JP2004083071A - ワンピース口栓およびその射出成形用金型 - Google Patents

ワンピース口栓およびその射出成形用金型 Download PDF

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Kiyoshi Wada
和田 潔
Shinji Kaneyuki
金行 伸二
Takashi Saito
齋藤 剛史
Osamu Miyanishi
宮西 收
Norio Hayashida
林田 徳生
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Abstract

【課題】液体用紙容器などの容器の注出位置に突設するキャップとスパウトとが使用時に分離可能に一体となっているもので、ワンタッチで開口でき、衛生上の問題がなくキャップとスパウトとを一体に成形するワンピース口栓を提供する。
【解決手段】容器20の注出位置に突設するキャップ100とスパウト200とからなる合成樹脂製の口栓10であって、キャップの周壁部120の下端内周側天面とスパウトの注出筒部220の上端内周側天面とを、上端と下端に環状薄肉脆弱線301,302を設けた環状接続体300で接続して一体に成形する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体用紙容器などの容器の注出位置に突設するキャップとスパウトとが、使用時に分離可能に一体となっているワンピース口栓およびその射出成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品や非食品の液体内容物に使用される例えば液体用紙容器には、使用時の使い易さを考慮して、図5(a)に示すように、切り妻屋根形の頂部の傾斜板(22)に、キャップ(100)とスパウト(注出口具)(200)とからなる口栓(10)が突設されていた。この口栓(10)は、例えば図5(b)に示すように、容器の口栓取付孔(23)から突出するスパウト(200)の注出筒部(220)にキャップ(100)を螺着したものであるが、流通時の密封性の完全さやバージン性を確保又は使用時の易開封性を兼ね備えるために、スパウトの注出筒部の内側の下方内周面に封鎖板(230)を設けて封止し、使用時に開口するため、この封鎖板の下面の所定位置に垂直断面逆V字状の環状切込み(231)を設けて、上面の開口予定位置に環状薄肉脆弱線(232)を形成し、この環状薄肉脆弱線の内側近傍の上面の所定の一側に、先端にプルリング(234)をもつ支柱(233)を立設した、所謂、プルリング付口栓であった。なお、キャップの天板(110)下面には、スパウトの注出筒の上端部(口部)を封止するための封止リングとして、コンタクト封止リング(111)(先端部が注出筒の天面に密接)やインナー封止リング(112)(外周面が注出筒の上端部内面に密接)が垂設され、また、キャップの周壁内周面には、雌ネジ(124)が設けられ、スパウトの注出筒外周面には雄ネジ(222)が設けられいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のプルリング付口栓(10)は、口栓を開口するときには、キャップ(100)を螺脱方向へ回転して取り外し、スパウト(200)の注出筒部(220)の内側に収容されているプルリング(234)に指先を掛けて上方へ引っ張って、封鎖板(230)の環状薄肉脆弱線(232)を引き裂いて開口していた。開口したスパウトは、内容物を使用したのちに、キャップを注出筒部に螺着して再封止していた。しかしながら、従来の口栓は、キャップとスパウトの2パーツからなるため製造費用がかかり、また、口栓の開口過程がワンタッチでなく手間がかかった。なお、キャップとスパウトとを一体に成形したワンピース口栓としては、成形上の問題からキャップを倒立状態でスパウトと分離可能に一体成形した口栓があるが、内容物を容器に高温充填したのちに、冷却シャワーで容器を冷却するときに、上向きの開口部よりキャップ内に冷却シャワーが入ったり、流通や保管過程で塵埃や異物が付着することがあり、衛生上に問題があった。
【0004】
本発明は、上述の従来の口栓の問題を解決したものであり、ワンタッチで開口でき、衛生上の問題がなく、キャップとスパウトとを一体に成形するワンピース口栓を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の発明は、容器の注出位置に突設するキャップとスパウトとからなる合成樹脂製の口栓において、前記キャップの周壁部の下端内周側天面と前記スパウトの注出筒部の上端内周側天面とを、上端と下端に環状薄肉脆弱線を設けた環状接続体で接続したことを特徴とするワンピース口栓である。
【0006】
次に、本発明の第2の発明は、前記環状接続体の上端と下端に設ける環状薄肉脆弱線の厚みを、どちらか一方を他方より薄くしたことを特徴とする第1の発明に記載のワンピース口栓である。
【0007】
次に、本発明の第3の発明は、前記雄ネジ及び前記雌ネジを、二条ネジにしたことを特徴とする第1乃至第2の発明に記載のワンピース口栓である。
【0008】
次に、本発明の第4の発明は、前記キャップの周壁部の外周の対向する周面に、ローレットを設けたことを特徴とする第1又は第3の発明に記載のワンピース口栓である。
【0009】
そして、本発明の第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明に記載のワンピース口栓を成形する雄型と雌型とからなる射出成形用金型において、前記雄型のワンピース口栓の天板部成形キャビティ面の中央位置に、成形品の天板部中央下面を押し出すセンターピンを設け、かつ、フランジ下面成形キャビティ面に、成形品のフランジ下面を押し出すストリッパープレートを設けたことを特徴とする射出成形用金型である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のワンピース口栓の実施の形態について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のワンピース口栓の断面図であり、図2は、そのワンピース口栓を開封したのち、分離されたキャップをスパウトに螺着して、口栓を再封止した状態を示す断面図である。図3(a)は、図1のワンピース口栓の平面図であり、図3(b)は、その正面図である。図4は、図1のワンピース口栓を成形するときの射出成形用金型の雄型の一実施形態の構造を示す断面図である。
【0011】
本発明のワンピース口栓は、液体内容物を収納する容器の注出位置に内付け又は外付けで突出するキャップとスパウトからなる口栓であり、その一実施形態のワンピース口栓(10)の構造は、図1に示すように、キャップ(100)の周壁部(120)の下端内周側天面とスパウト(200)の注出筒部(220)の上端内周側天面とを、上端と下端に環状薄肉脆弱線(301と302)を設けた環状接続体(300)で接続するものである。
【0012】
キャップの一実施形態の構造は、図1に示すように、天板部(110)と周壁部(120)とからなり、天板部下面には、スパウトの注出筒の口部を封止するためのコンタクト封止リング(111)(下方先端を注出筒の天面に密接)とインナー封止リング(112)(外周面を注出筒の上端部内周面に密接)とを垂設するものである。周壁部内周面には、スパウトの雄ネジと螺合する雌ネジを設け、外周面には、図3(a)及び(b)に示すように、パーティングライン(PL)(雌型の分割面)に直角方向の対向する周面にローレット(122)(縦のぎざぎざ目)を設けるものである。なお、キャップの雌ネジとスパウトの雄ネジは、回転を少なくまた螺合状態を安定にするために、二条ネジにするものである。
【0013】
また、スパウトの一実施形態の構造は、図1、図3(a)及び(b)に示すように、環状台座部(210)の内周側上方へ注出筒部(220)を立設し、この注出筒の内周面にキャップの雄ネジと螺合する雌ネジ(221)を設けるものである。また、環状台座部の外周面には、下端に容器と熱融着するためにフランジ(240)を水平方向へ周設し、このフランジ上方に容器に取り付けるときに必要となる通常4個の仮止め突起(211)を周方向に等間隔で突設するものである。
【0014】
また、キャップとスパウトとを環状薄肉脆弱線を介して接続する環状接続体は、図1に示す環状接続体(300)の上端と下端に設ける環状薄肉脆弱線(301と302)の厚みを、どちらか一方を他方より薄くするものである。つまり、どちらか一方を他方より破断されやすくする。
【0015】
そして、口栓の製造方法は、低密度ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いて、キャップとスパウトを一体に射出成形法により作製するものであるが、射出成形用金型の雄型(400)の構造については、図4に示すように、雄型のワンピース口栓の天板部成形キャビティ面(401)の中央位置に、成形品の天板部中央下面を押し出す(矢印方向)センターピン(410)を設け、また、フランジ下面成形キャビティ面(402)に、成形品のフランジ下面を押し出す(矢印方向)ストリッパープレート(420)を設けるものである。センターピンとストリッパープレートの相互作動により、アンダーカット(金型の開閉方向に対して引っ掛かりとなる部分)のあるワンピース口栓を無理抜き(強制的に離型)することが可能となる。
【0016】
本発明のワンピース口栓は、キャップの周壁部外面に対向して設けられたローレット部分を両側から指で押さえてキャップを回転すると、キャップとスパウトを接続する環状接続体の上端と下端に設けられている環状薄肉脆弱線にうち、より薄肉に設けられている環状薄肉脆弱線が破断し、キャップがスパウトから分離し、口栓をワンタッチで開封することができる。次に、キャップ又はスパウトに付着する環状接続体は、指で引っ張ると、環状薄肉脆弱線を破断して環状接続体がキャップ又はスパウトから分離する。口栓を再封止するときは、分離したキャップ(100)を、図2に示すように、スパウト(200)の注出筒部(220)外周面に設けられた雄ネジ(221)に、周壁部(120)外周面に設けられた雌ネジ(121)を螺合させて、スパウトに螺着することができる。このキャップをスパウトに螺着した口栓は、スパウトの注出筒部の口部がキャップの封止リングにより完全に密封され、口栓の密封性に問題を生じることがない。また、キャップに周壁部の下端及びスパウトの注出筒部の上端の環状薄肉脆弱線が破断した端面は、外から見えないので、外観性を損なうこともない。
【0017】
【発明の効果】
本発明のワンピース口栓は、キャップとスパウトとを一体に成形するため、キャップとスパウトとを別個に成形する従来の口栓に比べて、製造費用を削減することが可能である。
【0018】
また、本発明のワンピース口栓は、キャップを回転することにより、キャップをスパウトから分離して、口栓をワンタッチで開口でき、また、分離したキャップを再度スパウトに螺着して、口栓を密封性及び外観性よく再封止することができる。
【0019】
また、本発明のワンピース口栓は、キャップが上向きでないため、内容物を高温充填したときの冷却シャワーよるキャップ内面の汚染がなく、また、流通や保管過程で塵埃や異物がキャップ内面に付着することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のワンピース口栓の断面図である。なお、2点鎖線は、容器を示す。
【図2】図1に示すワンピース口栓を開封したのち、分離されたキャップをスパウトに螺着して、口栓を再封止した状態を示す断面図である。なお、2点鎖線は、容器を示す。
【図3】(a)は、図1に示すワンピース口栓の平面図であり、(b)は、その正面図である。
【図4】図1に示すワンピース口栓を成形するときの射出成形用金型の雄型の構造を示す断面図である。
【図5】(a)は、一例の口栓付液体用紙容器の斜視図であり、(b)は、従来の一例のプルリング付口栓の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10……口栓
20……容器
21……胴部
22……傾斜板
100……キャップ
110……天板部
111……コンタクト封止リング
112……インナー封止リング
120……周壁部
121……雌ネジ
122……ローレット
200……スパウト
210……環状台座部
211……仮止め突起
220……注出筒部
230……閉鎖板
231……環状切込み
232……環状薄肉脆弱線
233……支柱
234……プルリング
240……フランジ
300……環状接続体
301,302……環状薄肉脆弱線
400……雄型
401……天板部下面成形キャビティ面
402……フランジ下面成形キャビティ面
410……センターピン
420……ストリッパープレート

Claims (5)

  1. 容器の注出位置に突設するキャップとスパウトとからなる合成樹脂製の口栓において、前記キャップの周壁部の下端内周側天面と前記スパウトの注出筒部の上端内周側天面とを、上端と下端に環状薄肉脆弱線を設けた環状接続体で接続したことを特徴とするワンピース口栓。
  2. 前記環状接続体の上端と下端に設ける環状薄肉脆弱線の厚みを、どちらか一方を他方より薄くしたことを特徴とする請求項1記載のワンピース口栓。
  3. 前記雄ネジ及び前記雌ネジを、二条ネジにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のワンピース口栓。
  4. 前記キャップの周壁部の外周の対向する周面に、ローレットを設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載のワンピース口栓。
  5. 請求項1乃至4に記載のワンピース口栓を成形する雄型と雌型とからなる射出成形用金型において、前記雄型のワンピース口栓の天板部成形キャビティ面の中央位置に、成形品の天板部中央下面を押し出すセンターピンを設け、かつ、フランジ下面成形キャビティ面に、成形品のフランジ下面を押し出すストリッパープレートを設けたことを特徴とする射出成形用金型。
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