JP2004073472A - 炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本体1の上面を閉蓋する蓋2の底面に装着した蓋ヒータカバー12によって放熱板13を加熱して蓋の内面に結露を生じるのを防止するとともに、蓋ヒータカバー12によって釜5の上部を加熱することができるようにする。このとき、蓋ヒータカバー12が衝撃などで変形することがないようにする。
【解決手段】蓋2の底面にゴムなどの弾性体18を介在させて上下に遊動可能な状態で蓋ヒータカバー12を装着する。蓋ヒータカバー12の外周部分は釜5の上端部分まで延長し、閉蓋状態において蓋ヒータカバーの外周部分が釜5の上端部に弾性的に押圧されるようにする。これにより、閉蓋時などに蓋ヒータカバーが釜に衝突しても弾性体18によって衝撃が吸収され、一定の押圧状態によって偏りなく釜の上部に熱が伝わる。
【選択図】 図1
【解決手段】蓋2の底面にゴムなどの弾性体18を介在させて上下に遊動可能な状態で蓋ヒータカバー12を装着する。蓋ヒータカバー12の外周部分は釜5の上端部分まで延長し、閉蓋状態において蓋ヒータカバーの外周部分が釜5の上端部に弾性的に押圧されるようにする。これにより、閉蓋時などに蓋ヒータカバーが釜に衝突しても弾性体18によって衝撃が吸収され、一定の押圧状態によって偏りなく釜の上部に熱が伝わる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
炊飯器には、開閉自在の蓋の底面にヒータによって加熱される蓋ヒータカバーを配置し、この蓋ヒータカバーを介して放熱板を加熱することにより、主として保温時に釜の上面から加熱し、蓋の内面に結露が発生するのを防止するものがある。本発明は、上記加熱手段を備えた蓋ヒータカバーの支持構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
図6に示す従来の炊飯器は、本体Aの上面を覆う蓋Bの底板Cに蓋ヒータDを装着した蓋ヒータカバーEを固定的に装着し、この蓋ヒータカバーEの熱が内蓋である放熱板Fに伝えられるとともに、放熱板Fの外周部分に装着されたパッキンGを釜Hの上端開口縁部分に密接させ気密状態を保持させている。釜Hを収容する本体の釜収容部の内胴Iには胴ヒータJが装着され、釜Hの胴部を側面から加熱することによって主として保温時の温度バランスを保つことができるようにしている。
また、特公平7−102178号に開示されているように、本体肩部に肩ヒータを配置するとともに、蓋底面に配置する放熱板の周縁部を本体肩部に接近もしくは接触させることによって、肩ヒータによって釜の上部と放熱板を加熱する構造も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す従来の炊飯器では、蓋ヒータカバーEによって放熱板Fを加熱するだけであるため、釜Hの胴部分を加熱するために別の胴ヒータJを必要とする。また、特公平7−102178号に開示される肩ヒータによって釜の上部と放熱板を加熱するものでは、本体肩部と放熱板を接近させるだけでは放熱板を十分に加熱することができない虞がある。また、本体肩部と放熱板を接触させるものでは、蓋の開閉に際して放熱板と本体肩部の衝突によって放熱板が変形する可能性があるとともに、必ずしも全周にわたって均等に接触しないため放熱板の加熱状態にバラツキを生じる可能性があった。
【0004】
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は従来放熱板を加熱するだけの目的で設けられていた加熱手段を備えた蓋ヒータカバーによって釜の上部を加熱するとともに、蓋ヒータカバーを釜の上端部分に弾性的に当接させることによって蓋ヒータカバーの熱を釜の全周にわたって均等に伝えることを目的とするものである。また、本発明の別の目的は、衝撃的な蓋の開閉などによって生じる可能性のある蓋ヒータカバーの変形を防止することができる蓋ヒータカバーの支持構造を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とする炊飯器は、本体1の背部を支点として開閉する蓋2によって本体1の上面を被蓋するとともに、蓋2の底部に設けられた加熱手段を備えた蓋ヒータカバー12によって蓋2の底面に装着する放熱板13を加熱し、放熱板13によって釜の上面から加熱し、保温時の結露を防止する炊飯器である。
本発明は、前記目的を達成するため、放熱板13を加熱する蓋ヒータカバー12を蓋2の底部に上下動可能となるように弾性的に支持するとともに、閉蓋状態において蓋ヒータカバー12の外周辺部分が釜5の上端部に弾性的に押圧される状態で当接させる。
【0006】
蓋ヒータカバー12を蓋2の底部に上下動可能となるように弾性的に支持するためには、蓋の底面を構成する底板10にゴムなどの弾性体18を介在させて蓋ヒータカバー12を上下動可能に装着する。また、蓋2の底部と蓋ヒータカバー12の間に介在させる弾性体は、コイルバネを複数位置に配置するようなものであってもよいが、ゴムなどの弾性体18を蓋の底板10に装着しておき、弾性体18の先端を蓋ヒータカバー12の外周辺部分の上面に当接させ、閉蓋状態において前記弾性体18が圧縮されるようにしておくと、蓋ヒータカバー12を釜5の上端部にバランス良く押圧することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1は炊飯器全体の縦断面図、図2は要部のみの部分拡大図であって、蓋を閉じる過程の状態を示している。
【0008】
炊飯器の本体1は、背部のヒンジ軸3を支点として開閉する蓋2を備え、本体1の釜収容部4に収容した釜5の上端開口部を蓋の底面に装着した内蓋6で密閉することができるようにしている。釜収容部4は内底体7と内胴8で構成し、内底体7の下に配置した電磁誘導コイル9の誘導加熱によって炊飯の調理が行われるものである。
【0009】
蓋2の底面を構成する底板10には、発熱体11を備えた蓋ヒータカバー12が装着されるとともに、蓋ヒータカバー12の下方に内蓋6を着脱自在に装着している。内蓋6は、金属製の放熱板13の外周部分にパッキン14を装着するとともに蒸気排出機構15を備え、閉蓋状態においてパッキン14が釜5上端の内周部分に当接して気密状態を維持することができるようにしている。すなわち、炊飯状態において発生する蒸気は、内蓋に備えた蒸気排出機構15から器外に放出される。一方、主として保温状態においては、前記発熱体で加熱される蓋ヒータカバー12によって放熱板13を加熱し、放熱板13で上方から加熱することによって蓋内面に結露が発生するのを防止している。
【0010】
蓋2の底板10に装着する蓋ヒータカバー12は、図2に示すように発熱体11を貼着した平板部12aから取付脚16を上方に突出させ、該取付脚16を底板10に穿設した取付孔17から上方に貫通させ、突出部分を折曲することによって装着することができる。このとき、底体10に対して蓋ヒータカバー12が上下方向に多少遊動させることができるように、余裕を持たせて取付脚16を折曲しておく。また、取付脚16の外方部分は、底板10と蓋ヒータカバー12の間に弾性体18を介在させておくとともに、蓋ヒータカバー12は放熱板よりも外周方向に延長し、外周辺部分が釜5の上端縁、具体的には鍔の直上に達するようにしている。
【0011】
上記構成とすることによって、蓋が閉じられる前の状態では、図2の(a)に示すように、蓋2の底板10に蓋ヒータカバー12が装着されその下方に放熱板13を備えた内蓋6が支持されている。図2の(a)に示す状態から蓋2が閉じられていくと、図2の(b)に示すように内蓋6のパッキン6が釜5の上端内周部分に当接し、釜5内の気密状態が実現する。続いて、図2の(b)に示す状態からさらに蓋を閉じていくと、図2の(c)に示すようにパッキン6が強く押し込まれるとともに、蓋ヒータカバー12の外周辺部分が釜5の上端縁部分に当接し、かつ弾性体18を介して下方に押圧される。この状態で発熱体11によって蓋ヒータカバー12が加熱されると、蓋ヒータカバー12の熱によって下方に位置する放熱板13が加熱される。一方、発熱体11によって供給される熱の一部は、蓋ヒータカバー12の外周方向に伝わり、釜の上端縁と当接している外周辺部分から釜5の上部に伝わり、釜5の上部を加熱する。
【0012】
なお、蓋ヒータカバー12の外周辺部分が釜5の上端縁部分に弾性的に押圧されるため、図2の(b)から図2の(c)に移行する段階で蓋ヒータカバー12の外周辺部分と釜5上端とに片当たり状態が生じても、弾性体18の変形によって衝撃が吸収され、最終的に全周にわたってほぼ均等な力で押圧接触することになる。蓋ヒータカバーの上下方向の遊動寸法は特に大きなものである必要はないが、少なくとも上下方向に0.3ミリメートル以上であることが望ましい。
【0013】
蓋ヒータカバー12自体の構造は特に限定されるものではなく、例えば円板状の蓋ヒータカバーに取付脚16を溶着したり、円板の外周部分に突出させた部材を折り返して取付脚を形成することもできる。
しかしながら、図示例の蓋ヒータカバーは、直径が釜5の上端外周直径に等しい大きさで熱伝導性に優れたアルミニウム板などで形成したヒータカバー主体部12Aと、外径がヒータカバー主体部12Aと等しいドーナツ状であって、内周部分に取付脚16を上方に向けて突出させたヒータカバー補助体12Bとで構成している。すなわち図2及び図3から理解されるように、ヒータカバー主体部12Aを略円板状とし中心部に蒸気排出機構15が装着される孔19を穿設するとともに、孔19の外方の平板部12aに線状ヒータなどの発熱体11を貼着する。このヒータカバー主体部12Aに環状のヒータカバー補助体12Bを重ね合わせて一体化することによって取付脚16を備えた蓋ヒータカバー12を完成させることができる。このとき、ヒータカバー主体部12Aとヒータカバー補助体12Bの両方を熱伝導性に優れたアルミニウム板などで形成し、全体として熱伝導性に優れたものとすることができる。しかしながら、ヒータカバー主体部12Aをアルミニウム板で形成するとともに、ヒータカバー補助体12Bを強度的に優れたステンレス板などで形成することによって熱伝導性と強度の両方に優れたものとすることもできる。
【0014】
蓋ヒータカバー12と蓋2の底板10の間に介在させる弾性体18は、特にその形態が特定されるものではなく、蓋ヒータカバー12を下方に付勢することができるものであれば、例えば複数位置に配置したコイルバネあるいは複数位置に配置したゴム弾性体のようなものであってもよい。しかしながら、図2及び図3に示す実施形態では、円環状の弾性体18を蓋2の底板10と蓋ヒータカバー12の間に介在させるようにしている。このように、円環状の弾性体18を介在させることによって全周にわたってバランスの良いものとすることができる。円環状の弾性体18は、蓋の底板10及び蓋ヒータカバー12のいずれにも固定されないもの、又はいずれか一方に固定されるものとすることができる。
【0015】
図4及び図5には、弾性体の別の実施形態を示している。この実施形態は、釜5上端部の直径にほぼ等しいような直径の円環状の弾性体20であって、その上面に突出させた突起21により蓋2の底板10に穿設した取付孔22に装着するものである。この弾性体20はその先端部分が蓋ヒータカバー12の外周部分に当接し、これを下方に付勢する。そして、図4から理解されるように弾性体20の先端部分に屈曲部20aを形成することによって大きなクッション性を持たせ、例えば閉蓋時の衝撃を確実に吸収するとともに、より安定的に蓋ヒータカバー12を押圧することができるものである。
その他、弾性体20は円環状ではなく、独立したボス形状の弾性体とし、これを蓋2の底板10に穿設した取付孔22にそれぞれ装着することもできる。
【0016】
以上述べた、本発明の蓋ヒータカバーの支持構造では、発熱体11を備えた蓋ヒータカバー12の外周部分が釜5の上端部分に弾性体によって押圧される状態で当接する。そのため、蓋ヒータカバー12の熱を釜5に伝えることができるため、蓋ヒータカバー12に備える発熱体の発熱量を考慮することにより、従来内胴に設けていた胴ヒータを省略することもできる。特に、内胴に設けた胴ヒータによって釜を加熱する場合は、間接的な加熱となるため比較的大きな発熱量の胴ヒータを設けることになり、これに伴う対策を本体内部の構造に施す必要があった。これに対し、本発明の構造では蓋ヒータカバー12の熱が直接釜に伝わるため、本体内部が高温になるのを防止する実益がある。このことは、高温を嫌う制御部品の配置などの問題から、炊飯器のコンパクト設計を可能とするものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造によれば、蓋の開閉にともなって釜と蓋ヒータカバーを接触させるときに、蓋の底部に蓋ヒータカバーを弾性的に支持させるため、衝撃や反発力を吸収することができる。また、閉蓋状態において蓋ヒータカバーが釜に弾性的に押圧されるため接触状態が一定し、釜の全周にわたって均等な状態で熱を伝えることができる効果がある。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、蓋の底部に弾性体を介在させて蓋ヒータカバーを装着するため、蓋ヒータカバーに対し安定した装着状態、弾性体の変形による蓋ヒータカバーの上下動を許容させ、弾性体によって効果的に衝撃を吸収させることができる。
【0019】
請求項3記載の本発明炊飯器によれば、蓋の底部を構成する底板に弾性体を装着し、この弾性体によって衝撃を吸収するため構造的により安定した装着状態を実現するとともに、蓋ヒータカバーの外周部分を弾性体で支持するため、釜に対しより安定した均等な押圧状態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒータカバーの支持構造を備えた炊飯器全体の縦断面図、
【図2】閉蓋時における蓋と、蓋ヒータカバーと、放熱板及び釜の関係を作動順に示す部分断面図、
【図3】蓋ヒータカバーの一例を示す斜視図、
【図4】図1とは異なる弾性体を利用した実施形態の蓋ヒータカバーと釜の関係を示す部分断面図、
【図5】図4に示す実施形態の弾性体のみの半断面斜視図、
【図6】従来の炊飯器の一例を示す一部断面の側面図。
【符号の説明】
1…本体、 2…蓋、 3…ヒンジ軸、 4…釜収容部、 5…釜、 6…内蓋、 7…内底体、 8…内胴、 9…電磁誘導コイル、 10…底板、 11…発熱体、 12…蓋ヒータカバー、 12a…平板部、 12A…ヒータカバー主体部、12B…ヒータカバー補助体、 13…放熱板、 14…パッキン、 15…蒸気排出機構、16…取付脚、 17…取付孔、 18、20…弾性体、 19…孔、 20a…屈曲部、
21…突起、 22…取付孔。
【発明の属する技術分野】
炊飯器には、開閉自在の蓋の底面にヒータによって加熱される蓋ヒータカバーを配置し、この蓋ヒータカバーを介して放熱板を加熱することにより、主として保温時に釜の上面から加熱し、蓋の内面に結露が発生するのを防止するものがある。本発明は、上記加熱手段を備えた蓋ヒータカバーの支持構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
図6に示す従来の炊飯器は、本体Aの上面を覆う蓋Bの底板Cに蓋ヒータDを装着した蓋ヒータカバーEを固定的に装着し、この蓋ヒータカバーEの熱が内蓋である放熱板Fに伝えられるとともに、放熱板Fの外周部分に装着されたパッキンGを釜Hの上端開口縁部分に密接させ気密状態を保持させている。釜Hを収容する本体の釜収容部の内胴Iには胴ヒータJが装着され、釜Hの胴部を側面から加熱することによって主として保温時の温度バランスを保つことができるようにしている。
また、特公平7−102178号に開示されているように、本体肩部に肩ヒータを配置するとともに、蓋底面に配置する放熱板の周縁部を本体肩部に接近もしくは接触させることによって、肩ヒータによって釜の上部と放熱板を加熱する構造も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す従来の炊飯器では、蓋ヒータカバーEによって放熱板Fを加熱するだけであるため、釜Hの胴部分を加熱するために別の胴ヒータJを必要とする。また、特公平7−102178号に開示される肩ヒータによって釜の上部と放熱板を加熱するものでは、本体肩部と放熱板を接近させるだけでは放熱板を十分に加熱することができない虞がある。また、本体肩部と放熱板を接触させるものでは、蓋の開閉に際して放熱板と本体肩部の衝突によって放熱板が変形する可能性があるとともに、必ずしも全周にわたって均等に接触しないため放熱板の加熱状態にバラツキを生じる可能性があった。
【0004】
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は従来放熱板を加熱するだけの目的で設けられていた加熱手段を備えた蓋ヒータカバーによって釜の上部を加熱するとともに、蓋ヒータカバーを釜の上端部分に弾性的に当接させることによって蓋ヒータカバーの熱を釜の全周にわたって均等に伝えることを目的とするものである。また、本発明の別の目的は、衝撃的な蓋の開閉などによって生じる可能性のある蓋ヒータカバーの変形を防止することができる蓋ヒータカバーの支持構造を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とする炊飯器は、本体1の背部を支点として開閉する蓋2によって本体1の上面を被蓋するとともに、蓋2の底部に設けられた加熱手段を備えた蓋ヒータカバー12によって蓋2の底面に装着する放熱板13を加熱し、放熱板13によって釜の上面から加熱し、保温時の結露を防止する炊飯器である。
本発明は、前記目的を達成するため、放熱板13を加熱する蓋ヒータカバー12を蓋2の底部に上下動可能となるように弾性的に支持するとともに、閉蓋状態において蓋ヒータカバー12の外周辺部分が釜5の上端部に弾性的に押圧される状態で当接させる。
【0006】
蓋ヒータカバー12を蓋2の底部に上下動可能となるように弾性的に支持するためには、蓋の底面を構成する底板10にゴムなどの弾性体18を介在させて蓋ヒータカバー12を上下動可能に装着する。また、蓋2の底部と蓋ヒータカバー12の間に介在させる弾性体は、コイルバネを複数位置に配置するようなものであってもよいが、ゴムなどの弾性体18を蓋の底板10に装着しておき、弾性体18の先端を蓋ヒータカバー12の外周辺部分の上面に当接させ、閉蓋状態において前記弾性体18が圧縮されるようにしておくと、蓋ヒータカバー12を釜5の上端部にバランス良く押圧することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1は炊飯器全体の縦断面図、図2は要部のみの部分拡大図であって、蓋を閉じる過程の状態を示している。
【0008】
炊飯器の本体1は、背部のヒンジ軸3を支点として開閉する蓋2を備え、本体1の釜収容部4に収容した釜5の上端開口部を蓋の底面に装着した内蓋6で密閉することができるようにしている。釜収容部4は内底体7と内胴8で構成し、内底体7の下に配置した電磁誘導コイル9の誘導加熱によって炊飯の調理が行われるものである。
【0009】
蓋2の底面を構成する底板10には、発熱体11を備えた蓋ヒータカバー12が装着されるとともに、蓋ヒータカバー12の下方に内蓋6を着脱自在に装着している。内蓋6は、金属製の放熱板13の外周部分にパッキン14を装着するとともに蒸気排出機構15を備え、閉蓋状態においてパッキン14が釜5上端の内周部分に当接して気密状態を維持することができるようにしている。すなわち、炊飯状態において発生する蒸気は、内蓋に備えた蒸気排出機構15から器外に放出される。一方、主として保温状態においては、前記発熱体で加熱される蓋ヒータカバー12によって放熱板13を加熱し、放熱板13で上方から加熱することによって蓋内面に結露が発生するのを防止している。
【0010】
蓋2の底板10に装着する蓋ヒータカバー12は、図2に示すように発熱体11を貼着した平板部12aから取付脚16を上方に突出させ、該取付脚16を底板10に穿設した取付孔17から上方に貫通させ、突出部分を折曲することによって装着することができる。このとき、底体10に対して蓋ヒータカバー12が上下方向に多少遊動させることができるように、余裕を持たせて取付脚16を折曲しておく。また、取付脚16の外方部分は、底板10と蓋ヒータカバー12の間に弾性体18を介在させておくとともに、蓋ヒータカバー12は放熱板よりも外周方向に延長し、外周辺部分が釜5の上端縁、具体的には鍔の直上に達するようにしている。
【0011】
上記構成とすることによって、蓋が閉じられる前の状態では、図2の(a)に示すように、蓋2の底板10に蓋ヒータカバー12が装着されその下方に放熱板13を備えた内蓋6が支持されている。図2の(a)に示す状態から蓋2が閉じられていくと、図2の(b)に示すように内蓋6のパッキン6が釜5の上端内周部分に当接し、釜5内の気密状態が実現する。続いて、図2の(b)に示す状態からさらに蓋を閉じていくと、図2の(c)に示すようにパッキン6が強く押し込まれるとともに、蓋ヒータカバー12の外周辺部分が釜5の上端縁部分に当接し、かつ弾性体18を介して下方に押圧される。この状態で発熱体11によって蓋ヒータカバー12が加熱されると、蓋ヒータカバー12の熱によって下方に位置する放熱板13が加熱される。一方、発熱体11によって供給される熱の一部は、蓋ヒータカバー12の外周方向に伝わり、釜の上端縁と当接している外周辺部分から釜5の上部に伝わり、釜5の上部を加熱する。
【0012】
なお、蓋ヒータカバー12の外周辺部分が釜5の上端縁部分に弾性的に押圧されるため、図2の(b)から図2の(c)に移行する段階で蓋ヒータカバー12の外周辺部分と釜5上端とに片当たり状態が生じても、弾性体18の変形によって衝撃が吸収され、最終的に全周にわたってほぼ均等な力で押圧接触することになる。蓋ヒータカバーの上下方向の遊動寸法は特に大きなものである必要はないが、少なくとも上下方向に0.3ミリメートル以上であることが望ましい。
【0013】
蓋ヒータカバー12自体の構造は特に限定されるものではなく、例えば円板状の蓋ヒータカバーに取付脚16を溶着したり、円板の外周部分に突出させた部材を折り返して取付脚を形成することもできる。
しかしながら、図示例の蓋ヒータカバーは、直径が釜5の上端外周直径に等しい大きさで熱伝導性に優れたアルミニウム板などで形成したヒータカバー主体部12Aと、外径がヒータカバー主体部12Aと等しいドーナツ状であって、内周部分に取付脚16を上方に向けて突出させたヒータカバー補助体12Bとで構成している。すなわち図2及び図3から理解されるように、ヒータカバー主体部12Aを略円板状とし中心部に蒸気排出機構15が装着される孔19を穿設するとともに、孔19の外方の平板部12aに線状ヒータなどの発熱体11を貼着する。このヒータカバー主体部12Aに環状のヒータカバー補助体12Bを重ね合わせて一体化することによって取付脚16を備えた蓋ヒータカバー12を完成させることができる。このとき、ヒータカバー主体部12Aとヒータカバー補助体12Bの両方を熱伝導性に優れたアルミニウム板などで形成し、全体として熱伝導性に優れたものとすることができる。しかしながら、ヒータカバー主体部12Aをアルミニウム板で形成するとともに、ヒータカバー補助体12Bを強度的に優れたステンレス板などで形成することによって熱伝導性と強度の両方に優れたものとすることもできる。
【0014】
蓋ヒータカバー12と蓋2の底板10の間に介在させる弾性体18は、特にその形態が特定されるものではなく、蓋ヒータカバー12を下方に付勢することができるものであれば、例えば複数位置に配置したコイルバネあるいは複数位置に配置したゴム弾性体のようなものであってもよい。しかしながら、図2及び図3に示す実施形態では、円環状の弾性体18を蓋2の底板10と蓋ヒータカバー12の間に介在させるようにしている。このように、円環状の弾性体18を介在させることによって全周にわたってバランスの良いものとすることができる。円環状の弾性体18は、蓋の底板10及び蓋ヒータカバー12のいずれにも固定されないもの、又はいずれか一方に固定されるものとすることができる。
【0015】
図4及び図5には、弾性体の別の実施形態を示している。この実施形態は、釜5上端部の直径にほぼ等しいような直径の円環状の弾性体20であって、その上面に突出させた突起21により蓋2の底板10に穿設した取付孔22に装着するものである。この弾性体20はその先端部分が蓋ヒータカバー12の外周部分に当接し、これを下方に付勢する。そして、図4から理解されるように弾性体20の先端部分に屈曲部20aを形成することによって大きなクッション性を持たせ、例えば閉蓋時の衝撃を確実に吸収するとともに、より安定的に蓋ヒータカバー12を押圧することができるものである。
その他、弾性体20は円環状ではなく、独立したボス形状の弾性体とし、これを蓋2の底板10に穿設した取付孔22にそれぞれ装着することもできる。
【0016】
以上述べた、本発明の蓋ヒータカバーの支持構造では、発熱体11を備えた蓋ヒータカバー12の外周部分が釜5の上端部分に弾性体によって押圧される状態で当接する。そのため、蓋ヒータカバー12の熱を釜5に伝えることができるため、蓋ヒータカバー12に備える発熱体の発熱量を考慮することにより、従来内胴に設けていた胴ヒータを省略することもできる。特に、内胴に設けた胴ヒータによって釜を加熱する場合は、間接的な加熱となるため比較的大きな発熱量の胴ヒータを設けることになり、これに伴う対策を本体内部の構造に施す必要があった。これに対し、本発明の構造では蓋ヒータカバー12の熱が直接釜に伝わるため、本体内部が高温になるのを防止する実益がある。このことは、高温を嫌う制御部品の配置などの問題から、炊飯器のコンパクト設計を可能とするものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造によれば、蓋の開閉にともなって釜と蓋ヒータカバーを接触させるときに、蓋の底部に蓋ヒータカバーを弾性的に支持させるため、衝撃や反発力を吸収することができる。また、閉蓋状態において蓋ヒータカバーが釜に弾性的に押圧されるため接触状態が一定し、釜の全周にわたって均等な状態で熱を伝えることができる効果がある。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、蓋の底部に弾性体を介在させて蓋ヒータカバーを装着するため、蓋ヒータカバーに対し安定した装着状態、弾性体の変形による蓋ヒータカバーの上下動を許容させ、弾性体によって効果的に衝撃を吸収させることができる。
【0019】
請求項3記載の本発明炊飯器によれば、蓋の底部を構成する底板に弾性体を装着し、この弾性体によって衝撃を吸収するため構造的により安定した装着状態を実現するとともに、蓋ヒータカバーの外周部分を弾性体で支持するため、釜に対しより安定した均等な押圧状態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒータカバーの支持構造を備えた炊飯器全体の縦断面図、
【図2】閉蓋時における蓋と、蓋ヒータカバーと、放熱板及び釜の関係を作動順に示す部分断面図、
【図3】蓋ヒータカバーの一例を示す斜視図、
【図4】図1とは異なる弾性体を利用した実施形態の蓋ヒータカバーと釜の関係を示す部分断面図、
【図5】図4に示す実施形態の弾性体のみの半断面斜視図、
【図6】従来の炊飯器の一例を示す一部断面の側面図。
【符号の説明】
1…本体、 2…蓋、 3…ヒンジ軸、 4…釜収容部、 5…釜、 6…内蓋、 7…内底体、 8…内胴、 9…電磁誘導コイル、 10…底板、 11…発熱体、 12…蓋ヒータカバー、 12a…平板部、 12A…ヒータカバー主体部、12B…ヒータカバー補助体、 13…放熱板、 14…パッキン、 15…蒸気排出機構、16…取付脚、 17…取付孔、 18、20…弾性体、 19…孔、 20a…屈曲部、
21…突起、 22…取付孔。
Claims (3)
- 本体の背部を支点として開閉する蓋によって本体の上面を被蓋するとともに、蓋の底部に設けられた蓋ヒータカバーによって蓋の底面に装着する放熱板を加熱し、該放熱板によって釜の上面から加熱する炊飯器において、
放熱板を加熱する蓋ヒータカバーを蓋の底部に上下動可能となるように弾性的に支持するとともに、閉蓋状態において蓋ヒータカバーの外周辺部分が釜の上端部に弾性的に押圧される状態で当接させることを特徴とする炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造。 - 蓋の底面を構成する底板に、ゴムなどの弾性体を介在させて蓋ヒータカバーを上下動可能に装着することを特徴とする請求項1記載の炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造。
- 蓋の底面を構成する底板にゴムなどの弾性体を装着し、該弾性体の先端を蓋ヒータカバーの外周辺部分の上面に当接させ、閉蓋状態において前記弾性体が圧縮され、蓋ヒータカバーを釜の上端部に押圧することを特徴とする請求項1記載の炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造。
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JP2002237805A JP2004073472A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 炊飯器における蓋ヒータカバーの支持構造 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009000134A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Hitachi Appliances Inc | 炊飯器 |
JP2009005954A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-01-15 | Mitsubishi Electric Corp | 電気炊飯器 |
JP2017169977A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 象印マホービン株式会社 | 加熱調理器 |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002237805A patent/JP2004073472A/ja active Pending
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