JP4105337B2 - タグプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタグプリンタに係り、特に糸付き単葉タグ(以下、タグと称す)にバーコード等の印字データを印字するタグプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料品や装飾品には、一般に値札又はファッション札として糸付き単葉タグが取り付けられている。糸付き単葉タグは、糸によって衣料品等に吊り下げられ、その表面にはバーコードや値段等の情報が印字されている。
【0003】
このようなタグは、タグプリンタによって一枚ずつ印字される。従来のタグプリンタは、まず、多数枚の積層されたタグをホッパー装置によって位置決めし、位置決めされたタグを下側のタグから順に繰り出して印字部まで移送し、印字部で印字している。
【0004】
前記ホッパー装置は、ホッパー本体と、ホッパー本体に支持された一対のタグガイドとから構成される。ホッパー本体は、タグプリンタ本体にタグの幅方向にスライド自在に設けられ、タグの幅方向の位置決めを行う。また、一対のタグガイドは、タグのピッチ方向に対向して配設されるとともに、タグのピッチ方向にスライド自在に設けられている。タグをピッチ方向に位置決めする場合、一方のタグガイド(基準側タグガイド)を固定して基準面を形成した後、他方のタグガイド(可動側タグガイド)をピッチ方向にスライドさせる。そして、基準側タグガイドの基準面にタグの一方端を当接させながら前記タグの他方端に可動側タグガイドを当接させて、タグをピッチ方向に位置決めしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタグプリンタは、タグの印字位置を調節する際にその印字位置に合わせて基準面の位置を調節しなければならないが、基準側タグガイドのスライド操作によって、例えば0.5mm単位の微調節を正確に行うことは困難であった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、タグを位置決めするための基準面を正確に微調節することのできるタグプリンタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、積層されたタグの対向する一対の端部のうちの一方を基準側タグガイドに当接させるとともに、他方の端部に可動側タグガイドを当接させて、前記タグの位置決めを行う位置決め手段を備えたタグプリンタにおいて、前記基準側タグガイドは、回動自在に設けられるとともにその回動軸に対して異なる距離に複数の側面が形成された柱状部材によって構成され、該柱状部材を回動させることにより前記タグの一方の端部を当接させる側面が選択されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、柱状部材の回動軸からそれぞれ異なる距離に複数の側面を形成するとともに、該柱状部材を回動させて基準面とする側面を選択するので、例えば回動軸からの距離が0.5mm単位で異なるように複数の側面を形成すると、柱状部材を回動させるだけで基準面の位置を0.5mm単位で簡単且つ正確に調節することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係るタグプリンタの好ましい実施の形態について詳説する。
【0010】
図1は、本発明に係るタグプリンタの実施の形態の構成を示す正面図である。同図に示すように、本実施の形態のタグプリンタ10は、主としてタグ12の表面に所定の印字データを印字する印字部14と、タグ12が収納される収納部16と、収納部16に収納されたタグ12を印字部14に供給するタグ供給部18とから構成されている。
【0011】
印字部14は、サーマル印字ヘッド20とプラテンローラ22とを備えており、このサーマル印字ヘッド20とプラテンローラ22との間に供給されたタグ12の表面に図示しない熱転写カーボンリボンを用いて所定の印字データを印字する(タグ12が発熱色式の場合は、熱転写カーボンリボンは不要。)。
【0012】
なお、この印字部14はタグ12の供給方向と直交する方向にタグ12を送って印字する。この結果、図1において横方向から供給されるタグ12は(図中右から左方向に供給される)、印字部14で印字されながら正面方向に繰り出されることとなる。
【0013】
収納部16は、前記印字部14と並列して配置されており、多数枚のタグ12が積層された状態で収納される。この収納部16は、タグ12が載置される固定ステージ24を有している。
【0014】
固定ステージ24は弾性体(例えばポリエチレンテレフタレート)によって板状(いわゆる板バネ状)に形成されている。この固定ステージ24は、一端(図1において右端)がベースプレート46上に固定され、ベースプレート46よりも高い位置でタグ12を支持する。また、固定ステージ24には、図2に示すように、タグ12の供給方向に沿って後述する吸着パッド50、50、50の通路24A、24A、24Aが形成されている。この固定ステージ24は、前述したように弾性体で形成されているため支持部を支点にして柔軟に撓むことができる。
【0015】
固定ステージ24の左側には側板26が垂直に立設されており、この側板26にタグ12の側縁部が押し当てられることにより、タグ12の幅方向の位置決めがなされる。
【0016】
側板26の下部には、図1に示すようにタグ12が通過するゲート28が形成されている。ゲート28の上部には、ゴム製の重送防止プレート30が取り付けられており、この重送防止プレート30が、ゲート28を通過するタグ12の上面に接触することにより、重送が防止される。
【0017】
一方、固定ステージ24の右側にはホッパー装置32が設けられている。ホッパー装置32は、図2、図3及び図4に示すように、ホッパー本体34と、ホッパー本体34に取り付けられた基準側タグガイド36及び可動側タグガイド38とから構成される。
【0018】
ホッパー本体34は、タグ12の幅方向に設けられた一対のシャフト37、37にガイドブロック39、39を介してスライド自在に設けられ、ローレットネジ35によって固定される。このホッパー本体34の側面には、横幅調整板42が設けられており、ホッパー本体34とともにタグ12の幅方向にスライドすることができる。したがって、ホッパー本体34をタグ12の幅方向にスライドさせると、横幅調整板42がタグ12の端縁に当接し、タグ12を幅方向に位置決めすることができる。
【0019】
前記横幅調整板42は、ホッパー本体34の内部に上下方向に設けられた一対のシャフト41、41(図4にのみ図示)に一対の摺動子40、40を介して上下方向にスライド自在に支持されている。この横幅調整板42の下部には、昇降ステージ42Aが設けられており、横幅調整板42とともに昇降することができる。昇降ステージ42Aは、タグ12の形状(反り)に応じて昇降され、吸着パッド50で吸着される部分のタグ12が水平になるように高さ調節される。高さ調節された昇降ステージ42Aは、化粧ネジ43を締め込むことによってホッパー本体34に固定される。
【0020】
前記一対の摺動子40、40には、一対のシャフト44、44がタグ12のピッチ方向に且つ水平に架設されている。この一対のシャフト44、44に可動側タグガイド38がスライダー45を介してスライド自在に支持されている。これにより、可動側タグガイド38をタグ12のピッチ方向にスライドさせることができる。また、可動側タグガイド38は、支持部材47、シャフト48、及びガイド板49から構成されている。支持部材47は、前記スライダー45の上部に取り付けられ、この支持部材47にシャフト48が垂直に取り付けられている。ガイド板49は、凸部49A、49Aに垂直方向の貫通孔(図示せず)が形成され、この貫通孔にシャフト48が挿通される。これにより、ガイド板49を上下方向にスライドさせることができる。
【0021】
ガイド板49の先端側(図2及び図3において左側)の下端部にはテーパ部53が形成されている。したがって、可動側タグガイド38をホッパー本体34とともに図3の矢印51方向にスライドさせると、前記テーパ部53が固定ステージ24に当接する。そして、ガイド板49は、テーパ部53に沿って上方にスライドし、図3の点線に示すように固定ステージ24の上方に乗り上げる。このように、可動側タグガイド38は、固定ステージ24に規制されることなくスライドすることができる。
【0022】
一方、基準側タグガイド36は、横幅調整板42の手前側に配設され、図5に示すように、多角柱部材(柱状部材に相当)84と支持部材86とから構成される。支持部材86は、多角柱部材84を回動自在に支持するとともに、図4に示したスケール88に取付部86Dを介して取り付けられている。スケール88は、前記摺動子40にタグ12のピッチ方向にスライド自在に支持され、ノブ90を締め込むことにより固定される。これにより、基準側タグガイド36をタグ12のピッチ方向にスライドすることができるとともに、そのスライド量をスケール88によって計測することができる。
【0023】
前記多角柱部材84は、6角柱状に形成され、円柱状の軸芯92が貫通して取り付けられている。この軸芯92の下端部は、支持部材86の下部に形成された円孔86Aに挿入され、また、軸芯92の上端部は、支持部材86の上部に設けられた溝86Bに係合される。さらに、軸芯92は、支持部材86に取り付けられたC字状の板ばね86Cに嵌合され、図5の矢印94方向に付勢される。これにより、多角柱部材84は、支持部材86によって回動自在に支持される。なお、そのときの回動軸84Gは鉛直に形成される。さらに、多角柱部材84の上部には、正六角柱状に形成された位置決め部材96が設けられる。この位置決め部材96の側面が前記支持部材86の側面に当接することにより、多角柱部材84は、所定の位置、即ち多角柱部材84の側面の一つが基準面を形成する位置に保持される。また、前記軸芯92の上端には、回動ツマミ98が取り付けられ、この回動ツマミ98を回動することにより前記多角柱部材84が回動される。回動ツマミ98の上面には、図7に示すように、側面(基準面)の相互の位置関係を示す指標99が形成されている。
【0024】
多角柱部材84は、図6に示すように、各側面84A〜84Fが回動軸84Gと平行に(即ち鉛直に)形成されるとともに、各側面84A〜84Fから回動軸84Gまでの距離a、b、c、d、e、fがそれぞれ異なる長さで形成される。距離a〜fは、例えば0.5mm間隔で徐々に大きくなるように形成される。したがって、回動軸84Gを中心に多角柱部材84を60度ずつ回動させると、側面84A〜84Fの何れかがタグ12の端縁が当接する基準面を形成し、その基準面は、0.5mm単位で異なる位置に形成される。例えば、側面84Cが形成する基準面と側面84Bが形成する基準面とを比較すると、距離cと距離bとが0.5mmほど異なるので、側面84Cと側面84Bとは0.5mmほど異なる位置に基準面を形成する。このように、各側面84A〜84Fは、多角柱部材84を回動することにより、0.5mm単位で異なる位置に基準面を形成する。なお、前述した回動ツマミ98の指標99は、図7に示したように、側面84A〜84Fの何れか、例えば側面84Cが前記基準面である場合に「±0」を示すように設定し、他の側面は、これと位置が比較できるような指標を形成するとよい。
【0025】
ところで、図1のタグ供給部18は、収納部16に収納されたタグ12を下から一枚ずつ引き出す吸着パッド50、50、50と、その吸着パッド50、50、50で引き出したタグ12を印字部14に供給する上下一対のフィードローラ54、56とから構成されている。
【0026】
一対のフィードローラ54、56は、印字部14と収納部16との間に配置されている。このうち上側のフィードローラ54には、図示しないモータが連結されており、このモータを駆動することにより、駆動フィードローラ54は回転する。一方、下側のフィードローラ56は、長孔62、62にシャフト56Aの両端が嵌入されて、上下動自在に支持される。
【0027】
吸着パッド50が設けられたスライドフレーム64は、その両側部に左右一対のカムフォロア66、68が前後方向に所定の間隔をもって配設されている。このカムフォロア66、68は、ベースフレーム60の両側壁面60A、60Aに形成されたカム溝70、72に嵌入されている。カム溝70、72は、それぞれ先端から後端側に向けて水平部が形成されるとともに、後端部に所定の傾斜部が形成されている。このため、スライドフレーム64は、図1において、右から左にスライドする際、一度斜め下側に向かってスライドしたのち、水平にスライドする。
【0028】
また、前記ベースフレーム60にはモータ74が設けられており、該モータ74のスピンドルには駆動ギア76が固着されている。前記モータ74を駆動すると駆動ギア76が回転し、この駆動ギア76の回転が従動ギア78に伝達され、カムフォロア82が偏芯回転する。そして、この偏芯回転するカムフォロア82と、スライドフレーム64に形成されたカム溝(図示せず)との作用によって、スライドフレーム64がスライドする。これにより、吸着パッド50がスライドし、吸着パッド50に吸着されたタグ12が引き出される。タグ12は、スライドフレーム64のテーパ部64Aが当接して上昇した従動フィードローラ56と駆動フィードローラ54の間に供給され、該一対のフィードローラ54、56に挟持される。挟持されたタグ12は、パッド50による吸着が解除されたのち、印字部14に供給される。
【0029】
次に上記の如く構成されたタグプリンタ10の作用について説明する。
【0030】
まず、オペレータは、収納部16にタグ12を積層する。そして、収納したタグ12をホッパー装置32により位置決めする。即ち、ホッパー本体34をタグ12の幅方向にスライドして横幅調整板42をタグ12の端縁に当接させ、さらに可動側タグガイド38をタグ12のピッチ方向にスライドしてガイド板49をタグ12の端縁に当接させる。これにより、タグ12は、側板26と横幅調整板42、及び基準側タグガイド36と可動側タグガイド38とによって画される空間に位置決めされる。位置決めされたタグ12は、タグ供給部18により印字部14に一枚ずつ供給されて印字される。
【0031】
ところで、タグ12の種類を変更する場合には、タグ12の端縁が当接する基準面の位置を調節して、タグ12の印字位置を調節する。タグ12の印字位置の調節は、まず、スケール88の目盛りを目安にしながら基準側タグガイド36をスライドさせて、基準面の比較的大まかな調節を行う。そして、ノブ90を締め込んで固定した後、回動ツマミ98を回動させてタグ12が当接する側面(基準面)を選択する。
【0032】
例えば、まず、側面84Cを基準面としてタグ12を位置決めし、タグ12の印字を行う。そして、タグ12の印字が手前側にずれていた場合には、回動ツマミ98により多角柱部材84を時計回りに回動させて側面84Bを基準面にする。側面84Bは、側面84Cよりも0.5mmほど回動軸84G側(手前側)に基準面を形成するので、位置決めされるタグ12も0.5mmほど手前側に移動する。これにより、タグ12の印字位置を0.5mmの微小単位で手前側にずらすことができる。そして、この状態で再びタグ12の印字を行い、タグ12の印字がまだ手前側にずれていた場合には、回動ツマミ98をさらに時計回りに回動させて84Aを基準面にする。これにより、基準面を手前側にさらに0.5mmずらすことができる。
【0033】
また、側面84Cを基準面として印字したタグ12の印字位置が奥側にずれていた場合には、回動ツマミ98を反時計回りに回動させて基準面を側面84Dとする。これにより、基準面の位置を0.5mm奥側に形成することができ、タグ12の印字位置を0.5mmの微小単位で奥側にずらすことができる。そして、それでも印字位置が奥側にずれていた場合には、回動ツマミ98を反時計回りに回動させて基準面を側面84E、さらには84Fとする。これにより、基準面の位置をさらに0.5mm単位で奥側にずらすことができる。
【0034】
このように本実施の形態のタグプリンタ10によれば、多角柱部材84の側面84A〜84Fを回動軸84Gからの距離が0.5mm単位で異なる位置に形成するとともに、この多角柱部材84を回動させて基準面にする側面を選択するので、基準面の位置を0.5mm単位で微調節することができる。これにより、基準側タグガイド36をスライドするだけでは困難だった基準面の微調節を簡単、且つ正確に行うことができる。また、上述した実施の形態では、6つの側面84A〜84Fから基準面を選択するので、基準面の微調節を6段階で行うことができる。
【0035】
なお、多角柱部材84の形状は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、回動させることにより異なる位置に基準面が形成されるのであればよい。したがって、例えば、平板や3角柱のように基準面が少ないものや、8角柱等のように基準面が多いものを使用してもよい。また、多角柱部材84の各側面84A〜84Fから回動軸84Gまでの距離の差は、0.5mm間隔でなくても良く、必要に応じて設定する。さらに、多角柱部材84を着脱自在に取り付けても良く、この場合、さらに多くの基準面を形成できるので、より精度のよい微調節を行うことができる。
【0036】
また、本実施の形態では、多角柱部材84を回動させたが、一方向のみの回転であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のタグプリンタによれば、柱状部材の回動軸からそれぞれ異なる距離に複数の側面を形成するとともに、該柱状部材を回動させて基準面とする側面を選択するので、基準面を簡単且つ正確に微調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のタグプリンタの構成を示す正面図
【図2】図1の収納部の構成を示す平面図
【図3】図1の収納部の構成を示す正面図
【図4】図1の収納部の構成を示す側面図
【図5】基準側タグガイドの構成を示す斜視図
【図6】多角柱部材の断面形状を示す説明図
【図7】回動ツマミの指標を示す説明図
【符号の説明】
10…タグプリンタ、12…タグ、16…収納部、24…固定ステージ、32…ホッパー装置、34…ホッパー本体、36…基準側タグガイド、38…可動側タグガイド、84…多角柱部材、86…支持部材、88…スケール

Claims (1)

  1. 積層されたタグの対向する一対の端部のうちの一方を基準側タグガイドに当接させるとともに、他方の端部に可動側タグガイドを当接させて、前記タグの位置決めを行う位置決め手段を備えたタグプリンタにおいて、
    前記基準側タグガイドは、回動自在に設けられるとともにその回動軸に対して異なる距離に複数の側面が形成された柱状部材によって構成され、該柱状部材を回動させることにより前記タグの一方の端部を当接させる側面が選択されることを特徴とするタグガイド。
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