JP2004081834A - 耐圧容器およびそれを用いた吐出製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出製品の製造に使用する耐圧容器、該容器に吐出組成物を充填した、湯、ポットなどを用いて製品を特定の温度範囲に加熱することにより吐出させることができる吐出製品、および該容器に吐出組成物を充填した、冷蔵庫や冷凍庫あるいは冷水中で冷却した低温状態でも吐出させることができる吐出製品を提供する。
【解決手段】耐圧容器の胴部が熱伝導率の異なる複数の材料からなり、前記胴部の外部表面に内部よりも熱伝導率の低い材料を設けた耐圧容器、常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したとき吐出可能になる組成物を、前記耐圧容器に充填した吐出製品、および0℃で固化または凍結せず、均一な組成で吐出可能な組成物を、前記耐圧容器に充填した吐出製品。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐圧容器、該容器に加熱したときに吐出可能となる組成物を充填した吐出製品、および該容器に0℃で吐出可能な組成物を充填した吐出製品に関する。さらに詳しくは、加熱したときに吐出可能となる組成物または0℃で吐出可能な組成物を充填した吐出製品の製造に使用する耐圧容器、該容器に前記加熱したときに吐出可能となる組成物を充填した、湯、ポットなどを用いて製品を特定の温度範囲に加熱することにより、たとえば泡状で吐出させることができる吐出製品、および0℃で吐出可能な組成物を充填した、冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に保持し、低温状態にした場合でも固化または凍結せずに組成物を吐出させることができる吐出製品に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、乳液、クリーム、パック剤、シェービングフォームなどの化粧料が、樹脂製の容器やポンプを備えた容器、エアゾール容器に充填した形で、使用されている。
【0003】
これらの化粧料を皮膚に塗って使用する場合、とくに冬季には冷たく感じることがある。また、シェービングフォームの場合、使用する前に髭を蒸しタオルなどで蒸らしておくと、髭を剃りやすいが、手間がかかる。
【0004】
前記問題を改善する方法として、常温では容器から吐出させることができる蒸気圧を有さない発泡性化粧料組成物を、非金属性容器に充填した発泡性化粧料製品であって、使用時に該発泡性化粧料製品を電子レンジに入れて加熱することによって吐出させることができる蒸気圧を生じさせ、泡状で吐出させて使用する方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
前記製品の加熱方法として電子レンジ(電磁波(マイクロ波))を用いるため、前記組成物を充填する容器として非金属性容器を用いている。電子レンジを用いて加熱することにより容器内部の組成物を短時間で効果的に加熱することができるが、加熱時間により加熱しすぎたり加熱不足になったりする。また、内容物の量によっても必要な加熱時間がかわる。加熱しすぎの場合、素手で持てなくなる場合が生じる。また、高温になりすぎると、泡が短時間で消泡しやすくなり、泡を塗りのばす前に液状となり、垂れ落ちやすくなることがある。一方、加熱不足の場合には、内容物を吐出させることができず、追加加熱が必要になる。
【0006】
前記方法とは別に、従来の一般的な発泡性エアゾール製品を湯の中に入れ、加熱してから噴出させる方法も知られている。
【0007】
この場合、エアゾール製品であるため、加熱不足の場合にも、内容物を噴出させることができ、追加加熱が必要になることはないが、加熱不足のために、加熱することによる効果が充分得られない内容物を使用しなければならない。一方、高温になりすぎると、泡が短時間で消泡しやすくなり、泡を塗りのばす前に液状となり、垂れ落ちやすくなることがあるのは、前記の場合と同様である。さらに内容物中に液化石油ガスやジメチルエーテルなどの液化ガスを使用しているため、高温にしすぎると圧力が大きく上昇し、好ましくない。
【0008】
前記問題とは別に、湯で加熱する場合、容器表面側から内部に熱が伝わり内容物を加熱することができるが、湯に製品が浸っている状態では容器表面の温度は湯温に近い温度となるため湯から製品を取り出しにくく、また、製品を取り出した直後は、容器内部から表面側に熱が伝わるため容器表面の温度は依然高く、把持しにくい問題がある。さらに、容器の表面に熱湯が付着するため、素手で持ちにくいという問題が生ずる。また、エアゾール製品は未使用の状態で容器満注量の60〜70%程度充填されており、残りの30〜40%が気体であること、また、充填される内容物はほとんどの成分が水よりも比重が小さいことからエアゾール製品を水につけると水の表面に浮く。さらに、エアゾール製品のほとんどが容器胴部直径の2〜3部以上の高さを有する円筒形であるため、湯の中ではエアゾール製品は横向きの状態で浮きやすく、製品を取り出すときに手が湯に浸かる場合があり、取り出しにくいなどの問題がある。
【0009】
前記エアゾール製品の問題は、いずれもエアゾール製品を加熱使用する場合の問題であるが、エアゾール製品を冷蔵庫や冷凍庫または冷水中(−20〜+5℃)に保持し、低温状態にして使用したい場合がある。たとえば、エアゾール製品とした消炎鎮痛剤、鎮痒剤、やけど治療薬、水虫薬、制汗剤、火照り止め剤、育毛剤などの冷却効果を要求される人体用エアゾール製品などである。
【0010】
しかし、これまで、エアゾール製品を冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に保持して低温状態にして使用するものは知られていない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−113629号公報(第2−8頁)
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の吐出製品の問題を改善した吐出製品、すなわち、加熱された状態で吐出させることができ、また、製品をつかむ手に熱が伝わりにくい吐出製品または冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に保管して低温状態にして使用するもので、製品をつかむ手に過度の冷たさが伝わりにくい吐出製品を得るためになされたものであり、
耐圧容器の胴部が熱伝導率の異なる複数の材料からなり、前記胴部の外部表面側の少なくとも一部に内部よりも熱伝導率の低い材料からなる層が設けられていることを特徴とする耐圧容器(請求項1)、
常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したとき吐出可能となる組成物を充填する請求項1記載の耐圧容器(請求項2)、
0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填する請求項1記載の耐圧容器(請求項3)、
前記熱伝導率の低い材料の300Kにおける熱伝導率が10W/mK以下である請求項1、2または3記載の耐圧容器(請求項4)、
前記胴部の熱伝導率の低い材料からなる層が設けられた部分が疎水性である請求項1、2または3記載の耐圧容器(請求項5)、
前記疎水性が、疎水性合成樹脂皮膜および(または)ゴム皮膜を形成することによる疎水性である請求項5記載の耐圧容器(請求項6)、
前記胴部の外部表面が凹凸に形成されている請求項1、2または3記載の耐圧容器(請求項7)、
前記凹凸に形成されている凸部表面に、熱伝導率の低い材料からなる層が設けられている請求項7記載の耐圧容器(請求項8)、
前記凹凸部の山と谷との高さの差が1〜15mmであり、山と山の間隔が1〜30mmである請求項7または8記載の耐圧容器(請求項9)、
前記凹凸部の凸部表面積が、容器胴部の全表面積の30〜80%である請求項7、8または9記載の耐圧容器(請求項10)、
吐出製品を水に浮かべた場合にも、吐出製品が縦向きになるように設計した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の耐圧容器(請求項11)、
常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したとき吐出可能となる組成物を、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10または11記載の耐圧容器に充填したことを特徴とする吐出製品(請求項12)、
前記組成物が、40〜100℃に加熱したとき泡状で吐出可能となる発泡性組成物である請求項12記載の吐出製品(請求項13)、
0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を、請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の耐圧容器に充填したことを特徴とする吐出製品(請求項14)および
前記組成物が、0℃に冷却した状態で噴射すると、噴射面で少なくとも一部が凍結する組成物である請求項14記載の吐出製品(請求項15)
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の耐圧容器は、常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したときに吐出可能となる組成物または0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填する耐圧容器である。前記のごとき耐圧容器であるため、該容器に充填された組成物を加熱して発生させた圧力により、加熱された組成物として、または該容器に充填された組成物を冷却した組成物として容器から吐出させることができる。また、容器に充填された組成物が発泡性組成物である場合には、吐出物を発泡物として、さらに、容器に充填された組成物が冷却性組成物である場合には、吐出物を凍結させることができる。
【0014】
また、本発明の耐圧容器は、胴部が熱伝導率の異なる複数の材料からなり、胴部の外部表面側の少なくとも一部には、内部よりも熱伝導率の低い材料からなる層が設けられている。それゆえ、該耐圧容器を用いた吐出製品を加熱して把持する場合、容器本体内部からの熱が手につたわりにくく、把持したときに熱さを感じにくい。また、該耐圧容器を用いた吐出製品を冷却して把持する場合、容器本体内部からの冷たさが手に伝わりにくく、把持したときに冷たさを感じにくい。
【0015】
図1に示す耐圧容器1は、本発明の耐圧容器の一例であり、有底筒状の容器本体2と、容器本体開口部に装着されたエアゾールバルブ(以下、バルブともいう)3と、容器本体2の胴部外表面に設けられた把持部4とからなる。把持部4は装着部5により容器本体2に保持されており、装着部5以外の容器本体2と把持部4とのあいだには隙間6が存在する。
【0016】
容器本体2は、底部と胴部およびバルブを装着するバルブ装着部を有する頭部とからなる。該容器本体2としては、インパクト成形や絞りしごき加工などにより有底筒状としたのちバルブ装着部を成形するモノブロック缶、前述のインパクト成形や絞りしごき加工などにより有底筒状としたのち、底部または頭部を2重巻き締めにより固着した2ピース缶、金属板を円筒形にし、底部と頭部とを2重巻き締めにより固着する3ピース缶などを用いることができる。
【0017】
容器本体2は、湯中につけたとき湯からの熱を伝えやすくし、容器本体内部に充填される組成物を効果的に加熱するために、また、冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に入れて冷却するときに、冷却しやすくし、容器本体内部に充填される組成物を効果的に冷却するために、熱伝導率の高い材料で形成されていることが好ましい。
【0018】
前記熱伝導率の高い材料としては、アルミニウム(熱伝導率k:237)やブリキ(鉄、k:80.3)、ステンレス(SUS24、k:17)などの金属があげられる。とくに容器本体内部に充填された組成物の加熱効果、冷却効果に優れている点から、前記熱伝導率は15以上、さらには50以上であるのが好ましい。なお、熱伝導率は300Kにおける値であり、単位は(W/mK)である。
【0019】
把持部4は、本発明の耐圧容器における胴部の外部表面側の少なくとも一部に、内部よりも熱伝導率の低い材料からなる層が設けられた部分に相当し、使用者が製品を湯から取り出すまたは冷蔵庫や冷凍庫もしくは冷水中から取り出すときや、吐出操作をする際に把持する部分であり、円筒形状を有し、その内周には容器本体2の胴部に装着するための装着部5を備えている。該装着部5は、吐出製品を把持したときや湯に漬けたとき、冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に入れたときに把持部4が容器本体2から離れない程度に密着するように設計されている。また、装着部5は把持部4の内面に複数箇所設けられており、容器本体2と把持部4とは装着部5で部分的に接触するように設計されている。容器本体2と把持部4とが接触しない部分には、隙間6が形成されている。隙間6が存在するため、容器本体2から把持部4への熱さや冷たさの伝達が少なく、把持したときに熱く感じたり冷たく感じたりしにくくなる。また、たとえば吐出製品を湯に漬けたときに湯が隙間6に速やかに入るため、容器本体2と湯とが胴部で直接接触することができ、効率よく加熱することができる。冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に入れたときも同様に効率よく冷却することができる。
【0020】
前記装着部/隙間の面積比としては、5/95〜70/30、さらには10/90〜60/40程度であるのが好ましい。前記面積比が5/95よりも小さい場合には、密着性が小さく、離れやすく、70/30より大きい場合には、容器内部の組成物に熱さや冷たさが伝わりにくくなる傾向が生じる。
【0021】
把持部4を形成する前記熱伝導率が低い材料としては、たとえばポリエチレン(k:0.22)、ポリプロピレン(k:0.19)、ポリアセタール(k:0.22)、ポリカーボネート(k:0.19)、ポリ塩化ビニル(k:0.16)、ポリスチレン(k:0.12)、テフロン(登録商標)(k:0.30)、ナイロン6(k:0.25)などの樹脂や、アクリルゴム(k:0.27)、クロロプレンゴム(k:0.25)、シリコーンゴム(k:0.20)、ニトリルゴム(k:0.25)、フッ素ゴム(k:0.12)などのゴム、石綿(k:0.14)、コルク(k:0.042)などがあげられる。容器本体2内部からの熱伝導が少なく、把持したときに熱さや冷たさを感じにくい点から、前記熱伝導率が10以下、さらには2以下であるのが好ましい。
【0022】
前記熱伝導率の低い材料からなる層である把持部4の厚さ(把持部表面から容器本体表面までの厚さ)としては、1〜20mm、さらには2〜15mmであり、前記隙間6の厚さとしては、0.5〜10mm、さらには1〜8mmであるのが、容器本体2内部からの熱伝導が少なく、把持したときに熱さや冷たさを感じにくい点から好ましい。また、湯に漬けたときに湯が容器本体2と直接接触しやすくなる、冷蔵庫や冷凍庫または冷水中に入れたときに冷たさが容器本体2と直接接触しやすくなる点から好ましい。前記装着部5の厚さは、隙間6の厚さと同じであり、0.5〜10mm、さらには1〜8mmであるのが、容器本体2内部からの熱さや冷たさの伝導が少なく、把持したときに熱さや冷たさを感じにくい点から好ましい。
【0023】
なお、装着部5と隙間6との関係は、装着部5を取り除けばその部分が隙間6となり、隙間6を埋めればその部分が装着部5となる関係にある。
【0024】
把持部4の表面は、吐出製品を湯や冷水から取り出したとき、表面に湯や冷水が残らず把持した手に湯や冷水が付着しないように、また、把持部4が短時間で外気温に近くなるように、疎水性であるのが好ましい。なお、把持部4全体を熱伝導率が低く、疎水性のもので成形してもよいが、把持部4の表面を疎水性の合成樹脂皮膜やゴム皮膜で被覆して疎水性にしてもよい。皮膜の厚さとしては、5〜500μmであるのが好ましい。
【0025】
把持部4は、容器本体2の胴部全体に設けられていてもよいが、使用者が実際に把持する部分を含む一部のみに設けられていてもよい。把持部4が、容器本体2の胴部全体に設けられている場合には、胴部のどの部分を把持しても熱くまたは冷たく感じない点から好ましく、容器本体2の胴部の把持する部分を含む一部分に設けられている場合には、把持部を形成する材料を少なくすることができ、コストダウンできる点から好ましい。容器の高さにもよるが、通常、容器本体2の胴部の一部、具体的には胴部全体の上部からおよそ3/4までの部分に把持部4を設けるのが好ましい。
【0026】
前記のごとき把持部は、容器本体の大きさ(胴部直径や高さ)、容器外部から内部への熱さや冷たさの伝達および容器内部から外部への熱さや冷たさの伝達を考慮し、把持部の大きさと形状を設計して作られた金型に把持部の原料を注入するなどの方法により製造することができる。製造された把持部は、容器本体に装着することにより、図1に示すごとき耐圧容器を製造することができる。
【0027】
なお、耐圧容器1は、40〜100℃、さらには50〜95℃で容器から吐出可能な蒸気圧を有する組成物を充填するため、通常、1.3MPaで変形せず、1.5MPaで破裂しない耐圧性が必要とされる。
【0028】
本発明の耐圧容器の他の実施態様を図2〜図4に示す。
【0029】
図2〜図4に示す耐圧容器1は、有底筒状の容器本体2a、2b、2cと、容器本体開口部に装着されるバルブ3とからなり、容器本体2a、2b、2cの胴部には凹凸部が形成されている。容器本体2a、2b、2cは、図1と同様に、熱伝導率の高いアルミニウムやブリキ、ステンレスなどの金属製であることが好ましく、前述のモノブロック缶や2ピース缶、3ピース缶のいずれの容器形態でもよい。
【0030】
図2〜図4において、7a、7b、7cは、容器本体上に設けられた把持部であり、該把持部(凸部)7a、7b、7cには、容器本体の胴部の外部表面に容器本体よりも熱伝導率の低い材料からなる層が設けられている。
【0031】
前記熱伝導率の低い材料(熱伝導率が10以下、さらには2以下の材料)からなる層は、前述の樹脂やゴムなどからなる樹脂層やゴム層を設ける、粉末を付着させて粉末層を設ける、あるいは発泡剤を発泡させて樹脂などの発泡層を設けるなどにより形成することができ、該層を容器本体の表面に貼付したり装着するなどにより、把持部(凸部)とすることができる。また、容器本体の製造時に、胴部に外側および(または)内部から圧力をかけて変形させて凹凸を形成し、凸部表面に前述の樹脂層やゴム層、粉末層、発泡層などを設けて把持部(凸部)としてもよい。
【0032】
なお、前記耐圧容器の胴部の外部表面が凹凸に形成されているとは、前記耐圧容器の胴部表面に図2、図4に示すような凸部あるいは図3に示すような凹部を有し、胴部表面に凹凸が形成されていることであり、凹凸は胴部全体に形成されていてもよく、部分的に形成されていてもよい。前記凹凸が部分的に形成されている場合には、凹凸の形成箇所が少なくなる、耐圧容器の製造が容易になるなどの点から好ましく、逆に、凹凸が胴部全体に形成されている場合には、容器のどの部分を把持しても熱さや冷たさを過度に感じることがなく、安全であるなどの点から好ましい。また、凹凸は、図2、図3のように、胴部の軸方向に設けてもよく、図4のように、胴部の環状方向(周方向)に設けてもよい。前者の場合は吐出製品を把持しやすく、また、後者の場合は、胴部に付着した湯や冷水が流れやすいなどの点から好ましい。
【0033】
前記凹凸は、通常、凹凸の山と谷との高さの差が1〜15mm、さらには2〜10mmであり、山と山との間隔および谷と谷との間隔が1〜30mm、さらには3〜20mmであり、凸部の表面積が胴部表面の全表面積の30〜80%、さらには40〜70%であるのが好ましい。前記耐圧容器の胴部の凹凸の山と谷との高さの差が前記範囲内であり、山と山との間隔および谷と谷との間隔が前記範囲内の場合には、製品を把持したとき熱伝導率の高い材質と触れにくくなるため、熱さや冷たさを感じにくくなる点から好ましく、凸部の表面積が前述の範囲内の場合には、把持したときに凸部のみを把持しやすく、また、熱伝導率の高い材質が適度に露出しているため、加熱する場合に湯から熱が伝わりやすく、冷却する場合に冷たさが伝わりやすい点から好ましい。
【0034】
なお、前記凹凸の山と谷との高さの差とは、隣り合う凹部の最も低い部分と凸部の最も高い部分との差のことである。初めに選んだ凸部に隣り合う凹部は2つあるが、どちらを選んでもよい。一方の凹部を選べば、つぎの凸部は自動的に決まる。
【0035】
また、前記山と山との間隔および谷と谷との間隔とは、たとえば凸部の最も高い部分からつぎの凸部の最も高い部分まで、凹部の最も低い部分からつぎの凹部の最も低い部分までの距離のことである。凸部の最も高い部分や凹部の最も低い部分がわかりにくい場合には、それにかわる位置をきめて間隔を求めればよい。
【0036】
さらに、凸部の面積比とは、厳格に規定すれば、谷から山への変極点から、山から谷への変極点までの範囲であり、該凸部の面積とこれ以外の胴部の面積との合計が胴部表面の全表面積として求められるが、それほど厳格に求める必要はない。必要なのは、吐出製品をたとえば湯に入れたときに熱が容器内部に伝わりやすい領域(熱伝導率の高い領域)と、加熱された吐出製品を取り出すときに手でつかむ場合に手に熱が伝わりにくい領域(熱伝導率の低い領域)との比率のことであり、加熱された吐出製品を取り出すときに手でつかんで手に熱が伝わりにくい領域が、手でつかむのに必要な広さがあることである。吐出製品を冷却する場合も同様である。
【0037】
前記耐圧容器の胴部の凸部は、前記熱伝導率の低い材料から形成した樹脂層やゴム層、粉末層、発泡層、さらには容器本体製造時に胴部に外側および(または)内側から圧力をかけて変形させ、凹凸にすることにより形成した凸部に前述の層を設けたものであってもよい。必要なのは、胴部の外部表面側の少なくとも一部に熱伝導率の低い材質からなる凸部、好ましくは表面が疎水性の凸部が形成され、湯または冷蔵庫や冷凍庫もしくは冷水中に入れて加熱または冷却した吐出製品を把持した場合に手に熱さや冷たさが伝わりにくくなっていることであり、その形成方法や形成に使用する材料などにはとくに限定はない。
【0038】
耐圧容器の胴部の凸部が容器本体製造時に胴部に圧力をかけて凹凸を形成することにより凸部を形成した場合、形成した凸部表面の少なくとも一部が容器本体よりも熱伝導率が低い材料からなる層で形成されていること、好ましくはさらに疎水性であることが、湯または冷蔵庫や冷凍庫もしくは冷水中に入れて吐出製品を加熱または冷却したのち取り出す場合に、吐出製品をつかむ手に熱さや冷たさが伝わりにくい吐出製品を得ることができる点から必要である。
【0039】
前記凸部表面の少なくとも一部とは、凸部表面の少なくとも把持する部分のことであり、上限は凸部表面のすべてであるが、凸部表面の50〜90%であるのが、吐出製品をつかんで取り出すのに不自由がなく、吐出製品を加熱または冷却する場合の効率もよくなる点から好ましい。
【0040】
前記凸部または凸部表面の少なくも一部を熱伝導率の低い材料(熱伝導率が10以下、さらには2以下の材料)からなる層で形成する方法としては、以下の方法があげられる。
【0041】
前記樹脂層を形成する場合、たとえば前述の樹脂を金型に注入して所定の形状に成形し、これを貼付あるいは装着する方法、合成樹脂塗料またはインキを容器や凸部表面に塗布または印刷する方法、合成樹脂フィルムを貼着する方法などがあげられるが、これらの方法に限定されるわけではない。
【0042】
前記樹脂層の形成に用いられる樹脂としては、前述の樹脂以外にも、通常の塗料の製造に使用されるマトリックス樹脂、たとえばアルキッド樹脂(k:0.35〜1.04)、塩化ビニル樹脂(k:0.12〜0.17)、ウレタン樹脂(k:0.01〜0.05)、アクリル樹脂(k:0.18〜0.21)、エポキシ樹脂(k:0.04以下)、ポリアミド樹脂(k:0.12〜0.33)、酢酸セルローズ(k:0.18〜0.33)などがあげられる。
【0043】
形成される前記樹脂層の厚さとしては、湯または冷蔵庫や冷凍庫もしくは冷水中に入れて吐出製品を加熱または冷却したのち取り出す場合に、吐出製品をつかむ手に熱さや冷たさが伝わりにくい吐出製品を得ることができる点から、1〜15mm、さらには2〜10mmであるのが好ましい。
【0044】
前記ゴム層を形成する場合も、前記樹脂層の場合と同様にして形成すればよい。異なるのは、層の形成に使用するものが、たとえばシリコーンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどの合成ゴムやエラストマーなどである点である。
【0045】
また、前記粉末を付着させて粉末層を形成する方法としては、たとえば平均粒径1〜150μm、さらには3〜100μmの粉末、たとえばタルク、シリカ(k:1.4〜6.2)、酸化亜鉛、酸化チタン(k:7.4〜8.4)、炭酸カルシウム、顔料などの無機粉末や前述の樹脂粉末を、インキ用マトリックス樹脂をバインダーとして印刷する方法、粉末をあらかじめ焼結させて所定の形状とし、これを貼付する方法、粉末を静電塗装したのち焼付けを行なう方法などの方法により付着させる方法があげられる。
【0046】
前記粉末に対するバインダーの使用量としては、凸部表面をなるべく粗表面にすることができ、かつ、粉末の脱離をなるべく起こさない点から、粉末に対して重量比で5〜30%であるのが好ましい。
【0047】
付着させる前記粉末の厚さとしては、湯または冷蔵庫や冷凍庫もしくは冷水中に入れて吐出製品を加熱または冷却したのち取り出す場合に、吐出製品をつかむ手に熱さや冷たさが伝わりにくい吐出製品を得ることができる点から、1〜15mm、さらには2〜10mmであるのが好ましい。
【0048】
前記発泡層を形成する方法としては、たとえばペースト用塩化ビニル樹脂、可塑剤(フタレート系、アジペート系、ポリエステル系、エポキシ系、リン酸エステル系、これらの混合系など)、安定剤(バリウム−亜鉛系、スズ系、カルシウム−亜鉛系、亜鉛系、これらの混合系など)、分解型発泡剤(アゾ系、スルホヒドラジド系、ニトロソ系など)および必要により使用される溶剤などを含む樹脂液、多価アルコールおよびポリイソシアネートなどを含む樹脂液などの分解型発泡剤を含有する樹脂液を使用して発泡層を形成する方法があげられる。
【0049】
また、前記分解型発泡剤を含まずに溶剤を含む樹脂、たとえばポリスチレン、ポリエチレン、セルロースアセテートなどの樹脂を含む樹脂液を使用し、溶剤の揮発乾燥時に樹脂を発泡させてもよい。
【0050】
前記分解型発泡剤を含有する樹脂液や分解型発泡剤を含まずに溶剤を含む樹脂液を使用して発泡させて凸部を形成させる場合、これらの樹脂液を塗布する部分の幅と塗布しない部分の幅は、それぞれ3〜30mm、さらには5〜20mmと、1〜15mm、さらには3〜10mmであるのが、熱伝導率の低い部分と高い部分とが適度な面積比となり、容器本体内部の組成物が熱いまたは冷たい状態で製品を把持しても手に熱さまたは冷たさが伝わりにくく、また、製品を温めるまたは冷却する際には効率よく温めるまたは冷却することができる点から好ましい。
【0051】
また、凸部の高さは1〜15mm、さらには2〜10mmであるのが、製品を把持したときに凸部以外の部分に触れにくくなり、熱さまたは冷たさを感じにくくなる点から好ましい。
【0052】
前記のごとく、凸部を発泡体から形成する場合、凸部内に気泡が存在するため、製品を把持した手にはとくに熱さまたは冷たさが伝わりにくく、またソフトな感触が得られる点から好ましい。
【0053】
前記分解型発泡剤を含有する樹脂液を使用して凸部を形成させる場合、樹脂液を塗布して塗膜を形成したのち発泡させる前に、塗膜のうえに発泡抑制インキで模様を書いてから発泡させることにより、ケミカルエンボス法により模様を形成させることができる。
【0054】
前記分解型発泡剤を含有する樹脂液や分解型発泡剤を含まずに溶剤を含む樹脂液は、凸部の形成のみならず、凸部表面の少なくとも一部を疎水性および熱伝導率を凸部以外の部分よりも低くする場合にも好適に使用することができる。
【0055】
なお、前記熱伝導率が容器本体よりも小さい材料からなる層(凸部)の表面には、加熱または冷却時、凸部表面を保護するために、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロンなどのフィルムを積層することが好ましい。また、疎水性樹脂をスプレーして焼き付ける(スプレーコート)などして撥水加工を施してもよい。
【0056】
また、容器本体の胴部の凸部が容器本体製造時に胴部に圧力をかけて凹凸部を形成する場合、たとえば図5に示すように、凸部の一部をエンボス加工などにより模様8になるように形成してもよい。この場合には、製品の識別が容易になる点から好ましい。
【0057】
前記模様を形成した領域以外の胴部の領域には、凹凸を形成し、凸部表面の少なくとも一部を容器本体よりも熱伝導率が低い材料、好ましくはさらに疎水性の材料で形成するのが好ましい。とくに把持する領域は、このようにするのが好ましい。模様によっては把持しにくくなるからである。また、模様の表面を、疎水性で熱伝導率が低い材料で被覆することが好ましい。
【0058】
前記のごとき本発明の耐圧容器は、吐出製品にして水に浮かべた場合にも、吐出製品が縦向きになるように、重心が低い位置(好ましくは底部側1/3の範囲内)になるように設計したものであるのが、加温したときの取出が容易である、また、バルブのステムに装着され、吐出操作されるスパウトや押しボタンなどの吐出部材に湯が入るのを防止することができる、内容物を効果的に温めることができるなどの点から好ましい。
【0059】
前記重心を低い位置にする方法としては、容器本体の底部の肉厚を厚くする、耐圧容器の下部に錘をつけるなどして重くする方法があるが、あまり重くしすぎると、内容物が多い場合には湯または冷水中に没し得る。この場合には、湯または冷水量を調節すればよい。
【0060】
つぎに、本発明の吐出製品について説明する。
【0061】
本発明の吐出製品は、前記耐圧容器に、常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱することによって容器から吐出し得る蒸気圧を有するようになる組成物を充填したものである。
【0062】
また、本発明の吐出製品は、前記耐圧容器に、0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填したものである。
【0063】
はじめに、耐圧容器に、常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱することによって容器から吐出し得る蒸気圧を有するようになる組成物を充填した吐出製品について説明する。
【0064】
前記組成物としては、たとえば化粧料用組成物、頭髪・頭皮用組成物、医薬品・医薬部外品用組成物、家庭用組成物などの発泡性組成物(微発泡性組成物も含む)や噴霧組成物があげられる。
【0065】
前記組成物のうちの発泡性組成物は、たとえば沸点が20〜80℃の炭化水素を、泡の安定性をよくする融点が30〜90℃の油分や多価アルコール、水溶性高分子、界面活性剤などの1種以上を含有する水性原液中に分散あるいは乳化させたものであり、シェービングフォーム、皮膚保湿フォーム、クレンジングフォームなどとして使用される組成物である。
【0066】
前記沸点が20〜80℃の炭化水素は、加熱されて高温状態になると蒸気圧が高くなり、内容物を泡状で吐出させる発泡剤として作用する。
【0067】
前記炭化水素の沸点は20〜80℃、さらには25〜70℃であるのが好ましい。前記炭化水素の沸点が20℃未満の場合には、加熱時の蒸気圧が高くなりすぎる傾向があり、80℃をこえると、加熱しても吐出させることができる蒸気圧が得られにくくなり、また泡が小さくなりやすい。
【0068】
前記沸点が20〜80℃の炭化水素の具体例としては、たとえばノルマルペンタン(36.1℃)、イソペンタン(27.9℃)、ノルマルヘキサン(68.7℃)、イソヘキサン(60.3℃)およびこれらの混合物などがあげられる。なお、炭化水素の沸点を調整するために、沸点が20℃未満の炭化水素(たとえばノルマルブタン(−0.5℃))や沸点が80℃以上の炭化水素(たとえばイソヘプタン(90.1℃))を混合してもよい。
【0069】
前記沸点が20〜80℃の炭化水素の配合量としては、前記発泡性組成物中3〜50重量%(以下、%という)、さらには5〜40%であるのが好ましい。前記炭化水素の配合量が3%未満の場合には、加熱した状態でも蒸気圧が低く、吐出させ難くなる、発泡が小さくなるなどの問題が生じやすい。一方、50%をこえると、発泡性組成物が油中水型になりやすくなり、発泡しなくなる場合がある。
【0070】
前記融点が30〜90℃の油分は、加熱した状態での泡の安定性をよくするために使用される成分である。前記油分は常温では固体の状態で分散しているが、所定の温度になると溶解し発泡性を向上させる効果が発現し、加熱する温度に応じて前記油分の融点を選択することで、所望の温度で安定した泡を吐出させることができる。
【0071】
前記油分の融点は、前述のごとく、30〜90℃、さらには35〜70℃であるのが好ましい。油分の融点が30℃未満の場合には、加熱時の発泡性を向上させる効果が得られにくくなり、90℃をこえると、加熱しても油分が容易に溶解しにくくなり、発泡性を向上させる効果が得られにくくなる。また、吐出された泡が冷えると油分が析出しやすくなり、使用途中で析出して、使用感がわるくなりやすい。
【0072】
前記融点が30〜90℃の油分の具体例としては、たとえばカプリン酸(31.6℃)、ラウリン酸(44.2℃)、ミリスチン酸(53.9℃)、パルミチン酸(63.1℃)、ステアリン酸(69.6℃)、ベヘニン酸(81.5℃)、12−ヒドロキシステアリン酸(76〜77℃)などの高級脂肪酸、ミリスチルアルコール(37.9℃)、セチルアルコール(49.3℃)、ステアリルアルコール(58.0℃)、ベヘニルアルコール(70.6℃)などの高級アルコール、ミツロウ(60〜67℃)、カルナウバロウ(80〜86℃)、ラノリン、酢酸ラノリン、カンデリラロウ(68〜72℃)などのロウ(ワックス)、モクロウ(50〜53.5℃)などの植物油脂、およびこれらの混合物などがあげられる。
【0073】
前記融点が30〜90℃の油分を配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中0.1〜10%、さらには0.3〜8%であるのが好ましい。前記油分の配合量が0.1%未満の場合には、加熱時の発泡性を向上させる効果が得られにくく、吐出すると短時間で消泡する泡になりやすい。一方、10%をこえると、泡がべたついたり、洗い流しにくくなるなどし、使用感が低下しやすくなる。
【0074】
前記多価アルコールや水溶性高分子は、前記融点が30〜90℃の油分と同様に、吐出物の発泡性を向上させ、加熱された状態でも安定な泡を形成するなどの目的で用いられる。
【0075】
前記多価アルコールの具体例としては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリンなどがあげられる。
【0076】
前記多価アルコールを配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中1〜40%、さらには3〜30%であるのが好ましい。前記多価アルコールの配合量が1%未満の場合には、多価アルコールを配合する効果が得られにくく、40%をこえると、吐出物の乾燥性がわるくなりすぎ、べたついたり、発泡性がわるくなるなどして、使用感がわるくなりやすくなる。
【0077】
前記水溶性高分子の具体例としては、たとえば寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、変性ポテトスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどがあげられる。
【0078】
前記水溶性高分子を配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中0.001〜10%、さらには0.005〜5%であるのが好ましい。前記水溶性高分子の配合量が0.001%未満の場合には、水溶性高分子を配合することによる効果が得られにくくなり、10%をこえると、組成物の粘度が高くなりすぎ、吐出しがたくなったり、発泡性がわるくなるなどし、使用感がわるくなりやすくなる。
【0079】
前記界面活性剤は、加熱処理された組成物を発泡させる発泡成分として作用する。また、頭髪や頭皮のクレンジング剤、帯電防止剤、加脂剤などとして用いられる。
【0080】
前記界面活性剤の具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル類、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、デカなどのポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類やポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルポリグルコシドなどの非イオン型界面活性剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸のケン化物、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン型界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などの陽イオン型界面活性剤、酢酸ベタイン、レシチンなどの両性型界面活性剤、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン型界面活性剤、ポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノールポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴムなどの高分子型界面活性剤、サーファクチンナトリウム、シクロデキストリンなどの天然型界面活性剤などがあげられる。
【0081】
前記界面活性剤を配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中0.1〜30%、さらには0.5〜20%であるのが好ましい。前記界面活性剤の配合量が0.1%未満の場合には、発泡し難くなり、30%をこえると、べたつきや皮膚への刺激が強くなる、洗い流しにくくなるなど、使用感が低下しやすくなる。
【0082】
前記発泡性組成物には、前記油分、多価アルコール、水溶性高分子、界面活性剤以外にも、必要により有効成分や低級アルコール、他の油分(液状油分)、粉体などを配合させることができる。
【0083】
前記有効成分は、製品の用途や目的などにより適宜選択して配合され、頭髪や皮膚に付着して所望の効果を付与する成分である。
【0084】
前記有効成分としては、たとえばコラーゲン、ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、尿素などの保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジンなどの殺菌・防腐剤、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンなどの頭髪用セット剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどの紫外線吸収剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸d,l−α−トコフェロール、ビタミンD2、d,l−α−トコフェロール、酢酸d,l−α−トコフェロール、パントテン酸などのビタミン類、エラストラジオール、エチニルエストラジオールなどのホルモン類、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの各種抽出液、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭剤、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、尿素などの皮膚軟化剤、塩化カルプロニウム、トコフェロール、トウガラシチンキ、ニンニクエキス、センブリエキスなどの血行促進剤、サリチル酸、レゾルシンなどの角質溶解剤、ピロドキシン、レシチンなどの抗脂漏剤、アマランス(赤色2号)、エリスロシン(赤色3号)、ニューコクシン(赤色102号)、ローズベンガル(赤色105号)、アシッドレッド(赤色106号)、タートラジン(黄色4号)、サンセットエロー(黄色5号)、ファストグリーン(緑色3号)、ブイリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号)、ローズベンカルK(赤色232号)、オレンジII(だいだい色205号)、ウラニン(黄色202号)、キノリンエローWS(黄色203号)、アリザニンシアニングリーンF(緑色201号)、ピラニンコンク(緑色204号)、パテントブルー(青色203号)、レゾルシンブラウン(かっ色201号)、ビオラミンR(赤色401号)、オレンジI(だいだい色402号)、ナフト−ルエローS(黄色403号)、ナフトールグリーンB(緑色401号)、アリズロールパープル(紫色401号)、ナフトールブルーブラック(黒色401号)などの酸性染料や、ローダミンB(赤色213号)、ローダミンBアセテート(赤色214号)などの塩基性染料、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、レゾルシン、ヒドロキノンなどの酸化染料、ニトロ−p−フェニレンジアミン、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン、p−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、ピクリン酸などの直接染料、過酸化水素などの酸化剤、パパイン酵素、プロテアーゼなどの酵素などがあげられる。
【0085】
前記有効成分を配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中0.01〜30%、さらには0.05〜20%であるのが好ましい。前記有効成分の配合量が0.01%未満の場合には、有効成分を使用することによる効果が得られにくく、30%をこえる場合には、有効成分濃度が高くなりすぎ、頭髪や頭皮に悪影響を及ぼす場合がある。
【0086】
前記低級アルコールは、水に溶解しない有効成分を可溶化させる、乾燥性を調整する、発泡性を調整するなどの目的で用いられる成分である。
【0087】
前記低級アルコールの具体例としては、たとえばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜4のモノアルキルアルコールがあげられる。
【0088】
前記低級アルコールを配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中0.5〜30%、さらには1〜20%であるのが好ましい。前記低級アルコールの配合量が0.5%未満の場合には、低級アルコールを配合することによる効果が得られにくくなり、30%をこえると、使用感や発泡性がわるくなりやすい。
【0089】
前記他の油分(液状油分)は、泡に艶を付与する、櫛通りをよくする、使用感を向上させるなどの目的で使用される成分である。
【0090】
前記他の油分としては、たとえばメチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸セチル、酢酸エチル、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ケロシンなどの炭化水素(ただし、沸点が20〜80℃の炭化水素は除く)、ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂があげられる。
【0091】
前記他の油分を配合する場合の配合量は、前記発泡性組成物中0.1〜10%、さらには0.3〜5%であるのが好ましい。前記油分の配合量が0.1%未満の場合には、他の油分を使用する場合の効果が得られにくくなり、10%をこえると、発泡しにくくなり、また、乾燥性がわるくなりやすい。
【0092】
前記粉末は有効成分を担持する担体や保護剤、付着剤などの目的で用いられる成分である。
【0093】
前記粉末の具体例としては、たとえばタルク、酸化亜鉛、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、窒化ホウ素などがあげられる。
【0094】
前記粉末を配合する場合の配合量としては、前記発泡性組成物中0.01〜10%、さらには0.1〜5%であるのが好ましい。前記粉末の配合量が0.01%未満の場合には、粉末を使用することによる効果が得られにくくなり、10%をこえると、バルブや噴射部材で詰まりやすくなり、また、組成物中で沈降がおこりやすくなり、均一な組成物が得られにくくなる。
【0095】
前記発泡性組成物は、たとえば、必要により使用される多価アルコール、水溶性高分子、界面活性剤、有効成分などを水やアルコール水溶液に溶解あるいは分散させ、ついで沸点が20〜80℃の炭化水素、必要により使用される融点が30〜90℃の油分、その他の油分などと混合し、乳化あるいは分散させることにより調製することができる。
【0096】
前記水としては、たとえば精製水、イオン交換水、生理食塩水、滅菌水などがあげられる。
【0097】
前記水の配合量は、前述の水以外の配合成分と水との合計量が発泡性組成物の100%になる量であり、通常、30〜95%である。
【0098】
なお、前記発泡性組成物は、前述の容器本体内部で調製してもよく、予めタンクなどで調製したのち容器に充填してもよい。
【0099】
これまで本発明の耐圧容器に充填する組成物として発泡性組成物について説明してきたが、吐出形態が霧状となる噴霧組成物を充填してもよい。
【0100】
前記噴霧組成物としては、たとえば前述の沸点が20〜80℃の炭化水素を、有効成分などを水や低級アルコール、多価アルコールおよびこれらの2種以上の混合物である溶媒に溶解させた原液と混合したものであり、ヘアスプレー、皮膚保湿スプレーなどとして使用される組成物である。
【0101】
前記沸点が20〜80℃の炭化水素は、加熱されたときに蒸気圧が高くなり、霧状で吐出するための噴霧剤として使用される成分である。
【0102】
前記炭化水素としては、発泡性組成物に使用したものと同じものを用いることができる。
【0103】
前記炭化水素の配合量としては、前記噴霧組成物中30〜60%、さらには35〜55%であるのが好ましい。前記炭化水素の配合量が30%未満の場合には、加熱した状態でも霧状で安定に吐出できにくくなる。一方、60%をこえると、炭化水素の気化熱量が多くなり、組成物を充分加熱しても吐出物は温かくならず、目的とする効果が得られにくくなる。
【0104】
前記有効成分としては、発泡性組成物で例示したものと同じものを用いることができる。また、その配合量も同じでよい。
【0105】
また、前記水や低級アルコール、多価アルコールおよびこれらの混合物は、有効成分を溶解する溶媒として用いられ、発泡性組成物で例示したものと同じものを用いることができる。
【0106】
前記溶媒と溶媒以外の配合成分とが噴霧組成物を形成し、それらの合計量が100%になる。
【0107】
さらに、前記噴霧組成物には、吐出製品の目的や用途などに応じて、発泡性組成物で例示した界面活性剤(組成物中0.05〜15%、さらには0.1〜10%)や油分(組成物中0.1〜10%、さらには0.3〜8%)、水溶性高分子(組成物中0.001〜10%、さらには0.005〜5%)、粉末(組成物中0.01〜10%、さらには0.1〜5%)などの他の成分を適宜選択して、配合することができる。
【0108】
前記噴霧組成物は、有効成分や他の成分などを溶媒に溶解あるいは分散させて原液を調製し、該原液と沸点が20〜80℃の炭化水素とを混合することにより調製することができる。
【0109】
なお、該噴霧組成物は、発泡性組成物と同様に容器本体内部で調製してもよく、あらかじめタンクなどで調製したのち、耐圧容器に充填してもよい。
【0110】
前記説明では、沸点が20〜80℃の炭化水素を発泡剤や噴霧剤として用いていたが、前記炭化水素のかわりに、炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩と、クエン酸やコハク酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸などの酸とを用い、加熱したときに炭酸塩と酸とが反応して炭酸ガスを発生し、吐出するようにしてもよい。この場合、炭酸塩は融点が30〜90℃の油分中に封入しておき、加熱されたときに油分が溶解し、原液中の酸と反応して炭酸ガスを発生させるのが好ましい。このような吐出剤は、酵素やビタミンなどの安定性がよくない有効成分を配合した組成物を充填した、1回で使い切る製品に好ましく用いられる。
【0111】
本発明の吐出製品は、前記組成物などを前記耐圧容器の容器本体に充填し、ついで容器本体の開口部にバルブを取り付け、該バルブに吐出部材を装着することにより製造される。
【0112】
なお、図1のような脱着可能な把持部を用いる場合には、組成物を充填する前に容器本体に把持部を装着してもよく、組成物を充填したのちに装着してもよい。
【0113】
本発明の吐出製品を使用する際には、吐出製品をポットや恒温水槽、風呂、洗面器、鍋などの湯の中に所定時間保持して加熱し、高温にしてから吐出させる。該吐出製品を加熱する手段としては、湯の温度調整ができ、湯を一定温度に保持できるなどの点から、ポットや恒温水槽、風呂などの温度調整機能の付いたものを用いるのが好ましい。
【0114】
本発明の吐出製品は、加熱した状態でも容器内部からの熱が手に伝わりにくいため、安心して製品を使用することができる。さらに、泡状で吐出する場合でも、すぐには消泡せず、安定した泡を形成するため、高温状態で有効成分が効果を発揮しやすい製品、たとえばスタイリングフォームやトリートメントフォーム、カラーリングフォーム、ブリーチフォーム、除毛フォーム、シェービングフォーム、クレンジングフォームなどの頭髪や皮膚などの人体用品、洗浄フォームなどの家庭用品などにとくに好適に用いることができる。また、霧状で吐出する場合でも、適度に温かい霧となるため、スタイリングスプレーやトリートメントスプレー、カラーリングスプレー、ブリーチスプレー、保湿スプレーなどの人体用品、洗浄スプレーなどの家庭用品などに好適に用いることができる。
【0115】
本発明の吐出製品に使用し得る組成物の具体的な処方としては、たとえば以下のものがあげられる。
【0116】
シェービングフォーム
高級脂肪酸1〜10%、適量(脂肪酸の中和度が90〜110%となる量)のアルカリ剤、他の界面活性剤0〜10%、油分(高級アルコール、液状でも融点30〜90℃でも使用できるが、好ましくはセタノールなど)0.5〜5%、多価アルコール0〜30%、水溶性高分子0〜5%、保湿剤や抽出液、清涼化剤、香料などの有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0117】
トリートメントフォーム
トリートメント成分(陽イオン型界面活性剤を含む)1〜20%、界面活性剤(陽イオン型界面活性剤を除く)0〜10%、油分(液状でも融点30〜90℃でも使用できる)0〜5%、多価アルコール0〜30%、水溶性高分子0〜5%、保湿剤や紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、抽出液、香料などの他の有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0118】
スタイリング剤(フォームタイプ)
頭髪用セット剤0.5〜10%、低級アルコール1〜10%、界面活性剤0.5〜10%、油分(液状でも融点30〜90℃でも使用できる)0〜5%、多価アルコール0〜30%、水溶性高分子0.1〜5%、保湿剤や紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、抽出液、香料などの他の有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0119】
スタイリング剤(スプレータイプ)
頭髪用セット剤0.5〜10%、液状油分0.1〜5%、保湿剤や紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、抽出液、香料などの他の有効成分0.1〜10%、残部低級アルコールとからなる原液を50〜65%と、沸点が20〜80℃の炭化水素35〜50%とからなる噴霧組成物。
【0120】
染毛剤(1剤)
酸化染料0.5〜10%、適量のアルカリ剤(アンモニア水)、酵素0〜5%、界面活性剤0.5〜10%、油分(液状でも融点30〜90℃でも使用できる)0〜5%、多価アルコール0〜30%、水溶性高分子0〜5%、保湿剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、抽出液、香料などの他の有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0121】
染毛剤(2剤)
酸化剤1〜10%、適量の安定化剤、界面活性剤0.5〜10%、油分(液状でも融点30〜90℃でも使用できる)0〜5%、多価アルコール0〜30%、水溶性高分子0〜5%、保湿剤や香料などの他の有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0122】
なお、染毛剤(1剤)と染毛剤(2剤)とは、両製品を吐出部材で連結し、同時に両者を吐出する二連式吐出製品とするのが好ましい。この場合、両製品を同時に加熱し、両製品からの吐出物を吐出部材内部で混合しながら外部に吐出するのが好ましい。さらに、1剤と2剤とが直接接触しないように2つの充填室を有する内袋を備えた耐圧容器に充填してもよい。
【0123】
クレンジング剤
界面活性剤3〜20%、粉体0〜10%、油分(液状でも融点30〜90℃でも使用できる)0.5〜5%、多価アルコール0〜30%、保湿剤や香料などの有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0124】
皮膚保湿剤
多価アルコール1〜30%、界面活性剤1〜10%、尿素などの保湿剤やアミノ酸、ビタミン類、抽出液、香料などの有効成分0.1〜20%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0125】
パック剤
界面活性剤1〜10%、油分(液状でも融点30〜90℃でも使用できる)0.5〜5%、多価アルコール5〜30%、水溶性高分子0〜5%、液状油分0.1〜10%、保湿剤や抽出液、清涼化剤、香料などの有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0126】
皮膚軟化剤
尿素(有効成分)5〜20%、界面活性剤1〜10%、多価アルコール5〜30%、油分0.1〜10%、保湿剤や抽出液、香料などの他の有効成分0.1〜10%、残部水とからなる水性原液を80〜95%と、沸点が20〜80℃の炭化水素5〜20%とからなる発泡性組成物。
【0127】
つぎに、耐圧容器に0℃、さらには−5℃、とくには−20℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填した本発明の吐出製品について説明する。
【0128】
前記温度に冷却する手段としては、冷凍庫内で保存(−20〜−1℃)、氷水に浸ける(0〜+5℃)などがあげられ、とくに強く冷却でき、噴射物に冷却効果が得られやすい点から、冷凍庫内で保存して−5〜−20℃に冷却するのが好ましい。なお、前記温度で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填した本発明の吐出製品を、たとえば冷蔵庫内で保存(+1〜+5℃)して使用してもよく、また、氷水に浸けて(0〜+5℃)0℃をこえる温度で使用してもよい。
【0129】
通常の金属製エアゾール容器に充填したエアゾール製品の冷却性を高めるために、たとえば冷凍庫に入れて冷却すると、製品が冷たくなりすぎるために把持しにくくなる。また、内容物を大量に噴射させると、容器内で液化ガスが気化するため製品は冷却され、この場合も把持しにくくなる。さらに、冷却により吐出力が低下する場合もある。本発明の吐出製品は、容器から手に過度の冷たさが伝わりにくい耐圧容器を用いることで、低温状態の製品を把持する際の冷たすぎる問題を解決することができる。また、外部のエネルギーで組成物を冷却しているため、液化ガス量が少なくても所望の冷却効果を得ることができる。さらに、噴射剤を選択することにより、冷却による吐出力の低下を防止することができる。
【0130】
前記耐圧容器に充填する0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物は、有効成分と噴射剤とを必須成分とし、さらに溶媒が含有されていてもよい。
【0131】
前記組成物は、均一に溶解しているものが、低温時に固化または凍結しにくく、安定性に優れている点から好ましいが、乳化・分散物でも固化または凍結していなければ使用できる。前記組成物中に溶解あるいは乳化・分散している有効成分は、噴射剤により吐出される。
【0132】
前記組成物としては、低温状態でも固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能なもの、具体的には容器内の組成物が0℃でも固化または凍結するようなことがなく、たとえば0℃での圧力が0.15〜0.5MPa(ゲージ圧)、さらには0.2〜0.45MPaのもの、あるいは−20℃での圧力が0.05〜0.4MPa(ゲージ圧)のもの、さらには0.07〜0.3MPaのものが好ましい。前記組成物が0℃で少なくとも一部が固化または凍結する場合、組成物を均一な組成で吐出しにくくなる点から好ましくない。また、0℃での圧力が0.15MPa(ゲージ圧)未満の場合、さらに低温になると吐出しにくくなる点から好ましくなく、0℃での圧力が0.5MPa(ゲージ圧)をこえる場合、常温(25℃)での圧力が高くなりすぎるため、安全性の点から好ましくない。また、−20℃での圧力が0.05MPa(ゲージ圧)未満の場合、低温で吐出しにくくなる点から好ましくなく、−20℃での圧力が0.4MPa(ゲージ圧)をこえる場合、常温(25℃)での圧力が高くなりすぎるため、安全性の点から好ましくない。
【0133】
容器内の組成物が0℃で固化または凍結するようなことがない組成物の例としては、以下の3つの形態があげられる。
【0134】
[形態1]
水、低級アルコールや多価アルコールのアルコール水溶液、さらにはアルコールを含有する非水の原液(噴射剤以外の組成物)と噴射剤とからなり、噴射剤が液化ガスであって、原液と液化ガスとが溶解した均一な組成物があげられる。前記原液と噴射剤(液化ガス)との比(重量比)は、80/20〜20/80、さらには75/25〜25/75であるのが好ましい。原液の割合が80/20より多くなる場合には、低温時の圧力が小さくなりやすく、吐出し難くなる傾向が生じ、20/80より少なくなる場合には、冷却感が強くなりすぎ、痛みを感じやすくなる傾向が生じる。
【0135】
その中でも、組成物が、低級アルコール含量0〜25%の水溶液を含有する原液とジメチルエーテルとからなり、原液とジメチルエーテルとが溶解している均一な組成物の系において、原液として低級アルコールを配合しない水溶液を含有するものを用いると、原液とジメチルエーテルとの比がたとえば75/25〜65/35の場合、常温(25℃)で噴射しても凍結しないが、0℃以下に冷却して噴射すると、噴射面で組成物の少なくとも一部が凍結する組成物が得られる(形態1の好ましい例1)。
【0136】
また、原液として低級アルコールを15〜25%配合した水溶液を含有するものを用いると、原液とジメチルエーテルとの比が50/50〜20/80の組成物の場合、常温(25℃)で噴射しても凍結しないが、0℃以下に冷却して噴射すると、噴射面で組成物の少なくとも一部が凍結する組成物が得られる(形態1の好ましい例2)。
【0137】
[形態2]
容器内の組成物が0℃で固化または凍結することがない組成物の他の例としては、低級アルコールが10%以上、さらには15%以上の水溶液を含有する原液と噴射剤とからなり、噴射剤が液化ガスであって、原液と液化ガスとが溶解しない不均一な組成物があげられる。前記原液と液化ガスとの比(重量比)は、80/20〜20/80、さらには75/25〜25/75であるのが好ましい。原液の割合が80/20より多くなる場合には、低温時の圧力が小さくなりやすく、吐出し難くなる傾向が生じ、20/80よりも小さくなる場合には、冷却感が強すぎ、痛みを感じやすくなる傾向が生じる。
【0138】
その中でも、組成物が、界面活性剤および低級アルコールを10〜25%配合した水溶液を含有する原液と、沸点が−20℃以下の液化ガスを30%以上、さらには40%以上含有する液化ガスとからなり、原液と液化ガスとが乳化しており、原液と液化ガスとの比(重量比)が60/40〜20/80、さらには50/50〜25/75の組成物の場合には、常温(25℃)で噴射しても凍結しないが、0℃以下に冷却して噴射すると噴射面で組成物の少なくとも一部が凍結(シャーベット状)する(形態2の好ましい例)。
【0139】
[形態3]
容器内の組成物が0℃で固化または凍結することがない組成物のさらに別の例としては、低級アルコールを10%以上、さらには15%以上含有する原液と噴射剤とからなり、噴射剤が圧縮ガスである組成物があげられる。
【0140】
本発明の吐出製品の吐出形態(低温時の吐出形態)としては、たとえば霧状、ミスト状、液滴状、泡状、ゲル状などがあり、とくに皮膚や頭皮、頭髪などの噴射面に付着すると、冷却された組成物が噴射剤の気化熱によりさらに冷却されて少なくとも一部が凍結するものが好ましい。
【0141】
前記有効成分の具体例としては、たとえばサリチル酸メチル、カンフル、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェン、イブプロフェンなどの消炎鎮痛剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレン、ブフェキサマックなどの抗炎症剤、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカイン、リドカインなどの局所麻酔剤、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェミラミンなどの抗ヒスタミン剤、クロタミトン、イクタモール、尿素などの鎮痒剤、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸オキシコナゾールなどの抗真菌剤、アルミニウムクロロハイドレート、アラントインアルミニウムクロロハイドレート、硫酸アルミニウムカリウム、酸化亜鉛などの制汗剤、l−メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、塩化カルプロニウム、トコフェロール、トウガラシチンキ、ニンニクエキス、センブリエキスなどの血行促進剤、サリチル酸、レゾルシンなどの角質溶解剤、ピロドキシン、レシチンなどの抗脂漏剤、プロピレングリコール、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アクリノール、グルコン酸クロルヘキシジン、オキシドールなどの殺菌消毒剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどの防腐剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、茶エキスなどの消臭・防臭剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ビタミンD、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類、エラストラジオール、エチニルエストラジオールなどのホルモン類、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの各種抽出液、パパイン酵素、プロテアーゼなどの酵素、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ジメチルフタレートなどの害虫忌避剤、香料などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0142】
前記有効成分の配合量は、組成物中0.01〜20%、さらには0.05〜15%であるのが好ましい。前記有効成分の配合量が0.01%未満の場合には、有効成分の濃度が低くなりすぎ、所定の効果を得るための使用量が多くなる。一方、20%をこえる場合には、有効成分の濃度が高くなりすぎ、有効成分によっては悪影響を及ぼす場合がある。低温での保存時に析出しやすくなる場合がある。
【0143】
前記有効成分の溶媒としては、低級アルコールや多価アルコールなどのアルコール類を含有するアルコール水溶液やアルコールが用いられる。なお、低温でも凍結しなければ精製水やイオン交換水、生理食塩水などの水を溶媒に用いることができる。
【0144】
前記低級アルコールの具体例としては、たとえばエタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3の1価アルコールが、また、前記多価アルコールの具体例としては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの2価以上のアルコールがあげられる。これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0145】
前記噴射剤としては、たとえば液化ガスや圧縮ガスを使用することができる。
【0146】
前記液化ガスとしては、沸点が0℃未満、さらには−5℃以下の液化ガスが冷却効果に優れており、また、低温時の組成物の凍結を防止する効果に優れている点から好ましい。液化ガスの沸点が0℃以上の場合、冷却効果が弱い点から好ましくない。
【0147】
前記液化ガスの具体例としては、たとえばノルマルブタン(−0.5℃)、イソブタン(−11.7℃)、プロパン(−42.1℃)、ジメチルエーテル(−24.8℃)などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでは、ジメチルエーテルが水を含有する組成物の低温保存時の凍結防止効果に優れ、さらに噴射したときに、噴射面で凍結させる効果が高い点から好ましく、プロパンが、沸点がとくに低く、組成物を噴射面で凍結あるいはシャーベット状に付着させやすい、低温時の圧力を調整しやすいなどの点から好ましい。
【0148】
前記液化ガスの使用量は、組成物中20〜80%、さらには25〜75%であるのが好ましい。液化ガスの使用量が20%未満の場合、低温時の圧力が小さくなりやすく、吐出し難くなる。一方、80%をこえる場合、冷却感が強くなりすぎ、痛みを感じやすくなる。
【0149】
なお、吐出状態や冷却感を調整するなどの目的で、前記液化ガスとともに沸点が20〜40℃の炭化水素を使用してもよい。
【0150】
前記沸点が20〜40℃の炭化水素の具体例としては、たとえばノルマルペンタン(36.1℃)やイソペンタン(27.9℃)などがあげられる。
【0151】
前記沸点が20〜40℃の炭化水素の使用量は、前記液化ガスの使用量が前記範囲を満たし、かつ、前記液化ガスおよび沸点が20〜40℃の炭化水素の合計量が前記範囲を満たす量であるのが好ましい。
【0152】
前記圧縮ガスとしては、チッ素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気、酸素ガスなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0153】
前記圧縮ガスを用いる場合、容器内の組成物を噴射していない(未使用)状態で、耐圧容器内の圧力が0℃で、0.3〜1.0MPa(ゲージ圧)、さらには0.4〜0.8MPa(ゲージ圧)となるように充填するのが好ましい。前記耐圧容器内の圧力が0.3MPa(ゲージ圧)未満の場合、容器内の組成物が少なくなると圧力が低くなって噴射状態がわるくなる傾向が生じ、1.0MPa(ゲージ圧)をこえる場合、噴射の勢いが強すぎ、刺激が強くなる傾向が生じる。
【0154】
前記圧縮ガスの使用量は、前記耐圧容器内の圧力が前記範囲内になる量である。
【0155】
前記圧縮ガスは、前記液化ガスと併用してもよい。
【0156】
前記組成物には、製品の用途や目的、吐出形態などに応じて、前記成分以外に、界面活性剤、油分、高分子、粉末などを適宜配合することができる。
【0157】
前記界面活性剤としては、たとえばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、デカなど)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0158】
前記界面活性剤を配合する場合、組成物中0.05〜15%、さらには0.1〜10%が好ましい。該量が0.05%未満の場合、配合効果が得られにくく、15%をこえる場合、低温保存時に組成物が固化しやすくなる。
【0159】
前記油分としては、たとえばオレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素、オレイン酸などの高級脂肪酸、メチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油、ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂などの常温(25℃)で液体である液体油分、たとえばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコールなどの高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ミツロウ、ラノリン、カンデリラロウ、パラフィンワックスなどのロウ(ワックス類)などの常温(25℃)で固体である固体油分などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0160】
前記油分を配合する場合、組成物中0.1〜10%、さらには0.3〜8%であるのが好ましい。該量が0.1%未満の場合、配合効果が得られにくく、10%をこえる場合、使用感がわるくなる。固形油分の場合、低温保存時に固化しやすくなるため、液体油分を用いることが好ましい。
【0161】
前記高分子としては、たとえばポリウレタン、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトルセルロース、結晶セルロース、変性ポテトスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0162】
前記高分子を配合する場合、組成物中0.001〜8%、さらには0.005〜5%であるのが好ましい。該量が0.001%未満の場合、配合効果が得られにくく、8%をこえる場合、固化しやすくなる。
【0163】
前記粉末としては、たとえばタルク、カオリン、シリカ、ウンデシレン酸亜鉛、無水珪酸、珪酸マグネシウム、マイカ、雲母チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、コーンスターチ、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0164】
前記粉末を配合する場合、組成物中0.01〜10%、さらには0.1〜5%であるのが好ましい。該量が0.01%未満の場合、粉末を使用することによる効果が得られにくく、10%をこえる場合、バルブや噴射部材で詰まりやすくなり、また、組成物中で沈降がおこりやすくなり、均一な組成物が得られにくくなる。
【0165】
本発明の耐圧容器に0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填した吐出製品の具体例としては、たとえば消炎鎮痛剤、鎮痒剤、やけど治療薬、水虫薬、制汗剤、火照り止め剤、育毛剤などの人体用に用いる冷却性組成物を充填した吐出製品があげられる。
【0166】
前記消炎鎮痛剤、鎮痒剤、やけど治療薬、水虫薬、制汗剤、火照り止め剤、育毛剤の具体例としては、以下のものがあげられる。
【0167】
消炎鎮痛剤
サリチル酸メチルなどの消炎鎮痛剤、l−メントールなどの清涼化剤などの有効成分0.05〜10%、エタノールなどの低級アルコール0〜70%、水0〜70%、液化ガス25〜75%からなり、霧状、ミスト状、さらには吐出孔での流速を調整して液滴状に吐出される組成物。
【0168】
さらに、水、界面活性剤を配合して吐出物を泡状にしたり、水、界面活性剤を配合した原液と液化ガスとを形態2の好ましい例の範囲で配合して乳化させて吐出物をシャーベット状にすることもできる。また、形態1の好ましい例1、2の範囲の原液とジメチルエーテルとを配合して溶解させて、吐出物の少なくとも一部を凍結させることもできる。
【0169】
鎮痒剤
尿素などの鎮痒剤、リドカインなどの局所麻酔剤、塩酸ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤などの有効成分0.05〜15%、エタノールなどの低級アルコール0〜70%、水0〜70%、液化ガス25〜75%からなり、霧状、ミスト状に吐出される組成物。
【0170】
さらに、水、界面活性剤を配合して泡状に吐出したり、水、界面活性剤を配合した原液と液化ガスとを形態2の好ましい例の範囲で配合して乳化させて吐出物をシャーベット状にすることもできる。また、形態1の好ましい例1、2の範囲の原液とジメチルエーテルとを溶解させて吐出物の少なくとも一部を凍結させることもできる。
【0171】
やけど治療薬
ブフェキサマックなどの抗炎症剤、リドカインなどの局所麻酔剤、アクリノールなどの殺菌消毒剤などの有効成分0.05〜10%、エタノールなどの低級アルコール0〜70%、水0〜70%、界面活性剤0.1〜5%、酸化亜鉛やタルクなどの粉末0.1〜5%、液化ガス25〜75%からなり、霧状、ミスト状に吐出される組成物。
【0172】
水、界面活性剤を配合して泡状に吐出させたり、水、界面活性剤を配合した原液と液化ガスとを形態2の好ましい例の範囲で配合して乳化させて吐出物をシャーベット状にすることもできる。また、形態1の好ましい例1、2の範囲の原液とジメチルエーテルとを溶解させて吐出物の少なくとも一部を凍結させることもできる。
【0173】
水虫薬
硝酸ミコナゾールなどの抗真菌剤、リドカインなどの局所麻酔剤、塩酸ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤などの有効成分0.05〜10%、エタノールなどの低級アルコール10〜70%、界面活性剤0〜5%、エステル油などの油分0〜5%、液化ガス25〜75%からなり、ミスト状や吐出孔での流速を調整して液滴状に吐出される組成物。
【0174】
さらに、水、界面活性剤を配合して吐出物を泡状にしたり、水、界面活性剤を配合した原液と液化ガスとを形態2の好ましい例の範囲で配合して乳化させて吐出物をシャーベット状にすることもできる。また、形態1の好ましい例1、2の範囲の原液とジメチルエーテルとを溶解させて吐出物の少なくとも一部を凍結させることもできる。さらに、タルクやコーンスターチなどの粉末や、沸点が20〜40℃の炭化水素を配合して付着性を向上させる、患部を保護することもできる。
【0175】
制汗剤
アルミニウムクロロハイドレートなどの有効成分1〜15%、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油やメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルなどの油分0.5〜10%、酸化亜鉛などの粉末1〜10%、液化ガス65〜75%からなり、霧やミスト状で吐出される組成物。
【0176】
付着性を向上させる目的で沸点が20〜40℃の炭化水素を配合してもよい。
【0177】
火照り止め剤
L−メントールなどの清涼剤、酸化亜鉛などの収れん剤などの有効成分0.1〜10%、エタノールなどの低級アルコール0〜70%、水0〜70%、液化ガス25〜75%からなり、霧状やミスト状に吐出される組成物。
【0178】
吐出物を形態2の好ましい例のようにシャーベット状や形態1の好ましい例1、2のように凍結させることもできる。
【0179】
育毛剤
トウガラシチンキ、センブリエキスなどの血行促進剤、レゾルシンなどの角質溶解剤、レシチンなどの抗脂漏剤、酢酸トコフェロールなどのビタミン類などの有効成分0.1〜10%、水0〜70%、エタノールなどの低級アルコール0〜70%(炭酸ガスを用いる場合は0〜95%)、液化ガス25〜75%および(または)炭酸ガス0.5〜5%(およそ0.4〜0.8MPa)からなり、ミスト状、棒状、吐出孔での流速を調整して液滴状に吐出される組成物。
【0180】
吐出物を形態2の好ましい例のようにシャーベット状や形態1の好ましい例1、2のように凍結させることもできる。
【0181】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0182】
[常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したとき吐出可能となる組成物を耐圧容器に充填した吐出製品の例]
実施例1〜5および比較例1
<水性原液1>
Figure 2004081834
【0183】
<発泡性組成物1>
Figure 2004081834
【0184】
<耐圧容器>
耐圧容器1:図1に示す形状の容器。
容器本体
アルミニウム製。底部が肉厚になっている満注量100mlの容器。
【0185】
把持部
あらかじめ成形した円筒状の把持部(ポリアセタール製)を容器本体の胴部全体を覆うように装着した。なお、円筒状の把持部の内面の上下端部にはそれぞれ4ヵ所ずつ装着部を備えている。把持部の厚さは5mm、装着部(隙間)は3mm、容器本体表面の装着部/隙間の面積比は20/80であった。
【0186】
耐圧容器2:図2に示す形状の容器。
容器本体
アルミニウム製。底部が肉厚になっている満注量100mlの容器。
【0187】
容器本体製造時に、断面が半円状の凸部(高さ(頂点)が2mm、幅10mm)を胴部に5ヵ所設けており、凸部と凸部のあいだの平らな部分の幅は6mmであった。
【0188】
把持部
容器本体胴部の凸部表面にシリコーンゴムを塗布し、厚さが3mmの皮膜を形成した。
【0189】
耐圧容器3:図2に示す形状の容器。
容器本体(耐圧容器2の容器本体と同じ)
アルミニウム製。底部が肉厚になっている満注量100mlの容器。
【0190】
容器本体製造時に、断面が半円状の凸部(高さ(頂点)が2mm、幅10mm)を胴部に5ヵ所設けており、凸部と凸部とのあいだの平らな部分の幅は6mmであった。
【0191】
把持部
容器本体胴部の凸部表面にバインダーを塗布し、その表面にエポキシ樹脂粉末(平均粒子径8μm)を付着させたのち200℃で焼付を行ない、厚さが3mmの粉末層を形成した。
【0192】
さらに、凸部表面にポリプロピレンのフィルム(厚さ15μm)を熱収縮させた。
【0193】
耐圧容器4:図2に示す形状の容器。
容器本体(耐圧容器1の容器本体と同じ)
アルミニウム製。底部が肉厚になっている満注量100mlの容器。
【0194】
把持部
容器本体胴部の上部3/4の範囲に、ポリイソシアネートとポリオール(グリセリン)との混合物を塗布し、発泡、硬化させて断面が半円状の凸部を形成した。なお、凸部は4ヵ所(高さ3mm、幅10mm)設け、凸部と凸部とのあいだの平らな部分の幅は5mmであった。
【0195】
さらに、凸部表面にポリプロピレンのフィルム(厚さ15μm)を熱収縮させた。
【0196】
耐圧容器5:図4に示す形状の容器。
容器本体(耐圧容器1の容器本体と同じ)
アルミニウム製。底部が肉厚になっている満注量100mlの容器。
【0197】
把持部
あらかじめ半円柱状に成形したニトリルゴム(厚さ4mm、幅10mm)を容器本体の胴部表面に環状に8ヵ所貼付した。ニトリルゴム間の平らな部分の幅は3.5mmであった。
【0198】
耐圧容器6
容器本体:有底円筒状の容器。
【0199】
アルミニウム製。満注量100mlの容器。
【0200】
<発泡性吐出製品の製造>
前記水性原液(1)45gとイソペンタン4gおよびノルマルヘキサン1gを耐圧容器1に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器を振とうすることにより水性原液とイソペンタンおよびノルマルヘキサンとを乳化させ、容器内部で発泡性組成物を調製した。ついでバルブにスパウトを装着し、発泡性吐出製品(皮膚保湿フォーム)を得た(実施例1)。
【0201】
また、耐圧容器として耐圧容器2を用いたほかは、実施例1と同様にして発泡性製品を得た(実施例2)。
【0202】
さらに、耐圧容器として耐圧容器3を用いたほかは、実施例1と同様にして発泡性製品を得た(実施例3)。
【0203】
また、耐圧容器として耐圧容器4を用いたほかは、実施例1と同様にして発泡性製品を得た(実施例4)。
【0204】
さらに、耐圧容器として耐圧容器5を用いたほかは、実施例1と同様にして発泡性製品を得た(実施例5)。
【0205】
そして、耐圧容器として耐圧容器6を用いたほかは、実施例1と同様にして発泡性製品を得た(比較例1)。
【0206】
<発泡性吐出製品の試験>
得られた発泡性吐出製品(実施例1〜5および比較例1)について、下記の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0207】
試験1.常温での製品圧力および吐出の可否
得られた発泡性吐出製品を25℃の恒温水槽に30分間保持したのち、製品圧力を測定し、吐出操作を行なった。
【0208】
試験2.加熱したときの製品圧力
発泡性吐出製品を湯温が90℃のポットに10分間保持したのち、製品圧力を測定した。
【0209】
試験3.湯から取り出すときの状況
該発泡性製品を湯から取り出したときの状況を下記の基準にしたがって評価した。
○:容器が縦向きの状態で湯に浮かんでおり、手を濡らすことなく取り出すことができた。
×:容器が横向きの状態で湯に浮かんでおり、手を濡らさずに取り出すことはできなかった。また、スパウトに湯が入り込み、取り出したのちも手に湯が付着した。
【0210】
試験4.把持したときの状況
湯から取り出した直後の発泡性吐出製品の胴部を素手で握ったときの状況を下記の基準にしたがって評価した。
○:容器内部からの熱はさほど伝わらず、充分把持できる温かさであった。
×:容器内部からの熱の伝わりが大きく、熱すぎて把持できなかった。
【0211】
試験5.吐出物の状態
加熱した発泡性吐出製品を吐出し、吐出物の状態を評価した。
○:泡状で吐出させることができ、泡は温かく、また、すぐには破泡せず安定であった。
×:泡状で吐出させることできたが、吐出後すぐに破泡し、液状となった。
−:湯から取り出した直後に吐出させることができなかったので、評価しなった。
【0212】
【表1】
Figure 2004081834
【0213】
実施例6
<水性原液2>
Figure 2004081834
【0214】
<発泡性組成物2>
Figure 2004081834
【0215】
<発泡性吐出製品の製造>
前記水性原液(2)45gとイソペンタン3gおよびノルマルヘキサン2gとを耐圧容器1に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器を振とうすることにより、水性原液とイソペンタンおよびノルマルヘキサンとを乳化させ、容器内部で発泡性組成物を調製した。ついで、バルブにスパウトを装着し、発泡性吐出製品(クレンジングフォーム)を得た。
【0216】
<発泡性吐出製品の試験>
得られた発泡性吐出製品を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0217】
実施例7
<水性原液3>
Figure 2004081834
【0218】
<発泡性組成物3>
Figure 2004081834
【0219】
<発泡性吐出製品の製造>
前記水性原液(3)45gとイソペンタン4gおよびノルマルヘキサン1gを耐圧容器1に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器を振とうすることにより、水性原液とイソペンタンおよびノルマルヘキサンとを乳化させ、容器内部で発泡性組成物3を調製した。ついで、バルブにスパウトを装着し、発泡性吐出製品(シェービングフォーム)を得た。
【0220】
<発泡性吐出製品の試験>
得られた発泡性吐出製品を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0221】
実施例8
<水性原液4>
Figure 2004081834
【0222】
<発泡性吐出製品の製造>
前記水性原液(4)20gと、炭酸水素ナトリウム1gおよびレチノール0.1gを収納したステアリン酸1.5gのカプセルを耐圧容器1(満注量50ml)に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。ついで、バルブにスパウトを装着し、発泡性吐出製品(しわのばしフォーム)を得た。
【0223】
<発泡性吐出製品の試験>
得られた発泡性吐出製品を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0224】
比較例2
前記水性原液(1)45gを耐圧容器1に充填し、バルブを容器開口部に取り付けたのち、炭化水素としてイソブタン5gをバルブから充填した。容器を振とうすることにより、水性原液とイソブタンとを乳化させ、容器内部で発泡性組成物を調製した。ついで、バルブにスパウトを装着し、発泡性吐出製品(皮膚保湿フォーム)を得た。
【0225】
<発泡性吐出製品の試験>
得られた発泡性吐出製品を実施例1と同様にして試験1を行なった。結果を表2に示す。
【0226】
なお、該製品は加熱時、70℃付近で製品圧力が1MPaをこえ、耐圧容器の耐圧強度をこえるおそれが生じたため、試験2〜5を行なわなかった。
【0227】
【表2】
Figure 2004081834
【0228】
実施例9
<原液>
Figure 2004081834
【0229】
<噴霧組成物>
Figure 2004081834
【0230】
<噴霧製品の製造>
前記原液30gとイソペンタン15gおよびノルマルヘキサン5gを耐圧容器1に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器を振とうすることにより原液とイソペンタンおよびノルマルヘキサンとを溶解させ、容器内部で噴霧組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ0.4、メカニカルブレークアップ機構付き)を装着し、噴霧製品(スタイリングスプレー)を得た。
【0231】
<噴霧製品の試験>
得られた噴霧製品について発泡性吐出製品と同様の試験1〜4を行なった。さらに、噴霧状態を評価した。結果を表3に示す。
【0232】
試験6.噴霧状態
加熱した噴霧製品を吐出させ、噴霧状態を評価した。
○:霧状で吐出させることができ、霧が付着することにより温かく感じた。
×:霧状で吐出させることができず、液状となった。
【0233】
【表3】
Figure 2004081834
【0234】
[0℃で固化または凍結せず均一な組成で吐出可能な組成物を耐圧容器に充填した吐出製品]
【0235】
実施例10
<原液>
Figure 2004081834
【0236】
<噴霧組成物>
Figure 2004081834
【0237】
<噴霧製品の製造>
前記原液35gとジメチルエーテル15gを耐圧容器1に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器内部で原液とジメチルエーテルとを溶解させて噴霧組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ0.5、ストレート形状)を装着して噴霧製品(鎮痒剤)を得た。
【0238】
実施例11
<原液>
Figure 2004081834
【0239】
<噴霧組成物>
Figure 2004081834
【0240】
<噴霧製品の製造>
前記原液15gとジメチルエーテル35gを耐圧容器2に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器内部で原液とジメチルエーテルとを溶解させて噴霧組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ0.7、ストレート形状)を装着して噴霧製品(育毛剤)を得た。
【0241】
実施例12
<原液>
Figure 2004081834
【0242】
<噴霧組成物>
Figure 2004081834
【0243】
<噴霧製品の製造>
前記原液15gと液化ガス35gを耐圧容器3に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器内部で原液と液化ガスとを乳化させて噴霧組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ0.7、ストレート形状)を装着して噴霧製品(消炎鎮痛剤)を得た。
【0244】
実施例13
<原液>
Figure 2004081834
【0245】
<噴霧組成物>
Figure 2004081834
【0246】
<噴霧製品の製造>
前記原液15gと液化ガス35gを耐圧容器4に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器内部で原液と液化ガスとを乳化させて噴霧組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ0.9、ストレート形状)を装着して噴霧製品(やけど治療薬)を得た。
【0247】
実施例14
<原液>
Figure 2004081834
【0248】
<噴霧組成物>
Figure 2004081834
【0249】
<噴霧製品の製造>
前記原液47.5gと炭酸ガス2.5gを耐圧容器5に充填し、バルブを容器開口部に取り付けた。容器内部で原液に炭酸ガスの一部溶解させて噴霧組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ0.6、ストレート形状)を装着して噴霧製品(育毛剤)を得た。
【0250】
比較例3
耐圧容器として耐圧容器6を用いたほかは、実施例10と同様にして噴霧製品を得た。
【0251】
比較例4
原液中のエタノール配合量を5.0%にしたほかは、実施例12と同様にして噴霧製品を得た。
【0252】
<噴霧製品の試験>
得られた噴霧製品(実施例10〜14、比較例3〜4)について、下記の試験を行なった。結果を表4に示す。
【0253】
試験A.25℃での製品圧力
得られた噴霧製品を25℃の恒温水槽に1時間保存したのち、製品圧力を測定した。
【0254】
試験B.25℃での噴射物の状態
25℃の恒温水槽に1時間保存した噴霧製品を腕に噴射したときの噴射物の状態を評価した。
【0255】
試験C.−20℃での製品圧力
得られた噴霧製品を−20℃の冷凍庫に1日保存したのち、製品圧力を測定した。
【0256】
試験D.冷凍庫から取り出すときの状況
噴霧製品を冷凍庫から素手で取り出したときの状況を下記の基準にしたがって評価した。
○:容器内部からの冷たさはさほど伝わらず、充分把持できた。
×:容器内部からの冷たさの伝わりが大きく、冷たすぎて長く(容器を把持してから振るまでのあいだ)把持できなかった。
【0257】
試験E.−20℃、容器内の組成物の状態
−20℃に冷却した噴霧製品を噴射したときの状態を評価した。
○:容器内の組成物が凍結せず、均一に噴射することができた。
×1:容器が冷たすぎて容器を充分振るまで把持できなかったため評価しなかった。
×2:容器内の組成物の一部が凍結し、不均一な噴射になった。
【0258】
試験F.−20℃での噴射物の状態
−20℃に冷却した噴霧製品を腕に噴射したときの噴射物の状態を評価した。
○1:噴射面にて組成物の一部が凍結し、非常に心地よい冷却感が得られた。
○2:噴射面にて組成物の一部がシャーベット状となり、非常に心地よい冷却感が得られた。
△:噴射面にて組成物の一部が凍結あるいはシャーベット状にはならなかったが、適度な冷却感が得られた。
×1:容器が冷たすぎて容器を充分振るまで把持できなかったため評価しなかった。
×2:容器内の組成物の一部が凍結して均一な組成を噴射できなかったため評価しなかった。
【0259】
【表4】
Figure 2004081834
【0260】
実施例15
<原液>
Figure 2004081834
【0261】<滴下組成物>
Figure 2004081834
【0262】
<滴下製品の製造>
前記原液15gと液化ガス35gを耐圧容器1に充填し、流量調整部材を備えたバルブを容器開口部に取り付けた。容器内部で原液と液化ガスとを溶解させて滴下組成物を調製した。ついで、バルブに噴霧ボタン(噴射孔φ3.0mm、長さ30mmのノズル付き)を装着して滴下製品(水虫薬)を得た。
【0263】
実施例16
<原液>
Figure 2004081834
【0264】
<滴下組成物>
Figure 2004081834
【0265】
<滴下製品の製造>
実施例15と同様にして滴下製品(育毛剤)を得た。
【0266】
<滴下製品の試験>
得られた滴下製品(実施例15〜16)について、下記の試験を行なった。結果を表5に示す。
【0267】
試験A.25℃での製品圧力
得られた滴下製品を25℃の恒温水槽に1時間保存したのち、製品圧力を測定した。
【0268】
試験B.25℃での噴射物の状態
25℃の恒温水槽に1時間保存した滴下製品を腕に噴射したときの噴射物の状態を評価した。
【0269】
試験C.−20℃での製品圧力
得られた滴下製品を−20℃の冷凍庫に1日保存したのち、製品圧力を測定した。
【0270】
試験D.冷凍庫から取り出すときの状況
滴下製品を冷凍庫から素手で取り出したときの状況を下記の基準にしたがって評価した。
○:容器内部からの冷たさはさほど伝わらず、充分把持できた。
×:容器内部からの冷たさの伝わりが大きく、冷たすぎて長く(容器を把持してから振るまでのあいだ)把持できなかった。
【0271】
試験E.−20℃、容器内の組成物の状態
−20℃に冷却した滴下製品を噴射操作したときの状態を評価した。
○:容器内の組成物が凍結せず、均一に噴射することができた。
×:容器内の組成物の一部が凍結し、不均一な噴射になった。
【0272】
試験F.−20℃での噴射物の状態
−20℃に冷却した滴下製品を腕に噴射したときの噴射物の状態を評価した。
○:直径が2〜5mmの液滴状に滴下され、噴射面にて非常に心地よい冷却感が得られた。
×:容器内の組成物の一部が凍結して均一な組成を噴射できなかったため評価しなかった。
【0273】
【表5】
Figure 2004081834
【0274】
【発明の効果】
本発明の耐圧容器は、発泡性組成物や噴霧組成物を充填することにより、加熱または冷却された状態で安定に泡状物や霧状物などを吐出させることができる。また、該耐圧容器に発泡性組成物や噴霧組成物を充填した吐出製品を加熱または冷却したのち該製品をつかむ場合に、手に熱さまたは冷たさが伝わりにくく、取り扱いやすい。
【0275】
前記耐圧容器を使用した本発明の吐出製品は、加熱または冷却された状態で安定に泡状物や霧状物などを吐出させることができ、製品をつかむ手に熱さまたは冷たさが伝わりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐圧容器の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の耐圧容器の他の実施例を示す説明図である。
【図3】本発明の耐圧容器のさらに他の実施例を示す説明図である。
【図4】本発明の耐圧容器のさらに他の実施例を示す説明図である。
【図5】本発明の耐圧容器に用いる容器本体に模様を形成する一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1  耐圧容器
2、2a、2b、2c 容器本体
3  エアゾールバルブ
4、7a、7b、7c 把持部
5  装着部
6  隙間
8  模様

Claims (15)

  1. 耐圧容器の胴部が熱伝導率の異なる複数の材料からなり、前記胴部の外部表面側の少なくとも一部に内部よりも熱伝導率の低い材料からなる層が設けられていることを特徴とする耐圧容器。
  2. 常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したとき吐出可能となる組成物を充填する請求項1記載の耐圧容器。
  3. 0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を充填する請求項1記載の耐圧容器。
  4. 前記熱伝導率の低い材料の300Kにおける熱伝導率が10W/mK以下である請求項1、2または3記載の耐圧容器。
  5. 前記胴部の熱伝導率の低い材料からなる層が設けられた部分が疎水性である請求項1、2または3記載の耐圧容器。
  6. 前記疎水性が、疎水性合成樹脂皮膜および(または)ゴム皮膜を形成することによる疎水性である請求項5記載の耐圧容器。
  7. 前記胴部の外部表面が凹凸に形成されている請求項1、2または3記載の耐圧容器。
  8. 前記凹凸に形成されている凸部表面に、熱伝導率の低い材料からなる層が設けられている請求項7記載の耐圧容器。
  9. 前記凹凸部の山と谷との高さの差が1〜15mmであり、山と山の間隔が1〜30mmである請求項7または8記載の耐圧容器。
  10. 前記凹凸部の凸部表面積が、容器胴部の全表面積の30〜80%である請求項7、8または9記載の耐圧容器。
  11. 吐出製品を水に浮かべた場合にも、吐出製品が縦向きになるように設計した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の耐圧容器。
  12. 常温では容器から吐出し得る蒸気圧を実質的に有さず、40〜100℃に加熱したとき吐出可能となる組成物を、請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10または11記載の耐圧容器に充填したことを特徴とする吐出製品。
  13. 前記組成物が、40〜100℃に加熱したとき泡状で吐出可能となる発泡性組成物である請求項12記載の吐出製品。
  14. 0℃で固化または凍結せずに均一な組成で吐出可能な組成物を、請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の耐圧容器に充填したことを特徴とする吐出製品。
  15. 前記組成物が、0℃に冷却した状態で噴射すると、噴射面で少なくとも一部が凍結する組成物である請求項14記載の吐出製品。
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