JP2004067232A - 酸素吸収性包装材料用包装体及びそれを用いた保存方法 - Google Patents

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高萩 敦子
Kozo Mita
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Abstract

【課題】食品の色調、品質の保持性に優れる酸素吸収性を有する包装材料の酸素吸収性を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができ、環境面、生産性、作業性、コストパフォーマンスにも優れた酸素吸収性包装材料用包装体及び酸素吸収性包装容器用包装体並びにそれを用いた保存方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と鉄系酸素吸収剤組成物とを配合した酸素吸収性組成物からなる酸素吸収性を有する層を少なくとも一層設けた包装材料と、乾燥剤とを包装して密封した酸素吸収性包装材料用包装体およびそれを用いた保存方法を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素吸収性包装材料用包装体およびそれを用いた保存方法に関するものである。
更に詳しくは、例えば、食品の色調、品質の保持性に優れる酸素吸収性を有する包装材料、または、それを用いた容器の酸素吸収性を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができ、環境面、生産性、作業性、コストパフォーマンスにも優れた包装体、及び、それを用いた保存方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、食品、医薬品、化粧品、電子材料等は、酸素に接触すると品質の劣化、変質を招くため、外部から浸入する空気中の酸素ガスや、包装容器中の酸素ガス、内容物に溶存する酸素をできるだけ遮断しておく必要がある。
例えば、食品において、酸素と接触すると、生鮮食品類の鮮度の劣化、退色、油脂等の酸化による変質、好気性菌等の繁殖による腐敗等を生じ、商品価値が著しく低下する。
また、医薬品においては、特に無菌状態で保存することが必要とされている。
このため、色、味、鮮度、無菌状態を保持する目的で、包装容器の中に通常、鉄粉等の酸素吸収剤の入った小袋を同封し、これによって包装容器内部の酸素を吸収して保存性を高めていた。
また、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤を添加して、小袋の代わりに包材内部の酸素を吸収するという酸素吸収性フィルムを使用した包装袋等が提案されている。
ところで、通常、プラスチックの積層材からなる包装袋を輸送、保管等する場合の梱包形態としては、プラスチックの積層材からなる包装袋を数百枚、積み重ね、ポリエチレンフィルムからなる外装袋に入れて包装され、更に、その外装袋を段ボールに詰めて梱包される形態である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外装袋の内部に残る水蒸気の存在下で、外装袋内の酸素や、外部から浸入した酸素が、酸素吸収剤を構成する鉄粉と触れると、鉄粉と酸素の反応により酸化鉄を生成し、その結果、酸素吸収性包装袋の酸素吸収性を経時的に低下させてしまうという欠点がある。
その結果、酸素吸収性包装袋を長期間、保管することができないため、包装袋等の容器を製造後、梱包され、輸送、保管を経て、食品等の内容物を充填等に使用する時点で、すでに性能が著しく劣化してしまい、商品価値が低下するという問題点がある。
これを防止するため、従来、酸素吸収性を維持するため、アルミニウム箔、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体等の高価なハイバリア性フィルムからなる外装袋に入れ、製造した酸素吸収性包装袋を少量ずつ包装され、場合によっては更に、真空包装等を施した後、その外装袋を段ボールに詰めて梱包される。
その後、酸素吸収性包装袋を使用する時点において、ハイバリア性フィルムからなる外装袋を開封後は、外部から入る酸素を遮断することができなくなるため、収納された酸素吸収性包装袋を全て使い切る必要がある。
このため、数袋に分けて包装する必要があり、大袋にまとめて包装するより手間がかかり、また、材料費もかかるという問題点がある。
また、開封後、外装袋を使い捨てにする場合においては、外装袋を大量に廃棄するという問題があり、また、外装袋を再度使用する場合においては、外装袋の内面同士をヒートシールして密封する必要があり、手間がかかるという問題点がある。
また、外装袋中の酸素を減らすために、外装袋の内部を窒素置換したり、真空包装したりする場合もあるが、通常の作業に煩雑な作業が加わる上、外装袋内に溶存する僅かな酸素と酸素吸収性包装袋の鉄系酸素吸収剤とが反応し、その結果、酸素吸収性包装袋を未使用のまま経時的な劣化が進行してしまい、酸素吸収性包装袋を使用する時点で、酸素吸収性を十分発揮することができないという問題点がある。
酸素吸収性包装材料、及び、食品用包装材料を製造する技術として、特開平11−314305号公報があり、また、酸素吸収性包装材を使用した食品等の保存方法の技術として、特開平10−45177号公報等があるが、酸素吸収性包装材、それを用いた容器自体の保存形態、保存方法に関するものではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究の結果、本発明は、熱可塑性樹脂と鉄系酸素吸収剤組成物とを配合した酸素吸収性組成物からなる酸素吸収性を有する層を少なくとも一層設けた包装材料と、乾燥剤とをポリエチレンフィルム等からなる安価な外装袋で包装して密封することを特徴とする酸素吸収性包装材料用包装体を製造したところ、酸素吸収性包装材料の酸素吸収性を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができ、環境にやさしく、生産性、作業性、コストパフォーマンスにも優れた酸素吸収性包装材料用包装体に係るものである。
また、本発明によれば、前記の包装体が、その内部に存在する水分を乾燥剤と反応させて除去し、乾燥状態にし、一定の相対湿度下で、前記の酸素吸収性包装材料における酸素吸収性の保持性を高めることを特徴とする保存方法を提供することができる。
また、前記の相対湿度が、20%RH以下であることを特徴とする保存方法を提供することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる包装体およびそれを使用した保存方法について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる包装体の一例の構成を示す概略的断面図である。
図1に示すように、本発明にかかる包装体は、鉄系酸素吸収剤を含有した熱可塑性樹脂層を有する積層材からなる酸素吸収性包装袋と、乾燥剤とを外装袋に包装して密封することを特徴とする包装体を基本構造とするものである。
【0006】
上記の例示は、本発明にかかる積層体の例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明において、前記の外装袋は、通常、安価なポリエチレンフィルムからなる袋を使用するが、バリア性フィルムを積層した積層フィルムからなるものであっても構わない。
【0007】
図2は、本発明にかかる酸素吸収性包装材料の一例の構成を示す概略的断面図である。
図2に示すように、本発明にかかる酸素吸収性包装材料は、鉄系酸素吸収剤を含有した熱可塑性樹脂層(以下、「酸素吸収性樹脂層」という。)を少なくとも一層有する積層体であって、通常は、基材層、酸素吸収性樹脂層、酸素を透過する性質を有するヒートシール層とを順次積層した積層体から構成される。
また、必要に応じて、図示しないが、中間層として、基材層と酸素吸収性樹脂層との層間にバリア層を設けても良い。
また、必要に応じて、図示しないが、基材層のどちらか一方の面に、例えば、文字、記号、図形、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様層を設けても良い。
【0008】
図3は、上記の図2に示す積層体を使用し、本発明にかかる袋状の包装容器の一例を示す概略的正面図である。
図3に示すように、本発明にかかる袋状の包装容器は、図2に示す二枚の積層体をヒートシール層を対向するようにして重ね合わせ、その周辺端部をヒートシールして、シール部にノッチを入れ、開口部を有するスタンドパウチ(自立性袋)である。
【0009】
上記の例示は、本発明にかかる袋状の包装容器の例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
包装容器が、例えば、側面シ−ル形、二方シ−ル形、三方シ−ル形、封筒貼りシ−ル形、中央合掌シ−ル形(ピロ−シ−ル形)、ひだ付きシ−ル形、平底シ−ル形、または、角底シ−ル形のいずれかのシ−ル形からなる袋であってもよい。
また、包装容器が、カップ、トレー状に成形してなる容器と蓋材との対であってもよい。
【0010】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかる包装体を構成する材料、その製造法等について説明すると、本発明にかかる酸素吸収性を有する包装材料としては、充填する内容物の種類に応じて適するものを選択して使用することができる。
通常、袋状包装容器の材料としては積層フィルムを用いるが、その構成は、基材層/酸素吸収性樹脂層/ヒートシール層、または、基材層/中間層/酸素吸収性樹脂層/ヒートシール層のように積層したものである。
この構成において、基材層および中間層はそれぞれ単独のフィルムなどの層でもよいが、二種以上の多層で構成してもよい。
また、上記各層の間には必要に応じて接着層を設けることができる。
【0011】
まず、本発明にかかる酸素吸収性包装材料を構成する酸素吸収性樹脂層について説明すると、酸素吸収剤として鉄粉を主成分とすることが必要であり、酸素吸収促進剤としてハロゲン化金属を練り込んだ熱可塑性樹脂からなる組成物を層状等の形状に成形することにより、酸素吸収性を付与した包装材料を得ることができる。
酸素吸収剤として用いる鉄粉としては、通常使用されているものならば、特に形状、製法は限定されず、例えば、噴霧鉄粉、海面鉄粉、電解鉄粉、鉄研削粉、粉砕鉄等を使用することができ、不純物としての酸素、及び、ケイ素の含有量が少なく、金属鉄含有量95重量%以上の鉄粉であることがより好ましい。
鉄粉の粒径としては、平均粒径10〜150μmの範囲にあるものが好ましく、その接触面積を大きくするために小さい方がより好ましい。
酸素吸収促進剤として用いるハロゲン化金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銅、亜鉛、または、鉄等の塩化物、臭化物、または、沃化物が好ましく、中でも、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物、臭化物、または、沃化物がより好ましい。
中でも、鉄粉にハロゲン化金属水溶液を混合した後、乾燥して水分を除去して調製され、必要に応じて、鉄粉表面に上記のハロゲン化金属を被覆したものがより好ましい。
鉄系酸素吸収剤組成物を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸エチル共重合体、エチレンービニルアルコール共重合体、エチレンープロピレン共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することが好ましく、中でも、食品用、医薬品用包装材として使用されるため、耐熱性、耐薬品性、衛生性等において優れた性質を有するポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレレフィン系樹脂を使用することがより好ましい。
本発明にかかる鉄系酸素吸収剤組成物としては、この組成物にゼオライト、活性炭、酸化チタン等の各種添加剤を混合してもよい。
本発明において、上記の熱可塑性樹脂に前記の酸素吸収剤、酸素吸収促進剤等とを混練して得られた組成物を用いて製膜したフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
その厚みとしては、20〜180μm位の範囲が好ましい。
酸素吸収性樹脂層の酸素透過度としては、100cc/m・atm・day以上(23℃、90%RH)が好ましく、200cc/m・atm・day以上(23℃、90%RH)がより好ましい。
【0012】
本発明にかかる酸素吸収性積層体を構成する基材層としては、印刷適性、ラミネート適性、引張り強度、衝撃強度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性等の性能、条件が必要である。
このような性能、条件を満たすフィルムとしては、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位が好ましく、10〜50μm位がより好ましい。
また、必要に応じてこれらの基材フィルムに例えばアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)等の金属、または、例えばアルミニウム、酸化アルミナ、酸化珪素等の無機物を蒸着して使用してもよい。
なお、本発明において、上記のような基材フィルムには、必要に応じて、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
【0013】
次にまた、本発明において、上記の基材層を構成する材料としては、例えば、紙層を構成する各種の紙基材を使用することができる。
具体的には、本発明において、紙基材としては、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
【0014】
次に、本発明にかかる酸素吸収性包装材料を構成する中間層を構成する材料としては、例えば、外部から光、酸素、水蒸気等に対するバリア−性を付与することができる。
例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂のコーティング、MXD6(ポリ(メタキシリレンジアミンアジパミド))、非晶性ポリアミド等のナイロン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシ−ト、アルミニウム箔等の金属箔、アルミニウム、酸化アルミナ、酸化珪素等の無機物に蒸着を施したフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜300μm位が好ましく、10〜100μm位がより好ましい。
また、ガスバリア層の酸素透過度としては、20cc/m・atm・day以下(23℃、90%RH)が好ましく、10cc/m・atm・day以下(23℃、90%RH)がより好ましい。
また、光、酸素、水蒸気等に対するバリア−層を前記の酸素吸収層より内容物側に設けることによって、外部からのバリア−性を付与することにより、酸素吸収層の劣化を防止し、また、内容物の品質保持性を向上させるだけでなく、酸素吸収層における内容物に溶在する酸素を吸収する性能を高めるためより好ましいものである。
【0015】
本発明にかかる酸素吸収性包装材料を構成するヒートシール層としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであり、また、これに前述した酸素吸収性樹脂層を設けることから、酸素を透過する性質を有する樹脂のフィルムないしシートであれば良い。
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、α−オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンープロピレン共重合体、エラストマー等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することが好ましく、中でも、食品等の内容物に接する層であるため、衛生性、耐熱性、耐薬品性、保香性に優れたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することがより好ましい。
また、その厚さとしては13〜100μm位が好ましく、15〜70μm位がより好ましい。
【0016】
なお、本発明においては、通常、包装容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、本発明にかかる酸素吸収性包材の中間層を構成する材料としては、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の諸条件を充足する材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μm〜300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0017】
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、対候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスティック配合剤や添加剤等を添加することができる。
その添加量としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
【0018】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、具体的に述べると、基材層、中間層、酸素吸収性樹脂層、ヒートシール層との層間は、例えば、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、インフレ−ション法、共押し出しインフレ−ション法、その他等で行うことができ、中でも、ドライラミネーション法が、接着強度に優れ、より好ましいものである。
【0019】
上記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用することができる。
上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
その塗布量としては、0.1〜10g/m(乾燥状態)位が好ましく、1〜5g/m(乾燥状態)位がより好ましい。
【0020】
上記において、溶融押出性樹脂層としては、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用され、基材フィルム層、中間層、酸素吸収性樹脂層、および、最内層の各層間を接着するために使用することができる。
具体的には、接着性の溶融押出性樹脂層の材料としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン・αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン・ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
その樹脂層の厚みとしては、10〜30μm位が好ましい。
【0021】
なお、上記の積層を行う場合、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理、その他等の前処理を施し、積層することができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと各層を積層する際、密着性等を改良するための方法として実施するものであるが、上記の密着性を改良する方法として、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
【0022】
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0023】
上記のアンカーコート剤としては、上記アンカーコート剤に使用出来るものとしては、溶剤型、水性型のいずれも使用可能だが、基材が紙の場合、希釈溶剤中およびアンカーコート剤中のトルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の人体に有害な有機溶剤等が、積層体中に残存するため、食品包装に用いた場合には食品に残留溶剤が移行し易く、食品衛生上好ましくない。
従って、(塩素化)ポリプロピレン系、変性ポリオレフィン系、エチルビニルアルコール系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリウレタン系、ポリエステル系ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス、ポリブタジェンラテックスのゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、ポリブタジエンラテックス、あるいはこれらのラテックスのカルボキシル変性物や水溶性物質、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、水性アクリル樹脂、水性アポキシ樹脂、水性セルロース誘導体、水性ポリエステルおよび水性リグニン誘導体等水性イソシアネート等の水性若しくは水分散型エマルジョン若しくはディスパージョンのアンカーコート剤が用いられる。
上記のアンカ−コ−ト剤の塗布法としては、例えば、グラビアコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗布量としては、乾燥状態で、0.1〜5g/mが好ましい。
【0024】
次に、本発明において、上記のような積層体を使用して製袋する方法について説明すると、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
【0025】
次に、本発明において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、易開封性手段として、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等の任意に取り付けることができる。
【0026】
次にまた、本発明において、上記で製造された積層体を、そのヒートシール層を内側にしてカップ状またはトレー状に熱成形した容器本体を用い、蓋材には、上記で製造された積層体を用い、該容器本体の開口部周縁のフランジ部に該蓋材の熱接着性樹脂層面を合わせて熱シールし、密封してなる包装容器を製造することができる。
なお、蓋材のヒートシール層にイージーピール性の樹脂を用いることが、開封時に容易に剥離させることができるため好ましい。
【0027】
次にまた、紙容器として、紙基材を含む場合には、例えば、積層体として、紙基材を積層した積層体を製造し、これから所望の紙容器を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトップタイプの液体用紙容器等を製造することができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
【0028】
本発明において、酸素吸収性を有する包装容器に充填包装する内容物としては、例えば、お粥、雑炊等の流動食品、白飯、五目飯、チャーハン、ピラフ等の米類、茶、コーヒー、ソース、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、シチュー、スープ等の液体加工食品、栗羊羹等の菓子類、豆、いも、煮物、漬物等の食品、魚介類、珍味、そば、ラーメン等の生麺、ドレッシング等の液体調味料、その他の各種食品等が挙げられる。
而して、本発明において、酸素吸収性を有する包装容器は、内容物の酸化、退色、品質の劣化を防止し、内容物の品質保持性に優れるものである。
また、酸素吸収性を有する包装容器は、内容物の酸化による劣化が著しい、医薬品、化粧品、電子材料用としても好適に使用することができる。
【0029】
本発明において、上記で得られた酸素吸収性を有する包装材料や、それを使用した包装容器は、乾燥剤と共に外装袋に入れて密封することにより、外装袋の内部に存在する空気中の水分や、包装材料、若しくは、それを使用した包装容器内に溶存する水分を乾燥剤と反応させて除去し、常に乾燥状態にしておくことが必要である。
これにより、本発明に係る包装材料、および、それを使用した包装容器の製造工程、保管、輸送、内容物の充填工程等において、空気中の水蒸気等の水と接触せず、乾燥状態に保持しておくことができる。
これは、酸素吸収性を有する包装材料、若しくは、それを使用した包装容器において、それに含まれる鉄系酸素吸収剤を構成する鉄が、水の存在しない状態において、酸化反応を開始せず、鉄系酸素吸収剤の劣化を防止できるためである。
一方、酸素吸収性を有する包装材料、若しくは、それを使用した包装容器において、鉄系酸素吸収剤を構成する鉄が、水の存在によって酸化反応が開始されるため、酸素吸収能が低下してしまい、好ましくない。
【0030】
本発明において、乾燥剤としては、通常使用されている粉末状乾燥剤を好適に使用することができる。
例えば、シリカゲル等の珪素系乾燥剤、炭化カルシウム、塩化カルシウム等の無機塩系乾燥剤、石灰粉等の乾燥剤を使用することが好ましい。
中でも、低湿度下(常温、相対湿度20%程度)で水分吸収能力を発現するシリカゲル等がより好ましく使用できる。
【0031】
本発明において、外装袋としては、前記の酸素吸収性を有する包装材料、若しくは、それを使用した包装容器と、乾燥剤を包装し密封して、集積した包装製品の重量に耐えることがができればよく、特に制限されない。
例えば、一般的に外装袋として使用される素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる無延伸、ないし、一軸、あるいは、二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。
中でも、内容物である酸素吸収性を有する包装材料若しくは、それを使用した包装容器が、食品用、医薬品用包装材として使用されるため、耐熱性、耐薬品性、衛生性等において優れた性質を有し、また、コストパフォーマンスにも優れるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレレフィン系樹脂から製膜されたフィルムを用いた袋を使用することがより好ましい。
更に、本発明において、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
その厚みとしては、100〜300μm位の範囲が好ましい。
また、外装袋としては、アルミニウム等の金属蒸着膜フィルム、酸化珪素等の無機蒸着フィルム等のガスバリヤー性のフィルムにより酸素吸収性包装材料、若しくは、それを使用した容器を集積包装する外装袋として使用することもできる。
なお、上記で得られた酸素吸収性を有する包装材料、若しくは、それを使用した包装容器と、乾燥剤とを外装袋に入れ、真空包装、窒素置換包装等をしても良い。
【0032】
また、本発明において、前記の酸素吸収性を有する包装材料、または、それを使用した包装容器と、乾燥剤とを外装袋に入れて密封した包装体内部が、常温(30℃以下、相対湿度20%RH以下の環境下で包装体を保管することが好ましい。
温度18℃〜28℃程度、相対湿度0.1RH%〜20.0%RH程度の環境下では、鉄系酸素吸収剤の酸化反応による劣化がみられず、酸素吸収性を有する包装材料や、それを使用した包装容器の保存に優れるという利点があるため、相対湿度が低いほど酸化反応が進行しないため、より好ましい。
【0033】
本発明において、本発明にかかる酸素吸収性を有する包装材料や、それを使用した包装容器と、乾燥剤と共に安価なポリエチレンフィルム等からなる外装袋に入れて密封した包装体は、酸素吸収性を有する包装材料や、それを使用した容器の酸素吸収性を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができ、環境面、生産性、作業性、コストパフォーマンスにも優れた包装体である。
また、酸素吸収性材料、若しくは、それを使用した容器を乾燥剤と共に包装し密封して、包装体内部に存在する空気中の水分を乾燥剤と反応させて除去し、乾燥状態にして、前記の酸素吸収性材料若しくは、それを使用した包装容器に含有する鉄系酸素吸収剤が劣化するのを防止し、酸素吸収性の保持性を高める保存方法である。
【0034】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
(実施例1)平均粒径30μmの還元鉄粉100重量部を加熱ジャケット付き真空圧空乾燥機中に投入し、10mmHg以下の減圧下、140℃で加熱しつつ、塩化カルシウム50重量%水溶液5重量部を噴霧、乾燥した後、篩い分けて80μmオーダーの粗粒を除き、最大径80μmの塩化カルシウム皮膜鉄粉を得た。得られた皮膜鉄粉100重量部に平均粒径30μmの硫酸カルシウム0.3重量部をダンプラーにて混合し、鉄系酸素吸収剤組成物を得た。
次に、ベント付き45mmφ同方向回転二軸押出し機と定量フィーダーからなる押出し機を用いて、プロピレン−エチレンランダム共重合体と前記の鉄系酸素吸収剤組成物とを重量比75:25で混練し、ストランドダイから押出した後、空冷、破砕して酸素吸収性組成物からなるマスターバッチAのペレットを得た。
【0035】
次いで、単軸押出し機、Tダイ、冷却ロールからなる押出し装置を有するタンデム押出ラミネーターを用い、ヒートシール性フィルムとして、繰り出されるポリプロピレン樹脂からなる厚さ50μmの未延伸フィルム(以下「CPP」という。)の片面に押出し機から前記のマスターバッチAを厚さ30μmで押出しラミネートし、CPPフィルム(50μm)/酸素吸収性樹脂層(30μm)からなる積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの酸素吸収性樹脂層側に、ガスバリア層として厚さ7μmのアルミニウム箔(以下「Al」という。)、耐ピンホール性層として厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(以下「ON」という。)、及び、基材層として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PET」という。)を順次、二液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤を塗布量4g/m (乾燥状態)でドライラミネーションして、PETフィルム(12μm)/ONフィルム(15μm)/Al(7μm)/酸素吸収性樹脂層(30μm)/CPPフィルム(50μm)からなる酸素吸収性積層体を得た。
【0036】
次いで、記のようにして得られた酸素吸収性積層体を用い、基材層のPETフィルムの延伸方向が包装袋の上縁辺部と平行になるようにして、CPPフィルムを対面させて、その周辺端部をヒートシールして、シール部にノッチを入れ、縦170mm、横120mm、底部マチ部30mm、サイドシール巾5mmの開口部を有するスタンドパウチ(自立性袋)を得た。
【0037】
上記で得られたスタンドパウチ(1000袋)を、乾燥剤としてシリカゲル(50g)と共に、ポリエチレンフィルムからなる外装袋(縦200cm×横200cm)に収納し、テープ止めをして密封し、本発明にかかる包装体を得た。
更に、その包装体を、段ボール(縦30cm×横40cm×高さ22cm)に詰めて梱包した。
その後、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下で密封状態にて1週間保管した。
上記で得られた包装体は、包装体の内容物である酸素吸収性スタンドパウチの酸素吸収性を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができた。
また、高価なアルミ蒸着フィルムからなるバリアー性フィルムを使用して外装袋を作製する必要がなく、廉価なポリエチレン袋等を使用すればよく、コストパフォーマンスに優れるものであった。
また、酸素吸収性スタンドパウチを充填する場合、真空充填や、不活性ガスに置換する必要もなく、生産性、作業性に優れるものであった。
また、外装袋を使い捨てにする必要がないため、小分けにする必要がなく、内容物(酸素吸収性スタンドパウチ)を必要な分だけ取り出した後、簡便なテープ止め等で再密封すればよく、極めて生産性、作業性、コストパフォーマンスに優れ、廃棄物が少なくて済み、環境にもやさしいものであった。
【0038】(実施例2)
前記の実施例1においてアルミニウム蒸着フィルムからなる外装袋(層構成:二軸延伸ポリエチレンフィルム層/ドライラミネート用接着剤/アルミニウム蒸着層/未延伸ポリエチレンフィルム層、サイズ:縦200cm×横200cm)を使用すること以外は、前記の実験例1と同様にして実施例2の包装体を得た。更に、その包装体を段ボール(縦30cm×横40cm×高さ22cm)に詰めて梱包し、その後、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下で密封状態にて1週間保管した。
上記で得られた包装体は、包装体の内容物である酸素吸収性スタンドパウチの酸素吸収性を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができた。
また、生産性、作業性、環境面においても優れるものであった。
【0039】(比較例1)
前記の実施例1において乾燥剤(シリカゲル50g)を使用しないことの他は、前記の実験例1と同様にして比較例1の包装体を得た。
更に、その包装体を段ボール(縦30cm×横40cm×高さ22cm)に詰めて梱包し、その後、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下で密封状態にて1週間保管した。
【0040】(比較例2)
前記の実施例2において乾燥剤(シリカゲル50g)を使用しない以外は、前記の実験例2と同様にして比較例2の包装体を得た。
更に、その包装体を段ボール(縦30cm×横40cm×高さ22cm)に詰めて梱包し、その後、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下で密封状態にて1週間保管した。
【0041】(実験1:保管する相対湿度の評価試験)
得られた酸素吸収性積層体を10cm×10cmの大きさに切り取り、バリアー性フィルムからなる外装袋(200cm×200cm)に入れ、一定量の空気を封入後、密封後、温度23℃で、相対湿度0.1%RH、20%RH、30%RH、50%RH、75%RH、100%RHで1週間、保管した。
【0042】
その後、各々のバリアー性包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計にて測定した。
なお、上記の酸素濃度の測定結果から、下記の計算式に基づいて、封入した空気量あたりの酸素吸収性積層体の酸素吸収量(単位:cc/cm/23℃/1week)の有無を記載した。
Y={0.21A−0.79A/(1−X/100)X/100}/256
Y:酸素吸収量(cc/cm/23℃/1week)
A:仕込み空気量(cc)
X:酸素濃度(%)
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
【0043】(実験結果)
【表1】
Figure 2004067232
【0044】
上記の評価結果より明らかなように、外装袋内に保管した相対湿度、0.1%、20%の条件下の酸素吸収性包装材料(積層体)については、保管前と保管後での酸素吸収能が低下していなかった。
このことから、外装袋内の相対湿度、0.1%、20%の条件下において、酸素吸収性包装材料の酸素吸収能は、発現せず、性能を保持していることがわかった。
これに対して、外装袋内に保管した相対湿度、30%RH、50%RH、75%RH、100%RHの環境下での酸素吸収性包装材料については、保管前と比べて、保管後の酸素吸収能が低下していた。
このことから、外装袋内の相対湿度、30%RH、50%RH、75%RH、100%RHの環境下において、酸素吸収性包装材料の酸素吸収能は、発現し、劣化していることがわかった。
このため、包装体の内部の相対湿度、0.1%〜20%RHの範囲内で酸素吸収性包装材料を保存する方法が、優れていることがわかった。
【0045】(実験2:包装体の酸素吸収能試験)
実施例1、実施例2、比較例1、及び、比較例2の包装体について、密封直後、及び、40℃、相対湿度90%RHの環境下で1週間保管後の包装体からスタンドパウチを取り出し、酸素吸収能を評価した。
即ち、上記の包装体から取り出したスタンドパウチを10cm×10cmに切り取り、バリアー性包装袋に入れ、一定量の空気を封入し、一定量の水を注入後、密封し、温度40℃、相対湿度100%RHの環境下で、3日間保管した後、各々のバリアー性包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計にて測定した。
上記の測定結果について、下記の表2に示す。
【0046】(実験結果)
【表2】
Figure 2004067232
【0047】
上記の評価結果より明らかなように、実施例1、及び、実施例2にかかるものは、40℃、相対湿度90%RHの環境下で1週間保管後の包装体から取り出したスタンドパウチの酸素吸収性は、密封直後の包装体から取り出したスタンドパウチ(酸素吸収性包装容器)の酸素吸収性と比べて、低下しておらず、性能が維持されていることがわかった。
これに対し、比較例1にかかるものにおいて、実施例1と比べて、40℃、相対湿度90%RHの環境下で1週間保管後の包装体から取り出したスタンドパウチの酸素吸収性は、酸素吸収性の低下がみられた。
また、比較例2にかかるものにおいて、比較例1と比べて、40℃、相対湿度90%RHの環境下で1週間保管後の包装体から取り出したスタンドパウチの酸素吸収性は、酸素吸収性の低下の度合いが抑えられているものの、実施例2と比べて、性能の低下がみられた。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、熱可塑性樹脂と鉄系酸素吸収剤組成物とを配合した酸素吸収性組成物からなる酸素吸収性を有する層を少なくとも一層設けた包装材料と、乾燥剤とを包装して密封することを特徴とする酸素吸収性包装材料用包装体を製造したところ、食品の色調、品質の保持性に優れる酸素吸収性を有する包装材料を劣化させず、性能を維持したまま長期間保存することができ、環境面、生産性、作業性、コストパフォーマンスにも優れた包装体を提供することができるものである。
また、本発明の方法は、前記の酸素吸収性包装材料、若しくは、それを使用した包装容器を乾燥させ、一定の湿度下で保存したところ、使用前において、包装材料に含まれる鉄系酸素吸収性剤の酸化反応が活性することなく、その性能を維持した状態で、食品等の内容物を酸素吸収性包装容器内に充填する等、使用する時点において、食品等の酸化防止による色調、品質を保持でき、長期間の保存を可能にする酸素吸収能を充分発揮することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる包装体の一例の構成を示す概略的斜視図である。
【図2】本発明にかかる酸素吸収性包材の一例の構成を示す概略的断面図である。
【図3】図2に示す積層体を使用し、本発明にかかる袋状のプラスチック容器の一例を示す概略的正面図である。
【符号の説明】
1a  鉄系酸素吸収剤
1b  熱可塑性樹脂
1   酸素吸収性樹脂層
2   基材層
3   ヒートシール層(酸素透過性層)
4   シール部
5   ノッチ
10 酸素吸収性包装袋
20 乾燥剤
30 外装袋
40 包装体
50 酸素吸収性積層体(包装材料)

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂と鉄系酸素吸収剤組成物とを配合した酸素吸収性組成物からなる酸素吸収性を有する層を少なくとも一層設けた包装材料と、乾燥剤とを包装して密封することを特徴とする酸素吸収性包装材料用包装体。
  2. 請求項1に記載の包装体が、その内部に存在する水分を乾燥剤と反応させて除去し、乾燥状態にして、一定の相対湿度下で、前記の酸素吸収性包装材料、若しくは、それを使用した包装容器における酸素吸収性の保持性を高めることを特徴とする保存方法。
  3. 前記の相対湿度が、20%RH以下であることを特徴とする請求項2に記載の保存方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014189322A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd 乾燥剤包装体、食品包装体、食料品に添付される乾燥剤の検査方法、及び食品包装体の製造方法

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