JP2004078452A - 技術コンサルティング・サービスシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラント運用管理会社11からプラント運用に関する依頼情報をインターネット13を介して保全サービス会社12のデータベース21に登録し、保全サービス会社12はデータベース21に登録されたプラント運用管理会社11からの依頼情報に対して保全サービスの回答情報を作成してデータベース21に格納する。プラント運用管理会社11はデータベース21にアクセスすることにより回答情報を得る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラントまたは化学プラントのような大規模プラントを対象として、プラント運用に関する技術的質問や依頼事項に対する技術コンサルティング情報の提供を遠隔で行う技術コンサルティングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、発電プラントまたは化学プラントのような大規模プラントを有する電力会社、化学会社等やその関連会社(プラント運用管理会社)と、プラントメーカーの保全担当部門や保全専門会社(保全サービス会社)との間で、プラント運用に関する技術コンサルティング契約を締結し、プラント運用管理会社からの技術的質問や依頼事項に対し保全サービス会社は技術コンサルティング情報を提供するようにしている。
【0003】
この場合、プラント運用に関する技術的質問や依頼事項は、電話、FAX、電子メール、あるいは書類(紙)の形式で、プラント運用管理会社から保全サービス会社に伝達されている。一方、保全サービス会社からの技術コンサルティング情報も、電話、FAX、電子メール、あるいは書類(紙)の形式で、プラント運用管理会社に伝達されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来技術では、プラント運用管理会社からの依頼に対して保全サービス会社からの回答が正確迅速に行われない場合がある。これは、依頼件数が多くなると緊急度の判断や質問内容の意図の判断等を総合的に判定することが困難となるからである。そのために、緊急度の高い依頼に対する回答に時間が掛かり、プラントの運用管理に支障を及ぼす恐れがある。
【0005】
例えば、プラント運用管理会社から技術コンサルティングに関する依頼が書類の形式で、保全サービス会社に正式な依頼として提示されている場合は、特に問題はないが、書類以外の電話、FAX、電子メール等により不特定または不定期に取り扱われる依頼は、技術コンサルティング・サービスのプロセスが曖昧となりがちである。書類以外の電話、FAX、電子メール等による依頼で緊急性のあるものについて、その回答が遅れると、プラント運用管理会社にとってはプラントの運用管理に支障を来たす場合がある。また、正式な依頼でないものに対して、技術コンサルティング情報を提供した場合には、保全サービス会社にとっては、技術サービスにおけるノウハウの流出に繋がるという問題が生じて来る。
【0006】
一方、技術コンサルティングに関わる依頼が書類の形式で、また、電話、FAX、電子メールで正式な依頼として保全サービス会社に提示された場合であっても、依頼と回答との経過状況を全般的にフォローしていくプロセスが明確になっていないため、プラント運用管理会社にとっては二重に依頼したり、保全サービス会社とっては依頼に対する回答が遅れるたりすることがある。プラント運用管理会社にとっては、依頼に対する回答が遅れると、プラントの運用管理に支障を来たす場合があり、保全サービス会社とっては、回答遅れによる顧客の信頼度や満足度が低下し、ビジネスへの悪影響が増大するという問題が生じて来ることが考えられる。
【0007】
本発明の目的は、プラント運用管理会社からの依頼と保守サービス会社からの回答との経過状況を把握でき、適正に依頼に対する回答を提供できる技術コンサルティング・サービスシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、プラント運用管理会社からプラント運用に関する依頼情報をインターネットを介して保全サービス会社のデータベースに登録し、前記保全サービス会社は前記データベースに登録されたプラント運用管理会社からの依頼情報に対して保全サービスの回答情報を作成して前記データベースに格納し、プラント運用管理会社は前記データベースにアクセスすることにより回答情報を得る技術コンサルティング・サービスシステムであって、前記保全サービス会社は、前記プラント運用管理会社側で入力されたプラント運用に関する依頼情報の登録、前記依頼情報に対する回答情報の受信確認、前記データベースの検索照会の処理を行うプラント運用処理手段と、前記プラント運用処理手段で処理された内容につき前記プラント運用管理会社側での依頼承認の管理を行うプラント運用管理手段と、前記プラント運用管理手段からの依頼承認情報及び契約内容に基づいて前記依頼情報及び回答情報の管理を行い、少なくとも前記依頼情報を承認または未承認に区分して前記データベースに格納すると共に承認済みの依頼情報については前記保全サービス会社の関連部門にその依頼情報に対する回答情報の作成依頼を行い、作成された回答情報を取り纏めて前記データベースに格納する保全サービス管理手段と、前記保全サービス会社側で入力される前記依頼情報に対する回答情報の登録、前記依頼情報に対する回答情報の受信確認、前記データベースの検索照会の処理を行う保全サービス対応処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、プラント運用管理会社からプラント運用に関する依頼情報をインターネットを介して保全サービス会社のデータベースに登録し、保全サービス会社はデータベースに登録されたプラント運用管理会社からの依頼情報に対して保全サービスの回答情報を作成してデータベースに格納する。プラント運用管理会社はデータベースにアクセスすることにより回答情報を得る。この場合、保全サービス会社のプラント運用処理手段は、プラント運用管理会社側で入力されたプラント運用に関する依頼情報の登録、依頼情報に対する回答情報の受信確認、データベースの検索照会の処理を行う。また、プラント運用管理手段は、プラント運用処理手段で処理された内容につきプラント運用管理会社側での依頼承認の管理を行う。一方、保全サービス管理手段は、プラント運用管理手段からの依頼承認情報及び契約内容に基づいて依頼情報及び回答情報の管理を行い、少なくとも依頼情報を承認または未承認に区分してデータベースに格納すると共に、承認済みの依頼情報については保全サービス会社の関連部門にその依頼情報に対する回答情報の作成依頼を行い、作成された回答情報を取り纏めてデータベースに格納する。保全サービス対応処理手段は、保全サービス会社側で入力される依頼情報に対する回答情報の登録、依頼情報に対する回答情報の受信確認、データベースの検索照会の処理を行い、その処理結果を保全サービス管理手段に通知する。
【0010】
請求項2の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項1の発明において、前記プラント運用管理会社と前記保全サービス会社との間に前記データベースを介さずに依頼情報や回答情報を送受信する速報連絡通知手段を設け、前記速報連絡通知手段で依頼情報や回答情報を送受信したときは、前記速報連絡通知手段で受信した依頼情報及びその依頼情報に対する回答情報を前記データベースに登録することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、請求項1の発明の作用に加え、速報連絡通知手段は、例えば、電話、FAX、電子メール等であり、この速報連絡通知手段でデータベースを介さずに依頼情報や回答情報を送受信したときは、速報連絡通知手段で受信した依頼情報及びその依頼情報に対する回答情報をデータベースに登録する。これにより、緊急性を要する依頼に対しても適正に対応できる。
【0012】
請求項3の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項1または請求項2の発明において、前記プラント運用管理会社からのプラント運用に関する依頼情報は、技術的質問、依頼事項、技術者派遣、教育訓練、依頼内容や依頼方法に関する事前照会であることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、プラント運用管理会社からのプラント運用に関する依頼情報としては、プラント運用に関する技術的質問、依頼事項、技術者派遣、教育訓練、さらには、これから依頼しようとしている依頼内容の照会やその依頼方法に関する事前照会である。これにより、正式依頼でない依頼や依頼内容の種類に応じて適正に区分してサービスを提供できる。
【0014】
請求項4の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項1または請求項2の発明において、前記保全サービス対応処理手段は、プラント運用費、修繕費、損失費を含めたコスト評価予測を提供することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、保全サービス対応処理手段は、プラント運用費、修繕費、損失費を含めたコスト評価予測を提供する。
【0016】
請求項5の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項1または請求項2の発明において、前記保全サービス管理手段は、前記プラント運用管理会社と前記保全サービス会社との契約内容に基づき、対象プラント、系統、機器の規模や数量に応じて定めた固定額の技術コンサルティング・サービス、依頼情報の1件毎に対して前記保全サービス会社にて検討にかかった作業費及び技術ノウハウの使用料を徴収する技術コンサルティング・サービス、依頼情報の件数によらず一定期間の一括固定額での技術コンサルティング・サービス、依頼情報のうち検討期間や技術課題を要する案件については、別途、案件別に定めた料金の技術コンサルティング・サービスを提供することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、保全サービス管理手段は、プラント運用管理会社と保全サービス会社との契約内容に基づき、対象プラント、系統、機器の規模や数量に応じて定めた固定額の技術コンサルティング・サービス(基本契約)、依頼情報の1件毎に対して保全サービス会社にて検討にかかった作業費及び技術ノウハウの使用料を徴収する技術コンサルティング・サービス(個別契約)、依頼情報の件数によらず一定期間の一括固定額での技術コンサルティング・サービス(期間契約)、依頼情報のうち検討期間や技術課題を要する案件については、別途、案件別に定めた料金の技術コンサルティング・サービス(委託契約)のうちの少なくも一つを提供する。
【0018】
請求項6の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項1または請求項2の発明において、前記保全サービス管理手段は、契約期間中に発生した技術コンサルティング・サービスについて、依頼情報の内容、依頼日時、回答書の内容、回答日、回答状況、回答作業の進捗状況、依頼情報の累積件数、累積課金状況の少なくとも一つ以上を前記データベースに格納し、契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲内で閲覧配信の許可を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、保全サービス管理手段は、契約期間中に発生した技術コンサルティング・サービスについて、依頼情報の内容、依頼日時、回答書の内容、回答日、回答状況、回答作業の進捗状況、依頼情報の累積件数、累積課金状況の少なくとも一つ以上をデータベースに格納し、サービスを提供する。この場合、契約時におけるプラント運用管理会社の指定した開示許可範囲内で閲覧配信の許可を行う。これにより、技術コンサルティングのノウハウが無許可で流出することを防止できる。
【0020】
請求項7の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項3の発明において、前記保全サービス管理手段は、技術者派遣や教育訓練の依頼について、技術者の派遣時期、担当名、作業内容を回答情報として、前記データベースに格納し、契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲内で閲覧配信の許可を行うことを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、請求項3の発明において、前記保全サービス管理手段は、技術者派遣や教育訓練の依頼について、技術者の派遣時期、担当名、作業内容を回答情報として、前記データベースに格納し、契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲内で閲覧配信の許可を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項8の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムは、前記プラント運用管理手段は、前記プラント運用管理会社が前記保全サービス会社に依頼情報を送信する場合に、前記プラント運用管理会社の依頼担当者からの依頼情報について前記プラント運用管理会社の責任者による依頼承認手続処理を行い、前記保全サービス会社から回答情報を受け取った場合に、回答情報を受け取った担当者による契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲以外での回答情報の開示許可申請処理及び前記プラント運用管理会社の責任者による承認手続処理を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明に係る技術コンサルティング・サービスシステムにおいては、プラント運用管理手段は、プラント運用管理会社が前記保全サービス会社に依頼情報を送信する場合に、プラント運用管理会社の依頼担当者からの依頼情報についてプラント運用管理会社の責任者による依頼承認手続処理を行う。また、保全サービス会社から回答情報を受け取った場合に、回答情報を受け取った担当者による契約時におけるプラント運用管理会社の指定した開示許可範囲以外での回答情報の開示許可申請処理及びプラント運用管理会社の責任者による承認手続処理を行う。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る技術コンサルティング・サービスシステムの説明図であり、図1(a)は構成図、図1(b)は保全サービス会社におけるWebサーバのブロック構成図である。図1(a)において、プラント運用管理会社11と保全サービス会社12とはネットワーク13を介して接続されると共に、電話やファックス(FAX)等の速報連絡通知手段14で接続されている。この速報連絡手段14には、ネットワーク13を介した電子メールも含まれる。
【0025】
プラント運用管理会社11には、各々の担当者が使用する複数台の業務用パソコン(PC)15がイントラネットワーク16で接続されており、Webサーバ(プロキシサーバ)17を介してインターネット13に接続されている。一方、保全サービス会社12においても同様に、各々の担当者が使用する複数台の業務用パソコン18がイントラネットワーク19で接続されており、Webサーバ20を介してインターネット13に接続されている。さらに、イントラネットワーク19には技術コンサルティングに関わる情報を管理するデータベース21が接続されている。
【0026】
プラント運用に関する依頼情報は、プラント運用管理会社11の業務パソコン15から入力され、プラント運用管理会社11の管理部門の業務用パソコンで依頼内容の管理処理(後述の開示許可申請・承認処理)を行ってからインターネット13を介して保全サービス会社12のデータベース21に登録される。保全サービス会社12ではデータベース21に登録されたプラント運用管理会社11からの依頼情報を保全サービス会社12の取り纏め部門が取り纏める。すなわち、保全サービス会社12の取り纏め部門は業務用パソコン(PC)18を用いて、プラント運用管理会社11からの依頼情報を参照し、依頼事項に関連する保全サービス会社12の関連部門に回答を依頼する。そして、保全サービス会社12の取り纏め部門は、関連部門からの回答を取り纏めて業務用パソコン18から保全サービスの回答情報を作成してデータベース21に格納する。プラント運用管理会社11はデータベース21にアクセスすることにより回答情報を得る。
【0027】
保全サービス会社12のWebサーバ20には、このような技術コンサルティング・サービスを提供するためのソフトウエアがインストールされている。図1(b)は技術コンサルティング・サービスを実現するためのWebサーバ20の機能ブロック構成図である。
【0028】
プラント運用処理手段22は、プラント運用管理会社11側で入力されたプラント運用に関する依頼情報の登録処理や依頼情報に対する回答情報の受信確認処理を行うものであり、またデータベース21の検索照会の処理も行う。また、プラント運用管理手段23は、プラント運用処理手段22で処理された内容につきプラント運用管理会社11側での依頼承認や後述の契約に基づく開示範囲の管理を行う。契約に基づく開示範囲の管理としては、例えば、サービス会社から提供される回答情報(技術コンサルティング情報)を、契約に基づく開示範囲以外に開示する場合にはその開示許可申請処理を行う。プラント運用管理手段23で管理された依頼情報はプラント運用通信手段24により暗号化されてインターネット13を介して保全サービス会社12のデータベース21に保存される。
【0029】
一方、保全サービス通信手段25は暗号化されたデータを復元して保全サービス管理手段26に入力する。保全サービス管理手段26は、プラント運用管理手段23からの依頼承認情報及び契約内容に基づいて、依頼情報及び回答情報の管理を行い、少なくとも依頼情報を承認または未承認に区分してデータベース21に格納する。そして、承認済みの依頼情報については保全サービス会社12の関連部門にその依頼情報に対する回答情報の作成依頼を行い、作成された回答情報を取り纏めてデータベース21に格納する。保全サービス対応処理手段27は、保全サービス会社12側で入力される依頼情報に対する回答情報の登録処理や依頼情報に対する回答情報の受信確認処理を行う。また、データベース21の検索照会の処理を行い、その処理結果を保全サービス管理手段26に通知する。
【0030】
図2は、Webサーバ20の機能ブロック及びデータベース21の詳細図である。プラント運用管理会社11では、各担当者の使用する業務用パソコン15から、汎用のインターネットブラウザソフトや専用のグラフィック・ユーザ・インターフェイスを使って、保全サービス会社12に技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等を行い、保全サービス会社12からの技術コンサルティング情報を回答情報として受け取り内容を確認する。その際には、プラント運用処理手段22、プラント運用管理手段23、プラント運用通信手段24が動作する。
【0031】
プラント運用処理手段22は、プラント運用情報登録手段28、プラント運用受信・確認手段29、プラント運用検索・照会手段30を備えている。プラント運用処理手段22のプラント運用情報登録手段28では、技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する事項の依頼作成処理を行う。プラント運用受信・確認手段29では、受信した技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する事項やそれらの回答といった技術コンサルティング情報の受信・確認処理を行う。そして、プラント運用検索・照会手段30では、過去の依頼を含めた技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する事項やそれらの回答といった技術コンサルティング情報の検索・照会処理を行う。
【0032】
プラント運用管理手段23は、プラント運用処理手段22で処理された技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する依頼事項を、保全サービス会社12に送信する際の承認処理やデータ送信・開示許可申請処理を行う。例えば、依頼情報の承認や、検索・照会にあたって、契約時におけるプラント運用管理会社11からの指定単位以外(回答情報の開示許可範囲以外)での回答結果の開示許可申請・承認を行う。
【0033】
プラント運用通信手段24は、情報/データや依頼内容を暗号化して送信すると共に、保全サービス会社12からの暗号化された技術コンサルティング情報を受信/復元する。
【0034】
保全サービス会社12では、データベース21に登録されたプラント運用管理会社11からの依頼情報に対して、業務用パソコン18から保全サービスの回答情報を作成してデータベース21に格納する。その際に、保全サービス通信手段25、保全サービス管理手段26、保全サービス対応処理手段27が動作する。
【0035】
保全サービス通信手段25は、プラント運用管理会社11からの暗号化された技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する情報/データを受信/復元すると共に、これら情報/データや依頼内容に対する回答情報としての技術コンサルティング情報をプラント運用管理会社11に暗号化/送信する。
【0036】
保全サービス管理手段26は、保全サービス会社12の取り纏め部門から保全サービス会社12の関連部門に回答の依頼処理をすると共に、これらの作業の進捗/回答状況を管理し、回答の取り纏めや課金状況管理を行い、データベース21に必要情報を新規登録、追加、削除、あるいは検索時の開示制限を行う。
【0037】
ここで、データベース21には、プラント運用管理会社11からの依頼情報が一時保存ファイル、正式登録ファイルまたは事前照会ファイルとして保存される。一時保存ファイルはプラント運用管理会社11の責任者の承認が得られていない依頼情報を保存するファイルであり、承認があったものは正式登録ファイルとして保存される。また、依頼する前の事前照会は事前照会ファイルに保存される。さらに、このデータベース21には、プラント運用管理会社の業務用パソコン15、保全サービス会社12の業務用パソコン18のIDやパスワードが保存されている。保全サービス会社12の取り纏め部門にて受信した情報/データや依頼内容、保全サービス会社12の関連部門にて作成した技術コンサルティング情報を含む回答情報は、これらの一時保存ファイル、正式登録ファイルまたは事前照会ファイルの回答欄に格納される。
【0038】
保全サービス対応処理手段27は、保全サービス情報登録手段31、保全サービス受信・確認手段32、保全サービス検索・照会手段33を備えている。保全サービス対応処理手段27の保全サービス情報登録手段31では、保全サービス会社12の取り纏め部門からの依頼に基づいて各関連部門において技術コンサルティング情報を検討作成し登録処理する。保全サービス受信・確認手段32は、受信した技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する事項といった技術コンサルティングの依頼情報を受信・確認処理する。保全サービス検索・照会手段33は、過去の依頼を含めた技術的質問や依頼事項、技術者派遣や教育訓練依頼等に関する事項やそれらの回答といった技術コンサルティング情報を検索・照会処理する。
【0039】
ここで、プラント運用通信手段24や保全サービス通信手段25での暗号化については、ウェーブレット変換、フーリエ変換、離散コサイン変換等によるデータ変換によるウェーブレット係数やパワースペクトル等への特徴量に変換する方法で、生情報/データ等を一般回線に流さないように暗号化を施す。プラント運用管理会社11における開示許可申請・承認処理を行うプラント運用管理手段23では、イントラネットワーク16上で、プラント運用管理会社11の担当者による開示許可申請処理及びそれら上長による承認処理が行えるため、従来の紙による書類の回覧を廃止し申請手続きを迅速に進めることが可能となる。
【0040】
図3は、プラント運用管理会社11と保全サービス会社との間の契約の説明図であり、図4はプラント運用管理会社11と保全サービス会社との間で授受する情報の説明図である。プラント運用管理会社11は契約に基づき技術的質問及び依頼事項に対して技術コンサルティング情報を取得し、保全サービス会社は技術コンサルティング情報を提供して料金を受け取ることになる。
【0041】
すなわち、保全サービス会社12はプラント運用管理会社11から技術コンサルティング業務を請け負い、請け負った依頼事項に対する回答書等の技術コンサルティング情報を、保全サービス会社が所有している情報、知見、経験、あるいは必要に応じて、解析、試験等を実施して作成整理し、プラント運用管理会社11のユーザに技術コンサルティング情報として提示する。
【0042】
ここで、技術コンサルティング情報とは、例えば、プラント系統機器の設計情報、運転操作、点検保守、設備改造、不具合原因調査、取替品手配、教育訓練、保守計画、状態監視保全、監視診断等である。これらのサービスの提供によってプラント運用管理会社11は、修繕費/保守費等の削減を図り、保全サービス会社12はその削減された修繕費/保守費等の一部をプラント運用管理会社11よりサービス提供の対価料金として徴収することで収益とする。
【0043】
上記の料金に授受に関する契約の形態としては、下記の形態があり、プラント運用管理会社と、保全サービス会社とにおいて、可能な契約を選択することができる。
【0044】
(1) 対象プラント、系統、機器の規模や数量に応じて定めた固定額の技術コンサルティング・サービスを提供する基本契約。
【0045】
(2) 技術的質問や依頼事項の1件毎に対して保全サービス会社の取り纏め部門及び関連部門にて検討に掛かった作業費及び技術ノウハウの使用料を徴収することで、技術コンサルティング・サービスを提供する個別契約。
【0046】
(3) 技術的質問や依頼事項の件数によらず一定期間の一括固定額契約とする期間契約。
【0047】
(4) 技術的質問や依頼事項の内、検討期間や技術課題を要する案件については、別途、案件別に費用等の対応を契約する委託契約。
【0048】
(5) 上記(1)〜(4)の各種契約形態の少なくとも二つ以上の組み合わせによる契約。
【0049】
次に、プラント運用管理会社11は、プラントの運用管理において、プラント系統・機器設計、運転操作、点検保守、不具合等に関する技術的質問や依頼事項をプラントメーカー等の保全サービス会社12に依頼するにあたり、プラント運用管理会社11が所有する業務用パソコン15から、直接、図1に示すように、技術的質問や依頼事項、技術者派遣依頼、あるいは教育訓練依頼等を入力する。入力されたこれら依頼情報は、業務用パソコン15に接続されたプラント運用管理会社11が所有するイントラネットワーク16やWebサーバ17さらにはインターネット13を介して、保全サービス会社12のWebサーバ20に送信される。
【0050】
保全サービス会社12では、Webサーバ20が接続している保全サービス会社が所有するイントラネットワーク19を介して、イントラネットワーク19に接続しているデータベース21に、技術的質問や依頼事項を格納し管理する。そして、保全サービス会社12の取り纏め部門は、プラント運用管理会社11からの技術的質問や依頼事項等の依頼情報を業務用パソコン18を用いて確認し、対応する関連部門に回答作成を依頼する。関連部門においては、技術的質問や依頼事項等の依頼情報を基にその回答を検討し、回答書等の技術コンサルティング情報を回答情報として作成する。作成した技術コンサルティング情報は、保全サービス会社12の各関連部門における業務用パソコン18から直接、入力、登録し、取り纏め部門における業務用パソコン18にて所定の形式/書式等に取り纏め、これら業務用パソコン18に接続された保全サービス会社12が所有するイントラネットワーク19を経由してデータベース21に格納し管理する。
【0051】
さらに、これら回答情報はインターネット13を介してプラント運用管理会社11が所有する業務用パソコン15に、プラント運用管理会社11のイントラネットワーク16を経由して送信する。これにより、プラント運用管理会社11は技術的質問や依頼事項等に対する回答書等の技術コンサルティング・サービスを受けることができる。
【0052】
以上の説明は、主としてプラント運用管理会社11からプラント運用に関する技術的質問や依頼事項等の依頼情報について説明したが、技術者派遣、教育訓練、依頼内容や依頼方法に関する事前照会についての依頼情報も同様に行うことができる。さらに、データベース21に格納されている各種データについての照会もすることができる。例えば、技術者の派遣依頼や教育訓練の実施依頼について、保全サービス会社12は技術者の派遣できる日時や技術者の氏名等の情報を提供する。同様に、教育訓練についても実施可能な日時や講師等の情報を提供する。
【0053】
また、設備機器の交換部品の手配、調達に関する検討依頼、点検・保守方法、点検結果の良否判定等、様々な依頼に対する適切な回答を迅速に提供する技術コンサルティング・サービスを行う。これにより、プラント運用管理会社11は、迅速かつ適切な技術コンサルティング・サービスが受けられ、保全サービス会社12は、技術サービス/ノウハウの不適切な流出を防止すると共に、プラントの運用管理に支障を来たすことなく顧客の信頼度や満足度を維持向上させることが可能となる。
【0054】
一方、データベース21の照会閲覧については、例えば、プラント運用管理会社11は、業務用パソコン15からイントラネットワーク16及びWebサーバ17さらにはインターネット13を介して、保全サービス会社12が所有しているデータベース21を契約時におけるユーザからの指定単位(開示許可範囲)または、回答を受け取った担当者による契約時におけるユーザからの指定単位以外での回答結果の開示許可申請と承認により開示許可単位で閲覧できる。例えば、依頼した担当者のみならず、所属する部/課といった部門単位、あるいは複数プラントを所有する会社単位で閲覧することができ、過去に類似した技術的質問や依頼事項等を検索することができる。
【0055】
保全サービス会社12の各関連部門は、上記の技術コンサルティング・サービスを提供するため、業務用パソコン18からイントラネットワーク19を介して、データベース21を検査閲覧して、プラント運用管理会社に提供する必要情報を新規登録、追加、削除する。また、データベース21の情報に開示制限を設けて、プラント運用管理会社11からの閲覧や検索を抑制することもできるようになっている。
【0056】
ここで、新規登録または、追加あるいは抑制可能な情報の例としては、過去の技術コンサルティング情報の回答、作成に掛かった費用、時間等である。また、依頼に対する回答の作成状況や課金状況、あるいは一定期間に累積された依頼件数、依頼に対する回答件数、累積課金料等は追加して登録することもでき、これら情報は、必要に応じて、プラント運用管理会社11の同業務用パソコン15から契約時におけるユーザからの指定単位または、回答を受け取った担当者による契約時におけるユーザからの指定単位以外での回答結果の開示許可単位で、検索閲覧することができる。さらに、保全サービス会社12からプラント運用管理会社11に、月または期といった一定期間毎に指定された情報(例えば依頼に対する回答の作成状況や課金状況、あるいは一定期間に累積された依頼件数、依頼に対する回答件数、累積課金料等)をデータベース21から自動配信することもできる。これにより、回答状況や課金状況に対する情報を定期的に提供するできる。
【0057】
さらに、プラント運用管理会社11が照会閲覧できる情報として、プラント運用費、修繕費、損失費を含めたコスト評価予測結果を提供することもできる。プラント運用管理会社11は、このコスト評価予測結果の提供を受けることにより、現在、修理や取替した方が経済的に有利か否かを総合的に判断できる。
【0058】
また、プラント運用管理会社11が技術的質問や依頼事項等に対する速報を受けたい場合は、速報連絡通知手段4により、保全サービス会社12に送信または送付し、これらを受領した保全サービス会社12の取り纏め部門が業務用パソコン18から直接、データベース21に登録することにより、技術コンサルティングの依頼を受け付けることができるようにしている。速報連絡通知手段4は、既存の電話、FAX、電子メール、もしくは所定の書式(紙)をによる連絡である。
【0059】
また、技術的質問や依頼事項等に対する回答書等の技術コンサルティング情報も同様に、速報連絡通知手段4によりプラント運用管理会社11に送信または送付することができ、それら送付または送信した情報を保全サービス会社12の取り纏め部門は、業務用パソコン18から直接データベース21に登録する。これにより、技術的質問や依頼事項等に対する回答書等の技術コンサルティング情報をデータベース21に登録することもでき、速報の依頼及び回答であってもデータベース21に格納して管理できる。つまり、依頼の受領と回答を速報の形式で処理できると共に、これら速報の依頼及び回答情報をデータベース21に登録することによって、正式な依頼受付と同様に、後日、プラント運用管理会社11から検索や閲覧が可能となる。
【0060】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、原子力発電所などの大規模プラントサイトを対象として、保全サービス会社から遠隔で適正に技術コンサルティング・サービスを提供することが可能となる。これによって、プラント運用管理会社は、プラントの信頼性を維持しつつ保守費や修繕費等の削減を実現でき、保全サービス会社は、総合的な技術コンサルティング・サービスを提供することで収益をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る技術コンサルティング・サービスシステムの説明図であり、図1(a)は構成図、図1(b)は保全サービス会社におけるWebサーバのブロック構成図。
【図2】本発明の実施の形態におけるWebサーバの機能ブロック及びデータベースの詳細図。
【図3】本発明の実施の形態におけるプラント運用管理会社11と保全サービス会社との間の契約の説明図。
【図4】本発明の実施の形態におけるプラント運用管理会社と保全サービス会社との間で授受する情報の説明図。
【符号の説明】
11…プラント運用管理会社、12…保全サービス会社、13…インターネット、14…速報連絡通知手段、15…業務用パソコン、16…イントラネットワーク、17…Webサーバ、18…業務用パソコン、19…イントラネットワーク、20…Webサーバ、21…データベース、22…プラント運用処理手段、23…プラント運用管理手段、24…プラント運用通信手段、25…保全サービス通信手段、26…保全サービス管理手段、27…保全サービス対応処理手段、28…プラント運用情報登録手段、29…プラント運用受信・確認手段、30…プラント運用検索・照会手段、31…保全サービス情報登録手段、32…保全サービス受信・確認手段、33…保全サービス検索・照会手段
Claims (8)
- プラント運用管理会社からプラント運用に関する依頼情報をインターネットを介して保全サービス会社のデータベースに登録し、前記保全サービス会社は前記データベースに登録されたプラント運用管理会社からの依頼情報に対して保全サービスの回答情報を作成して前記データベースに格納し、プラント運用管理会社は前記データベースにアクセスすることにより回答情報を得る技術コンサルティング・サービスシステムであって、前記保全サービス会社は、前記プラント運用管理会社側で入力されたプラント運用に関する依頼情報の登録、前記依頼情報に対する回答情報の受信確認、前記データベースの検索照会の処理を行うプラント運用処理手段と、前記プラント運用処理手段で処理された内容につき前記プラント運用管理会社側での依頼承認の管理を行うプラント運用管理手段と、前記プラント運用管理手段からの依頼承認情報及び契約内容に基づいて前記依頼情報及び回答情報の管理を行い、少なくとも前記依頼情報を承認または未承認に区分して前記データベースに格納すると共に承認済みの依頼情報については前記保全サービス会社の関連部門にその依頼情報に対する回答情報の作成依頼を行い、作成された回答情報を取り纏めて前記データベースに格納する保全サービス管理手段と、前記保全サービス会社側で入力される前記依頼情報に対する回答情報の登録、前記依頼情報に対する回答情報の受信確認、前記データベースの検索照会の処理を行う保全サービス対応処理手段とを備えたことを特徴とする技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記プラント運用管理会社と前記保全サービス会社との間に前記データベースを介さずに依頼情報や回答情報を送受信する速報連絡通知手段を設け、前記速報連絡通知手段で依頼情報や回答情報を送受信したときは、前記速報連絡通知手段で受信した依頼情報及びその依頼情報に対する回答情報を前記データベースに登録することを特徴とする請求項1記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記プラント運用管理会社からのプラント運用に関する依頼情報は、技術的質問、依頼事項、技術者派遣、教育訓練、依頼内容や依頼方法に関する事前照会であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記保全サービス対応処理手段は、プラント運用費、修繕費、損失費を含めたコスト評価予測を提供することを特徴とする請求項1または請求項2記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記保全サービス管理手段は、前記プラント運用管理会社と前記保全サービス会社との契約内容に基づき、対象プラント、系統、機器の規模や数量に応じて定めた固定額の技術コンサルティング・サービス、依頼情報の1件毎に対して前記保全サービス会社にて検討にかかった作業費及び技術ノウハウの使用料を徴収する技術コンサルティング・サービス、依頼情報の件数によらず一定期間の一括固定額での技術コンサルティング・サービス、依頼情報のうち検討期間や技術課題を要する案件については、別途、案件別に定めた料金の技術コンサルティング・サービスを提供することを特徴とする請求項1または請求項2記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記保全サービス管理手段は、契約期間中に発生した技術コンサルティング・サービスについて、依頼情報の内容、依頼日時、回答書の内容、回答日、回答状況、回答作業の進捗状況、依頼情報の累積件数、累積課金状況の少なくとも一つ以上を前記データベースに格納し、契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲内で閲覧配信の許可を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記保全サービス管理手段は、技術者派遣や教育訓練の依頼について、技術者の派遣時期、担当名、作業内容を回答情報として、前記データベースに格納し、契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲内で閲覧配信の許可を行うことを特徴とする請求項3記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
- 前記プラント運用管理手段は、前記プラント運用管理会社が前記保全サービス会社に依頼情報を送信する場合に、前記プラント運用管理会社の依頼担当者からの依頼情報について前記プラント運用管理会社の責任者による依頼承認手続処理を行い、前記保全サービス会社から回答情報を受け取った場合に、回答情報を受け取った担当者による契約時における前記プラント運用管理会社の指定した開示許可範囲以外での回答情報の開示許可申請処理及び前記プラント運用管理会社の責任者による承認手続処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の技術コンサルティング・サービスシステム。
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