマにより第1の前駆体であるHfCl2 を酸化してHfO2 とした後に成膜するか、第1の前駆体であるHfCl2 が基板3に吸着した後にこれを酸化してHfO2 とするか、第1の前駆体のHf成分が成膜された後にこれを酸化してHfO2 とすることで、基板3にHfO2 薄膜16を成膜する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化金属及び窒化金属の薄膜の作製方法及び作製装置に関し、酸化金属の薄膜は、例えば半導体材料として、窒化金属の薄膜は、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として利用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、酸化金属および窒化金属の薄膜は様々な分野で利用されてきている。酸化金属の薄膜は、例えばその比誘電率の高さに着目して半導体等に利用される。一方、窒化金属の薄膜は、LSI等の銅配線における銅拡散防止を目的としたバリアメタル膜として、またその高い硬度を利用して工具などの表面処理に用いられている。これらの薄膜に十分な特性を付与するためには、高い結晶性や安定した組成で成膜する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来用いられてきた成膜方法は主としてスパッタ法等の物理的蒸着法であり、スパッタ法による成膜では成膜の際に薄膜の結晶性や組成が破壊され、所望の膜特性を得ることができなかった。
【0004】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、高い結晶性及び安定した組成を有する酸化金属膜及び窒化金属膜を作製する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する第1の発明に係る酸化金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部に供給した酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、
金属で形成した被エッチング部材を前記酸素ガスプラズマでエッチングすることにより金属成分と酸素ガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属酸化物である前記前駆体を前記基板に成膜させることを特徴とする。
【0006】
上記目的を解決する第2の発明に係る酸化金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバ内に供給した酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0007】
上記目的を解決する第3の発明に係る酸化金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバの内部に酸素ガスを供給し、前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0008】
上記目的を解決する第4の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第2の発明に係る酸化金属膜作製方法において、
前記酸素ガスプラズマが、以下のA工程、B工程、C工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を酸化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を酸化して金属成分と酸素ガスとの前駆体にする工程。
C工程:前記被エッチング部材をエッチングすることにより金属成分と酸素ガスとの前駆体を形成する工程。
【0009】
上記目的を解決する第5の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第3の発明に係る酸化金属膜作製方法において、
前記酸素ガスが以下のA工程、B工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を酸化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を酸化して金属成分と酸素ガスとの前駆体にする工程。
【0010】
上記目的を解決する第6の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第2ないし第5の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス及び酸素ガスを独立した供給手段からそれぞれチャンバの内部に供給することを特徴とする。
【0011】
上記目的を解決する第7の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第2ないし第5の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス及び酸素ガスを同じの一つの供給手段からチャンバの内部に供給することを特徴とする。
【0012】
上記目的を解決する第8の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第6または第7の発明に係る酸化金属膜作製方法において、
ハロゲンガスを供給した後に酸素ガスを供給することを特徴とする。
【0013】
上記目的を解決する第9の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第6または第7の発明に係る酸化金属膜作製方法において、
ハロゲンガスを供給した後に酸素ガスを供給する順序を交互に繰り返すことを特徴とする。
【0014】
上記目的を解決する第10の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第6または第7の発明に係る酸化金属膜作製方法において、
ハロゲンガスと酸素ガスとを同時に供給することを特徴とする。
【0015】
上記目的を解決する第11の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第1ないし第10の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマであることを特徴とする。
【0016】
上記目的を解決する第12の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第1ないし第10の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が容量結合型プラズマであることを特徴とする。
【0017】
上記目的を解決する第13の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第1ないし第10の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマと容量結合型プラズマとからなるハイブリッドプラズマであることを特徴とする。
【0018】
上記目的を解決する第14の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第1ないし第13の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が、予めチャンバの外部でプラズマ化されてチャンバ内に供給されたプラズマであることを特徴とする。
【0019】
上記目的を解決する第15の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第1ないし第の14発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記金属はハフニウム、イリジウム、チタン、ジルコニウム、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする。
【0020】
上記目的を解決する第16の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第2ないし第15の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする。
【0021】
上記目的を解決する第17の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、当該酸素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と酸素ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属酸化物である前記前駆体を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
上記目的を解決する第18の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0023】
上記目的を解決する第19の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0024】
上記目的を解決する第20の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの第1の前駆体を生成し、前記酸素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と酸素ガスとの第2の前駆体を生成すると共に、ハロゲン化金属である前記第1の前駆体を前記酸素ガスプラズマにより金属酸化物である前記第2の前駆体に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記第1の前駆体の金属成分及び前記第2の前駆体を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記酸素ガスプラズマにより金属酸化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0025】
上記目的を解決する第21の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成し、ハロゲン化金属である前記前駆体を前記酸素ガスにより酸化して金属酸化物に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記前駆体の金属成分及び前記金属酸化物を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記酸素ガスにより金属酸化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0026】
上記目的を解決する第22の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第18ないし第21の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス供給手段及び前記酸素ガス供給手段は独立した供給手段であることを特徴とする。
【0027】
上記目的を解決する第23の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第18ないし第21の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス供給手段及び酸素ガス供給手段を一体にして一つの供給手段から前記ハロゲンガス及び酸素ガスを供給することを特徴とする。
【0028】
上記目的を解決する第24の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第22または第23の発明に係る酸化金属膜作製装置において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記酸素ガス供給手段により酸素ガスを第2所定時間供給するガス供給制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0029】
上記目的を解決する第25の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第22または第23の発明に係る酸化金属膜作製装置において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記酸素ガス供給手段により酸素ガスを第2所定時間供給する順序を交互に繰り返すガス供給制御手段を備えたことを特徴とする。
【0030】
上記目的を解決する第26の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第22または第23の発明に係る酸化金属膜作製装置において、
更に、前記ハロゲンガスと前記酸素ガスとを同時に供給するガス供給制御手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
上記目的を解決する第27の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0032】
上記目的を解決する第28の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0033】
上記目的を解決する第29の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0034】
上記目的を解決する第30の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスおよび酸素ガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマおよび酸素ガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマおよび酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0035】
上記目的を解決する第31の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0036】
上記目的を解決する第32の発明に係る酸化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする。
【0037】
上記目的を解決する第33の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第17ないし第26、第29、第32の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置されるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなることを特徴とする。
【0038】
上記目的を解決する第34の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第17、第18または第20の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、給電により前記基板との間に容量結合型の酸素ガスプラズマを発生させることを特徴とする。
【0039】
上記目的を解決する第35の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第17、第18または第20の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、前記リング状パイプの周方向の少なくとも一箇所が絶縁されると共に、給電により前記基板との間に誘導結合型の酸素ガスプラズマを発生させることを特徴とする。
【0040】
上記目的を解決する第36の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第17ないし第35の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記金属はハフニウム、イリジウム、チタン、ジルコニウム、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする。
【0041】
上記目的を解決する第37の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第18ないし第36の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする。
【0042】
上記目的を解決する第38の発明に係る窒化金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部に供給した窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、
金属で形成した被エッチング部材を前記窒素ガスプラズマでエッチングすることにより金属成分と窒素ガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属窒化物である前記前駆体を前記基板に成膜させることを特徴とする。
【0043】
上記目的を解決する第39の発明に係る窒化金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバ内に供給した窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0044】
上記目的を解決する第40の発明に係る窒化金属膜作製方法は、
基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバの内部に窒素ガスを供給し、前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0045】
上記目的を解決する第41の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第39の発明に係る窒化金属膜作製方法において、
前記窒素ガスプラズマが、以下のA工程、B工程、C工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を窒化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を窒化して金属成分と窒素ガスとの前駆体にする工程。
C工程:前記被エッチング部材をエッチングすることにより金属成分と窒素ガスとの前駆体を形成する工程。
【0046】
上記目的を解決する第42の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第40の発明に係る窒化金属膜作製方法において、
前記窒素ガスが以下のA工程、B工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を窒化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を窒化して金属成分と窒素ガスとの前駆体にする工程。
【0047】
上記目的を解決する第43の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第39ないし第42の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス及び窒素ガスを独立した供給手段からそれぞれチャンバの内部に供給することを特徴とする。
【0048】
上記目的を解決する第44の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第39ないし第42の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス及び窒素ガスを同じの一つの供給手段からチャンバの内部に供給することを特徴とする。
【0049】
上記目的を解決する第45の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第43または第44の発明に係る窒化金属膜作製方法において、
ハロゲンガスを供給した後に窒素ガスを供給することを特徴とする。
【0050】
上記目的を解決する第46の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第43または第44の発明に係る窒化金属膜作製方法において、
ハロゲンガスを供給した後に窒素ガスを供給する順序を交互に繰り返すことを特徴とする。
【0051】
上記目的を解決する第47の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第43または第44の発明に係る窒化金属膜作製方法において、
ハロゲンガスと窒素ガスとを同時に供給することを特徴とする。
【0052】
上記目的を解決する第48の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第38ないし第47の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマであることを特徴とする。
【0053】
上記目的を解決する第49の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第38ないし第47の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が容量結合型プラズマであることを特徴とする。
【0054】
上記目的を解決する第50の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第38ないし第47の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマと容量結合型プラズマとからなるハイブリッドプラズマであることを特徴とする。
【0055】
上記目的を解決する第51の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第38ないし第50の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が、予めチャンバの外部でプラズマ化されてチャンバ内に供給されたプラズマであることを特徴とする。
【0056】
上記目的を解決する第52の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第38ないし第51の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記金属はタンタル、タングステン、チタン、シリコンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする。
【0057】
上記目的を解決する第53の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第39ないし第52の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする。
【0058】
上記目的を解決する第54の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、当該窒素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と窒素ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属窒化物である前記前駆体を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0059】
上記目的を解決する第55の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0060】
上記目的を解決する第56の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0061】
上記目的を解決する第57の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの第1の前駆体を生成し、前記窒素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と窒素ガスとの第2の前駆体を生成すると共に、ハロゲン化金属である前記第1の前駆体を前記窒素ガスプラズマにより金属窒化物である前記第2の前駆体に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記第1の前駆体の金属成分及び前記第2の前駆体を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記窒素ガスプラズマにより金属窒化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0062】
上記目的を解決する第58の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成し、ハロゲン化金属である前記前駆体を前記窒素ガスにより窒化して金属窒化物に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記前駆体の金属成分及び前記金属窒化物を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記窒素ガスにより金属窒化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0063】
上記目的を解決する第59の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第55ないし第58の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス供給手段及び前記窒素ガス供給手段は独立した供給手段であることを特徴とする。
【0064】
上記目的を解決する第60の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第55ないし第58の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンガス供給手段及び窒素ガス供給手段を一体にして一つの供給手段から前記ハロゲンガス及び窒素ガスを供給することを特徴とする。
【0065】
上記目的を解決する第61の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第59または第60の発明に係る窒化金属膜作製装置において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記窒素ガス供給手段により窒素ガスを第2所定時間供給するガス供給制御手段を更に備えたことを特徴とする。
【0066】
上記目的を解決する第62の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第59または第60の発明に係る窒化金属膜作製装置において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記窒素ガス供給手段により窒素ガスを第2所定時間供給する順序を交互に繰り返すガス供給制御手段を備えたことを特徴とする。
【0067】
上記目的を解決する第63の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第59または第60の発明に係る窒化金属膜作製装置において、
更に、前記ハロゲンガスと前記窒素ガスとを同時に供給するガス供給制御手段を備えたことを特徴とする。
【0068】
上記目的を解決する第64の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0069】
上記目的を解決する第65の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0070】
上記目的を解決する第66の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0071】
上記目的を解決する第67の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスおよび窒素ガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマおよび窒素ガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマおよび窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0072】
上記目的を解決する第68の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0073】
上記目的を解決する第69の発明に係る窒化金属膜作製装置は、
基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする。
【0074】
上記目的を解決する第70の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第54ないし第63、第66、第69の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置されるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなることを特徴とする。
【0075】
上記目的を解決する第71の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第54、第55または第57の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、給電により前記基板との間に容量結合型の窒素ガスプラズマを発生させることを特徴とする。
【0076】
上記目的を解決する第72の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第54、第55または第57の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、前記リング状パイプの周方向の少なくとも一箇所が絶縁されると共に、給電により前記基板との間に誘導結合型の窒素ガスプラズマを発生させることを特徴とする。
【0077】
上記目的を解決する第73の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第54ないし第72の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記金属はタンタル、タングステン、チタン、シリコンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする。
【0078】
上記目的を解決する第74の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第55ないし第73の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする。
【0079】
上記目的を解決する第75の発明に係る酸化金属膜作製方法は、第1ないし第16の発明に係る酸化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記金属は銅であることを特徴とする。
【0080】
上記目的を解決する第76の発明に係る窒化金属膜作製方法は、第38ないし第53の発明に係る窒化金属膜作製方法のいずれかにおいて、
前記金属は銅であることを特徴とする。
【0081】
上記目的を解決する第77の発明に係る酸化金属膜作製装置は、第17ないし第37の発明に係る酸化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記金属は銅であることを特徴とする。
【0082】
上記目的を解決する第78の発明に係る窒化金属膜作製装置は、第54ないし第74の発明に係る窒化金属膜作製装置のいずれかにおいて、
前記金属は銅であることを特徴とする。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係る酸化金属膜作製方法及び酸化金属膜作製装置を説明する。本発明に係る酸化金属膜作製方法及び酸化金属膜作製装置は、本発明者らが以前提案したハロゲンガスプラズマを用いた金属膜を成膜する方法及び装置に対して更に酸素ガスプラズマ又は酸素ガスを応用し、更には酸素ガスプラズマのみを用いることにより、高い比誘電率(例えば10〜100)を有する例えば酸化ハフニウム、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル等の酸化金属の薄膜を基板に成膜するようにしたものである。
【0084】
<第1の実施形態>
図1に基づいて第1の実施形態に係る酸化金属膜作製方法及び酸化金属膜作製装置を説明する。図1には本発明の第1の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面を示してある。
【0085】
図1に示すように、筒形状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃〜200℃に維持される温度)に制御される。
【0086】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属で形成される被エッチング部材7によって塞がれている。被エッチング部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。本実施形態では、被エッチング部材7の材料としてハフニウム(Hf)を用いたが、これに限られず成膜したい酸化膜に応じてイリジウム(Ir)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)または銅(Cu)等で形成しても良い。
【0087】
チャンバ1の筒部の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9には整合器10及び電源11が接続されて高周波電流が供給される。プラズマアンテナ9、整合器10及び電源11によりプラズマ発生手段が構成されている。
【0088】
支持台2とほぼ同じ高さにおけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈された塩素ガス)を供給する機能(ハロゲンガス供給手段)と酸素ガスを供給する機能(酸素ガス供給手段)を有するノズル12が接続されている。ノズル12は被エッチング部材7に向けて開口し、ノズル12には流量制御器13を介して原料ガス及び酸素ガスが送られる。原料ガス及び酸素ガスは、成膜時にチャンバ1内において壁面側に沿って基板3側から被エッチング部材7側に送られる。成膜に関与しないガス等は排気口17から排気される。
【0089】
なお、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F2 )、臭素(Br2 )及びヨウ素(I2 )などを適用することが可能である。また、流量制御器13はガス供給制御手段としての機能を有し、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給する機能、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給する順序で交互に各ガスを供給する機能及び原料がスと酸素ガスとを同時に供給する機能を有している。
【0090】
上述した酸化金属膜作製装置では、以下に詳説する方法でHfO2 (酸化ハフニウム)薄膜16の成膜を行う。
【0091】
まず、チャンバ1の内部にノズル12から原料ガス及び酸素ガスを同時に供給すると共に、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、原料ガス中の塩素ガス及び酸素ガスをイオン化して塩素ガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させる。これらのプラズマは、ガスプラズマ14で図示する領域に発生する。このときの反応は、次式で表すことができる。
Cl2  → 2Cl*    ・・・・・・(1)
2   → 2O*     ・・・・・・(2)
ここで、Cl* は塩素ガスラジカル、O* 酸素ガスラジカルを表す。
【0092】
この塩素ガスプラズマ及び酸素ガスプラズマにより、被エッチング部材7が加熱されると共に、被エッチング部材7にエッチング反応が生じる。このときの反応は、次式で表される。
Hf(s)+2Cl* → HfCl2 (g) ・・・・(3)
Hf(s)+2O*  → HfO2 (g)  ・・・・(4)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(3)は、被エッチング部材7のHf成分が塩素ガスプラズマによりエッチングされ、ガス化した状態を表す。式(4)は、被エッチング部材7のHf成分が酸素ガスプラズマによりエッチングされ、ガス化した状態を表す。前駆体15は、これらのガス化したHfCl2 、HfO2 及びこれらと組成比が異なる物質(HfX1ClY1、HfX2Y2)である。
【0093】
ガスプラズマ14が発生することにより被エッチング部材7は加熱され、更に温度制御手段により基板3が冷却されることにより、基板3の温度は被エッチング部材7の温度よりも低くなる。この結果、前駆体15は基板3に吸着される。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (g) → HfCl2 (ad) ・・・・(5)
HfO2 (g)  → HfO2 (ad)  ・・・・(6)
ここで、adは吸着状態を表す。
【0094】
基板3に吸着したHfO2 (酸化ハフニウム)は、次式に示すようにそのままHfO2 薄膜16を形成する一部となる。
HfO2 (ad)  → HfO2 (s)  ・・・・(7)
【0095】
一方、基板3に吸着したHfCl2 (塩化ハフニウム)は、次に示す2つの反応を経てHfO2 (酸化ハフニウム)となり、HfO2 薄膜16を形成する一部となる。1つめの反応は、酸素ガスラジカルにより直接酸化されHfO2 (酸化ハフニウム)となる。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (ad)+2O* →HfO2 (s)+Cl2 ↑ ・・(8)
2つめの反応は、塩素ガスラジカルにより還元されてHf成分となった後、酸素ガスラジカルにより酸化されHfO2 (酸化ハフニウム)となる。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (ad)+2Cl* →Hf(s)+Cl2 ↑ ・・(9)
Hf(s)  +  2O*  →HfO2 (s)    ・・(10)
【0096】
更に、上式(3)において発生したガス化したHfCl2 (塩化ハフニウム)の一部は、上式(5)に示すように基板3に吸着する前に、酸素ガスラジカルにより酸化されてガス状態のHfO2 (酸化ハフニウム)となる。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (g)+2O* →HfO2 (g)+Cl2 ↑ ・・(11)
この後、ガス状態のHfO2 (酸化ハフニウム)は、上式(6)、(7)の反応により基板3に成膜され、HfO2 薄膜16を形成する一部となる。
【0097】
得られたHfO2 薄膜は安定した元素組成を有し、X線解析の結果、薄膜の結晶性については高い結晶性を有することが分かった。すなわち、本実施形態によれば、均一な膜質を有し、所望の膜特性を得ることができるHfO2 薄膜16を成膜することができる。
【0098】
上記実施形態では、ガス供給制御手段により原料ガス(塩素ガス含有)及び酸素ガスを同時に供給した例を示したが、これに限られるものではない。
【0099】
すなわち、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給した場合でも、同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。この場合には、基本的にはHf薄膜が成膜された後に酸素ガスプラズマで酸化されて成膜されるHfO2 薄膜(上式(10))と、酸素ガスプラズマによる被エッチング部材のエッチングにより成膜されるHfO2 薄膜(上式(4)、(6)、(7)で示す反応)とからなるHfO2 薄膜16が形成される。よって、式(11)に示すガス状態のHfCl2 が酸素ガスラジカルにより酸化されて成膜される反応は生じないと考えられる。ただし、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給した場合には、第1所定時間を比較的短めにして第2所定時間を比較的長めにする必要がある。これは、第1所定時間を長くして成膜した厚い膜厚のHf薄膜の場合には、上式(10)で表す酸素ガスプラズマによるHf薄膜の酸化反応が薄膜の内部にまで及ばず、薄膜の内部にはHf単体金属が残留してしまうためである。
【0100】
また、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給する順序で交互に各ガスを供給した場合でも、同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。前述した原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給した場合には厚い膜厚の成膜に対応することができないのに対して、この場合には、薄い成膜を何度も繰り返すことによって結果的に厚い膜厚のHfO2 薄膜16とすることができる。
【0101】
また、上記実施形態では、塩素ガスプラズマと酸素ガスプラズマとを発生させて成膜した例を示したが、これに限られるものではない。
【0102】
すなわち、酸素ガスをプラズマ化せずに酸素ガスの状態で成膜に寄与させても、第1の実施形態と同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。この場合には、例えば、酸素ガスの供給方向を被エッチング部材7の方向ではなく、基板3に向けて供給する。このように、プラズマアンテナ9からのほとんど電磁波が及ばない領域に酸素ガスを供給して、酸素ガスのまま成膜反応に関与させる。酸素ガスを直接成膜反応に使用することで、以下の反応に基づいてHfO2 薄膜16が成膜されると考えられる。
【0103】
すなわち、塩素ガスラジカルにより被エッチング部材7がエッチングされて生成した前駆体のHfCl2 (上式(3))は、一部は基板3に吸着し、他の一部は酸素ガスにより酸化されHfO2 となって成膜される。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (g)+O2 →HfO2 (g)+Cl2 ↑ ・・(12)
HfO2 (g)→HfO2 (ad)→HfO2 (s) ・・(13)
一方、基板に吸着したHfCl2 は、一部は酸素ガスにより直接酸化されてHfO2 となる。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (ad)+O2 →HfO2 (s)+Cl2 ↑ ・・(14)
他の一部は塩素ガスラジカルによる還元の後、酸素ガスにより酸化されてHfO2 となり成膜される。このときの反応は、次式で表される。
HfCl2 (ad)+2Cl* →Hf(s)+Cl2 ↑ ・・(15)
Hf(s)  +  O2   → HfO2 (s)   ・・(16)
【0104】
この結果、酸素ガスをプラズマ化せずに酸素ガスとして成膜反応に寄与させても、同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。ただし、酸素ガスは酸素ガスプラズマに比べて反応性は低いため、例えば、基板3の温度を、被エッチング部材7よりも高くならない範囲で、第1の実施形態で説明した方法よりも比較的高めに設定しておくことで反応性を向上させることができる。
【0105】
また、塩素ガスプラズマを発生させずに(原料ガスを供給せずに)、酸素ガスプラズマのみで第1の実施形態と同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。この場合には、例えば、ノズル12から酸素ガスのみを供給してプラズマアンテナ9によりプラズマ化し、酸素ガスプラズマのみで被エッチング部材7のエッチング及び基板3への成膜を行う。このときの反応は、上式(2)、(4)、(6)、(7)で表される。なお、この場合には、塩素ガスプラズマが成膜反応に関与しないため、被エッチング部材7は高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属である必要はなく、酸化されうる金属であればどのような金属でも良い。
【0106】
なお、原料ガスとして、He,Ar等で希釈された塩素ガスを例に挙げて説明したが、塩素ガスを単独で用いたり、HClガスを適用することも可能である。HClガスを適用した場合、原料ガスプラズマとしてはHClガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材7のエッチングにより生成される前駆体はHfx Cly である。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HClガスと塩素ガスとの混合ガスを用いることも可能である。もちろん、塩素ガスを希釈する際に、酸素ガスと混合することにより希釈しても良い。
【0107】
次に、図2ないし図9に基づいて、本発明の第2ないし第9の実施形態に係る酸化金属膜作製方法及び酸化金属膜作製装置を説明する。以下に示した酸化金属膜作製方法及び酸化金属膜作製装置でも、塩素ガスと酸素ガスとを同時に供給しプラズマ化することで発生した塩素ガスプラズマ及び酸素ガスプラズマにより、被エッチング部材をエッチングして金属酸化物の薄膜を基板に成膜する。これにより、高い結晶性等の均一な膜質を有する金属酸化物の薄膜を成膜することが可能となる。
【0108】
図2ないし図9には、本発明の第2ないし第9の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略構成を示してある。なお、図1に示した酸化金属膜作製装置と同種部材には同一符号を付し、重複する説明は省略してある。
【0109】
<第2の実施形態>
図2に示した第2の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板25によって塞がれている。天井板25の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ27が設けられ、プラズマアンテナ27は天井板25の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ27には整合器10及び電源11が接続されて高周波電流が供給される。
【0110】
チャンバ1の上面の開口部と天井板25との間には、高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属で形成される被エッチング部材26が挟持されている。本実施形態では、被エッチング部材26の材料としてハフニウム(Hf)を用いたが、これに限られず成膜したい酸化膜に応じてイリジウム(Ir)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)または銅(Cu)等で形成しても良い。
【0111】
被エッチング部材26は、チャンバ1の内壁から径方向中心に向かうと共に円周方向に複数設けられる突起部からなり、突起部同士の間には切欠部(空間)が存在している。このため、プラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続状態となるように基板3と天井板25との間に配置されている。
【0112】
本実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル12からハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガス及び酸素ガスを供給し、プラズマアンテナ27から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、塩素ガス及び酸素ガスがイオン化されて塩素ガスプラズマまたは酸素ガスプラズマが発生する。これらのプラズマは、ガスプラズマ14で図示する領域に発生する。前記各プラズマにより、被エッチング部材26にエッチング反応が生じ、第1の実施形態と同じ作用によりHfO2 薄膜16が成膜される。
【0113】
プラズマアンテナ27の下部には導電体である被エッチング部材26が存在しているが、被エッチング部材26はプラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続な状態で配置されているので、被エッチング部材26と基板3との間、すなわち、被エッチング部材26の下側に前記各ガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0114】
<第3の実施形態>
図3に示した第3の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、図1に示した酸化金属膜作製装置と比較して、チャンバ1の筒部の周囲にはプラズマアンテナ9が設けられておらず、被エッチング部材7に整合器10及び電源11が接続されて被エッチング部材7に高周波電流が供給される。また、支持台2(基板3)はアースされている。
【0115】
本実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル12からハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガス及び酸素ガスを供給し、被エッチング部材7からチャンバ1の内部に静電場を作用させることで、塩素ガス及び酸素ガスがイオン化されて塩素ガスプラズマまたは酸素ガスプラズマが発生する。これらのプラズマは、ガスプラズマ14で図示する領域に発生する。前記各プラズマにより、被エッチング部材7にエッチング反応が生じ、第1の実施形態と同じ作用によりHfO2 薄膜16が成膜される。
【0116】
本実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、被エッチング部材7自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ1の筒部の周囲にプラズマアンテナ9(図1参照)が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0117】
<第4の実施形態>
図4に示した第4の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)の天井板29によって塞がれている。天井板29の下面には高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属で形成される被エッチング部材30が設けられ、被エッチング部材30は四角錐形状となっている。
【0118】
本実施形態では、被エッチング部材30の材料としてハフニウム(Hf)を用いたが、これに限られず成膜したい酸化膜に応じてイリジウム(Ir)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)または銅(Cu)等で形成しても良い。
【0119】
被エッチング部材30とほぼ同じ高さにおけるチャンバ1の筒部の周囲には、スリット状の開口部31が形成され、開口部31には筒状の通路32の一端がそれぞれ固定されている。通路32の途中部には絶縁体製の筒状の励起室33が設けられ、励起室33の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ34が設けられ、プラズマアンテナ34は整合器10及び電源11に接続されて高周波電流が供給される。通路32の他端側には流量制御器20、13が接続され、流量制御器20を介して通路32内に酸素ガスが、流量制御器13を介して通路32内にハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガスが供給される。開口部31と通路32と励起室33とプラズマアンテナ34と整合器10と電源11と流量制御器とから構成される部位を以下、「チャンバ外プラズマ発生室」と言う。
【0120】
以下、原料ガスを例にして、被エッチング部材30に作用する仕組みを説明する。流量制御器13を介して通路32内に供給された原料ガスは、励起室33に送り込まれる。次に、プラズマアンテナ34から電磁波を励起室33の内部に入射することで、塩素ガスをイオン化して塩素ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)35を発生させる。真空装置8によりチャンバ1内の圧力と励起室33の圧力とに所定の差圧が設定されているため、励起室33の塩素ガスプラズマ35の塩素ラジカルは開口部31からチャンバ1内の被エッチング部材30に送られる。この塩素ラジカルにより被エッチング部材30にエッチング反応が生じる。一方、酸素ガスも同様にして、ガスプラズマ35で図示する領域に酸素ガスプラズマが発生し、チャンバ1内に送られて被エッチング部材30をエッチングする。その後は第1の実施形態と同様の反応により、基板3にHfO2 薄膜16が成膜される。
【0121】
本実施形態に係る酸化金属膜作製装置は、チャンバ1と隔絶した(チャンバ1の外部に設けた)励起室33で前記各ガスプラズマを発生させるようにしているので、基板3がプラズマに晒されることがなくなり、基板3にプラズマによる損傷が生じることがない。例えば、前工程で別材料の膜が成膜された基板3に更なる成膜を行う場合には、前工程で成膜された材料の膜を損傷させることなく次の成膜が可能である。なお、励起室33で前記各ガスプラズマを発生させる手段としては、マイクロ波、レーザ、電子線、放射光等を用いることも可能である。
【0122】
なお、第1ないし第4の実施形態では、原料ガス(ハロゲンガス含有)を供給するハロゲンガス供給手段と酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段とを一体にして一つの供給手段(例えば、図1ではノズル12から両ガスを供給)とした例を示したが、これに限られるものではない。例えば、原料ガスを供給するノズルと酸素ガスを供給するノズルとを別個に設置しても良い。この場合、第4の実施形態に係る装置では、後に詳説するように(図8に係る第8の実施形態)原料ガス専用の励起室と酸素ガス専用の励起室を設置する。両ガスの供給手段を別個に設置することにより、両ガスの供給制御を精度良く行うことができる。
【0123】
<第5の実施形態>
図5に示した第5の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、図1に示す第1の実施形態を応用した一例であり、図1に示した酸化金属膜作製装置と比較して、酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と原料ガス(ハロゲンガス含有)を供給するハロゲンガス供給手段とが独立して設置されており、酸素ガスを供給する際には予めプラズマ化してチャンバ内に供給することができるようになっている点において異なる。
【0124】
本実施形態では、第4の実施例で説明した「チャンバ外プラズマ発生室」が酸素ガス専用として設置されており、酸素ガスがチャンバ1内に供給される前にプラズマ化され、酸素ガスプラズマとして基板3を覆うように供給されるようになっている。原料ガスはノズル12から酸素ガスプラズマとは別個にチャンバ1の内部に供給されるようになっており、プラズマアンテナ9から入射される電磁波の作用でプラズマ化される。
【0125】
<第6の実施形態>
図6に示した第6の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、図2に示す第2の実施形態を応用した一例であり、図2に示した酸化金属膜作製装置と比較して、酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と原料ガス(ハロゲンガス含有)を供給するハロゲンガス供給手段とが独立して設置されており、酸素ガスを供給する際には予めプラズマ化してチャンバ内に供給することができるようになっている点において異なる。
【0126】
本実施形態では、第4の実施例で説明した「チャンバ外プラズマ発生室」が酸素ガス専用として設置されており、酸素ガスがチャンバ1内に供給される前にプラズマ化され、酸素ガスプラズマとして基板3を覆うように供給されるようになっている。原料ガスはノズル12から酸素ガスプラズマとは別個にチャンバ1の内部に供給されるようになっており、プラズマアンテナ27から入射される電磁波の作用でプラズマ化される。
【0127】
<第7の実施形態>
図7に示した第7の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、図3に示す第3の実施形態を応用した一例であり、図3に示した酸化金属膜作製装置と比較して、酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と原料ガス(ハロゲンガス含有)を供給するハロゲンガス供給手段とが独立して設置されており、酸素ガスを供給する際には予めプラズマ化してチャンバ内に供給することができるようになっている点において異なる。
【0128】
本実施形態では、第4の実施例で説明した「チャンバ外プラズマ発生室」が酸素ガス専用として設置されており、酸素ガスがチャンバ1内に供給される前にプラズマ化され、酸素ガスプラズマとして基板3を覆うように供給されるようになっている。原料ガスはノズル12から酸素ガスプラズマとは別個にチャンバ1の内部に供給されるようになっており、被エッチング部材7から入射される静電場の作用でプラズマ化される。
【0129】
<第8の実施形態>
図8に示した第8の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、図4に示す第4の実施形態を応用した一例であり、図4に示した酸化金属膜作製装置と比較して、酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と原料ガス(ハロゲンガス含有)を供給するハロゲンガス供給手段とが独立して設置されている点において異なる。
【0130】
本実施形態では、酸素ガス専用の「チャンバ外プラズマ発生室」と原料ガス専用の「チャンバ外プラズマ発生室」とが設置されており、酸素ガスが原料ガスとは別にプラズマ化され、基板3を覆うように酸素ガスプラズマが供給されるようになっている。原料ガスは励起室33においてプラズマ化され、被エッチング部材30に供給される。
【0131】
第5ないし第8の実施形態におけるHfO2 薄膜16の成膜機構は、基本的にはそれぞれ第1ないし第4の実施形態で説明した成膜機構と同様である。しかしながら、酸素ガスが「チャンバ外プラズマ発生室」から酸素ガスプラズマとして基板3を覆うようにして供給されるとにより、酸素ガスラジカルによる被エッチング部材7、26のエッチング(上式(4))及びそれ以降の成膜反応(上式(6)、(7))は発生しにくいと考えられる。一方、前駆体HfCl2 の酸化反応(上式(11))、特に基板3付近で発生する基板3に吸着した前駆体HfCl2 の酸化反応(上式(8))及びHf単体の酸化反応(上式(10))は発生する確率が高くなると考えられる。
【0132】
第5ないし第8の実施形態では、塩素ガス及び酸素ガスの供給手段を別個に設置したことで、両ガスの供給制御を精度良く行うことができる。さらに、酸素ガスを予めプラズマ化し、基板3に直接吹き掛けるようにしたため、効率よく金属酸化物の薄膜を成膜することが可能となる。なお、プラズマアンテナ34’への給電を停止すれば酸素ガスのまま成膜反応に寄与させることができる。
【0133】
<第9の実施形態>
図9に示した第9の実施形態に係る酸化金属膜作製装置では、図2に示す第2の実施形態を応用した一例であり、図2に示した酸化金属膜作製装置と比較して、酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段(ガスリング40等)と原料ガス(ハロゲンガス含有)を供給するハロゲンガス供給手段(ノズル12等)とが独立して設置され、更に酸素ガス供給手段は基板の周囲に配置されたリング状のパイプとなっている点において異なる。
【0134】
チャンバ1の内部における支持台2の周囲にはリング状パイプのガスリング40が設けられてガス流路が形成され、ガスリング40には装置外部から酸素ガスが送られるようになっている。なお、図9に示すガスリング40は側断面図であり、ガス流路となるパイプが輪切りとなって図示されている。ガスリング40にはガスノズルとしての噴出穴がリング内径側の周方向に多数設けられ、ガスリング40に酸素ガスが送られることで、噴出穴から酸素ガスが基板3に向かって噴出するようになっている。
【0135】
さらに、ガスリング40は導電体製であり、整合器10を介して電源11から高周波電流が供給されるようになっている。一方、基板3は接地されており、ガスリング40に給電することによりガスリング40と基板3との間に静電場が生じるようになっている。
【0136】
本実施形態においては、ノズル12から被エッチング部材26に向けて供給された原料ガスは、第2の実施形態における原料ガスと同様の作用によりHfO2 薄膜16の成膜に寄与する。一方、酸素ガスはガスリング40から基板3に向けて供給されると共に、ガスリング40への給電により発生する静電場の作用によりプラズマ化される結果、基板3の周辺は酸素ガスプラズマ(容量結合型プラズマ)で覆われることになる。これにより、HfO2 薄膜16を効率的に成膜することができる。
【0137】
本実施形態におけるHfO2 薄膜16の成膜機構は、基本的には第2の実施形態と同様である。しかしながら、酸素ガスプラズマは基板3の周辺で発生するため、酸素ガスラジカルによる被エッチング部材26のエッチング(上式(4))及びそれ以降の成膜反応(上式(6)、(7))は発生しにくいと考えられる。一方、塩素ガスラジカルにより発生する前駆体HfCl2 の酸化反応(上式(11))、特に基板3付近で発生する基板3に吸着した前駆体HfCl2 の酸化反応(上式(8))及びHf単体の酸化反応(上式(10))は発生する確率が高くなると考えられる。
【0138】
なお、ガスリング40に給電せずに酸素ガスを供給した場合は、酸素ガスはプラズマ化せずに酸素ガスとして成膜反応に関与することになる。この場合にも、第1の実施形態と同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。
【0139】
また、ガスリング40の周方向の一箇所を絶縁し、絶縁部分を挟んで一方側を電源11側に接続すると共に他方側を接地しても、酸素ガスをプラズマ化することができる。この場合には、ガスリング40と基板3との間に誘導結合型の酸素ガスプラズマを発生させることができる。
【0140】
更に、ハロゲンガス供給手段としてのノズル12の形状をガスリング40のようにして、チャンバ内にハロゲンガス(塩素ガス)を供給してもよい。この場合には、原料ガスから発生する塩素ガスプラズマが被エッチング部材26をエッチングできるように、リング内径側の周方向に設けられる噴出穴の向きを被エッチング部材の方向に向けておくことが好ましい。
【0141】
以上、第2ないし第9の実施形態を詳細に説明したが、第2ないし第9の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、得られたHfO2 薄膜は安定した元素組成を有し、X線解析の結果、薄膜の結晶性については高い結晶性を有することが分かった。すなわち、第2ないし第9の実施形態によれば、均一な膜質を有し、所望の膜特性を得ることができるHfO2 薄膜16を成膜することができる。
【0142】
また、第2ないし第9の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ガス供給制御手段により原料ガス(塩素ガス含有)及び酸素ガスを同時に供給した例を示したが、これに限られるものではない。すなわち、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給した場合や、原料ガスを第1所定時間供給した後に酸素ガスを第2所定時間供給する順序で交互に各ガスを供給した場合でも、同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。この場合のHfO2 薄膜16が形成される機構は第1の実施形態で説明した通りである。
【0143】
また、第2ないし第9(第4の実施形態を除く)の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、塩素ガスプラズマと酸素ガスプラズマとを発生させて成膜した例を示したが、これに限られるものではない。すなわち、酸素ガスをプラズマ化せずに酸素ガスの状態で成膜に寄与させても、第1の実施形態と同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。第4の実施形態では、装置の性質上、酸素ガスをプラズマ化せずに、塩素ガスをプラズマ化してこれらを同時に供給することはできない。しかしながら、第4の実施形態に係る装置において酸素ガスと塩素ガスプラズマを供給するタイミングを変える場合にはプラズマ化させない酸素ガスを使用することが可能であり、第1の実施形態と同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。
【0144】
また、第2ないし第9の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、塩素ガスプラズマを発生させずに(原料ガスを供給せずに)、酸素ガスプラズマのみで第1の実施形態と同様に均一な膜質を有するHfO2 薄膜16を成膜することができる。
【0145】
また、第2ないし第9の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、原料ガスとして、He,Ar等で希釈された塩素ガスを例に挙げて説明したが、塩素ガスを単独で用いたり、HClガスを適用することも可能である。原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HClガスと塩素ガスとの混合ガスを用いることも可能である。もちろん、塩素ガスを希釈する際に、酸素ガスと混合することにより希釈しても良い。
【0146】
次に、図面に基づいて本発明の実施形態に係る窒化金属膜作製方法及び窒化金属膜作製装置を説明する。本発明に係る窒化金属膜作製方法及び窒化金属膜作製装置は、本発明者らが以前提案したハロゲンガスプラズマを用いた金属膜を成膜する方法及び装置に対して更に窒素ガスプラズマ又は窒素ガスを応用し、更には窒素ガスプラズマのみを用いることにより、例えばバリアメタル膜等に適用される窒化金属の薄膜を基板に成膜するようにしたものである。
【0147】
<第10の実施形態>
図10に基づいて第10の実施形態に係る窒化金属膜作製方法及び窒化金属膜作製装置を説明する。図10には本発明の第10の実施形態に係る窒化金属膜作製方法を実施する窒化金属膜作製装置の概略側面を示してある。
【0148】
図10に示すように、筒形状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃〜200℃に維持される温度)に制御される。
【0149】
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属で形成される被エッチング部材7によって塞がれている。被エッチング部材7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置8により所定の圧力に維持される。本実施形態では、被エッチング部材7の材料としてチタン(Ti)を用いたが、これに限られず成膜したい窒化膜に応じてタンタル(Ta)、タングステン(W)、シリコン(Si)または銅(Cu)等で形成しても良い。
【0150】
チャンバ1の筒部の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ9が設けられ、プラズマアンテナ9には整合器10及び電源11が接続されて高周波電流が供給される。プラズマアンテナ9、整合器10及び電源11によりプラズマ発生手段が構成されている。
【0151】
支持台2よりやや高い位置におけるチャンバ1の筒部には、チャンバ1の内部にハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガス(He,Ar等で塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈された塩素ガス)を供給する機能(ハロゲンガス供給手段)を有するノズル12が接続されている。ノズル12は被エッチング部材7に向けて開口し、ノズル12には流量制御器13を介して原料ガスが送られる。原料ガスは、成膜時にチャンバ1内において壁面側に沿って基板3側から被エッチング部材7側に送られる。成膜に関与しないガス等は排気口17から排気される。
【0152】
基板3とほぼ同じ高さにおけるチャンバ1の筒部の周囲には、スリット状の開口部31が形成され、開口部31には筒状の通路32の一端がそれぞれ固定されている。通路32の途中部には絶縁体製の筒状の励起室33が設けられ、励起室33の周囲にはコイル状のプラズマアンテナ34が設けられ、プラズマアンテナ34は整合器10及び電源11に接続されて高周波電流が供給される。通路32の他端側には流量制御器13’が接続され、流量制御器13’を介して通路32内に窒素ガスが供給される。開口部31と通路32と励起室33とプラズマアンテナ34と整合器10と電源11と流量制御器13’とから構成される部位を以下、「チャンバ外プラズマ発生室」と言う。
【0153】
なお、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素(F2 )、臭素(Br2 )及びヨウ素(I2 )などを適用することが可能である。また、流量制御器13及び13’はガス供給制御手段としての機能を有し、連動することにより、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給する機能、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給する順序で交互に各ガスを供給する機能及び原料がスと窒素ガスとを同時に供給する機能を有している。
【0154】
上述した窒化金属膜作製装置では、以下に詳説する方法でTiN(窒化チタン)薄膜16の成膜を行う。
【0155】
まず、ノズル12からチャンバ1の内部に原料ガス、励起室33に窒素ガスを同時に供給する。次に、プラズマアンテナ9から電磁波をチャンバ1の内部に入射すると共に、プラズマアンテナ34から電磁波を励起室33の内部に入射することで、原料ガス中の塩素ガス及び窒素ガスをイオン化して塩素ガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させる。塩素ガスプラズマは、ガスプラズマ14で図示する領域に、窒素ガスプラズマは励起室33内に発生する。このときの反応は、次式で表すことができる。
Cl2  → 2Cl*    ・・・・・・(21)
2   → 2N*     ・・・・・・(22)
ここで、Cl* は塩素ガスラジカル、N* 窒素ガスラジカルを表す。
【0156】
窒素ガスプラズマは、真空装置8によりチャンバ1内の圧力と励起室33の圧力とに所定の差圧が設定されているため、励起室33から開口部31を通過しチャンバ1内、特に基板3の周辺領域に送られる。
【0157】
この塩素ガスプラズマ及び窒素ガスプラズマにより、被エッチング部材7が加熱されると共に、被エッチング部材7にエッチング反応が生じる。このときの反応は、次式で表される。
Ti(s)+4Cl* → TiCl4 (g) ・・・・(23)
Ti(s)+ N*  → TiN(g)   ・・・・(24)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(23)は、被エッチング部材7のTi成分が塩素ガスプラズマによりエッチングされ、ガス化した状態を表す。式(24)は、被エッチング部材7のTi成分が窒素ガスプラズマによりエッチングされ、ガス化した状態を表す。前駆体15は、これらのガス化したTiCl4 、TiN及びこれらと組成比が異なる物質(TiX1ClY1、TiX2Y2)である。なお、本実施形態では窒素ガスプラズマは、特に基板3の周辺領域に送られるため、上式(23)と比較して上式(24)の反応はあまり起きないと考えられる。
【0158】
ガスプラズマ14が発生することにより被エッチング部材7は加熱され、更に温度制御手段により基板3が冷却されることにより、基板3の温度は被エッチング部材7の温度よりも低くなる。この結果、前駆体15は基板3に吸着される。このときの反応は、次式で表される。
TiCl4 (g) → TiCl4 (ad) ・・・・(25)
TiN(g)   → TiN(ad)   ・・・・(26)
ここで、adは吸着状態を表す。
【0159】
基板3に吸着したTiN(窒化チタン)は、次式に示すようにそのままTiN薄膜16を形成する一部となる。
TiN(ad)  → TiN(s)    ・・・・(27)
【0160】
一方、基板3に吸着したTiCl4 (塩化チタン)は、次に示す2つの形態の反応を経てTiN(窒化チタン)となり、TiN薄膜16を形成する一部となる。1つめの反応は、窒素ガスラジカルにより直接窒化されTiN(窒化チタン)となる。このときの反応は、次式で表される。
TiCl4 (ad)+N* →TiN(s)+2Cl2 ↑ ・・(28)
2つめの反応は、塩素ガスラジカルにより還元されてTi成分となった後、窒素ガスラジカルにより窒化されTiN(窒化チタン)となる。このときの反応は、次式で表される。
TiCl4 (ad)+4Cl* →Ti(s)+4Cl2 ↑ ・(29)
Ti(s)  +   N*  →TiN(s)     ・・(30)
なお、本実施形態では窒素ガスプラズマは、特に基板3の周辺領域に送られるため、これら2つの形態によるTiN(窒化チタン)生成が頻繁に起きると考えられる。
【0161】
更に、上式(23)において発生したガス化したTiCl4 (塩化チタン)の一部は、上式(25)に示すように基板3に吸着する前に、窒素ガスラジカルにより窒化されてガス状態のTiN(窒化チタン)となる。このときの反応は、次式で表される。
TiCl4 (g)+N* →TiN(g)+2Cl2 ↑ ・・・(31)
この後、ガス状態のTiN(窒化チタン)は、上式(26)、(27)の反応により基板3に成膜され、TiN薄膜16を形成する一部となる。
【0162】
得られたTiN薄膜は安定した元素組成を有し、X線解析の結果、薄膜の結晶性については高い結晶性を有することが分かった。すなわち、本実施形態によれば、均一な膜質を有し、所望の膜特性を得ることができるTiN薄膜16を成膜することができる。
【0163】
本実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、励起室33で窒素ガスプラズマを発生させる手段として、誘導コイルによる手段としたが、これに限られず、例えばマイクロ波、レーザ、電子線、放射光等を用いることも可能である。
【0164】
本実施形態では、ガス供給制御手段により原料ガス(塩素ガス含有)及び窒素ガスを同時に供給した例を示したが、これに限られるものではない。
【0165】
すなわち、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給した場合でも、同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。この場合には、基本的にはTi薄膜が成膜された後に窒素ガスプラズマで窒化されて成膜されるTiN薄膜(上式(30))と、窒素ガスプラズマによる被エッチング部材のエッチングにより成膜されるTiN薄膜(上式(24)、(26)、(27)で示す反応)とからなるTiN薄膜16が形成される。よって、式(31)に示すガス状態のTiCl4 が窒素ガスラジカルにより窒化されて成膜される反応は生じないと考えられる。ただし、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給した場合には、第1所定時間を比較的短めにして第2所定時間を比較的長めにする必要がある。これは、第1所定時間を長くして成膜した厚い膜厚のTi薄膜の場合には、上式(30)で表す窒素ガスプラズマによるTi薄膜の窒化反応が薄膜の内部にまで及ばず、薄膜の内部にはTi単体金属が残留してしまうためである。
【0166】
また、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給する順序で交互に各ガスを供給した場合でも、同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。前述した原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給した場合には厚い膜厚の成膜に対応することができないのに対して、この場合には、薄い成膜を何度も繰り返すことによって結果的に厚い膜厚のTiN薄膜16とすることができる。
【0167】
また、本実施形態では、塩素ガスプラズマと窒素ガスプラズマとを発生させて成膜した例を示したが、これに限られるものではない。
【0168】
すなわち、窒素ガスをプラズマ化せずに窒素ガスの状態で成膜に寄与させても、同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。この場合には、プラズマアンテナ34への給電を中止し、励起室33内を窒素ガスのまま通過させて成膜反応に関与させる。窒素ガスを直接成膜反応に使用することで、以下の反応に基づいてTiN薄膜16が成膜されると考えられる。
【0169】
すなわち、塩素ガスラジカルにより被エッチング部材7がエッチングされて生成した前駆体のTiCl4 (上式(23))は、一部は基板3に吸着し、他の一部は窒素ガスにより窒化されTiNとなって成膜される。このときの反応は、次式で表される。
2TiCl4 (g)+N2 →2TiN(g)+4Cl2 ↑ ・・(32)
TiN(g) → TiN(ad) → TiN(s) ・・(33)
一方、基板に吸着したTiCl4 は、一部は窒素ガスにより直接窒化されてTiNとなる。このときの反応は、次式で表される。
2TiCl4 (ad)+N2 →2TiN(s)+4Cl2 ↑・・(34)
他の一部は塩素ガスラジカルによる還元の後、窒素ガスにより窒化されてTiNとなり成膜される。このときの反応は、次式で表される。
TiCl4 (ad)+4Cl* →Ti(s)+4Cl2 ↑・・(35)
2Ti(s)  +  N2  → 2TiN(s)   ・・(36)
【0170】
この結果、窒素ガスをプラズマ化せずに窒素ガスとして成膜反応に寄与させても、同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。ただし、窒素ガスは窒素ガスプラズマに比べて反応性は低いため、例えば、基板3の温度を、被エッチング部材7よりも高くならない範囲で、第10の実施形態で説明した方法よりも比較的高めに設定しておくことで反応性を向上させることができる。
【0171】
また、塩素ガスプラズマを発生させずに(原料ガスを供給せずに)、窒素ガスプラズマのみで第10の実施形態と同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。この場合には、例えば、ノズル12からの原料ガス供給を中止すると共に「チャンバ外プラズマ発生室」から噴出する窒素ガスプラズマを被エッチング部材7に向かうように設置し、窒素ガスプラズマのみで被エッチング部材7のエッチング及び基板3への成膜を行う。このときの反応は、上式(22)、(24)、(26)、(27)で表される。なお、この場合には、塩素ガスプラズマが成膜反応に関与しないため、被エッチング部材7は高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属である必要はなく、窒化されうる金属であればどのような金属でも良い。
【0172】
なお、原料ガスとして、He,Ar等で希釈された塩素ガスを例に挙げて説明したが、塩素ガスを単独で用いたり、HClガスを適用することも可能である。HClガスを適用した場合、原料ガスプラズマとしてはHClガスプラズマが生成されるが、被エッチング部材7のエッチングにより生成される前駆体はTix Cly である。従って、原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HClガスと塩素ガスとの混合ガスを用いることも可能である。もちろん、塩素ガスを希釈する際に、窒素ガスと混合することにより希釈しても良い。
【0173】
次に、図11ないし図13に基づいて、本発明の第11ないし第13の実施形態に係る窒化金属膜作製方法及び窒化金属膜作製装置を説明する。以下に示した窒化金属膜作製方法及び窒化金属膜作製装置でも、塩素ガスと窒素ガスとを同時に供給しプラズマ化する(プラズマ化する場所は異なる)ことで発生した塩素ガスプラズマ及び窒素ガスプラズマにより、被エッチング部材をエッチングして金属窒化物の薄膜を基板に成膜する。これにより、高い結晶性等の均一な膜質を有する金属窒化物の薄膜を成膜することが可能となる。
【0174】
図11ないし図13には、本発明の第11ないし第13の実施形態に係る窒化金属膜作製方法を実施する窒化金属膜作製装置の概略構成を示してある。なお、図10に示した窒化金属膜作製装置と同種部材には同一符号を付し、重複する説明は省略してある。
【0175】
<第11の実施形態>
図11に示した第11の実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板25によって塞がれている。天井板25の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ27が設けられ、プラズマアンテナ27は天井板25の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ27には整合器10及び電源11が接続されて高周波電流が供給される。
【0176】
チャンバ1の上面の開口部と天井板25との間には、高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属で形成される被エッチング部材26が挟持されている。本実施形態では、被エッチング部材26の材料としてチタン(Ti)を用いたが、これに限られず成膜したい窒化膜に応じてタンタル(Ta)、タングステン(W)、シリコン(Si)または銅(Cu)等で形成しても良い。
【0177】
被エッチング部材26は、チャンバ1の内壁から径方向中心に向かうと共に円周方向に複数設けられる突起部からなり、突起部同士の間には切欠部(空間)が存在している。このため、プラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続状態となるように基板3と天井板25との間に配置されている。
【0178】
本実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル12からハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガスを供給し、プラズマアンテナ27から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、塩素ガスがイオン化されて塩素ガスプラズマが発生する。塩素ガスプラズマは、ガスプラズマ14で図示する領域に発生する。また、窒素ガスプラズマは第10の実施形態で説明したのと同様の機構で励起室33内に発生し、チャンバ1内、特に基板3の周辺領域に送られる。これらの各プラズマにより、被エッチング部材26にエッチング反応が生じ、第10の実施形態と同じ作用によりTiN薄膜16が成膜される。
【0179】
プラズマアンテナ27の下部には導電体である被エッチング部材26が存在しているが、被エッチング部材26はプラズマアンテナ27に流れる電流の流れ方向に対して不連続な状態で配置されているので、被エッチング部材26と基板3との間、すなわち、被エッチング部材26の下側にガスプラズマ14が安定して発生するようになっている。
【0180】
<第12の実施形態>
図12に示した第12の実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、図10に示した窒化金属膜作製装置と比較して、チャンバ1の筒部の周囲にはプラズマアンテナ9が設けられておらず、被エッチング部材7に整合器10及び電源11が接続されて被エッチング部材7に高周波電流が供給される。また、支持台2(基板3)はアースされている。
【0181】
本実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル12からハロゲンガスとしての塩素ガスを含有する原料ガスを供給し、被エッチング部材7からチャンバ1の内部に静電場を作用させることで、塩素ガスがイオン化されて塩素ガスプラズマが発生する。塩素ガスプラズマは、ガスプラズマ14で図示する領域に発生する。また、窒素ガスプラズマは第10の実施形態で説明したのと同様の機構で励起室33内に発生し、チャンバ1内、特に基板3の周辺領域に送られる。これらのプラズマにより、被エッチング部材7にエッチング反応が生じ、第10の実施形態と同じ作用によりTiN薄膜16が成膜される。
【0182】
本実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、被エッチング部材7自身をプラズマ発生用の電極として適用しているので、チャンバ1の筒部の周囲にプラズマアンテナ9(図10参照)が不要となり、周囲の構成の自由度を増すことができる。
【0183】
<第13の実施形態>
図13に示した第13の実施形態に係る窒化金属膜作製装置では、チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は、例えば、セラミックス製(絶縁材料製)の天井板29によって塞がれている。天井板29の下面には高蒸気圧ハロゲン化物を形成しうる金属で形成される被エッチング部材30が設けられ、被エッチング部材30は四角錐形状となっている。
【0184】
また、本実施形態に係る窒化金属膜作製装置は、図10に示した窒化金属膜作製装置と比較して、チャンバ1の筒部の周囲にはプラズマアンテナ9が設けられておらず、窒素ガス専用の「チャンバ外プラズマ発生室」に加えて、原料ガス専用の「チャンバ外プラズマ発生室」が設置されている点が異なっている。これにより、窒素ガスと原料ガスとが別々にプラズマ化され、基板3を覆うように窒素ガスプラズマが供給されると共に、原料ガスプラズマは被エッチング部材30に向けて供給される。
【0185】
以上、第11ないし第13の実施形態を詳細に説明したが、第11ないし第13の実施形態においても、第10の実施形態と同様に、得られたTiN薄膜は安定した元素組成を有し、X線解析の結果、薄膜の結晶性については高い結晶性を有することが分かった。すなわち、第11ないし第13の実施形態によれば、均一な膜質を有し、所望の膜特性を得ることができるTiN薄膜16を成膜することができる。
【0186】
また、第11ないし第13の実施形態においても、第10の実施形態と同様に、ガス供給制御手段により原料ガス(塩素ガス含有)及び窒素ガスを同時に供給した例を示したが、これに限られるものではない。すなわち、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給した場合や、原料ガスを第1所定時間供給した後に窒素ガスを第2所定時間供給する順序で交互に各ガスを供給した場合でも、同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。この場合のTiN薄膜16が形成される機構は第10の実施形態で説明した通りである。
【0187】
また、第11ないし第13の実施形態においても、第10の実施形態と同様に、塩素ガスプラズマと窒素ガスプラズマとを発生させて成膜した例を示したが、これに限られるものではない。すなわち、窒素ガスをプラズマ化せずに窒素ガスの状態で成膜に寄与させても、第10の実施形態と同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。なお、プラズマアンテナへの給電を停止すれば窒素ガスのまま成膜反応に寄与させることができる。
【0188】
また、第11ないし第13の実施形態においても、第10の実施形態と同様に、塩素ガスプラズマを発生させずに(原料ガスを供給せずに)、窒素ガスプラズマのみで第10の実施形態と同様に均一な膜質を有するTiN薄膜16を成膜することができる。
【0189】
また、第11ないし第13の実施形態においても、第10の実施形態と同様に、原料ガスとして、He,Ar等で希釈された塩素ガスを例に挙げて説明したが、塩素ガスを単独で用いたり、HClガスを適用することも可能である。原料ガスは塩素を含有するガスであればよく、HClガスと塩素ガスとの混合ガスを用いることも可能である。もちろん、塩素ガスを希釈する際に、窒素ガスと混合することにより希釈しても良い。
【0190】
以上説明した、第10ないし第13の実施形態におけるTiN薄膜16の成膜機構では、窒素ガスが「チャンバ外プラズマ発生室」から窒素ガスプラズマとして基板3を覆うようにして供給されることにより、窒素ガスラジカルによる被エッチング部材7、26、30のエッチング(上式(24))及びそれ以降の成膜反応(上式(26)、(27))は発生しにくいと考えられる。一方、前駆体TiCl4 の窒化反応(上式(31))、特に基板3付近で発生する基板3に吸着した前駆体TiCl4 の窒化反応(上式(28))及びTi単体の窒化反応(上式(30))は発生する確率が高くなると考えられる。
【0191】
第10ないし第13の実施形態では、窒素ガスを「チャンバ外プラズマ発生室」において予めプラズマ化した後、チャンバ内に供給する例を示したが、これに限られない。例えば、第1ないし第3の実施形態で説明するように、チャンバ内をプラズマ化するプラズマ発生手段により、チャンバ内においてプラズマ化しても同様に窒化金属膜を成膜することができる。また、第10ないし第13の実施形態では、ハロゲンガス供給手段と窒素ガス供給手段とを独立して設けた例を示したが、ハロゲンガス及び窒素ガスの供給手段を一体にして設置することにより、ガス配管をコンパクトにすることも可能であり、この場合にも同様に窒化金属膜を成膜することができる。
【0192】
また、第10ないし第13の実施形態では、ハロゲンガス供給手段をノズル12で示す形状を例として説明し、窒素ガス供給手段を「チャンバ外プラズマ発生室」タイプとして説明したが、これに限られない。例えば、第9の実施形態で示すように、ハロゲンガス供給手段または窒素ガス供給手段を基板の周囲に配置されたリング状パイプとしても、同様に窒化金属膜を成膜することができる。さらに、リング状パイプのガスリングと基板との間に静電場を生じさせハロゲンガスまたは窒素ガスをプラズマ化(容量結合型プラズマ)して成膜反応に用いてもよい。また、リング状パイプのガスリングと基板との間に誘導電界を生じさせハロゲンガスまたは窒素ガスをプラズマ化(誘導結合型プラズマ)して成膜反応に用いてもよい。これらの場合にも、同様に窒化金属膜を成膜することができる。
【0193】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、
〔請求項1〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部に供給した酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、
金属で形成した被エッチング部材を前記酸素ガスプラズマでエッチングすることにより金属成分と酸素ガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属酸化物である前記前駆体を前記基板に成膜させることとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。
【0194】
〔請求項2〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバ内に供給した酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。
【0195】
〔請求項3〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバの内部に酸素ガスを供給し、前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。更に、酸素をプラズマ化することなく酸化金属膜を成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
【0196】
〔請求項4〕に記載する発明では、〔請求項2〕に記載する発明において、
前記酸素ガスプラズマが以下のA工程、B工程、C工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を酸化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を酸化して金属成分と酸素ガスとの前駆体にする工程。
C工程:前記被エッチング部材をエッチングすることにより金属成分と酸素ガスとの前駆体を形成する工程。
【0197】
〔請求項5〕に記載する発明では、〔請求項3〕に記載する発明において、 前記酸素ガスが以下のA工程、B工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。更に、酸素をプラズマ化することなく成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を酸化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を酸化して金属成分と酸素ガスとの前駆体にする工程。
【0198】
〔請求項6〕に記載する発明では、〔請求項2〕ないし〔請求項5〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス及び酸素ガスを独立した供給手段からそれぞれチャンバの内部に供給することとしたので、
各使用ガスの供給を高い精度で制御すると共に、各使用ガスの純度を保つことができる。
【0199】
〔請求項7〕に記載する発明では、〔請求項2〕ないし〔請求項5〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス及び酸素ガスを同じの一つの供給手段からチャンバの内部に供給することとしたので、
ガス配管等の設備をコンパクトにして、装置まわりの自由度を向上させることができる。
【0200】
〔請求項8〕に記載する発明では、〔請求項6〕または〔請求項7〕に記載する発明において、
ハロゲンガスを供給した後に酸素ガスを供給することとしたので、
各使用ガスの供給を簡便に制御することができる。
【0201】
〔請求項9〕に記載する発明では、〔請求項6〕または〔請求項7〕に記載する発明において、
ハロゲンガスを供給した後に酸素ガスを供給する順序を交互に繰り返すこととしたので、
〔請求項8〕に記載する発明の効果に加えて、更に、厚い膜厚を有する膜の成膜に対応することができる。
【0202】
〔請求項10〕に記載する発明では、〔請求項6〕または〔請求項7〕に記載する発明において、
ハロゲンガスと酸素ガスとを同時に供給することとしたので、
成膜速度を向上させることができる。
【0203】
〔請求項11〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方を誘導結合型プラズマとしたので、
現状の装置構成を利用して本発明を実施することができる。
【0204】
〔請求項12〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方を容量結合型プラズマとしたので、
現状の装置構成を利用して本発明を実施することができる。
【0205】
〔請求項13〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方を誘導結合型プラズマと容量結合型プラズマとからなるハイブリッドプラズマとしたので、
現状の装置構成を利用して本発明を実施することができる。更に、誘導結合型プラズマの有する高い電子密度と電子温度及び容量結合型プラズマの有する低い電子密度と電子温度の中間状態のプラズマとすることができ、電子密度や電子温度等を制御したプラズマにより成膜することができる。
【0206】
〔請求項14〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項13〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方を、予めチャンバの外部でプラズマ化されてチャンバ内に供給されたプラズマとしたので、
チャンバ内に発生したプラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0207】
〔請求項15〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項14〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属をハフニウム、イリジウム、チタン、ジルコニウム、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属としたので、
所望の薄膜、すなわち比誘電率の高い酸化金属膜を作製し、例えば半導体等に応用することが可能となる。
【0208】
〔請求項16〕に記載する発明では、〔請求項2〕ないし〔請求項15〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンを塩素としたので、
成膜速度を向上させると共に成膜コストを低減することができる。
【0209】
〔請求項17〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、当該酸素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と酸素ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属酸化物である前記前駆体を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたこととしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。
【0210】
〔請求項18〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。
【0211】
〔請求項19〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。更に、酸素をプラズマ化することなく成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
【0212】
〔請求項20〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの第1の前駆体を生成し、前記酸素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と酸素ガスとの第2の前駆体を生成すると共に、ハロゲン化金属である前記第1の前駆体を前記酸素ガスプラズマにより金属酸化物である前記第2の前駆体に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記第1の前駆体の金属成分及び前記第2の前駆体を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記酸素ガスプラズマにより金属酸化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。
【0213】
〔請求項21〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成し、ハロゲン化金属である前記前駆体を前記酸素ガスにより酸化して金属酸化物に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記前駆体の金属成分及び前記金属酸化物を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記酸素ガスにより金属酸化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する酸化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する酸化金属膜を成膜することができるため、例えばその比誘電率の高さを利用して、性能が向上した半導体等を作製することができる。更に、酸素をプラズマ化することなく成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
【0214】
〔請求項22〕に記載する発明では、〔請求項18〕ないし〔請求項21〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス供給手段及び前記酸素ガス供給手段を独立した供給手段としたので、
各使用ガスの供給を高い精度で制御すると共に、各使用ガスの純度を保つことができる。
【0215】
〔請求項23〕に記載する発明では、〔請求項18〕ないし〔請求項21〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス供給手段及び酸素ガス供給手段を一体にして一つの供給手段から前記ハロゲンガス及び酸素ガスを供給することとしたので、
ガス配管等の設備をコンパクトにして、装置まわりの自由度を向上させることができる。
【0216】
〔請求項24〕に記載する発明では、〔請求項22〕または〔請求項23〕に記載する発明において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記酸素ガス供給手段により酸素ガスを第2所定時間供給するガス供給制御手段を更に備えたこととしたので、
各使用ガスの供給を簡便に制御することができる。
【0217】
〔請求項25〕に記載する発明では、〔請求項22〕または〔請求項23〕に記載する発明において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記酸素ガス供給手段により酸素ガスを第2所定時間供給する順序を交互に繰り返すガス供給制御手段を備えたこととしたので、
〔請求項24〕に記載する発明の効果に加えて、更に、厚い膜厚を有する膜の成膜に対応するこができる。
【0218】
〔請求項26〕に記載する発明では、〔請求項22〕または〔請求項23〕に記載する発明において、
更に、前記ハロゲンガスと前記酸素ガスとを同時に供給するガス供給制御手段を備えたこととしたので、
成膜速度を向上させることができる。
【0219】
〔請求項27〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0220】
〔請求項28〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
チャンバ内に発生したプラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0221】
〔請求項29〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
チャンバ内に発生したプラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0222】
〔請求項30〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスおよび酸素ガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマおよび酸素ガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマおよび酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0223】
〔請求項31〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。更に、各使用ガスのプラズマを独立して制御することができる。
【0224】
〔請求項32〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属酸化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0225】
〔請求項33〕に記載する発明では、〔請求項17〕ないし〔請求項26〕、〔請求項29〕、〔請求項32〕のいずれかに記載する発明において、
前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置されるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなることとしたので、
基板に成膜される薄膜に対して、効率よく酸化作用を及ぼすことができ、成膜される酸化金属膜の純度を向上させることができる。
【0226】
〔請求項34〕に記載する発明では、〔請求項17〕、〔請求項18〕または〔請求項20〕のいずれかに記載する発明において、
前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、給電により前記基板との間に容量結合型の酸素ガスプラズマを発生させることとしたので、
〔請求項33〕に記載する発明の効果に加えて、酸素ガスプラズマを薄膜に直接作用させることができるため、成膜される酸化金属膜の純度を更に向上させることができる。
【0227】
〔請求項35〕に記載する発明では、〔請求項17〕、〔請求項18〕または〔請求項20〕のいずれかに記載する発明において、
前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、前記リング状パイプの周方向の少なくとも一箇所が絶縁されると共に、給電により前記基板との間に誘導結合型の酸素ガスプラズマを発生させることとしたので、
〔請求項33〕に記載する発明の効果に加えて、酸素ガスプラズマを薄膜に直接作用させることができるため、成膜される酸化金属膜の純度を更に向上させることができる。
【0228】
〔請求項36〕に記載する発明では、〔請求項17〕ないし〔請求項35〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属をハフニウム、イリジウム、チタン、ジルコニウム、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属としたので、
所望の薄膜、すなわち比誘電率の高い酸化金属膜を作製し、例えば半導体等に応用することが可能となる。
【0229】
〔請求項37〕に記載する発明では、〔請求項18〕ないし〔請求項36〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンを塩素としたので、
成膜速度を向上させると共に成膜コストを低減することができる。
【0230】
〔請求項38〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部に供給した窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、
金属で形成した被エッチング部材を前記窒素ガスプラズマでエッチングすることにより金属成分と窒素ガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属窒化物である前記前駆体を前記基板に成膜させることとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。
【0231】
〔請求項39〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバ内に供給した窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。
【0232】
〔請求項40〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
更にチャンバの内部に窒素ガスを供給し、前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。更に、窒素をプラズマ化することなく窒化金属膜を成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
【0233】
〔請求項41〕に記載する発明では、〔請求項39〕に記載する発明において、
前記窒素ガスプラズマが以下のA工程、B工程、C工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を窒化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を窒化して金属成分と窒素ガスとの前駆体にする工程。
C工程:前記被エッチング部材をエッチングすることにより金属成分と窒素ガスとの前駆体を形成する工程。
【0234】
〔請求項42〕に記載する発明では、〔請求項40〕に記載する発明において、
前記窒素ガスが以下のA工程、B工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。更に、窒素をプラズマ化することなく窒化金属膜を成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を窒化する工程。
B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を窒化して金属成分と窒素ガスとの前駆体にする工程。
【0235】
〔請求項43〕に記載する発明では、〔請求項39〕ないし〔請求項42〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス及び窒素ガスを独立した供給手段からそれぞれチャンバの内部に供給することとしたので、
各使用ガスの供給を高い精度で制御すると共に、各使用ガスの純度を保つことができる。
【0236】
〔請求項44〕に記載する発明では、〔請求項39〕ないし〔請求項42〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス及び窒素ガスを同じの一つの供給手段からチャンバの内部に供給することとしたので、
ガス配管等の設備をコンパクトにして、装置まわりの自由度を向上させることができる。
【0237】
〔請求項45〕に記載する発明では、〔請求項43〕または〔請求項44〕に記載する発明において、
ハロゲンガスを供給した後に窒素ガスを供給することとしたので、
各使用ガスの供給を簡便に制御することができる。
【0238】
〔請求項46〕に記載する発明では、〔請求項43〕または〔請求項44〕に記載する発明において、
ハロゲンガスを供給した後に窒素ガスを供給する順序を交互に繰り返すこととしたので、
〔請求項45〕に記載する発明の効果に加えて、更に、厚い膜厚を有する膜の成膜に対応することができる。
【0239】
〔請求項47〕に記載する発明では、〔請求項43〕または〔請求項44〕に記載する発明において、
ハロゲンガスと窒素ガスとを同時に供給することとしたので、
成膜速度を向上させることができる。
【0240】
〔請求項48〕に記載する発明では、〔請求項38〕ないし〔請求項47〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方を誘導結合型プラズマとしたので、
現状の装置構成を利用して本発明を実施することができる。
【0241】
〔請求項49〕に記載する発明では、〔請求項38〕ないし〔請求項47〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方を容量結合型プラズマとしたので、
現状の装置構成を利用して本発明を実施することができる。
【0242】
〔請求項50〕に記載する発明では、〔請求項38〕ないし〔請求項47〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方を誘導結合型プラズマと容量結合型プラズマとからなるハイブリッドプラズマとしたので、
現状の装置構成を利用して本発明を実施することができる。更に、誘導結合型プラズマの有する高い電子密度と電子温度及び容量結合型プラズマの有する低い電子密度と電子温度の中間状態のプラズマとすることができ、電子密度や電子温度等を制御したプラズマにより成膜することができる。
【0243】
〔請求項51〕に記載する発明では、〔請求項38〕ないし〔請求項50〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方を、予めチャンバの外部でプラズマ化されてチャンバ内に供給されたプラズマとしたので、
チャンバ内に発生したプラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0244】
〔請求項52〕に記載する発明では、〔請求項38〕ないし〔請求項51〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属をタンタル、タングステン、チタン、シリコンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属としたので、
所望の薄膜を作製し、例えばバリアメタル膜等に応用することが可能となる。
【0245】
〔請求項53〕に記載する発明では、〔請求項39〕ないし〔請求項52〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンを塩素としたので、
成膜速度を向上させると共に成膜コストを低減することができる。
【0246】
〔請求項54〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、当該窒素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と窒素ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属窒化物である前記前駆体を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたこととしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。
【0247】
〔請求項55〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。
【0248】
〔請求項56〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。更に、窒素をプラズマ化することなく窒化金属膜を成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
【0249】
〔請求項57〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの第1の前駆体を生成し、前記窒素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と窒素ガスとの第2の前駆体を生成すると共に、ハロゲン化金属である前記第1の前駆体を前記窒素ガスプラズマにより金属窒化物である前記第2の前駆体に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記第1の前駆体の金属成分及び前記第2の前駆体を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記窒素ガスプラズマにより金属窒化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。
【0250】
〔請求項58〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成し、ハロゲン化金属である前記前駆体を前記窒素ガスにより窒化して金属窒化物に変化させるプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記前駆体の金属成分及び前記金属窒化物を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記窒素ガスにより金属窒化物に変化させる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
高い結晶性及び組成が安定した均一な膜質を有する窒化金属膜を成膜することができる。また、所望の膜特性を有する窒化金属膜を成膜することができるため、例えばバリアメタル膜、工具などの表面硬化処理、各種部品の装飾、耐食性を必要とする化学品用容器の表面処理膜等として適用することができる。更に、窒素をプラズマ化することなく窒化金属膜を成膜することができるため、成膜コストを低減することが可能である。
【0251】
〔請求項59〕に記載する発明では、〔請求項55〕ないし〔請求項58〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス供給手段及び前記窒素ガス供給手段を独立した供給手段としたので、
各使用ガスの供給を高い精度で制御すると共に、各使用ガスの純度を保つことができる。
【0252】
〔請求項60〕に記載する発明では、〔請求項55〕ないし〔請求項58〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンガス供給手段及び窒素ガス供給手段を一体にして一つの供給手段から前記ハロゲンガス及び窒素ガスを供給することとしたので、
ガス配管等の設備をコンパクトにして、装置まわりの自由度を向上させることができる。
【0253】
〔請求項61〕に記載する発明では、〔請求項59〕または〔請求項60〕に記載する発明において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記窒素ガス供給手段により窒素ガスを第2所定時間供給するガス供給制御手段を更に備えたこととしたので、
各使用ガスの供給を簡便に制御することができる。
【0254】
〔請求項62〕に記載する発明では、〔請求項59〕または〔請求項60〕に記載する発明において、
更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記窒素ガス供給手段により窒素ガスを第2所定時間供給する順序を交互に繰り返すガス供給制御手段を備えたこととしたので、
〔請求項61〕に記載する発明の効果に加えて、更に、厚い膜厚を有する膜の成膜に対応するこができる。
【0255】
〔請求項63〕に記載する発明では、〔請求項59〕または〔請求項60〕に記載する発明において、
更に、前記ハロゲンガスと前記窒素ガスとを同時に供給するガス供給制御手段を備えたこととしたので、
成膜速度を向上させることができる。
【0256】
〔請求項64〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0257】
〔請求項65〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
チャンバ内に発生したプラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0258】
〔請求項66〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記チャンバの内部をプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
チャンバ内に発生したプラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0259】
〔請求項67〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスおよび窒素ガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマおよび窒素ガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマおよび窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0260】
〔請求項68〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第1のプラズマ発生手段と、
前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。更に、各使用ガスのプラズマを独立して制御することができる。
【0261】
〔請求項69〕に記載する発明では、基板が収容されるチャンバと、
高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
前記基板に金属窒化物を成膜することとしたので、
プラズマによる薄膜の損傷を低減または防止することができる。
【0262】
〔請求項70〕に記載する発明では、〔請求項54〕ないし〔請求項63〕、〔請求項66〕、〔請求項69〕のいずれかに記載する発明において、
前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置されるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなることとしたので、
基板に成膜される薄膜に対して、効率よく窒化作用を及ぼすことができ、成膜される窒化金属膜の純度を向上させることができる。
【0263】
〔請求項71〕に記載する発明では、〔請求項54〕、〔請求項55〕または〔請求項57〕のいずれかに記載する発明において、
前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、給電により前記基板との間に容量結合型の窒素ガスプラズマを発生させることとしたので、
〔請求項70〕に記載する発明の効果に加えて、窒素ガスプラズマを薄膜に直接作用させることができるため、成膜される窒化金属膜の純度を更に向上させることができる。
【0264】
〔請求項72〕に記載する発明では、〔請求項54〕、〔請求項55〕または〔請求項57〕のいずれかに記載する発明において、
前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、前記リング状パイプの周方向の少なくとも一箇所が絶縁されると共に、給電により前記基板との間に誘導結合型の窒素ガスプラズマを発生させることとしたので、
〔請求項70〕に記載する発明の効果に加えて、窒素ガスプラズマを薄膜に直接作用させることができるため、成膜される窒化金属膜の純度を更に向上させることができる。
【0265】
〔請求項73〕に記載する発明では、〔請求項54〕ないし〔請求項72〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属をタンタル、タングステン、チタン、シリコンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属としたので、
所望の薄膜を作製し、例えばバリアメタル膜等に応用することが可能となる。
【0266】
〔請求項74〕に記載する発明では、〔請求項55〕ないし〔請求項73〕のいずれかに記載する発明において、
前記ハロゲンを塩素としたので、
成膜速度を向上させると共に成膜コストを低減することができる。
【0267】
〔請求項75〕に記載する発明では、〔請求項1〕ないし〔請求項16〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属を銅としたので、所望の薄膜を成膜することができる。
【0268】
〔請求項76〕に記載する発明では、〔請求項38〕ないし〔請求項53〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属を銅としたので、所望の薄膜を成膜することができる。
【0269】
〔請求項77〕に記載する発明では、〔請求項17〕ないし〔請求項37〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属を銅としたので、所望の薄膜を成膜することができる。
【0270】
〔請求項78〕に記載する発明では、〔請求項54〕ないし〔請求項74〕のいずれかに記載する発明において、
前記金属を銅としたので、所望の薄膜を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図9】本発明の第9の実施形態に係る酸化金属膜作製方法を実施する酸化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図10】本発明の第10の実施形態に係る窒化金属膜作製方法を実施する窒化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図11】本発明の第11の実施形態に係る窒化金属膜作製方法を実施する窒化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図12】本発明の第12の実施形態に係る窒化金属膜作製方法を実施する窒化金属膜作製装置の概略側面図である。
【図13】本発明の第13の実施形態に係る窒化金属膜作製方法を実施する窒化金属膜作製装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度制御手段
7,26,30 被エッチング部材
8 真空装置
9,27,34,34’ プラズマアンテナ
10,10’ 整合器
11,11’ 電源
12 ノズル
13,20 流量制御器
14,35 ガスプラズマ
15 前駆体
16 HfO2 薄膜
17 排気口
25,29 天井板
31,31’ 開口部
32,32’ 通路
33,33’ 励起室
40 ガスリング

Claims (78)

  1. 基板が収容されるチャンバの内部に供給した酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、
    金属で形成した被エッチング部材を前記酸素ガスプラズマでエッチングすることにより金属成分と酸素ガスとの前駆体を形成し、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属酸化物である前記前駆体を前記基板に成膜させることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  2. 基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
    更にチャンバ内に供給した酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  3. 基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
    更にチャンバの内部に酸素ガスを供給し、前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  4. 〔請求項2〕に記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記酸素ガスプラズマが以下のA工程、B工程、C工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
    A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を酸化する工程。
    B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を酸化して金属成分と酸素ガスとの前駆体にする工程。
    C工程:前記被エッチング部材をエッチングすることにより金属成分と酸素ガスとの前駆体を形成する工程。
  5. 〔請求項3〕に記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記酸素ガスが以下のA工程、B工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
    A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を酸化する工程。
    B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を酸化して金属成分と酸素ガスとの前駆体にする工程。
  6. 〔請求項2〕ないし〔請求項5〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガス及び酸素ガスを独立した供給手段からそれぞれチャンバの内部に供給することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  7. 〔請求項2〕ないし〔請求項5〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガス及び酸素ガスを同じの一つの供給手段からチャンバの内部に供給することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  8. 〔請求項6〕または〔請求項7〕に記載の酸化金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスを供給した後に酸素ガスを供給することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  9. 〔請求項6〕または〔請求項7〕に記載の酸化金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスを供給した後に酸素ガスを供給する順序を交互に繰り返すことを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  10. 〔請求項6〕または〔請求項7〕に記載の酸化金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスと酸素ガスとを同時に供給することを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  11. 〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマであることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  12. 〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が容量結合型プラズマであることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  13. 〔請求項1〕ないし〔請求項10〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマと容量結合型プラズマとからなるハイブリッドプラズマであることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  14. 〔請求項1〕ないし〔請求項13〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記酸素ガスプラズマの少なくとも一方が、予めチャンバの外部でプラズマ化されてチャンバ内に供給されたプラズマであることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  15. 〔請求項1〕ないし〔請求項14〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記金属はハフニウム、イリジウム、チタン、ジルコニウム、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  16. 〔請求項2〕ないし〔請求項15〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  17. 基板が収容されるチャンバと、
    前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させ、当該酸素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と酸素ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属酸化物である前記前駆体を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  18. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  19. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  20. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び酸素ガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの第1の前駆体を生成し、前記酸素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と酸素ガスとの第2の前駆体を生成すると共に、ハロゲン化金属である前記第1の前駆体を前記酸素ガスプラズマにより金属酸化物である前記第2の前駆体に変化させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記第1の前駆体の金属成分及び前記第2の前駆体を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記酸素ガスプラズマにより金属酸化物に変化させる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  21. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成し、ハロゲン化金属である前記前駆体を前記酸素ガスにより酸化して金属酸化物に変化させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記前駆体の金属成分及び前記金属酸化物を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記酸素ガスにより金属酸化物に変化させる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  22. 〔請求項18〕ないし〔請求項21〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記ハロゲンガス供給手段及び前記酸素ガス供給手段は独立した供給手段であることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  23. 〔請求項18〕ないし〔請求項21〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記ハロゲンガス供給手段及び酸素ガス供給手段を一体にして一つの供給手段から前記ハロゲンガス及び酸素ガスを供給することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  24. 〔請求項22〕または〔請求項23〕に記載の酸化金属膜作製装置において、
    更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記酸素ガス供給手段により酸素ガスを第2所定時間供給するガス供給制御手段を更に備えたことを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  25. 〔請求項22〕または〔請求項23〕に記載の酸化金属膜作製装置において、
    更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記酸素ガス供給手段により酸素ガスを第2所定時間供給する順序を交互に繰り返すガス供給制御手段を備えたことを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  26. 〔請求項22〕または〔請求項23〕に記載の酸化金属膜作製装置において、
    更に、前記ハロゲンガスと前記酸素ガスとを同時に供給するガス供給制御手段を備えたことを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  27. 基板が収容されるチャンバと、
    前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  28. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
    前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  29. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  30. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスおよび酸素ガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマおよび酸素ガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマおよび酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  31. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第1のプラズマ発生手段と、
    前記チャンバの外部に設けられ、酸素ガスをプラズマ化して酸素ガスプラズマを発生させると共に当該酸素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  32. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属酸化物を成膜することを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  33. 〔請求項17〕ないし〔請求項26〕、〔請求項29〕、〔請求項32〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置されるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  34. 〔請求項17〕、〔請求項18〕または〔請求項20〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、給電により前記基板との間に容量結合型の酸素ガスプラズマを発生させることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  35. 〔請求項17〕、〔請求項18〕または〔請求項20〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記酸素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記酸素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、前記リング状パイプの周方向の少なくとも一箇所が絶縁されると共に、給電により前記基板との間に誘導結合型の酸素ガスプラズマを発生させることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  36. 〔請求項17〕ないし〔請求項35〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記金属はハフニウム、イリジウム、チタン、ジルコニウム、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  37. 〔請求項18〕ないし〔請求項36〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  38. 基板が収容されるチャンバの内部に供給した窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、
    金属で形成した被エッチング部材を前記窒素ガスプラズマでエッチングすることにより金属成分と窒素ガスとの前駆体を形成し、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属窒化物である前記前駆体を前記基板に成膜させることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  39. 基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
    更にチャンバ内に供給した窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  40. 基板が収容されるチャンバの内部に供給したハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成した被エッチング部材を前記ハロゲンガスプラズマでエッチングすることにより金属成分とハロゲンガスとの前駆体を形成し、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前記前駆体の金属成分を前記基板に成膜させるにあたって、
    更にチャンバの内部に窒素ガスを供給し、前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  41. 〔請求項39〕に記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記窒素ガスプラズマが以下のA工程、B工程、C工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
    A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を窒化する工程。
    B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を窒化して金属成分と窒素ガスとの前駆体にする工程。
    C工程:前記被エッチング部材をエッチングすることにより金属成分と窒素ガスとの前駆体を形成する工程。
  42. 〔請求項40〕に記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記窒素ガスが以下のA工程、B工程のうち、少なくとも一つの工程を行うことにより前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
    A工程:前記基板上に既に成膜された金属成分を窒化する工程。
    B工程:金属成分とハロゲンガスとの前記前駆体を窒化して金属成分と窒素ガスとの前駆体にする工程。
  43. 〔請求項39〕ないし〔請求項42〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガス及び窒素ガスを独立した供給手段からそれぞれチャンバの内部に供給することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  44. 〔請求項39〕ないし〔請求項42〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガス及び窒素ガスを同じの一つの供給手段からチャンバの内部に供給することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  45. 〔請求項43〕または〔請求項44〕に記載の窒化金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスを供給した後に窒素ガスを供給することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  46. 〔請求項43〕または〔請求項44〕に記載の窒化金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスを供給した後に窒素ガスを供給する順序を交互に繰り返すことを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  47. 〔請求項43〕または〔請求項44〕に記載の窒化金属膜作製方法において、
    ハロゲンガスと窒素ガスとを同時に供給することを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  48. 〔請求項38〕ないし〔請求項47〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマであることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  49. 〔請求項38〕ないし〔請求項47〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が容量結合型プラズマであることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  50. 〔請求項38〕ないし〔請求項47〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が誘導結合型プラズマと容量結合型プラズマとからなるハイブリッドプラズマであることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  51. 〔請求項38〕ないし〔請求項50〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンガスプラズマまたは前記窒素ガスプラズマの少なくとも一方が、予めチャンバの外部でプラズマ化されてチャンバ内に供給されたプラズマであることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  52. 〔請求項38〕ないし〔請求項51〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記金属はタンタル、タングステン、チタン、シリコンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  53. 〔請求項39〕ないし〔請求項52〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  54. 基板が収容されるチャンバと、
    前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させ、当該窒素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と窒素ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより金属窒化物である前記前駆体を基板に成膜させる温度制御手段とを備えたことを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  55. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  56. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  57. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマ及び窒素ガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの第1の前駆体を生成し、前記窒素ガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分と窒素ガスとの第2の前駆体を生成すると共に、ハロゲン化金属である前記第1の前駆体を前記窒素ガスプラズマにより金属窒化物である前記第2の前駆体に変化させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記第1の前駆体の金属成分及び前記第2の前駆体を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記窒素ガスプラズマにより金属窒化物に変化させる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  58. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させ、前記ハロゲンガスプラズマで前記被エッチング部材をエッチングすることにより前記被エッチング部材に含まれる金属成分とハロゲンガスとの前駆体を生成し、ハロゲン化金属である前記前駆体を前記窒素ガスにより窒化して金属窒化物に変化させるプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くすることにより、前記前駆体の金属成分及び前記金属窒化物を前記基板に成膜させると共に、成膜された前記金属成分を前記窒素ガスにより金属窒化物に変化させる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  59. 〔請求項55〕ないし〔請求項58〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記ハロゲンガス供給手段及び前記窒素ガス供給手段は独立した供給手段であることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  60. 〔請求項55〕ないし〔請求項58〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記ハロゲンガス供給手段及び窒素ガス供給手段を一体にして一つの供給手段から前記ハロゲンガス及び窒素ガスを供給することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  61. 〔請求項59〕または〔請求項60〕に記載の窒化金属膜作製装置において、
    更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記窒素ガス供給手段により窒素ガスを第2所定時間供給するガス供給制御手段を更に備えたことを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  62. 〔請求項59〕または〔請求項60〕に記載の窒化金属膜作製装置において、
    更に、前記ハロゲンガス供給手段によりハロゲンガスを第1所定時間供給した後に前記窒素ガス供給手段により窒素ガスを第2所定時間供給する順序を交互に繰り返すガス供給制御手段を備えたことを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  63. 〔請求項59〕または〔請求項60〕に記載の窒化金属膜作製装置において、
    更に、前記ハロゲンガスと前記窒素ガスとを同時に供給するガス供給制御手段を備えたことを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  64. 基板が収容されるチャンバと、
    前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる金属製の被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  65. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
    前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  66. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記チャンバの内部をプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させる第1のプラズマ発生手段と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  67. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスおよび窒素ガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマおよび窒素ガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマおよび窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  68. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給する第1のプラズマ発生手段と、
    前記チャンバの外部に設けられ、窒素ガスをプラズマ化して窒素ガスプラズマを発生させると共に当該窒素ガスプラズマをチャンバ内に供給する第2のプラズマ発生手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  69. 基板が収容されるチャンバと、
    高蒸気圧ハロゲン化物を生成しうる金属で形成し、前記チャンバ内において前記基板に対向する位置に設けられる被エッチング部材と、
    前記チャンバの外部に設けられ、ハロゲンガスをプラズマ化してハロゲンガスプラズマを発生させると共に当該ハロゲンガスプラズマをチャンバ内に供給するプラズマ発生手段と、
    前記基板と前記被エッチング部材との間に窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段と、
    前記基板の温度を前記被エッチング部材の温度よりも低くさせる温度制御手段とを有し、
    前記基板に金属窒化物を成膜することを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  70. 〔請求項54〕ないし〔請求項63〕、〔請求項66〕、〔請求項69〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置されるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  71. 〔請求項54〕、〔請求項55〕または〔請求項57〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、給電により前記基板との間に容量結合型の窒素ガスプラズマを発生させることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  72. 〔請求項54〕、〔請求項55〕または〔請求項57〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記窒素ガス供給手段は、前記基板の周囲に配置される導電体からなるリング状パイプのガス流路と、当該ガス流路に設けられ前記窒素ガスを基板に向かって噴射するノズルとからなると共に、前記リング状パイプの周方向の少なくとも一箇所が絶縁されると共に、給電により前記基板との間に誘導結合型の窒素ガスプラズマを発生させることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  73. 〔請求項54〕ないし〔請求項72〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記金属はタンタル、タングステン、チタン、シリコンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属であることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  74. 〔請求項55〕ないし〔請求項73〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記ハロゲンは塩素であることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
  75. 〔請求項1〕ないし〔請求項16〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製方法において、
    前記金属は銅であることを特徴とする酸化金属膜作製方法。
  76. 〔請求項38〕ないし〔請求項53〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製方法において、
    前記金属は銅であることを特徴とする窒化金属膜作製方法。
  77. 〔請求項17〕ないし〔請求項37〕のいずれかに記載の酸化金属膜作製装置において、
    前記金属は銅であることを特徴とする酸化金属膜作製装置。
  78. 〔請求項54〕ないし〔請求項74〕のいずれかに記載の窒化金属膜作製装置において、
    前記金属は銅であることを特徴とする窒化金属膜作製装置。
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