JP2004081128A - 魚釣用電動リール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は魚釣用電動リールに関し、簡単な構成によって釣糸繰出し時のバックラッシュ現象を防止した魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【解決手段】リール本体に回転自在に支持されたスプールと、当該スプールを巻取り駆動するスプールモータと、当該スプールモータの駆動力を減速して上記スプールに伝達する遊星減速機構と、上記スプールを釣糸巻取り状態とフリー回転状態とに切り換えるクラッチ機構とを備えた魚釣用電動リールに於て、上記遊星減速機構を、クラッチ機構によるスプールのフリー回転状態でのスプールモータ駆動でスプールを釣糸巻取り方向へ回転可能に構成し、スプールのフリー回転状態での釣糸の繰出し時に、スプールモータの駆動でスプールに釣糸巻取り方向への回転力を作用させることを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣用電動リールに係り、詳しくは釣糸繰出し時のバックラッシュ現象を防止した魚釣用電動リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
船釣り等、一般に深場の魚層を対象とした魚釣りを行う場合、魚釣用電動リール(以下、「電動リール」という)が広く使用されている。
従来周知のようにこの電動リールは、スプールモータの駆動で釣糸の巻取り操作を行うもので、昨今では、スプール内にスプールモータとその回転をスプールに伝達させる遊星減速機構を組み込んだ所謂スプールインタイプの電動リールを始め、スプールモータをスプール前方の側板間に装着して、スプールモータの駆動力を動力伝達機構と遊星減速機構を介してスプールに伝達させる構造等が広く普及している。
【0003】
ところで、従来、この種の電動リールにあっては、仕掛けの降下に伴う釣糸の繰出しでスプールが回転すると、これに噛合する遊星減速機構のギヤ列も回転するため、ギヤ列の駆動トルクや軸受部の摩擦抵抗がスプールに制動力として作用して、これが仕掛けの降下速度を遅くする一因となっていた。
そこで、本出願人は先に特許第2809302号公報に於て、スプールモータの駆動力を利用して、釣糸の繰出し時にスプールを繰出し方向へ回転させる回転力付勢手段を具備した電動リールを提案した。
【0004】
この従来例は、図4及び図5の如くリール本体1に装着したスプールモータ3の左モータ軸3aと右モータ軸3bに、夫々、第1の遊星減速機構5と一方向クラッチ7を装着し、反ハンドル側の側板8内に複数枚のギヤ9a,9b,9cからなる動力伝達機構9を装着して、スプールモータ3から遊星減速機構5と動力伝達機構9を介してスプール軸11に矢印A方向の動力を伝達すると共に、スプール軸11のハンドル側に装着した太陽歯車13,遊星歯車15,内歯歯車17からなる第2の遊星減速機構19でスプール23を矢印B方向に回転させてスプール23に釣糸を巻回する電動リールで、その特徴は、スプール軸11の外周に、当該スプール軸11の回転による遠心力でスプール23のスプール軸挿通孔25の内周に当接可能な遠心カラー27等の回転力付勢手段を装着し、釣糸の繰出し時(クラッチ機構を切り換え操作してスプールをフリー回転状態としたとき)にスプールモータ3を駆動させることで、スプール軸11をスプール23と同方向(図4中、矢印A方向)へ回転させ、遠心力で遠心カラー27をスプール軸挿通孔25の内周に当接させて、スプール23に釣糸繰出し方向への回転力を付勢するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際の釣場の状況は、船上での波や風の影響,仕掛けの重さ等によって仕掛けの降下速度(釣糸の繰出し速度)は一定せず、例えば重い仕掛けを使用した場合、前記回転力付勢手段によってスプールに釣糸繰出し方向への回転力を付勢すると、スプールの回転速度が釣糸の繰出し速度を追い越してバックラッシュ現象が発生してしまう虞がある。
【0006】
また、斯様に回転力付勢手段でスプールを釣糸繰出し方向へ回転させてしまうと、弱り易い生き餌を使用する場合に生き餌へのダメージが大きくなって好ましくないといった不具合も指摘されていた。
尚、特開2000−60379号公報には、クラッチOFF(スプールのフリー回転状態)時にモータ軸上の一方向クラッチを逆転防止状態から逆転可能状態に切り換え、所定の繰出し速度になったときにスプールモータを逆流駆動(巻取り方向への回転駆動)させて、スプールに制動力を付与するようにした電動リールが提案されている。
【0007】
しかし乍ら、斯かる従来例にあっては、スプールモータを正転(クラッチON時の釣糸巻取り方向)及び逆転(クラッチOFF時のスプール制動力付与)駆動させるために、モータ軸上の一方向クラッチを切り換える切換手段が必要となって部品点数が多く構造が複雑で、組込性,信頼性,製造コスト等の点に於て、好ましくない等の課題が残されている。
【0008】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、簡単な構成によって、釣糸繰出し時のバックラッシュ現象を防止した電動リールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールと、当該スプールを巻取り駆動するスプールモータと、当該スプールモータの駆動力を減速して上記スプールに伝達する遊星減速機構と、上記スプールを釣糸巻取り状態とフリー回転状態とに切り換えるクラッチ機構とを備えた電動リールに於て、上記遊星減速機構を、クラッチ機構によるスプールのフリー回転状態でのスプールモータ駆動でスプールを釣糸巻取り方向へ回転可能に構成し、スプールのフリー回転状態での釣糸の繰出し時に、スプールモータの駆動でスプールに釣糸巻取り方向への回転力を作用させることを特徴とする。
【0010】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載の電動リールに於て、スプールの回転状態を検出する検出手段と、釣糸の繰出し時に於けるスプールの速度条件を記憶した記憶手段と、上記検出手段からの検出値が当該速度条件に一致したとき、スプールモータを駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
(作用)
請求項1に係る発明によれば、釣糸の繰出し時にスプールモータを駆動すると、遊星減速機構がスプールに釣糸巻取り方向への回転力を作用させて、釣糸繰出し方向に回転しているスプールに制動力をかける。
【0012】
また、請求項2に係る発明によれば、釣糸の繰出し時に検出手段で検出した検出値が速度条件に一致すると、制御手段がスプールモータを駆動する。
而して、斯様にスプールモータが駆動すると、遊星減速機構がスプールに釣糸巻取り方向への回転力を作用させて、釣糸繰出し方向に回転しているスプールに制動力をかけることとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3は請求項1及び請求項2の一実施形態に係る電動リールを示し、図に於て、31はリール本体33のフレーム、35,37は当該フレーム31の左右に取り付く側板で、両側板35,37間にスプール軸39を介してスプール41が回転可能に支持されており、スプール軸39はスプール41の軸心に設けたスプール軸挿通孔115を貫通して、側板35とスプール41に軸受43,45,46を介して回転可能に支持されている。
【0014】
スプール41は、スプールモータ49の駆動とハンドル51の巻取り駆動で巻取り方向に回転して釣糸が巻回されるようになっており、スプールモータ49は、スプール41前方のフレーム31に一体成形された筒状のモータケース53内に収納されている。
そして、側板37側のモータケース53の開口部にモータカバー55が着脱自在に止着されており、当該モータカバー55に形成された取付凹部57に、スプールモータ49の右モータ軸59に取り付く一方向クラッチ61が装着されている。
【0015】
一方、反ハンドル側の側板35内には、図3の遊星減速機構5と同一構造からなる第1の遊星減速機構63が、スプールモータ49の左モータ軸65と同軸上に組み付けられている。
即ち、図1に於て、67はフレーム31に取り付くブラケットで、当該ブラケット67を挿通して遊星歯車69のキャリア(遊星歯車支持体)71が側板35方向へ突出している。そして、キャリア71の突出端は側板35に装着した軸受73によって回転可能に支持され、スプールモータ49側の端部は軸受75を介して左モータ軸65に回転可能に支持されている。そして、キャリア71には、左モータ軸65に固着した太陽歯車77に噛合する複数の遊星歯車69が取付ピン79によって取り付けられており、各遊星歯車69は更に、モータケース53の端部の内周に設けた内歯歯車81に噛合している。
【0016】
而して、スプールモータ49の駆動で太陽歯車77が回転すると、各遊星歯車69が太陽歯車77の回りを自転し乍ら公転してキャリア71を一方向へ回転させる。そして、キャリア71のボス部83には1枚のギヤ85が固着され、更に、これに順次噛合する2枚のギヤ87,89が、夫々、側板35内に装着されており、ギヤ89はスプール軸39の反ハンドル側端部に回止め嵌合されている。
【0017】
そして、上述の如くスプールモータ49の駆動でキャリア71が回転すると、その回転力が各ギヤ85,87,89からなる動力伝達機構91によりスプール軸39に伝達されて、スプール軸39が矢印C方向に回転するようになっている。
尚、スプール軸39の逆回転は、既述した一方向クラッチ61で阻止されている。
【0018】
また、スプール軸39の外周には、図4の遠心カラー27と同一構造からなる複数の遠心カラー139が装着されており、スプール軸39の矢印C方向への回転に伴い、各遠心カラー139が遠心力でスプール軸挿通孔115の内周に当接して、スプール41に矢印C方向への回転力を付勢するようになっている。そして、このスプール41の矢印C方向への回転方向は釣糸巻取り方向である。
【0019】
そして、スプール41の中央を貫通したスプール軸39の他端側に、第2の遊星減速機構93が装着されている。
この遊星減速機構93は、スプール軸39を介してスプール41に伝達されるスプールモータ49の駆動力を減速する減速機構として機能すると共に、ハンドル15の巻取り動力をスプール41に伝達させる動力伝達機構として機能するもので、図2に於て、94はスプール軸39の端部に固着されたキャリア(遊星歯車支持体)、95は取付ピン97を介して当該キャリア94に取り付く複数の遊星歯車で、図3に示すように遊星歯車95は、120°の間隔を開けてキャリア94の外周縁に沿って配置されている。
【0020】
また、図2中、99はスプール41の端部内周に刻設された内歯歯車、101は軸受45と後述するピニオン軸103を介してスプール軸39と同軸上に回転可能に位置決めされた太陽歯車で、図2及び図3に示すように当該太陽歯車101に複数の遊星歯車95が噛合し、更に各遊星歯車95は、夫々、内歯歯車99に噛合している。
【0021】
そして、太陽歯車101と回転中心を同じくしてこれに一体成形された係合体105が、スプール41の端部に取り付くブラケット107にカラー109を介して回転可能に支持されており、当該ブラケット107は軸受111を介してフレーム31に支持されている。
このようにブラケット107がフレーム31に支持されてスプール41が側板35,37間に回転可能に支持され、既述したキャリア94が、スプール軸挿通孔115に装着した軸受46を介してスプール41内にスプール軸39と一体回転可能に支持されている。
【0022】
そして、係合体105には、当該係合体105と側板37間にスプール軸39と同軸上に配置したピニオン軸103に回転可能且つその軸方向へ摺動可能に支持されたピニオン117がクラッチ係合しており、当該ピニオン117の外周に設けた円周溝119に、側板37に装着したクラッチレバー121の操作でピニオン117と係合体105とを係脱させるクラッチ機構123のクラッチプレート125が配置されている。
【0023】
また、図1に於て、51はスプール巻取り用のハンドルで、当該ハンドル51は、フレーム31に回転可能に挿着したハンドル軸127の側板37外突出端に取り付けられている。そして、ハンドル軸127にはラチェット129が固着され、更に上記ピニオン117と回転方向変換ギヤ(以下、「変換ギヤ」という)131を介して連結するドライブギヤ133が回転可能に取り付けられており、ドライブギヤ133とハンドル軸127間は、ハンドル軸127に装着した従来周知のドラグ装置137で摩擦結合されて、ハンドル51の回転がドライブギヤ133に伝達されるようになっている。
【0024】
そして、ラチェッ129には図示しない係止爪が係止しており、斯様にラチェット129に係止爪が係止してスプール41の逆転止め、即ち、スプールモータ49による釣糸の巻取り時に、ハンドル軸127がこれに連動して回転しないようになっている。
尚、前記変換ギヤ131は、ハンドル51による手動巻取り操作時に、回転方向を変換してスプール41を巻取り可能とする目的で装着したものである。
【0025】
そして、既述したクラッチレバー121のクラッチON/OFF操作で、係合体105とピニオン117とのクラッチ係合が係脱されて、スプールモータ49とハンドル51によるスプール41の巻取り駆動力が伝達/遮断されるようになっている。
また、図示しないがスプール41の側板35側端部にはマグネットが装着されると共に、その回転軌跡に対応してフレーム31にリードスイッチが装着されており、これらはスプール41の回転方向と回転数を検出する回転検出手段を構成する。そして、リードスイッチは、リール本体33上部の側板35,37間に装着した図示しない制御ボックス内のマイクロコンピュータに接続されている。
【0026】
而して、マイクロコンピュータのROMには、特開平5−103567号公報で開示された魚釣用リールと同様の糸長計測方法がプログラムされており、マイクロコンピュータのCPUは、リードスイッチから出力されるスプール41の正転,逆転の判定信号を取り込んで釣糸の繰出しか巻取りかを判定すると共に、リードスイッチから取り込むスプール41の回転パルス信号をアップ・ダウンカウンタでカウントして、この計数値を基にROMに記憶された糸長計算式から糸長を演算する。
【0027】
そして、制御ボックス上の操作パネルには表示器が装着されており、CPUは、演算した糸長計測値を表示駆動回路を介して当該表示器に表示させるようになっている。
従って、釣人は斯かる表示値を確認し乍ら、所定の水深に仕掛けを繰り出すことが可能となる。
【0028】
また、表示器に隣接して操作パネル上に、スプールモータ49のON/OFFスイッチが装着されている。
更にマイクロコンピュータのROMには、釣糸の繰出し時に於けるスプール41の速度条件が記憶されている。
【0029】
この速度条件は、仕掛けの重さや釣糸の太さ等によって決まるスプール41の理想的な釣糸繰出し時の回転速度で、既述したように釣糸の繰出し速度をスプールの回転速度が追い越してしまうとバックラッシュ現象が発生する。
そこで、本実施形態では、速度条件として2m/sが予め工場出荷段階でROMに記憶されており、CPUは、釣糸繰出し時に上記リードスイッチの検出値とマイクロコンピュータに内蔵したタイマの計時値を基にスプール41の回転速度を算出し、この算出値がこの速度条件に達したと判断すると、スプールモータ49を作動させてスプール41に制動力をかけるようになっている。
【0030】
即ち、釣糸の繰出しに伴い、図1に示すようにスプール41は矢印D方向(釣糸繰出し方向)へ回転可能に構成されているが、上述の如くスプール41の回転速度が速度条件に達したとしてスプールモータ49が駆動すると、その駆動力が遊星減速機構63,動力伝達機構91からスプール軸39に伝達されてスプール軸39が矢印C方向に回転するため、遠心カラー139が遠心力でスプール軸挿通孔115の内周に当接してスプール41に矢印D方向と逆方向(矢印C方向)への回転力を付勢し、これがスプール41に対する制動力となる。
【0031】
また、この釣糸の繰出し時に遊星減速機構93は、ピニオン117とのクラッチ係合が解除されて太陽歯車101がフリー回転状態にあり、また、一方向クラッチ61によって矢印D方向へのスプール軸39の回転が規制されているため、キャリア94の矢印D方向への回転も規制されている。
このため、図3に示すようにスプール41の矢印D方向への回転に連動して、内歯歯車99と太陽歯車101に噛合する各遊星歯車95は、太陽歯車101の回りを公転することなく一定位置で自転する。
【0032】
そして、この釣糸繰出し状態で、既述の如くCPUの指令でスプールモータ41が作動してスプール軸39が矢印C方向に回転すると、図3に示すようにキャリア94が矢印C方向に回転するため、矢印D方向に自転しようとする各遊星歯車95が太陽歯車101の回りを矢印C方向へ公転して、噛合する内歯歯車99を介してスプール41に釣糸繰出し方向(矢印D方向)と反対方向(矢印C方向)への回転力が作用するように付勢すると共に、遠心カラー139の回転付勢力と相俟ってスプール41に釣糸巻取り方向への回転力として作用し、釣糸繰出し時のスプール過回転に対する制動力となる。
【0033】
このように本実施形態は、釣糸繰出し時にスプール41の回転速度が速度条件に達すると、CPUはスプールモータ49を作動させてスプール41に制動力をかけ、以後、スプール41の回転速度が速度条件以下になるまで、CPUはスプール41に制動力をかけ続けるようになっている。
その他、図2に於て、141は変換ギヤ131の支持軸で、当該支持軸141はピニオン軸103と並列してフレーム31と側板37間に軸支されており、変換ギヤ131にドライブギヤ133とピニオン117が常時噛合している。
【0034】
また、図1中、143は太陽歯車101が回止め嵌合した支持軸で、当該支持軸143は軸受45に支持され、当該支持軸143と既述したピニオン軸103を介して、太陽歯車101と係合体105がスプール軸39と同軸上に回転可能に位置決めされている。
本実施形態に係る電動リール145はこのように構成されているから、クラッチレバー121をクラッチOFF操作すると、クラッチプレート125によりピニオン117と係合体105とのクラッチ係合が解除されて、スプール41はフリー回転状態に維持される。
【0035】
この状態に於て、釣糸は仕掛けの自由落下によってスプール41から繰り出され、釣糸の繰出しに伴い、マイクロコンピュータのCPUは、リードスイッチから取り込むスプール41の回転パルス信号を基に糸長計測を行い、糸長計測値を表示器に表示する。
従って、釣人は表示器の表示を見乍ら仕掛けを所定の棚位置に繰り出すことができる。
【0036】
また、既述したようにこの釣糸繰出し時に、CPUは、リードスイッチの検出値とマイクロコンピュータに内蔵したタイマの計時値を基にスプール41の回転速度を算出し、この算出値が速度条件に達しているか否かを常時監視する。
そして、スプール41の回転速度が速度条件に達したと判定すると、CPUはモータ駆動回路に指令を送出してスプールモータ49を駆動させる。
【0037】
而して、斯様にスプールモータ49が駆動すると、その駆動力が遊星減速機構63で減速後,動力伝達機構91からスプール軸39に伝達されてスプール軸39が矢印C方向に回転し、その遠心力で遠心カラー139がスプール軸挿通孔115の内周に当接して、スプール41に釣糸繰出し方向(矢印D方向)と反対方向(矢印C方向)への回転力を付勢し、回転するスプール41に制動力をかける。
【0038】
また、これと同時に、スプールモータ41が作動してスプール軸39が矢印C方向に回転すると、前述のように遊星減速機構93によってスプール41に釣糸繰出し方向と反対方向への回転力が作用するように付勢すると共に、遠心カラー139の回転付勢力と相俟ってスプール41に釣糸巻取り方向への回転力として作用し、釣糸繰出し時のスプール過回転に対する制動力となる。そして、スプール41の回転速度が速度条件より遅くなると、CPUはスプールモータ49の駆動を停止し、以後、再び仕掛けの自然落下で釣糸がスプール41から繰り出されていく。
【0039】
そして、所定の棚位置に繰り出した処でクラッチレバー121をクラッチON操作すると、ピニオン117と係合体105とがクラッチ係合されるため、スプール41は釣糸巻取り状態に維持される。
この状態で魚の当たりがあったとき、ON/OFFスイッチのON操作でスプールモータ49を駆動してスプール41を巻取り駆動し、若しくはハンドル51を回転操作してスプール41を巻取り駆動すればよい。
【0040】
而して、スプールモータ49を駆動させた場合、ラチェット129に係止爪が係止してハンドル軸127の回転が規制されているため、ハンドル軸127にドライブギヤ133と変換ギヤ131を介して連結したピニオン117の回転が規制され、この結果、当該ピニオン117とクラッチ係合した太陽歯車101(係合体105)の回転が規制される。
【0041】
従って、スプール軸39の矢印C方向への回転に連動してキャリア94が同方向に回転し、そして、これに取り付く遊星歯車95が太陽歯車101の回りを矢印C方向に公転し乍ら矢印C方向へ自転して、内歯歯車99を介してスプール41を釣糸巻取り方向(矢印C方向)に回転させることとなる。
一方、魚の当たりがあってハンドル51を回転操作した場合、その巻取り駆動力がドライブギヤ133,変換ギヤ131からピニオン117,太陽歯車101を経て遊星歯車95からスプール41に伝達されて、スプール41が釣糸巻取り方向(矢印C方向)へ回転することとなる。
【0042】
このように本実施形態は、釣糸の繰出し時にスプール41の回転速度が速度条件を越えると、スプールモータ49が駆動してスプール軸39に装着した遠心カラー139と第2の遊星減速機構93が、夫々、スプール41に釣糸繰出し方向と反対方向の回転力を付勢して、回転するスプール41に制動力をかけるように構成したので、自動的に釣糸繰出し時のスプール41の過回転が抑制されてバックラッシュ現象が防止でき、支障なく釣糸の繰出し操作が行えることとなった。
【0043】
而も、本実施形態によれば、特開2000−60379号公報の従来例に比し少ない部品で構造が簡素化できたため、組込性,信頼性,製造コスト等の点で優れた利点を有する。
尚、上記実施形態では、速度条件を設定して自動的に釣糸繰出し時のスプール41の過回転を抑制できるように構成したが、斯かる速度条件を設定せず、例えば操作パネル上のON/OFFスイッチの操作で、釣人が釣糸繰出し時にスプールモータ49を手動で任意に駆動できるように構成してもよいし、また、速度条件を外部操作で任意に設定,変更可能としてもよい。
【0044】
更にまた、既述した遠心カラー139を省略し、遊星減速機構93のみで釣糸繰出し方向と反対方向への回転力を付勢してスプール41に制動力をかけるように構成してもよく、斯かる実施形態によっても、上述した実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、従来に比し簡単な構造でスプールの過回転が抑制されてバックラッシュ現象が防止でき、支障なく釣糸の繰出し操作が行えることとなった。
【0046】
そして、請求項2に係る発明によれば、釣糸の繰出し速度に応じて自動的にスプールの過回転が抑制されるため、より確実にバックラッシュ現象を防止することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の一実施形態に係る電動リールの要部断面図である。
【図2】図1に示す電動リールの要部拡大断面図である。
【図3】遊星減速機構の歯車の動作方向を示す図2のII−II線概略断面図である。
【図4】従来の電動リールの要部断面図である。
【図5】図4に示す電動リールの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
31 フレーム
33 リール本体
35,37 側板
39 スプール軸
41 スプール
49 スプールモータ
51 ハンドル
63,93 遊星減速機構
91 動力伝達機構
94 キャリア
95 遊星歯車
99 内歯歯車
101 太陽歯車
103 ピニオン軸
105 係合体
117 ピニオン
121 クラッチレバー
123 クラッチ機構
125 クラッチプレート
131 変換ギヤ
133 ドライブギヤ
139 遠心カラー
145 電動リール

Claims (2)

  1. リール本体に回転自在に支持されたスプールと、
    当該スプールを巻取り駆動するスプールモータと、
    当該スプールモータの駆動力を減速して上記スプールに伝達する遊星減速機構と、
    上記スプールを釣糸巻取り状態とフリー回転状態とに切り換えるクラッチ機構とを備えた魚釣用電動リールに於て、
    上記遊星減速機構を、クラッチ機構によるスプールのフリー回転状態でのスプールモータ駆動でスプールを釣糸巻取り方向へ回転可能に構成し、
    スプールのフリー回転状態での釣糸の繰出し時に、スプールモータの駆動でスプールに釣糸巻取り方向への回転力を作用させることを特徴とする魚釣用電動リール。
  2. スプールの回転状態を検出する検出手段と、
    釣糸の繰出し時に於けるスプールの速度条件を記憶した記憶手段と、
    上記検出手段からの検出値が当該速度条件に一致したとき、スプールモータを駆動制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の魚釣用電動リール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017127284A (ja) * 2016-01-22 2017-07-27 株式会社シマノ 両軸受リールのスプール制動装置
JP7476143B2 (ja) 2021-07-15 2024-04-30 グローブライド株式会社 ワカサギ釣り用電動リール

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