JP2004082710A - インクジェット記録装置及び画像処理方法ならびに制御プログラム - Google Patents

インクジェット記録装置及び画像処理方法ならびに制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】液体組成物の付与によるインクの打ち込み制限を最小限に抑え、画像処理の自由度が損なわれ難い画像処理方法及び該方法を用いたインクジェット記録装置及び、該方法を実行する制御プログラムを提供する。
【解決手段】ホスト装置から入力されたRGB輝度データである画像データをLUTにてインク色ごとのCMYK濃度データ(8ビット)に色変換処理する。このCMYK濃度データを所定領域に分割し、各領域ごとの階調からインク付与量を算出し、このインク付与量に応じて処理液の付与データS(8ビット)を作成する。そして、CMYK濃度データ及び処理液Sデータは出力γ処理が施された後、量子化処理部で、量子化処理によって各ノズルに対応した吐出データ(1ビット)に変換される。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像の形成において発色性と色の均一性に優れた画像を得るため、インクのほかに液体組成物を付与するインクジェット記録装置及び、該インクジェット記録装置における画像処理方法ならびにこの画像処理方法を実行する制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、インクを飛翔させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3において開示されているように、吐出エネルギー供給手段として電気変換体を用い、熱エネルギーをインクに与えて、インク中に気泡を発生させ、気泡の生成圧力によってインクを滴として吐出させる方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる。
【0003】
また、インクジェット記録装置は、カラー画像を形成するのが比較的容易であり、かつ比較的安価で小型なものが提供できるため、急速に普及している。
【0004】
近年の装置の普及に伴い、インクジェット記録装置でも、銀塩写真と同レベルの高い画質を求める要求が強くなっている。そこで、インクジェット記録画像の画像濃度を高めること、色再現領域を広げること、更には記録物の色の均一性を向上させることに対する技術的な要求が非常に高くなっている。
【0005】
このような状況のもとで、インクジェット記録方法の安定化、そしてインクジェット記録方法による記録物の品質向上を図るために、これまでにも種々の提案がなされている。記録媒体に関する提案のうちの一つとして、記録媒体の基紙表面に、充填材やサイズ剤を塗工する方法がある。例えば、充填材として色材を吸着する多孔質微粒子を基紙に塗工し、この多孔質微粒子によってインク受容層を形成する技術が開示されている。これらの技術を用いた記録媒体として、インクジェット用コート紙等が発売されている。
【0006】
また、記録媒体側に特殊な加工を施すだけでなく、記録媒体に付与されるインク側にも、高品位な記録結果を安定的に得るために様々な加工を施す提案がなされている。以下に、その代表的なものを説明する。
【0007】
第一にインクに揮発性溶剤や浸透溶剤を内添する方法が挙げられる。例えば、特許文献4に記載されているように、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加して、記録媒体へのインクの定着性を早める方法が開示されている。また、特許文献5には、揮発性溶剤を主体としたインクを用いて同じくインクの定着性を早める方法が開示されている。
【0008】
第二に、記録媒体上にインクの他に処理液と呼ばれる液体組成物を付与し、記録媒体上でインクと液体組成物とを混合して反応させる方法が挙げられる。ここで挙げた液体組成物とは、インクと反応することで、画像濃度の向上、耐水性の向上、更にはブリーディングの抑制などの効果を発揮するものである。この液体組成物を、記録媒体へのインクの吐出に先立ち或いはインク吐出後に、該インクの着弾位置に吐出し、記録媒体上でインクと混合し反応させると、液体組成物は前記効果を発揮し、良好な記録結果を形成することができる。
【0009】
例えば、特許文献6には、塩基性ポリマーを含有する液体組成物を記録媒体に付着させた後、アニオン染料を含有したインクによって記録する方法が開示されており、特許文献7には、反応性化学種を含む第1の液体組成物と該反応性化学種と反応を起こす化合物を含む第二の液体組成物を記録媒体上で混合する記録方法が開示されている。更に特許文献8には、1分子当たり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体組成物を記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有するインクで記録する方法が開示されている。また特許文献9には、コハク酸等を含有した酸性液体組成物を記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有したインクで記録する方法が開示されている。
【0010】
また、更に特許文献10には、染料を不溶化させる液体組成物をインクの付与に先立って紙に付与するという方法が開示されている。更に特許文献11には、分子量分布領域の異なるカチオン性物質を含む液体組成物を、アニオン性化合物を含むインクと共に用いる方法が開示され、また、特許文献12には、カチオン性物質と微粉砕セルロースを含む液体組成物をインクと共に用いる方法が開示されており、いずれも画像濃度が高く、印字品位、耐水性が良好で、色再現性、ブリーディングにおいても良好な画像が得られることが記載されている。また、特許文献13には、記録媒体上に染料インクで記録した後に、染料とレーキを形成する耐水化剤を付与する方法が開示され、記録画像の耐水性を付与することが提案されている。
【0011】
第三として、インクと微粒子含有液体組成物とを記録媒体上で混合する方法が挙げられる。
【0012】
特許文献14に、無機物質からなる無色の微粒子を含有する無色液体を記録媒体上に付与した後、非水系記録液を付着させる方法が開示されている。また、特許文献15には、微粒子を含む溶液、又は微粒子及びバインダーポリマーを含む溶液を記録媒体上に付与した後、顔料、水溶性樹脂、水溶性溶剤及び水を含むインクを付着させる方法が開示されており、いずれも、紙種によらず印字品位や発色性の良好な画像が得られることが記載されている。このように、処理液を付与する方法は、普通紙等、表面に特殊な処理を施していない記録媒体に対しても、画像品位を高めることができるという点で有効である。
【0013】
ところで、記録媒体上にインクの他に処理液を付与する方法では、インクの吐出信号に加えて、処理液の吐出信号の生成が必要となる。一般にはホストコンピュータ等から記録装置へは画像データが送られ、これから生成させるのはインクごとの吐出情報のみである。そこで上記処理液の吐出信号は、例えば特許文献16、特許文献17などで開示されている様に記録インクの吐出情報を記録装置内で論理演算する事によって別途生成される。
【0014】
例えば、R、G、B各色8ビット(256階調)で入力された画像データは、3次元のルックアップテーブル(LUT)によってC,M,Yのデータに変換される。さらにγ処理などの処理を施され、インク色別のC,M,Y,Kの8ビットデータに変換され、さらに2値化処理によりC,M,Y,Kのインク色別の吐出データである2値データに変換される。この2値化処理された吐出データから処理液の吐出データSを論理演算で求める。
【0015】
【特許文献1】
特公昭61−59911号公報
【特許文献2】
特公昭61−59912号公報
【特許文献3】
特公昭61−59914号公報
【特許文献4】
特開昭55−65269号公報
【特許文献5】
特開昭55−66976号公報
【特許文献6】
特開昭63−60783号公報
【特許文献7】
特開昭63−22681号公報
【特許文献8】
特開昭63−299971号公報
【特許文献9】
特開昭64−9279号公報
【特許文献10】
特開昭64−63185号公報
【特許文献11】
特開平8−224955号公報
【特許文献12】
特開平8−72393号公報
【特許文献13】
特開昭55−150396号公報
【特許文献14】
特開平4−259590号公報
【特許文献15】
特開平6−92010号公報
【特許文献16】
特開平08−216386号公報
【特許文献17】
特開平08−281974号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記したような各種のインクジェット記録技術について検討を重ねた結果、各々の技術課題に対しては優れた効果を確認できるものの、それと引き換えに、他のインクジェット記録特性が低下してしまう場合があることを見出した。
【0017】
例えば、上記した記録媒体の基紙表面に充填材やサイズ剤を塗工して得られる記録媒体(以降コート紙という)は、高品質な画像を形成することができる技術として認知されている。
【0018】
一般に、高彩度の画像を得るためには、色材を凝集させずに単分子状態で記録媒体の表面に残すことが必要であることは知られている。コート紙の多孔質微粒子には、このような色材を単分子状態で定着させる機能がある。しかしながら、高い画像濃度と画像彩度を得る為には、記録媒体に付与されたインク中の色材に対して、多量の多孔質微粒子で、基紙を覆い隠すような厚いインク受容層の形成が不可欠である。結果として、基紙の質感が失われてしまうという問題がある。このように基紙の質感を失う程のインク受容層を必要とする一因として、色材が、多孔質微粒子に効率的に吸着していないことが考えられる。
【0019】
一層のインク受容層を有するコート紙を想定して、以下に説明する。図5は、コート紙表面付近の断面を模式的に示したものである。同図において、901は基紙であり、903はインク受容層を示す。一般に、インク受容層903は、多孔質微粒子905とそれらを固定化する接着剤907を有する。インクが付与されると、インクは多孔質微粒子905間の空隙を毛管現象によって浸透し、インク浸透部909を形成する。同図に示した様にインク受容層での多孔質微粒子は局所的には密度が異なるため、この毛管現象によるインクの浸透の仕方は場所によって異なる。このため、インクの浸透過程において、色材は多孔質微粒子表面に均一には接触できず、色材が効率的に多孔質微粒子に吸着されない。
【0020】
更に接着剤907によってインクの浸透が阻害される部分も生じており、インク受容層903内にはインクが浸透できない部分が存在し、この部分は発色には寄与しないことになる。上記のような理由により、従来のコート紙においては、多孔質微粒子の量に対して効率的に色材を単分子状態で吸着することができず、この結果、高品質の画像を得るためには多量の多孔質微粒子が必要となり、基紙の質感を損なうこととなっていた。
【0021】
さらに上記第1の方法として挙げたインク中に揮発性溶剤等を混合する技術を採用することで、インクの記録媒体への定着性は向上するものの、画像濃度の低下や、普通紙への記録やカラー画像の記録に重要とされる色再現範囲が低下してしまう場合があった。又、上記第2の方法として挙げた液体組成物を記録媒体上でインクに付与する技術によれば、インク中の色材を記録媒体表面に留めることができるため、高い画像濃度の記録物を得ることができる。しかし、色材を記録媒体の表面で凝集させているためか、色の再現範囲や彩度が十分に得られない場合があった。また上記第3の方法として挙げたインクと微粒子含有液体組成物とを記録媒体上で混合する技術では、微粒子を含む溶液の付与により記録媒体の表面状態の改質は得られるが、コート紙と同等レベルの高精彩な画像は得られなかった。さらに特に、インクが非水系のものに関しては色材の選択性や記録付与方法などの制限もあった。
【0022】
本発明の以下に示す実施形態では、上述した特に液体組成物の問題点を解消できる形態の液体組成物を示すが、従来の液体組成物を含めた液体組成物の付与に関して、さらに次のような問題がある。
【0023】
インクとともに液体組成物(以下、「処理液」ともいう)を付与する方法では、記録媒体に付与できるインクおよび処理液の量には限界があり、これによって、インク及び処理液の付与量に制限が生じ、画像再現上での自由度が狭まるという問題がある。一般的にインクはその重量比率の95%前後が溶剤で占められている。即ち、吐出される液滴のうち、色材である染料や顔料は全体のわずか5%ほどであるが、この吐出されたインク滴を安定して飛翔させる為には、そのキャリアとして多くの溶剤を一緒に吐出させる必要がある。そしてこのキャリアは記録媒体に記録インクが着弾後は速やかに定着することが求められる。しかしながら、記録媒体が吸収できる液量には限界があるため、記録媒体のインク受容量を越えたインクが打ち込まれるとインク溢れを起こすことになる。このような理由で、記録媒体に打ち込めるインク量に限界があり、高画質化を実現する上での障害になっている。処理液を施す場合にあっては記録インク以外に、さらに処理液の溶媒を打ち込む事になるので、インクのみの記録に比べてさらなるインク等の打ち込み量規制が生じることになる。そして、このような打ち込み量の規制は、これらの吐出データを生成するための、画像処理の自由度を低下させるという問題、すなわち、画像処理において上記打ち込み量を考慮しなければならないという問題に派生する。
【0024】
ところで、従来、処理液の吐出データは、上述したように、入力されたR,G,Bの画像データから色変換処理によって、インク色別の吐出データが生成され、このインクの吐出データに対して所定の論理演算を行うことで生成されていた。この場合に、上記の打ち込み量の規制を考慮して、処理液の吐出データ生成を行うことは、さらにこの処理演算を膨大なものにする。
【0025】
すなわち、インクドットの記録/非記録を基にした擬似階調表現では、ある色もしくは濃度は、データ処理の単位である画素毎ではなく、それらの複数からなる、一定の広さを有した領域で表現される。つまり、各インクの吐出頻度もこのような領域で定まり、従って、打ち込み量の規制を考慮したインクおよび処理液の吐出データの生成は、このような領域全体のインク吐出データを考慮して行う必要がある。このため、処理液吐出データの生成に比較的多くの処理演算が必要となる。
【0026】
また、近年の高画質化に伴い、通常のCMYKインクの他に色材濃度の低いフォトインク(PC,PM)を用いた濃淡記録方法や、インクの吐出量を変化させて粒状性を改善する吐出量変調記録方法や、これら二つの記録方法を組み合わせたものなど記録方法が複雑化している。濃インクと淡インクでは同じ1ドットでもその液滴中の色材の量が異なる。したがって、上述の記録方法においては、記録ドットの種類によって必要な処理液の付与量は異なる。そのような場合、前記公知の処理液吐出データの作成方法では、インク種や吐出量の異なる記録データ毎に異なる処理を行おうとすると、システムが複雑化し、製品のコストアップの原因となる。
【0027】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、インクの他に、インク定着性を良好にする液体組成物を記録媒体に付与するインクジェット記録方法においても、インク等の打ち込み量規制を考慮した液体組成物の吐出データを処理負荷の増大を招くことなく作成することが可能な画像処理方法及び該方法を用いたインクジェット記録装置および、該方法を実行する制御プログラムを提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、複数色のインクを吐出するための記録ヘッドと、前記インクの記録媒体上での定着に寄与する処理液を吐出するための記録ヘッドとを用い、記録媒体に対しインク及び処理液を付与することにより記録を行うインクジェット記録装置であって、記録すべき画像に対応する多値の画像データに基づき、各色インクの多値データおよび処理液の多値データを作成する色変換処理手段と、前記色変換処理手段により作成された前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの量子化データおよび処理液のデータに変換する量子化処理手段とを具えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の画像処理方法は、複数色のインクを吐出するための記録ヘッドと、前記インクの記録媒体上での定着に寄与する処理液を吐出するための記録ヘッドとを用い、記録媒体に対しインク及び処理液を付与することにより記録を行うインクジェット記録装置において用いられるデータを処理するための画像処理方法であって、記録すべき画像に対応する多値の画像データに基づき、各色インクの多値データおよび処理液の多値データを作成する色変換処理工程と、前記色変換処理工程において作成された前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの量子化データおよび処理液の量子化データに変換する量子化処理工程とを有することを特徴とする。
【0030】
本発明の制御プログラムは、複数色のインクを吐出するための記録ヘッドと、前記インクの記録媒体上での定着に寄与する処理液を吐出するための記録ヘッドとを用い、記録媒体に対しインク及び処理液を付与することにより記録を行うインクジェット記録装置において用いられるデータ処理を行うための制御プログラムであって、記録すべき画像に対応する多値の画像データに基づき、各色インクの多値データおよび処理液の多値データを作成する工程と、前記色変換処理工程において作成された前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの量子化データ(吐出信号)および処理液の量子化データ(吐出信号)に変換する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
以上の構成によれば、処理液付与データおよびインク色別濃度データを記録すべき画像データに基づいて決定しているので、画像処理上の制限を加えることなく、適切な処理液付与量を決定することができ、十分な画質を保つともにインク定着性の高い記録結果を提供できる。すなわち、ベタ印字など階調度の高い領域ではインクだけで記録媒体の水分受容量をほぼ満たしている状態であるので、インクの付与量を減らさずに処理液の付与量を減らすことによって記録媒体水分受容量の制限を満たす一方、低、中間調の領域では、処理液の付与量をふやすことによって、おのおの独立したインクドットそれぞれに処理液が付与される確率を高くし、インク定着性を高くする。
【0032】
尚、本明細書において「色材と微粒子との反応」とは、両者の共有結合の他、イオン的結合、物理的・化学的吸着、吸収、付着、その他の両者の相互作用を意味するものとする。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の模式図である。
インクタンク101と一体に構成されている記録ヘッド102は、キャリッジ106に搭載されている。そして、ガイドレール107に沿って矢印x方向に移動可能である。一方、記録媒体は、給紙ローラ105によって矢印y方向に記録ヘッド102と対峙する位置まで給紙される。キャリッジが矢印x方向に移動するときに記録ヘッド102よりインクが吐出され、記録媒体Pに記録が行われる。キャリッジ106が記録媒体Pの一方端まで移動すると、搬送ローラ104が所定量だけ矢印y方向に記録媒体Pを搬送する。このように、記録ヘッドによる記録と搬送ローラ104による紙送りとを交互に繰り返すことにより、記録媒体P全体に画像が形成される。
【0035】
インクタンク101及び記録ヘッド102はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)とこれらのインクを定着される処理液(S)の5種類に分かれている。なお、さらに、淡インクのヘッドが設けられていてもよい。
【0036】
また、記録ヘッド102には複数のノズルがインク色別に矢印y方向に配列されている。各ノズルには発熱ヒータが設けられており、インク吐出時はこのヒータを発熱させ、ノズル付近のインクに気泡を発生させ、この気泡の生成圧力によって所定量のインクを吐出する。なお、本実施形態はこのようなバブルジェット(登録商標)方式を用いたが本発明はこれに限定せず、他のインク吐出方法を用いてもよい。
【0037】
なお、キャリッジ106、給紙ローラ105、搬送ローラ104等の作動部分はそれぞれ個別に設けられた駆動モータの駆動力によって作動する。また各駆動部の駆動制御はCPUを備える制御部で行われている。
【0038】
次に、本実施形態のインクジェット記録装置におけるデータの流れについて説明する。
【0039】
インクジェット記録装置はパーソナルコンピュータ等のホスト装置と接続されており、ホスト装置で作成された画像データが送信されてくる。この画像データはRGB輝度信号で形成されており、制御部はこの輝度信号を各インク色ごとの濃度データに変換し、さらに、ノズルごとの駆動信号に変換する。そしてこの駆動信号を基にして、各駆動部を駆動させて記録動作を実行する。なお、輝度信号から濃度データへの変換処理の詳細については後述する。
【0040】
次に、記録媒体への記録において、インクを定着させる処理液の付与方法について説明する。好ましい実施態様としては、(i)色材を含むインクを記録媒体に付与する工程及び(ii)処理液である液体組成物を記録媒体に付与する工程とを有し、且つ上記記録媒体の表面において、インクと液体組成物とが互いに液体状態で接するように付与されるように構成することが挙げられる。かかる実施態様を採用することによって、より一層広い色再現領域を有し、ブリードの抑制や色の均一性にも優れ、更にベタ部のスジムラが少なく、良好な耐擦過性をも備えたインクジェット記録物が安定して得られる。
【0041】
更に後述する処理液の付与データ作成方法を用いることにより、より一層広い色再現領域を有し、ブリードの抑制や色の均一性にも優れ、更にベタ部のスジムラが少なく良好な耐擦過性をも備えたインクジェット記録物を安定して得ることができる。
【0042】
先ず、本実施形態において、処理液とインクとが記録媒体に定着するメカニズムについて、図2及び図3に従って説明する。尚、ここでは、インクとしてアニオン性基を有する水溶性染料(アニオン性染料)を含む水性インクを用い、同時に液体組成物として、表面がカチオン性に帯電している微粒子が分散状態で含まれている水性の液体組成物を用いた場合について説明する。
【0043】
先ず、説明に先立ち、言葉の定義を行う。本発明において、「単分子状態」とは、染料や顔料等の色材が、インク中で溶解若しくは分散した状態をほぼ保っていることを指している。このとき、色材が多少の凝集を引き起こしたとしても、彩度が低下しない範囲であれば、この「単分子状態」に含まれることとする。例えば、染料の場合、単分子であることが好ましいと考えられるため、便宜上染料以外の色材についても「単分子状態」と呼ぶこととする。
【0044】
図2は、インクが付与された記録媒体の模式的断面図であり、記録画像の着色部Iが、主画像部IMとその周辺部ISとから成り立っている状態を示したものである。図2において、1301は記録媒体、1302は記録媒体の繊維間に生じる空隙を示す。また、1303は、色材1305が化学的に吸着する微粒子を模式的に示したものである。図2に示したように、本発明のインクジェット記録画像では、主画像部IMは、色材1305が、単分子或いは単分子に近い状態(以降「単分子状態」と略す)で均一に表面に吸着した微粒子1303と、色材の単分子状態を保持した微粒子の凝集物1307とで構成されている。1309は、主画像部IM内の記録媒体繊維近傍に存在する、微粒子同士の凝集物である。主画像部IMは、記録媒体繊維に微粒子1303が物理的又は化学的に吸着する工程と、色材1305と微粒子1303とが液−液状態で吸着する工程によって形成されたものである。そのため、色材自体の発色特性が損なわれることが少なく、普通紙等のインクの沈み込み易い記録媒体においても、画像濃度や彩度が高く、コート紙並みの色再現範囲の広い画像の形成が可能となる。
【0045】
一方、微粒子表面1303に吸着されず、インク中に残った色材1305は、記録媒体1301に対して横方向にも深さ方向にも浸透するため、周辺部ISにインクは微少な滲みを形成する。このように記録媒体1301の表面近傍に色材が残り、且つ周辺部にインクの微少な滲みを形成させるために、シャドウ部やベタ部等のインク付与量が多い画像領域においても、白モヤや色ムラが少なく色の均一性に優れる。なお、図2に示した様に、記録媒体1301がインクや液体組成物の浸透性を有するものである場合には、本態様はインク成分や液体組成物成分の記録媒体内部への浸透は必ずしも妨げられるものではなく、ある程度の浸透を許容するものである。
【0046】
更に本発明の液体組成物を用いた場合においては、記録媒体の表面近傍に存在する微粒子凝集物1309が形成される際に、凝集物の内部にある程度の大きさの細孔が形成される。前述のインク中で単独に存在していた色材1305は記録媒体内部へと浸透していく際に微粒子凝集物1309の細孔内部へと浸透し、細孔の入口付近や内壁に理想的な単分子状態で吸着して、色材をより多く記録媒体の表面近傍に残留させることができる。これによってより一層優れた発色性の記録物を得ることができる。
【0047】
図3(a)〜(d)は、本発明にかかる記録媒体に着色部を形成する方法の一実施形態である着色部1400の概略断面図及びその形成過程を説明する概略工程図である。同図において、1401はインクと液体組成物との反応物、例えば、色材と微粒子との反応物を主として含む部分(以降「反応部」と略す)であり、図2の主画像部IMに相当する部分である。1402は、液体組成物との反応に実質的に関与しなかったインクが、反応部1401の辺縁に流出することによって形成された部分(以降「インク流出部」と略す)であり、図2の周辺部ISに相当する。かかる着色部1400は、例えば、以下のようにして形成される。尚、同図に示した1405は、記録媒体の繊維間に生じる空隙を模式的に表したものである。
【0048】
先ず、色材1404と反応性を有する液体組成物1406とが液滴として記録媒体1403に付与され(図3(a))、その結果、液体組成物の液溜り1407が形成される(図3(b))。該液溜り1407内で、記録媒体の繊維表面の近傍の微粒子1409は、記録媒体の繊維表面に物理的又は化学的に吸着する。この時、分散状態が不安定となって微粒子同士の凝集物1411を形成するものもあると考えられる。一方で、液溜り1407内の繊維より離れた部分では、微粒子1409は、もとの分散状態を保っていると考えられる。
【0049】
次いで、インク1413が、液滴として記録媒体1403に付与される(図3(b))。その結果、先ずインク1413と液溜り1407の界面において色材1404は、微粒子1409に化学的に吸着する。この反応は、液同士の反応(液−液反応)であるため、色材1404は単分子状態で、微粒子1409の表面に均一に吸着すると考えられる(図3(c))。即ち、微粒子表面では、色材同士は凝集を起こさないか或いは凝集しても僅かであると推測される。その結果、反応部1401の表層部に単分子状態で色材1404が吸着された微粒子が多数形成され、発色に最も影響を与える表面層に色材を単分子状態で残存させることができるため、高画像濃度であって、且つ彩度の高い記録画像を形成する。
【0050】
次いで、これら色材1404が吸着した微粒子は、分散状態が不安定となるため微粒子同士で凝集すると考えられる(図3(c))。即ち、ここで形成された凝集物1415は、その内部にも単分子状態の色材を保持している。この凝集物1415により、高画像濃度、且つ高彩度の記録画像が形成される。
【0051】
更に未反応の色材1404の一部は、液溜り1407内を拡散し、未反応の微粒子1409の表面に吸着する。このように、液溜り1407内部で色材と微粒子との反応が更に進行するため、より高濃度で彩度の高い画像が形成される。先に説明した記録媒体の繊維表面に形成された微粒子の凝集物1411には、液溜り1407の液相が記録媒体内への浸透を抑制する役割があると考えられる。このため、液溜り1407では、浸透が抑制された液体組成物中の微粒子1409と色材1404とがより多く混在することが可能となる。これにより、色材1404と微粒子1409との接触確率が高められ、反応が比較的均一に、且つ充分に進行し、より均一で、画像の濃度と彩度とに優れた画像が形成される。
【0052】
また、液体組成物1406が記録媒体1403に付与された際(図3(a))や、液溜り1407にインク1413が付与された際には(図3(b))、微粒子1409を分散させている分散媒が変化することによって微粒子1409の分散が不安定となり、色材1404が吸着する前に微粒子1409間で凝集を起こすものも存在する。ここでいう分散媒の変化とは、2種もしくはそれ以上の異種の液体が混合したときに一般的に観察される変化、例えば液相のpHや固形分濃度、溶剤組成、溶存イオン濃度などの物性変化を指し、液体組成物が記録媒体やインクと接触した際にこれらの変化が急激かつ複合的に生じて、微粒子の分散安定性を破壊し凝集物を生成するものと考えられる。これらの凝集物は、繊維間の空隙を埋める効果や、色材を吸着した微粒子を、より記録媒体の表面近傍に残存させる効果をもたらすと推測される。また、これら液溜り1407内で形成された凝集物は、記録媒体に吸着しているものもあれば、液相内を動ける(流動性を有する)ものも存在するが、流動性を有するものは、前述の色材と微粒子との反応過程と同様に、微粒子凝集物表面に色材が単分子状態で吸着し、より大きな凝集塊を形成し、これが発色性の向上に寄与しているものである。液相が繊維に沿って浸透する際に液相と共に移動し、空隙を埋めて記録媒体の表面を平滑化し、より均一で高濃度の画像の形成に寄与すると考えられる。
【0053】
上記したように、本処理液を用いると、色材が単分子状態で微粒子もしくは微粒子凝集物に吸着され、その状態で記録媒体の表面近傍に残るので、高発色の画像を得ることができる。また、色材が単分子状態で吸着し、記録媒体の表面近傍に残った微粒子は記録媒体の表面に定着するので、画像の耐擦過性や耐水性等の堅牢性が向上する。
【0054】
なおこれまで、液体組成物およびインクの順で、記録媒体に付与した場合で説明してきたが、インクと液体組成物との液−液反応が達成されれば、インクと液体組成物との記録媒体への付与順はこれに何ら限られるものでなく、インクに次いで液体組成物が付与されるといった順であってもよい。更に図3(b)にも示した通り、記録媒体に付与した液体組成物中の微粒子の少なくとも一部は、液媒体の記録媒体内部への浸透に伴って、記録媒体内部に浸透していると考えられる。他方、図3(d)に明示したように、色材が、先に浸透している微粒子に、単分子状態で吸着もしくは結合していることも十分に想定し得ることである。この様に記録媒体内部において、色材が単分子状態で吸着もしくは結合している微粒子も、発色性の向上に寄与していると考えられる。更にこのような液媒体の浸透により、定着性も向上すると考えられる。
【0055】
また、本実施形態の液体組成物を用いることにより、前述の記録媒体の表面近傍に存在する微粒子凝集物1411が形成される際に、凝集物の内部にある程度の大きさの細孔が形成される。液溜り1407の中で微粒子1409に吸着しきれなかった色材1404は、記録媒体内部へと浸透していく際に溶媒成分とともに細孔を通って微粒子凝集物1411の内部へと浸透するものもある。その際、色材1305は微粒子凝集物内の細孔の入口付近や細孔内壁に吸着し、溶媒成分のみが記録媒体内部へと浸透していくことによって、色材をより多く微粒子凝集物1411の表面や内部に効率よく吸着させ、記録媒体の表面近傍に残留させることができる。更に色材1404が染料の場合、微粒子凝集物1411の細孔直径は色材1404のインク中で存在している分子サイズの1〜数倍程度であるために、細孔内部に吸着した色材1404は、色材同士の凝集が極めて起こり難く、理想的な単分子状態を形成することが可能となる。このことが発色性の更なる向上に大きく寄与し、より一層広い色再現範囲を有する記録物を得ることができる。
【0056】
更に本発明では、記録媒体の表面で、微粒子と色材とを液相で反応させることにより、色材がアニオン性であるときは、極めて効率的にカチオン性微粒子表面に色材が吸着することとなる。
【0057】
また、従来技術で述べたように、インクジェット用コート紙で、本発明と同程度の色材吸着を達成しようとすると、多量のカチオン性多孔質微粒子が必要となり、基紙を覆い隠すような厚いインク受容層の形成が不可欠となる。そのために、コート紙では基紙の質感を損ねる結果につながる。本発明の液体組成物を構成する微粒子の量は少なくできるため、記録媒体の質感を損ねることなく、印字部と未印字部で質感において違和感のない画像形成が可能となる。
【0058】
また、インクに揮発性溶剤や浸透溶剤を入れる方法では、色材自体の記録媒体表面での残存量が十分で無い場合がある。また、液体組成物を記録媒体上で反応させる技術のように色材の記録媒体表面での残存量が十分であっても、色材同士を凝集させてしまうものでは無く、本発明では、微粒子表面に吸着した色材が微粒子とともに記録媒体表面に残すことが出来、かつ、それらの色材が単分子状態を保持しているため高発色な画像が得ることが可能となる。
【0059】
また、本実施形態の処理液は、微粒子を含む液体組成物とインクとを記録媒体の表面に付与して画像を形成するという点において、従来技術の第3の方法である、インクに微粒子含有液体組成物を外添する方法と一見類似しているかのように見える。しかし、本発明は、上記したように液体組成物と色材とを積極的に反応させ、液体組成物中の微粒子を色材の凝集(レーキ)を抑える手段として用いているのに対し、上記従来技術では、微粒子を含む溶液の付与の目的は、記録媒体の表面状態の改質であり、極性の異なる微粒子とインク中の色材との間で化学的な反応を生じさせるという思想は何ら開示されていない。そして、そのメカニズムの差異に基づくと推測される、これらの記録技術にかかる記録物と、本発明によって得られる記録物との品質の差異は明白なものである。
【0060】
次に、上記処理液及び記録インクの吐出データの生成方法について詳細に説明する。
【0061】
図4は本実施形態における画像処理(色処理)を説明するブロック図である。ホスト装置などから入カされる輝度データであるR、G、B各色8ビット(256階調)画像データから、色データであるC、M、Y、Kの各インクの吐出データと処理液Sの吐出データを出力する処理フローを説明する。
【0062】
R、G、B各色8ビットデータはまず3次元のルックアップテーブル(LUT)41によりR’、G’、B’の各色8ビットデータに変換される。この処理は色空間変換処理(前段色処理)と称し、入力画像の色空間(カラースペース)と出力装置の再現色空間の差を補正するための変換処理である。変換処理には3次元のLUTが用いられる。LUTは入力各色8ビット階調値に対して離散的にデータを保持しており、保持データ間は補間処理で求められる。該補間演算方式は様々な方法が開発されているが本実施形態では特公昭58−16180号公報に開示されている四面体補間方法を用いて行う。なお、本発明はこの方法に限らず、他の方法を用いてもよい。
【0063】
さらに色空間変換処理を施されたR’、G’、B’各色8ビットデータは次に3次元LUT42によってインク色別のC,M,Y,K各8ビットデータと処理液Sの8ビットデータに変換される。すなわち、この処理では、通常の色変換処理(輝度濃度変換処理)で、入力系の輝度データRGBカラーから出力系の濃度データCMYKに変換するのに加え、処理液Sデータをも得るものである。
【0064】
ところで、前述の記録媒体が許容できるインクの水分等の受容量には限界があるので、この色変換処理では各インクごとの濃度データおよび処理液Sデータを決定する上で、記録媒体へのインク等の打ち込み量を考慮した変換を行う。すなわち、このLUTを用いた色変換処理を行うことによって、膨大な演算処理を行うことなく、上記打ち込み量規制を考慮したインクおよび処理液の生成が可能となる。
【0065】
例えば、記録媒体のある一定の広さを有した領域の水分等の受容量、つまりマクロ的な受容量が300%であった場合、1画素に対し3〜4ドットの打ち込みが可能であると言える。ここでマクロ的とするのは、ある画素には4ドット打ち込まれていたとしても、その画素の周囲の画素には打ち込まれているドット数が少なければ、記録媒体全体としては十分にインクを受容することができるからである。
【0066】
そこでLUT42の変換内容は、マクロ的に300%の受容量の範囲でインクおよび処理液の付与量を決定するため、本実施形態では、色変換処理後のCMYK濃度データと処理液Sのデータの階調値の合計が768(=256*3)以内となるようなCMYK濃度データ及び処理液Sデータの組み合わせを出力するものとする。
【0067】
例えば、R’,G’,B’各8ビットデータによって規定される空間の各軸を8分割して得られる729の各格子点について、それぞれ上記合計値の条件を満たす(C,M,Y,K,S)の複数の組み合わせによるパッチを記録し、これらのパッチを測色する。そして、これらの測色値が示す、例えばL*a*b*空間の値のうち、もとの入力データ(R’,G’,B’)が示すL*a*b*値にもっとも近い(C,M,Y,K,S)の組み合わせを決定することによって得られる格子点データを上記LUT42の内容とするものである。
【0068】
なお、本実施形態の色変換処理は、(R’,G’,B’)から処理液Sデータも含む(C,M,Y,K,S)への変換である。このように、処理液Sを加味することによりインクの定着性があがるとともに、実際の発色を、処理液がない場合と比べて、向上させることができ、再現範囲を広くすることも可能となる。
【0069】
このようにして色変換処理42によってR′、G′、B′データから8ビットのC,M,Y,Kの多値データ(濃度データ)及び処理液Sの多値データが作成される。そして、この各色インクの多値濃度データ及び処理液Sの多値データに出力γ処理43が施される。
【0070】
次に、本実施形態におけるカラー記録装置は2値記録装置であるので上記C、M、Y、K及びSの各色8ビットのデータは、量子化処理部44でC、M、Y、K及びS各色1ビットのデータ(2値データ)に量子化処理される。本実施形態では誤差拡散法によって量子化を行う。該誤差拡散法を用いた量子化方法の詳細は「日経エレクトロニクス1978年5月号50ページ〜65ページ」を始めとして既に様々な文献や論文が発表されており公知の技術であるので詳細な説明は省略する。
【0071】
なお、誤差拡散法では閾値を階調値の中間値(127/255)に設定するのが一般的であるが、この閾値が変わっても、所定領域に打ち込まれるドットの総数は変わらず、打ち込まれるドットの配置が変わるだけであるので、閾値はいかなる値をとってもよいのは言うまでもない。また、誤差拡散処理によって決定されるドットの配置はマクロ的に見れば階調に応じて均等に配分されるため、この誤差拡散処理で同時に決定される処理液Sのドットの配置も階調に応じたものとなる。
【0072】
上述したようにホスト装置から送られてきた画像データは、LUTにてC,M,Y,Kの多値データ及び処理液Sの多値データに変換され、さらに量子化処理部にて2値化処理されて、各色インクの2値データおよび処理液の2値データに変換される。そして、これら2値データに従って記録ヘッドは駆動され、当該記録ヘッドからインクおよび処理液が吐出されて記録が行われることになる。
ここで、前記LUTのSデータの作成方法について詳細な説明を加えておく。
ただし、本発明の意図するところは以下の説明に制約されるものでは無く、一例として以下に説明する。
【0073】
三次元LUTの格子点の値(R,G,B)に対して、各色材の階調レベル値をC(R,G,B)、M(R,G,B)、Y(R,G,B)、K(R,G,B)とし、これら色材成分の階調レベル総和をσ(R,G,B)とする。
σ(R,G,B)=C(R,G,B)+M(R,G,B)+Y(R,G,B)+K(R,G,B)
である。中、高階調領域におけるこれらのインク色材の定着で、濃度および彩度に十分な効果が得られる処理液の付与比率(以下「処理液基本付与比率」ともいう)をA%とすると、適切な処理液の付与量(以下「処理液基本付与量」ともいう)S0(R,G,B)は次のようになる。
S0(R,G,B)=σ(R,G,B)×A%
Aは任意の固定値(例えば50%)
【0074】
しかしながら、記録媒体の水分受容量には限界があり、本実施形態では上述したとおり、付与量の合計が300%以下となるようにする。
【0075】
そこで、実際のLUTの処理液Sの値S(R,G,B)は、
条件(1)S0(R,G,B)+σ(R,G,B)≦ 300%
を満たすときは、前記処理液基本付与量S0を実際の付与量Sとする。すなわち、
S(R,G,B)=S0(R,G,B)
となる。一方、条件(1)を満たさないときは、インク付与量と処理液S付与量の合計が300%となるようにする。すなわち、
S(R,G,B)=300%−σ(R,G,B)
となる。
【0076】
上記条件であれば、最大打ち込み量を満足しつつ、かつ形成される画像の濃度、彩度に十分な効果を発揮する処理液の付与量を決定することができる。
【0077】
このように、ある程度の大きさの単位領域における、中、高階調部では、上記方法で処理液の付与量を決定すると、処理液と色材インクとの付与量を最適化することができる。しかしながら、本実施形態の処理液吐出データを定める方式は、従来のインクの吐出データ(2値データ)に対して処理液の吐出データを定める方式ではない。したがって、ドットがまばらな低階調部では、インクドットに対してまたはその近傍に処理液が付与され、処理液とインクが接触反応を起こすとは限らない。そこで、低階調部においては、上記設定したAの値(50%)より大きな値A′%(例えば75%)を、処理液基本付与比率として設定し、処理液と色材インクとの接触確率を高める制御を行うことが有効である。
【0078】
具体的には、色材成分のレベル総和σ(R,G,B)が所定値P未満(例えば50%未満)であれば、低階調領域であると判断し、処理液基本付与比率をA′%として、処理液基本付与量S0(R,G,B)を算出する。
S0(R,G,B)=σ(R,G,B)×A′%
この処理液基本付与量S0(R,G,B)に基づき、上記方法で処理液の実際の付与量S(R,G,B)を求めればよい。
【0079】
ここでは、低階調領域に対応させた処理液基本付与比率A′%と、中、高階調領域に対応させた処理液基本付与比率A%の2段階にしか分けていないが、実際にはさらに細かく段階分けをした付与比率をLUTに設定してもよい。
【0080】
結果として、処理液の付与量と色材インクの総付与量の比率は、比較的階調値が低い領域では相対的に高く、比較的階調値が高い領域では、比率は低くなる。
【0081】
もちろん、CMYKの2値データから処理液Sの2値データを生成する従来の方法によっても、相対的にCMYK打ち込み量の多い領域では処理液Sデータを控えめに、逆にCMYK打ち込み量の少ない領域では処理液Sデータを多めに生成するように制御することは技術的に可能である。しかし、そのような公知の手法では実際の記録データが完成してから、記録直前に処理液の付与データを作成するので、上述のような微妙な調整をさらに加えることによって、演算回路が複雑化しコストアップにつながる。
【0082】
さらに、CMYKの2値データから1670万色のフルカラー出力を行う通常の記録装置では、記録画素ごとに1670万色を生成しているわけではなく、複数画素からなる領域で色を表現している。したがって、記録画素単位で処理液Sデータの印字/非印字を決定したのでは、画像全体から見た処理液の効果が得られるものとはならない。そこで、そのような効果を得るために、所定領域のCMYK2値データのドットの出現頻度を考慮して注目画素の処理液Sデータの生成を判断すると、演算回路が複雑になるばかりでなく、処理データ量が多くなり、大幅な負荷の増大を招く。さらに、処理液データの生成頻度にランダム性が加わる場合には、実際の発色の管理も困難になる。したがって、結果として、画像の劣化を招く可能性もある。
【0083】
一方、本実施形態によると、上述のようなフルカラー出力における領域単位の色再現性の制御において、単にLUTの値を変えるだけで、その領域における処理液と色との関係を制御することができる。予め所定の領域のRGBデータによって、該領域の階調および色相を調べ、その階調および色相に応じて処理液の基本付与比率をテーブルに設定しておけば、実際の処理液Sの吐出データを作成する場合の処理はインクと同様の方法で行うだけで適切なものとすることができる。また処理液の基本付与比率A(%)を調整することによって、常に、インクの付与量に適した処理液を付与することができ、処理液を必要以上に消費することをも防止できる。
【0084】
さらに、従来では処理液のSデータは、量子化処理された2値のCMYKデータから論理演算によって求められていた。一方、本発明では、量子化される前のRGBの多値データから処理液Sの多値データを作成しているので、論理演算で求める方法と比べて処理に掛かる負荷が少ない。よって高速記録を要求されるプリンターには特に有利である。
【0085】
以上のように、本実施形態においては、色変換処理の過程で、処理液Sの多値データを生成するので、色域や個々のインクによる記録比率に応じた処理液の付与比率を容易に制御することができる。また、同時に、インクと処理液の双方を合わせた記録媒体への打ち込み量を容易に制御することを可能とし、画像処理の自由度の制限を低減したインクジェット記録装置を提供できる。
【0086】
これまで、CMYKの4色インクおよび処理液Sに関するLUTデータ展開について述べた。しかしながら、近年は濃度の低い淡インクも加えた6色構成の記録装置も多い。このような濃淡インクも加えた形態における、LUTデータ展開について説明する。
【0087】
CMYKのインクの他にPC,PMを用いた一般的な濃淡記録の場合、前述の3次元LUTはC、M、Y、K、PC、PM、S の7つの値を持つ格子点の値(R,G,B)に対して、各色材のレベル値をC(R,G,B)、M(R,G,B)、Y(R,G,B)、K(R,G,B)、PC(R,G,B)、PM(R,G,B)とする。濃い色材インク(C,M,Y,K)に対し十分な効果が得られる処理液の付与比率をA%(例えば50%)とする。一方、薄い色材インク(PC,PM)に対し十分な効果が得られる処理液の付与比率をB%(例えば17%)とする。淡インク(PC,PM)の方が含まれる色材の量が少ないので、一般にBはAよりも小さい値となる。つまり、処理液は色材に反応するため、色材の量が少ないインクは、処理液が少なくてもその効果を得ることができる。したがって、インクの上端に応じて処理液の付与比率を制御すれば消費する処理液の総量を抑えることができる。これは、インクジェット方式のようなオンデマンド記録方式で処理液を塗布する場合での大きな効果である。
【0088】
3次元LUTの格子点の値(R,G,B)における処理液Sの付与量S(R,G,B)は、
S(R,G,B)={C(R,G,B)+M(R,G,B)+Y(R,G,B)+K(R,G,B)}×A%+{PC(R,G,B)+PM(R,G,B)}×B%
で示される値とすればよい。なお、この場合もCMYK4色の時と同様に、処理液Sの付与量とC,M,Y,KおよびPC,PMのインク付与量との合計が例えば300%以下となるような付与量の制限を設けてもよい。
【0089】
ここでは、処理液Sの基本付与比率を濃インク(C,M,Y,K)と淡インク(PC,PM)で異なるようにしたが、本発明はこれに限らず基本付与比率を各インクごとに異ならせた6種類としてもよい。いずれの場合も、予め適切な値をLUTの値として設定しておけばよく、LUT以降の処理は4色構成のときと同様である。
【0090】
さらに、上記4色構成の場合と同様にして、処理液Sの基本付与比率A、B(%)を、低階調領域ではこれよりも大きい値A′(例えば75%)、B′(例えば50%)(%)に切りかえるようにしてもよい。加えて、階調、色相に応じて、処理液Sの基本付与比率A、B(%)が調整されるのは言うまでもない。
【0091】
一方、CMYKの2値データから処理液Sの2値データを生成する従来の方法においても3x3などの所定の単位領域のドット配置を定める、濃淡間引きマスク処理の一般的な手法においても、この所定領域内ではインクと処理液の比率は保つことは可能である。しかし、マスク処理の他の一般的な手法として、ドット配置が特定できない誤差拡散法を用いた場合では、インクと処理液の比率が一定に保たれない場合が発生する可能性がある。
【0092】
また、CMYKおよびPMPCの2値データから処理液Sの2値データを生成する方法では、濃淡インクに応じて処理液の付与比率を異ならせるためには、所定領域内の各インクの2値データから、複雑な条件の元で所定領域内の処理液付与データをリアルタイムで作成することになる。その結果、演算量が多くなるので、処理時間が増大するか、より高速で処理を行うことが可能な演算装置が必要となり、システムが高価なものとなる。さらに濃淡記録方法と吐出量変調記録方法とを同時の用いた場合に、公知の技術で、色材の量に対して適切な処理液の量を設定するには、処理が複雑化しコスト高につながってしまう。
【0093】
しかしながら、本発明によれば、常にLUTの処理液基本付与比率の値を変更するだけで簡易に対応することができ、低コストでよりよい画像形成を実現することができる。
【0094】
以上のように本発明による処理液のデータ作成方法によれば、従来の処理液のデータを、プリンタ本体などで有色インクの量子化後の2値データを元にして作成する手法と比較して、必要以上に処理回路を複雑にすることなく、濃淡記録や吐出量変調記録に対応して、簡易に処理液のデータを作成することができる。結果として低コストで良好な記録をユーザに提供することが可能となる。
【0095】
なお、本実施形態では、記録装置において、上述の画像処理を行う形態を説明したが、本発明はこれに限らず、記録装置に接続されたホストコンピュータ側にて画像処理を行う形態であってもよい。具体的には、色変換処理、量子化処理までをホストコンピュータが行う。つまり、RGBデータから、CMYKおよびSの吐出データ(2値データ)を上述の処理方法でホストコンピュータのプリンタドライバが行い、記録装置側へは、各インクおよび処理液の吐出データ(2値データ)のみが送信される形態であってもよい。
【0096】
さらに、近年ホストPCとプリンタとのデータ転送量を低減するために行われる3値から16値程度の多値の量子化の場合にも、簡単に適応できることは言うまでもない。その場合、処理液のLUT中の値は、前述の出力γ補正の値を考慮するだけでなく、前述の量子化後の多値データが実際のインク滴数に変換される際の変換を考慮する必要があることは、公知の技術と本発明の意図するところから当然のことである。例えば4値記録の場合に、量子化結果が0 ̄3の値0、1、2、3となるのに対して、これらの量子化データを受信したプリンタ本体内で記録インク滴のドット数を0、1、2、4に変化する場合がある。この場合量子化結果の値が0から2までは、インク滴の付与量も0から2ドットと同様な比率で増加するの対して、量子化結果が3の場合のみ異なる比率でインク滴が付与されてしまっている。このような場合、有色インクのLUTテーブルの値だけで単純に処理液の値を算出すると実際の付与量がずれてしまう。このずれを防止するために、このように量子化結果とインクの付与量が必ずしも一定比率で無いような場合には前記LUT作成の際に考慮をすることが必要となるのである。
【0097】
また、本発明は、インクジェット記録装置および、画像処理方法だけでなく、この画像処理方法を実行するプログラムも含むものとし、該プログラムは、インクジェット記録装置に搭載されるだけでなく、ホストコンピュータ等、他の機器に搭載される形態もすべて含むものとする。
【0098】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0099】
【発明の効果】
以上のように本発明を用いることにより、処理液付与データおよびインク色別濃度データを記録すべき画像データに基づいて決定しているので、処理液の比率が、色域に応じたものであるばかりでなく、インク色毎の記録比率に応じたものとなっている。すなわちこれは、CMYK2値データを用いて処理液比率を決定する従来例においての、広い領域においてドットの出現頻度を考慮し処理液比率を決定しなければならない処理を大幅に改善したものである。
【0100】
さらには、画像処理上の制限を加えることなく、適切な処理液付与量を決定することができ、十分な画質を保つともにインク定着性の高い記録結果を提供できる。すなわち、ベタ印字など階調度の高い領域ではインクだけで記録媒体の水分受容量をほぼ満たしている状態であるので、インクの付与量を減らさずに処理液の付与量を相対的に減らすことによって記録媒体水分受容量の制限を満たす一方、低、中間調の領域では、処理液の付与量を相対的にふやすことによって、おのおの独立したインクドットそれぞれに処理液が付与される確率を高くし、インク定着性を高くする。このため、処理液の付与によるインクの打ち込み制限を最小限に抑えることができるうえ、LUTの変更のみで種々の状況に応じられるので、画像処理の自由度が損なわれ難い上に、画像処理の大幅な削減につながり、画質の低下を防いだ記録結果を提供することができる。
【0101】
また、RGBデータを基にして、処理液の付与データを決定しているので、二値データであるインク色ごとの吐出データを基にして、論理演算で処理液の付与データを決定する方法に比べて、より階調に即したデータを少ない作業負荷で生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるインクジェット記録装置を示す模式図である。
【図2】インクが付与された記録媒体の模式的断面図である。
【図3】インク及び処理液が付与された記録媒体の模式的断面図である。
【図4】本実施形態における画像処理(色処理)を説明するブロック図である。
【図5】コート紙表面付近の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
101 インクタンク
102 記録ヘッド
104 搬送ローラ
105 給紙ローラ
106 キャリッジ
107 ガイドレール

Claims (10)

  1. 複数色のインクを吐出するための記録ヘッドと、前記インクの記録媒体上での定着に寄与する処理液を吐出するための記録ヘッドとを用い、記録媒体に対しインク及び処理液を付与することにより記録を行うインクジェット記録装置において、
    記録すべき画像に対応する多値の画像データに基づき、各色インクの多値データおよび処理液の多値データを作成する色変換処理手段と、
    前記色変換処理手段により作成された前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの量子化データおよび処理液の量子化データに変換する量子化処理手段と、
    を具えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記多値の画像データはRGB輝度データであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記量子化処理手段は、前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの2値データおよび処理液の2値データに変換し、前記変換された各色インクの2値データおよび処理液の2値データに基づいて前記記録ヘッドを駆動し、前記記録ヘッドからインク及び処理液を吐出するヘッド駆動手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記色変換処理手段は、比較的階調値が低い領域へは各色のインクの付与量の総和に対する処理液の付与量の比率を他の領域より相対的に高くし比較的階調値が高い領域へは前記各色のインクの付与量の総和に対する処理液の付与量の比率を他の領域より相対的に少なくするとともに、該領域への処理液の付与量とインクの付与量との合計が記録媒体の水分受容量を超えないような付与量となる処理液付与データを生成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 同色で色材の含有比率が異なる2種類のインクに対し、前記色変換処理手段は、インク中に含まれる色材が比較的少ないインクに対する処理液の付与量の比率を、インク中に含まれる色材が比較的多いインクに対する処理液の付与量の比率よりも少なくする処理液付与データを作成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクは、色材を含むアニオン性もしくはカチオン性の水性インクであり、前記処理液は、前記水性インクに対して逆極性に表面が帯電している微粒子が分散状態で含まれている水性の液体組成物であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクおよび前記処理液は、前記記録媒体上に付与されたとき、前記処理液の微粒子表面に前記インク中の色材が単分子状態で吸着されることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記処理液の微粒子は、アルミナまたはアルミナ水和物であることを特徴とする請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 複数色のインクを吐出するための記録ヘッドと、前記インクの記録媒体上での定着に寄与する処理液を吐出するための記録ヘッドとを用い、記録媒体に対しインク及び処理液を付与することにより記録を行うインクジェット記録装置において用いられるデータを処理するための画像処理方法であって、
    記録すべき画像に対応する多値の画像データに基づき、各色インクの多値データおよび処理液の多値データを作成する色変換処理工程と、前記色変換処理工程において作成された前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの量子化データおよび処理液の量子化データに変換する量子化処理工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 複数色のインクを吐出するための記録ヘッドと、前記インクの記録媒体上での定着に寄与する処理液を吐出するための記録ヘッドとを用い、記録媒体に対しインク及び処理液を付与することにより記録を行うインクジェット記録装置において用いられるデータ処理を行うための制御プログラムであって、
    記録すべき画像に対応する多値の画像データに基づき、各色インクの多値データおよび処理液の多値データを作成する工程と、
    前記色変換処理工程において作成された前記各色インクの多値データおよび処理液の多値データを、前記各色インクの量子化データ(吐出信号)および処理液の量子化データ(吐出信号)に変換する工程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
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