JP2004072520A - 受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価なクリスタル共振子を使用して発振器の発振周波数を安定化することなく、データの誤り率に影響を及ぼさない検波電圧を出力する。
【解決手段】GMSK変調された高周波信号を中間周波信号に周波数変換する混合器4と、中間周波信号を通過する中間周波バンドパスフィルタ8と、中間周波バンドパスフィルタ8を通過した中間周波信号を検波するクォドラチャ検波回路10と、混合器4に局部発振信号を供給する電圧制御発振器5と、電圧制御発振器5の発振周波数を制御するPLL回路6と、PLL回路6に基準信号を供給する基準発振器7とを備え、クォドラチャ検波回路10から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、AFC電圧によって基準発振器7の発振周波数を制御した。
【選択図】 図1
【解決手段】GMSK変調された高周波信号を中間周波信号に周波数変換する混合器4と、中間周波信号を通過する中間周波バンドパスフィルタ8と、中間周波バンドパスフィルタ8を通過した中間周波信号を検波するクォドラチャ検波回路10と、混合器4に局部発振信号を供給する電圧制御発振器5と、電圧制御発振器5の発振周波数を制御するPLL回路6と、PLL回路6に基準信号を供給する基準発振器7とを備え、クォドラチャ検波回路10から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、AFC電圧によって基準発振器7の発振周波数を制御した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ITS(高度道路交通システム)の一環としてシステム開発が行われているVICS(Vehicle Information and Communication System)等に使用される、GMSK(Gusian filtered Minimum Shift Keying)変調された高周波信号を受信するための受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の受信機を図4によって説明する。GMSK変調されたほぼ2.5GHzの高周波信号はアンテナ31で受信され、バンドパスフィルタ32、高周波増幅器33を経て混合器34に入力される。混合器34には電圧制御発振器35から局部発振信号が入力される。電圧制御発振器35の発振周波数はPLL回路36によってほぼ2.51GHzとなるように制御される。また、PLL回路36には基準発振器37から16MHzの基準信号が入力される。基準発振器37には図示しないクリスタル共振子が用いられている。以上の構成によって、混合器34からは10.7MHzの中間周波信号が出力される。
【0003】
中間周波信号は中間周波バンドパスフィルタ38、中間周波増幅器39を経てクォドラチャ検波回路40に入力される。中間周波バンドパスフィルタ38の通過帯域はおよそ230KHzである(3dB低下の幅)。クォドラチャ検波回路40は混合器40aと移相器40bとを有し、混合器40aには位相の異なる二つの中間周波信号が入力される。そして、移相器40bが同調回路からなり、その同調周波数が中間周波信号の中心周波数F0(10.7MHz)に同調していることから、混合器40aからは、中間周波バンドパスフィルタ38の特性も加わって中間周波信号の周波数偏移に従って、図5のAに示すようないわゆるS字カーブに対応する検波電圧が出力される。
【0004】
すなわち、クォドラチャ検波回路40は瞬時の中間周波数が上記中心周波数F0であれば基準の検波電圧Erを出力するが、中心周波数F0よりも高い方に偏移すれば検波電圧はその偏移量に比例して高くなり、中間周波数が低い方に偏移すれば低くなる。そして、通常は周波数偏移の幅(およそ±16KHz)がS字カーブの直線領域ΔFの範囲内となるように設計されている。
ここで得られた検波電圧は増幅器41によって所定レベルに増幅され、次いで波形整形回路42によって矩形波に整形される。整形された矩形波は図示しない後段の回路によって“0”/“1”のデジタルデータに変換される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来の受信機では、基準発振器のクリスタル共振子の安定度はおよそ50ppmである。つまり、温度条件等によって±50ppmの周波数変化を生ずる。この変化はそのまま局部発振周波数の変化になり、結果的に中間周波信号の周波数変化となる。上記の例では2.5GHz×(±50ppm)=±125KHzの変化となる。よって、中間周波信号は図6のBに示すようにS字カーブにおける125KHzシフトした位置(f0)を中心として偏移することとなり、検波電圧は同図Cに示すように中心電圧Esの上下で非対称となる。従って、この検波電圧によって得られるデジタルデータに誤りを発生する。
【0006】
この問題は±10ppm程度と周波数安定度に優れたクリスタル共振子を使用して中間周波信号の中心周波数の変動を±25KHz程度以内に押さえることで解決するがこのようなクリスタル共振子は極めて高価である。
【0007】
本発明は、高価なクリスタル共振子を使用して発振器の発振周波数を安定化することなく、データの誤り率に影響を及ぼさない検波電圧を出力することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題に対して、本発明では、GMSK変調された高周波信号を中間周波信号に周波数変換する混合器と、前記中間周波信号を検波するクォドラチャ検波回路とを備え、前記混合器に局部発振信号を供給する電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、前記PLL回路に基準信号を供給する基準発振器とを設け、前記クォドラチャ検波回路から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、前記AFC電圧によって前記基準発振器の発振周波数を制御した。
【0009】
また、前記基準発振器はクリスタル共振子と前記共振子に結合されたバラクタダイオードとを有し、前記AFC電圧を前記バラクタダイオードに印加した。
【0010】
また、前記中間周波信号を中間周波バンドパスフィルタを介して前記クォドラチャ検波回路に入力し、前記中間周波信号の中心周波数を前記中間周波バンドパスフィルタの通過帯域幅の10倍以下に設定した。
【0011】
また、前記中間周波信号の中心周波数を1MHzに設定した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面に従って本発明の受信機を説明する。図1において、GMSK変調されたほぼ2.5GHzの高周波信号はアンテナ1で受信され、バンドパスフィルタ2、高周波増幅器3を経て混合器4に入力される。この高周波信号の周波数偏移はおよそ16KHzである。混合器4には電圧制御発振器5から局部発振信号が入力される。電圧制御発振器5の発振周波数はPLL回路6によってほぼ2.501GHzとなるように制御される。また、PLL回路6には基準発振器7から16MHzの基準信号が入力される。基準発振器7は図示の如くインバータ7aと、その入力端と出力端との間に結合されたクリスタル共振子7bと、クリスタル共振子7bに結合されたバラクタダイオード7cとを有する。以上の構成によって、混合器4からは中心周波数が1MHzの中間周波信号が出力される。
【0013】
中間周波信号は中間周波バンドパスフィルタ8、中間周波増幅器9を経てクォドラチャ検波回路10に入力される。中間周波バンドパスフィルタ8の通過帯域はおよそ230KHzである(3dB低下の幅)。クォドラチャ検波回路10は混合器10aと移相器10bとを有し、混合器10aには中間周波増幅器9から出力された中間周波信号と、移相器10bによって位相回転した中間周波信号との位相の異なる二つの中間周波信号が入力される。移相器10bは同調回路からなり、その同調周波数は中間周波信号の中心周波数F0(1MHz)に同調している。よって、混合器10aからは中間周波信号の周波数偏移に対応して、図2のAに示すようないわゆるS字カーブに沿った検波電圧が出力される。S字カーブは中間周波バンドパスフィルタ8の特性が加わった結果のものである。
【0014】
すなわち、クォドラチャ検波回路10は瞬時の中間周波数が上記中心周波数F0であれば基準の検波電圧Erを出力するが、中心周波数よりも高い方に偏移すれば検波電圧はその偏移量に比例して高くなり、低い方に偏移すれば低くなる。そして、通常は周波数偏移の幅(およそ±16KHz)がS字カーブの直線領域ΔFの範囲内となるように設計されている。
【0015】
従って、クォドラチャ検波回路10に入力される中間周波信号の中心周波数が図2のBに示すようにF0であれば検波電圧は基準の検波電圧Erを中心として上下対称となる。混合器10aから出力された検波電圧は増幅器11によって所定レベルに増幅され、次いで波形整形回路12によって矩形波に整形される。整形された矩形波は図示しない後段の回路によって“0”/“1”のデジタルデータに変換される。
【0016】
また、検波電圧は抵抗13a、コンデンサ13bからなる平滑回路13により平滑されてAFC電圧となり、AFC電圧はオペアンプ14によって反転増幅され、基準発振器7におけるバラクタダイオード7cのカソードに印加される。よって、基準発振器7はAFC動作をする。
すなわち、基準発振器7のクリスタル共振子7bが周囲温度の変化や経時変化によって変化し、その結果中間周波信号の中心周波数が高い方にずれた場合、AFC電圧も高くなる。AFC電圧はオペアンプ13によって反転増幅されるので、バラクタダイオード7cに印加されるAFC電圧は低い方に移動する。よって、基準発振器7発振周波数は低下し、中間周波信号の中心周波数も低い方に移動する。よって、中間周波信号の中心周波数はF0となりように制御される。
【0017】
ここでは、AFC電圧を電圧制御発振器5に印加せずに、基準発振器7のクリスタル共振子7bに結合しているバラクタダイオード7cに印加しているので、制御する周波数が低くなり、AFC電圧に対する周波数の変化の割合が小さくなり安定した周波数制御ができる。よって、クリスタル共振器7cに周波数安定度の高い高価なものを使用する必要がない。
【0018】
また、AFC動作によって中間周波信号の中心周波数が変動しないように基準発振器7が制御されても、移相器10の同調周波数が周囲温度や経時変化によって変化すれば検波電圧が変わる。しかし、本発明では中間周波信号の周波数設定によって検波電圧の変化を小さく押さえている。以下にその理由を説明する。
【0019】
一般に同調回路の同調周波数は周囲温度や経時変化によって最大10000ppm程度変化する。一方、中間周波信号の中心周波数の変動はGMSK変調された高周波信号の周波数偏移量(±16KHz)を考慮して中間周波バンドパスフィルタ8の帯域幅の1/10程度、つまり±23KHzに押さえる必要がある。中間周波信号の中心周波数と移相器10bの同調周波数とは検波特性を考慮するうえでは相対的な関係にあるので、中間周波信号の中心周波数が変化しないとすれば、移相器10bの同調周波数の変動を±23KHzに押さえる必要がある。
【0020】
そこで、移相器10bの同調周波数が最大で23KHz変動する場合の同調周波数を求めると、
23(KHz)×106/104=2.3MHzとなる。
よって中間周波数を2.3MHz以下に設定すれば、10ppm程度の周波数安定度を有するクリスタル発振子を使用してAFC動作を行わない場合と等価となる。この周波数(2.3MHz)は中間周波バンドパスフィルタ8の通過帯域の10倍に相当するが、本発明での中間周波数は1MHzに設定されているので、同調周波数の変動は最大で約10KHzとなり、中間周波信号は図3のDに示すようにS字カーブの直線部分で検波されるので、Eの様な基準電圧Esの上下で対象となる検波電圧が得られる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、混合器に局部発振信号を供給する電圧制御発振器と、電圧制御発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、PLL回路に基準信号を供給する基準発振器とを設け、クォドラチャ検波回路から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、AFC電圧によって基準発振器の発振周波数を制御したので、制御する周波数が低くなり、AFC電圧に対する周波数の変化の割合が小さくなり安定した周波数制御ができる。よって、クリスタル共振器に周波数安定度の高い高価なものを使用しなくても中間周波数が変動せず、上下が対象の検波電圧が得られる。よって、検波電圧から生成するデータの誤り率を改善できる。
【0022】
また、基準発振器はクリスタル共振子と共振子に結合されたバラクタダイオードとを有し、AFC電圧をバラクタダイオードに印加したので簡単に周波数の制御ができる。
【0023】
また、中間周波信号を中間周波バンドパスフィルタを介してクォドラチャ検波回路に入力し、中間周波信号の中心周波数を中間周波バンドパスフィルタの通過帯域幅の10倍以下に設定したので、クォドラチャ検波回路における移相器の周波数が変化しても検波特性への影響を少なくできる。
【0024】
また、中間周波信号の中心周波数を1MHzに設定したので、2.5GHzの高周波信号を受信するVICS用受信機に使用した場合のデータ誤り率を極めて少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受信機の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の受信機におけるクォドラチャ検波回路の検波特性図である。
【図3】本発明の受信機におけるクォドラチャ検波回路の周波数変動時の検波特性図である。
【図4】従来の受信機の構成を示す回路図である。
【図5】従来の受信機におけるクォドラチャ検波回路の検波特性図である
【図6】従来の受信機におけるクォドラチャ検波回路の周波数変動時の検波特性図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 バンドパスフィルタ
3 高周波増幅器
4 混合器
5 電圧制御発振器
6 PLL回路
7 基準発振器
7a インバータ
7b クリスタル共振子
7c バラクタダイオード
8 中間周波バンドパスフィルタ
9 中間周波増幅器
10 クォドラチャ検波回路
10a 混合器
10b 移相器
11 増幅器
12 波形整形回路
13 平滑回路
13a 抵抗
13b コンデンサ
14 オペアンプ
【発明の属する技術分野】
この発明は、ITS(高度道路交通システム)の一環としてシステム開発が行われているVICS(Vehicle Information and Communication System)等に使用される、GMSK(Gusian filtered Minimum Shift Keying)変調された高周波信号を受信するための受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の受信機を図4によって説明する。GMSK変調されたほぼ2.5GHzの高周波信号はアンテナ31で受信され、バンドパスフィルタ32、高周波増幅器33を経て混合器34に入力される。混合器34には電圧制御発振器35から局部発振信号が入力される。電圧制御発振器35の発振周波数はPLL回路36によってほぼ2.51GHzとなるように制御される。また、PLL回路36には基準発振器37から16MHzの基準信号が入力される。基準発振器37には図示しないクリスタル共振子が用いられている。以上の構成によって、混合器34からは10.7MHzの中間周波信号が出力される。
【0003】
中間周波信号は中間周波バンドパスフィルタ38、中間周波増幅器39を経てクォドラチャ検波回路40に入力される。中間周波バンドパスフィルタ38の通過帯域はおよそ230KHzである(3dB低下の幅)。クォドラチャ検波回路40は混合器40aと移相器40bとを有し、混合器40aには位相の異なる二つの中間周波信号が入力される。そして、移相器40bが同調回路からなり、その同調周波数が中間周波信号の中心周波数F0(10.7MHz)に同調していることから、混合器40aからは、中間周波バンドパスフィルタ38の特性も加わって中間周波信号の周波数偏移に従って、図5のAに示すようないわゆるS字カーブに対応する検波電圧が出力される。
【0004】
すなわち、クォドラチャ検波回路40は瞬時の中間周波数が上記中心周波数F0であれば基準の検波電圧Erを出力するが、中心周波数F0よりも高い方に偏移すれば検波電圧はその偏移量に比例して高くなり、中間周波数が低い方に偏移すれば低くなる。そして、通常は周波数偏移の幅(およそ±16KHz)がS字カーブの直線領域ΔFの範囲内となるように設計されている。
ここで得られた検波電圧は増幅器41によって所定レベルに増幅され、次いで波形整形回路42によって矩形波に整形される。整形された矩形波は図示しない後段の回路によって“0”/“1”のデジタルデータに変換される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来の受信機では、基準発振器のクリスタル共振子の安定度はおよそ50ppmである。つまり、温度条件等によって±50ppmの周波数変化を生ずる。この変化はそのまま局部発振周波数の変化になり、結果的に中間周波信号の周波数変化となる。上記の例では2.5GHz×(±50ppm)=±125KHzの変化となる。よって、中間周波信号は図6のBに示すようにS字カーブにおける125KHzシフトした位置(f0)を中心として偏移することとなり、検波電圧は同図Cに示すように中心電圧Esの上下で非対称となる。従って、この検波電圧によって得られるデジタルデータに誤りを発生する。
【0006】
この問題は±10ppm程度と周波数安定度に優れたクリスタル共振子を使用して中間周波信号の中心周波数の変動を±25KHz程度以内に押さえることで解決するがこのようなクリスタル共振子は極めて高価である。
【0007】
本発明は、高価なクリスタル共振子を使用して発振器の発振周波数を安定化することなく、データの誤り率に影響を及ぼさない検波電圧を出力することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題に対して、本発明では、GMSK変調された高周波信号を中間周波信号に周波数変換する混合器と、前記中間周波信号を検波するクォドラチャ検波回路とを備え、前記混合器に局部発振信号を供給する電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、前記PLL回路に基準信号を供給する基準発振器とを設け、前記クォドラチャ検波回路から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、前記AFC電圧によって前記基準発振器の発振周波数を制御した。
【0009】
また、前記基準発振器はクリスタル共振子と前記共振子に結合されたバラクタダイオードとを有し、前記AFC電圧を前記バラクタダイオードに印加した。
【0010】
また、前記中間周波信号を中間周波バンドパスフィルタを介して前記クォドラチャ検波回路に入力し、前記中間周波信号の中心周波数を前記中間周波バンドパスフィルタの通過帯域幅の10倍以下に設定した。
【0011】
また、前記中間周波信号の中心周波数を1MHzに設定した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面に従って本発明の受信機を説明する。図1において、GMSK変調されたほぼ2.5GHzの高周波信号はアンテナ1で受信され、バンドパスフィルタ2、高周波増幅器3を経て混合器4に入力される。この高周波信号の周波数偏移はおよそ16KHzである。混合器4には電圧制御発振器5から局部発振信号が入力される。電圧制御発振器5の発振周波数はPLL回路6によってほぼ2.501GHzとなるように制御される。また、PLL回路6には基準発振器7から16MHzの基準信号が入力される。基準発振器7は図示の如くインバータ7aと、その入力端と出力端との間に結合されたクリスタル共振子7bと、クリスタル共振子7bに結合されたバラクタダイオード7cとを有する。以上の構成によって、混合器4からは中心周波数が1MHzの中間周波信号が出力される。
【0013】
中間周波信号は中間周波バンドパスフィルタ8、中間周波増幅器9を経てクォドラチャ検波回路10に入力される。中間周波バンドパスフィルタ8の通過帯域はおよそ230KHzである(3dB低下の幅)。クォドラチャ検波回路10は混合器10aと移相器10bとを有し、混合器10aには中間周波増幅器9から出力された中間周波信号と、移相器10bによって位相回転した中間周波信号との位相の異なる二つの中間周波信号が入力される。移相器10bは同調回路からなり、その同調周波数は中間周波信号の中心周波数F0(1MHz)に同調している。よって、混合器10aからは中間周波信号の周波数偏移に対応して、図2のAに示すようないわゆるS字カーブに沿った検波電圧が出力される。S字カーブは中間周波バンドパスフィルタ8の特性が加わった結果のものである。
【0014】
すなわち、クォドラチャ検波回路10は瞬時の中間周波数が上記中心周波数F0であれば基準の検波電圧Erを出力するが、中心周波数よりも高い方に偏移すれば検波電圧はその偏移量に比例して高くなり、低い方に偏移すれば低くなる。そして、通常は周波数偏移の幅(およそ±16KHz)がS字カーブの直線領域ΔFの範囲内となるように設計されている。
【0015】
従って、クォドラチャ検波回路10に入力される中間周波信号の中心周波数が図2のBに示すようにF0であれば検波電圧は基準の検波電圧Erを中心として上下対称となる。混合器10aから出力された検波電圧は増幅器11によって所定レベルに増幅され、次いで波形整形回路12によって矩形波に整形される。整形された矩形波は図示しない後段の回路によって“0”/“1”のデジタルデータに変換される。
【0016】
また、検波電圧は抵抗13a、コンデンサ13bからなる平滑回路13により平滑されてAFC電圧となり、AFC電圧はオペアンプ14によって反転増幅され、基準発振器7におけるバラクタダイオード7cのカソードに印加される。よって、基準発振器7はAFC動作をする。
すなわち、基準発振器7のクリスタル共振子7bが周囲温度の変化や経時変化によって変化し、その結果中間周波信号の中心周波数が高い方にずれた場合、AFC電圧も高くなる。AFC電圧はオペアンプ13によって反転増幅されるので、バラクタダイオード7cに印加されるAFC電圧は低い方に移動する。よって、基準発振器7発振周波数は低下し、中間周波信号の中心周波数も低い方に移動する。よって、中間周波信号の中心周波数はF0となりように制御される。
【0017】
ここでは、AFC電圧を電圧制御発振器5に印加せずに、基準発振器7のクリスタル共振子7bに結合しているバラクタダイオード7cに印加しているので、制御する周波数が低くなり、AFC電圧に対する周波数の変化の割合が小さくなり安定した周波数制御ができる。よって、クリスタル共振器7cに周波数安定度の高い高価なものを使用する必要がない。
【0018】
また、AFC動作によって中間周波信号の中心周波数が変動しないように基準発振器7が制御されても、移相器10の同調周波数が周囲温度や経時変化によって変化すれば検波電圧が変わる。しかし、本発明では中間周波信号の周波数設定によって検波電圧の変化を小さく押さえている。以下にその理由を説明する。
【0019】
一般に同調回路の同調周波数は周囲温度や経時変化によって最大10000ppm程度変化する。一方、中間周波信号の中心周波数の変動はGMSK変調された高周波信号の周波数偏移量(±16KHz)を考慮して中間周波バンドパスフィルタ8の帯域幅の1/10程度、つまり±23KHzに押さえる必要がある。中間周波信号の中心周波数と移相器10bの同調周波数とは検波特性を考慮するうえでは相対的な関係にあるので、中間周波信号の中心周波数が変化しないとすれば、移相器10bの同調周波数の変動を±23KHzに押さえる必要がある。
【0020】
そこで、移相器10bの同調周波数が最大で23KHz変動する場合の同調周波数を求めると、
23(KHz)×106/104=2.3MHzとなる。
よって中間周波数を2.3MHz以下に設定すれば、10ppm程度の周波数安定度を有するクリスタル発振子を使用してAFC動作を行わない場合と等価となる。この周波数(2.3MHz)は中間周波バンドパスフィルタ8の通過帯域の10倍に相当するが、本発明での中間周波数は1MHzに設定されているので、同調周波数の変動は最大で約10KHzとなり、中間周波信号は図3のDに示すようにS字カーブの直線部分で検波されるので、Eの様な基準電圧Esの上下で対象となる検波電圧が得られる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、混合器に局部発振信号を供給する電圧制御発振器と、電圧制御発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、PLL回路に基準信号を供給する基準発振器とを設け、クォドラチャ検波回路から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、AFC電圧によって基準発振器の発振周波数を制御したので、制御する周波数が低くなり、AFC電圧に対する周波数の変化の割合が小さくなり安定した周波数制御ができる。よって、クリスタル共振器に周波数安定度の高い高価なものを使用しなくても中間周波数が変動せず、上下が対象の検波電圧が得られる。よって、検波電圧から生成するデータの誤り率を改善できる。
【0022】
また、基準発振器はクリスタル共振子と共振子に結合されたバラクタダイオードとを有し、AFC電圧をバラクタダイオードに印加したので簡単に周波数の制御ができる。
【0023】
また、中間周波信号を中間周波バンドパスフィルタを介してクォドラチャ検波回路に入力し、中間周波信号の中心周波数を中間周波バンドパスフィルタの通過帯域幅の10倍以下に設定したので、クォドラチャ検波回路における移相器の周波数が変化しても検波特性への影響を少なくできる。
【0024】
また、中間周波信号の中心周波数を1MHzに設定したので、2.5GHzの高周波信号を受信するVICS用受信機に使用した場合のデータ誤り率を極めて少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受信機の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の受信機におけるクォドラチャ検波回路の検波特性図である。
【図3】本発明の受信機におけるクォドラチャ検波回路の周波数変動時の検波特性図である。
【図4】従来の受信機の構成を示す回路図である。
【図5】従来の受信機におけるクォドラチャ検波回路の検波特性図である
【図6】従来の受信機におけるクォドラチャ検波回路の周波数変動時の検波特性図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 バンドパスフィルタ
3 高周波増幅器
4 混合器
5 電圧制御発振器
6 PLL回路
7 基準発振器
7a インバータ
7b クリスタル共振子
7c バラクタダイオード
8 中間周波バンドパスフィルタ
9 中間周波増幅器
10 クォドラチャ検波回路
10a 混合器
10b 移相器
11 増幅器
12 波形整形回路
13 平滑回路
13a 抵抗
13b コンデンサ
14 オペアンプ
Claims (4)
- GMSK変調された高周波信号を中間周波信号に周波数変換する混合器と、前記中間周波信号を検波するクォドラチャ検波回路とを備え、前記混合器に局部発振信号を供給する電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、前記PLL回路に基準信号を供給する基準発振器とを設け、前記クォドラチャ検波回路から出力される検波電圧からAFC電圧を生成し、前記AFC電圧によって前記基準発振器の発振周波数を制御したことを特徴とする受信機。
- 前記基準発振器はクリスタル共振子と前記共振子に結合されたバラクタダイオードとを有し、前記AFC電圧を前記バラクタダイオードに印加したことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
- 前記中間周波信号を中間周波バンドパスフィルタを介して前記クォドラチャ検波回路に入力し、前記中間周波信号の中心周波数を前記中間周波バンドパスフィルタの通過帯域幅の10倍以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信機。
- 前記中間周波信号の中心周波数を1MHzに設定したことを特徴とする請求項3に記載の受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002230447A JP2004072520A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 受信機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002230447A JP2004072520A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 受信機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004072520A true JP2004072520A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32016521
Family Applications (1)
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JP2002230447A Withdrawn JP2004072520A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 受信機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004072520A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7902930B2 (en) | 2006-12-05 | 2011-03-08 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Colpitts quadrature voltage controlled oscillator |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002230447A patent/JP2004072520A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7902930B2 (en) | 2006-12-05 | 2011-03-08 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Colpitts quadrature voltage controlled oscillator |
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