JP3177113B2 - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびデータ作成方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびデータ作成方法

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JP3177113B2 JP02358495A JP2358495A JP3177113B2 JP 3177113 B2 JP3177113 B2 JP 3177113B2 JP 02358495 A JP02358495 A JP 02358495A JP 2358495 A JP2358495 A JP 2358495A JP 3177113 B2 JP3177113 B2 JP 3177113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被記録材上に高品位の
画像を記録するためのインクジェット記録装置、インク
ジェット記録方法およびデータ作成方法に関し、詳しく
は、色材を含まない非有色の浸透性液体、あるいはイン
ク(例えば、インク)中の色材を不溶化または凝集させ
ることが可能な液体を吐出させるためのインクジェット
記録装置、インクジェット記録方法およびインクジェッ
ト記録装置にて使用されるデータの作成方法に関する。
なお、ここで、記録とは、布、不織布、紙、OHP用
紙、シート材等のインク付与を受ける被記録材全てへの
インク付等(印字、画像形成、プリント、染色等)を含
むものである。したがって、本発明は特定の分野(例え
ば、情報処理分野)のみならず、布、糸、紙、シート材
のインク付与を受ける被記録材を用いる幅広い産業分野
において適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンやワープロ等のOA機器
が広く普及しており、これら機器で入力した情報をプリ
ントアウトする方法として様々な記録方法や記録装置が
開発されてきている。上記プリントアウトする情報は、
OA機器の向上とともにカラー化が進んできており、こ
れに伴って安価で高品位なフルカラー記録が行える記録
装置の開発が強く望まれてきている。
【0003】高品位なフルカラー記録を行うために中間
調(階調)の再現性は重要なファクターであるが、一般
的に熱転写方式、ワイヤードット方式、インクジェット
方式、電子写真方式などの記録方式に代表される記録装
置は、多くの場合2値記録装置であるため、階調再現は
次にあげるような方法で実現している。
【0004】例えば、複数のインク滴を被被記録材上の
実質的同一箇所に着弾させて1つの画素を形成し、着弾
させるインク滴数を変えることによって階調を表現する
いわゆるマルチドロプレット方式は、特に1つ1つのイ
ンク滴自体の大きさを大きく変調することの困難な、熱
作用による気泡の生成によりインクを吐出する方式の記
録における階調表現の方法として有効である。
【0005】ところで、上記マルチドロプレット方式に
限らず一般に、記録装置の記録モードの中には、記録結
果の確認等に使用し、正規の記録結果が得られない高速
の記録モードいわゆるドラフトモードがあるが、マルチ
ドロプレット方式のインクジェット記録装置に対し、最
大インク滴数よりつねに少ないインク滴数によって画素
を形成するというドラフトモードが提案されている。本
来1画素について、3ドロップレット必要であるところ
に、例えば1ドロプレットしか吐出せず画像を形成す
る。もちろん形成された画像は、全体的に濃度の低い画
像になる。しかし、記録が必要な画素に対してはすべて
の画素で吐出を行っているために画像としては問題がな
い。特に、文字については文字を構成する全ての画素で
ドロプレットが打たれる為に、判読可能なものとなる。
【0006】上記マルチドロプレット方式とは別に、中
間調表現を行うための他の方法として、ディザ法などの
手段による面積階調と称されている方式が知られてい
る。この方法は、例えば(4*4)の計16画素を1要
素として、該16画素中何ドット印字ドットを打ち込む
かで17種類(純白を含む)の階調表現を行う方式であ
る。
【0007】さらに、有色ドットを印字する前後に無色
の希釈液を打ち込んで被記録材上でインクを希釈して階
調表現を行う方式がある。これを、図面を参照し具体的
に説明する。図15は、特公平06−4338号などに
記載されている希釈液を用いた階調表現手段を説明する
ための図である。例えば(4*4)の画素領域に1ドッ
トの記録ドットを打ち込んで階調表現をする場合、前記
面積階調手段で説明したように高発色記録ドットが目立
ってしまって粒状感が出てしまう。よって、希釈液を用
いる階調表現手段では、ドット162を打ち込む格子1
60の格子点161に希釈液163を打ち込んで記録ド
ット濃度を希釈するとともに、有色ドット液滴が希釈液
を打ち込んだ領域に被記録材上を流れて広い範囲の低濃
度画像を作り出す。これによって粒状感のないハイライ
ト部の記録を可能とするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の階
調表現手段にあっては次のような問題があった。
【0009】まず、前記面積階調手段にあっては、高濃
度の箇所の階調再現性は比較的違和感なく表現できるも
のの、低濃度(ハイライト部)の箇所の階調再現時にい
わゆる粒状感と称される不自然さが目立つ。面積階調を
行う記録装置はあくまでドットを記録するかしないかの
制御であるので、記録画像を拡大して観れば高発色濃度
の記録がされている場所と記録されていない場所の2値
の表現でしかない。よってドットが密集している高濃度
部は記録ドット1ドットづつが肉眼で確認できるわけで
はないので違和感は少ないが、ハイライト部では高発色
濃度のドットが点在しておりドットが認識できてしま
う。即ち低濃度部ではブツブツと発疹している感じに記
録画像が出力されてしまう。これがハイライト部での粒
状感であり画像の不自然さを生じさせることにつなが
る。
【0010】また、前記希釈液を用いた階調表現手段に
あっては次のような問題があった。画像全体がハイライ
ト画像であれば問題は少ないが中間調のハイライト画像
と2値画像が近接する場合に該2値画像の輪郭が滲んで
画像品位を低下させてしまうことがある。該問題を図1
6を用いて詳細に説明する。図16(a)がホストから
指定された記録データであり、理想的には図16(b)
のように記録されることが望ましい。即ち2値画像であ
る三角形はハッキリした輪郭を有する純黒画像で、周囲
は粒状感のない中間調画像の記録画像が出力がされるこ
とが望ましい。しかし、図16(c)の白丸で示したよ
うに無色の希釈液が上記説明のように格子点上に吐出さ
れるので、被記録材上を有色ドット液滴が流れて図16
(d)に記すように2値画像の三角形と周囲の中間調画
像がつながってしまい三角形の画像の輪郭がにじみ出て
しまい画像劣化を引き起こす場合があった。この問題は
黒色(Bk)単色記録時にも発生するが、複数色を用い
るカラー記録の場合などには更に顕著に健在化する。ま
た、カラー記録の場合には1つの記録色に関してはハイ
ライト画像であるが他の色の記録画像までオーバーラッ
プして判断すると高濃度の2次色の場合もあり何らかの
制御が必要ではあるがカラー記録に対応する発明には言
及されていない。
【0011】これは上記面で希釈する場合に於いてもド
ット単体を希釈する場合に於いても、被記録材上で希釈
液によって所望の濃度に希釈する手段に於いては共通の
問題であった。
【0012】また、上記希釈液の記録情報は通常ホスト
から送信されてくる情報ではない。よって希釈液は記録
データに関わりなく被記録材上に一律に吐出されるか、
或いは有色記録ドットの吐出に連動して吐出されていた
が、粒状感の低減など、効果が期待できるのはハイライ
ト部のみであり、高濃度部などではむしろ弊害となって
しまっていた。
【0013】したがって、本発明は、上記従来の課題を
解決し、粒状感や滲みの問題を低減した画像形成を実現
し得るインクジェット記録装置、インクジェット記録方
法およびインクジェット記録装置にて使用されるデータ
の作成方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、複数種類のインクを吐出するための複数の
インク吐出部と、前記インクと混合または接触すること
によりインクによる記録画像の記録性を向上させる記録
性向上液を吐出するための記録性向上液吐出部とを用
い、前記複数のインク吐出部および前記記録性向上液吐
出部からインクおよび記録性向上液を被記録材上に吐出
して画像を記録するインクジェット記録装置であって、
前記複数のインク吐出部それぞれで用いられる各インク
吐出データの論理和により得られる論理和データを求め
るための演算手段と、前記演算手段により求められた前
記論理和データに基づき、前記インクにより記録される
べき複数の記録箇所の各々について当該記録箇所が低濃
度領域であるか否かを判別するための判別手段と、前記
判別手段により低濃度領域であると判別された記録箇所
に対してのみ記録性向上液が吐出されるように、前記論
理和データに基づき前記記録性向上液吐出部で用いられ
る記録性向上液吐出データを作成するための作成手段
と、前記作成手段により作成された前記記録性向上液吐
出データに基づいて前記記録性向上液吐出部から記録性
向上液を吐出し、前記各インク吐出データに基づいて前
記複数のインク吐出部それぞれからインクを吐出する手
段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0015】好ましくは、上記判別手段では、インクに
よる粒状感が発生しやすい記録箇所を低濃度領域と判別
する。
【0016】好ましくは、上記判別手段では、記録箇所
に吐出されるドット数が所定数以下である場合に当該記
録箇所を低濃度領域と判別する。
【0017】好ましくは、上記判別手段により低濃度領
域であると判別された記録箇所におけるインク吐出デー
タのドット数を増大させる補正処理を行うインク吐出デ
ータ補正手段を更に備える。
【0018】好ましくは、上記記録性向上液は、インク
の被記録材への浸透度合いを向上させる浸透液である。
【0019】好ましくは、上記浸透液は、重量比率で
0.5%以上、好ましくは1〜2%の界面活性剤を含有
し、該界面活性剤は、非イオン系界面活性剤である。
【0020】好ましくは、上記浸透液は、浸透度の異な
る複数種類の浸透液からなり、該複数種類の浸透液を記
録画像の階調に応じて使い分ける。
【0021】好ましくは、上記記録性向上液は、上記イ
ンク中の色材を不溶化または凝集させる処理液である。
【0022】好ましくは、上記処理液は低分子成分と高
分子成分とからなるカチオン性物質を含むものであり、
上記インクに含まれる前記色材はアニオン性物質からな
る。
【0023】好ましくは、上記処理液は低分子成分と高
分子成分とからなるカチオン性物質を含むものであり、
上記インクは前記色材としてアニオン性の染料を含むか
または少なくともアニオン性化合物と顔料とを含む。
【0024】好ましくは、上記インク吐出部および記録
性向上吐出部は、それぞれインクおよび記録性向上液を
吐出するためのエネルギー発生手段として、インクおよ
び記録性向上液に膜沸騰を生じさせる発熱抵抗素子を備
える。
【0025】また、本発明は、複数種類のインクを吐出
するための複数のインク吐出部と、前記インクと混合ま
たは接触することによりインクによる記録画像の記録性
を向上させる記録性向上液を吐出するための記録性向上
液吐出部とを用い、前記複数のインク吐出部および前記
記録性向上液吐出部からインクおよび記録性向上液を被
記録材上に吐出して画像を記録するインクジェット記録
方法であって、 前記複数のインク吐出部それぞれで用
いられる各インク吐出データの論理和により得られる論
理和データを求めるための演算工程と、前記演算工程に
おいて求められた前記論理和データに基づき、前記イン
クにより記録されるべき複数の記録箇所の各々について
当該記録箇所が低濃度領域であるか否かを判別するため
の判別工程と、前記判別工程において低濃度領域である
と判別された記録箇所に対してのみ記録性向上液が吐出
されるように、前記論理和データに基づき前記記録性向
上液吐出部で用いられる記録性向上液吐出データを作成
するための作成工程と、前記作成工程において作成され
た前記記録性向上液吐出データに基づいて前記記録性向
上液吐出部から記録性向上液を吐出し、前記各インク吐
出データに基づいて前記複数のインク吐出部それぞれか
らインクを吐出する吐出工程と、を備えたことを特徴と
するものである。
【0026】また、本発明は、複数種類のインクを吐出
するための複数のインク吐出部と、前記インクと混合ま
たは接触することによりインクによる記録画像の記録性
を向上させる記録性向上液を吐出するための記録性向上
液吐出部とを用い、前記複数のインク吐出部および前記
記録性向上液吐出部からインクおよび記録性向上液を被
記録材上に吐出して画像を記録するインクジェット記録
装置にて使用されるデータの作成方法であって、前記複
数のインク吐出部それぞれで用いられる各インク吐出デ
ータの論理和により得られる論理和データを求めるため
の演算工程と、前記演算工程において求められた前記論
理和データに基づき、前記インクにより記録されるべき
複数の記録箇所の各々について当該記録箇所が低濃度領
域であるか否かを判別するための判別工程と、前記判別
工程において低濃度領域であると判別された記録箇所に
対してのみ記録性向上液が吐出されるように、前記論理
和データに基づき前記記録性向上液吐出部で用いられる
記録性向上液吐出データを作成するための作成工程と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【作用】上記構成によれば、ハイライト部などの低濃度
領域に於いては有色インクドットを被記録材深層部に沈
み込ませることによりドット単体の濃度を低下させ粒状
感の緩和を実現しつつ、被記録材上での希釈ではないの
で隣接画像との滲みの問題も軽減できる。より詳しく
は、粒状感が発生しやすい低濃度領域にのみ記録性向上
液が吐出されるように、各インク吐出データの論理和に
より得られた論理和デ−タに基づき記録性向上液吐出デ
ータを求めているので、必要な場所(粒状感が発生しや
すいハイライト部)にのみ最適に記録性向上液を吐出す
ることが可能となり、また、必要に応じてインク吐出デ
ータを補正することによって、極めて高画質な中間調の
階調記録を実現することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明にもとづく記録方法が適用され
る記録装置の一例として、インクジェット記録装置の具
体例を説明する。
【0035】一般にインクジェット記録装置は、記録手
段(記録ヘッド)およびインクタンクと搭載するキャリ
ッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御す
るための制御手段とを具備する。そして、複数の吐出口
からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方
向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリ
アルスキャンさせ、一方で非記録時に記録紙を記録幅に
等しい量で間欠搬送するものである。また、この記録装
置が採用するインクジェット記録方法は、記録信号に応
じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うもので
あり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として
広く用いられている。さらに、インクを吐出する多数の
ノズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを
用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を一回走査
することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。そ
のため、記録動作の高速化を達成することが可能であ
る。
【0036】さらにまた、カラー対応のインクジェット
記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出される
インク液滴の重ね合わせることによりカラー画像を形成
する。一 般に、カラー記録を行う場合、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色ま
たはこれら3原色にブラック(B)を含めた4色に対応
する4種類の記録ヘッドおよびインクカートリッジが必
要とされる。昨今ではこのような3〜4色の記録ヘッド
を搭載し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化
されている。もちろん、本発明の記録装置は、以下の実
施例に限定されるものではないことは、当業者に容易に
理解されよう。また、ファクシミリ、プリンタ、複写機
等の事務用機器のみならず、装飾用プリンタ、布地に絵
柄を直接プリントするコンピュータデザイン捺染システ
ムなどの大型システムプリント装置など大量生産機器等
も含まれることは言うまでもない。図面を参照して本発
明の実施例を詳細に説明する。 <実施例1>図1は、本発明にもとづくインクジェット
記録装置の一例であるインクジェットプリンタの概略的
構成を説明するための斜視図である。
【0037】この実施例では、記録性向上液として有色
記録液(インク)滴を被記録材に浸透させる浸透液を用
いる。なお、ここで記録性の向上とは、濃度、彩度、エ
ッジ部分のシャ−プネス度合、ドット径等の画質を向上
させること、インクの定着性を向上させること、耐水
性、耐光性等の耐候性、すなわち画像保存性を向上させ
ること等の意味も含むもので、記録性向上液は以下に説
明する浸透液に限定されるものではない。
【0038】インクジェットプリンタ100は、カラ−
プリント対応のプリントヘッドとインクタンクとが着脱
自在に一体化されたヘッドユニット102を搭載するキ
ャリッジ101と、被プリント材Pを搬送する搬送手段
109と、これらを制御するための制御手段(不図示)
とを具備する。そして、複数の吐出口からインク滴を吐
出させるプリントヘッドを被プリント材の搬送方向(副
走査方向、図中矢印A)と直交する方向(主走査方向、
図中矢印B方向)にシリアルスキャンさせ、一方で非プ
リント時に被プリント材Pをプリント幅に等しい量で間
欠搬送するものである。
【0039】プリンタ100の給紙位置に挿入された被
プリント材Pは、送りローラ109によってプリントヘ
ッドユニット200の記録可能領域へ搬送される。記録
可能領域における被プリント材の下部には、プラテン1
08が設けられる。キャリッジ101は、ガイド軸10
7および駆動手段(ベルト106、プーリ105、モー
タ104)によって矢印B方向に移動可能な構成となっ
ており、記録領域を往復走査する。キャリッジ2には、
複数の色インクと浸透液を吐出する複数のプリントヘッ
ド200a〜200dを組み合わせたプリントヘッドユ
ニット200と、それぞれのプリントヘッドにインクや
浸透液を供給するインクタンクが搭載されている。この
例のインクジェットプリンタに設けられる複数の色のイ
ンクは、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロ
ー(Y)の3色である。主走査方向に沿ってキャリッジ
が移動可能な領域の一端部近傍にはキャリッジの下部に
対向して回復系ユニット1102が設けられている。こ
の回復系ユニットは、非記録時にプリントヘッドの吐出
口部を覆うキャップ手段およびブレード103を持つ。
この回復系ユニットが設けられた上記一端部を、ここで
は ホームポジションとも呼ぶ。
【0040】本実施例のプリントヘッドユニット200
では、シアン(C),マゼンタ( M) ,およびイエロー
(Y)の 各色インクに対応したインクタンクと、浸透
液のタンクとが全て独立に交換可能な構成をとる場合を
示している。
【0041】プリントヘッドユニット200は、浸透液
またはインクを吐出するためのエネルギーを発生するエ
ネルギー発生手段として、熱エネルギーを利用(膜沸騰
現象を利用)して液体を吐出させる方式(いわゆるバブ
ルジェット方式)をとるものである。このタイプのプリ
ントヘッドは、液体吐出口を高密度に配列することがで
きるために高解像度のプリントをすることが可能であ
る。また、駆動電気パルス信号により一対一の対応で液
路のインク内に気泡を発生させることができ、また即時
かつ適切に気泡の成長・収縮を行わせることができるの
で、特に応答性のすぐれた液滴吐出が達成できる。
【0042】また、キャリッジ101にはC,M,およ
びYと浸透液を吐出する複数のプリントヘッドが一体化
されたプリントヘッドユニット200と、C用タンク、
M用タンク、Y用タンク、および、浸透液用のタンクが
搭載される。各タンクはプリントヘッドとの接続部を介
してプリントヘッドと接続し、吐出口にインクや浸透液
を供給する。
【0043】図2は、プリントヘッド200aの発熱体
付近の拡大断面図である。この例のインクジェットプリ
ンタは、各インク吐出口に対応して電気・熱変換体であ
る発熱体を配置し、記録情報に対応する駆動信号を発熱
体に印加してノズルからインクを吐出させる記録方式を
採用するものである。発熱体30は、全てのノズルに対
してそれぞれ独立に発熱可能な構成となっている。
【0044】発熱体30の発熱により急速に加熱された
ノズル内のインクは膜沸騰により気泡を形成し、この気
泡生成の圧力により図2に示すようにインク滴(または
浸透液)35が被プリント材Pに向かって吐出され、被
プリント材上に文字や画像を形成する。
【0045】吐出口23の各々には、吐出口に連通する
インク液路(または浸透液路)が設けられており、イン
ク液路が配設される部位の後方にはこれら液路にインク
(または浸透液)を供給するための共通液室32が設け
られる。吐出口の各々に対応するインク液路には、これ
ら吐出口からインク滴を吐出するために利用される熱エ
ネルギーを発生する電気・熱変換体である発熱体30や
これに電力を供給するための電極配線が設けられてい
る。これら、発熱体30や電極配線は、シリコン等から
なる基板33上に成膜技術によって形成される。発熱体
30の上にはインクと発熱体が直接接触しないように保
護膜36が形成されている。さらに、この基板上に樹脂
やガラス材よりなる隔壁34を積層することによって上
記吐出口、インク液路(または浸透液路)、共通液室等
が構成される。
【0046】次に上記プリンタの各部材を駆動させる為
の制御系について説明する。
【0047】上記インクジェットプリンタの制御系は図
3に示すように、例えばマイクロプロセッサ等のCPU
420a,該CPU420aの制御プログラムや各種デ
ータを格納しているROM420b、及びCPU420
aのワークエリアとして使用されると共に、記録画像デ
ータなどの各種データの一時保管等を行うRAM420
c等を備えた制御系420、インターフェース421、
操作パネル422、各モータ(キャリッジ駆動用のモー
タ423、給紙モータ駆動用のモータ424、第1搬送
ローラ対駆動用のモータ425、第2搬送ローラ対駆動
用のモータ426)を駆動するためのドライバー42
7、及びプリントヘッド駆動用ドライバー428からな
る。
【0048】上記制御部420はインターフェース42
1を介して操作パネル422からの各種情報(例えば文
字ピッチ、文字種類等)や、外部装置429との画信号
などのI/O(情報の入出力)を行う。また上記制御部
420はインターフェース421を介して各モータ42
3〜426を駆動させるためのON,OFF信号、及び
画信号を出力し、該画信号によって各部材を駆動させ
る。
【0049】本実施例のプリントヘッドは、すでに述べ
たように、イエローY,マゼンタM,シアンCの3種類
のインクを吐出する3個のプリントヘッドと、無色(染
料レス)インク液滴(すなわち、浸透液)を吐出するプ
リントヘッド(21)の合計5種類のプリントヘッドか
らなる。有色のインクY、M,およびCは、Y(イエロ
ー),M(マゼンタ),C(シアン)系の染料夫々4%
と、Gly(グリセリン)20%、純水76%(いずれ
も重量%)の溶剤で構成する有色インであり、プリント
ヘッド5dに供給される無色インクは、ノニオン系(非
イオン系)の界面活性剤であるアセチノール1%、Gl
y19%、純水80%で構成するインク液となってい
る。
【0050】該無色インクは、有色インクを吐出するプ
リントヘッドにより被プリント材上に吐出された有色記
録ドットのドット濃度を制御するための吐出液であり、
本発明で用いる無色インク以外の希釈液を用いると、前
述したような滲みに関する問題や、隣接2値画像との接
触により輪郭をぼかしてしまうような画像劣化問題が懸
念されるが、本実施例で用いる無色インク液滴では該問
題は低減される。以下で図面を参照して具体的に説明す
る。
【0051】図4は記録液滴の被プリント材への浸透特
性を説明するための模式図である。この図に於いて
(a)は上記構成よりなるイエロー(Y)インクのドッ
ト501を被プリント材Pに吐出した場合の被プリント
材への浸透定着状態を示す図、(b)は(a)の定着す
るはずの記録ドット上に、Yインク構成のインクからY
染料を除いたインク502を略即時先行記録のYインク
上に吐出した場合の被プリント材への浸透定着状態を示
す図、そして(c)は有色記録インクには界面活性剤を
含めない、もしくは微量の含有量とし、該無色インクに
上記界面活性剤を含有した浸透性制御の為の染料レスイ
ンク(要は紙の表面張力を下げ、濡れ性を高めるもので
あればよい。)503を必要に応じて被プリント材上で
混合させた場合の浸透定着常置を示す図である。
【0052】図4(a)に示すように、インク滴501
単体のみを被プリント材に着弾させた場合、被プリント
材上での液滴の広がりは、図4(b)および(c)の場
合と比べて狭く、また被プリント材へ浸透する深さも浅
いものとなる。
【0053】図4(b)からも明らかなように、上記被
プリント材P上で無色インク501と有色インク502
とが混合してなる記録インク滴は主に被プリント材表面
上で広がる。また、これにともなってドット濃度の低下
が認められるが、このような濃度低下はドット面積の増
加に伴う単位面積あたりの染料濃度分布の低下により起
こっている現象であることが解る。ハイライト部の粒状
感を低減するには上記のようにドット濃度を低下させれ
ばよく、この観点からは図4(b)に示す方法で目的は
達成されるが、上記のような滲み、輪郭のボヤケの問題
は残る。
【0054】そこで、単位面積あたりの染料濃度を低下
させる手段として、上記被プリント材表面上で記録ドッ
ト面積を増加させて実現する方法以外に、記録インクを
被プリント材深層部にまで浸透させて染料を被プリント
材深部に落とす。これによっても被プリント材表面の記
録ドット濃度 を低下させることが可能となる。ところ
で、被プリント材への記録インクの浸透度は、記録イン
クと被プリント材のヌレ性に起因している。そのため、
記録インクに界面活性剤、好ましくは非イオン系の界面
活性剤を重量%で0.5%以上含有させることによっ
て、著しく被プリント材への浸透性を向上させることが
できる。しかし、このような構成の有色記録インクを用
いると、高濃度部に於いても記録濃度が上がらない問題
が発生してしまうので、必要に応じて被プリント材深層
部への浸透程度を制御できることが好ましい。よって、
有色記録インクには界面活性剤を含めない、もしくは微
量の含有量とし、該無色インクに上記界面活性剤を含有
した浸透性制御の為の染料レスインク(要は紙の表面張
力を下げ、濡れ性を高めるものであればよい。
【0055】図4(c)は、無色インク503を必要に
応じて被プリント材上で混合させる手段を用いた場合の
例である。この図では、図4(a)のように定着するは
ずのY記録ドット上に、上記記録ヘッド5dに供給する
無色インク(ノニオン系(非イオン系)の界面活性剤で
あるアセチノール1%、Gly19%、純水80%で構
成するインク液)を略即時先行記録のYインク上に吐出
した場合の被プリント材への浸透定着状態をモデル的に
図示した図である。該図4(c)からも明らかなよう
に、上記被プリント材上で混合した記録インクは図4
(b)場合とは異なり、被プリント材表面上で主に広が
るのではなく、被プリント材深層部に広がっていく。こ
れによって、被プリント材深層部にまで染料を落とすこ
とが可能となり被プリント材表面の記録ドット濃度を低
下させることが可能となる。
【0056】したがって、被プリント材に着弾した有色
記録ドットインクの被プリント材への浸透度を、被プリ
ント材 上で界面活性剤含有の無色の浸透制御系のイン
クと混合することによって制御することで、画像滲みや
輪郭ボケなどの問題を低減しつつ、記録画像ハイライト
部の粒状感の緩和を実現し、高画質な中間調記録を行う
ことが可能になる。
【0057】しかし、有色記録インクの記録情報(本実
施例ではY,M,Cの記録データ)はホストから送信さ
れてくるデータであるが、無色インク(本実施例では浸
透制御液)の記録データは一般的には送られてこない。
よって無色インクの記録データ(命令)はプリンタ本体
内で作り出す必要が生じる。しかし、上記の通り、該無
色インクの目的は主にハイライト部に於けるドット濃度
の低減にあるので、全ての規定箇所に吐出することや、
記録ドットに一義的に対応して吐出することは好ましく
ない。よって、本実施例では無色インクの吐出を必要と
している最適箇所のみへの吐出に限定する。即ち、Y,
M,Cの記録画像を演算することで無色インクの記録デ
ータを求める。
【0058】図5はプリントヘッドの無色の浸透液の記
録データを求めるブロック図である。演算部600に
Y,M,Cの記録画像データ601Y、601M、60
1Cを入力することによって、該浸透液の記録デー タ
602が出力される構成をなす。具体的には図6に記す
ように、Y,M,Cの夫々のプリンターバッファー70
1Y、701M、701Cから、被プリント材上の同一
記録場所に記録するデータを演算部600においてカラ
ム(縦方向の1ドット単位列(たとえばノズル巾にほぼ
相当する))単位でピックアップしてハードロジック回
路であるG・A(ゲートアレイ)に入力する。該G・A
は4カラム分の情報が入力されたところで、Y,M,C
記録データの論理和(OR)を求め、該論理和情報を
(4*4)画素のマトリックスに分割し、該(4*4)
画素の中の記録ドット数をカウントする。ここで、Y,
M,Cの記録データはカラム方向に8bit単位で管理
されているので、Y,M,Cを4カラム入力すると、8
bit*4カラムのY,M,C記録データが入力される
こととなる。夫々の記録データの論理和(サイズは同じ
く8bit*4カラム)データを、上下段に分割して
(4*4)画素マトリックスを検索することで上記(4
*4)画素の中の記録ドット数はカウントされる。本実
施例では、該カウント値が例えば3以下の場合に当該記
録箇所は粒状感が発生すると判断して、該論理和データ
を無色のプリントバッファーに書き込み、当該箇所に有
色インクが記録された場合に該記録ドットの記録濃度が
低下するように制御する。また、上記カウント値が4以
上の場合には記録画像上に粒状感は発生しないものと判
断して、対応する無色インクのプリントバッファーに
(4*4)画素の非記録データを書き込み、有色記録ド
ットの記録ドット濃度を低減させない制御を行う。
【0059】以上のように有色記録ドットのドット濃度
を制御する無色インクの吐出条件を、複数種類の有色イ
ンクの記録データから演算する演算手段を有することに
よって、高濃度画像の記録領域の記録まで濃度を下げて
しまうような弊害を無くし、無色インクの所望の最適な
記録制御を行うことが可能となる。
【0060】また、本実施例では有色記録画像の(4*
4)画素マトリックスを1単位としたが、記録装置の位
置づけ(価格,解像度等)によってサイズの最適化を行
うことがより好ましいことは云うまでもない。
【0061】カラー中のある1色の有色インクの記録デ
ータに応じて無色インクの記録データを求める手段であ
っても良いが、複数色の有色インクの記録データを参照
している点、並びに該複数色の記録データの論理和に対
して無色インクの記録データを求めている点が本実施例
の効果をより高めている。有色インク単色で判断する
と、例えば2次色の高濃度記録部を想定した場合、一方
の記録色の記録画像は極めて高dutyであっても、2
次色を構成するもう一方の記録色の記録データは画像の
色味によっては低dutyである場合も容易に想定で
き、該低dutyの記録色を参照して記録画像のハイラ
イト部と誤判断する場合が生じる。この観点からも複数
色で判断する必要性は大きく、また複数色で判断するな
らば、有色インクの記録データごとに個別に条件を出し
て行くよりも、有色インクの記録データの論理和に対し
て制御を行うことで制御の効率的を図れる。
【0062】また、本実施例では有色記録はY,M,C
の3色であったが、図7に記すようにY,M,C,Bk
の4色(601Y、601M、601C、601Bk)
であってもよく、更にプリンタの位置づけによって別の
種類の色の組み合わせを持つ記録装置に適用しても良
い。
【0063】本実施例では無色の浸透液は1種類であっ
たが、図8に記すように界面活性剤の濃度を調整した複
数の浸透液を有し、必要に応じて複数の浸透液記録デー
タ602a、602b、602cを出力(ハイライト
部,低・中・高濃度部により夫々分けてもよい)して浸
透液の種類を使い分ける仕様であっても勿論良い。
【0064】上記の如く、インクを被プリント材深部に
導く浸透液を吐出制御する有色インク浸透手段と、該浸
透手段を駆動する駆動条件を複数のインクの記録データ
の論理演算から求める駆動条件演算手段とを有すること
により、ハイライト部など低濃度領域に於いてはドット
単体の濃度を低下させる制御で粒状感の緩和を実現し、
被プリント材上での希釈(従来例)ではないので隣接画
像との滲みの問題を低減し、且つ該浸透手段の駆動をイ
ンクの記録情報からの論理演算によって求めることによ
って必要な場所に最適に駆動制御が行われ、極めて高画
質な中間調の階調記録方法、及び該方法を用いた記録装
置を提供できる。
【0065】[実施例2]次に、無色インクの記録を伴
って有色記録画像の記録データを補正する他の実施例に
ついて説明する。
【0066】上記実施例では、有色記録データから浸透
液である無色インクの記録データを導き出すことによっ
てハイライト部の粒状感の緩和を可能とした。しかし、
ホストで構築された記録画像は、ホストの指示の通りに
記録されることを想定して濃度バランスされているもの
であり、本発明のようにハイライト部など、一部の記録
画像濃度を記録装置の判断で増減してしまっては、上記
所望の濃度バランスの記録画像は得られない。しかし、
本実施例では図9に示すように、Y,M,C,Bkの有
色記録画像データ601Y、601M、601Cを制御
部(演算部)600に入力すると、上記浸透液記録デー
タ602とY,M,C,Bkの原記録画像を補正した補
正Y,M,C,Bk記録画 像データ603Y、603
M、603C、603Bkが出力される構成をとる。本
実施例では、浸透液を重ねられた有色記録ドットのドッ
ト濃度は、従来ドットの約半分の濃度に低減するので、
浸透液が重ねられる有色記録ドットが存在する場合に
は、該重ねられるドット数と同数の有色記録データを原
記録データに追加するとともに、該追加データにも無色
記録データを重ねることによってドット濃度を半減し、
マクロ的に面で観た場合の濃度バランスを原記録データ
と合わせる補正制御を行う。
【0067】本実施例の上記演算部で出力される上記有
色記録データの補正追加データは、同一ラスター上の隣
接カラムに追加制御するものである。有色ドットを追加
することで画像の形状が変化することに関しては次のよ
うに考える。該有色ドットの追加制御が行われる箇所は
記録ドット密度の少ないハイライト部であり、該ハイラ
イト部では有色ドットは中間調を表現するために中間調
レベルに応じて定まる密度で有色ドットが被プリント材
上に存在していることが重要であり、有色ドットで多く
の場合形成する画像の形状に意味があるわけではない。
そうであるからこそ、はっきりとした有色ドットのコン
トラストが粒状感として弊害となるのである。従って、
該ハイライト部においては浸透液で濃度低下したコント
ラストの低い有色ドットを追加しても原画像の形状が問
題となることは希であり弊害となる可能性は少ない。む
しろ、上記のようにハイライト部の濃度が低下してしま
うことの方が見たものを見たままに出力するという観点
からは大きな問題となる場合の方が多く、当該実施例の
効果は大きいと云える。
【0068】また、図10に記すように、浸透液は上記
実施例同様複数の浸透度を有する浸透液を所望のレベル
に応じて使い分ける方式であっても良い。ハイライト部
と云っても極めて低階調の記録領域もあれば、ある程度
の濃度を有する階調の記録領域もあり、場合によっては
上記有色記録データの追加で弊害を起こす可能性もある
ので、複数の浸透度の無色インクを有しておき、ハイラ
イト部の中でも比較的ドットの多いハイライト部では被
プリント材深層部へ染料を導く程度の少ない浸透液を重
ねる仕様として濃度低下を少なくし、有色記録データの
追加補正を行わない、或いは最小限にして弊害が発生す
る頻度を抑制することを可能とできる。
【0069】有色インクを被プリント材深層部へ導く無
色の浸透液の記録に応じて該有色インクの原画像データ
を補正する原画像データ補正処理手段以外の構成、及び
作用効果は上記実施例と同様であるので詳細な説明は省
略する。
【0070】[実施例3]次に、有色インクを被プリン
ト材深層部へ導く無色の浸透液の記録に応じて該有色イ
ンクの原画像データを補正する原画像データ補正処理手
段を外部装置であるホストにより行う実施例について説
明する。
【0071】外部装置内での記録画像データの補正制御
は外部装置内のプリンタードライバーにより実現され
る。外部装置は図11に記すように、インターフェイス
121を通して記録装置とのデータの授受や、画像入力
装置との記録画像の授受を行う。該インターフェイスを
介して入力された画像データは、制御部122の制御に
より操作される。記録装置への出力に際しては該操作後
の画像データは記録装置固有のプリンタードライバー1
23によって記録装置の仕様に応じた転送データに加工
された後、インターフェイス29aを介して記録装置に
転送される。上記記録装置の仕様に応じた転送データの
加工とは、例えば記録装置に応じた色味補正(マスキン
グ処理)や出力γ補正、2値化処理、解像度変換、画像
データの転送エンコード処理などであり、該処理後のデ
ータの記録装置への転送なども該プリンタードライバー
により行われている。
【0072】本実施例では、該プリンタードライバーで
上記記録画像の処理、加工を行う中で、記録画像のハイ
ライト部を検索し該ハイライト部の有色記録ドットは無
色の浸透液によって被プリント材深部に導かれ、ドット
単体の濃度は低減させられることを踏まえて原画像の補
正処理を行う。原画像の補正処理のアルゴリズムは上記
実施例同様であるのでここでの詳細な説明は省略する
が、原記録画像データを記録装置側ではなくホスト側で
行うことにより、記録画像全体を観て最適な補正が行え
るようになる。即ち、記録装置側ではメモリー容量の関
係で記録画像全体を受信してから記録するのではなく、
記録部の或いは記録部前後数ラスターの記録データが揃
った時点で記録を開始する仕様が一般的であり、記録画
像を補正する上で全体像を把握できないまま補正制御を
行わねばならないリスクがある。一方、記録画像全体を
管理しているホスト側で記録画像の補正制御が行えれ
ば、上記弊害を極力低減した補正制御が行えるようにな
る。
【0073】幸い、昨今のwindows(マイクロソ
フト社の商標)−OSの普及によりアプリケーションに
拘束されることなくプリンタードライバーを作成、更新
できる環境が整ってきたことで、一般的なパソコンとプ
リンターの組み合わせにおいても、本実施例のホスト側
での記録画像の補正制御は容易に行えるようになってき
ている。
【0074】尚、本実施例では上記の通り記録画像の補
正アルゴリズムを記録装置本体内で行っている仕様と同
等としたが、記録画像のより広い範囲、望ましくは記録
画像の全体像から判断する手段である方が良い。本発明
は、記録画像の上記補正制御をホスト側で行う観点にあ
るのであって、補正のアルゴリズムに限定されるもので
はない。
【0075】記録画像の補正制御をホスト側で行う補正
手段以外の構成、及び作用効果は前記実施例と同様であ
るので詳細な説明は省略する。
【0076】<その他の実施例>さらに、上記実施例で
は、インクの被記録材い対する浸透能を改善する浸透液
を記録性向上液としたが、もちろんこれに限定されるも
のではない。インク中に含まれる色材を不溶化または凝
集させる処理液を上記浸透液のかわりに用いることによ
り、本発明の記録方法および記録装置は、さらに異なる
効果を奏することが可能となる。ここで、不溶化という
言葉は、インク中の染料に含まれるアニオン性基と記録
性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオン性基が
イオン的に相互作用を起こしてイオン結合が生じ、イン
ク中に均一に溶解していた染料が溶液中から分離する現
象である。なお、本発明においては必ずしもインク中の
全ての染料が不溶化しなくとも、本発明で述べるような
カラーブリード抑制、発色性の向上、文字品位の向上、
定着性の向上といった効果が得られる。凝集とは、イン
クに使用している色剤がアニオン性基を有する水溶性染
料の場合には、不溶化と同一の意味で使用される。ま
た、インクに使用している色剤が顔料の場合には、顔料
分散剤あるいは顔料表面と記録性向上液中に含まれるカ
チオン性物質のカチオン性基がイオン的相互作用を起こ
し、顔料の分散破壊が生じ、顔料の粒子径が巨大化する
ことを含む。通常、上述した凝集に伴って、インクの粘
度が上昇する。なお、本発明においては必ずしもインク
中の全ての顔料または顔料分散剤が不溶化しなくとも、
本発明で述べるようなカラーブリード抑制、発色性の向
上、文字品位の向上、定着性の向上といった効果が得ら
れる。
【0077】処理液 インク染料を不溶化する処理液は、一例として以下のよ
うにして得ることができる。
【0078】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧
濾過した後、NaOHでpHを4.8に調製し、処理液
Alを得ることができる。
【0079】 [Alの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名;エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名;PAS−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0080】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:クロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過し
てイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY
1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0081】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代え
た以外はY1と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以
外はY1と同じ組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外は
Y1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの
混合において、本発明では、上述した処理液とインクが
被プリント材上あるいは被プリント材(被記録材)被記
録材に浸透した位置で混合する結果、反応の第1段階と
して処理液中に含まれているカチオン性物質の内、低分
子量の成分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用
しているアニオン性基を有する水溶性染料または顔料イ
ンクに使用しているアニオン性化合物とがイオン的相互
作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起
こす。この結果顔料インクにおいては分散破壊が起こ
り、顔料の凝集体ができる。
【0082】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被記録材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、そ
の結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中にし
みこむことにより、プリント品位と定着性との両立が達
成される。同時に上述したようなメカニズムにより生成
したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性オリゴ
マーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成される
凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、液媒体
の動きとともに移動することがないので、フルカラーの
画像形成時のように隣接したインクドットが異色のイン
クで形成されていたとしても互いに混じり合うようなこ
とはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝
集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性
は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により
形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有
する。
【0083】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は上記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0084】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0085】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被記録材については特に制限されるものではなく、従
来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆ
普通紙を好適に用いることができる。もちろんインクジ
ェットプリント用に特に作製したコート紙やOHP用透
明フィルムも好適に使用でき、また、一般の質紙や光沢
紙も好適に使用可能である。
【0086】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0087】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0088】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0089】さらに、記録装置が記録できる被記録材の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0090】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ッド、あるいは装置
本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体
的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記
録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0091】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行な
うことも安定した記録を行なうために有効である。
【0092】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。
【0093】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいはインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時に
インクが液状をなすものであればよい。加えて、積極的
に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液体状
態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで防
止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、被記録材に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギによって初めて液化する性質のインクを使用する場
合も本発明は適用可能である。このような場合のインク
は、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60
−71260号公報に記載されるような、多孔質シート
凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状
態で、電気熱変換体に対して対向するような形態として
もよい。本発明においては、上述した各インクに対して
最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもの
である。
【0094】さらに加えて、本発明の液体噴射記録ヘッ
ドを使用する記録機構を備えた記録装置の形態として
は、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末とし
て用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、
さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を
採るもの等であってもよい。
【0095】図12は本発明の記録装置をワードプロセ
ッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複
写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した場
合の概略構成を示すブロック図である。
【0096】図中、1801は装置全体の制御を行なう
制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/O
ポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力し
たり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御
を行なっている。1802はディスプレイ部で、この表
示画面には各種メニューや文書情報およびイメージリー
ダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示され
る。1803はディスプレイ部1802上に設けられた
透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を
押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項
目入力や座標位置入力等を行なうことができる。
【0097】1804はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置18
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805に
より可聴音に変換される。プリンタ部1806はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明記録装置が適用
されたものである。
【0098】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原
稿の読取りを行なう。1808はイメージリーダ部18
07で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送ら
れてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシ
ミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインターフ
ェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守
番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0099】1810はシステムプログラムやマネージ
ャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォントおよび辞書等を記憶するROMや、
外部記憶装置1812からロードされたアプリケーショ
ンプログラムや文書情報さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0100】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0101】フロッピィディスクやハードディスク等を
記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置18
12には文書情報や音楽或は音声情報、ユーザのアプリ
ケーションプログラム等が格納される。
【0102】図13は図12に示す情報処理装置の模式
的外観図である。
【0103】図中、1901は液晶等を利用したフラッ
トパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報およ
び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上
にはタッチパネル1803の表面を指等で押圧すること
により座標入力や項目指定入力を行なうことができる。
1902は装置が電話器として機能するときに使用され
るハンドセットである。キーボード1903は本体と脱
着可能にコードを介して接続されており、各種文書情報
や各種データ入力を行なうことができる。また、このキ
ーボード1903には各種機能キー1904等が設けら
れている。1905は外部記憶装置212へのフロッピ
ーディスクの挿入口である。
【0104】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を戴置する用紙戴置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907より記録さ
れる。
【0105】なお、上記でディスプレイ部1802はC
RTでもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプ
レイ等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加
え軽量化が図れるからである。
【0106】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部211から入力された各種情報が制御部1801によ
り所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部18
06に画像として出力される。
【0107】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0108】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0109】なお、上述した情報処理装置は図14に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図13と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付す。
【0110】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明の記録装置を適用することによって、高品位の記録画
像を高速かつ低騒音で得ることができるため、上記情報
処理装置の機能をさらに向上させることが可能となる。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ハイライト部などの低濃度領域に対してのみ確実に記録
性向上液を吐出させることができ、そのため低濃度領域
における粒状感を緩和させることができると共に、高濃
度部において濃度低下を発生させることがなく、高品質
な画像を得ることができる。また、必要に応じてインク
吐出データを補正するようにすれば、低濃度領域の粒状
感をより軽減し、且つ濃度低下を防止した画像を得るこ
とも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの概略的構成を説明す
るための斜視図である。
【図2】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタに搭載されるプリント
ヘッドユニットの概略的構成を説明するための模式的断
面図である。
【図3】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの制御ブロック図であ
る。
【図4】本発明にもとづくインクジェット記録方法によ
るインクの浸透性を高める方法を説明するための模式図
である。
【図5】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの制御ロジックを説明
するためのブロック図である。
【図6】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの制御ロジックを説明
するためのブロック図である。
【図7】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの制御ロジックを説明
するためのブロック図である。
【図8】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの制御ロジックを説明
するためのブロック図である。
【図9】本発明にもとづくインクジェット記録装置の一
例であるインクジェットプリンタの制御ロジックを説明
するためのブロック図である。
【図10】本発明にもとづくインクジェット記録装置の
一例であるインクジェットプリンタの制御ロジックを説
明するためのブロック図である。
【図11】本発明にもとづくインクジェット記録装置の
一例であるインクジェットプリンタの原画像データ補正
処理手段を外部装置であるホストにより行う実施例につ
いて説明するためのブロック図である。
【図12】本発明にもとづくインクジェット記録装置の
一例であるインクジェットプリンタを出力手段とする情
報処理システムの一例を説明するためのブロック図であ
る。
【図13】本発明にもとづくインクジェット記録装置の
一例であるインクジェットプリンタを出力手段とする情
報処理システムの一例を説明するための斜視図である。
【図14】本発明にもとづくインクジェット記録装置の
一例であるインクジェットプリンタを出力手段とする情
報処理システムの一例を説明するための斜視図である。
【図15】従来の希釈方式における粒状感の緩和方法を
説明するための模式図である。
【図16】従来の希釈方式における粒状感の緩和方法に
おける弊害を説明するための模式図である。
【符号の説明】
100 インクジェットプリンタ 101 キャリッジ 162 有色記録液(インク) 163 浸透液 200 プリントヘッド 501 有色記録液 502 浸透液 503 浸透液 600 演算部 601 画像記録データ 602 浸透液記録データ 701 プリントバッファ 702 浸透液プリントバッファ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B41M 5/00 B41J 3/04 102Z 103X (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−286162(JP,A) 特開 平6−152898(JP,A) 特開 平6−217119(JP,A) 特開 平8−39795(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/175 B41J 2/205 B41J 2/21 B41M 5/00

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類のインクを吐出するための複数
    のインク吐出部と、前記インクと混合または接触するこ
    とによりインクによる記録画像の記録性を向上させる記
    録性向上液を吐出するための記録性向上液吐出部とを用
    い、前記複数のインク吐出部および前記記録性向上液吐
    出部からインクおよび記録性向上液を被記録材上に吐出
    して画像を記録するインクジェット記録装置であって、 前記複数のインク吐出部それぞれで用いられる各インク
    吐出データの論理和により得られる論理和データを求め
    るための演算手段と、 前記演算手段により求められた前記論理和データに基づ
    き、前記インクにより記録されるべき複数の記録箇所の
    各々について当該記録箇所が低濃度領域であるか否かを
    判別するための判別手段と、 前記判別手段により低濃度領域であると判別された記録
    箇所に対してのみ記録性向上液が吐出されるように、前
    記論理和データに基づき前記記録性向上液吐出部で用い
    られる記録性向上液吐出データを作成するための作成手
    段と、 前記作成手段により作成された前記記録性向上液吐出デ
    ータに基づいて前記記録性向上液吐出部から記録性向上
    液を吐出し、前記各インク吐出データに基づいて前記複
    数のインク吐出部それぞれからインクを吐出させる手段
    と、 を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記判別手段は、前記インクによる粒状
    感が発生しやすい記録箇所を低濃度領域と判別すること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記判別手段は、前記記録箇所に吐出さ
    れるドット数が所定数以下である場合に当該記録箇所を
    低濃度領域と判別することを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記判別手段により低濃度領域であると
    判別された記録箇所におけるインク吐出データのドット
    数を増大させる補正処理を行うインク吐出データ補正手
    段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録性向上液は、前記インクの被記
    録材への浸透度合いを向上させる浸透液であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェ
    ット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記浸透液は、重量比率で0.5%以
    上、好ましくは1〜2%の界面活性剤を含有することを
    特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記界面活性剤は、非イオン系界面活性
    剤であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記浸透液は、浸透度の異なる複数種類
    の浸透液からなり、前記複数種類の浸透液を記録画像の
    階調に応じて使い分けることを特徴とする請求項5乃至
    7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録性向上液は、前記インク中の色
    材を不溶化または凝集させる処理液であることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
  10. 【請求項10】 前記処理液は低分子成分と高分子成分
    とからなるカチオン性物質を含むものであり、前記イン
    クに含まれる前記色材はアニオン性物質からなることを
    特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記処理液は低分子成分と高分子成分
    とからなるカチオン性物質を含むものであり、前記イン
    クは前記色材としてアニオン性の染料を含むかまたは少
    なくともアニオン性化合物と顔料とを含むことを特徴と
    する請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記インク吐出部および前記記録性向
    上吐出部は、それぞれ前記インクおよび前記記録性向上
    液を吐出するためのエネルギー発生手段として、前記イ
    ンクおよび前記記録性向上液に膜沸騰を生じさせる発熱
    抵抗素子を備えることを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 複数種類のインクを吐出するための複
    数のインク吐出部と、前記インクと混合または接触する
    ことによりインクによる記録画像の記録性を向上させる
    記録性向上液を吐出するための記録性向上液吐出部とを
    用い、前記複数のインク吐出部および前記記録性向上液
    吐出部からインクおよび記録性向上液を被記録材上に吐
    出して画像を記録するインクジェット記録方法であっ
    て、 前記複数のインク吐出部それぞれで用いられる各インク
    吐出データの論理和により得られる論理和データを求め
    るための演算工程と、 前記演算工程において求められた前記論理和データに基
    づき、前記インクにより記録されるべき複数の記録箇所
    の各々について当該記録箇所が低濃度領域であるか否か
    を判別するための判別工程と、 前記判別工程において低濃度領域であると判別された記
    録箇所に対してのみ記録性向上液が吐出されるように、
    前記論理和データに基づき前記記録性向上液吐出部で用
    いられる記録性向上液吐出データを作成するための作成
    工程と、 前記作成工程において作成された前記記録性向上液吐出
    データに基づいて前記記録性向上液吐出部から記録性向
    上液を吐出し、前記各インク吐出データに基づいて前記
    複数のインク吐出部それぞれからインクを吐出する吐出
    工程と、 を備えたことを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】 前記判別工程では、前記インクによる
    粒状感が発生しやすい記録箇所を低濃度領域と判別する
    ことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記
    録方法。
  15. 【請求項15】 前記判別工程では、前記記録箇所に吐
    出されるドット数が所定数以下である場合に当該記録箇
    所を低濃度領域と判別することを特徴とする請求項13
    に記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 前記判別工程において低濃度領域であ
    ると判別された記録箇所におけるインク吐出データのド
    ット数を増大させる補正処理を行うインク吐出データ補
    正工程を更に備えることを特徴とする請求項13乃至1
    5のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】 前記記録性向上液は、前記インクの被
    記録材への浸透度合いを向上させる浸透液であることを
    特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載のイン
    クジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 前記浸透液は、重量比率で0.5%以
    上、好ましくは1〜2%の界面活性剤を含有することを
    特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方
    法。
  19. 【請求項19】 前記界面活性剤は、非イオン系界面活
    性剤であることを特徴とする請求項18に記載のインク
    ジェット記録方法。
  20. 【請求項20】 前記浸透液は、浸透度の異なる複数種
    類の浸透液からなり、前記複数種類の浸透液を記録画像
    の階調に応じて使い分けることを特徴とする請求項17
    乃至19のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 【請求項21】 前記記録性向上液は、前記インク中の
    色材を不溶化または凝集させる処理液であることを特徴
    とする請求項13乃至16のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録方法。
  22. 【請求項22】 前記処理液は低分子成分と高分子成分
    とからなるカチオン性物質を含むものであり、前記イン
    クに含まれる前記色材はアニオン性物質からなることを
    特徴とする請求項21に記載のインクジェット記録方
    法。
  23. 【請求項23】 前記処理液は低分子成分と高分子成分
    とからなるカチオン性物質を含むものであり、前記イン
    クは前記色材としてアニオン性の染料を含むかまたは少
    なくともアニオン性化合物と顔料とを含むことを特徴と
    する請求項21に記載のインクジェット記録方法。
  24. 【請求項24】 前記インク吐出部および前記記録性向
    上吐出部は、それぞれ前記インクおよび前記記録性向上
    液を吐出するためのエネルギー発生手段として、前記イ
    ンクおよび前記記録性向上液に膜沸騰を生じさせる発熱
    抵抗素子を備えることを特徴とする請求項13乃至23
    のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  25. 【請求項25】 複数種類のインクを吐出するための複
    数のインク吐出部と、前記インクと混合または接触する
    ことによりインクによる記録画像の記録性を向上させる
    記録性向上液を吐出するための記録性向上液吐出部とを
    用い、前記複数のインク吐出部および前記記録性向上液
    吐出部からインクおよび記録性向上液を被記録材上に吐
    出して画像を記録するインクジェット記録装置にて使用
    されるデータの作成方法であって、 前記複数のインク吐出部それぞれで用いられる各インク
    吐出データの論理和により得られる論理和データを求め
    るための演算工程と、 前記演算工程において求められた前記論理和データに基
    づき、前記インクにより記録されるべき複数の記録箇所
    の各々について当該記録箇所が低濃度領域であるか否か
    を判別するための判別工程と、 前記判別工程において低濃度領域であると判別された記
    録箇所に対してのみ記録性向上液が吐出されるように、
    前記論理和データに基づき前記記録性向上液吐出部で用
    いられる記録性向上液吐出データを作成するための作成
    工程と、 を備えたことを特徴とするデータ作成方法。
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