JP2004072906A - ベクトル制御インバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】di軸電流により回転子を位置決めした後、di軸を角速度ωsで回転させて回転子を強制回転させる。その後di軸角速度を一旦ゼロとしdi軸電流を角速度ωsでqi軸方向に回転させる。di軸誘起電圧推定値Edがゼロになって時点でEdをゼロに保った状態の回転数制御に移る。Edがゼロになった時点からdi軸電流がゼロになるまでの間、qi軸電流をEdがゼロになった時点の値に維持する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子に永久磁石を有するモータを位置センサレスのベクトル制御により始動、駆動するインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の回転機構を有する家電機器は、回転子に永久磁石を有するモータを採用してこれをインバータ装置で駆動することにより、使い勝手の向上や省エネといった性能の向上が進みつつある。
【0003】
かかる傾向を踏まえ、インバータ装置には、永久磁石モータの磁束軸方向成分(d軸)とこれに直交するトルク方向成分(q軸)に電流を分離して、独立に制御する所謂ベクトル制御が採用される傾向にある。更には、d軸及びq軸電流を基に永久磁石モータの誘起電圧を演算で求めることにより、位置センサレスで駆動する技術の採用も拡がっている。
【0004】
この従来の位置センサレスのベクトル制御技術を図7ないし図10を参照して説明する。図7に示す位置センサレスのベクトル制御インバータ装置1は、電流制御回路2、回転子の角速度推定回路3、電流指令角速度指令形成回路4、積分器5を備える。
【0005】
電流制御回路2は、加算器21a、21b、比例積分器22a、22b、座標変換器23、PWM形成器24、PWMインバータ回路25、電流検出回路26を備える。電流検出回路26は、電流検出器26a、26b、3相/2相変換器26c、ベクトル回転器26dにより構成される。角速度推定回路3は、誘起電圧推定回路31及び比例積分器32により構成される。
【0006】
PWMインバータ回路25と永久磁石モータ6との間に接続された電流検出器26a、26bにより検出された3相電流、Iu、Iv、Iw(IwはIu、Ivより計算される)は、3相/2相変換器26cによりこれと等価な2相電流Iα、Iβに変換される。変換された2相電流Iα、Iβは、ベクトル回転器26dにより更に変換されてd軸、q軸成分の電流Id、Iqが求められる。この変換演算の際、後述する回転位置推定値θが用いられる。ここでd軸、q軸は、回転子の永久磁石が作る磁束方向をd軸、これと直交する方向をq軸とする回転座標軸である。
【0007】
電流Id、Iqは、加算器21a、22bにて、それぞれの電流指令値Idr、Iqrとの偏差ΔId、ΔIqが求められ、比例積分器22a、22bを介することで出力電圧指令値Vd、Vqが得られる。出力電圧指令値Vd、Vqは、座標変換器23にて固定2軸座標系の値に変換され、これを基にPWM形成器24にて3相のパルス幅変調信号が形成される。この座標変換器23における変換演算にも後述する回転位置推定値θが用いられる。パルス幅変調信号は、PWMインバータ回路25に与えられモータ6の電機子に電圧が印加される。このようにして電流制御回路2により、モータ6に対して給電が行なわれるが、その電流は電流指令値Idr及びIqrに依存する。
【0008】
ベクトル回転器26d及び座標変換器23における演算に必要な回転子の回転位置は、モータ6に取り付けたエンコーダなどの回転センサで検出する方法もあるが、近年では、例えば図7の構成のようにモータ電流Id、Iq等から推定する位置センサレス方式が採用される。
【0009】
誘起電圧推定回路31には、電流Id、Iq、及びd軸の出力電圧指令値Vd、回転子の角速度推定値ωが入力されている。更に、誘起電圧推定回路31には、モータ6の回路定数である電機子コイルのインダクタンスLd、Lq、抵抗Rが記憶されている。
【0010】
誘起電圧推定回路31は、これらの入力値と回路定数を用いて、永久磁石の作る磁束によって電機子コイル内に発生する誘起電圧のd軸方向推定値(インバータ装置1が認識しているd軸方向の成分)Edを次式で計算する。
Ed=Vd−R・Id−Ld・p・Id+ω・Lq・Iq (1)式
ここで、pは微分演算子である。
【0011】
求められた誘起電圧推定値Edは、比例積分器32に入力され次式で計算される値が、角速度推定値ωとして出力される。
ω =−G1・Ed −G2・∫Ed・dt (2)式
ここでG1、G2は、ゲイン定数である。
求められた角速度推定値ωは、電流指令角速度指令形成回路4に入力される。
【0012】
定常運転時には、積分器5への角速度指令値ωrとして角速度推定値ωがそのまま出力される。積分器5は角速度推定値ωを次の(3)式に従って積分し、回転子の回転位置推定値θが出力される。
θ=∫ωr ・dt =∫ω ・dt (3)式
求められた回転位置推定値θは、ベクトル回転器26d、座標変換器23での演算に使用される。
【0013】
(1)式で計算される誘起電圧推定値Edを基に、比例積分器32が(2)式に従った調節動作を行なうことで、誘起電圧推定値Edは短時間で“ゼロ ”に収束する。d軸誘起電圧推定値Edがゼロに収束した時点では、インバータ装置1が認識(推定)したd軸は、永久磁石の作る磁束方向と一致し、回転位置推定値θは、モータ6の実際の回転子位置に等しく、角速度推定値ωは回転子の実際の角速度に等しくなる。このようにして位置センサを用いることなく回転子の回転位置と角速度が検出される。
【0014】
電流指令角速度指令形成回路4は、d軸電流指令値Idr及びq軸電流指令値Iqrをも出力する。d軸電流Idはモータ6のトルク発生に寄与しない成分であることから、その指令値Idrとしては通常は“ゼロ ”値が出力される。d軸の電流指令値Idrと検出値Idは、加算器21aにてその偏差ΔIdが計算される。比例積分器22aが偏差ΔIdを“ゼロ ”に収束させる調節作用を行なうことにより、電流Idはその指令値Idrに等しくなる。
【0015】
一方、電流Iqはモータ6のトルク発生に寄与する成分であり、その指令値Iqrは希望する負荷の運転状態に応じた値が電流指令角速度形成回路4で形成され、出力される。q軸の電流指令値Iqrと検出値Iqは、加算器21bにてその偏差ΔIqが計算される。比例積分器22bが偏差ΔIqを“ゼロ ”に収束させる調節作用を行なうことにより、電流Iqはその指令値Iqrに等しくなる。
【0016】
PWMインバータ回路25を除く、以上の演算処理は、例えばDSP(Digital Signal Processor)などの演算器により周期的に処理される。演算は、例えば、3相/2相変換器26c、ベクトル回転器26d、誘起電圧推定回路31、比例積分器32、電流指令角速度指令形成回路4、積分器5、加算器21a及び21b、比例積分器22a、22b、座標変換器23、PWM形成器24の順番で実行される。
こうして、モータ6の電流Id、Iqは、位置センサを使用することなく、指令値Idr、Iqrに一致するようにベクトル制御インバータ装置1により制御される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
次に図7のベクトル制御インバータ装置1により、モータ6を始動させる時の従来の始動方法を説明する。そして、その説明の中で従来の始動方法の問題点、ひいては本発明が解決しようとする課題を明らかにする。
【0018】
図8に、始動開始から定常運転段階に至るまでの電流指令値Idr、Iqr、及び積分器5への角速度指令値ωrの切り換えの状態を段階を追ってフローで示す。
【0019】
図9には、各段階におけるモータ6の電流及び磁束のベクトル図を、図10には電流、角速度の変化をタイムチャートで示す。なお、図10の最上段のカーブ(A)は、始動時におけるモータ6の理想的な角速度ωxの推移を示している。また図8(及び後述の図2、図5)では、ステップを“S ”で表している。
【0020】
始動開始後は、最初に(1)位置決め段階を行なう。この段階では図8のステップS31に示すように、電流指令値Iqrと角速度指令値ωrをゼロとし、d軸電流指令値Idrをゼロから短時間で所定値Idsに増加させる。ここで電流Idsの値は、負荷の摩擦トルクに抗してモータ6の回転子をインバータ装置1が想定したd軸方向に位置決めするのに十分なトルクを発生させる値に設定してある。これにより、永久磁石が作る磁束方向と電機子電流が作る磁束方向とはほぼ一致した状態となる。
【0021】
図9の(1)は、このように位置決めされた状態における電流ベクトルi、永久磁石の磁束ベクトルφと各軸との関係を示している。図9(及び後述の図3)のベクトル図においては、インバータ装置1が想定しているd軸、q軸をそれぞれdi、qiで、回転子の永久磁石の作る磁束方向から決まる実際のd軸、q軸をそれぞれdm、qmで表している。
【0022】
この(1)の位置決めが完了した状態では、電流ベクトルiと永久磁石の磁束ベクトルφの方向は一致し、dm軸とdi軸もほぼ一致した状態となる。電流ベクトルiと磁束ベクトルφの位相が一致しているため、回転トルクは発生しない。回転位置推定値θは、角速度指令値ωrがゼロであるため一定値のままである。従って、di軸、qi軸、dm軸、qm軸、及び電機子電流ベクトルiは、いずれも固定座標側から見て静止状態にある。図10の(1)は、この段階における電流、角速度の経時変化を示している。なおこの図10(及び後述の図4、6)中の角速度ωmは回転子の実際の角速度を、ωiは電流ベクトルiの角速度を表している。
【0023】
ステップS31の位置決め終了の後、ステップS32の(2)強制回転段階に移る。この段階では、角速度指令値ωrをゼロから所定値ωsに漸増させる。角速度指令値ωrを積分した回転位置指令値θ(この段階ではモータ6の角速度はオープンループで制御されているのでθは推定値ではなく指令値)が増加を始めることにより、di−qi軸が角速度ωrで回転を始める。これにより、図9の(2)のベクトル図に示すようにdi−qi軸とdm−qm軸は分離し、位相差が生ずる。電流ベクトルiもdi軸方向を向いた状態で角速度ωrで回転を始めるので、電流ベクトルiと永久磁石の磁束ベクトルφとの間に位相差が生ずる。回転子に働くトルクTは、電流ベクトルiと磁束ベクトルφとの外積で計算される値である。従って、位相差の発生により回転トルクTが発生し、回転子が電流ベクトルiに追随するように回転を始める。電流ベクトルiと磁束ベクトルφとの位相差は、発生するトルクTと負荷トルクに応じて決まる。なお、図9(及び後述の図3)中のvmは、永久磁石が回転することにより電機子コイル内に誘起される誘起電圧ベクトルを示している。図10の(2)強制回転段階は、この段階における電流、角速度の経時変化を示している。
【0024】
角速度指令値ωrが所定値ωsに達した時点で、ステップS33の(3)電流切換段階に移る。この(3)電流切換段階では、角速度指令値ωrを所定値ωsに維持したまま、電流指令値IdrをIdsからゼロへ、IqrをゼロからIqsへ次の式に従って角速度λで変化させる。即ち、電流IdとIqの切換を行なう。
Idr=Ids・cos(λ・t) (4)式
Iqr=Iqs・sin(λ・t) (5)式
ここにλが定数であり、t は(3)電流切換段階の開始からの経過時間である。
【0025】
電流指令値IdrとIqrとが上式により変化を始めるため、電流ベクトルiの角速度は、(3)電流切換段階に移った瞬間にそれまでの角速度指令値ωrに電流の切換角速度λが加わった(ωs+λ)に切り換わる。切り換わり直後の回転子には、絶対値がIdである電流ベクトルiと磁束ベクトルφとで決まる十分大きな回転トルクTが働いているため、回転子の角速度ωmは電流ベクトルiに追随して角速度(ωs+λ)に急激に変化する。つまり、図10の(3)の(ア)の部分に示すように、切り換わりのタイミングで回転子に不連続な角速度変化が生ずる。この不連続な角速度変化は、モータ6に振動や騒音を発生させる原因となる。
【0026】
電流ベクトルiと磁束ベクトルφの位相差は、新たな角速度(ωs+λ)に対応した負荷トルクと発生トルクTとが等しくなる角度まで広がり、その位相差を維持しつつ共に角速度(ωs+λ)で回転する。他方、di−qi軸の角速度はωsに維持されているので、角速度(ωs+λ)で回転するdm−qm座標上から見ると、di−qi軸は角速度λで位相が遅れ続ける。そして遂にはqi軸と電流ベクトルiとが一致するに至る。この(3)電流切換段階、及びその終了状態におけるベクトル図を図9の(2−3)と(3)に、電流、角速度等の変化の様子を図10の(3)に示す。なお、この終了状態における電流ベクトルiの絶対値である電流Iqsも、モータ6を加速するに十分なトルクを発生し得る値に設定されている。
【0027】
ステップS33が終了すると次にステップS34の(4)角速度切換段階に移る。この(4)角速度切換段階からセンサレスによる回転子の角速度及び回転位置の検出演算が機能し始め、推定(検出)した回転子位置(検出したdm−qm軸)に基づいて電流のベクトル制御が開始される。角速度指令値ωrとしては、角速度推定回路3で推定した角速度推定値ωがそのまま出力される。即ち、角速度指令値ωrはこの段階から角速度推定(検出)値ωと等しくなる。電流指令値Idr、Iqrの値は、それぞれ前段階終了時の値であるゼロとIqsに維持される。
【0028】
電流の切り換わりが完了したことにより λ=0 となり、電流ベクトルiの角速度ωiは瞬間的にλだけ減少する。それと同時に ωr=ω としたことにより、「従来の技術」の項で説明したセンサレスによる角速度及び回転位置の検出演算が機能し始め、角速度指令値ωrは、回転子の角速度ωmに収束しようとする。
【0029】
回転子の角速度ωmは、電流ベクトルiの角速度ωiがλだけ減少したことにより低下方向に向かうが、回転子は慣性を有するため、角速度ωmは急激には低下しない。従って、インバータ1は、回転子の角速度ωmが(ωs+λ)より僅かに低下した段階で、d軸誘起電圧推定値Edがゼロになるように角速度推定値ωの調整を開始する(即ち、角速度指令値ωrが実際の回転子角速度ωmに収束し始める)。
【0030】
角速度指令値ωrが回転子角速度ωmに収束するということは、di−qi軸がdm−qm軸に一致することであり、qi成分のみの電流ベクトルiは、qm軸と一致する。これにより電流ベクトルiと磁束ベクトルの位相差はπ/2に広がる。位相差が広がることにより回転子に働くトルクTの値は、ωrのωmへの収束と同時に急に増加する。
この回転トルクTの急激な増加と、それに伴う回転子角速度ωmの急激な上昇は、モータ6に振動や騒音を発生させる原因となる(図10の(イ)の部分の状態)。角速度指令値ωが回転子角速度ωmに収束途中のベクトル図を図9の(3−4)に、収束した状態のベクトル図を図9の(4)に示す。
【0031】
角速度指令値ωrが回転子の実際の角速度ωmに収束した後以降、回転子にはqi軸方向に流れる絶対値Idsの電流ベクトルiとqm軸方向の磁束ベクトルφの外積で決まるトルクTが継続して働く。この発生トルクTは位相差がπ/2であるので、(3)電流切換段階におけるトルクTより大である。回転子は加速され、負荷トルクと一致するまで角速度ωmが上昇を続ける。この(4)加速度切換段階における各角速度と電流値の変化の様子を図10の(4)に示す。
【0032】
角速度が定常状態に達すると次にステップS35の(5)定常運転段階に移る。この段階では、角速度推定値ωに等しい角速度指令値ωrが、外部から与えられる角速度目標値ωc(図示しない)に一致するような回転数制御が行なわれる。電流指令角速度指令形成回路4にて、例えば次のような比例積分演算によりq軸電流指令値Iqrを出力する。
Iqr= G3・(ωc−ω)+G4・∫(ωc−ω)・dt (6)式
ここにG3、G4は定数である。電流指令値Idrは、トルク発生に寄与しないことから例えばゼロ出力が継続される。この(5)定常運転段階における各角速度と電流の変化の様子を図10の(5)に示す。
【0033】
以上、説明したように従来の始動方法では、図10の(ア)、(イ)に示す部分において、回転子の実際の角速度ωmに急激な変化が生じ、これがモータ6に振動、騒音を発生させる原因になっている。
【0034】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その目的は、回転子の実際の角速度の急激な変化を抑制して、振動や騒音を発生させることなくモータを始動させることができるベクトル制御インバータ装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のベクトル制御インバータ装置は、永久磁石を回転子に設けた永久磁石モータの電流を、永久磁石による誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロとする演算により推定した磁束軸(di軸)方向成分とこれに直交するトルク軸(qi軸)方向成分とに分離してそれぞれ独立に制御するベクトル制御インバータ装置であって、前記永久磁石モータに供給する電流の電流ベクトルをdi軸方向に固定したままdi軸と共に角速度ωsで回転させて回転子を回転させる強制回転段階と、di軸角速度を一旦ゼロとし、前記電流ベクトルは角速度ωsでqi軸方向に回転させる電流切換段階と、を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移ることを特徴とするものである。
【0036】
このような構成にしたことにより、強制回転段階からdi軸電流、qi軸電流の電流切換段階に移る瞬間における回転子角速度ωmの急激な変化が抑えられ、モータの振動、騒音の発生が抑えられる効果がある。
【0037】
請求項2に記載のベクトル制御インバータ装置は、請求項1に記載のベクトル制御インバータ装置であって、前記電流切換段階を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロに保った状態の回転数制御に移ることを特徴とするものである。
【0038】
このような構成にしたことにより、請求項1についての効果に加え、回転子角速度制御をオープンループ制御からクローズドループ制御に切り換える瞬間における電流ベクトルiの角速度ωiの連続性が保たれるために、回転子の角速度ωmに急激な変化が生ぜず、モータの振動、騒音の発生が抑えられる効果がある。
【0039】
請求項3に記載のベクトル制御インバータ装置は、請求項1に記載のベクトル制御インバータ装置であって、前記電流切換段階を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロに保った状態の回転数制御に移行すると共にqi軸電流は、該移行時の電流値をdi軸電流がゼロになるまで維持することを特徴とするものである。
【0040】
このような構成にしたことにより、請求項2についての効果に加え、回転子角速度制御をオープンループ制御からクローズドループ制御に切り換える瞬間における回転子に働くトルクの連続性が保たれるために、回転子の角速度ωmに急激な変化が生ぜず、モータの振動、騒音の発生が抑えられる効果がある。
【0041】
請求項4に記載のベクトル制御インバータ装置は、永久磁石を回転子に設けた永久磁石モータの電流を、永久磁石による誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロとする演算により推定した磁束軸(di軸)方向成分とこれに直交するトルク軸(qi軸)方向とに分離してそれぞれ独立に制御するベクトル制御インバータ装置であって、前記永久磁石モータに供給する電流の電流ベクトルをdi軸方向に固定したままdi軸と共に外部角速度指令値ωaに従って回転させて回転子を回転させる強制回転段階と、di軸角速度を一旦ゼロとし、前記電流ベクトルは前記外部角速度指令値ωaに従ってqi軸方向に回転させる電流切換段階と、を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移ることを特徴とするものである。
【0042】
このような構成にしたことにより、外部角速度指令値ωaに従って回転数を上昇させることができることに加え、強制回転段階からdi軸電流、qi軸電流の電流切換段階に移る瞬間における回転子角速度ωmの急激な変化が抑えられ、モータの振動、騒音の発生が抑えられる効果がある。
【0043】
請求項5に記載のベクトル制御インバータ装置は、請求項4に記載のベクトル制御インバータ装置であって、請求項4に記載の電流切換段階を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロに保った状態の回転数制御に移ることを特徴とするものである。
【0044】
このような構成にしたことにより請求項4についての効果に加え、回転子角速度制御をオープンループ制御からクローズドループ制御に切り換える瞬間における電流ベクトルiの角速度ωiの連続性が保たれるために回転子の角速度ωmに急激な変化が生ぜず、モータの振動、騒音の発生が抑えられる効果がある。
【0045】
請求項6に記載のベクトル制御インバータ装置は、請求項4に記載のベクトル制御インバータ装置であって、請求項4に記載の電流切換段階を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロに保った状態の回転数制御に移行すると共に、移行後はqi軸電流を、回転子角速度ωmが前記外部角速度指令値ωaに一致するように調整することを特徴とするものである。
【0046】
このような構成にしたことにより請求項4についての効果に加え、回転子角速度制御をオープンループ制御からクローズドループ制御に切り換える瞬間における回転子に働くトルクの連続性が保たれるために回転子の角速度ωmに急激な変化が生ぜず、モータの振動、騒音の発生が抑えられる効果がある。
【0047】
請求項7に記載のベクトル制御インバータ装置は、永久磁石が設けられた回転子の位置を推定する回転子位置推定手段と、永久磁石モータの巻線に流す電流ベクトルを、前記回転子位置推定手段により推定された回転子の位置に基づく前記永久磁石の磁束軸方向成分とこれに直交するトルク軸方向成分とに分離してそれぞれ独立に制御する手段とを備えるベクトル制御インバータ装置において、前記トルク軸方向成分がゼロであって回転速度がゼロから所定値まで時間とともに増加する電流ベクトルに対応する電流を前記巻線に通電させる手段と、前記トルク軸方向成分が時間とともにゼロから増加し、前記磁束軸方向成分が時間とともにゼロへと減少し、かつ、回転速度が前記所定値で維持される電流ベクトルに対応する電流を前記巻線に通電させる手段と、前記磁束軸方向成分がゼロになった後は、前記永久磁石による誘起電圧の磁束軸方向成分推定値に基づいた角速度で前記回転子を回転させる手段とを備えることを特徴とするものである。
【0048】
このような構成にしたことにより、回転子の角速度および回転子に働く回転トルクの急激な変換が抑制されるため、モータに振動、騒音を発生させることなくスムーズに始動させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、「従来の技術」及び「発明が解決しようとする課題」の項で詳しく説明した従来の実施形態と同一又は類似する部分が多いので、重複する部分の説明は省略し、相違する部分のみを詳しく説明する。また以下の図においては、従来技術と同一又は相当する部分には同一符号が付してある。
【0050】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のインバータ装置の電気的構成図、図2は、始動開始から定常運転段階に至るまでの電流指令値、角速度指令値等の切り換え状態を示すフロー図、図3は、各段階における電気諸量のベクトル図、図4は、電流、角速度等のタイムチャートである。
【0051】
図1に示すインバータ装置の電気的構成は、従来技術を示した図7と殆ど同じである。構成面で異なるのは、誘起電圧推定回路31の演算結果であるd軸誘起電圧推定値Edが、電流指令角速度指令形成回路4に追加入力されている点だけである。電流指令角速度指令形成回路4以外の各構成回路、変換器等の動作は、「従来の技術」の項で説明した内容と同一であるので、それらについては説明を繰り返さない。電流指令加速指令形成回路4の動作については、図2のフローに従った起動シーケンスの説明の中で明らかにする。
【0052】
始動開始により、最初に図2に示すステップS1の(1)位置決め段階を行なう。この段階の動作は、従来技術の図8のステップS31の(1)位置決め段階と同じである。回転子は永久磁石の作る磁束ベクトルφが、インバータ装置1の想定(認識)するd軸であるdi軸方向に位置決めされる。位置決めされた状態のベクトル図を図3の(1)に、この段階の電流指令値等の経時変化を図4の(1)に示す。なお電流Idsの値は、モータ6を加速するのに十分なトルクを発生させる値に設定されている。
【0053】
続いてステップS2の(2)強制回転段階に移る。この段階の動作も、従来技術を表す図8のステップS32の(2)強制回転段階の動作と同じである。この段階のベクトル図を図3の(2)に、電流指令値等の経時変化を図4の(2)に示す。この段階の終了時点では、積分器5の入力である角速度指令値ωrと、モータ6の実際の角速度ωmは、共に所定値ωsに等しくなっている。即ち、電機子電流ベクトルiは、その絶対値がIdsでdi軸方向を向き、角速度ωsで回転している。回転子の磁束ベクトルφは、dm軸方向を向き、電流ベクトルiから一定の位相遅れで同じく角速度ωsで回転している。電流ベクトルiと磁束ベクトルφとの位相差は、発生トルクT(電流ベクトルiと磁束ベクトルφとの外積)と負荷トルクとが等しくなる条件で決まる。図3のベクトル図におけるベクトルvmは、磁束ベクトルφの回転により電機子コイル内に発生する誘起電圧ベクトルを示しており、その方向は常にqm軸と一致しており、絶対値は回転子の実際の角速度ωmに比例している。
【0054】
ステップS2が終了すると次に電流切換段階に移行する。この電流切換段階は、ステップS3の(3a)電流切換段階、ステップS4の(3b)電流切換段階、ステップS5の(3c)電流切換段階の3ステップ、3段階で構成される。この段階では、d軸電流指令値Idrの値をIdsからゼロへ、q軸電流指令値Iqrの値は逆に、ゼロからIqsに向け増加させる。即ち、d軸電流Idとq軸電流Iqの切り換えが行なわれる。
【0055】
ステップS3の(3a)電流切換段階の開始と共に、次の計算式に従ってd軸、q軸の電流指令値Idr、Iqrが、電流指令角速度指令形成回路4から出力される。
Idr=Ids・cos(ωs・t) (7)式
Iqr=Iqs・sin(ωs・t) (8)式
ここでωsは、(3a)電流切換段階に移る直前の角速度指令値ωrの値、t は(3a)電流切換段階の開始からの経過時間である。これらの式が、従来技術のステップS33の(3)電流切換段階における電流指令値の計算式(4)、(5)式と異なるのは、計算式中の角速度λがωsに置き換わっている点である。
【0056】
他方、角速度指令値ωrの値については、従来技術ではωsに維持されたのに対し、本実施形態ではゼロが出力される。角速度指令値ωrがゼロであるので、di−qi軸の回転は停止する。しかし、各軸の電流指令値は(7)、(8)式に従って出力されるため、電流ベクトルiは角速度ωsにて回転する。即ち、(3a)電流切換段階では、電流ベクトルiの角速度ωiは切換直前の角速度ωsに維持される。従って回転子もこれに追随する形で切換直前の角速度ωsで回転することになる。この状態におけるベクトル図を図3の(3a)に、角速度等の推移を図4の(3a)に示す。従来技術の図10の(ア)の部分が図4の(ア)の部分に相当し、本実施形態の場合には、回転子の角速度ωmに急激な変化は生じない。従って、従来技術で問題であったこの切り換え時における振動や騒音の発生が、本実施例では解消されている。
【0057】
この(3a)電流切換段階では、同時にd軸誘起電圧推定値Edの値が電流指令角速度指令形成回路4にて監視される。qm軸と一致する誘起電圧ベクトルvmは、dm−qm軸と共に角速度ωsで回転を続け、一方di−qi軸は停止している。従って、誘起電圧ベクトルvmのdi軸方向成分の推定値Edの値は、次第に減少して遂にはゼロになる。
【0058】
このEdの値がゼロになった段階がステップS4の(3b)電流切換段階である。この状態におけるベクトル図を図3の(3b)に、電流指令値等の状態を図4の(3b)に示す。この段階に達した時点のq軸電流指令値の値は、Iqkとして記憶される。
【0059】
続いてステップS5の(3c)電流切換段階に移る。この段階では、d軸電流指令値Idrは、引き続き(7)式に従って減少し続ける。一方、q軸電流指令値は、先に記憶されたIqkの値に維持される。
またこの(3c)電流切換段階の開始と同時に、角速度指令値ωrとしては、角速度推定回路3で推定された角速度推定値ωがそのまま出力される。即ち、この段階から回転子の角速度ωmの推定演算が機能し始める。(3c)電流切換段階に移った瞬間には、回転子は角速度ωsで回転しているので、角速度推定値ωの値は推定演算によりωsに収束し、その値ωsが角速度指令値ωrとして出力される。これ以降、角速度指令値ωrとしては、回転子角速度ωmの推定値ω(ωmに殆ど等しい)が出力されるので、di−qi軸はdm−qm軸と殆ど一致した状態で回転を続ける。この状態のベクトル図を図3の(3c)に示す。
【0060】
発生トルクTは、磁束ベクトルφと電流ベクトルiとの外積、即ち、磁束ベクトルφと電流ベクトルiのqm軸成分との積に比例する。ここにqi軸電流指令値Iqrは一定値Iqkに維持されており、qi軸とdm軸とは殆ど一致しているので、発生するトルクTは(3c)電流切換段階を通じて一定値に維持される。従って回転子の角速度ωmは、この段階中、一定値ωsのまま推移する。以上のような推移を図4の(3c)に示す。
【0061】
従来技術を示す図10の(3)電流切換段階から(4)加速度切換段階への切換は、図9の(3)のベクトル図に示すように、di−qi軸とdm−qm軸とが一致していない状態で、角速度指令値ωrが推定値ωに切り換えられた。このため角速度推定演算の結果、di−qi軸のdm−qm軸方向への急速回転、それに伴う電流ベクトルiのqm軸方向への急速回転が生じて、図10の(イ)の部分に示すような電流ベクトルi及び回転子角速度ωmの急激な変化が生じた。
【0062】
これに対して本実施形態の場合は、図3の(3b)に示すようにdi−qi軸とdm−qm軸とが一致した状態で、角速度指令値ωrの推定値ωへの切り換えが行なわれる。従って、図(4)の(イ)の部分に示すように電流ベクトルi及び回転子角速度ωmに変化が生じず、この切り換え部分で振動、騒音等が発生することはない。
【0063】
ステップS5におけるd軸電流指令値Idrがゼロになった時点で、次のステップS6の(4)定常運転段階に移る。この段階の動作は、従来技術の図8のステップS35の(5)定常運転段階の動作と同じである。角速度推定値ωに等しい角速度指令値ωrが、外部から与えられる角速度目標値ωc(図示しない)に一致するような回転数制御を行なう。電流指令角速度指令形成手段4にて、例えば前述の(6)式に従って、q軸電流指令値Iqrを出力する。この(4)定常運転段階における各角速度と電流の変化の様子を図4の(4)に示す。
【0064】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、従来技術の図10の(ア)、(イ)の部分で見られた電流ベクトルiと回転子角速度ωmの急激な変化が、図4の(ア)、(イ)の部分に示すように無くなるので、この部分でのモータの振動や騒音の発生が解消される。
【0065】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、始動から定常運転段階の角速度ωcに到達するまでの間は、電流指令角速度指令形成回路4が想定する理想角速度曲線に沿ってモータ6の回転速度を上昇させた。従って第1の実施形態は、定常時角速度ωcが外部よりステップ状に与えられる場合に都合のよい実施形態であった。これに対して第2の実施形態は、起動時の角速度曲線が外部から与えられ、その角速度指令値ωaが、ゼロからスタートし緩やかな曲線を描いて定常時角速度に到達する場合に都合のよい始動方法である。
【0066】
この第2の実施形態の動作は、第1の実施形態に類似する部分が多い。従って、同一動作部分はその旨を記載するのみで重複説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
第2の実施形態の始動のフロー図を図5に、電流指令値等の経時変化を図6に示す。インバータ装置の電気的構成、及びベクトル図は第1の実施形態の場合の図1、及び図3と同じである。
【0067】
始動開始と共に図5のステップS21の(1)位置決め段階を実行する。この段階は、第1の実施形態の場合の動作と同じである。電流指令値等の推移を図6の(1)に、回転子が位置決めされた状態のベクトル図を図3の(1)に示す。
【0068】
位置決め完了でステップS22の(2)強制回転段階に移る。この段階より、外部からの角速度指令値ωaが電流指令角速度指令形成回路4に与えられる(図示しない)。図6の(A)には、その外部角速度指令値ωaの曲線の一例を示す。第1の実施形態では、角速度指令値ωrがゼロから所定値ωsまで、電流指令角速度指令形成回路4で作り出された勾配に従って増加したが、本実施形態では外部からの角速度指令値ωaの曲線に従って所定値ωsまで上昇させる。この段階のベクトル図を図3の(2)に、角速度指令値等の推移を図6の(2)に示す。
【0069】
外部角速度指令値ωaが所定値ωsに達した時点でステップS23の(3a)電流切換段階に移る。この段階の動作は、第1の実施形態のステップS3と殆ど同じであるが、電流指令値が次式のように角速度ωaで切り換えられる点が第1の実施形態の(7)、(8)式と異なる。
Idr=Ids・cos(ωa・t) (9)式
Iqr=Iqs・sin(ωa・t) (10)式
この段階におけるベクトル図を図3の(3a)に、角速度等の推移を図6の(3a)に示す。
【0070】
角速度指令値ωrの値としては、第1の実施形態と同様にゼロが出力されるので、電流ベクトルiは角速度ωaで回転することになる。(3a)電流切換段階に移る直前の回転子の実際の角速度ωmはωsであったので、切り換わりの瞬間である図6の(ア)の部分で電流ベクトルi及び回転子の角速度ωmに変化が生じない。従って、この部分で振動や騒音が発生することはない。
【0071】
(3a)電流切換段階では、第1の実施形態の場合と同様にd軸誘起電圧推定値Edの監視が行なわれる。そしてEdの値がゼロになった時点でステップS24の(3b)電流切換段階に移る。この状態が第1の実施形態と異なるのは、回転子の角速度ωmが第1の実施形態ではωsであったの対し、本実施形態の場合にはその時点の外部角速度指令値ωaに等しくなっている点である。この段階のベクトル図を図3の(3b)に、角速度等を図6の(3b)に示す。
【0072】
続いてステップS25の(3c)電流切換段階に移る。この段階より第1の実施形態と同様に、角速度指令値ωrとして回転子の角速度ωmを推定したωの値がそのまま出力される。即ち、角速度推定演算が機能し始める。d軸電流指令値Idrは、引き続き(9)式に従いゼロに向け減少を続ける。
【0073】
q軸電流指令値Iqrとしては、角速度推定値ωに等しい角速度指令値ωrが、外部角速度指令値ωaに一致するように、電流指令角速度指令形成回路4にて、例えば次のような比例積分演算した値が出力される。
Iqr= G5・(ωa−ω)+G6・∫(ωa−ω)・dt (11)式
ここにG5、G6は定数である。但し、(3b)電流切換段階の前後で電流指令値Iqrの値に変化がないように、即ち、(3c)電流切換段階に移った直後のIqrの値が(3b)電流切換段階におけるIqrの値に等しくなるように(11)式の第2項の積分値の初期値を設定する。図5のステップS25、S26中のf(ωa,ω)は、(11)式の右辺の式を意味している。このように電流指令値Iqrが出力されることにより、回転子の実際の角速度ωmは、外部から与えられる角速度指令値ωaに一致するように回転数制御される。
【0074】
この(3c)電流切換段階におけるベクトル図を図3の(3c)に、電流指令値等の推移を図6の(3c)に示す。従来技術の図4の(イ)の部分に相当する本実施形態の図6の(イ)部分においては、第1の実施形態の場合と同様に電流ベクトルi、回転子の角速度ωmに変化が生じない。従って、この切り換え部分で振動、騒音が発生することはない。
【0075】
電流指令値Idrが減少を続け、その値がゼロになった段階がステップS26の(3d)電流切換段階であり、この段階のベクトル図を図3の(4)に、角速度等を図6の(3d)に示す。
【0076】
続いてステップS27の(4)定常運転段階に移る。この段階ではd軸電流指令値Idは、d軸電流がトルク発生に寄与しないことから、通常はゼロ値が出力される。他方、q軸電流は、引き続き(11)式に従って制御される。これにより回転子の角速度ωmは、外部角速度指令値ωaに一致するように回転数制御される。
【0077】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態によれば、従来技術の図10の(ア)、(イ)の部分で見られた電流ベクトルiと回転子角速度ωmの急激な変化が、図6の(ア)、(イ)の部分に示すように無くなるので、この部分でのモータの振動や騒音の発生が解消される効果がある。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、モータが停止状態から定常運転状態に至るまので始動段階において、回転子に働くトルクの急激な変動が抑制される。従って、回転子角速度に急激な変化も生じないため、振動、騒音の少ないスムーズなモータの始動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベクトル制御インバータ装置の一実施形態を示す電気的構成図である。
【図2】第1の実施形態の始動シーケンスを示すフロー図である。
【図3】第1の実施形態の始動の各段階における電気諸量のベクトル図である。
【図4】第1の実施形態の始動の各段階における電流指令値等の推移を示すタイムチャートである。
【図5】第2の実施形態についての図2相当図である。
【図6】第2の実施形態についての図4相当図である。
【図7】従来技術を示す図1相当図である。
【図8】従来技術を示す図2相当図である。
【図9】従来技術を示す図3相当図である。
【図10】従来技術を示す図4相当図である。
【符号の説明】
図中、1はベクトル制御インバータ装置、2は電流制御回路、3は角速度推定回路、4は電流指令角速度指令形成回路、5は積分器、6は永久磁石モータ、31は誘起電圧推定回路、diは推定した磁束軸、qiは推定したトルク軸、Idはdi軸電流、Iqはqi軸電流、Idrはdi軸電流指令値、Iqrはqi軸電流指令値、Edは誘起電圧の磁束軸(di軸)方向成分推定値、ωは回転子の角速度推定値、ωsは所定の角速度、ωrは角速度指令値、ωaは外部角速度指令値、ωmは回転子の実際の角速度、iは電流ベクトル、vmは誘起電圧ベクトル、φは永久磁石の磁束ベクトルを示す。
Claims (7)
- 永久磁石を回転子に設けた永久磁石モータの電流を、永久磁石による誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロとする演算により推定した磁束軸(di軸)方向成分とこれに直交するトルク軸(qi軸)方向成分とに分離してそれぞれ独立に制御するベクトル制御インバータ装置であって、
前記永久磁石モータに供給する電流の電流ベクトルをdi軸方向に固定したままdi軸と共に角速度ωsで回転させて回転子を回転させる強制回転段階と、
di軸角速度を一旦ゼロとし、前記電流ベクトルは角速度ωsでqi軸方向に回転させる電流切換段階と、
を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移ることを特徴とするベクトル制御インバータ装置。 - 前記電流切換段階を経過中、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移ることを特徴とする請求項1に記載のベクトル制御インバータ装置。
- 前記電流切換段階を経過中、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移行すると共にqi軸電流は、該移行時の電流値をdi軸電流がゼロになるまで維持することを特徴とする請求項1に記載のベクトル制御インバータ装置。
- 永久磁石を回転子に設けた永久磁石モータの電流を、永久磁石による誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)をゼロとする演算により推定した磁束軸(di軸)方向成分とこれに直交するトルク軸(qi軸)方向とに分離してそれぞれ独立に制御するベクトル制御インバータ装置であって、
前記永久磁石モータに供給する電流の電流ベクトルをdi軸方向に固定したままdi軸と共に外部角速度指令値ωaに従って回転させて回転子を回転させる強制回転段階と、
di軸角速度を一旦ゼロとし、前記電流ベクトルは前記外部角速度指令値ωaに従ってqi軸方向に回転させる電流切換段階と、
を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移ることを特徴とするベクトル制御インバータ装置。 - 請求項4に記載の電流切換段階を経過中、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移ることを特徴とする請求項4に記載のベクトル制御インバータ装置。
- 請求項4に記載の電流切換段階を経過した後、前記誘起電圧の磁束軸方向成分推定値(Ed)がゼロとなった時点で、該磁束軸方向成分推定値(Ed)に基づいた角速度推定値ωで回転子を回転させる段階に移行すると共に、移行後はqi軸電流を、回転子角速度ωmが前記外部角速度指令値ωaに一致するように調整することを特徴とする請求項4に記載のベクトル制御インバータ装置。
- 永久磁石が設けられた回転子の位置を推定する回転子位置推定手段と、
永久磁石モータの巻線に流す電流ベクトルを、前記回転子位置推定手段により推定された回転子の位置に基づく前記永久磁石の磁束軸方向成分とこれに直交するトルク軸方向成分とに分離してそれぞれ独立に制御する手段とを備えるベクトル制御インバータ装置において、
前記トルク軸方向成分がゼロであって回転速度がゼロから所定値まで時間とともに増加する電流ベクトルに対応する電流を前記巻線に通電させる手段と、
前記トルク軸方向成分が時間とともにゼロから増加し、前記磁束軸方向成分が時間とともにゼロへと減少し、かつ、回転速度が前記所定値で維持される電流ベクトルに対応する電流を前記巻線に通電させる手段と、
前記磁束軸方向成分がゼロになった後は、前記永久磁石による誘起電圧の磁束軸方向成分推定値に基づいた角速度で前記回転子を回転させる手段とを備えることを特徴とするベクトル制御インバータ装置。
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