JP7041895B2 - ミトコンドリア活性化材料、ミトコンドリア活性化組成物およびミトコンドリア活性化方法 - Google Patents

ミトコンドリア活性化材料、ミトコンドリア活性化組成物およびミトコンドリア活性化方法 Download PDF

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Description

本発明は、ミトコンドリア活性化材料、ミトコンドリア活性化組成物およびミトコンドリア活性化方法に関する。
ミトコンドリアは、真核生物の細胞内にある種々の細胞器官の1つであり、細胞や体のエネルギーの基になるアデノシン3リン酸(ATP)の大部分を合成する。
最近では、ミトコンドリアを活性化する物質が、老化防止や体を若返らせる等、良い影響を与えることが報告され、ミトコンドリアが注目されている。
例えば、特許文献1では、一般食品、健康食品、化粧品、医薬品、健康、スポーツおよび医療に関連する分野で有用なものとして、カルノシンおよび/またはアンセリンを有効成分として含有する、ミトコンドリア活性化剤が提案されている。また、特許文献2では、ナノバブルを含有するミトコンドリアを活性化する組成物が提案されており、ミトコンドリアを活性化し、細胞増殖を促進し、細胞の保存、凍結保存の際の細胞へのダメージが少なくなるという効果が得られることが記載されている。
特開2015-97507号公報 特開2016-63804号公報
特許文献1、2のミトコンドリア活性化剤は、服用することで効果を発揮するものであるが、服用とは異なる態様、すなわち従来にない新たな態様によっても、ミトコンドリアを活性化することができれば、老化防止や若返りの方法が新たに確立されることとなり、有用である。
上記問題点に鑑み、本発明は、ミトコンドリア活性化材料、ミトコンドリア活性化組成物およびミトコンドリア活性化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のミトコンドリア活性化材料は、60~90質量部の二酸化チタンと、10~40質量部の二酸化珪素と、0.01~0.5質量部の希土類金属酸化物と、の混合粉体を含み、前記二酸化チタンと前記二酸化珪素との合計が100質量部である。
前記希土類金属酸化物として、La、Y、Nd、CeO、Smのいずれかを含んでもよい。
前記二酸化チタンは、走査型電子顕微鏡より測定した数平均粒子径が0.1μm~10μmであるアナターゼ型の二酸化チタンであり、前記二酸化珪素は、レーザー回析法により測定した平均粒子径が0.1μm~5μmである非晶質の二酸化珪素であり、前記希土類金属酸化物は、レーザー回析法により測定した平均粒子径が1~20μmのYであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明のミトコンドリア活性化組成物は、上記のいずれかに記載のミトコンドリア活性化材料と、樹脂と、を含み、前記ミトコンドリア活性化材料は、前記樹脂中に分散している。
前記ミトコンドリア活性化組成物は、板状、筒状、シート状、繊維状または繊維から形成された組織体であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明のミトコンドリア活性化方法は、ミトコンドリアを含む真核生物を上記のミトコンドリア活性化組成物で被覆する被覆工程と、被覆工程後、前記真核生物を放置する工程と、を含む。
本発明によれば、真核生物をミトコンドリア活性化組成物で被覆するという、従来にない新たな態様によって、ミトコンドリアを活性化することができる。
テトラゾリウム塩からホルマザン色素への分解を示す反応式である。 ホルマザン色素の濃さを示すマイクロプレートである。
以下、本発明に係るミトコンドリア活性化材料、ミトコンドリア活性化組成物およびミトコンドリア活性化方法について説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
[ミトコンドリア活性化材料]
本発明のミトコンドリア活性化材料は、二酸化チタンと、二酸化珪素と、希土類金属酸化物との混合粉体を含む。混合粉体の態様としては、二酸化チタン、二酸化珪素および希土類金属酸化物のそれぞれが粉末状態で混合された粉末状の材料が挙げられる。また、これらのいくつかまたは全てを混合した後、高温で焼結し、さらにボールミル等の粉砕手段により粉砕した粉末状の焼結体であってもよい。
(二酸化チタン)
二酸化チタン(TiO)は、工業的には白色顔料として用いられ、隠ぺい性に優れる材料である。結晶構造としては、アナターゼ型(正方晶)、ルチル型(正方晶)、ブルッカイト型(斜方晶)が挙げられる。いずれの結晶構造のものも使用することができるが、特に汎用的で安価なアナターゼ型の二酸化チタンを使用することができる。
二酸化チタンの平均粒子径は、数平均粒子径(モード径)が0.1μm~10μmであることが好ましい。数平均粒子径がこの範囲内にあることで、樹脂や溶剤等への分散が容易であり、ミトコンドリア活性化組成物の製造が容易となる。また、ミトコンドリアの活性化性能が優れることとなる。数平均粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)で二酸化チタンの粒子を撮影した写真を基に、画像回析装置(例えば、「ルーゼックスIIIU」)を用いて測定することができる。
二酸化チタンの数平均粒子径が0.1μmより小さいと、粒子の表面エネルギーが高くなることで凝集してしまい、樹脂や溶剤等への分散が困難となるおそれがある。また、数平均粒子径が10μmより大きいと、比表面積が小さくなることでミトコンドリア活性化効果が低下するおそれがある。
ミトコンドリア活性化材料における二酸化チタンの含有量は、60~90質量部である。二酸化珪素よりも二酸化チタンの量を多くすることで、ミトコンドリアの活性化効果がより優れることとなる。二酸化チタンの含有量が60質量部未満の場合、ミトコンドリアの活性化効果が低下するおそれがある。また、二酸化チタンの含有量が90質量部を超えると、二酸化珪素の含有量が低下してしまうことにより、ミトコンドリアの活性化効果が低下するおそれがある。
(二酸化珪素)
二酸化珪素(SiO)は、食品添加物や化粧等に用いられ、石英、クリストバライト、トリジマイト、シリカゲル、石英ガラス等が挙げられる。また、結晶構造としては三方晶、六方晶、斜方晶、単斜晶、正方晶、立方晶等が挙げられ、非晶質構造のものも使用されている。これらのいずれの構造のものも使用することができるが、特に汎用的な非晶質構造の二酸化珪素を使用することができる。
二酸化珪素の平均粒子径(モード径)は、0.1μm~5μmであることが好ましい。平均粒子径がこの範囲内にあることで、樹脂や溶剤等への分散が容易であり、ミトコンドリア活性化組成物の製造が容易となる。また、ミトコンドリアの活性化性能が優れることとなる。樹脂や溶剤等への分散やミトコンドリア活性化効果を考慮すると、平均粒子径は、0.1μm~1μmであることがより好ましい。平均粒子径は、例えばレーザー回析法により、レーザー回析式粒度分布計により測定することができる。
二酸化珪素の平均粒子径が0.1μmより小さいと、粒子の表面エネルギーが高くなることで凝集してしまい、樹脂や溶剤等への分散が困難となるおそれがある。また、平均粒子径が5μmより大きいと、比表面積が小さくなることでミトコンドリア活性化効果が低下するおそれがある。
ミトコンドリア活性化材料における二酸化珪素の含有量は、10~40質量部である。二酸化チタンよりも二酸化珪素の量を少なくすることで、ミトコンドリアの活性化効果がより優れることとなる。二酸化珪素の含有量が10質量部未満の場合、ミトコンドリアの活性化効果が低下するおそれがある。また、二酸化珪素の含有量が40質量部を超えると、二酸化チタンの含有量が低下してしまうことにより、ミトコンドリアの活性化効果が低下するおそれがある。
また、本発明のミトコンドリア活性化材料において、二酸化チタンと二酸化珪素との合計が100質量部である。二酸化チタンと二酸化珪素との合計量を大くし、希土類金属酸化物の含有量を少なくすることで、ミトコンドリアの活性化効果がより優れることとなる。
(希土類金属酸化物)
希土類金属酸化物は、二酸化チタンや二酸化珪素と併用することで、ミトコンドリアの活性を高めることができる。希土類金属酸化物としては、特に限定されるものではなく、ネオジム、ランタン、イットリウム、セリウム、サマリウム等の金属酸化物が挙げられ、例えばLa、Y、Nd、CeO、Sm等がある。希土類金属酸化物としては、単独で使用してもよく、併用してもよい。
また、希土類金属酸化物は、市場価格や入手の困難性等を考慮して適宜用いることができ、いずれを用いても問題ない。
レーザー回析法により測定した希土類金属酸化物の平均粒子径(D50)は、0.05μm~30μmであることが好ましい。平均粒子径(D50)がこの範囲内にあることで、樹脂や溶剤等への分散が容易であり、ミトコンドリア活性化組成物の製造が容易となる。また、ミトコンドリアの活性化性能が優れることとなる。平均粒子径は、例えば粒度分布測定により得ることができる。樹脂や溶剤等への分散やミトコンドリア活性化効果を考慮すると、平均粒子径(D50)は、0.1μm~10μmであることがより好ましい。
希土類金属酸化物の平均粒子径(D50)が0.05μmより小さいと、粒子の表面エネルギーが高くなることで凝集してしまい、樹脂や溶剤等への分散が困難となるおそれがある。また、平均粒子径(D50)が30μmより大きいと、比表面積が小さくなることでミトコンドリア活性化効果が低下するおそれがある。
(その他の成分)
本発明のミトコンドリア活性化材料は、上記の他、その他の成分としてアルミナ、ジルコニア、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、第8族金属酸化物等を含んでも、5質量部以下であれば特に重大な支障は生じない。これらの成分は、単独酸化物の形態であってもよく、複合酸化物の形態であってもよい。
例えば、ジルコニアを含むことにより、ミトコンドリアの活性化効果がより期待できる。
(希土類金属酸化物との質量比)
本発明のミトコンドリア活性化材料において、二酸化チタンおよび二酸化珪素の質量の合計と、希土類金属酸化物との質量比は、100:0.01~0.5である。質量比がこの範囲内にあることで、二酸化チタンや二酸化珪素のミトコンドリア活性化効果を補助する効果を得ることができる。
上記の質量比が100:0.01未満の場合には、ミトコンドリア活性化効果を補助する効果が向上しないおそれがある。また、上記の質量比が100:0.5よりも大きい場合には、ミトコンドリア活性化材料としてのコストが高くなるという問題が生じるおそれがある。
本発明のミトコンドリア活性化材料としては、数平均粒子径が0.1μm~10μm(より好ましくは0.1μm~0.2μm)であるアナターゼ型の二酸化チタン、レーザー回析法により測定した平均粒子径が0.1μm~5μm(より好ましくは0.1μm~0.6μm)である非晶質の二酸化珪素、レーザー回析法により測定した平均粒子径が1μm~20μm(より好ましくは0.1μm~0.2μm)のYを用いることが、特に好ましい。これらの粒子径の材料であれば、樹脂や溶剤等への分散が容易であり、ミトコンドリア活性化組成物の製造がより容易となる。また、ミトコンドリアの活性化性能が特に優れることとなる。
[ミトコンドリア活性化組成物]
本発明のミトコンドリア活性化組成物は、上記のミトコンドリア活性化材料と、樹脂とを含み、ミトコンドリア活性化材料は、樹脂中に分散している。
(樹脂)
樹脂としては、ミトコンドリア活性化材料を分散できるものであれば、特に限定されるものではなく、オレフィン系のポリプロピレンやポリエチレン等、もしくは、ナイロン、ポリエステル、アクリル系合成樹脂が好適に用いられる。また、溶剤可溶型、水溶液型、エマルジョン型、NAD型(非水分散型)、フレーク状、ペレット状の荷姿のいずれであってもよい。
ミトコンドリア活性化材料は、樹脂中に分散していることにより、ミトコンドリアの活性化性能を向上させることができる。なお、ミトコンドリア活性化材料が樹脂中において凝集や沈降している場合には、ミトコンドリアの活性化性能が低下するおそれがある。
樹脂とミトコンドリア活性化材料との質量比は、特に限定されない。例えば、樹脂100質量部に対して、ミトコンドリア活性化材料の割合を0.1~50質量部とすることができる。ミトコンドリア活性化材料の割合が0.1質量部未満の場合には、ミトコンドリア活性化効果が不十分となるおそれがある。また、ミトコンドリア活性化材料の割合が50質量部よりも多いと、樹脂の吸油量の影響もあるが、後述する板状、筒状、シート状、繊維状または繊維から形成された組織体等の形状をとることが困難となるおそれがある。樹脂100質量部に対して、ミトコンドリア活性化材料の割合を0.5~10質量部とすれば、ミトコンドリアの活性化性能を満足しつつ、取り扱いの容易なミトコンドリア活性化組成物となる。
本発明のミトコンドリア活性化組成物の形状は特に限定されず、板状、筒状、シート状、繊維状または繊維から形成された組織体等の形状をとることができる。
例えば、ミトコンドリア活性化材料と合成樹脂とを混練したり、あるいは溶融した合成樹脂にミトコンドリア活性化材料を添加し、あるいは、必要に応じ、さらに押出成形によって一旦ペレット化し、樹脂中にミトコンドリア活性化材料が均一に分散した混合物を作製する。そして、射出成形、押出成形、Tダイ成形、カレンダー成形等の成形方法、あるいは、溶融紡糸や遠心紡糸等の紡糸方法により、板状、筒状、シート(フイルムも含む)状、繊維状、その他種々の形状をとることができる。さらに、これらを二次加工して別の形状にしても良い。二次加工の例としては、例えば繊維状のミトコンドリア活性化組成物を原料とした、紙(抄紙紙、例えばチッソ社の熱接着性複合繊維等を併用した非抄紙紙等)、フェルト、パンチングシート、不織布、織物(3次元織物を含む)、編み物等の、繊維から形成された組織体が挙げられる。
また、本発明のミトコンドリア活性化組成物の応用方法としては、適宜、各種合成樹脂等の結合材やその溶剤等に配合した塗料や、塗料を被塗物へ塗装して乾燥させた塗膜として用いることもできる。
(その他の成分)
本発明のミトコンドリア活性化組成物は、上記の他、その他の成分を含んでもよい。例えば、着色するための顔料や染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤等の添加剤等を含んでもよい。
[ミトコンドリア活性化方法]
本発明のミトコンドリア活性化方法は、ミトコンドリアを含む真核生物を上記のミトコンドリア活性化組成物で被覆する被覆工程と、被覆工程後、真核生物を放置する工程と、を含む。
(真核生物)
真核生物は、動物、植物、菌類、原生生物等であり、身体を構成する細胞の中に細胞核を有する生物である。本発明では、ミトコンドリアを含む真核生物を対象とし、ミトコンドリアの活性化を行う。
(被覆工程)
ミトコンドリアを活性化するためには、ミトコンドリアそのものをミトコンドリア活性化組成物で被覆すれば足りるが、それが難しいため、真核生物を被覆する。
被覆の態様としては、真核生物の表面をミトコンドリア活性化組成物で覆いかぶせる態様であれば、特に限定されない。例えば、衣服に加工したミトコンドリア活性化組成物を人やペット、家畜等に着せる態様や、シート状に加工したミトコンドリア活性化組成物を植物の枝や幹等に巻きつける態様が挙げられる。また、菌類や細胞等を培養皿に採り、その培養皿を板状やシート状、布状に加工したミトコンドリア活性化組成物で覆う態様も挙げることができる。
(真核生物を放置する工程)
本工程は、真核生物をミトコンドリア活性化組成物で被覆した状態のままとしておく工程である。本工程に要する時間は、特に限定されない。例えば、衣服に加工したミトコンドリア活性化組成物を人やペット、家畜等に着せる態様の場合には、数時間から数日放置することが考えられる。また、シート状に加工したミトコンドリア活性化組成物を植物の枝や幹等に巻きつける態様の場合には、数日から数年放置することが考えられる。また、菌類や細胞等を培養皿に採り、その培養皿を板状やシート状、布状に加工したミトコンドリア活性化組成物で覆う態様の場合には、数時間から数日放置することが考えられる。
(その他の工程)
ミトコンドリア活性化方法としては、上記の工程以外の工程を含んでもよい。例えば、真核生物をミトコンドリア活性化組成物で被覆した状態のまま、食事や餌、肥料等の栄養を摂取する工程や、温度や湿度、明暗の制御をする制御工程等、真核生物が快適な状態に維持するための工程等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[ミトコンドリア活性化材料の製造]
アナターゼ型二酸化チタン(テイカ株式会社製「J-1」 走査型電子顕微鏡より測定した数平均粒子径(モード径):0.18μm)90質量部、二酸化珪素(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL R972」 平均粒子径(モード径)(レーザー回折法):0.5μm)10質量部、および酸化イットリウム(信越化学工業株式会社製 平均粒子径(D50)(レーザー回折法):2.2μm)0.5質量部を、ボールミルを用いて混合して、本発明のミトコンドリア活性化材料を得た。
[ミトコンドリア活性化組成物の製造]
繊維紡糸用のポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「三井PET J125」 固有粘度0.77 融点255℃)を溶融し、この樹脂100重量部に対して、上記のとおり製造した本発明のミトコンドリア活性化材料10重量部を配合して溶融混合し、ペレット状のマスターバッチを得た。このペレット状のマスターバッチと、ミトコンドリア活性化材料を含まないポリエステル樹脂のペレットを、質量比1:4で混合して混合ペレットを得た後、溶融紡糸装置を使用し、混合ペレットを溶融紡糸して6.0デニールのポリエステルステープルを製造した。そして、このステープルをニードルパンチ法によって不織布とすることにより、繊維状のミトコンドリア活性化組成物(以下、「繊維状の組成物A」とする場合がある。)を製造した。
また、比較のために、本発明のミトコンドリア活性化材料を配合することなく、上記と同様の繊維紡糸用のポリエステル樹脂を溶融紡糸し、繊維状の組成物(以下、「繊維状の組成物B」とする場合がある。)を製造した。
[正常ヒト線維芽細胞を用いたミトコンドリア活性の評価]
正常ヒト線維芽細胞(倉敷紡績株式会社製 正常ヒト成人皮膚線維芽細胞「製品番号:KF-1101、製品名略号:NHDF(AD)」)を、3cmの培養皿9枚に約2万個ずつ播種した。播種より1日後、培養皿の底面に細胞が貼り付いた時点で、まずミトコンドリア脱水素活性を測定した。
〈実施例1〉
ミトコンドリア脱水素活性を測定後、培養皿3枚を繊維状の組成物Aで上下2重に包埋し(被覆工程)、ミトコンドリアとミトコンドリア活性化材料との距離を5~10mmとした。そして、暗黒下にて37℃、湿度100%の条件下で72時間培養した(放置する工程)。
培養72時間後に、Cayman MTT Cell Proliferation Assay Kit(製品番号:10009365)を使用し、マニュアルに従って、生命力の指標の1つであるミトコンドリア脱水素酵素の全体の活性を測定した。
また、上記の活性を測定後、細胞へ低温でのストレスを与えるべく、30℃で48時間とする条件の他は、上記と同じ条件にて再度培養し、上記のキットを使用してミトコンドリア脱水素酵素の全体の活性を測定し、生存力(OD450)を求めた。結果を表1に示す。
(ミトコンドリア活性を測定できる原理について)
図1に示すテトラゾリウム塩(WST-1)は、ミトコンドリアの呼吸鎖に存在して、生存細胞にだけ活性のあるコハク酸塩テトラゾリウム還元酵素によりホルマザン色素に分解される。生存細胞数が増加すれば、サンプル中のミトコンドリア脱水素酵素の全体の活性が増加することになる。この酵素活性の増加によって、ホルマザン色素の生成量が増加し、目視でも紫色の濃さを確認することができる(図2)。マイクロプレートリーダーで色素溶液の吸光度を測定することにより、代謝活性のある細胞が作り出すホルマザン色素を定量できるため、細胞増殖能力や細胞生存能力をみることが可能である。すなわち、このホルマザン色素を定量すれば、生細胞(=代謝活性のある細胞)が測定できる。
〈比較例1〉
繊維状の組成物Bを使用する他は、実施例1と同様に37℃および30℃にて培養を行い、ミトコンドリア脱水素酵素の全体の活性を測定した。
〈比較例2〉
被覆工程を実施しない他は、実施例1と同様に37℃および30℃にて培養を行い、ミトコンドリア脱水素酵素の全体の活性を測定した。
Figure 0007041895000001
ミトコンドリア活性化組成物で被覆することにより、正常ヒト線維芽細胞の生存力が高くなり、ミトコンドリアを活性化できることを確認した(表1)。比較例1と比較例2をみると、活性に大きな違いはないことから、繊維がミトコンドリアの活性化に影響を与えることはなく、ミトコンドリア活性化組成物によってミトコンドリアが活性化したことは明らかである。
〈まとめ〉
上記の実施例の結果から、本発明であれば、真核生物をミトコンドリア活性化組成物で被覆するという、従来にない新たな態様によって、ミトコンドリアを活性化することができた。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (4)

  1. 60~90質量部の二酸化チタンと、
    10~40質量部の二酸化珪素と、
    0.01~0.5質量部の希土類金属酸化物と、
    の混合粉体を含み、
    前記二酸化チタンと前記二酸化珪素との合計が100質量部であ
    前記二酸化チタンは、走査型電子顕微鏡より測定した数平均粒子径が0.1μm~10μmであるアナターゼ型の二酸化チタンであり、
    前記二酸化珪素は、レーザー回析法により測定した平均粒子径が0.1μm~5μmである非晶質の二酸化珪素であり、
    前記希土類金属酸化物は、レーザー回析法により測定した平均粒子径が1~20μmのY である、
    ミトコンドリア活性化材料。
  2. 請求項1に記載のミトコンドリア活性化材料と、
    樹脂と、を含み、
    前記ミトコンドリア活性化材料は、前記樹脂中に分散している、ミトコンドリア活性化組成物。
  3. 板状、筒状、シート状、繊維状または繊維から形成された組織体である、請求項に記載のミトコンドリア活性化組成物。
  4. ミトコンドリアを含む真核生物を請求項またはに記載のミトコンドリア活性化組成物で被覆する被覆工程と、
    被覆工程後、前記真核生物を放置する工程と、
    を含む、ミトコンドリア活性化方法。
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