JP2004067629A - ミトコンドリア機能活性化剤及び新規なベンゾイミダゾール誘導体 - Google Patents
ミトコンドリア機能活性化剤及び新規なベンゾイミダゾール誘導体 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬、特にミトコンドリア機能活性化剤、糖尿病及び/又は肥満の治療及び/又は予防剤、並びに、新規なベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩及び該化合物を有効成分とする医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
肥満は糖尿病や高血圧、高脂血症など各種生活習慣病の準備状態である。肥満はこれら生活習慣病のほか、胆石症、不妊症、痛風及び癌等と合併しやすいことが報告されている(肥満・肥満症の指導マニュアル、第2版、16ページ、2001年)ことから、これらの疾患におけるリスクファクターとしての肥満を予防・治療することは、健康上、また予防医学的な観点からも重要な課題である。
現在、肥満の治療薬として摂食抑制薬や脂肪吸収抑制薬などのエネルギー摂取を制限する薬剤が使用されているが、エネルギーの消費を亢進するような薬剤は今のところ存在しない。ヒトで生理的に熱を産生する主要な組織は骨格筋であり、この筋組織のエネルギー消費を亢進させる薬剤は、肥満の予防及び/又は治療薬となる可能性がある。またこのような薬剤は、エネルギー代謝の活性化に伴って糖や脂質の酸化的代謝活性を亢進させ、糖尿病や高脂血症の治療薬としても適用できる可能性がある。さらに骨格筋組織のこのような代謝の活性化は、加齢に伴う骨格筋の脆弱化をも予防できる可能性がある。
【0003】
最近、骨格筋のエネルギー代謝制御に関与する新たな因子として、PPARγのマウス由来の転写コアクチベーターである、PPAR gamma coactivator−1(以下、「PGC−1」という。)が同定された。マウスを寒冷環境下におくと骨格筋でのPGC−1発現が増加するので、この新規分子PGC−1は、骨格筋組織での熱産生の制御に関わる可能性が示唆された(Cell, 92, 829−838, 1998)。また、PGC−1を分子生物学的手法によって強制発現させると、ミトコンドリア呼吸鎖に関わる因子の転写を促すNuclear Respiratory Factor(NRF)や、ミトコンドリアにおいてエネルギー消費を起こすと考えられている脱共役蛋白質、uncoupling protein(UCP)の発現が誘導されるほか、ミトコンドリアのゲノム複製や転写反応過程に重要な役割を果たすmitochondrial transcription factor A(mtTFA)の発現が誘導され、これら分子の機能発現によって細胞内のミトコンドリア数が増加し、また細胞の酸素消費量が増大することも明らかとなった(Cell, 98, 115−124, 1999)。これらの事実は、ヒト由来のPGC−1(以下、「hPGC−1」という。)の発現を誘導する薬剤が、細胞のミトコンドリア機能活性化により、熱産生、即ちエネルギー消費を引き起こし、さらには細胞内でエネルギー源となる糖や脂質の代謝を活性化させる可能性があることを示唆している。
【0004】
従って、PGC−1の発現を誘導するミトコンドリア機能活性化剤は、筋細胞のミトコンドリア機能活性化により、骨格筋組織のインスリン抵抗性を改善し、また骨格筋組織のエネルギー消費を亢進させ、その結果、肥満、糖尿病の予防及び/又は治療効果を有すると考えられる。
【0005】
一方、本願出願人は国際公開第WO01/90356号において、5−(4−フルオロベンジリデン)−2,4−チアゾリジンジオン、5−(4−ブロモベンジリデン)−2,4−チアゾリジンジオン、及び2−(3−アミノフェニル)−5−ベンゾイル−(1H)−ベンゾイミダゾール等の公知化合物が、ミトコンドリア機能活性化作用を示すことを報告している(文献1)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、ミトコンドリア機能活性化剤は、肥満、糖尿病の予防及び/又は治療剤となりうるため、優れた効果を有するミトコンドリア機能活性化剤の創製が切望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ミトコンドリア機能活性化作用を有する化合物につき鋭意研究を行ったところ、ベンゾイミダゾール誘導体が優れたhPGC−1プロモーター活性化作用、及び優れたミトコンドリア機能活性化作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明によれば、下記一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とするミトコンドリア機能活性化剤が提供される。
【化3】
[式中の記号は以下の意味を示す。
R1:−H、−COOH、−COO−低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルでそれぞれ置換されていてもよいアミノ若しくはカルバモイル、−O−低級アルキル、−CN、ハロゲン、又は−A2−D1で示される基。
−A1−:単結合、−低級アルキレン−、−O−又は−低級アルキレン−O−。
−A2−:単結合、−低級アルキレン−、−O−、−C(=O)−又は−CH=N−。
R2及びR3:同一又は異なって、−H若しくは低級アルキル。
B1:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、シクロヘキシル又はピペリジニル。
D1:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル。
但し、2−(3−アミノフェニル)−5−ベンゾイル−(1H)−ベンゾイミダゾールを除く。]
また、本発明によれば、上記一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする糖尿病の治療剤又は予防剤であるミトコンドリア機能活性化剤、及び、肥満の治療剤又は予防剤であるミトコンドリア機能活性化剤が提供される。
【0009】
上記一般式(I)で示される本発明の医薬の有効成分であるミトコンドリア機能活性化剤には、表1に示される化合物番号1〜14の化合物も含まれる。化合物番号1〜12の化合物は市販の化合物であり、化合物番号13及び14の化合物は文献記載の化合物である。これらの化合物は、医薬用途はもちろんのこと、その他の用途についても全く報告されていない。従って、これらの化合物がミトコンドリア機能活性化作用を有し、糖尿病及び/又は肥満の治療及び/又は予防に用いられることは全く知られていない。
【0010】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
No:化合物番号、
R、R’:一般式中の置換基(Ph:フェニル、Py:ピリジル、Me:メチル、Bn:ベンジル、Bz:ベンゾイル、cHex:シクロヘキシル。なお、置換基の前の数字は置換位置を示す。従って、例えば5−(3−Py−CH=N)は、5位にピリジン−3−イルメチレンアミノが置換していることを;3−H2N−4−Me−Phは、3−アミノ−4−メチルフェニルを表す。)、
Notes:化合物番号1〜12の化合物では識別番号(かっこ内は供給会社)、化合物番号13及び14の化合物では該化合物が記載されている文献名。
【0011】
【表1】
【0012】
また、本発明によれば、下記一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩が提供される。
【化4】
[式中の記号は以下の意味を示す。
R4:−COO−低級アルキル、−N(低級アルキル)2、−O−低級アルキル、−CN、ハロゲン又は−A4−D2で示される基。
−A3−:単結合、−低級アルキレン−又は−低級アルキレン−O−。
−A4−:単結合、−低級アルキレン−、−O−又は−C(=O)−。
R5及びR6:同一又は異なって、−H又は低級アルキル。
B2:それぞれ置換されていてもよいピリジル又はピペリジニル。
D2:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル。
但し、R4がベンゾイルであり、R5及びR6が−Hであり、A3が単結合の場合、B2は置換基を有するピリジル又はピペリジニルを示す。]
さらに、本発明によれば、上記一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬が提供される。
【0013】
上記一般式(I)で示される本発明の医薬の有効成分である化合物又は上記一般式(II)で示される本発明化合物は、ベンゾイミダゾール環の2位においてA1又はA3を介してB1又はB2と結合し、ベンゾイミダゾール環のベンゼン部位にR1及びR2又はR4及びR5の置換基を有する点を化学構造上の特徴とし、優れたミトコンドリア機能活性化作用を有する点を薬理上の特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
一般式(I)又は(II)で示される化合物についてさらに説明すると、以下の通りである。
本明細書の一般式の定義において「低級」とは、特に断らない限り、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。
従って、「低級アルキル」とは、C1−6のアルキルであり、具体的には、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシル又はイソプロピル等のこれらの構造異性体であり、好ましくはC1−4のアルキルであり、さらに好ましくはメチル、エチルである。
「低級アルキレン」とは、C1−6のアルキルの2価基であり、好ましくはC1−4アルキレンのメチレン、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン、テトラメチレン、ジメチルメチレン、ジメチルエチレンである。
「ハロゲン」としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられ、好ましくはクロロ、ブロモである。
【0015】
B1における「それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、シクロヘキシル又はピペリジニル」、B2における「それぞれ置換されていてもよいピリジル又はピペリジニル」、D1及びD2における「それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル」の許容される置換基とは、これらの基の置換基として通常用いられる置換基であればいずれでもよく、各々の基に1つ以上置換基を有していてもよい。
好ましくは、ハロゲン、低級アルキル、−O−低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、−O−アラルキル、−S−低級アルキル、−NHCO−低級アルキルが挙げられる。
ここで、「アラルキル」とは、低級アルキレン−アリールを意味し、「アリール」とは、C6−14の単環乃至3環の炭化水素芳香環の1価基;又は窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択される同一又は異なるヘテロ原子を1以上有する縮合していてもよい5乃至6員環芳香族ヘテロ環の1価基を意味する。従って、「アラルキル」として、具体的には例えばベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等が挙げられる。
ベンゾイミダゾールのフェニル環上に存在する置換基、即ちR1、R2、R4若しくはR5は、ベンゾイミダゾールの5位又は6位に置換していることが好ましい。
なお、本明細書における「ミトコンドリア機能活性化」とは、細胞中のミトコンドリアの増殖及び/又は肥大、あるいはミトコンドリアに存在する酵素の増加及び活性化を含む。
【0016】
また、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)には、イミダゾール環に由来する互変異性体、不斉炭素を有する場合にはその不斉炭素に由来する光学異性体、その他の異性体が存在する場合があるが、本発明はこれらの異性体の分離したものあるいはそれらの混合物をもすべて包含する。
【0017】
また、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)には、薬理学的に許容されるプロドラッグも包含される。薬理学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解等により、又は生理学的条件下で本発明の医薬の有効成分である化合物(I)又は本発明化合物(II)の−NH2、−OH、−COOH等の官能基に変換できる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157−2161, 1985.や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻分子設計163−198.に記載されている基が挙げられる。
【0018】
さらに、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)は、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合もあり、かかる塩が製薬学的に許容される塩である限りにおいて本発明に包含される。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、メグルミン、エタノールアミン等の有機塩基又はリジン、アルギニン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、本発明は、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)並びにその製薬学的に許容される塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
【0019】
(製造法)
本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)及びそれらの製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
【0020】
以下、本発明の医薬の有効成分である一般式(I)で示される化合物及び本発明化合物である一般式(II)で示される化合物の代表的な製造法を説明する。一般式(I)又は一般式(II)において、R3又はR6が−Hである化合物は以下の経路に従って製造できる。
【0021】
(第一製法)
【化5】
(式中、R7は前述のR1又はR4を、R8は前述のR2又はR5を、A5は前述のA1又はA3を、B3は前述のB1又はB2を示す。以下同様。)
【0022】
本製法は、式(1a)で示されるジアミノベンゼン誘導体又はその塩と、式(1b)で示されるカルボン酸誘導体又はその反応性誘導体とを常法によりアミド化し、式(1c)で示されるアシルアミノベンゼン誘導体とし、脱水反応により一般式(I)又は一般式(II)で示される化合物を製造する方法である。
【0023】
第一工程において、化合物(1b)の反応性誘導体としては、メチルエステル、エチルエステル、tert−ブチルエステル等の通常のエステル;酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライド;酸アジド;N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド等との活性エステル;対称型酸無水物;アルキル炭酸、p−トルエンスルホン酸等との混合酸無水物が挙げられる。
また、化合物(1b)を遊離酸で反応させるとき、あるいは活性エステルや酸ハライドを単離せずに反応させるとき等は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド、ジエチルホスホリルシアニド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤を使用するのが好適である。
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤によっても異なるが、通常ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル(EtOAc)等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の反応に不活性な有機溶媒中、冷却下、冷却乃至室温下、あるいは室温乃至加熱下に行われる。
なお、反応に際して、化合物(1b)若しくは化合物(1a)を過剰に用いたり、N−メチルモルホリン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、ルチジン等の塩基の存在下に反応させるのが反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、ピリジン塩酸塩、ピリジン p−トルエンスルホン酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩等の弱塩基と強酸とからなる塩を用いてもよい。ピリジンは溶媒とすることもできる。特に、アセトニトリル、DMF等の溶媒中、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等の塩基を用いて、又はピリジンを溶媒として用いて反応させるのが好適である。
【0024】
第二工程における脱水反応は、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な有機溶媒中又は無溶媒下、触媒量乃至溶媒量の酸を用い、冷却下、冷却下乃至室温下、室温下又は場合によっては室温下乃至加熱下に行われる。用いられる酸としては酢酸、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
【0025】
(第二製法)
【化6】
本製法は、式(2a)で示されるアミノニトロベンゼン誘導体又はその塩と、式(1b)で示されるカルボン酸誘導体又はその反応性誘導体とを常法によりアミド化し、式(2b)で示されるアシルアミノニトロベンゼン誘導体とし、還元反応によりアシルアミノベンゼン誘導体とした後、脱水反応により一般式(I)又は一般式(II)で示される化合物を製造する方法である。
【0026】
第一工程のアミド化反応は、第一製法第一工程に準じて行うことができる。
第二工程の還元反応は、ニトロ期を還元してアミノ基に変換する反応であればいずれの反応でも用いることができるが、化合物(2b)で示されるアシルアミノニトロベンゼン誘導体の他の官能基の性質を考慮して反応条件を選択する必要がある。好ましくは、水;メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、2−プロパノール(iPrOH)等のアルコール系溶媒;エーテル類;又はそれらの混合溶媒中、室温乃至加熱下に、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩存在下、還元鉄、二塩化スズ等の還元性を有する金属を作用させる方法を挙げることができる。
第三工程の脱水反応は、第一製法第二工程に準じて行うことができる。
【0027】
また、R3が低級アルキルである本発明の医薬の有効成分である化合物及びR6が低級アルキルである本発明化合物は、上記中間体(1a)、(1c)、(2a)若しくは(2b)、又は本発明の医薬の有効成分である化合物(I)若しくは本発明化合物(II)においてアルキル化反応に付すことにより製造できる。
アルキル化反応の反応条件としては、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール系溶媒、DMF、DMSO等の反応に不活性な溶媒中、等モル又は過剰のアルキル化剤と混合し、冷却下、冷却乃至室温下、室温下、あるいは場合によっては室温乃至加熱下に行われる。また、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下に行うのが好ましい。
【0028】
さらに、本発明化合物中に含まれるいくつかの化合物は以上のようにして得られた化合物(I)又は(II)から公知のアルキル化、アシル化、酸化、還元、加水分解等、当業者が通常採用し得る工程を任意に組み合わせることにより製造することもできる。
このようにして製造された本発明の医薬の有効成分である化合物又は本発明化合物は、遊離のまま、又は常法による造塩処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の医薬の有効成分である一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体、及び本発明化合物である一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体、又はその製薬学的に許容される塩は、医薬、特にhPGC−1遺伝子のプロモーター活性化作用を有するミトコンドリア機能活性化剤である。従って、これらのベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、当該機能に基づき、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の治療及び予防に有効である。
また、これらのベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、当該機能に基づき、以下の(1)〜(5)に示すような疾患の予防及び/又は治療に対する効果が期待される。
(1)肥満の予防又は治療効果を発揮することより、高血圧、心血管障害、脳血管障害
(2)筋細胞におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、骨格筋組織での脂質の酸化を亢進させることより、高脂質血症、即ち高コレステロール血症や高トリグリセリド血症、及びアテローム性動脈硬化症や冠動脈疾患
(3)筋細胞におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、加齢に伴う骨格筋組織の脆弱化を防ぐことより、骨粗鬆症
(4)筋細胞に非常に近い心筋細胞におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、心筋組織における代謝を改善させることより、心不全
(5)筋細胞に非常に近い平滑筋細胞、特に血管平滑筋におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、血管平滑筋における代謝を改善させることより、糖尿病性合併症
【0030】
本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)の化合物の優れたミトコンドリア機能活性化作用は、以下に示す試験例により確認された。
【0031】
試験例1 hPGC−1転写活性化作用
国際公開第WO 01/90356号に示されたhPGC1(2.2)Lucを安定的に発現するL6筋芽細胞、hPGC1/L6細胞を作成し、hPGC−1の転写活性化作用を測定した。hPGC1/L6細胞を96穴組織培養プレートに培養し、段階的に希釈した各化合物を終濃度10−0.001 μMで培地に添加した。また溶媒コントロールとしてDMSOを添加した。24時間後に細胞を回収して、細胞溶解液中のルシフェラーゼ活性を測定した。具体的には、細胞をピッカジーン培養細胞溶解剤Luc・PGC−50(東洋インキ)で溶解し、そのルシフェラーゼ活性をピッカジーン発光キット(東洋インキ 309−04321)を用いて測定した。ルシフェラーゼ活性の測定は、ピッカジーン発光キットの取扱説明書の通り行った。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
試験例2 mtTFA転写活性化作用
Spiegelmanらは(Cell, 98, 115−142, (1999))、PGC−1発現が増加するとその下流でhuman mitochondrial transcription factor A(hmtTFA)遺伝子の転写が促進されることを報告している。そこで、本発明の医薬又は本発明化合物を有効成分とする医薬によっても、hmtTFAの転写が促進されるか検討した。
Virbasiusらの報告(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 1309−1313, (1994))を参考にhmtTFAのプロモーターレポーターベクター、hmtTFA Lucを取得し、これを安定的に発現する細胞株、hmtTFA/L6細胞を作成した。hmtTFA/L6細胞を用いて、試験例1と全く同じ方法で各化合物のhmtTFA転写活性化作用を測定した。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
以上の結果から、本発明の医薬の有効成分である化合物及び本発明化合物が、優れたミトコンドリア機能活性化作用を有することが示された。
【0036】
本発明の医薬は、一般式(I)で示される本発明の医薬の有効成分である化合物若しくは一般式(II)で示される本発明化合物、又はその製薬学的に許容される塩の1種以上と、通常製剤化に用いられる薬剤用担体、賦形剤、その他の添加剤を用いて、通常使用されている方法によって調整することができる。投与は、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、静注、筋注等の注射剤、又は坐剤、経鼻剤、経粘膜剤、経皮剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種以上の活性物質が、少なくとも1種の不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のような溶解補助剤等を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0037】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0038】
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、更に等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、ラクトース等の安定化剤、グルタミン酸やアスパラギン酸等の溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0039】
薬剤投与に当たっては、通常成人1日当たり経口で0.1−500 mg、非経口で0.01−100 mgであり、これを1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は、症状、年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び前記表1の化合物により何ら制限されるものではない。なお、実施例において使用される原料化合物には新規な物質も含まれており、そのような原料化合物の公知物からの製造法を参考例として説明する。
【0041】
参考例1
2−メチルニコチニン酸4.25 gを塩化チオニル20 mlに溶解し、60℃で30分間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣を、氷冷下、3,4−ジアミノベンゾフェノン2.74 g、トリエチルアミン20 ml、THF 40 mlの混合溶液に徐々に加え、室温で一晩攪拌した。攪拌終了後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて攪拌し、不溶の固体を櫨取した。得られた固体をMeOHより再結晶して、無色固体のN−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−2−メチルニコチンアミド2.16 gを得た。
【0042】
参考例2〜10
参考例1と同様にして、表4〜5に示す参考例2〜10の化合物を得た。
【0043】
参考例11
N−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−2−メチルニコチンアミド0.50 gをDMF 10mlに溶解し、氷冷下、炭酸カリウム0.23 gを加え、同温度で1時間攪拌した。この反応液に、氷冷下、ヨウ化メチル0.10 mlを加え、室温で一晩攪拌した。攪拌終了後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣をクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=97:3)で精製し、橙色固体のN−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−N−メチル−2−メチルニコチンアミド0.15 gを得た。
【0044】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
Rf:参考例番号、
R11、R12、R13:一般式中の置換基(pipe:ピペリジニル、di:ジ)、
Data:物理化学的データ(NMR:(CH3)4Siを内部標準とし、特に記載がない場合はDMSO−d6を測定溶媒とする1H−NMRにおけるピークのδ(ppm)、FAB−MS:質量分析値)。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
参考例12
n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.54 M)30 mlに、ドライアイス−アセトン浴冷却下−68 ℃以下で2−ブロモピリジン2.45 mlのTHF 30 mlの溶液を加え15分間撹拌後、p−アニスアルデヒド3.1 mlのTHF 30 mlの溶液を加え、さらに1時間撹拌した。反応液を徐々に室温まで昇温し、水100 mlを加えEtOAc(80 ml×2)で抽出し、抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム−ヘキサンより再結晶して、(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノールを白色固体として3.85 g得た。
【0048】
参考例13
オキザリルクロリド1.7 mlのメチレンクロリド20 mlの混液に、ドライアイス−アセトン浴冷却下−68℃以下でDMSO 2.9 ml及びメチレンクロリド30 mlの混液を加え10分間撹拌後、(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノール3.66 g及びメチレンクロリド75 mlの混液を加えさらに2時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン13 mlを加え30分間撹拌後、室温まで昇温し、反応液を水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:5−1:3)で精製し、(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノンを白色固体として1.48 g得た。
【0049】
参考例14
(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノン1.31 g及び濃硫酸8 mlの混液に、氷冷下発煙硝酸0.28 mlを加えそのまま1.5時間撹拌した。反応液を氷水100 gに注ぎ、濃アンモニア水を加えて反応液のpHを8−9に調整後、析出した固体をろ取した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:5乃至クロロホルム)で精製し、EtOH−ヘキサン(1:1)で洗浄して(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノンをクリーム色固体として1.23 g得た。
【0050】
参考例15
(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノン1.1 g、濃アンモニア水16 ml、iPrOH 8 ml及びTHF 4 mlの混液を封管中100 ℃で4時間撹拌した。反応液を放冷後、水50 mlを加え析出した固体をろ取、水、EtOH−ヘキサン(2:1)で洗浄して(4−アミノ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノンを黄色固体として0.88 g得た。
【0051】
参考例16
5−フルオロ−2−ニトロアニリン1.09 g及びN−メチル−2−ピロリジノン14 mlの混液に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン1.2 ml及び炭酸カリウム0.97 gを加え100 ℃で一夜撹拌した。反応液を放冷後、水50 mlを加え、析出した固体をろ取、EtOH−ヘキサン(2:1)で洗浄して5−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−ニトロアニリンを黄色固体として1.04 g得た。
【0052】
参考例17
参考例16と同様にして、表6に示す参考例17の化合物を得た。
【0053】
参考例18
メチル 2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボキシラート2.53 gのMeOH 24 mlの混液に1M水酸化ナトリウム水溶液12 mlを加え50 ℃で一夜撹拌後、1M水酸化ナトリウム水溶液12 mlを追加し50 ℃でさらに5時間撹拌した。反応液を放冷後、1M塩酸水溶液24 mlを加え、析出した固体をろ取し、冷水で洗浄後乾燥して2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸を白色固体として2.4 g得た。
【0054】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
Structure:化学構造式。
【0055】
【表6】
【0056】
実施例1
N−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−2−メチルニコチンアミド0.50 gを酢酸10mlに溶解し、加熱還流下一晩攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣をクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣にEtOAcを加え激しく攪拌した。析出した結晶を櫨取し、乾燥した後、EtOH 10 mlに溶解した。氷冷下、4M塩酸−EtOAc溶液5 mlを加え、同温度で30分間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を、EtOH−EtOAc混合液より再結晶して、無色固体の2−(2−メチルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルフェニルケトン 二塩酸塩0.43 gを得た。
【0057】
実施例2〜12
実施例1と同様にして、表7〜8に示す実施例2〜12の化合物を得た。
【0058】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
Ex:実施例番号、
Salt:塩(HCl:塩酸塩、無記載:フリー体)、
R21、R22、R23、D:一般式中の置換基(pipe:ピペリジニル、di:ジ)。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
実施例13
実施例1と同様にして、表9に示す実施例13の化合物を得た。
【0062】
実施例14
2−メチルニコチン酸0.62 gに塩化チオニル2 mlを加え50 ℃で1時間撹拌した。反応液を減圧留去し残留物にN−メチル−2−ピロリジノン6 ml及び(4−アミノ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノン0.73 gを加え室温で一夜撹拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液50 ml及び水50 mlを加え析出した固体をろ取、水、EtOH−ヘキサン(2:1)で洗浄した。得られた粗生成物に酢酸10 ml及び鉄粉0.67 gを加え、80 ℃で3時間撹拌し、反応液を放冷後水60 mlを加え、濃アンモニア水でpHを8−9に調整し析出した不溶物を濾取した。不溶物をシリカゲルカラムクラマトグラフィー(EtOAc−ヘキサン=1:1−10:1乃至クロロホルム−MeOH=50:1−30:1)で精製し無晶状粉末を0.73 g得た。得られた無晶状粉末をクロロホルム−MeOH(4:1)15 mlに溶解し、4M塩酸−EtOAc溶液2 mlで処理した後、溶媒を減圧留去し残留物をEtOHで洗浄して、[2−(2−メチルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル](ピリジン−2−イル)メタノン 二塩酸塩を淡黄色固体として580 mg得た。
【0063】
実施例15〜20
実施例14と同様にして、表9〜10に示す実施例15〜20の化合物を得た。
【0064】
実施例21
2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸0.36 g及びDMF 4.5 mlの混液に、氷冷下o−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート0.68 g、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン0.23 ml、トリエチルアミン0.25 mlを加え、氷冷下3時間、室温で2時間撹拌した。反応液にEtOAc 60 mlを加え、水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクラマトグラフィー(クロロホルム−MeOH=100:1−30:1)で精製し無晶状粉末を0.59 g得た。得られた無晶状粉末0.21 gをクロロホルム−MeOH(9:1)の混液10 mlに溶解し、4M塩酸−EtOAc溶液0.5 mlで処理した後、溶媒を減圧留去し残留物をEtOHで洗浄して、2−[(2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 二塩酸塩をベージュ色固体として125 mg得た。
【0065】
実施例22
実施例21と同様にして、表10に示す実施例22の化合物を得た。
【0066】
実施例23
2−(2−メチル−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルフェニルケトン0.50gをジエチレングリコール10 mlに溶解し、水酸化カリウム1.09 gとヒドラジン一水和物2.1 mlを加え、120 ℃で3時間攪拌した後、さらに210 ℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液が酸性になるまで酢酸を加え、室温で30分間攪拌した。攪拌終了後、反応液がアルカリ性になるまで飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=97:3)で精製した。得られた化合物を、EtOH 5 mlに溶解し、氷冷下、4M塩酸−EtOAc溶液5 mlを加え、同温度で30分間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣にEtOAcを加えて固体化することにより、無色固体の5−ベンジル−2−(2−メチルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール 二塩酸塩0.48 gを得た。
【0067】
実施例24
100 ℃に加熱したポリリン酸90 gにニコチン酸7 gを加え30分間撹拌した後に3,4−ジアミノ安息香酸メチル8 gを加え100 ℃で一夜撹拌した。反応液を70 ℃まで放冷後、氷水500 mlに注ぎ、濃アンモニア水を加えて反応液のpHを8−9に調整後、析出した固体をろ取した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクラマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=100:1−30:1)で精製し、EtOHで洗浄してメチル 2−(ピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸をベージュ色固体として2.05 g得た。
【0068】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
iPr:イソプロピル、Et:エチル、thiq:1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル。
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬、特にミトコンドリア機能活性化剤、糖尿病及び/又は肥満の治療及び/又は予防剤、並びに、新規なベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩及び該化合物を有効成分とする医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
肥満は糖尿病や高血圧、高脂血症など各種生活習慣病の準備状態である。肥満はこれら生活習慣病のほか、胆石症、不妊症、痛風及び癌等と合併しやすいことが報告されている(肥満・肥満症の指導マニュアル、第2版、16ページ、2001年)ことから、これらの疾患におけるリスクファクターとしての肥満を予防・治療することは、健康上、また予防医学的な観点からも重要な課題である。
現在、肥満の治療薬として摂食抑制薬や脂肪吸収抑制薬などのエネルギー摂取を制限する薬剤が使用されているが、エネルギーの消費を亢進するような薬剤は今のところ存在しない。ヒトで生理的に熱を産生する主要な組織は骨格筋であり、この筋組織のエネルギー消費を亢進させる薬剤は、肥満の予防及び/又は治療薬となる可能性がある。またこのような薬剤は、エネルギー代謝の活性化に伴って糖や脂質の酸化的代謝活性を亢進させ、糖尿病や高脂血症の治療薬としても適用できる可能性がある。さらに骨格筋組織のこのような代謝の活性化は、加齢に伴う骨格筋の脆弱化をも予防できる可能性がある。
【0003】
最近、骨格筋のエネルギー代謝制御に関与する新たな因子として、PPARγのマウス由来の転写コアクチベーターである、PPAR gamma coactivator−1(以下、「PGC−1」という。)が同定された。マウスを寒冷環境下におくと骨格筋でのPGC−1発現が増加するので、この新規分子PGC−1は、骨格筋組織での熱産生の制御に関わる可能性が示唆された(Cell, 92, 829−838, 1998)。また、PGC−1を分子生物学的手法によって強制発現させると、ミトコンドリア呼吸鎖に関わる因子の転写を促すNuclear Respiratory Factor(NRF)や、ミトコンドリアにおいてエネルギー消費を起こすと考えられている脱共役蛋白質、uncoupling protein(UCP)の発現が誘導されるほか、ミトコンドリアのゲノム複製や転写反応過程に重要な役割を果たすmitochondrial transcription factor A(mtTFA)の発現が誘導され、これら分子の機能発現によって細胞内のミトコンドリア数が増加し、また細胞の酸素消費量が増大することも明らかとなった(Cell, 98, 115−124, 1999)。これらの事実は、ヒト由来のPGC−1(以下、「hPGC−1」という。)の発現を誘導する薬剤が、細胞のミトコンドリア機能活性化により、熱産生、即ちエネルギー消費を引き起こし、さらには細胞内でエネルギー源となる糖や脂質の代謝を活性化させる可能性があることを示唆している。
【0004】
従って、PGC−1の発現を誘導するミトコンドリア機能活性化剤は、筋細胞のミトコンドリア機能活性化により、骨格筋組織のインスリン抵抗性を改善し、また骨格筋組織のエネルギー消費を亢進させ、その結果、肥満、糖尿病の予防及び/又は治療効果を有すると考えられる。
【0005】
一方、本願出願人は国際公開第WO01/90356号において、5−(4−フルオロベンジリデン)−2,4−チアゾリジンジオン、5−(4−ブロモベンジリデン)−2,4−チアゾリジンジオン、及び2−(3−アミノフェニル)−5−ベンゾイル−(1H)−ベンゾイミダゾール等の公知化合物が、ミトコンドリア機能活性化作用を示すことを報告している(文献1)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、ミトコンドリア機能活性化剤は、肥満、糖尿病の予防及び/又は治療剤となりうるため、優れた効果を有するミトコンドリア機能活性化剤の創製が切望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ミトコンドリア機能活性化作用を有する化合物につき鋭意研究を行ったところ、ベンゾイミダゾール誘導体が優れたhPGC−1プロモーター活性化作用、及び優れたミトコンドリア機能活性化作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明によれば、下記一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とするミトコンドリア機能活性化剤が提供される。
【化3】
[式中の記号は以下の意味を示す。
R1:−H、−COOH、−COO−低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルでそれぞれ置換されていてもよいアミノ若しくはカルバモイル、−O−低級アルキル、−CN、ハロゲン、又は−A2−D1で示される基。
−A1−:単結合、−低級アルキレン−、−O−又は−低級アルキレン−O−。
−A2−:単結合、−低級アルキレン−、−O−、−C(=O)−又は−CH=N−。
R2及びR3:同一又は異なって、−H若しくは低級アルキル。
B1:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、シクロヘキシル又はピペリジニル。
D1:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル。
但し、2−(3−アミノフェニル)−5−ベンゾイル−(1H)−ベンゾイミダゾールを除く。]
また、本発明によれば、上記一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする糖尿病の治療剤又は予防剤であるミトコンドリア機能活性化剤、及び、肥満の治療剤又は予防剤であるミトコンドリア機能活性化剤が提供される。
【0009】
上記一般式(I)で示される本発明の医薬の有効成分であるミトコンドリア機能活性化剤には、表1に示される化合物番号1〜14の化合物も含まれる。化合物番号1〜12の化合物は市販の化合物であり、化合物番号13及び14の化合物は文献記載の化合物である。これらの化合物は、医薬用途はもちろんのこと、その他の用途についても全く報告されていない。従って、これらの化合物がミトコンドリア機能活性化作用を有し、糖尿病及び/又は肥満の治療及び/又は予防に用いられることは全く知られていない。
【0010】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
No:化合物番号、
R、R’:一般式中の置換基(Ph:フェニル、Py:ピリジル、Me:メチル、Bn:ベンジル、Bz:ベンゾイル、cHex:シクロヘキシル。なお、置換基の前の数字は置換位置を示す。従って、例えば5−(3−Py−CH=N)は、5位にピリジン−3−イルメチレンアミノが置換していることを;3−H2N−4−Me−Phは、3−アミノ−4−メチルフェニルを表す。)、
Notes:化合物番号1〜12の化合物では識別番号(かっこ内は供給会社)、化合物番号13及び14の化合物では該化合物が記載されている文献名。
【0011】
【表1】
【0012】
また、本発明によれば、下記一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩が提供される。
【化4】
[式中の記号は以下の意味を示す。
R4:−COO−低級アルキル、−N(低級アルキル)2、−O−低級アルキル、−CN、ハロゲン又は−A4−D2で示される基。
−A3−:単結合、−低級アルキレン−又は−低級アルキレン−O−。
−A4−:単結合、−低級アルキレン−、−O−又は−C(=O)−。
R5及びR6:同一又は異なって、−H又は低級アルキル。
B2:それぞれ置換されていてもよいピリジル又はピペリジニル。
D2:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル。
但し、R4がベンゾイルであり、R5及びR6が−Hであり、A3が単結合の場合、B2は置換基を有するピリジル又はピペリジニルを示す。]
さらに、本発明によれば、上記一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬が提供される。
【0013】
上記一般式(I)で示される本発明の医薬の有効成分である化合物又は上記一般式(II)で示される本発明化合物は、ベンゾイミダゾール環の2位においてA1又はA3を介してB1又はB2と結合し、ベンゾイミダゾール環のベンゼン部位にR1及びR2又はR4及びR5の置換基を有する点を化学構造上の特徴とし、優れたミトコンドリア機能活性化作用を有する点を薬理上の特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
一般式(I)又は(II)で示される化合物についてさらに説明すると、以下の通りである。
本明細書の一般式の定義において「低級」とは、特に断らない限り、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。
従って、「低級アルキル」とは、C1−6のアルキルであり、具体的には、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシル又はイソプロピル等のこれらの構造異性体であり、好ましくはC1−4のアルキルであり、さらに好ましくはメチル、エチルである。
「低級アルキレン」とは、C1−6のアルキルの2価基であり、好ましくはC1−4アルキレンのメチレン、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン、テトラメチレン、ジメチルメチレン、ジメチルエチレンである。
「ハロゲン」としては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられ、好ましくはクロロ、ブロモである。
【0015】
B1における「それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、シクロヘキシル又はピペリジニル」、B2における「それぞれ置換されていてもよいピリジル又はピペリジニル」、D1及びD2における「それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル」の許容される置換基とは、これらの基の置換基として通常用いられる置換基であればいずれでもよく、各々の基に1つ以上置換基を有していてもよい。
好ましくは、ハロゲン、低級アルキル、−O−低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、−O−アラルキル、−S−低級アルキル、−NHCO−低級アルキルが挙げられる。
ここで、「アラルキル」とは、低級アルキレン−アリールを意味し、「アリール」とは、C6−14の単環乃至3環の炭化水素芳香環の1価基;又は窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択される同一又は異なるヘテロ原子を1以上有する縮合していてもよい5乃至6員環芳香族ヘテロ環の1価基を意味する。従って、「アラルキル」として、具体的には例えばベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等が挙げられる。
ベンゾイミダゾールのフェニル環上に存在する置換基、即ちR1、R2、R4若しくはR5は、ベンゾイミダゾールの5位又は6位に置換していることが好ましい。
なお、本明細書における「ミトコンドリア機能活性化」とは、細胞中のミトコンドリアの増殖及び/又は肥大、あるいはミトコンドリアに存在する酵素の増加及び活性化を含む。
【0016】
また、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)には、イミダゾール環に由来する互変異性体、不斉炭素を有する場合にはその不斉炭素に由来する光学異性体、その他の異性体が存在する場合があるが、本発明はこれらの異性体の分離したものあるいはそれらの混合物をもすべて包含する。
【0017】
また、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)には、薬理学的に許容されるプロドラッグも包含される。薬理学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解等により、又は生理学的条件下で本発明の医薬の有効成分である化合物(I)又は本発明化合物(II)の−NH2、−OH、−COOH等の官能基に変換できる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157−2161, 1985.や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻分子設計163−198.に記載されている基が挙げられる。
【0018】
さらに、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)は、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合もあり、かかる塩が製薬学的に許容される塩である限りにおいて本発明に包含される。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、メグルミン、エタノールアミン等の有機塩基又はリジン、アルギニン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、本発明は、本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)並びにその製薬学的に許容される塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
【0019】
(製造法)
本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)及びそれらの製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
【0020】
以下、本発明の医薬の有効成分である一般式(I)で示される化合物及び本発明化合物である一般式(II)で示される化合物の代表的な製造法を説明する。一般式(I)又は一般式(II)において、R3又はR6が−Hである化合物は以下の経路に従って製造できる。
【0021】
(第一製法)
【化5】
(式中、R7は前述のR1又はR4を、R8は前述のR2又はR5を、A5は前述のA1又はA3を、B3は前述のB1又はB2を示す。以下同様。)
【0022】
本製法は、式(1a)で示されるジアミノベンゼン誘導体又はその塩と、式(1b)で示されるカルボン酸誘導体又はその反応性誘導体とを常法によりアミド化し、式(1c)で示されるアシルアミノベンゼン誘導体とし、脱水反応により一般式(I)又は一般式(II)で示される化合物を製造する方法である。
【0023】
第一工程において、化合物(1b)の反応性誘導体としては、メチルエステル、エチルエステル、tert−ブチルエステル等の通常のエステル;酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライド;酸アジド;N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミド等との活性エステル;対称型酸無水物;アルキル炭酸、p−トルエンスルホン酸等との混合酸無水物が挙げられる。
また、化合物(1b)を遊離酸で反応させるとき、あるいは活性エステルや酸ハライドを単離せずに反応させるとき等は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド、ジエチルホスホリルシアニド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤を使用するのが好適である。
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤によっても異なるが、通常ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル(EtOAc)等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の反応に不活性な有機溶媒中、冷却下、冷却乃至室温下、あるいは室温乃至加熱下に行われる。
なお、反応に際して、化合物(1b)若しくは化合物(1a)を過剰に用いたり、N−メチルモルホリン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ピコリン、ルチジン等の塩基の存在下に反応させるのが反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、ピリジン塩酸塩、ピリジン p−トルエンスルホン酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩等の弱塩基と強酸とからなる塩を用いてもよい。ピリジンは溶媒とすることもできる。特に、アセトニトリル、DMF等の溶媒中、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等の塩基を用いて、又はピリジンを溶媒として用いて反応させるのが好適である。
【0024】
第二工程における脱水反応は、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な有機溶媒中又は無溶媒下、触媒量乃至溶媒量の酸を用い、冷却下、冷却下乃至室温下、室温下又は場合によっては室温下乃至加熱下に行われる。用いられる酸としては酢酸、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
【0025】
(第二製法)
【化6】
本製法は、式(2a)で示されるアミノニトロベンゼン誘導体又はその塩と、式(1b)で示されるカルボン酸誘導体又はその反応性誘導体とを常法によりアミド化し、式(2b)で示されるアシルアミノニトロベンゼン誘導体とし、還元反応によりアシルアミノベンゼン誘導体とした後、脱水反応により一般式(I)又は一般式(II)で示される化合物を製造する方法である。
【0026】
第一工程のアミド化反応は、第一製法第一工程に準じて行うことができる。
第二工程の還元反応は、ニトロ期を還元してアミノ基に変換する反応であればいずれの反応でも用いることができるが、化合物(2b)で示されるアシルアミノニトロベンゼン誘導体の他の官能基の性質を考慮して反応条件を選択する必要がある。好ましくは、水;メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、2−プロパノール(iPrOH)等のアルコール系溶媒;エーテル類;又はそれらの混合溶媒中、室温乃至加熱下に、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩存在下、還元鉄、二塩化スズ等の還元性を有する金属を作用させる方法を挙げることができる。
第三工程の脱水反応は、第一製法第二工程に準じて行うことができる。
【0027】
また、R3が低級アルキルである本発明の医薬の有効成分である化合物及びR6が低級アルキルである本発明化合物は、上記中間体(1a)、(1c)、(2a)若しくは(2b)、又は本発明の医薬の有効成分である化合物(I)若しくは本発明化合物(II)においてアルキル化反応に付すことにより製造できる。
アルキル化反応の反応条件としては、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール系溶媒、DMF、DMSO等の反応に不活性な溶媒中、等モル又は過剰のアルキル化剤と混合し、冷却下、冷却乃至室温下、室温下、あるいは場合によっては室温乃至加熱下に行われる。また、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下に行うのが好ましい。
【0028】
さらに、本発明化合物中に含まれるいくつかの化合物は以上のようにして得られた化合物(I)又は(II)から公知のアルキル化、アシル化、酸化、還元、加水分解等、当業者が通常採用し得る工程を任意に組み合わせることにより製造することもできる。
このようにして製造された本発明の医薬の有効成分である化合物又は本発明化合物は、遊離のまま、又は常法による造塩処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の医薬の有効成分である一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体、及び本発明化合物である一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体、又はその製薬学的に許容される塩は、医薬、特にhPGC−1遺伝子のプロモーター活性化作用を有するミトコンドリア機能活性化剤である。従って、これらのベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、当該機能に基づき、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)、インスリン抵抗性疾患、及び肥満の治療及び予防に有効である。
また、これらのベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、当該機能に基づき、以下の(1)〜(5)に示すような疾患の予防及び/又は治療に対する効果が期待される。
(1)肥満の予防又は治療効果を発揮することより、高血圧、心血管障害、脳血管障害
(2)筋細胞におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、骨格筋組織での脂質の酸化を亢進させることより、高脂質血症、即ち高コレステロール血症や高トリグリセリド血症、及びアテローム性動脈硬化症や冠動脈疾患
(3)筋細胞におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、加齢に伴う骨格筋組織の脆弱化を防ぐことより、骨粗鬆症
(4)筋細胞に非常に近い心筋細胞におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、心筋組織における代謝を改善させることより、心不全
(5)筋細胞に非常に近い平滑筋細胞、特に血管平滑筋におけるミトコンドリア機能活性化を通じて、血管平滑筋における代謝を改善させることより、糖尿病性合併症
【0030】
本発明の医薬の有効成分である化合物(I)及び本発明化合物(II)の化合物の優れたミトコンドリア機能活性化作用は、以下に示す試験例により確認された。
【0031】
試験例1 hPGC−1転写活性化作用
国際公開第WO 01/90356号に示されたhPGC1(2.2)Lucを安定的に発現するL6筋芽細胞、hPGC1/L6細胞を作成し、hPGC−1の転写活性化作用を測定した。hPGC1/L6細胞を96穴組織培養プレートに培養し、段階的に希釈した各化合物を終濃度10−0.001 μMで培地に添加した。また溶媒コントロールとしてDMSOを添加した。24時間後に細胞を回収して、細胞溶解液中のルシフェラーゼ活性を測定した。具体的には、細胞をピッカジーン培養細胞溶解剤Luc・PGC−50(東洋インキ)で溶解し、そのルシフェラーゼ活性をピッカジーン発光キット(東洋インキ 309−04321)を用いて測定した。ルシフェラーゼ活性の測定は、ピッカジーン発光キットの取扱説明書の通り行った。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
試験例2 mtTFA転写活性化作用
Spiegelmanらは(Cell, 98, 115−142, (1999))、PGC−1発現が増加するとその下流でhuman mitochondrial transcription factor A(hmtTFA)遺伝子の転写が促進されることを報告している。そこで、本発明の医薬又は本発明化合物を有効成分とする医薬によっても、hmtTFAの転写が促進されるか検討した。
Virbasiusらの報告(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 1309−1313, (1994))を参考にhmtTFAのプロモーターレポーターベクター、hmtTFA Lucを取得し、これを安定的に発現する細胞株、hmtTFA/L6細胞を作成した。hmtTFA/L6細胞を用いて、試験例1と全く同じ方法で各化合物のhmtTFA転写活性化作用を測定した。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
以上の結果から、本発明の医薬の有効成分である化合物及び本発明化合物が、優れたミトコンドリア機能活性化作用を有することが示された。
【0036】
本発明の医薬は、一般式(I)で示される本発明の医薬の有効成分である化合物若しくは一般式(II)で示される本発明化合物、又はその製薬学的に許容される塩の1種以上と、通常製剤化に用いられる薬剤用担体、賦形剤、その他の添加剤を用いて、通常使用されている方法によって調整することができる。投与は、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、静注、筋注等の注射剤、又は坐剤、経鼻剤、経粘膜剤、経皮剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種以上の活性物質が、少なくとも1種の不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のような溶解補助剤等を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0037】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0038】
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、更に等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、ラクトース等の安定化剤、グルタミン酸やアスパラギン酸等の溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0039】
薬剤投与に当たっては、通常成人1日当たり経口で0.1−500 mg、非経口で0.01−100 mgであり、これを1回あるいは数回に分けて投与する。投与量は、症状、年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び前記表1の化合物により何ら制限されるものではない。なお、実施例において使用される原料化合物には新規な物質も含まれており、そのような原料化合物の公知物からの製造法を参考例として説明する。
【0041】
参考例1
2−メチルニコチニン酸4.25 gを塩化チオニル20 mlに溶解し、60℃で30分間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣を、氷冷下、3,4−ジアミノベンゾフェノン2.74 g、トリエチルアミン20 ml、THF 40 mlの混合溶液に徐々に加え、室温で一晩攪拌した。攪拌終了後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて攪拌し、不溶の固体を櫨取した。得られた固体をMeOHより再結晶して、無色固体のN−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−2−メチルニコチンアミド2.16 gを得た。
【0042】
参考例2〜10
参考例1と同様にして、表4〜5に示す参考例2〜10の化合物を得た。
【0043】
参考例11
N−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−2−メチルニコチンアミド0.50 gをDMF 10mlに溶解し、氷冷下、炭酸カリウム0.23 gを加え、同温度で1時間攪拌した。この反応液に、氷冷下、ヨウ化メチル0.10 mlを加え、室温で一晩攪拌した。攪拌終了後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣をクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=97:3)で精製し、橙色固体のN−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−N−メチル−2−メチルニコチンアミド0.15 gを得た。
【0044】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
Rf:参考例番号、
R11、R12、R13:一般式中の置換基(pipe:ピペリジニル、di:ジ)、
Data:物理化学的データ(NMR:(CH3)4Siを内部標準とし、特に記載がない場合はDMSO−d6を測定溶媒とする1H−NMRにおけるピークのδ(ppm)、FAB−MS:質量分析値)。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
参考例12
n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.54 M)30 mlに、ドライアイス−アセトン浴冷却下−68 ℃以下で2−ブロモピリジン2.45 mlのTHF 30 mlの溶液を加え15分間撹拌後、p−アニスアルデヒド3.1 mlのTHF 30 mlの溶液を加え、さらに1時間撹拌した。反応液を徐々に室温まで昇温し、水100 mlを加えEtOAc(80 ml×2)で抽出し、抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム−ヘキサンより再結晶して、(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノールを白色固体として3.85 g得た。
【0048】
参考例13
オキザリルクロリド1.7 mlのメチレンクロリド20 mlの混液に、ドライアイス−アセトン浴冷却下−68℃以下でDMSO 2.9 ml及びメチレンクロリド30 mlの混液を加え10分間撹拌後、(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノール3.66 g及びメチレンクロリド75 mlの混液を加えさらに2時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン13 mlを加え30分間撹拌後、室温まで昇温し、反応液を水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:5−1:3)で精製し、(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノンを白色固体として1.48 g得た。
【0049】
参考例14
(4−メトキシフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノン1.31 g及び濃硫酸8 mlの混液に、氷冷下発煙硝酸0.28 mlを加えそのまま1.5時間撹拌した。反応液を氷水100 gに注ぎ、濃アンモニア水を加えて反応液のpHを8−9に調整後、析出した固体をろ取した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:5乃至クロロホルム)で精製し、EtOH−ヘキサン(1:1)で洗浄して(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノンをクリーム色固体として1.23 g得た。
【0050】
参考例15
(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノン1.1 g、濃アンモニア水16 ml、iPrOH 8 ml及びTHF 4 mlの混液を封管中100 ℃で4時間撹拌した。反応液を放冷後、水50 mlを加え析出した固体をろ取、水、EtOH−ヘキサン(2:1)で洗浄して(4−アミノ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノンを黄色固体として0.88 g得た。
【0051】
参考例16
5−フルオロ−2−ニトロアニリン1.09 g及びN−メチル−2−ピロリジノン14 mlの混液に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン1.2 ml及び炭酸カリウム0.97 gを加え100 ℃で一夜撹拌した。反応液を放冷後、水50 mlを加え、析出した固体をろ取、EtOH−ヘキサン(2:1)で洗浄して5−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−ニトロアニリンを黄色固体として1.04 g得た。
【0052】
参考例17
参考例16と同様にして、表6に示す参考例17の化合物を得た。
【0053】
参考例18
メチル 2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボキシラート2.53 gのMeOH 24 mlの混液に1M水酸化ナトリウム水溶液12 mlを加え50 ℃で一夜撹拌後、1M水酸化ナトリウム水溶液12 mlを追加し50 ℃でさらに5時間撹拌した。反応液を放冷後、1M塩酸水溶液24 mlを加え、析出した固体をろ取し、冷水で洗浄後乾燥して2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸を白色固体として2.4 g得た。
【0054】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
Structure:化学構造式。
【0055】
【表6】
【0056】
実施例1
N−(2−アミノ−5−ベンゾイルフェニル)−2−メチルニコチンアミド0.50 gを酢酸10mlに溶解し、加熱還流下一晩攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣をクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して得られた残渣にEtOAcを加え激しく攪拌した。析出した結晶を櫨取し、乾燥した後、EtOH 10 mlに溶解した。氷冷下、4M塩酸−EtOAc溶液5 mlを加え、同温度で30分間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を、EtOH−EtOAc混合液より再結晶して、無色固体の2−(2−メチルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルフェニルケトン 二塩酸塩0.43 gを得た。
【0057】
実施例2〜12
実施例1と同様にして、表7〜8に示す実施例2〜12の化合物を得た。
【0058】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
Ex:実施例番号、
Salt:塩(HCl:塩酸塩、無記載:フリー体)、
R21、R22、R23、D:一般式中の置換基(pipe:ピペリジニル、di:ジ)。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
実施例13
実施例1と同様にして、表9に示す実施例13の化合物を得た。
【0062】
実施例14
2−メチルニコチン酸0.62 gに塩化チオニル2 mlを加え50 ℃で1時間撹拌した。反応液を減圧留去し残留物にN−メチル−2−ピロリジノン6 ml及び(4−アミノ−3−ニトロフェニル)(ピリジン−2−イル)メタノン0.73 gを加え室温で一夜撹拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液50 ml及び水50 mlを加え析出した固体をろ取、水、EtOH−ヘキサン(2:1)で洗浄した。得られた粗生成物に酢酸10 ml及び鉄粉0.67 gを加え、80 ℃で3時間撹拌し、反応液を放冷後水60 mlを加え、濃アンモニア水でpHを8−9に調整し析出した不溶物を濾取した。不溶物をシリカゲルカラムクラマトグラフィー(EtOAc−ヘキサン=1:1−10:1乃至クロロホルム−MeOH=50:1−30:1)で精製し無晶状粉末を0.73 g得た。得られた無晶状粉末をクロロホルム−MeOH(4:1)15 mlに溶解し、4M塩酸−EtOAc溶液2 mlで処理した後、溶媒を減圧留去し残留物をEtOHで洗浄して、[2−(2−メチルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル](ピリジン−2−イル)メタノン 二塩酸塩を淡黄色固体として580 mg得た。
【0063】
実施例15〜20
実施例14と同様にして、表9〜10に示す実施例15〜20の化合物を得た。
【0064】
実施例21
2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸0.36 g及びDMF 4.5 mlの混液に、氷冷下o−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート0.68 g、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン0.23 ml、トリエチルアミン0.25 mlを加え、氷冷下3時間、室温で2時間撹拌した。反応液にEtOAc 60 mlを加え、水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクラマトグラフィー(クロロホルム−MeOH=100:1−30:1)で精製し無晶状粉末を0.59 g得た。得られた無晶状粉末0.21 gをクロロホルム−MeOH(9:1)の混液10 mlに溶解し、4M塩酸−EtOAc溶液0.5 mlで処理した後、溶媒を減圧留去し残留物をEtOHで洗浄して、2−[(2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール5−イル)カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 二塩酸塩をベージュ色固体として125 mg得た。
【0065】
実施例22
実施例21と同様にして、表10に示す実施例22の化合物を得た。
【0066】
実施例23
2−(2−メチル−3−ピリジル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルフェニルケトン0.50gをジエチレングリコール10 mlに溶解し、水酸化カリウム1.09 gとヒドラジン一水和物2.1 mlを加え、120 ℃で3時間攪拌した後、さらに210 ℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液が酸性になるまで酢酸を加え、室温で30分間攪拌した。攪拌終了後、反応液がアルカリ性になるまで飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=97:3)で精製した。得られた化合物を、EtOH 5 mlに溶解し、氷冷下、4M塩酸−EtOAc溶液5 mlを加え、同温度で30分間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣にEtOAcを加えて固体化することにより、無色固体の5−ベンジル−2−(2−メチルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール 二塩酸塩0.48 gを得た。
【0067】
実施例24
100 ℃に加熱したポリリン酸90 gにニコチン酸7 gを加え30分間撹拌した後に3,4−ジアミノ安息香酸メチル8 gを加え100 ℃で一夜撹拌した。反応液を70 ℃まで放冷後、氷水500 mlに注ぎ、濃アンモニア水を加えて反応液のpHを8−9に調整後、析出した固体をろ取した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクラマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=100:1−30:1)で精製し、EtOHで洗浄してメチル 2−(ピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸をベージュ色固体として2.05 g得た。
【0068】
なお、表中の記号は以下の意味を示す(以下同様)。
iPr:イソプロピル、Et:エチル、thiq:1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル。
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
Claims (5)
- 下記一般式(I)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とするミトコンドリア機能活性化剤。
R1:−H、−COOH、−COO−低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルでそれぞれ置換されていてもよいアミノ若しくはカルバモイル、−O−低級アルキル、−CN、ハロゲン、又は−A2−D1で示される基。
−A1−:単結合、−低級アルキレン−、−O−又は−低級アルキレン−O−。
−A2−:単結合、−低級アルキレン−、−O−、−C(=O)−又は−CH=N−。
R2及びR3:同一又は異なって、−H若しくは低級アルキル。
B1:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、シクロヘキシル又はピペリジニル。
D1:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル。
但し、2−(3−アミノフェニル)−5−ベンゾイル−(1H)−ベンゾイミダゾールを除く。] - 糖尿病の治療剤又は予防剤である請求項1記載の医薬。
- 肥満の治療剤又は予防剤である請求項1記載の医薬。
- 下記一般式(II)で示されるベンゾイミダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
R4:−COO−低級アルキル、−N(低級アルキル)2、−O−低級アルキル、−CN、ハロゲン又は−A4−D2で示される基。
−A3−:単結合、−低級アルキレン−又は−低級アルキレン−O−。
−A4−:単結合、−低級アルキレン−、−O−又は−C(=O)−。
R5及びR6:同一又は異なって、−H又は低級アルキル。
B2:それぞれ置換されていてもよいピリジル又はピペリジニル。
D2:それぞれ置換されていてもよいフェニル、ピリジル、ピペリジニル又はテトラヒドロイソキノリル。
但し、R4がベンゾイルであり、R5及びR6が−Hであり、A3が単結合の場合、B2は置換基を有するピリジル又はピペリジニルを示す。] - 請求項4記載のいずれかの化合物を有効成分とする医薬。
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