JP2004077334A - 計量器の寿命検出装置 - Google Patents

計量器の寿命検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機械部品の回転数、回数、動作スピード等の条件だけでなく、計量器の重量検出機能を寿命推定計算中に取り入れることによって、より正確に部品の寿命を推定する。
【解決手段】被計量物6の重量を計測するロードセル4eと、このロードセル4eによる計測値に基づきコンベアプーリ4fのベアリングの寿命を演算する演算処理装置12と、この演算処理装置12による演算値が寿命設定値に達したときに警報を発する警報器14を備える構成とする。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量器を構成する機械的構成要素の寿命を検出する計量器の寿命検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、機械部品、特に可動機械部品についてその寿命を推定することは、ユーザーがその機械部品の破損前にその寿命を知って部品交換等を行えることから、極めて意義のあることである。このため、従来から、例えば軸受等の回転部品や、曲げ荷重のかかる部品等においてその寿命を推定することが行われている。この場合、部品メーカが提供するカタログもしくは技術計算書等に基づき、回転部品であればその回転回数により、曲げ荷重のかかる部品であればその繰り返し回数により寿命推定もしくは寿命計算を行うようにされている。
【0003】
また、計量器の分野における寿命検出装置としては、本出願人の提案になる実開平5−81661号公報に開示されたものがある。この開示技術は、組合わせ秤におけるホッパーの寿命検出装置に係るもので、予めホッパーの寿命をゲート開閉回数によりホッパー毎の寿命設定表示器に設定し、ホッパー毎にゲート開閉回数をゲート開閉カウンターでカウントし、このカウントされるゲート開閉回数が設定値に達すると寿命警報出力装置から警報を発するように構成されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術ではいずれも、基本的には機械部品の回転数、稼動回数等のカウント値に基づいて寿命計算がなされており、またせいぜいその動作スピードを計算中に考慮して寿命計算がなされている程度であって、対象とする機械部品の運転条件が考慮されていないために、寿命推定が正確に行えないという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、機械部品の回転数、回数、動作スピード等の条件だけでなく、計量器の重量検出機能を寿命推定計算中に取り入れることによって、より正確に部品の寿命を推定することのできる計量器の寿命検出装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
本発明者らは、計量器が物品を計量する機能を有している点に着目し、計量器に使われている重量計測手段(重量センサ)の荷重情報を機械部品の寿命推定計算の中に取り入れるようにしたものである。
要するに、本発明による計量器の寿命検出装置は、前記目的を達成するために、
計量器を構成する機械的構成要素の寿命を検出する装置であって、
被計量物の重量を計測する重量計測手段と、この重量計測手段による計測値に基づき前記機械的構成要素の寿命を演算する寿命演算手段と、この寿命演算手段による演算値が寿命設定値に達したときに警報を発する警報手段を備えることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、被計量物の重量を計測する重量計測手段による計測値に基づき機械的構成要素の寿命が演算されるので、機械的構成要素の稼動回数等の条件のみならず、計量器の運転条件としての負荷重量に係る条件が考慮されて寿命推定演算がなされることになる。したがって、機械的構成部品の負荷条件によって変化するその機械的構成部品の寿命が正確に推定されることになり、部品の故障を未然に防ぐことが可能となって、機械の信頼性を格段に向上させることができる。しかも、計量器に本来備わっている重量検出機能を利用するだけで済むので、装置構成も簡易にできるという利点がある。
【0008】
本発明において、前記計量器は、被計量物を計量コンベアにて搬送しながらその被計量物の重量を計測する計量器であり、前記機械的構成要素は、前記計量コンベアのプーリに付設される転がり軸受であり得る。
【0009】
また、前記寿命演算手段は、前記転がり軸受に作用する軸受荷重を、前記計量コンベアに被計量物が乗り込む際に発生する平均荷重を加味して演算するとともに、この軸受荷重と基本動定格荷重とによって前記転がり軸受の寿命を演算するものであるのが好ましい。また、前記平均荷重は、前記計量コンベアに被計量物が乗り込む際に発生する変動荷重の最大値と、前記計量コンベアの搬送速度と、この搬送速度と被計量物の長さとにより決定される被計量物作動時間とにより求められ、前記軸受荷重は、前記平均荷重と、前記計量コンベアに被計量物が乗らない無負荷時の軸受荷重とを加算して求められるのが好ましい。さらに、前記寿命設定値は、前記計量コンベアの回転速度とその計量コンベアの稼動時間との積によって得られる計量コンベアの実累積回転数であるのが好ましい。こうすることで、被計量物が計量コンベアに乗り込む際に発生する正弦波状の荷重が平均荷重として演算され、かつその平均荷重が、計量コンベアに被計量物が乗り込む際に発生する変動荷重の最大値と、前記計量コンベアの搬送速度と、この搬送速度と被計量物の長さとにより決定される被計量物作動時間とにより求められるので、計量コンベアに加わる荷重以外に、計量コンベアの搬送速度および被計量物作動時間の変動の要素も反映して軸受荷重が演算されるので、より正確に寿命推定を行うことができる。
【0010】
本発明においては、前記計量器が、被計量物を計量コンベアにて搬送しながらその被計量物の重量を計測する計量器であり、前記機械的構成要素が、前記計量コンベアに連設される振り分けコンベアに付設されて被計量物を振り分けする振り分け装置であり得る。すなわち、本発明の技術思想は、計量器の周辺部品である振り分け装置の寿命推定にも適用することができ、さらには重量を検出する全ての種類の計量器(はかり)の周辺部品の寿命推定にも適用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による計量器の寿命検出装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1には、自動重量選別機に適用された本発明の一実施形態に係る寿命検出装置の正面図が示され、図2には、同寿命検出装置の平面図が示されている。
【0013】
本実施形態において、自動重量選別機1は、物品搬送方向の上流側から順に、搬送コンベア2、導入コンベア(送り込みコンベア)3、計量コンベア4および振り分けコンベア5が直列配置されてなり、被計量物(物品)6が計量コンベア4上を通過する際にその重量が計量されるように構成されている。
【0014】
前記計量コンベア4は、駆動モータ7によって駆動されるとともに、コンベアフレーム4aを支持する可動部4bと、ベース4cに支持される固定部4dとの間にロードセル(重量計測手段)4eが介挿されて構成され、このロードセル4eの歪みによってその計量コンベア4上に載置された被計量物の重量が計測されるように構成されている。また、この計量コンベア4の入口部には、投光器8aと受光器8bとよりなる光電子スイッチ8が設けられ、被計量物6がその光電子スイッチ8を横切ることによりその被計量物6の到来(載置)が検知されるようになっている。
【0015】
一方、前記振り分けコンベア5には、前記計量コンベア4にて計量された被計量物6の計量値が、予め設定されている適量、過量および軽量のうちのいずれの重量範囲にあるかを検出する検出信号に基づいてその被計量物6を振り分ける振り分け装置9が付設されている。この振り分け装置9は、図示されない駆動部により揺動軸10a,10b周りに揺動される一対のフリッパアーム11a,11bを備えている。そして、被計量物6の計量値が軽量範囲にあるときには、一方のフリッパアーム11aを二点鎖線で示す位置に揺動させて被計量物6を振り分けコンベア5の左側方へ振り分け、過量範囲にあるときには、他方のフリッパアーム11bを二点鎖線で示す位置に揺動させて被計量物6を振り分けコンベア5の右側方へ振り分け、適量範囲にあるときには、各フリッパアーム11a,11bを実線で示す位置に停止させて被計量物6を振り分けコンベア5の下流側へ搬送するように構成されている。
【0016】
次に、前述のように構成される自動重量選別機1において、計量コンベア4のコンベアプーリ4fに内蔵されるベアリング(転がり軸受)の寿命を推定する寿命検出装置について説明する。
【0017】
前記ベアリングの寿命検出は、マイクロコンピュータで構成される演算処理装置(寿命演算手段)12により行われる。この演算処理装置12は、図示されていないが、所定のプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、このプログラムおよび各種マップ等を記憶する読出し専用メモリ(ROM)と、このプログラムを実行するに必要なワーキングメモリおよび各種レジスタとしての書込み可能メモリ(RAM)と、このプログラム中の時間を計測するタイマを備えるとともに、各種スイッチおよびセンサからの信号に基づいて前記プログラムを実行して所定の演算処理を行うように構成されている。
【0018】
この演算処理を実行するために、前記演算処理装置12には、計量コンベア4のベルトスピードを検出するベルトスピード検出センサ13からのデータ、被計量物6が計量コンベア4上に載置されたことを検出する光電子スイッチ8からのデータ、駆動モータ7からの計量コンベア4の稼動時間に係るデータおよびロードセル4eからの被計量物6の重量値に係るデータ等が入力される。前記演算処理装置12は、これら各入力データに基づいて前記ベアリングの寿命演算を実行して、必要に応じて警報器(警報手段)14に警報信号を出力する。
【0019】
次に、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記ベアリングの寿命判定の処理手順について説明する。なお、記号Sはステップを示す。
【0020】
S1:ベルトスピード検出センサ13によって計量コンベア4のベルトスピードvを検出する。
S2:検出されたベルトスピード(搬送速度)v(v,v,v,…,v)と、予め入力されているコンベアプーリ4fのプーリ径dとにより式n=v/πdを用いて計量コンベア4の回転速度n(n,n,n,…,n)を演算する。
S3:駆動モータ7からのデータに基づき、計量コンベア4をONしてからの稼動時間Tと前記回転速度nとの積n・Tによって計量コンベア4の実累積回転数Nを演算する。
【0021】
S4:計量コンベア4が被計量物6を載置して搬送している時間、言い換えれば計量コンベア4の作動時間t(t1,t2,t3,…,tn)を式t=v/Laによって演算する。ここで、Laは、被計量物6の搬送長さであって、光電子スイッチ8からの入力信号より得られる。
S5:ロードセル4eからの被計量物6の重量値に係るデータから、変動荷重の最大値Fmax(Fmax,Fmax,Fmax,…,Fmaxn)を検出する。ところで、この種の自動重量選別機1において、コンベアプーリ4fに内蔵されるベアリングに加わる荷重(軸受荷重)は、通常のコンベア自身の自重による負荷および伝導力による負荷以外に、コンベア上へ被計量物6が乗り移る際に発生する負荷を含んでおり、この荷重Fは図4に示されるように正弦波的に変化する。なお、図4において記号Fmは被計量物6の乗り込みによる平均荷重であって、式Fm≒0.65Fmaxによって近似される。
【0022】
S6:被計量物6は計量コンベア4上に順次載置されるので、コンベアプーリ4fのベアリングには繰り返し荷重が作用する。この場合のn回の乗り込みによる平均荷重Fmを数1によって演算する。
【数1】
Figure 2004077334
S7:軸受荷重Pを次式によって演算する。
P=F+Fm
ここで、Fは被計量物6の乗り込み以外の通常の軸受荷重である。
【0023】
S8:転がり軸受の基本動定格荷重C、軸受荷重Pおよび定格疲れ寿命L(10回転単位)との間には次式の関係がある。
L=(C/P)
したがって、この式に前ステップS7にて得られた軸受荷重Pを代入すると、自動重量選別機1において荷重が変動した場合のベアリングの推定寿命Lを得ることができる。こうして得られた推定寿命Lの値は、荷重データのほか、コンベアの回転速度nおよび作動時間tの変動の要素も反映されているので、より正確な推定値である。
【0024】
S9〜S10:得られた推定寿命Lを、当該自動重量選別機1の納入時からのベアリング回転の積算回数、すなわちステップS3にて演算された実累積回転数Nと比較し、この実累積回転数Nが推定寿命Lを越えた(N>L)とき、警報器14に信号を出力して警報(表示もしくは音声)を発してユーザに部品の交換時期を知らせる。なお、実累積回転数Nが推定寿命L以下の場合にはステップS1に戻る。
【0025】
本実施形態の寿命検出装置によれば、自動重量選別機1が本来持っている重量検出機能を利用して、計量コンベア4の稼動回数の条件のみならず、負荷重量に係る条件が考慮されて寿命推定演算がなされるので、負荷条件によって変化する計量コンベア4のベアリング寿命を正確に推定することができ、部品の故障を未然に防ぐことが可能となって、機械の信頼性を格段に向上させることができる。
【0026】
本実施形態では、計量コンベア4のコンベアプーリ4fに内蔵されるベアリング寿命を推定するものについて説明したが、前記ロードセル4eからの被計量物6の重量値に係るデータを利用して振り分け装置9のフリッパアーム11a,11bの寿命の推定を行うこともできる。
【0027】
図5には、この振り分け装置のフリッパアームの寿命判定における処理手順が示されている。なお、記号Tはステップを示す。以下、このフローについて説明する。
【0028】
T1:フリッパアーム11a,11bの累積作動回数Nを検出する。
T2:ロードセル4eからの被計量物6の重量値に係るデータから、フリッパアーム11a,11bの作動時毎の被計量物6の最大重量値Fを検出する。
T3:作動回数n回における平均重量値Fmを数2によって演算する。
【数2】
Figure 2004077334
【0029】
T4:フリッパアーム11a,11bに加わる荷重Puを次式によって演算する。
Pu=F+Fm
【0030】
T5:フリッパアーム11a,11bの基本動定格荷重C、荷重Puおよび定格疲れ寿命Lu(10回転単位)との間には次式の関係がある。
Lu=(C/Pu)
したがって、この式に前ステップT4にて得られた荷重Puを代入すると、荷重が変動した場合のフリッパアーム11a,11bの推定寿命Luを得ることができる。
【0031】
T6〜T7:得られた推定寿命Luを、ステップT1にて検出された累積作動回数Nと比較し、この累積作動回数Nが推定寿命Luを越えた(N>Lu)とき、警報器14に信号を出力して警報(表示もしくは音声)を発してユーザに部品の交換時期を知らせる。なお、累積作動回数Nが推定寿命Lu以下の場合にはステップT1に戻る。
【0032】
本実施形態における寿命検出装置は、計量器が被計量物の重量を検出するという基本機能を利用したものである。したがって、本発明の寿命検出の概念は、前述のようにコンベアプーリ4fのベアリング寿命や、振り分け装置9のフリッパアーム11a,11bの寿命以外に、重量を検出している全ての種類の計量器(はかり)の周辺部品の寿命推定に適用することができる。例えば前記自動重量選別機1の消耗部品としてのベルトのほか、組合わせ秤における計量ホッパーの開閉動作による寿命推定、供給ホッパーの寿命推定、更にはその上流の直進フィーダの寿命推定等といった、計量器を構成する機械的構成要素の寿命推定を、計量ホッパーで計量した重量の情報に基づいて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、自動重量選別機に適用された本発明の一実施形態に係る寿命検出装置の正面図である。
【図2】図2は、本実施形態の寿命検出装置の平面図である。
【図3】図3は、ベアリングの寿命判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、被計量物が計量コンベアに乗り移る際の荷重の変化する様子を示すグラフである。
【図5】図5は、振り分け装置のフリッパアームの寿命判定の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1       自動重量選別機
4       計量コンベア
4e      ロードセル
5       振り分けコンベア
6       被計量物
7       駆動モータ
8       光電子スイッチ
9       振り分け装置
11a,11b フリッパアーム
12      演算処理装置
13      ベルトスピード検出センサ
14      警報器

Claims (6)

  1. 計量器を構成する機械的構成要素の寿命を検出する装置であって、
    被計量物の重量を計測する重量計測手段と、この重量計測手段による計測値に基づき前記機械的構成要素の寿命を演算する寿命演算手段と、この寿命演算手段による演算値が寿命設定値に達したときに警報を発する警報手段を備えることを特徴とする計量器の寿命検出装置。
  2. 前記計量器が、被計量物を計量コンベアにて搬送しながらその被計量物の重量を計測する計量器であり、前記機械的構成要素が、前記計量コンベアのプーリに付設される転がり軸受である請求項1に記載の計量器の寿命検出装置。
  3. 前記寿命演算手段は、前記転がり軸受に作用する軸受荷重を、前記計量コンベアに被計量物が乗り込む際に発生する平均荷重を加味して演算するとともに、この軸受荷重と基本動定格荷重とによって前記転がり軸受の寿命を演算するものである請求項2に記載の計量器の寿命検出装置。
  4. 前記平均荷重は、前記計量コンベアに被計量物が乗り込む際に発生する変動荷重の最大値と、前記計量コンベアの搬送速度と、この搬送速度と被計量物の長さとにより決定される被計量物作動時間とにより求められ、前記軸受荷重は、前記平均荷重と、前記計量コンベアに被計量物が乗らない無負荷時の軸受荷重とを加算して求められる請求項3に記載の計量器の寿命検出装置。
  5. 前記寿命設定値は、前記計量コンベアの回転速度とその計量コンベアの稼動時間との積によって得られる計量コンベアの実累積回転数である請求項1〜4のいずれかに記載の計量器の寿命検出装置。
  6. 前記計量器が、被計量物を計量コンベアにて搬送しながらその被計量物の重量を計測する計量器であり、前記機械的構成要素が、前記計量コンベアに連設される振り分けコンベアに付設されて被計量物を振り分けする振り分け装置である請求項1に記載の計量器の寿命検出装置。
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