JP4451625B2 - 噴霧用エアゾール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が負である無機塩を含有する粉末組成物が、特定の液体組成物(炭素数3〜5の炭化水素を主成分とする)に分散している噴霧用エアゾール組成物であり、粉末組成物がエアゾール組成物中で凝集(ケーキング)することなく、さらに粉末組成物の効果(温熱感)を低下させることなく、均一な組成で噴霧できる噴霧用エアゾール組成物に関する。
塩化マグネシウムを配合したエアゾール組成物として、水に対して混和性を有する液体媒体(たとえばグリコール類、多価アルコール)と、この液体媒体中に分散された無機塩類よりなる水和発熱性物質の粉末(たとえば塩化マグネシウム、無水ケイ酸、ゼオライトなど)と、分散剤とを含有してなり、5〜50重量%の水和発熱性物質の粉末を含有した温熱組成物に、1〜10重量%の噴射剤を含有したエアゾール用温熱組成物が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に開示されているエアゾール用温熱組成物では、無機塩類よりなる水和発熱性物質の粉末を、水に対して混和性を有する液体媒体中に分散させているため、経時的に水和発熱性物質の粉末が劣化して温熱効果が低下する。
一方、粉末を液化石油ガス(炭素数が3〜4個の炭化水素)を主成分とする液体組成物中に分散させたエアゾール組成物として、たとえば無水ケイ酸を分散させた害虫忌避用エアゾール組成物(たとえば、特許文献2参照)や、クロロヒドロキシアルミニウムを炭素数3〜5の炭化水素を主成分とする液体組成物に分散させた制汗用エアゾール組成物(たとえば、特許文献3参照)などがあげられるが、無水塩化マグネシウムなどの水和発熱性物質を分散させた例はない。
特開平10−306276号公報 特開平9−208406号公報 特表2001−511793号公報
粉末組成物がエアゾール組成物中で凝集(ケーキング)することなく、さらに粉末組成物の有する温熱感を低下させることなく、均一な組成で噴霧できるエアゾール組成物に関する。
本発明は、溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が負である無機塩を含有する粉末組成物が、炭素数3〜5の炭化水素50〜99重量%を含有する液体組成物中に分散している噴霧用エアゾール組成物に関する。
粉末組成物が、粉末状の有効成分を含有することが好ましい。
粉末組成物が、粘土鉱物を含有することが好ましい。
液体組成物が、油性オイルを含有することが好ましい。
液体組成物が、実質的に親水性成分を含有しないことが好ましい。
本発明のエアゾール組成物を人体(皮膚)に噴霧すると、液化ガスを多く含有しているにもかかわらず、噴霧時の強い冷却感はなく、次第に温熱感が得られる。
本発明は、溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が負である無機塩を含有する粉末組成物が、炭素数3〜5の炭化水素50〜99重量%を含有する液体組成物中に分散している噴霧用エアゾール組成物に関する。ここで、溶解エンタルピーとは、水に対する無機塩の溶解エンタルピーをいう。
粉末組成物は、溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が負である無機塩(以下、本発明にかかる無機塩という)を含有している。無機塩の溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値は、−100〜−3(kcal/mol)が好ましく、−80〜−5(kcal/mol)がより好ましい。溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が0(kcal/mol)以上である無機塩の場合、皮膚に付着しても皮膚上の水分や汗により溶解あるいは水和して発熱しないので、皮膚に温熱感を付与することができない。また、−100(kcal/mol)より小さい場合、皮膚に過剰な温熱感を付与する傾向がある。本発明にかかる無機塩は皮膚に付着すると、皮膚上の水分や汗に溶解あるいは水和して発熱するため、皮膚に温熱感を付与する成分である。
溶解エンタルピーの値が負である無機塩の具体例としては、MgCl2(−36.3)、CaCl2(−19.2)、ZnCl2(−16.0)、AlCl3(−77.9)、BaCl2(−2.7)、TiCl4(−56.7)、MgCl2・6H2O(−2.9)、CaCl2・2H2O(−10.0)、AlCl3・6H2O(−13.2)などがあげられる。なお、括弧内に示した値は溶解エンタルピー(kcal/mol)である。また、水和エンタルピーの値が負である無機塩の具体例としては、MgCl2(−33.1)、CaCl2(−22.6)、ゼオライトなどがあげられる。なお、括弧内に示した値は水和エンタルピー(kcal/mol)である。本発明では、溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が負である無機塩が用いられるが、なかでも、皮膚に付着すると、皮膚上の水分や汗に溶解あるいは水和して発熱するため、皮膚に温熱感を付与できる点で、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、およびゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、発熱量が大きく温熱感が得られやすい点で、無水塩化マグネシウムがさらに好ましい。
なお、無機塩は無水物と水和物とを混合して使用してもよく、たとえば、無水塩化マグネシウムと、塩化マグネシウムの六水和物との混合物を用いる場合、混合物を10とすると、無水塩化マグネシウムの混合比(モル比)は、温熱感が得られやすい点から、1/10以上であることが好ましい。混合比(モル比)が1/10未満では皮膚に温熱感を付与できない傾向がある。
本発明にかかる無機塩は、粉末組成物中に20〜80重量%、さらには25〜75重量%含有されることが好ましい。本発明にかかる無機塩の含有率が20重量%未満の場合は、無機塩の効果(温熱感)が得られにくい傾向がある。80重量%を超えると液体組成物中での分散性が悪くなり、また無機塩が均一に付着しにくくなり、局部的に高濃度に付着して過剰な温熱感を付与する傾向がある。さらに、無機塩が水に溶解あるいは水和したときにベタつき感が強くなり、使用感が低下しやすい傾向がある。
粉末組成物は、本発明にかかる無機塩を必須成分としているが、無機塩単体では本発明で用いる液体組成物中での分散性が好ましくないため、無機塩以外にも、粉末状の有効成分や補助粉末を含有することが好ましい。
粉末状の有効成分としては、炭素数3〜5の炭化水素に溶解しないあるいは溶解しにくいものが好ましく、たとえばクロロヒドロキシアルミニウム、酸化亜鉛、ブフェキサマック、アクリノール、グリチルレチン酸、硝酸ミコナゾール、硝酸イコナゾール、硝酸オキシコナゾールなどがあげられる。なかでも、粉末組成物中の本発明にかかる無機塩が皮膚表面上の水分や汗と反応して発熱し温熱感が得られるときに、温熱感により発汗部分が拡大されて制汗成分が付与されやすくなり、高い制汗効果が得られる点で、クロロヒドロキシアルミニウムが好ましい。粉末状の有効成分の含有率は、粉末組成物中10〜70重量%、さらには15〜60重量%であることが好ましい。粉末状の有効成分の含有率が10重量%未満の場合は有効成分の効果が得られにくい傾向がある。70重量%を超えると本発明にかかる無機塩の含有率が少なくなり温熱感が得られにくくなる傾向がある。さらに、本発明にかかる無機塩とクロロヒドロキシアルミニウムとの含有比率が1:2〜4:1であるとき、温熱感と制汗効果とが共に得られやすい。含有比率が1:2より大きいと温熱感が小さくなり、クロロヒドロキシアルミニウムの制汗効果を向上させる効果が得られにくい傾向がある。4:1より小さいとクロロヒドロキシアルミニウムの制汗効果が不充分となる傾向がある。
補助粉末は、本発明にかかる無機塩と有効成分とを皮膚表面上に付着しやすくする、さらには皮膚表面から剥がれ落ちにくくするための付着剤として、また付着面を保護するための保護剤、無機塩の分散性を向上させるための分散剤などとして用いられる。補助粉末としては、たとえばタルク、コーンスターチ、シリカ、ウンデシレン酸亜鉛、珪酸マグネシウム、マイカ、雲母チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機粉末、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機粉末、ベントナイト、ハイデライト、サポナイト、モンモリロナイト、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、アノーキサイト、イライト、セリサイトなどの粘土鉱物などがあげられる。これらの補助粉末は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。特に、本発明にかかる無機塩や有効成分などの粉末組成物の液体組成物中での分散性を向上させる効果に優れている点から、粘土鉱物を含有することが好ましい。補助粉末の含有率は、粉末組成物中1〜50重量%、さらには3〜40重量%であることが好ましい。補助粉末の含有率が1重量%未満の場合は補助粉末の効果が得られにくい傾向がある。50重量%を超えると液体組成物中での分散性が悪くなる傾向がある。
粉末組成物は、各含有成分をエアゾール容器内に順次充填しても良いが、予め混合しておき、混合物をエアゾール容器に充填しても良い。
粉末組成物の含有率は、エアゾール組成物中0.5〜20重量%、さらには1〜15重量%であることが好ましい。粉末組成物の含有率が0.5重量%未満の場合は、皮膚に付着する粉末組成物量が少なく、粉末組成物の効果が得られにくい傾向がある。20重量%を超えると液体組成物中での分散濃度が高くなり、均一に噴霧し難くなる傾向がある。またバルブや噴射部材の孔部で詰まりやすくなる傾向がある。さらに、無機塩によるベタつき感により使用感が低下しやすくなる。
粉末組成物の平均粒子径は0.5〜180μm、さらには1〜100μmであることが好ましい。粉末組成物の平均粒子径が0.5μm未満の場合は長期間保存したときに固くケーキングしやすくなり、均一に分散しにくくなる傾向がある。さらに噴霧時飛散しやすく、皮膚への付着性が悪くなる。180μmを超えると沈降が速く均一に噴霧できなくなる傾向がある。バルブや噴射部材の孔部で詰まりやすくなる傾向がある。
液体組成物は、炭素数3〜5の炭化水素を所定量含有しており、エアゾール容器内では液体であり、粉末組成物を分散している。炭素数3〜5の炭化水素は、粉末組成物を分散させる主溶媒として、また噴霧剤として用いる成分である。さらには本発明にかかる無機塩を安定に保存するための成分である。すなわち、本発明にかかる無機塩は、液体組成物中の微量の水分と接触することにより、水和し、発熱を生じるため、使用時には充分な発熱効果が得られない場合がある。本発明においては炭素数3〜5の炭化水素を特定量含有した液体組成物中に分散させることにより、この問題を解消するものである。炭素数3〜5の炭化水素としては、たとえば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどがあげられる。炭素数が3未満の場合は、蒸気圧が高すぎ、エアゾール容器に充填することができない。炭素数が5を超えると気化熱が小さく温熱感が強くなりすぎる。
炭化水素の含有率は、液体組成物中50〜99重量%、さらには60〜97重量%であることが好ましい。炭化水素の含有率が50重量%未満の場合は、粉末組成物、特に本発明にかかる無機塩が凝集し易くなり、長期間保存した場合は凝集して塊となったりケーキングして均一な組成で噴霧し難くなる。また本発明にかかる無機塩の温熱効果が劣化しやすくなる。99重量%を超えると、後述する油性オイルなどの含有率が少なくなり、油性オイルの効果が得られない。
液体組成物は、炭素数3〜5の炭化水素以外にも油性オイルを含有することができる。前記油性オイルは、エアゾール製品の未使用時に、粉末組成物を液体組成物中で均一に分散し易くする、本発明にかかる無機塩が水分と接触するのを防止して発熱効果を劣化させない、噴射時には粉末組成物を皮膚に付着しやすくする、さらに付着後は粉末組成物と水分との接触状態を調整して有効成分が効果を発揮し始める時間や持続時間などを調整したり、冷却感(温熱感)を調整するなどの目的で用いられる。
油性オイルとしては、たとえばエステルオイルやシリコーンオイル、炭素数が6個以上の炭化水素、油脂、親油性で液体の界面活性剤、高級アルコール、およびこれらの混合物などの液状油分、あるいは前記液状油分に高級脂肪酸、ロウ(ワックス)、親油性であり固体の界面活性剤などの固形油分を含有して油性オイルの粘度を上昇(調製)したものなどがあげられる。
エステルオイルとしては、たとえばミリスチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエトキシエチルなどがあげられる。
シリコーンオイルとしては、たとえばメチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシロクペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどがあげられる。
炭素数が6個以上の炭化水素としては、たとえばスクワラン、スクワレン、流動パラフィン、イソパラフィン、ケロシンなどがあげられる。
油脂としては、たとえばツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などがあげられる。
親油性で液体の界面活性剤としては、たとえばイソステアリン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、POE(2)オレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)などのポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどのHLBが4〜9である液体の界面活性剤があげられる。HLBが4未満の場合、噴射後、無機粉末が水分と接触しにくくなり温熱効果が得られにくい傾向がある。HLBが9を超えると長期間保存した場合に無機粉末が劣化されやすくなる、無機粉末が凝集しやすくなる、液体組成物中で界面活性剤自体が析出する傾向がある。特に、粉体組成物の分散性に優れ、本発明にかかる無機塩の安定性に優れている点で、POE(2)オレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、トリオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
高級アルコールとしては、たとえばオレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどがあげられる。
固形油分としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコールなどの高級アルコール、ミツロウ、ラノリン、カンデリラロウ、パラフィンワックスなどのロウ(ワックス類)、さらには親油性であり固体の界面活性剤などがあげられる。
親油性であり固体の界面活性剤としては、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(2)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール(2E.O.)、ステアリン酸ジエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどがあげられる。
油性オイルの含有率は、液体組成物中1〜50重量%、さらには3〜40重量%であることが好ましい。油性オイルの含有率が1重量%未満の場合は、油性オイルの含有効果が得られにくい傾向がある。50重量%を超えると炭化水素の含有率が少なくなって粉末組成物、特に本発明にかかる無機塩の温熱効果を劣化させることなく安定に保存しにくくなる傾向がある。
さらに、液体組成物には前述の粉末状の有効成分の効果以外にも製品の用途や目的に応じて他の効果を得るための有効成分(他の有効成分)を含有することができる。
他の有効成分としては、l−メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、プロピレングリコール、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾール、銀などの殺菌(抗菌)・防腐剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、茶エキスなどの消臭・防臭剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ビタミンD2、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの各種抽出液、香料などがあげられる。
前記有効成分を含有する場合の含有率は、液体組成物中0.01〜10重量%、さらには0.05〜5重量%であることが好ましい。前記有効成分の含有率が0.01重量%未満の場合は、有効成分の濃度が低く所望の効果が得られにくい傾向がある。10重量%を超えると人体への影響以外にも、有効成分によっては本発明にかかる無機塩の安定性を低下させる場合がある。
本発明にかかる無機塩の分散性が低下せず、また、温熱効果を劣化させることなく安定に保存できる点で、液体組成物は、実質的に親水性成分を含有していないことが好ましい。
ただし、液体組成物には、本発明にかかる無機塩の分散性が低下せず、また本発明にかかる無機塩の効果が劣化しない範囲で、アルコール類、エーテル類、親水性界面活性剤などの親水性成分を含有しても良い。
アルコール類は油性オイルに溶解しない有効成分の溶媒として、また保湿性、乾燥性を調整するなどの目的で用いられる。アルコール類としては、たとえばエタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールや、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールがあげられる。前記アルコール類を含有する場合の含有率は、液体組成物中0.1〜20重量%、さらには1〜10重量%であることが好ましい。前記アルコール類の含有率が0.1重量%未満の場合は、アルコール類の効果が得られにくい傾向がある。20重量%を超えると粉末組成物が凝集しやすくなり分散性が低下すると共に、本発明にかかる無機塩の安定性が低下する場合がある。
エーテル類は炭化水素に溶解しない成分の溶媒として、さらに噴霧剤の一部として用いられる。エーテル類としてはジメチルエーテルなどがあげられる。エーテル類を含有する場合の含有率は、液体組成物中1〜40重量%、さらには5〜30重量%であることが好ましい。前記エーテル類の含有率が1重量%未満の場合は、エーテル類の効果が得られにくい傾向がある。40重量%を超えると粉末組成物が凝集しやすくなり分散性が低下すると共に、本発明にかかる無機塩の安定性が低下する場合がある。
親水性界面活性剤は、皮膚に付着した本発明にかかる無機塩を、皮膚表面上の水分や汗と接触しやすくして、温熱効果を短時間で得やすくするなどの目的で用いられる。親水性界面活性剤としては、たとえば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンアルコールなどのHLBが9以上の界面活性剤があげられる。HLBが9未満の場合、無機塩が水分と接触しやすくなる効果が得られにくい傾向がある。親水性界面活性剤を含有する場合の含有率は、液体組成物中0.1〜10重量%、さらには0.3〜5重量%であることが好ましい。前記親水性界面活性剤の含有率が0.1重量%未満の場合は、親水性界面活性剤の効果が得られにくい傾向がある。10重量%を超えると粉末組成物が凝集しやすくなり分散性が低下すると共に、本発明にかかる無機塩の安定性が低下する場合がある。
液体組成物は、炭素数3〜5の炭化水素と油性オイル、さらには製品の用途や目的などに応じて適宜含有される有効成分などを、バルブを固着したエアゾール容器内で混合して溶解することにより調製することができる。なお予めタンクなどで液体組成物を調製した後、エアゾール容器に充填しても良い。
液体組成物はエアゾール組成物中80〜99.5重量%、さらには85〜99重量%であることが好ましい。液体組成物の含有率が80重量%未満の場合は、粉末組成物の分散性や安定性が低下しやすい傾向がある。99.5重量%を超えると粉末組成物の含有率が少なくなり、粉末組成物の効果が得られにくい傾向がある。
本発明の噴霧用エアゾール組成物の製造方法としては、たとえば粉体組成物を耐圧容器内に充填し、さらに炭素数3〜5の炭化水素を除く液体組成物を充填する。次いで耐圧容器にバルブを固着して前記炭素数3〜5の炭化水素を充填し、炭化水素を除く液体組成物と前記炭素数3〜5の炭化水素とを溶解させる。なお、液体組成物は、予めタンク内で油性オイルと炭素数3〜5の炭化水素とを溶解させ調製したものを充填しても良い。
なお、前記耐圧容器としては特に限定がなく、たとえばアルミニウムやブリキなどの金属、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、耐圧ガラスなどを用いて有底筒状に成形したものを用いることができる。耐圧容器として金属製容器を用いる場合は、耐圧容器の内面に、ポリアミドイミド、エポキシフェノール、エポキシユリア、エポキシメラミン、ポリ弗化ビニリデンなどの合成樹脂をスプレーして塗膜を形成したり、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂シートをラミネートしたり、さらにはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、シリカなどの粉体を塗装するなど、保護手段を設けることが好ましい。また、金属とエアゾール組成物とが直接接触しないように、耐圧容器の内部にポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなどの合成樹脂などでブロー成型などにより有底筒状に成型された内部容器を挿入しても良い。
前記バルブとしては、従来の一般的なエアゾール用バルブを用いることができるが、たとえば、バルブのステムがステムラバーと摺動し、粉末を含有するエアゾール組成物であっても粉末による詰まりが生じないバルブ(特開平6−86815号公報や特願2002−276322)、ハウジングの下孔径がベーパタップ孔径以下であり、火炎長を短くすることができるバルブ(特許第2898316号明細書)、粉末を含有するエアゾール組成物を一定量噴射できる定量噴射機付きバルブ(特開2001−114360号公報)なども用いることができる。
エアゾール組成物を噴射する噴射部材としては、噴孔部分の構造がストレート形状であるものや、メカニカルブレークアップ機構を備えたものなど特に限定されないが、噴孔での固形分(粉末)による詰まりを防止できるノズル構造を備えた噴射部材(特開2000−25860号公報)などを用いることができる。
このようにして得られる本願発明の噴霧用エアゾール組成物は、粉末組成物が、液体組成物中に分散している。本願発明の噴霧用エアゾール組成物を均一に分散させた状態で、静置し、粉末組成物の大部分が沈降し、液体組成物が透明になるまでの時間は、10秒〜5分が好ましく、20秒〜3分がより好ましい。10秒より短いと噴射している途中で分離してしまい均一な組成物を噴射できない傾向がある。5分を超えると長期間保存・静置したとき粉末組成物が固く凝集しやすく、使用時、均一に再分散しにくくなる傾向がある。
また、本願発明の噴霧用エアゾール組成物をエアゾール製品から噴霧したとき、炭素数3〜5の炭化水素の気化熱により冷却されるが、皮膚に付着した無機塩が皮膚上の水分や汗と水和、溶解して過度の冷却を防止して適度な冷却感を付与する。さらに時間が経過すると冷却感から温熱感へと変化する。このときの噴霧面での温度変化は、噴射直後は1〜5℃降下することが好ましい。1℃未満では冷却感を感じにくい、5℃を超えると痛みを感じやすくなる。さらに、時間が経過して温熱感を感じるときの温度は噴射前と比較して0〜10℃上昇することが好ましい。0℃より低いと温熱感を感じにくく、有効成分を効果的に付与する効果が得られにくい傾向がある。10℃を超えると熱くなりすぎ不快感が強くなる。有効成分によっては皮膚への刺激が強くなる傾向がある。ここで、噴射面での温度変化とは、噴射前の噴射面の温度を基準とし、1点に集中しないように5秒間、噴射面から距離10cmの場所から噴射した場合の温度上昇をいう。
本発明の噴霧用エアゾール組成物を制汗剤とした場合、わきの下や背中、首、脚などに噴霧すると、炭素数3〜5の炭化水素は噴霧時にほとんど全部が気化し、皮膚表面には粉末組成物と炭素数3〜5の炭化水素を除く液体組成物とが付着する。このとき、炭素数3〜5の炭化水素の気化熱により付着面に冷却感を付与するが、粉末組成物中の本発明にかかる無機塩が皮膚表面上の水分や汗に溶解して温熱感を付与するため、付着面では強く痛みを感じるような冷却感はなく、次第に温熱感が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1
クロロヒドロキシアルミニウム、タルク、および無水塩化マグネシウム(溶解エンタルピー:−36.3(kcal/mol))を耐圧容器(耐圧ガラス製、満注量100ml)に順次充填し粉末組成物を得た。つぎに、POE(2)オレイルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、オクタメチルシクロテトラシロキサンの混合物を充填した。耐圧容器内の空気をバキュームにより吸引した後、さらに炭素数3〜5の炭化水素としてノルマルブタン、イソブタンの混合物を充填し、耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ここで、粉末組成物および液体組成物中の各組成の含有率は表1記載の含有率になるように充填した。
なお、POE(2)オレイルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、オクタメチルシクロテトラシロキサンの混合物は、ノルマルブタン、イソブタンの混合物の充填時に溶解して全体として液体組成物となり、粉末組成物は該液体組成物中に分散していた。このようにして、本願発明の噴霧用エアゾール組成物を得た。なお、無水塩化マグネシウムは平均粒子径20μm、タルクは平均粒子径12μm、クロロヒドロキシアルミニウムは平均粒子径44.4μm以下のものを用いた。
Figure 0004451625
つぎに、バルブのステムに噴射部材(噴射口径φ0.5、ストレート形状)を装着して噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。得られた噴霧用エアゾール製品について、粉末組成物の分散性、粉末組成物の再分散性、温熱感、および制汗効果について評価した。評価結果を表2に示した。また、温熱感における保存期間1日後のエアゾール製品を噴射したときの皮膚表面の温度変化を測定した。測定結果を表3に示し、図1中にグラフAとして示した。ここで、噴射物を噴霧する前の皮膚表面温度は31.0℃であった。
<試験項目>
1.粉末組成物の分散性
製造直後のエアゾール製品を用いて粉末組成物を液体組成物中に均一に分散させた状態で静置し、粉末組成物の大部分が沈降し、透明になるまでの時間を評価した。
評価基準
◎:30秒〜2分。
○:10〜30秒、もしくは2〜5分。
△:5分以上。
×:10秒以内。
2.粉末組成物の再分散性
エアゾール製品を静置した状態で1日保存し、容器を上下に振ったときの粉末組成物の分散性(再分散性)を評価した。さらに1ヵ月、3ヵ月保存したときの再分散性も同様に評価した。
評価基準
◎:容器底部での粉末組成物の凝集は認められず、2〜5回振ると均一に分散した。
○:容器底部での粉末組成物の凝集は認められず、6〜10回振ると均一に分散した。
△:容器底部で粉末組成物の一部が凝集して塊またはケーキングしているが、11〜15回振ると均一に分散した。
×:容器底部で粉末組成物のほとんど全部が凝集して塊またはケーキングしており、容器を15回以上振っても均一に分散しない。
3.温熱感
所定期間(1日、1ヵ月、3ヵ月)保存したエアゾール製品を用い、粉末組成物を再分散させてからわきの下に噴射物が1点に集中しないように5秒間噴霧したときの使用感を評価した。なお、表面温度測定は、SPOT THERMOMETER HT−11((株)ミノルタ製)を用い、噴射直後、および噴射後5秒毎に噴射面の温度を測定した。
評価基準
◎:噴射直後に適度な冷却感が得られた(温度変化が−1〜−3℃)後、適度な温熱感が得られた(温度変化が+1〜5℃)。
○:噴射直後に適度な冷却感が得られた(温度変化が−1〜−3℃)後、やや弱いが温熱感が得られた(温度変化が0.5〜1℃)。
△1:噴射直後にやや強い冷却感が得られ(温度変化が−3〜−5℃)、その後、極わずかな温熱感が得られた(温度変化が0〜0.5℃)。
△2:噴射直後に冷却感は弱く(温度変化が0〜−1℃)、やや強い温熱感が得られた(温度変化が5〜10℃)。
×:噴射直後に冷却感が強すぎ(温度変化が−5〜−10℃)、また時間経過しても温熱感は全く感じなかった(噴射前の皮膚表面温度を超えない)。
−:均一な組成を噴射できなかったため、評価せず。
4.制汗効果
10人のパネラーに5分間ジョギングをしてもらい、軽く汗をかいた状態の背中に所定期間(1日、1ヵ月、3ヵ月)保存したエアゾール製品を用いて、粉末組成物を再分散させた状態で噴霧した。さらにジョギングを10分間続けてもらい発汗状態を評価した。
評価基準
◎:明らかに汗の出る量が少なくなったと答えた人が8人以上。
○:明らかに汗の出る量が少なくなったと答えた人が6〜7人。
△:明らかに汗の出る量が少なくなったと答えた人が3〜5人。
×:明らかに汗の出る量が少なくなったと答えた人が2人以下。
−:均一に分散しなかったため、評価せず。
実施例2
液体組成物のPOE(2)オレイルエーテルの代わりにトリオレイン酸デカグリセリル(*4)を用いた以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
*4:Decaglyn3-O(商品名、日光ケミカルズ(株)製、HLB7.0)
実施例3
液体組成物のPOE(2)オレイルエーテルの代わりにモノラウリン酸ソルビタン(*5)を用いた以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
*5:SL-10(商品名、日光ケミカルズ(株)製、HLB8.6)
実施例4
液体組成物のPOE(2)オレイルエーテルの代わりにセスキオレイン酸ソルビタン(*6)を用いた以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
*6:SO-10R(商品名、日光ケミカルズ(株)製、HLB4.5)
実施例5
粉末組成物中にベントナイトを0.5重量%含有し、タルクの含有率を0.5重量%とした以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
実施例6
粉末組成物中にタルクを含有せず、無水塩化マグネシウムの含有率を3.0重量%とした以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
実施例7
液体組成物のPOE(2)オレイルエーテルの代わりにPOE(2)ラウリルエーテル(*7)を用いた以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
*7:BL−2(商品名、日光ケミカルズ(株)製、HLB9.5)
実施例8
無水塩化マグネシウムの含有率を4.0重量%、ノルマルブタン、イソブタンの含有率をそれぞれ44.0重量%とした以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。また、実施例1と同様に皮膚表面の温度変化を測定した。測定結果を表3に示し、図1中にグラフBとして示した。
実施例9
ノルマルブタン、イソブタンの含有率をそれぞれ40重量%とし、イソペンタンを10重量%含有した以外は実施例1と同様にして噴霧用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
比較例1
液体組成物のノルマルブタンおよびイソブタンの含有率をそれぞれ20重量%とし、さらにジメチルエーテルを50重量%含有したこと以外は実施例1と同様にしてエアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
比較例2
液体組成物のノルマルブタンおよびイソブタンの含有率をそれぞれ20重量%とし、さらにノルマルヘキサンを50重量%含有したこと以外は実施例1と同様にしてエアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。
比較例3
粉末組成物の無機塩化マグネシウムを含有せず、クロロヒドロキシアルミニウムを3.0%、タルクを2.0%とした以外は実施例1と同様にしてエアゾール製品(制汗剤)を製造した。実施例1と同様に評価を行ない、評価結果を表2に示した。また、実施例1と同様に皮膚表面の温度変化を測定した。測定結果を表3に示し、図1中にグラフCとして示した。
Figure 0004451625
Figure 0004451625
製品例
1.ボディスプレー
予め混合した粉末組成物5gを耐圧容器(アルミニウム製、満注量220ml)に充填した。次いで、ミリスチン酸イソプロピルを5g充填し、耐圧容器内の空気をバキュームにより吸引したのち液化石油ガス90gを充填し、バルブを固着した。
なお、バルブとしては特開平6−86815号公報に記載の構造を有するパウダー用バルブを用い、噴射部材としては噴孔径がφ0.5であり、ストレート形状のものを用いた。
*8:ノルマルブタンとイソブタンの混合物
(混合比:50/50、25℃での蒸気圧0.2MPa)
Figure 0004451625
2.炎症鎮痛剤
予め混合した粉末組成物10gを耐圧容器(アルミニウム製、満注量220ml)に充填した。次いで、ミリスチン酸イソプロピルとモノオレイン酸ソルビタン、スクワランの混合物を7g充填し、耐圧容器内の空気をバキュームにより吸引したのち液化石油ガス83gを充填し、バルブを固着した。
なお、バルブとしては特開平6−86815号公報に記載の構造を有するパウダー用バルブを用い、噴射部材としては噴孔径がφ0.5であり、ストレート形状のものを用いた。
Figure 0004451625
3.殺菌消毒剤
予め混合した粉末組成物0.82gを耐圧容器(アルミニウム製、満注量50ml)に充填した。次いで、ミリスチン酸イソプロピルとトリオレイン酸デカグリセリルの混合物を1.2g充填し、耐圧容器内の空気をバキュームにより吸引したのち液化石油ガス17.98gを充填し、バルブを固着した。
なお、バルブとしては特開2001−114360号公報に記載の構造を有する定量噴射機構付きバルブを用い、噴射部材としては噴孔径がφ0.5であり、ストレート形状のものを用いた。
*9:ノルマルブタンとイソブタン、プロパンの混合物
(混合比:42.5/42.5/15、25℃での蒸気圧0.3MPa)
Figure 0004451625
4.育毛剤
予め混合した粉末組成物3.2gを耐圧容器(アルミニウム製、満注量220ml)に充填した。次いで、ミリスチン酸イソプロピルとセンブリエキス、モノオレイン酸ソルビタン、オクタメチルシクロテトラシロキサンの混合物を7.1g充填し、耐圧容器内の空気をバキュームにより吸引したのち液化石油ガス89.7gを充填し、バルブを固着した。
なお、バルブとしては特開平6−86815号公報に記載の構造を有するパウダー用バルブを用い、噴射部材としては噴孔径がφ0.6であり、ストレート形状のものを用いた。
Figure 0004451625
皮膚表面の温度変化を示す図である。
符号の説明
A 実施例1の噴霧用エアゾール組成物を噴射したときの皮膚表面の温度変化。
B 実施例8の噴霧用エアゾール組成物を噴射したときの皮膚表面の温度変化。
C 比較例3のエアゾール組成物を噴射したときの皮膚表面の温度変化。

Claims (4)

  1. 溶解エンタルピーまたは水和エンタルピーの値が負である無機塩を含有する粉末組成物が、炭素数3〜5の炭化水素50〜99重量%を含有する液体組成物中に分散しており、
    前記液体組成物が、エアゾール容器内では液体であり
    前記液体組成物が、アルコール類、エーテル類、HLBが9を超える親水性界面活性剤からなる親水性成分を含有していないことを特徴とする噴霧用エアゾール組成物。
  2. 粉末組成物が、粉末状の有効成分を含有する請求項1記載の噴霧用エアゾール組成物。
  3. 粉末組成物が、粘土鉱物を含有する請求項1または2記載の噴霧用エアゾール組成物。
  4. 液体組成物が、油性オイル(ただし、前記炭素数3〜5の炭化水素を除く)を含有し、
    該油性オイルが、エステルオイル、シリコーンオイル、炭素数が6個以上の炭化水素、油脂、HLBが4〜9である親油性で液体の界面活性剤、高級アルコール、およびこれらの混合物から選択される液状油分、あるいは該液状油分に高級脂肪酸、ロウ(ワックス)、親油性であり固体の界面活性剤から選択される固形油分を含有したものである請求項1、2または3記載の噴霧用エアゾール組成物。
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