JP2004074664A - 熱転写プリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、サーマルヘッドを小さなストロークでヘッドダウンさせることができると共に、ヘッドダウンさせたサーマルヘッドをプラテンローラに均一に圧接して高印字品質の印刷が可能な熱転写プリンタを提供すること。
【解決手段】第1と第2のレバー部材12、13は、一端部12a、13aと他端部12b、13bとの間の軸支部14により交叉状に組み合わされ、一端部12a、13aがフレーム2に取り付けた取付板8に支持され、他端部12b、13bがヘッド取付台5側に支持され、ヘッドアップ状態のヘッド取付台5を押圧部材11を回転駆動させて押圧することにより、第1と第2のレバー部材12、13が軸支部14を支点として回動して、交叉状に組み合わせた交叉角度αが小さくなると共に、ヘッド取付台5が降下してサーマルヘッド4がヘッドダウンするようにした。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷情報に基づいてサーマルヘッドの複数の発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクリボンのインクを記録用紙に熱転写して印刷を行うのに好適な熱転写プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来提案されている熱転写プリンタを図5に基づいて説明すると、従来の熱転写プリンタ51は、フレーム52の底板52aの図示右側には、用紙案内板52bが傾斜状に切り起こし形成されている。
そして、記録用紙53が給紙ローラ(図示せず)によって給紙されて、用紙案内板52b上を矢印A方向に搬送可能になっている。
また、矢印Aの搬送方向における用紙案内板52bより下流側には、回転自在のプラテンローラ54がフレーム52の側板52cに軸支されている。
【0003】
また、後述するサーマルヘッド59をプラテンローラ54から接離可能に支持するヘッド支持機構55は、側板52cの図示右側に形成した回動支点56と、この回動支点56を支点として図示上方側に回動自在のヘッドレバー57と、このヘッドレバー57の図示左端部側に取り付けたヘッド取付台58とで構成され、このヘッド取付台58の下面には、ラインサーマルヘッドからなる紙面に対して直交する方向に長尺状のサーマルヘッド59が取り付けられている。
このサーマルヘッド59は、プラテンローラ55と対向する側の印刷面に、複数の発熱素子(図示せず)が整列形成されている。
そして、ヘッド支持機構55は、回動支点56を支点としてヘッドレバー57を上下方向に回動させることにより、ヘッド取付台58を介してサーマルヘッド59がヘッドアップ/ダウンしてプラテンローラ55に接離可能になっている。
【0004】
また、記録用紙53の矢印Aの搬送方向におけるプラテンローラ54より下流側近傍には、回転駆動可能な紙送りローラ60と、この紙送りローラ60に圧接する圧接ローラ61とが配設されている。
また、ヘッドアップ状態におけるプラテンローラ54とサーマルヘッド59との間には、インクリボン63が引き回しされている。このインクリボン63は、リボンカセット64に収納されて、両端部が巻取りコア65と供給コア66とに巻回されている。そして、リボンカセット64は、フレーム52内部に形成したカセット装着部(図示せず)に装着可能になっている。
【0005】
また、カセット装着部には、部巻取りコア65が係合可能な巻取りボビン67と、供給コア66が係合可能な供給ボビン68とが、フレーム52の一方の側板52cに片持ち支持されて立設されている。
また、記録用紙54の矢印Aの搬送方向における巻取りコア65より下流側には、印刷後の記録用紙53を排紙可能な排紙ローラ69が配設されている。
また、供給コア66から巻取りコア65に巻取りされるインクリボン63がローラ支持ケース62に接触しないように、インクリボン63の巻取り径路を略直角状に折り曲げるためのピンチローラ71が、ローラ支持ケース62の上方に配設されている。
【0006】
前述したような従来の熱転写方式ラインプリンタ51の印刷動作を説明すると、巻取りコア65供給コア66を、巻取りボビン67供給ボビン68に係合させて、リボンカセット64をカセット装着部に装着した後、ヘッドレバー57を上方に回動させてサーマルヘッド59をヘッドアップさせた状態において、サ−マルヘッド59とプラテンローラ54との間に記録用紙53を給紙する。
そして、記録用紙53の先端部を紙送りローラ60と圧接ローラ61とに狭持した状態で、サーマルヘッド59をヘッドダウンさせて、印刷情報に基づいてサーマルヘッド59の発熱素子を選択的に発熱させると共に、紙送りローラ60を反時計回り方向に回転させて、記録用紙53を矢印A方向に搬送することにより、記録用紙53に所望の色の画像が印刷される。
また、印刷後の記録用紙53は、排紙ローラ69の反時計回り方向の回転で外部に排紙される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来の熱転写プリンタ51は、ヘッド支持機構55のヘッドレバー57が、供給ボビン68側のリボンカセット64を逃げるように大きく湾曲形成していたので、サーマルヘッド59をヘッドアップさせるときのストロークが大きくなり、フレーム52の高さ寸法、及び奥行き寸法が大きくなる問題があった。
この対策として、図示を省略するが、円柱状のガイドポストにヘッド取付台に形成したガイド孔を嵌合させて、ヘッド取付台を垂直方向に上下動自在に支持するヘッド支持構造もあるが、このようなヘッド支持構造は、例えばガイドポストとガイド孔とを高精度に位置合わせしなければ、ヘッド取付台をスムーズに上下動させることができず、組立性が悪かった。
本発明は、前述したような問題点に鑑みてなされたもので、サーマルヘッドを小さなストロークでヘッドダウンさせることができると共に、ヘッドダウンさせたサーマルヘッドをプラテンローラに均一に圧接して高印字品質の印刷が可能な熱転写プリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の熱転写プリンタは、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、このサーマルヘッドを内部に配設したフレームと、前記サーマルヘッドを固着したヘッド取付台と、このヘッド取付台を昇降自在に支持可能なヘッド支持機構と、このヘッド支持機構で昇降する前記サーマルヘッドがヘッドアップ/ダウン可能なプラテンローラとを備え、
前記ヘッド支持機構は、前記ヘッド取付台を昇降自在に前記フレーム側に懸架する第1と第2のレバー部材と、前記ヘッド取付台を押圧することにより前記サーマルヘッドを前記ヘッドダウン操作可能な押圧部材とを有し、
前記第1と第2のレバー部材は、一端部と他端部との間の軸支部により交叉状に組み合わされ、一端部が前記フレームに取り付けた取付板に支持され、他端部が前記ヘッド取付台側に支持され、
前記ヘッドアップ状態の前記ヘッド取付台を前記押圧部材で押圧することにより、前記第1と第2のレバー部材が前記軸支部を支点として回動して、前記交叉状に組み合わせた交叉角度が小さくなると共に、前記ヘッド取付台が降下して前記サーマルヘッドが前記ヘッドダウンするようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決するための第2の解決手段として、前記ヘッド取付台は、前記プラテンロ−ラと対抗する一方の面に前記サーマルヘッドを固着すると共に、他方の面に前記押圧部材が押圧可能な圧接板を配設し、この圧接板は、前記ヘッド取付台から離れる方向に弾性付勢された状態で前記ヘッド取付台に保持され、
前記押圧部材が前記圧接板を押圧することにより、前記サーマルヘッドが前記プラテンローラに弾接するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、前記課題を解決するための第3の解決手段として、前記ヘッド取付台は、前記圧接板を前記弾性部材の弾性力に抗して保持可能な保持部材を固着し、この保持部材は、互いに対向する一対の側板で前記圧接板を保持し、前記第1と第2のレバー部材は、それぞれの前記他端部間の間隔が前記交叉角度の変化に連動して可変可能に前記一対の側板にそれぞれ係合支持したことを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を解決するための第4の解決手段として、前記第1レバー部材の前記他端部は、前記側板に形成した印刷時における記録用紙の搬送方向と平行な長孔状のスライド孔にスライド自在に係合支持され、前記第2レバー部材の前記他端部は、前記側板の前記搬送方向における前記長孔より上流側に形成した軸孔に回動自在に係合支持されていることを特徴とする。
【0012】
また、前記課題を解決するための第5の解決手段として、前記第1レバー部材の前記他端部は、前記昇降方向にガタ嵌合で前記長孔に係合支持されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第6の解決手段として、前記押圧部材は、回転軸に一体形成したカム部を有し、前記回転軸を回転させることにより、前記カム部が前記圧接板を押圧して前記サーマルヘッドが前記ヘッドダウンするようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の熱転写プリンタの実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の熱転写プリンタの要部断面図であり、図2は本発明に係わるヘッド支持機構を説明する斜視図であり、図3は本発明に係わるサーマルヘッドをヘッドダウンさせた斜視図であり、図4は本発明に係わる押圧部材の斜視図である。
【0015】
まず、本発明の実施の形態の熱転写プリンタ1は、図1に示すように、樹脂材料等からなるフレーム2は、互いに対向して一方の側板2aと他方の側板(図示せず)とが形成されている。
そして、フレーム2の略中央部下方には、円柱状のプラテンローラ3が一方の側板2aと他方の側板とに両持ち支持されて回転自在になっている。また、プラテンローラ3の上方には、プラテンローラ3に対して接離可能な横長状のラインヘッドからなるサーマルヘッド4が配設されている。
【0016】
このサーマルヘッド4は、図2に示すように、横長状のヘッド取付台5の下面側である一方の面に接着剤等で固着されている。また、ヘッド取付台5の上面側である他方の面には、ヘッド取付台5と同方向に横長状の保持部材6が固着されている。
この保持部材6は、長手方向の両端部が上方に折り曲げされて互いに対向して側板6a、6aが形成され、この側板6a、6aの上端部が互いに内向きに折り曲げられて、側板6a、6aが略コ字状に形成されている。
【0017】
また、それぞれの側板6a、6aの図示左側には、後述する記録用紙23の矢印Bの搬送方向と平行に長孔状のスライド孔6bが形成されている。
また、後述する記録用紙23の矢印Bの搬送方向におけるスライド孔6bより上流側に軸孔6cが形成されている。
前記ヘッド取付台5は、図2に示すような、ヘッド支持機構7によって昇降自在に支持されて、サーマルヘッド4がプラテンローラ3に対してヘッドアップ/ダウン可能になっている。
【0018】
前記ヘッド支持機構7は、フレーム2の上部中央に取り付け可能な取付板8を有し、この取付板8は、図2に示すように、サーマルヘッド4と平行方向に横長状に形成され、取付板8と対向する下方側には、ヘッド取付台5の保持部材6に上下動自在に保持された圧接板9が配設されている。
この圧接板9の2箇所には、後述する弾性部材10を支持するためのバネ受け凸部9a、9aが上方側に所定寸法突出して形成されている。
前記圧接板9は、バネ受け凸部9a、9aに支持した圧縮コイルバネからなる一対の弾性部材10により、保持部材6から離れる方向に付勢されると共に、保持部材6のコの字状の側板6a、6aによって上方への抜け止めがされて保持されている。
即ち、ヘッド取付台5に保持された圧接板9は、保持部材6を介してヘッド取付台5から離れる方向に付勢されている。
【0019】
また、ヘッド支持機構7の最上部の取付板8には、圧接板9を押圧可能な押圧部材11が配設されている。この押圧部材11は、図4に示すように、長尺状の回転軸11aと、この回転軸11aに圧入等により一体化されたカム状の外周面11bを有するカム部11cとからなっている。
そして、回転軸11aの両端部が取付板8に軸支されており、回転軸11aを回転駆動させると、外周面11bが圧接板9を押圧可能になっている。
このカム部11cの外周部11bが押圧板9を押圧して圧接板9が降下することにより、弾性部材10を介してヘッド取付台7が降下し、サーマルヘッド4がヘッドダウンしてプラテンローラ3に圧接するようになっている。
【0020】
また、ヘッド支持機構7は、ヘッド取付台5を昇降自在にフレーム2側の取付板8に懸架する第1と第2のレバー部材12、13が配設されている。この第1と第2のレバー部材12、13は、図示上部側の一端部12a、13aと、図示下部側の他端部12b、13bとの間の軸支部14により、交叉状に組み合わされている。
また、図2に示す第1と第2のレバー部材12、13は、図示右側の手前側の一組しか図示していないが、図示左側の奥側にも一組配設されて、二組の第1と第2のレバー部材12、13によってヘッド取付台5が懸架されている。
【0021】
そして、第1レバー部材12は、一端部12aが取付板8に回動自在に支持され、他端部12bが保持部材6の側板6aに形成した、長穴状のスライド孔6bにスライド自在に係合支持されている。また、スライド孔6bに係合支持された一端部12aは、昇降方向にガタ嵌合で支持されている。
また、軸支部14を交点として第1レバー部材12に対して交叉状に組み合わされた第2レバー部材13は、一端部13aが取付板8にスライド自在に支持され、他端部13bが矢印Bの後述する記録用紙23の搬送方向におけるスライド孔6bより上流側の軸孔6cに回動自在に係合支持されている。
【0022】
このような第1と第2のレバー部材12、13は、印刷開始前の初期状態において、一端部12a、13a間に配設した圧縮コイルバネ(図示せず)によって、一端部12a、13a間の間隔寸法が広がる方向に付勢され、図2に示す交叉角度αが広くなっている。
そのために、初期状態におけるヘッド取付台5は、第1と第2のレバー部材12、13の他端部12b、13bに懸架されて取付板8側に上昇状態になっており、この時のサーマルヘッド4は、プラテンローラ3から離間してヘッドアップ状態になっている。
【0023】
このような初期状態において、押圧部材11を回転駆動させて、カム部11cの外周面11bが圧接板9を押圧すると、弾性部材10を介してヘッド取付台5が降下して、サーマルヘッド4がヘッドダウンするようになっている。
このような構成のヘッド支持機構7は、取付板8に第1と第2のレバー部材12、13を介してヘッド取付台5が懸架されて状態で半製品として事前に組み立てられている。
そして、最上部の取付板8を、フレーム2にネジ(図示せず)等で取り付けるだけで、半製品としてのヘッド支持機構7をプリンタ1に組み付けることができ、組立性が良い。
【0024】
また、本発明の熱転写式ライプリンタ1は、図1に示すように、ヘッド支持機構7の右側には、棒状で回転自在の供給ボビン15が一方の側板2aに片持ち支持されて立設されている。また、ヘッド支持機構7の図示左側には、棒状で回転駆動可能な巻取りボビン16が、供給ボビン15と同様に一方の側板2aに片持ち支持されて立設されている。
このような供給ボビン15と巻取りボビン16とには、インクリボン(図示せず)をパンケーキ状に巻回した供給コアと巻取りコア(図示せず)とが、自由端状の先端部側から挿入して係合可能になっている。
【0025】
また、巻取りボビン16の図示左側には、回転駆動可能な紙送りローラ17と、この紙送りローラ17に圧接する回転自在の圧接ローラ18とが配設されており、後述する記録媒体23を矢印B方向に搬送可能になっている。
また、供給ボビン15の下部には、カム板19が配設されており、このカム板19は、図示左下方に延びる第1腕部19aと、図示右方向に延びる第2腕部19bとを有している。
【0026】
そして、カム板19が回動することにより、第1腕部19aの先端部19cが、カム板19の下部に配設した側面視の形状が略くの字状のレバー部材20を押圧可能になっている。
このレバー部材20は、図示左側の一端部20aを支点として図示右側の他端部20bが回動可能になっている。そして、図1に示すように、カム板19を回動させて先端部19cがレバー部材20の一端部20aから外れると、レバー部材20の他端部20bが上方側に回動可能になっており、
また、カム板19の第2腕部19bには、回転駆動可能なピックアップローラ21が回転駆動可能に軸支されている。
【0027】
また、ピックアップローラ21の下部のカセット収納部には、用紙カセット22が挿入されており、この用紙カセット22の内部には、複数枚の記録用紙23を載置した用紙載置板24が配設されている。
そして、カム板19を時計回り方向に回動させて、先端部19cがレバー部材20の一端部20aから外れると、レバー部材20は、一端部20aを支点として他端部20bが上方に回動し、他端部20bが用紙載置板24を上方に押し上げてピックアップローラ21側に上昇させるようになっている。
また、ピックアップローラ21は、下方の用紙載置板24側に降下するようになっている。
【0028】
このような構成の本発明の熱転写プリンタの印刷動作を図1〜図3に基づいて説明すると、まず、印刷開始前の初期状態におけるヘッド支持機構7は、図2に示すように、第1と第2のレバー部材12、13の交叉角度αが広くなって、サーマルヘッド4がプラテンローラ3から離間したヘッドアップ状態になっている。
このヘッドアップ状態のサーマルヘッド4とプラテンローラ3との間を、ピックアップローラ21の回転で記録用紙23を矢印B方向に搬送する。
そして、紙送りローラ17と圧接ローラ18とに狭持された記録用紙23の先端部23aを用紙検出センサ(図示せず)が検出すると、カム板19が反時計回り方向に回動し、ピックアップローラ21が記録用紙23から離間して上方に待避すると共に、カム板19の先端部19cがレバー部材20を押し下げる。
【0029】
このことにより、レバー部材20の他端部20bが下方に回動して用紙載置板24が降下し、紙送りローラ17まで搬送された記録用紙23は、ピックアップローラ21と用紙載置板24との圧接が解除される。
この状態で、ヘッド支持機構7の押圧部材11を回転駆動させてカム部11cが圧接板9を押圧して押し下げると、圧接板9と共にヘッド取付台5も降下して、図3に示すように、サーマルヘッド4がヘッドダウンして、記録用紙23及びインクリボン(図示せず)を介してプラテンローラに圧接する。
【0030】
この時の第1と第2のレバー部材12、13は、交叉角度αが小さくなって、第1レバー部材12の一端部12aが回動すると共に、保持部材6のスライド孔6bに支持された他端部12bがスライド移動する。また、第2レバー部材13の一端部13aが取付板8側をスライド移動すると共に、軸孔6bに支持された他端部13bが回動する。
即ち、ヘッドダウン時の第1レバー部材12の他端部12bは、第2レバー部材13の他端部13bに近づく方向にスライド移動すると共に、第2のレバー部材13の他端部13aは、第1レバー部材12の一端部12aに近づく方向にスライド移動する。
【0031】
また、保持部材6のスライド孔6bに係合支持された第1レバー部材12の他端部12bは、図示上下方向にガタ嵌合で支持されているので、図3に示すように、ヘッドダウンさせたサーマルヘッド4がプラテンローラ3に圧接後も、弾性部材10の付勢力に抗して、圧接板9を更に降下させることができる。
そのために、本発明の熱転写プリンタ1を組立時に、サーマルヘッド4とプラテンローラ3との高さ方向の平行度に若干ズレがあったとしても、この高さ方向の平行度のズレを吸収して、長尺状のサーマルヘッド4をプランテンローラ3に均一に圧接することができる。
【0032】
次に、サーマルヘッド4をプラテンローラ3に圧接した状態で、紙送りローラ17の回転で、記録用紙23が矢印B方向に搬送されると共に、インクリボンのインクが記録媒体13に熱転写されて、所望の色の画像が印刷される。
そして、印刷後の記録媒体13は、紙送りローラ7によてプリンタ1の外部に排紙される。
また、本発明の熱転写プリンタ1で、例えばカラー印刷を行う場合は、少なくともY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3原色の3色のインクが、順次繰り返し塗布されたマルチカラーインクリボンと称されるインクリボン(図示せず)を用いる。
そして、最初の第1の印刷動作で、紙送りローラ17と圧接ローラ18とに圧接狭持した記録媒体23を矢印b方向に搬送しながら、例えばY(イエロー)の色の画像を記録媒体23に印刷する。
【0033】
このY(イエロー)の色の画像印刷が終わると、押圧部材11を逆転させてサーマルヘッド4をヘッドアップさせて初期状態に復帰させると共に、紙送りローラ17を時計回り方向に反転させ、記録媒体6を矢印Bと反対方向に搬送して戻す。
そして、第2の印刷動作で、Y(イエロー)の色の画像の上に、M(マゼンタ)の色の画像を重ね印刷する。
次に、第3の印刷動作で、M(マゼンタ)の色の画像の上に、第2の印刷動作と同じ動作で、C(シアン)の色のインクを重ね印刷することにより、所望の色からなるカラー画像を記録媒体6に印刷することができる。
【0034】
そして、記録媒体23に所望の画像を印刷後、押圧部材11を逆転させて圧接板9を上昇させると、第1と第2のレバー部材12、13の交叉角度αが広がる。
このことにより、ヘッド取付台5が上昇して、サーマルヘッド4がプラテンローラ3から離間してヘッドアップし、サーマルヘッド4を初期状態に復帰させることができる。
【0035】
本発明の実施の形態の説明では、押圧部材11を回転駆動可能なもので説明したが、押圧部材は、傾斜状のカム部材(図示せず)からなり、このカム部材をスライドさせて圧接板9を昇降させるようにしたものでも良い。
また、第1と第2のレバー部材12、13は、一端部12aと端部13bとを回動自在に支持し、他端部12bと一端部13aとをスライド移動自在に支持したもので説明したが、それぞれの一端部12a、13a、及び他端部12b、13bを、それぞれスライド自在に係合支持したものでも良い。
また、第1と第2のレバー部材12、13は、一端部12aと端部13bとをスライド移動自在に係合支持し、他端部12bと一端部13aとを回動自在に支持したものでも良い。
また、弾性部材10は、弾性変形可能なゴム部材でも良い。
【0036】
【発明の効果】
本発明の熱転写プリンタは、ヘッドアップ状態のヘッド取付台を押圧部材で押圧することにより、第1と第2のレバー部材が軸支部を支点として回動して、交叉状に組み合わせた交叉角度が小さくなると共に、ヘッド取付台が降下してサーマルヘッドがヘッドダウンするようにしたので、サーマルヘッドをプラテンローラに対して平行状態で昇降させることができ、長尺状のサーマルヘッドをプランテンローラに均一に圧接することができる。
そのために、記録用紙にインクリボンのインクを均一に熱転写でき、高品質の画像印刷が可能な熱転写プリンタを提供できる。
また、ヘッド支持機構を半製品として事前に組立することができ、組立性の良い熱転写プリンタを提供できる。
【0037】
また、押圧部材が圧接板を押圧することにより、サーマルヘッドがプラテンローラに弾接するようにしたので、弾性部材の付勢力をプラテンローラに圧接するサーマルヘッドに確実に伝達して、均一な圧接ができる。
【0038】
また、保持部材は、互いに対向する一対の側板で圧接板を保持し、第1と第2のレバー部材は、それぞれの他端部間の間隔が交叉角度の変化に連動して可変可能に一対の側板にそれぞれ係合支持したので、第1と第2のレバー部材の交叉角度の変化に連動して、ヘッド取付台を昇降させることができ、サーマルヘッドを確実にヘッドアップ/ダウンすることができる。
【0039】
また、第1レバー部材の他端部は、側板に形成した印刷時における記録用紙の搬送方向と平行な長孔状のスライド孔にスライド自在に係合支持され、第2レバー部材の他端部は、側板の搬送方向における長孔より上流側に形成した軸孔に回動自在に係合支持されているので、第1と第2のレバー部材の交叉角度の変化に連動して、ヘッド取付台を確実に昇降させることができる。
【0040】
また、第1レバー部材の他端部は、昇降方向にガタ嵌合で長孔に係合支持されているので、サーマルヘッドがプラテンローラの圧接後も圧接板を押圧して降下させることができる。
そのために、サーマルヘッドとプラテンローラとの高さ方向の平行度にズレがあっても、このズレを吸収して、サーマルヘッドをプランテンローラに更に均一に圧接することができる。
【0041】
また、押圧部材は、回転軸に一体形成したカム部を有し、回転軸を回転させることにより、カム部が圧接板を押圧してサーマルヘッドがヘッドダウンするようにしたので、押圧部材の小さな回転トルクで、プラテンローラに圧接するサーマルヘッドに大きな圧接圧を伝達することができ、押圧部材を回転駆動するモータ等の駆動源を小さくて低コストのものを使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する熱転写プリンタの要部断面図である。
【図2】本発明に係わるヘッド支持機構を説明する斜視図である。
【図3】本発明に係わるサーマルヘッドをヘッドダウンさせた斜視図である。
【図4】本発明に係わる押圧部材の斜視図である。
【図5】従来の熱転写プリンタの要部断面図である。
【符号の説明】
1 本発明の熱転写プリンタ
2a 一方の側板
3 プラテンローラ
4 サーマルヘッド
5 ヘッド取付台
6 保持部材
7 ヘッド支持機構
8 取付板
9 圧接板
10 弾性部材
11 押圧部材
11c カム部
12 第1レバー部材
13 第2レバー部材
14 軸支部
15 供給ボビン
16 巻取りボビン
17 紙送りローラ
18 圧接ローラ
21 ピックアップローラ

Claims (6)

  1. 複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、このサーマルヘッドを内部に配設したフレームと、前記サーマルヘッドを固着したヘッド取付台と、このヘッド取付台を昇降自在に支持可能なヘッド支持機構と、このヘッド支持機構で昇降する前記サーマルヘッドがヘッドアップ/ダウン可能なプラテンローラとを備え、
    前記ヘッド支持機構は、前記ヘッド取付台を昇降自在に前記フレーム側に懸架する第1と第2のレバー部材と、前記ヘッド取付台を押圧することにより前記サーマルヘッドを前記ヘッドダウン操作可能な押圧部材とを有し、
    前記第1と第2のレバー部材は、一端部と他端部との間の軸支部により交叉状に組み合わされ、一端部が前記フレームに取り付けた取付板に支持され、他端部が前記ヘッド取付台側に支持され、
    前記ヘッドアップ状態の前記ヘッド取付台を前記押圧部材で押圧することにより、前記第1と第2のレバー部材が前記軸支部を支点として回動して、前記交叉状に組み合わせた交叉角度が小さくなると共に、前記ヘッド取付台が降下して前記サーマルヘッドが前記ヘッドダウンするようにしたことを特徴とする熱転写プリンタ。
  2. 前記ヘッド取付台は、前記プラテンロ−ラと対抗する一方の面に前記サーマルヘッドを固着すると共に、他方の面に前記押圧部材が押圧可能な圧接板を配設し、この圧接板は、前記ヘッド取付台から離れる方向に弾性付勢された状態で前記ヘッド取付台に保持され、
    前記押圧部材が前記圧接板を押圧することにより、前記サーマルヘッドが前記プラテンローラに弾接するようにしたことを特徴とする請求項1記載の熱転写プリンタ。
  3. 前記ヘッド取付台は、前記圧接板を前記弾性部材の弾性力に抗して保持可能な保持部材を固着し、この保持部材は、互いに対向する一対の側板で前記圧接板を保持し、前記第1と第2のレバー部材は、それぞれの前記他端部間の間隔が前記交叉角度の変化に連動して可変可能に前記一対の側板にそれぞれ係合支持したことを特徴とする請求項1または2記載の熱転写プリンタ。
  4. 前記第1レバー部材の前記他端部は、前記側板に形成した印刷時における記録用紙の搬送方向と平行な長孔状のスライド孔にスライド自在に係合支持され、前記第2レバー部材の前記他端部は、前記側板の前記搬送方向における前記長孔より上流側に形成した軸孔に回動自在に係合支持されていることを特徴とする請求項3記載の熱転写プリンタ。
  5. 前記第1レバー部材の前記他端部は、前記昇降方向にガタ嵌合で前記長孔に係合支持されていることを特徴とする請求項4記載の熱転写プリンタ。
  6. 前記押圧部材は、回転軸に一体形成したカム部を有し、前記回転軸を回転させることにより、前記カム部が前記圧接板を押圧して前記サーマルヘッドが前記ヘッドダウンするようにしたことを特徴とする請求項2乃至5のいずかに記載の熱転写プリンタ。
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